JP6980308B1 - サトウキビの植付け方法および植付け機 - Google Patents

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【課題】排水性の悪い圃場において効果的に排水が可能であり、大雨などの影響を最小限に抑えてサトウキビの収量を維持することが可能なサトウキビの植付け方法および植付け機を提供する。【解決手段】左右一対で設けられた作溝部1および覆土部2を備えたサトウキビ植付け機により、サトウキビの種苗Sを散布する工程と、散布された種苗の両側に該作溝部により排水用溝Dを形成する工程と、排水用溝を形成する際に掘り起こされた土Mの一部を該覆土板2によりサトウキビの種苗の上に被覆する工程とを有することを特徴とするサトウキビの植付け方法。【選択図】図4

Description

本発明は、排水性の悪い土地における効果的なサトウキビの植付け方法と植付け機に関する。
サトウキビの圃場は水はけの良さが求められるが、排水性の悪い土地に圃場がある場合、近年の大雨被害などの影響により、サトウキビの苗が水没して育たない場合がある。
特に、サトウキビは台風が多い地方で育てられるため、強風に耐えられるように、土壌に所定の深さの溝を掘って、その溝の中に苗をサトウキビの苗を植付けることにより地中深くに根付かせることが一般的である(特許文献1〜3)。
このように、苗が地中深く植えられている場合、排水性の悪い土地の場合は雨天が続くと溝底部に水が溜まり、種キビが腐るなどして発芽不良が発生することがあった。
そこで、特許文献4では、植付け用の溝の底にさらに深い排水溝を形成することにより、植付け用溝内の排水性を向上させるためのサトウキビ移植機が開示されている。
しかしながら、このように植付け用溝内に排水溝を形成しても圃場全体の排水性が向上するわけではなく、その効果はあくまでも部分的なものに過ぎないため、近年の大雨被害などに対応できるものではなかった。
一方、圃場の排水性を改善させるための排水溝を作成するカットドレーン(「カットドレーン」は登録商標)などの穿孔暗渠機も知られているが、作溝作業を植付け作業とは別途行う必要もあり作業効率が悪かった。
特開2019−122320 特開2004−8175 特開2010−268788 特開2017−192327
そこで本発明は、従来のサトウキビの植付け方法および植付け機のかかる欠点を克服し、排水性の悪い圃場において効果的に排水が可能であり、大雨などの影響を最小限に抑えてサトウキビの収量を維持することが可能なサトウキビの植付け方法および植付け機の提供を課題とするものである。
本発明は、上記課題を解決するものであり、左右一対で設けられた作溝部および覆土部を備えたサトウキビ植付け機により、サトウキビの種苗を散布する工程と、散布された種苗の両側に該作溝部により排水用溝を形成する工程と、排水用溝を形成する際に掘り起こされた土の一部を該覆土板によりサトウキビの種苗の上に被覆する工程とを有することを特徴とするサトウキビの植付け方法である。
また、本発明は、サトウキビの種苗は作溝されていない部分の圃場に散布されることを特徴とするサトウキビの植付け方法である。
また本発明は、所定の間隔を空けて左右一対で設けられた作溝部と、該作溝部の内側には左右一対で設けられた覆土部を備え、該作溝部および該覆土部の前方の中央には種苗の散布口を備えたサトウキビ植付け機である。
さらに本発明は、前記作溝部および前記覆土部は、それらの間隔および高さがそれぞれ調整可能な方法により取り付けられていることを特徴とするサトウキビ植付け機である。
本発明にかかるサトウキビの植付け方法および植付け機によると、サトウキビの種苗は従来のように圃場内に深く植え付けられることがなく、大雨などで生じた余分な水は排水用溝によって排水されるため、圃場の排水性は著しく改善する。
また、本発明にかかるサトウキビの植付け方法および植付け機によると、排水用溝の作溝工程とサトウキビの植付け工程を同時に行うことができるため、作業効率も向上する。
本発明に係るサトウキビ植付け機の下部の正面図。 本発明に係るサトウキビ植付け機の下部の平面図。 本発明に係るサトウキビ植付け機の作溝部の斜視図。 本発明に係るサトウキビ植付け機による植付け作業の様子を模式的に表しもの。
以下、本発明のサトウキビの植付け方法および植付け機の実施態様を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
図1は、本発明にかかるサトウキビ植付け機の下部正面図、図2は同下部平面図である。本発明のサトウキビ植え付け機は、サトウキビの種苗を収容可能なホッパー(図示せず)を備え、トラクターなどにより牽引されて圃場を走行しながら該ホッパー内のサトウキビの種苗を所定間隔で落下させて散布するものである。
本発明のサトウキビ植付け機の下部には、所定の間隔を空けて左右二条に排水用溝を形成するための作溝部1が左右一対に形成されている。また、左右の作溝部1の内側には、散布されたサトウキビの種苗に覆土するための覆土部2が左右一対に形成されている。
作溝部1および覆土部2はそれぞれ、支持部3、4を介してフレーム5に対し取り付けられている。なお、フレーム5に対する取り付け方法は任意であるが、作溝部1および覆土部2の間隔および高さがそれぞれ調整可能な方法により取り付けることが好ましい。
フレーム5は、フレーム7に対して取り付けられている。フレーム7の後端には鎮圧用タイヤ6が設けられており、かかる鎮圧用タイヤ6により、サトウキビの種苗の上にかけられた土を鎮圧することができる。
作溝部1は、図3に示すように、進行方向に刃先12を向けた刃板11と、該刃板11の後端部に連接され、斜め外側後方へ広がるように形成された撥土板13とを備え、刃板11には撥土板13との連接部から所定の範囲において開口部14が形成されている。
左右一対に設けられた作溝部1は、それらの刃先12の間隔が撥土板13の後端部の間隔よりも狭くなるように、平面視でハの字形状になるように設けられ、さらに、少なくとも刃板11と撥土板13の下部が鎮圧用タイヤ6よりも下方に位置する高さになるようにフレーム5に取り付けられている。作溝部1の取付け高さにより作溝される排水用溝の深さが決まるが、かかる取付け高さは圃場の水はけの程度などを考慮して任意に決めることができる。
覆土部2は、本実施多様では略矩形の板状に形成されており、左右の覆土部2の間の進行方向側の間隔が広くなるように平面視で逆ハの字形状になるように設けられ、さらに、圃場Gからは所定の高さに位置するようにフレーム5に取り付けられている。
サトウキビの種苗の落下口(図示せず)は、最終的に鎮圧用タイヤ6が通る中央にサトウキビの種苗が散布されるように1箇所設けられており、作溝部1および覆土部2は、サトウキビの種苗の落下口よりも後方に設けられている。このように、サトウキビの種苗の落下口が作溝部1および覆土部2よりも前方に位置することにより、サトウキビの種苗は作溝されている圃場よりも前方において散布されることになる。
次に、図4により、本発明のサトウキビ植付け機による植付け作業方法について説明する。本発明のサトウキビ植え付け機は、作溝されていない部分の圃場Gに直接種苗を散布する。散布方法については、従来の植付け機による公知の方法を採用することができる。
サトウキビの種苗Sは、中央に一列で、作溝部1および覆土板2よりも前方に散布される。すなわち、種苗Sが地上に落下したときには、すでにその後方において、作溝部1が排水用溝Dを形成している。その結果、散布された種苗Sの両側には左右二条の排水用溝Dが形成されることになる。
作溝部1は、その両側に掘り起こした土Mを除けながら排水用溝Dを形成するが、このとき、左右の作溝部1の内側に除けた土の一部は覆土板2によりあらかじめ中央において散布されたサトウキビの種苗Sの上にかけられる。
このようにしてサトウキビの種苗Sの上にかけられた土Mは、さらにその後方から来る鎮圧用タイヤ6により上から鎮圧され、これにより、排水用溝Dの作溝工程とサトウキビの植付け工程が完了する。
かかる植付け方法により、サトウキビの種苗Sは従来のように圃場G内に深く植え付けられることがなく、大雨などで生じた余分な水は排水用溝Dによって排水されるため、圃場の排水性は著しく改善するとともに、サトウキビの発芽不良等も防ぐことができる。
また、かかる植付け方法によると、排水用溝Dの作溝工程とサトウキビの植付け工程を同時に行うことができるため、作業効率も向上する。
1 … … 作溝部
2 … … 覆土板
3 … … 支持部
4 … … 支持部
5 … … フレーム
6 … … 鎮圧用タイヤ
7 … … フレーム
11 … … 刃板
12 … … 刃先
13 … … 撥土板
14 … … 開口部
S … … サトウキビ種苗
G … … 圃場
D … … 排水用溝
M … … 土

Claims (4)

  1. 所定の間隔を空けて左右一対で設けられた作溝部と、該作溝部の内側には左右一対で設けられた覆土部を備え、該作溝部および該覆土部の前方の中央には種苗の散布口を備え、該作溝部は、進行方向に刃先を向けた刃板と、該刃板の後端部に連接され、斜め外側後方へ広がるように形成された撥土板とを備えていることを特徴とするサトウキビ植付け機。
  2. 前記刃板には撥土板との連接部から所定の範囲において開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサトウキビ植付け機。
  3. 前記作溝部および前記覆土部は、それらの間隔および高さがそれぞれ調整可能な方法により取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のサトウキビ植付け機。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のサトウキビ植付け機により、サトウキビの種苗を散布する工程と、散布された種苗の両側に該作溝部により排水用溝を形成する工程と、排水用溝を形成する際に掘り起こされた土の一部を該覆土板によりサトウキビの種苗の上に被覆する工程とを有することを特徴とするサトウキビの植付け方法。
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60105412A (ja) * 1983-11-14 1985-06-10 井関農機株式会社 播種機
JPS6389708U (ja) * 1986-12-03 1988-06-10
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