[1]本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に関わる複数台の空冷式熱源機1a〜1nが順に並んで設置されている。これら空冷式熱源機1a〜1nは,同じ構成を有するもので、チラーユニットとも称し、圧縮機2、四方弁3、一対の空気熱交換器4,4、膨張弁5、外気ファン6、外気温度センサ7、水熱交換器8、ドレンパン9などを備える。
圧縮機2は、冷媒を吸込んで圧縮し吐出する。この圧縮機2の冷媒吐出口に四方弁3を介して空気熱交換器4,4が配管接続され、その空気熱交換器4,4に膨張弁5を介して水熱交換器8が配管接続される。そして、水熱交換器8と圧縮機2の冷媒吸込口が配管接続される。これら配管接続により、ヒートポンプ式冷凍サイクルが構成されている。
空冷式熱源機1aの空気熱交換器4,4は、互いに離間してV字状に配置されている。外気ファン6は、空気熱交換器4,4の相互間に上向き状態で配置されている。この外気ファン6が運転すると、太線矢印で示すように、外気が空気熱交換器4,4を通って空気熱交換器4,4の内側空間に吸い込まれ、吸い込まれた空気が外気ファン6を通って空冷式熱源機1aの上方に排出される。外気温度センサ7は、空冷式熱源機1aが設置されている場所の外気温度を検知する。
水熱交換器8は、図示しない負荷側機器(例えばファンコイル等の空調機)に配管接続されている。この配管接続により、水熱交換器8と負荷側機器との間に水の循環路が形成される。空気熱交換器4,4が凝縮器として機能し、水熱交換器8が蒸発器として機能する冷房モードでは、負荷側機器を経て水熱交換器8へと流れた水がヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒に熱を奪われて冷水となり、その冷水が負荷側機器へと送られる。空気熱交換器4が蒸発器として機能し、水熱交換器8が凝縮器として機能する暖房モードでは、負荷側機器を経て水熱交換器8へと流れた水がヒートポンプ式冷凍サイクルの冷媒から熱を奪って温水となり、その温水が負荷側機器へと送られる。
これらヒートポンプ式冷凍サイクルおよび外気ファン6に関わる構成は、他の空冷式熱源機1b〜1nについても同じである。よって、その説明は省略する。
このような構成の空冷式熱源機1a〜1nの近傍に、冷却用の液体たとえば水Wを収容するタンク10が配置されている。このタンク10の底部に配管11の一端が接続され、その配管11上に電磁開閉弁12および流量センサ13が順に配置されている。流量センサ13は、配管11に流れる水Wの流量(ストレーナ15に流れる水Wの流量)Faを検知する。そして、配管11の他端は、ほぼ垂直状態に配置された上下方向配管14の下部に接続されている。配管11から上下方向配管14へと流れた水Wは、循環ポンプ18の水圧により上下方向配管14の下部から上部へと上昇して流れる。
この上下方向配管14に、異物収集器である例えばストレーナ15が取付けられている。ストレーナ15は、タンク10から導かれる水Wの流入口が上下方向配管14の下部に位置する状態で取付けられ、上下方向配管14の下部から上部へと流れる水Wから異物(例えばゴミ)を濾し取って収集する。このストレーナ15に水Wが流入する側の上下方向配管14に圧力センサ16aが取付けられ、ストレーナ15から水Wが流出する側の上下方向配管14に圧力センサ16bが取付けられている。圧力センサ16aは、ストレーナ15に流入する水Wの圧力Paを検知する。圧力センサ16bは、ストレーナ15から流出する水Wの圧力Pbを検知する。
上下方向配管14の上部に配管17の一端が接続され、その配管17上に循環ポンプ18、逆止弁19、手動開閉弁20、減圧弁21、および電磁開閉弁22が順に配置されている。配管17の他端は、空冷式熱源機1a〜1nの近傍に配置されている複数のノズル23に接続される。これらノズル23は、空冷式熱源機1a〜1nの各空気熱交換器4の上部に噴射口を向けた状態で配置されている。
手動開閉弁20は、係員によって予め開操作される。この状態で電磁開閉弁12,22が開きかつ循環ポンプ18が運転することにより、タンク10内の水Wが配管11、電磁開閉弁12、流量センサ13、上下方向配管14、ストレーナ15、配管17、循環ポンプ18、逆止弁19、手動開閉弁20、減圧弁21、および電磁開閉弁22を通って各ノズル23に流れる。各ノズル23に流れた水Wは、各ノズル23から各空気熱交換器4の上部に向けて噴射され、各空気熱交換器4のコイルおよびフィンに散布される。散布された水W(または後述の上水)は、各空気熱交換器4のコイルおよびフィンに沿って流下しながら、各空気熱交換器4を冷却する。
上記配管11、電磁開閉弁12、上下方向配管14、配管17、循環ポンプ18、逆止弁19、手動開閉弁20、減圧弁21、電磁開閉弁22、および各ノズル23により、タンク10の水Wを循環ポンプ18の送水圧力によって各空気熱交換器4に散布する第1散布手段(チラー散水手段)が構成されている。
各空気熱交換器4を冷却して流下する水Wは、ドレンパン9に収容される。各空気熱交換器4から流れ落ちる結露水、空気熱交換器4に付着した霜が除霜運転により溶けて流れ落ちる融解水、各空気熱交換器4およびその周辺部から流れ落ちる雨水等も、ドレンパン9に収容される。このドレンパン9に配管24の一端が接続され、その配管24の他端がタンク10の上部に接続されている。ドレンパン9内の水Wおよび結露水・融解水・雨水等は、この配管24を通ってタンク10に回収される。
上記ドレンパン9および配管24により、空気熱交換器4から流下する水をタンク10に回収する回収手段が構成されている。
上記配管17における減圧弁21と電磁開閉弁22との間の位置にバイパス配管25の一端が接続され、そのバイパス配管25の他端がタンク10の上部に接続されている。そして、バイパス配管25に安全弁26が配置されている。安全弁26は、配管17側の水圧に異常上昇がない場合は閉じた状態を維持するが、配管17側の水圧が異常上昇した場合はその水圧で機械的に開いてバイパス配管25を導通する。これらバイパス配管25および安全弁26により、配管17側の電磁開閉弁22が故障により閉じてしまった場合に循環ポンプ18が締切り運転となる不具合を防ぐための保護手段が構成されている。なお、安全弁26に代えて常閉型の電磁開閉弁を配置し、その電磁開閉弁を配管17側の水圧が異常上昇した場合に開動作させる構成としてもよい。
水道や井戸等の給水源に配管31の一端が接続され、その配管31の他端がタンク10の上部に接続されている。そして、配管31上に、手動開閉弁32、電磁開閉弁33、流量センサ34、および電磁開閉弁35が順に配置されている。手動開閉弁32は、係員によって予め開操作される。この状態で電磁開閉弁33,35が開くことにより、給水源から導かれている上水が配管31、手動開閉弁32、電磁開閉弁33、流量センサ34、および電磁開閉弁35を通ってタンク10に補給される。
上記配管31、手動開閉弁32、および電磁開閉弁33,35により、タンク10へ上水を補給する補給手段が構成されている。流量センサ34は、配管31に流れる上水の流量を検知する。
タンク10の近傍に薬剤容器40が配置され、その薬剤容器40に配管41の一端が接続されている。配管41の他端はタンク10内に導入されている。そして、配管41に注入ポンプ42が配置されている。注入ポンプ42が運転すると、薬剤容器40内の液状の薬剤が配管41を通ってタンク10に注入される。
上記薬剤容器40、配管41、注入ポンプ42により、タンク10に薬剤を注入する薬剤注入手段が構成されている。薬剤として、防スケール剤・防食剤・殺菌剤等の水処理薬剤から目的や水質に応じて一種あるいは二種以上のものが適宜に選択される。
タンク10の側面上部に配管43の一端が接続され、その配管43の他端が外部の例えば排水処理施設等に接続される。タンク10に存する水Wが増え、その水Wが配管43の接続位置に至ると、水Wが配管43を通って外部に排出される。また、タンク10の底部に配管45の一端が接続され、その配管45の他端が上記配管43の中途部に接続されている。そして、配管45に手動開閉弁46が配置されている。手動開閉弁46を係員が開操作すると、タンク10内の底に存する水Wが配管45、手動開閉弁46、および配管43を通って外部に排出される。
上記配管43、配管45、および手動開閉弁46により、タンク10内の水Wを外部の排水処理施設等に排出する第1排水手段が構成されている。
タンク10の底部に配管47の一端が接続され、その配管47の他端が外部の下水管等に接続される。そして、配管47に手動開閉弁48が配置されている。手動開閉弁48を開くと、タンク10内の底に存する水Wが配管47および手動開閉弁48を通って外部の下水管等に排出される。
上記配管47および手動開閉弁48により、タンク10内の水Wを外部の下水管等に排出する第2排水手段が構成されている。薬剤を含んだ水と含んでいない水を分けて排出する必要がない場合は、第1排水手段と第2排水手段を兼用することができる。
タンク10の上部に水Wの量を検知する検知手段として水位センサ51が配置され、タンク10内の底部付近に水Wの汚れ度合を検出する検出手段として電気伝導率センサ52が配置されている。水位センサ51は、タンク10内の水Wに進入する複数のアクチュエータを有し、タンク10内の水Wの水位を検知する。電気伝導率センサ52は、タンク10内の水Wの電気伝導率Cを検知する。
上記配管31における流量センサ34と電磁開閉弁35との間の位置に配管61の一端が接続され、その配管61の他端が上記配管17における電磁開閉弁22の手前位置に接続されている。そして、配管61に逆止弁62および電磁開閉弁63が順に配置されている。手動開閉弁32は、係員によって予め開操作される。この状態で電磁開閉弁33,63,22が開くことにより、給水源からの上水が配管31、手動開閉弁32、電磁開閉弁33、配管61、逆止弁62、電磁開閉弁63、配管17、および電磁開閉弁22を通って各ノズル23に送られる。
上記配管31、手動開閉弁32、電磁開閉弁33、配管61、逆止弁62、電磁開閉弁63、配管17、電磁開閉弁22、および各ノズル23により、給水源からの上水を各空気熱交換器4に対する洗浄用およびタンク10内の水Wに対する希釈用として各空気熱交換器4に散布する第2散布手段(チラー洗浄手段)が構成されている。この上水の散布には、給水源の給水圧力が利用される。
上記配管61における逆止弁62と電磁開閉弁63との間の位置に配管71の一端が接続され、その配管71の他端が上下方向配管14の上部に接続されている。そして、配管71に電磁開閉弁72が配置されている。さらに、上下方向配管14の下部に配管73の一端が接続され、その配管73の他端が上記配管47における手動開閉弁48より下流側の位置に接続されている。循環ポンプ18が止まっている状態で電磁開閉弁33,72,74が開くことにより、給水源からの上水が配管31、手動開閉弁32、電磁開閉弁33、配管61、逆止弁62、配管71、電磁開閉弁72を通って上下方向配管14の上部に流入する。流入した上水は、ストレーナ15に勢いよく流れ込む。この水流により、ストレーナ15内に溜まっている異物がストレーナ15から流出する。流出した水および異物は、上下方向配管14から配管73へと流れ、そこから電磁開閉弁74および配管47を通って外部の下水等へ排出される。
上記配管31、手動開閉弁32、電磁開閉弁33、配管61、逆止弁62、配管71、電磁開閉弁72、上下方向配管14、配管73、電磁開閉弁74、および配管47により、洗浄用の上水を上下方向配管14の上部から下部へと第1散布手段の流路の水Wの流れとは逆の方向でストレーナ15に通して流し、この水流によりストレーナ15内に溜まった異物をストレーナ15から流出させて外部の下水管等に排出する排出手段が構成されている。この排出手段によってストレーナ15内の異物を排出つまり洗浄することをストレーナ逆洗(ぎゃくせん)という。
このストレーナ逆洗に際し、ストレーナ15に流入する水は、給水源からの給水圧力を受けるとともに、上下方向配管14がほぼ垂直状態であることによる重力も受けるので、ストレーナ15に勢いよく流れ込む。したがって、ストレーナ15内に溜まった異物を効率よく洗い出すことができ、ストレーナ15に対する高い洗浄能力を確保できる。
一方、制御部(制御手段)80に、空冷式熱源機1a〜1n、電磁開閉弁12,22,33,35,63,72,74、流量センサ13,34、圧力センサ16a,16b、循環ポンプ18、注入ポンプ42、水位センサ51、電気伝導率センサ52、および操作部81が接続されている。
以上の構成により、空冷式熱源機1a〜1nに対する液体散布装置が構築される。操作部81は、運転条件を係員操作により設定するためのものである。
制御部80は、上記第1散布手段による散布(チラー散水という)、上記第2散布手段による散布(チラー洗浄という)、上記排出手段によるストレーナ逆洗、上記補給手段による上水の補給、上記薬剤注入手段による薬剤注入、および上記第1排水手段による排水の制御などを実行する。この制御は、具体的には、次の(1)〜(8)の第1〜第8制御手段を含む。
(1)各空気熱交換器4の冷却に関わるチラー散水開始条件(第1散布開始条件)が成立した場合に、上記第1散布手段によるチラー散水を開始(実行)する第1制御手段。
チラー散水開始条件としては、空冷式熱源機1a〜1nのいずれか1つの外気温度センサ7の検知温度Toが所定値Tos以上という条件、空冷式熱源機1a〜1nのいずれか1つの運転負荷率Qが所定値Qs以上という条件などがある。これらの条件が1つだけ成立した場合にチラー散水開始条件が成立したと判定してもよいし、複数の条件が共に成立した場合にチラー散水開始条件が成立したと判定してもよい。制御部80は、これらの条件を内部メモリに保持(記憶)している。
(2)上記第1散布手段によるチラー散水の開始に伴い、チラー散水の実行回数Nを計数し、チラー散水の実行時間taを計測して積算(積算値tax)し、タンク10内の水Wの電気伝導率Cを電気伝導率センサ52により検出し、ストレーナ15に流入する水Wの圧力Paとストレーナ15から流出する水Wの圧力Pbとの圧力差ΔP(=Pa−Pb)を圧力センサ16a,16bにより検出し、かつストレーナ15に流れる水Wの流量Faを流量センサ13により検出して積算(積算値Fax)する第2制御手段。
(3)各空気熱交換器4の冷却に関わるチラー散水停止条件(第1散水停止条件)が成立した場合に、第1散布手段によるチラー散水を停止する第3制御手段。
チラー散水停止条件としては、空冷式熱源機1a〜1nの全ての外気温度センサ7の検知温度Toが所定値Tos未満という条件、空冷式熱源機1a〜1nの全ての運転負荷率Qが所定値Qs未満という条件、チラー散水の実行時間taの積算値taxが設定値taxs以上という条件、タンク10内の水Wの電気伝導率Cが特定値Cs1以上という条件、ストレーナ15の圧力差ΔPが設定値ΔPs以上という条件、ストレーナ15に流れる水Wの流量Faの積算値Faxが設定値Faxs以上という条件などがある。これらの条件が1つだけ成立した場合にチラー散水停止条件が成立したと判定してもよいし、これらの条件のうち複数の条件が成立した場合にチラー散水停止条件が成立したと判定してもよい。制御部80は、これらの条件のうち、判定に用いる1つまたは複数の条件を内部メモリに保持(記憶)している。
(4)第1散布手段によるチラー散水の停止後(終了後)、各空気熱交換器4の洗浄およびタンク10内の水Wの希釈に関わるチラー洗浄開始条件(第2散布開始条件)が成立する場合に、第2散布手段によるチラー洗浄を所定時間(第1所定時間)t1sにわたり実行するとともに、このチラー洗浄の実行中、負荷に応じた空冷式熱源機1a〜1nの運転状況(運転台数の変化)にかかわらず、空冷式熱源機1a〜1nの全ての外気ファン6を運転する第4制御手段。
チラー洗浄開始条件としては、タンク10内の水Wの電気伝導率(汚れ度合)Cが特定値Cs1以上という条件があり、さらに“チラー散水終了直後”という条件(つまりチラー散水の停止後にチラー洗浄を直ちに開始するという条件;無条件ともいう)、ストレーナ15の圧力差ΔPが設定値ΔPs以上という条件、ストレーナ15に流れる流量Faの積算値Faxが設定値Faxs以上という条件、チラー散水の実行時間taの積算値taxが設定値txs以上という条件、チラー散水の実行回数Nが設定値Ns以上という条件などがある。これら条件が制御部80の内部メモリに保持(記憶)されている。これら条件のいずれか1つの条件が成立した場合にチラー洗浄開始条件が成立したと判定してもよいし、いずれか2つ以上の条件が共に成立した場合にチラー洗浄開始条件が成立したと判定してもよい。制御部80は、チラー洗浄開始条件の成立要素が電気伝導率C,“チラー散水終了直後”,圧力差ΔP,積算値Fax,積算値tax,実行回数Nのいずれであったかを内部メモリに一時的に保持する。
上記所定時間t1sは、空冷式熱源機1a〜1nが設置される場所の環境等に応じた適宜の長さに設定される。
(5)第2散布手段によるチラー洗浄の終了後においてストレーナ15内の異物の除去に関わる逆洗開始条件(排出開始条件)が成立する場合、および上記第1散布手段によるチラー散水の終了後においてチラー洗浄開始条件が成立しないまま逆洗開始条件が成立する場合に、それぞれ上記排出手段によるストレーナ逆洗を所定時間t2sにわたり実行する第5制御手段。
逆洗開始条件としては、チラー洗浄開始条件と同じく、電気伝導率Cが特定値Cs1以上という条件がある。この条件が制御部80の内部メモリに保持(記憶)されている。この条件が成立した場合に逆洗開始条件が成立したと判定する。
逆洗開始条件としては、電気伝導率Cが特定値Cs1以上という条件に加えて、“直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始された”という条件(つまり直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始されたものであればストレーナ15も汚れていると見なしてストレーナ逆洗を直ちに開始するという条件;無条件ともいう)を含めてもよい。いずれか1つの条件が成立した場合に逆洗開始条件が成立したと判定する。直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始されたものであるか否かは、制御部80の内部メモリに保持されている“チラー洗浄開始条件の成立要素”を参照することにより、認識することができる。すなわち、内部メモリに保持されている“チラー洗浄開始条件の成立要素”が電気伝導率Cであれば、第5制御手段は、直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始されたものであってストレーナ15も汚れているとの判断の下に、チラー洗浄の終了後にストレーナ逆洗を直ちに開始する。内部メモリに保持されている“チラー洗浄開始条件の成立要素”が例えば実行回数Nであれば、第5制御手段は、直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始されたものではないとの判断の下に、現時点の電気伝導率Cが特定値Cs1以上の場合にストレーナ逆洗を開始し、現時点の電気伝導率Cが特定値Cs1未満の場合はストレーナ逆洗を開始しない。
上記所定時間t2sは、空冷式熱源機1a〜1nが設置される場所の環境やストレーナ15の容量等に応じた適宜の長さに設定される。
(6)水位センサ51の検知水位Whが設定値Wh1となるように上記補給手段による上水の補給を制御するとともに、その補給手段によるタンク10への給水量(補給量)Fmを流量センサ34により検出する第6御手段。
(7)上記薬剤注入手段による薬剤の注入をタンク10への給水量(流量センサ34の検知流量)Fmの積算値Fmxに応じて制御する第7制御手段。
(8)電気伝導率センサ52で検知される電気伝導率Cが特定値Cs2(>Cs1)以上の場合に、電磁開閉弁33,63,22を開にして各空気熱交換器4に上水を散布するチラー洗浄を行い、各空気熱交換器4から流下する水をドレンパン9および配管24によりタンク10に供給し、これによりタンク10内の水Wを配管43の接続位置へとオーバーフローさせ、タンク10内の汚れた水Wを第1排水手段である配管43により排水処理施設等に排出する第8制御手段。特定値Cs2は、チラー洗浄開始条件の特定値Cs1より高い値である。この特定値Cs2を用いることにより、当該第8制御手段による排水処理よりも上記第4制御手段によるチラー洗浄(および希釈)の方が優先して実行される。第4制御手段によるチラー洗浄(および希釈)が実行されたにもかかわらず、水Wの希釈が追い付かないまま電気伝導率Cが上昇して特定値Cs2に達した場合に、当該第8制御手段による排水処理が実行される。
つぎに、制御部80が実行する散布および逆洗の制御を図2のフローチャートを参照しながら説明する。手動開閉弁20,32は予め開操作されているものとする。
制御部80は、チラー散水開始条件の成立を監視する(ステップS1)。チラー散水開始条件が成立した場合(ステップS1のYES)、制御部80は、電磁開閉弁12,22を開いて循環ポンプ18を運転し(電磁開閉弁63、72、73は閉状態)、これによりタンク10内の水Wを各ノズル23に導いて各空気熱交換器4に散布する(ステップS2;チラー散水開始)。このとき、各ノズル23に導かれる水Wがストレーナ15を通る際に、水Wに含まれている異物(例えばゴミ)がストレーナ15で収集される。これにより、異物のない水Wが各空気熱交換器4に散布される。
この水Wの散布により、空気熱交換器4が冷却されて、各空気熱交換器4における冷媒の凝縮作用が促進される。これにより、ヒートポンプ式冷凍サイクルのエネルギー消費効率いわゆるCOP(Coefficient-Of-Performance)が高まり、空冷式熱源機1a〜1nの消費電力を低減することができる。
各空気熱交換器4に散布された水Wは、各空気熱交換器4から流下してドレンパン9に収容され、そこから配管24を通ってタンク10に回収される。回収された水Wは、再び各空気熱交換器4へと散布される。
水Wの散布開始に伴い、制御部80は、散布の実行回数Nを計数するとともに(ステップS3)、当該散布の実行時間taを計測して積算し(積算値tax)、タンク10内の水Wの電気伝導率Cを電気伝導率センサ52により検出し、ストレーナ15に流入する水Wの圧力Paとストレーナ15から流出する水Wの圧力Pbとの圧力差ΔP(=Pa−Pb)を圧力センサ16a,16bにより検出し、ストレーナ15に流れる水Wの流量Faを流量センサ13により検出して積算する(積算値Fax)(ステップS4)。なお、このステップS4で検出(および計測)する事象は、チラー散水停止条件,チラー洗浄開始条件,逆洗開始条件に該当する要素のみでよい。そして、制御部80は、チラー散水停止条件の成立を監視する(ステップS5)。
チラー散水停止条件が成立しない場合(ステップS5のNO)、制御部80は、上記ステップS4〜S5の処理を繰り返す。
チラー散水停止条件が成立した場合(ステップS5のYES)、制御部80は、循環ポンプ18を停止するとともに電磁開閉弁12を閉じ(電磁開閉弁22は開状態のまま)、これにより水Wの散布を停止する(ステップS6;チラー散水停止)。
水Wの散布停止に続き、制御部80は、チラー洗浄開始条件の成立を監視する(ステップS7)。チラー洗浄開始条件が成立する場合(ステップS7のYES)、制御部80は、電磁開閉弁33,63を開き(電磁開閉弁22はすでに開いた状態)、給水源から導かれる上水をその給水源の給水圧力で各ノズル23に導き、各空気熱交換器4に散布する(ステップS8;チラー洗浄開始)。この上水の散布により、各空気熱交換器4に表面に付着したり堆積している不純物等の汚れが洗い流される。汚れを洗い流した後の水は、ドレンパン9に収容され、そこから配管24を通ってタンク10に回収される。
水Wの散布と回収が繰り返されると、タンク10の水Wに含まれている不純物のイオン濃度が高くなり、その結果、空気熱交換器4の表面に不純物が付着したり堆積し、空気熱交換器4の熱交換効率を低下させるとともに、水Wの散布による冷却効率をも低下させてしまうが、上記のように上水を散布して、各空気熱交換器4に付着または堆積した不純物(薬剤含む)等の汚れを洗い流すことにより、各空気熱交換器4の熱交換効率を向上させることができ、その後の水Wの散布による冷却効率も向上する。 汚れを洗い流した後の水(元は上水)は不純物等をある程度は含むが、その水の汚れ度合はタンク10内に溜まっている水Wの汚れ度合よりも小さい。この水がドレンパン9に流下して配管24によりタンク10に流れるので、タンク10内の水Wの汚れが希釈される。タンク10内の水Wの汚れが希釈されるので、汚れた水Wを排出する後述の排水処理およびそれに伴う水位処理の実行回数が少なくなる。つまり、タンク10への上水の補給量が少なくなり、よって上水の使用量を抑制することができる。また、上水の使用量が減るため、薬剤の使用量を抑制できる。
このチラー洗浄(および希釈)の開始に際し、制御部80は、空冷式熱源機1a〜1nの運転状況(運転台数の変化)にかかわらず、空冷式熱源機1a〜1nの全ての外気ファン6を運転する。例えば、空冷式熱源機1aの運転が停止中であっても、その空冷式熱源機1aにおける外気ファン6を運転する。
空冷式熱源機1a〜1nの全ての外気ファン6を運転することにより、空冷式熱源機1a〜1nの全ての空気熱交換器4に外気が流入する。各空気熱交換器4の外面に向け散布されている上水は、この外気の吸込み気流に乗り、各空気熱交換器4の外面から内部へと効率よく流れるとともに、ドレンパン9へとスムーズに落下する。各空気熱交換器4の外面に当たって飛散する上水も、各空気熱交換器4へと集約的に取込まれる。したがって、各空気熱交換器4に対する洗浄作用が促進されつつ、ドレンパン9へ流下する水の量が増える。結果として、タンク10への水の供給量が増えて、タンク10内の水Wの汚れに対する希釈作用が促進される。ひいては、後述の排水処理およびそれに伴う水位処理の実行回数をさらに少なくすることができ、上水の使用量をさらに抑制できる。
また、チラー洗浄の開始に伴い、制御部80は、タイムカウントt1を実行し(ステップS9)、そのタイムカウントt1と所定時間t1sとを比較する(ステップS10)。タイムカウントt1が所定時間t1sに達しないうちは(ステップS10のNO)、上水の散布による洗浄および全ての外気ファン6の運転を続けることになる。
タイムカウントt1が所定時間t1sに達した場合(ステップS10のYES)、制御部80は、電磁開閉弁22,33,63を閉じ、これにより上水の散布を停止する(ステップS12;チラー洗浄停止)。このチラー洗浄の停止に際し、制御部80は、チラー洗浄の開始前に停止状態にあった空冷式熱源機の外気ファン6の運転のみを停止する。そして、制御部80は、チラー散水停止条件とチラー洗浄開始条件にそれぞれ該当する要素の検出結果(および測定結果)をリセットするとともに、タイムカウントt1をリセットする(ステップS12)。
このリセットに続き、制御部80は、逆洗開始条件の成立を監視する(ステップS13)。なお、制御部80は、上記ステップS7の判定でチラー洗浄開始条件が成立しなかった場合にも(ステップS7のNO)、逆洗開始条件の成立を監視する(ステップS15)。
逆洗開始条件が成立しない場合(ステップS13のNO)、制御部80は、最初のステップS1の判定に戻る。
逆洗開始条件が成立した場合(ステップS13のYES)、制御部80は、電磁開閉弁33,72,74を開き、給水源からの上水をその給水源の給水圧力で上下方向配管14の上部に導き、これによりストレーナ15を逆洗する(ステップS14;逆洗開始)。上下方向配管14の上部に導かられた上水はストレーナ15に勢いよく流れ込み、ストレーナ15内に溜まっている異物をストレーナ15から流出させる。流出した水および異物は、上下方向配管14から配管73へ流れ、そこから配管47を通って外部の下水等へ排出される。
このストレーナ逆洗の開始に伴い、制御部80は、タイムカウントt2を実行し(ステップS15)、そのタイムカウントt2と所定時間t2sとを比較する(ステップS16)。タイムカウントt2が所定時間t2sに達しないうちは(ステップS16のNO)、ストレーナ逆洗を続けることになる。
タイムカウントt2が所定時間t2sに達した場合(ステップS16のYES)、制御部80は、電磁開閉弁33,72,74を閉じ、これによりストレーナ逆洗を停止する(ステップS17;逆洗停止)。この停止に伴い、制御部80は、逆洗開始条件に該当する要素の検出結果およびタイムカウントt2をリセットし(ステップS18)、最初のステップS1の判定に戻る。
このように、チラー散水およびチラー洗浄の終了後、逆洗開始条件が成立する場合にストレーナ15を逆洗することにより、ストレーナ15内に溜まっている異物を確実かつ効率よく除去することができ、ストレーナ15の異物収集能力を再生することができる。水Wの流れに対するストレーナ15の流路抵抗も低減することができ、よって水Wの散布効率も向上する。ストレーナ15に対する人為的な清掃作業が不要となるので、係員の負担を軽減できる。各空気熱交換器4に表面に付着したり堆積している不純物等の汚れが多い場合や、ストレーナ15内に溜まっている異物の量が多い場合のみ、ストレーナ15を逆洗するので、上水の使用量をできるだけ抑えることができる。
各空気熱交換器4に表面に付着したり堆積している不純物等の汚れやストレーナ15内に溜まっている異物の量が多いかどうかは、水Wの汚れ具合つまり水Wに含まれる異物の量で判断できる。水Wに含まれる異物の量が増えると、タンク10内の水Wの電気伝導率Cが上昇する。チラー散水の実行時間taの積算値taxが長いほど、外気からの異物の侵入量が多くなり、水Wに含まれる異物の量が増える。水Wに含まれる異物の量が増えると、ストレーナ15内に溜まる異物の量が増え、圧力差ΔPが上昇する。流量Faの積算値Faxが多いほど、外気からの異物の侵入量が多くなり、水Wに含まれる異物の量が増える。実行回数Nが増えるほど、外気からの異物の侵入量が多くなり、水Wに含まれる異物の量が増える。
水Wに含まれる異物の量を判別する要素としては、電気伝導率C,積算値tax,圧力差ΔP,積算値Fax,実行回数Nの全てを判別要素として用いる必要はなく、少なくとも1つを判別要素として用いればよい。 電気伝導率Cを検知する電気伝導率センサ52は後述の排水処理に必要な機器としてタンク10に付属されるものなので、チラー洗浄用およびストレーナ逆洗用として新たな汚れ検出手段を設ける必要がなく、その分のコストの上昇を抑えることができる。
ところで、制御部80は、図2に示したチラー散水、チラー洗浄および逆洗の制御とは別に、タンク10の水処理(水位処理、薬注処理、排水処理)に関わる図3の制御を適宜に実行する。この水処理に関わる制御を図3のフローチャートを参照しながら説明する。
[水位処理(上記第6制御手段)]
制御部80は、水位センサ51の検知水位Whと設定値Wh1とを比較する(ステップS21)。水位センサ51の検知水位Whが設定値Wh1未満の場合(ステップS21のYES)、制御部80は、電磁開閉弁33,35を開いて、タンク10への上水の供給(補給)を開始する(ステップS22)。
この給水開始に伴い、制御部80は、水位センサ51の検知水位Whと設定値Wh2(=Wh1+ΔWh)とを比較する(ステップS23)。検知水位Whが設定値Wh2未満の場合(ステップS23のNO)、制御部80は、給水を続けることになる。
水位センサ51の検知水位Whが設定値Wh2に達した場合(ステップS23のYES)、制御部80は、電磁開閉弁33,35を閉じて、タンク10への給水を停止する(ステップS24)。この停止後、制御部80は、ステップS21の処理に戻る。
この水位処理により、新鮮できれいな上水がタンク10に供給されるとともに、タンク10内の水位Whが設定値Wh1以上に維持される。同時に、きれいな上水がタンク10内の水Wに加わるので、タンク10内の水Wの汚れが希釈される。
[薬注処理(上記第7制御手段)]
給水源から配管31に供給される上水の流量Fmが流量センサ34により検知される。制御部80は、上記水位処理によってタンク10へ供給される上水の流量Fmを積算し、その積算値Fmxと設定値Fmxsとを比較する(ステップS31)。
積算値Fmxが設定値Fmxsに達した場合(ステップ31のYES)、制御部80は、注入ポンプ42を所定時間だけ運転オンして、薬剤容器40内の薬剤を所定量だけタンク10に注入する(ステップS32)。この薬剤の注入により、タンク10内の水Wの薬剤の効果(例えばレジオネラ属菌が死滅)が継続する。
薬剤の注入に伴い、制御部80は、それまで検出した積算値Fmxを零にクリアし(ステップS33)、ステップS31の処理に戻る。これにより、積算値Fmxが零から再び検出され、その積算値Fmxが設定値Fmxsに達するごとに、薬注の注入が繰り返される。
[排水処理]
上水の散布によって洗い流された不純物等の汚れは、水と共にタンク10に回収される。このため、タンク10内の水Wの汚れは、水Wの散布と回収が繰り返されることによって増すだけでなく、上水の散布による洗浄が実行されることでもさらに増していく。汚れが増すほど、タンク10内の水Wの電気伝導率Cが高くなる。
タンク10内の水Wの電気伝導率Cは、電気伝導率センサ52で検知されている。制御部80は、電気伝導率センサ52で検知される電気伝導率Cと特定値Cs2とを比較する(ステップS41)。
チラー洗浄(および希釈)が実行されたにもかかわらず、水Wの希釈が追い付かないまま電気伝導率Cが上昇して特定値Cs1を超えることがある。そのまま電気伝導率Cが特定値Cs2(>Cs1)に達した場合(ステップS41のYES)、制御部80は、タンク10内の水Wがかなり汚れていてその排出が必要であるとの判断の下に、電磁開閉弁33,35を開いて上水をタンク10に供給し、これによりタンク10内の水Wを配管43の接続位置へとオーバーフローさせ、タンク10内の汚れた水Wを配管43により外部に排出する(ステップ42;排水開始)。
排水開始に伴い、制御部80は、電気伝導率センサ52で検知される電気伝導率Cと特定値Cs1とを比較する(ステップS43)。電気伝導率Cが特定値Cs1以上の場合(ステップS43のNO)、制御部80は、排水を続けることになる。
タンク10内の水Wの汚れは、汚れ分そのものがタンク10外に出ることで改善されるとともに、排水に伴う水位低下に応じて上記水位処理による上水の補給が行われることで改善される。
電気伝導率センサ52で検知される電気伝導率Cが特定値Cs1未満に低下した場合(ステップS43のYES)、制御部80は、電磁開閉弁33,35を閉じてタンク10への上水の供給を停止し、これによりタンク10内の水Wの排出を停止する(ステップ44;排水停止)。この排水停止後、制御部80は、ステップS41の処理に戻る。
この排水処理においては、上水を直接タンク10に補給したが、チラー散水が行われていなければ、電磁開閉弁63と22を開いてチラー4に上水を供給してチラー洗浄を行なってタンク10に補給しても良い。
また、電気伝導率Cが特定値Cs2以上の場合に排水処理を行うようにしたが、電気伝導率Cが特定値Cs2以上の場合にチラー洗浄を行い、電気伝導率Cが特定値Cs1以下の場合にチラー洗浄を停止するようにしても良い。この場合、排水処理は行われず、タンク10内の水はオーバーフロー処理される。
[2]変形例
上記実施形態では、異物収集器としてストレーナ15を用いたが、液体中の異物を濾し取って収集するものであれば、フィルタやエレメントなど他の部材を用いてもよい。
上記実施形態では、ストレーナ15の両側の圧力差ΔPを検出する手段として2つの圧力センサ16a,16bを用いたが、それに代えて、安価な差圧スイッチや圧力スイッチを用いてもよい。
上記実施形態では、タンク10内の水Wの汚れ度合を検出する検出手段として電気伝導率センサ52を用いたが、同様の機能を有するものであれば、他の検出手段を用いてもよい。
上記実施形態では、タンク10内の水Wの量を検知する検知手段として水位センサ51を用いたが、同様の機能を有するものであれば、他の検知手段を用いてもよい。
上記実施形態では、各外気温度センサ7の検知温度Toおよび空冷式熱源機1a〜1nの運転負荷率Qをチラー散水開始条件およびチラー散水停止条件の要素としたが、それ以外の要素をチラー散水開始条件およびチラー散水停止条件として用いてもよい。例えば、空冷式熱源機1a〜1nのいずれか1台が運転している場合の運転継続時間が一定時間以上という条件をチラー散水開始条件の1つの要素として加え、その運転継続時間が予め定めた一定時間に達するごとにチラー散水開始条件が成立したと判定する制御を採用してもよい。また、チラー散水の実行時間が所定時間以上という条件をチラー散水停止条件の1つとして加え、チラー散水の実行時間が所定時間に達した場合にチラー散水停止条件が成立したと判定する制御を採用してもよい。 上記実施形態では、電気伝導率Cおよび“直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始された”を逆洗開始条件の要素としたが、電気伝導率Cのみを逆洗開始条件の要素とする第1モード、“直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始された”のみを逆洗開始条件の要素とする第2モード、電気伝導率Cおよび“直前のチラー洗浄が電気伝導率Cに応じて開始された”の両方を逆洗開始条件の要素とする第3モードを用意し、これら第1〜第3モードのいずれかを操作部81の操作により選定できるようにしてもよい。
上記実施形態では、電気伝導率Cが特定値Cs1以上という条件をチラー洗浄開始条件および逆洗開始条件の両方に含めたが、チラー洗浄開始条件については電気伝導率Cが特定値Cs1以上という条件を含め、逆洗開始条件については電気伝導率Cが特定値Cs1より所定値ΔCsだけ少し高い設定値“Cs1+ΔCs”以上という条件を含める制御としてもよい。
上記実施形態では、チラー洗浄の開始から一定時間t1が経過したところでチラー洗浄を終了したが、それに限らず、電気伝導率Cが特定値Cs1未満に低下した場合にチラー洗浄を終了し、かつ電気伝導率Cが特定値Cs1未満に低下しないまま一定時間t1が経過した場合にチラー洗浄を終了する制御としてもよい。
上記各実施形態では、空冷式熱源機1a〜1nとしてヒートポンプ式チラーユニットの例を説明したが、空気調和装置の室外ユニットや冷凍・冷蔵ショーケースのコンデンシングユニットでも同様に利用できる。
その他、上記実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。