JP6980261B2 - 工具保持具 - Google Patents

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Description

本発明は、工具を保持する工具保持具に関する。
工作機械は、切削加工等の加工作業を行う工具を保持する工具保持具を有している。工具保持具は、工具シャンク部(柄)の外周面(工具シャンク部外周面)を把持する把持部を有している。
工具として、工具シャンク部外周面の断面が円形である工具シャンク部を有する工具を用いる場合には、工具保持具による把持力より大きい引き抜き力が工具に作用すると、工具が抜けるおそれがある。このため、例えば、特許文献1(特開2014−14926号公報)、特許文献2(国際公開第2013−027558号)、特許文献3(特表2009−533234号公報)に記載されているような、工具の抜けを防止する移動規制機構を備える工具保持具が提案されている。
特開2014−14926号公報 国際公開第2013−027558号 特表2009−533234号公報
特許文献1に開示されている工具保持具では、工具シャンク部の外周側に切欠き部が形成された工具を用い、工具保持具側に設けたロックピンを、工具シャンク部の外周側に形成された切欠き部に当接させることによって、工具の移動を規制し、工具の抜けを防止している。
特許文献2に開示されている工具保持具では、工具シャンク部の外周側に、軸方向に沿って延在するフラット面と、フラット面に連続し、周方向に沿って延在する溝が形成された工具を用い、工具保持具側に設けた突起が工具シャンク部の溝と対向する状態で工具を回転せることによって、工具の移動を規制し、工具の抜けおよび回転を防止している。
特許文献3に開示されている工具保持具では、工具シャンク部の外周側に螺旋溝が形成された工具を用い、工具保持具側に設けたボールを工具シャンク部の外周側に形成された螺旋溝に係合させた状態で、工具シャンク部を回転させながら軸方向に沿って移動させることによって、工具の移動を規制し、工具の抜けを防止している。
ここで、本体部と、本体部内側空間内に挿入されるスリーブを備える工具保持具において、工具の形状等に応じてスリーブを交換可能に構成することが要望されている。
本体部内側空間内にスリーブを着脱可能に挿入する場合には、特許文献1〜3に記載されている移動規制機構では、工具の抜けを防止することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、スリーブの交換を可能としながら、工具の抜けを防止することができる工具保持具を提供することを目的とする。
本発明の工具保持具は、本体部とスリーブを備えている。本体部は、内周側に本体部内側空間を形成する本体部内周面を有している。スリーブは、内周側にスリーブ内側空間を形成するスリーブ内周面を有しているとともに、外周側にスリーブ外周面を有している。スリーブは、典型的には、円筒状に形成される。そして、スリーブ内側空間内に工具シャンク部が挿入された状態において、スリーブ内周面を縮径させることによって工具シャンク部(工具シャンク部外周面)を把持するように構成されている。スリーブ内周面を縮径させることによって工具シャンク部を把持する把持機構としては、公知の種々の把持機構を用いることができる。例えば、本体部内周面を、油圧等を利用して縮径させることによって、スリーブ外周面およびスリーブ内周面を縮径させる把持機構を用いることができる。
本発明では、スリーブは、本体部内側空間内に、着脱可能に挿入される。そして、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動を規制するとともに、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する移動規制機構を備えている。好適には、移動規制機構は、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側および後端側への移動を規制するとともに、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側および後端側への移動を規制するように構成される。工具シャンクの、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動の規制およびスリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動の規制は、共通の移動規制機構により行うこともできるし、別々の移動規制機構により行うこともできる。工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動やスリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する移動規制機構としては、種々の構成の移動規制機構を用いることができる。
なお、好適には、移動規制機構は、スリーブの、本体部に対する回転も規制するように構成される。
工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動およびスリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する移動規制機構を設けていることにより、スリーブを交換可能としながら、工具の抜けを防止することができる。
第1発明の工具保持部では、移動規制機構は、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する第1の移動規制機構と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する第2の移動規制機構を有している。
第1発明では、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動の規制と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動の規制を、別々の第1の移動規制機構と第2の移動規制機構を用いて行っているため、移動規制機構を容易に構成することができる。
好適には、第1の移動規制機構として、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側および後端側への移動を規制する移動規制機構が用いられ、第2の移動規制機構として、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側および後端側への移動を規制する移動規制機構が用いられる。
工具シャンク部は、外周側に、軸方向に沿って延在するとともに、外周側が開口している第1の切欠き部を有している。第1の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、底壁面の、軸方向に沿った後端側の端部から外周側に延在する後端側壁面を有している。好適には、第1の切り欠き部は、さらに、底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から外周側に延在する先端側壁面を有している。
スリーブは、スリーブ内周面とスリーブ外周面とを連通する第1の連通孔と第2の連通孔を有している。第2の連通孔は、第1の連通孔より、軸方向に沿って後端側に配置されている。
本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している第2の切欠き部を有している。第2の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有している。好適には、第2の切り欠き部は、さらに、底壁面の、軸方向に沿った後端側の端部から外周側に延在する後端側壁面を有している。
第1の連通孔内には、第1の連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、第1の連通孔の長さより長い第1の可動部材が挿入されている。また、第2の連通孔内には、第2の連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、第2の連通孔の長さより長い第2の可動部材が挿入されている。
そして、スリーブが本体部内側空間内に挿入されるとともに、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入された状態において、第1の可動部材の一部が工具シャンク部の第1の切欠き部内に配置されるとともに、第2の可動部材の一部が本体部の第2の切欠き部内に配置されるように構成されている。
第1発明では、工具シャンク部の第1の切欠き部およびスリーブの第1の可動部材によって第1の移動規制機構が構成されている。すなわち、第1の可動部材が、第1の切欠き部の後端側壁面と当接することによって、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。
また、本体部の第2の切欠き部およびスリーブの第2の可動部材によって第2の移動規制機構が構成されている。すなわち、第2の可動部材が、第2の切欠き部の先端側壁面に当接することによって、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。
第1発明では、第1の移動規制機構と第2の移動規制機構を容易に構成することができる。
第1発明の他の形態では、スリーブの内側に配置され、第2の可動部材と当接可能な当接面を有する当接部材を有している。そして、当接部材の当接面が第2の可動部材と当接することによって、第2の可動部材を、第2の連通孔の延在方向に沿って外周側(スリーブ外周面側)に移動させる押圧力が第2の可動部材に加わるように構成されている。
本形態では、簡単な構成で、第2の可動部材の一部を第2の切欠き部内に配置することができる。
第1発明の他の形態では、第1の可動部材を第1の連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、第1の可動部材に加えられている。第1の可動部材を内周側(スリーブ内周面側)に移動させる弾性力を第1の可動部材に加える方法としては、例えば、ゴム、スプリング、サークリップ等の弾性部材から発生する弾性力を第1の可動部材に加える方法を用いることができる。
本形態では、第1の可動部材を内周側に移動させる弾性力が第1の可動部材に加えられているため、スリーブを本体部内側空間内に容易に挿入することができる。また、第1の可動部材の一部を第1の切欠き部内に容易に配置することができる。
第1発明の他の形態では、第2の可動部材を第2の連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が第2の可動部材に加えられている。第2の可動部材を内周側(スリーブ内周面側)に移動させる弾性力を第2の可動部材に加える方法としては、例えば、ゴム、スプリング、サークリップ等の弾性部材から発生する弾性力を第2の可動部材に加える方法を用いることができる。
本形態では、第2の可動部材を内周側に移動させる弾性力が第2の可動部材に加えられているため、スリーブを本体部内側空間内に容易に挿入することができる。
第2発明の工具保持具では、移動規制機構は、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する第1の移動規制機構と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する第2の移動規制機構を有している。
第2発明では、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動の規制と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動の規制を、別々の第1の移動規制機構と第2の移動規制機構を用いて行っているため、移動規制機構を容易に構成することができる。
工具シャンク部は、工具シャンク部後端面から軸方向に沿って延在する切欠き面により形成される少なくとも一つの第1の切欠き部を有しているとともに、切欠き面の、軸方向に沿った先端側の端部に連設され、周方向に沿って延在する溝形成面により形成される溝を有している。
スリーブは、スリーブ内周面から飛び出ている少なくとも一つの突部を有しているとともに、スリーブ内周面とスリーブ外周面とを連通する連通孔を有している。連通孔は、突部より軸方向に沿って後端側に配置されている。スリーブ内周面から飛び出ている突部は、スリーブと一体であってもよいし、スリーブと別体であってもよい。
第1の切欠き部と突部の数は、適宜設定可能であるが、好適には、2個あるいは3個設けられる。
本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している第2の切欠き部を有している。第2の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有している。好適には、第2の切り欠き部は、さらに、底壁面の、軸方向に沿った後端側の端部から外周側に延在する後端側壁面を有している。
連通孔内には、連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、連通孔の長さより長い可動部材が挿入される。
第2発明では、工具シャンク部は、スリーブの突部が工具シャンク部の第1の切欠き部と対向する状態(挿入用回転位置)において、スリーブ内側空間内に挿入可能に構成されている。また、工具シャンク部は、スリーブ内側空間内に挿入されて、スリーブの突部が工具シャンク部の溝と対向する状態(挿入位置)において、回転可能に構成されている。また、工具シャンク部の回転により、工具シャンク部外周面の、溝形成面より軸方向に沿って後端側の部分が可動部材と当接することによって、可動部材を、連通孔の延在方向に沿って外周側(スリーブ外周面側)に移動させる押圧力が可動部材に加わるように構成されている。
第2発明では、工具シャンク部の溝(溝形成面)およびスリーブの突部によって第1の移動規制機構が構成されている。また、本体部の第2の切欠き部およびスリーブの可動部材によって第2の移動規制機構が構成されている。
第2発明では、好適には、工具シャンク部の回転位置を、スリーブの突部と溝形成面とが当接可能な抜け止め用回転位置に位置決めする位置決め機構が設けられる。位置決め機構は、例えば、工具シャンク部の切欠き面と、スリーブ内周面に形成され、工具シャンク部の切欠き面と当接可能な突起により構成される。
第2発明では、第1の移動規制機構および第2の移動規制機構を容易に構成することができる。
第2発明の他の形態では、可動部材を連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、可動部材に加えられている。可動部材を内周側に移動させる弾性力を可動部材に加える方法としては、例えば、ゴム、スプリング、サークリップ等の弾性部材から発生する弾性力を第2の可動部材に加える方法を用いることができる。
本形態では、可動部材を内周側に移動させる弾性力が第2の可動部材に加えられているため、スリーブを本体部内側空間内に容易に挿入することができる。
第3発明の工具保持具では、移動規制機構は、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する第1の移動規制機構と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動を規制する第2の移動規制機構を有している。
第3発明では、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った先端側への移動の規制と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った先端側への移動の規制を、別々の第1の移動規制機構と第2の移動規制機構を用いて行っているため、移動規制機構を容易に構成することができる。
工具シャンク部は、工具シャンク部後端面から軸方向に沿って先端側に向けて、工具シャンク部外周面に沿って螺旋状に延在するとともに、外周側が開口している螺旋溝を有している。
スリーブは、スリーブ内周面から飛び出ている突部と、スリーブ内周面とスリーブ外周面とを連通する連通孔を有している。連通孔は、突部より軸方向に沿って後端側に配置されている。突部は、螺旋溝に係合可能に形成されている。スリーブ内周面から飛び出ている突部は、スリーブと一体であってもよいし、スリーブと別体であってもよい。
本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している切欠き部を有している。切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有している。好適には、切り欠き部は、さらに、底壁面の、軸方向に沿った後端側の端部から内周側に延在する後端側壁面を有している。
連通孔内には、連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、連通孔の長さより長い可動部材が挿入される。
第3発明では、スリーブが本体部内側空間内に挿入された状態において、スリーブの突部と工具シャンク部の螺旋溝が係合することによって、工具シャンク部が、回転しながら軸方向に沿ってスリーブ内側空間内に挿入可能に構成されている。また、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されて、工具シャンク部外周面が可動部材と当接することによって、可動部材を、連通孔の延在方向に沿って外周側(スリーブ外周面側)に移動させる押圧力が可動部材に加わるように構成されている。
第3発明では、工具シャンク部の螺旋溝(螺旋溝形成面)およびスリーブの突部によって第1の移動規制機構が構成されている。また、本体部の切欠き部およびスリーブの可動部材によって第2の移動規制機構が構成されている。
第3発明では、第1の移動規制機構および第2の移動規制機構を容易に構成することができる。
第3発明の他の形態では、可動部材を、連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が可動部材に加えられている。可動部材を内周側に移動させる弾性力を可動部材に加える方法としては、例えば、ゴム、スプリング、サークリップ等の弾性部材から発生する弾性力を第2の可動部材に加える方法を用いることができる。
本形態では、可動部材を内周側に移動させる弾性力が可動部材に加えられているため、スリーブを本体部内側空間内に容易に挿入することができる。
第4発明の工具保持具では、工具シャンク部は、外周側に、外周側が開口している第1の切欠き部を有している。第1の切欠き部は、第1の傾斜面と、第1の傾斜面より軸方向に沿って先端側に配置された第2の傾斜面により形成されている。第1の傾斜面は、軸方向に沿って後端側から先端側に向かって、工具シャンク部外周面(詳しくは、工具シャンク部外周面を延在方向に沿って延ばした「仮想工具シャンク部外周面」)からの距離が長くなるように傾斜し、第2の傾斜面は、軸方向に沿って後端側から先端側に向かって、工具シャンク部外周面(「仮想工具シャンク部外周面」)からの距離が短くなるように傾斜している。
スリーブは、スリーブ内周面とスリーブ外周面とを連通する連通孔を有している。
本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している第2の切欠き部を有している。第2の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有している。好適には、第2の切り欠き部は、さらに、底壁面の、軸方向に沿った後端側の端部から外周側に延在する後端側壁面を有している。
連通孔内には、連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、連通孔の長さより長い可動部材が挿入される。
第4発明では、工具シャンク部が軸方向に沿って先端側に移動することによって、可動部材と第1の傾斜面との当接位置が軸方向に沿って後端側に移動するとともに、可動部材が、連通孔の延在方向に沿って外周側(スリーブ外周面側)に移動するように構成されている。
第4発明では、工具シャンク部の第1の切欠き部、本体部の第2の切欠き部およびスリーブの可動部材によって移動規制機構が構成されている。
第4発明では、工具シャンク部の、スリーブに対して軸方向に沿った移動の規制と、スリーブの、本体部に対して軸方向に沿った移動の規制を行う移動規制機構を、簡単に構成することができる。
第4発明の他の形態では、可動部材を連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、可動部材に加えられている。可動部材を内周側に移動させる弾性力を可動部材に加える方法としては、例えば、ゴム、スプリング、サークリップ等の弾性部材から発生する弾性力を第2の可動部材に加える方法を用いることができる。
本形態では、可動部材を内周側に移動させる弾性力が可動部材に加えられているため、スリーブを本体部内側空間内に容易に挿入することができる。
第1発明〜第4発明の他の形態では、スリーブを本体部に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力が、スリーブに加えられている。
本形態では、スリーブの、軸方向に沿って先端側への移動に対する遊び(隙間)をなくすことができる。
第1発明〜第4発明の他の形態では、工具シャンク部を本体部に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力が、工具シャンク部に加えられている。
なお、スリーブおよび工具シャンク部に弾性力を加える場合、共通の弾性部材を用いてスリーブおよび工具シャンク部に弾性力を加えてもよいし、スリーブに弾性力を加えるスリーブ用の弾性部材と、工具シャンク部に弾性力を加える工具シャンク部用弾性部剤を用いてもよい。
本形態では、スリーブの、軸方向に沿って先端側への移動に対する遊び(隙間)をなくすことができる。
第1発明〜第4発明の他の形態では、スリーブの、本体部に対する回転を規制する回転規制機構を備えている。回転規制機構は、例えば、本体部の本体部先端面に形成された穴と、スリーブに形成された鍔部に設けられ、本体部の穴に挿入されるピンによって構成される。
本形態では、スリーブの、本体部に対する回転を規制することができる。
第1発明〜第4発明の工具保持具では、スリーブの交換を可能としながら工具の抜けを防止することができる。
第1実施形態の工具保持具の要部断面図である。 第1実施形態の工具保持具で用いられる工具シャンク部の形状を示す図である。 第1実施形態の工具保持具で用いられる抜け止めピンの支持構造を示す図である。 第1実施形態の工具保持具において、工具シャンク部をスリーブ内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第1実施形態の工具保持具において、工具シャンク部をスリーブ内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第1実施形態の工具保持具において、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されたスリーブを本体部内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第1実施形態の工具保持具において、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されたスリーブを本体部内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第1実施形態の工具保持具において、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されたスリーブを本体部内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第2の実施形態の工具保持具の要部断面図である。 第2実施形態の工具保持具で用いられる工具シャンク部の形状を示す図である。 第2実施形態の工具保持具において、本体部内側空間内に挿入されたスリーブのスリーブ内側空間内に工具シャンク部を挿入する動作を説明する図である。 第2実施形態の工具保持具において、本体部内側空間内に挿入されたスリーブのスリーブ内側空間内に工具シャンク部を挿入する動作を説明する図である。 第2実施形態の工具保持具において、本体部内側空間内に挿入されたスリーブのスリーブ内側空間内に工具シャンク部を挿入する動作を説明する図である。 第3実施形態の工具保持具の要部断面図である。 第3実施形態の工具保持具で用いられる工具シャンク部の形状を示す図である。 第3実施形態の工具保持具において、本体部内側空間内に挿入されたスリーブのスリーブ内側空間内に工具シャンク部を挿入する動作を説明する図である。 第4実施形態の工具保持具の要部断面図である。 第4実施形態の工具保持具で用いられる工具シャンク部の形状を示す図である。 第4実施形態の工具保持具において、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されたスリーブを本体部内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第4実施形態の工具保持具において、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されたスリーブを本体部内側空間内に挿入する動作を説明する図である。 第4実施形態の工具保持具において、工具シャンク部がスリーブ内側空間内に挿入されたスリーブを本体部内側空間内に挿入する動作を説明する図である。
(第1実施形態)
以下に、本発明の工具保持具の実施形態を説明する。
本明細書では、工具保持具(本体部、スリーブ)の延在方向(図1、図9、図14、図17において左右方向)を「軸方向」という。また、軸方向に直角な断面において、工具保持具(本体部、スリーブ)の回転中心を中心点とする円弧に沿った方向を「周方向」といい、回転中心を通る線の方向を「径方向」という。また、軸方向に沿って、工具が挿入される側(図1、図9、図14、図17において右側)を「先端側」といい、工具が挿入される側と反対側(図1、図9、図14、図17において左側)を「後端側」という。
本発明の工具保持具の第1実施形態100を、図1および図2を参照して説明する。なお、図1は、第1実施形態の工具保持具100の断面図であり、図2は、第1実施形態の工具保持具100で用いられる工具の工具シャンク部10の形状を示す図である。
本実施形態の工具保持具100は、スチールにより形成され、本体部110、スリーブ140等を備えている。
本実施形態では、本体部110は、本体部材120と内挿部材130により構成されている。
本体部材120は、本体部材内周面121と本体部材外周面122を有する筒状に形成されている。本体部材内周面121は、第1〜第5の本体部材内周面部分121a〜121eを有している。少なくとも第1の本体部材内周面部分121aは、断面が円形を有している。本体部材内周面121によって本体部材内側空間120aが形成される。本体部材120の先端側の本体部材先端面123には、周方向に沿った所定箇所に穴124が形成されている。穴124の数は、適宜設定可能である。また、後述する加圧領域134a、134cに加圧媒体(例えば、油等の液体)を供給する流体通路125が形成されている。
内挿部材130は、内挿部材内周面131と内挿部材外周面132を有する筒状に形成されている。内挿部材内周面131と内挿部材外周面132は、断面が円形を有している。内挿部材130は、本体部材内側空間120a内に挿入される。内挿部材130と本体部材120が一体化されることによって、例えば、内挿部材130が本体部材120にロー付けされることによって、本体部110が構成される。
本実施形態では、本体部材120と内挿部材130が一体化された本体部110が、本発明の「本体部」に対応する。また、内挿部材130の内挿部材内周面131と本体部材120の第3〜第5の本体部材内周面部分121c〜121eにより、本発明の「本体部内側空間」が形成され、内挿部材内周面131と第3〜第5の本体部材内周面部分121c〜121eにより、本発明の「本体部内周面」が構成される。また、内挿部材130と、本体部材120の、内挿部材130に対応する部分により、本体部の「把持部」が構成される。
内挿部材内周面131は、切欠き部133を形成する第1〜第3の内挿部材内周面部分131a〜131cを有している。すなわち、切欠き部133は、軸方向に沿って延在する内挿部材内周面部分131bと、内挿部材内周面部分131bの、軸方向に沿った先端側および後端側の端部から内周側に(軸方向と交差する方向に沿って)延在する内挿部材内周面部分131aおよび131cにより形成される。
切欠き部133が、本発明の「第2の切欠き部」に対応し、内挿部材内周面部分131a〜131cが、それぞれ本発明の「第2の切欠き部の先端側壁面」、「第2の切り欠き部の底壁面」、「第2の切り欠き部の後端側壁面」に対応する。
また、内挿部材外周面132は、第1〜第3の内挿部材外周面部分132a〜132cを有している。第1〜第3の内挿部材外周面部分132a〜132cと第1の本体部材内周面部分121aとの間には、加圧領域134a、流体通路134b、加圧領域134cが形成される。「加圧領域」は、内挿部材内周面131を縮径させる加圧力を受ける、内挿部材130の領域を示す。加圧領域が受ける加圧力により内挿部材内周面131が縮径することによって、スリーブ140のスリーブ外周面142およびスリーブ内周面141が縮径し、スリーブ内側空間140a内に挿入された工具シャンク部10(工具シャンク部外周面11)が把持される。
スリーブ140は、スリーブ内周面141とスリーブ外周面142とを有する筒状に形成されている。スリーブ内周面141とスリーブ外周面142は、断面が円形を有している。
スリーブ140は、後端側に、スリーブ後端面143を有し、先端側に、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する鍔部144を有している。本実施形態では、鍔部144は、軸方向と直角(「略直角」を含む)な方向に延在している。鍔部144には、周方向に沿った所定箇所に、本体部110に設けられている穴124に挿入可能なピン145がOリング145aを介して設けられている。ピン145の数は、適宜設定可能であるが、好適には、穴124と同じ数設けられる。
鍔部144に設けられているピン145が、本体部材120(本体部110)の穴124に挿入されることによって、スリーブ140が、本体部110に対して回転するのが規制される。
本体部110の穴124とスリーブ140のピン145によって、スリーブ140の、本体部110に対する回転を規制する「回転規制機構」が構成される。
スリーブ140は、スリーブ内周面141とスリーブ外周面142とを連通する連通孔148と149を有している。連通孔149は、連通孔148に対して軸方向に沿って後端側に配置されている。連通孔148、149は、軸方向と交差する方向、本実施形態では、軸方向と直角(「略直角」を含む)な方向に延在している。
連通孔148内には、ピン180が、連通孔148の延在方向に沿って移動可能に挿入される。ピン180の長さは、連通孔148の長さ(連通孔148の延在方向に沿った、スリーブ内周面141とスリーブ外周面142との間の長さ)より長く設定されている。
ピン180には、ピン180を連通孔148の延在方向に沿って内周側(スリーブ内周面141側)に移動させる弾性力が加えられている。本実施形態では、ピン180として、金属製の球状体が用いられている。また、連通孔148の内周面に形成された溝内に、弾性部材であるゴム181が、内周側への移動が規制された状態で挿入されている。そして、連通孔148内にピン180が挿入された状態において、ピン180の、外周側の半球面にゴム181が当接するように構成されている。これにより、ピン180を連通孔148の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、ピン180に加えられる。なお、ピン180が、連通孔148の延在方向に沿って外周側に移動すると、ゴム181は、ピン180に当接した状態で変形する。これにより、ピン180を内周側に移動させる弾性力が、ピン180に加わった状態が維持される。
連通孔149内には、抜け止めピン190が、連通孔149の延在方向に沿って移動可能に挿入される。抜け止めピン190の長さは、連通孔149の長さ(連通孔149の延在方向に沿った、スリーブ内周面141とスリーブ外周面142との間の長さ)より長く設定されている。
抜け止めピン190には、抜け止めピン190を連通孔149の延在方向に沿って内周側(スリーブ内周面141側)に移動させる弾性力が加えられている。本実施形態では、スリーブ140の周方向に沿って等間隔の位置に3つの連通孔149が設けられている。また、円柱状に形成された3つの金属製の抜け止めピン190が用いられている。3つの抜け止めピン190は、図3に示されているように、各抜け止めピン190に形成された溝191に挿入されたリング状のサークリップ192によって連結されている。そして、サークリップ192は、連通孔149の内周面に形成された溝内に、内周側への移動が規制された状態で挿入されている。これにより、サークリップ192の弾性力が、各抜け止めピン190を各連通孔149の延在方向に沿って内周側に移動させる力として各抜け止めピン190に加えられる。なお、抜け止めピン190が連通孔149の延在方向に沿って外周側に移動すると、サークリップ192が拡径する。これにより、抜け止めピン190を内周側に移動させる弾性力が、ピン190に加わった状態が維持される。
なお、各抜け止めピン190を、各抜け止めピン190に形成した貫通孔を通したサークリップ192によって連結してもよい。
なお、スリーブ140は、連通孔149より先端側の箇所に、軸方向と交差する方向に沿って内周側に延在する鍔部147を有している。本実施形態では、鍔部147は、軸方向と直角(「略直角」を含む)な方向に延在している。
工具シャンク部10がスリーブ内側空間140a内に挿入されていない状態では、後述するように、スプリング170の弾性力によって当接部材150が軸方向に沿って先端側に移動する。この時、当接部材150の、軸方向に沿って先端側への移動は、当接部材150(詳しくは、当接部材外周面部分152b)が鍔部147に当接することによって規制される。すなわち、鍔部147は、当接部材150の抜けを防止するために設けられている。
連通孔148が、本発明の「第1の連通孔」に対応し、連通孔148内に挿入されるピン180が、本発明の「第1の可動部材」に対応し、連通孔149が、本発明の「第2の連通孔」に対応し、連通孔149内に挿入される抜け止めピン190が、本発明の「第2の可動部材」に対応する。
工具シャンク部10の切欠き部13aとスリーブ440の連通孔148に挿入されたピン180によって、工具シャンク部10の、スリーブ140に対して軸方向に沿った移動を規制する「第1の移動規制機構」が構成される。
また、スリーブ440の連通孔149に挿入された抜け止めピン190と本体部110の切欠き部133によって、スリーブ140の、本体部110に対して軸方向に沿った移動を規制する「第2の移動規制機構」が構成される。
スリーブ内周面141により形成されるスリーブ内側空間140a内には、工具の工具シャンク部10が挿入される。本実施形態の工具保持具100で用いられる工具の工具シャンク部は、図2に示されている形状を有している。
図2に示されている工具シャンク部10は、工具シャンク部外周面11と、工具シャンク部後端面12を有している。また、工具シャンク部外周面11は、第1〜第7の工具シャンク部外周面部分を有している。工具シャンク部外周面部分11a、11eは、断面が円形を有している。
工具シャンク部外周面部分11b〜11dにより切欠き部13aが形成され、工具シャンク部外周面部分11fと11gにより切欠き部13bが形成される。すなわち、切欠き部13aは、軸方向に沿って(軸方向と平行に)延在する工具シャンク部外周面部分11cと、工具シャンク部外周面部分11cの、軸方向に沿った先端側の端部および後端側の端部から、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する工具シャンク部外周面部分11bおよび工具シャンク部外周面部分11dにより形成される。また、切欠き部13bは、軸方向に沿って延在する工具シャンク部外周面部分11gと、工具シャンク部外周面部分の、軸方向に沿って先端側の端部から、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する工具シャンク部外周面部分11fによって形成される。
切欠き部13aとピン180とが協働することによって、工具シャンク部10の、スリーブ140に対して軸方向に沿った移動が規制される。すなわち、ピン180が、切欠き部13aの工具シャンク部外周面部分11dに当接することによって、工具シャンク部10の、スリーブ140に対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。また、ピン180が、切欠き部13aの工具シャンク部外周面部分11bに当接することによって、工具シャンク部10の、スリーブ140に対して軸方向に沿った後端側への移動が規制される。
切欠き部13aが、本発明の「第1の切欠き部」に対応し、工具シャンク部外周面部分11b〜11dが、それぞれ本発明の「第1の切欠き部の先端側壁面」、「第1の切欠き部の底壁面」、「第1の切欠き部の後端側壁面」に対応する。
前述したように、抜け止めピン190は、連通孔149の延在方向に沿って内周側(スリーブ内周面141側)に移動する弾性力が加えられている。このため、本実施形態では、抜け止めピン190を、連通孔149の延在方向に沿って外周側(スリーブ外周面142側)に移動させる力を抜け止めピン190に加える当接部材150が設けられている。
当接部材150は、当接部材内周面151と当接部材外周面152を有する筒状に形成され、スリーブ内側空間140a内に、軸方向に沿って移動可能に配置されている。
当接部材外周面152は、第1〜第3の当接部材外周面部分152a〜152cを有している。当接部材外周面部分152aは、先端側に配置され、軸方向に沿って(軸方向に平行に)延在している。当接部材外周面部分152cは、後端側に配置され、軸方向に沿って(軸方向に平行に)延在している。当接部材外周面部分152cは、軸中心線からの距離(半径)が、当接部材外周面部分152aより大きく設定されている。当接部材外周面部分152bは、当接部材外周面部分152aと152cとの間に傾斜状に延在している。
本実施形態では、抜け止めピン190が、当接部材150の当接部材外周面部分152aと対向する場合には、抜け止めピン190は、サークリップ192の弾性力によって、連通孔149の延在方向に沿って内周側に移動する。この状態では、抜け止めピン190の一部がスリーブ外周面142から飛び出ないように構成されている。一方、抜け止めピン190が、当接部材150の当接部材外周面部分152cと対向する場合には、抜け止めピン190と当接部材外周面部分152cとの当接によって、抜け止めピン190を連通孔149の延在方向に沿って外周側(スリーブ外周面142側)に移動する押圧力が、抜け止めピン190に加わる。この状態では、抜け止めピン190の一部が切欠き部133内に配置されるように構成されている。
当接部材150が、発明の「当接部材」に対応し、当接部材150の当接部材外周面部分152cが、本発明の「当接部材の当接面」に対応する。
また、本実施形態では、スリーブ140の先端側に、スプリング支持部材160がネジ結合されている。スプリング支持部材160は、スプリング支持部材内周面161と、スプリング支持部材外周面162を有している。スプリング支持部材内周面161は、スプリング支持部材内周面部分161aを有し、スプリング支持部材外周面162は、スプリング支持部材外周面部分162aを有している。
そして、スプリング支持部材160のスプリング支持部材内周面部分161aと、当接部材150の当接部材内周面部分151aとの間に、スプリング170が設けられている。これにより、スプリング170の弾性力は、当接部材150を軸方向に沿って先端側に移動させる力として作用する。なお、当接部材150の先端側への移動は、スリーブ140の鍔部147と当接部材150の当接部材外周面部分152bとの当接によって規制される。
また、工具シャンク部10がスリーブ内側空間140a内に挿入されると、工具シャンク部10の工具シャンク部後端面12と当接部材150の当接部材先端面153が当接する。これにより、当接部材150が後端側に押圧され、スプリング170が圧縮される。この状態では、スプリング170の弾性力は、当接部材150および工具シャンク部10を、スリーブ140に対して軸方向に沿って先端側に移動する力として作用する。当接部材150および工具シャンク部10の、スリーブ140に対して軸方向に沿って先端側への移動は、ピン180と工具シャンク部外周面部分11dとの当接によって規制される。
スプリング170が、本発明の「工具シャンク部をスリーブ(すなわち、本体部)に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力を発生する第1の弾性部材あるいは工具シャンク部用弾性部材」に対応する。
なお、本体部110の本体部先端面(内挿部材先端面)とスリーブ140の鍔部144との間に設けられている弾性部材146の弾性力は、スリーブ140を、本体部110に対して軸方向に沿って先端側に移動させる力として作用する。弾性部材146としては、ゴムやスプリング等の種々の弾性部材を用いることができる。
弾性部材146が、本発明の「スリーブを本体部に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力を発生する第2の弾性部材あるいはスリーブ用弾性部材」に対応する。
次に、本実施形態の工具保持具100に工具を取り付ける動作を、図4〜図8を参照して説明する。
先ず、工具シャンク部10をスリーブ内側空間140a内に挿入する。
この時、工具シャンク部の工具シャンク部外周面部分11eが連通孔148と対向する位置では、図4に示されているように、ピン180は、工具シャンク部外周面部分11eと当接することによって外周側に移動する。
工具シャンク部外周面部分11eが連通孔148と対向する位置を通過すると、ピン180は、ゴム181の弾性力によって内周側に移動する。すなわち、図5に示されているように、ピン180の一部が、工具シャンク部10の切欠き部13a内に配置される。
ピン180の一部が切欠き部13a内に配置された状態では、工具シャンク部10の、スリーブ内側空間140a内への挿入は、ピン180と工具シャンク部外周面部分11bとの当接によって規制される。
なお、工具シャンク部10がスリーブ内側空間140a内に挿入された状態では、工具シャンク部後端面12と当接部材150の当接部材先端面153が当接することによって、スプリング170が圧縮されている。すなわち、工具シャンク部10がスリーブ内側空間140a内に挿入された状態において、スプリング170が圧縮されるとともに、ピン180が工具シャンク部外周面部分11bと当接するように構成されている。
また、工具シャンク部10がスリーブ内側空間140a内に挿入された状態では、図6に示されているように、当接部材150が後端側に移動し、当接部材150の当接部材外周面部分152cは、抜け止めピン190より後端側に配置されている。
次に、図6に示されているように、スリーブ内側空間140a内に工具シャンク部10が挿入された状態で、スリーブ140を本体部内側空間内に挿入する。この時、抜け止めピン190は、サークリップ192の弾性力によって、連通孔149の延在方向に沿って内周側に移動し、スリーブ外周面142から飛び出ていない。これにより、スリーブ140を本体部内側空間内に容易に挿入することができる。
そして、図7に示されているように、抜け止めピン190が切欠き部133に対向する位置までスリーブ140が挿入された状態で、工具シャンク部10を軸方向に沿って後端側に移動させる押圧力の付与を解除する。
これにより、スプリング170の弾性力によって、当接部材150および工具シャンク部10が、軸方向に沿って先端側に移動する。当接部材150が軸方向に沿って先端側に移動すると、図8に示されているように、抜け止めピン190は、当接部材150の、傾斜状の当接部材外周面部分152bによってガイドされながら、当接部材外周面部分152cに当接する。これにより、抜け止めピン190は、連通孔149に沿って外周側に移動し、抜け止めピン190の一部が切欠き部133内に配置される。この状態では、スリーブ140の、本体部110に対して軸方向に沿って先端側への移動は、抜け止めピン190が内挿部材内周面部分131a(切欠き部133aの先端側壁面)に当接することによって規制される。
なお、スリーブ140が本体部内側空間内に挿入された状態では、本体部110とスリーブ140の鍔部144との間に設けられている弾性部材146が圧縮される。この場合、弾性部材146の弾性力は、スリーブ140を、本体部110に対して先端側に移動させる力として作用する。これにより、抜け止めピン190は、内挿部材内周面部分131aに当接する。
第1実施形態の工具保持具100では、スリーブ140に形成されている連通孔148内に挿入されているピン180が、工具シャンク部10の外周側に形成されている切欠き部13aの工具シャンク部外周面部分(後端側壁面)11dに当接することによって、工具シャンク部10の、スリーブ140に対して軸方向沿った先端側への移動が規制される。
また、スリーブ140に形成されている連通孔149に挿入されている抜け止めピン190が、本体部110の内周側に形成されている切欠き部133の内挿部材内周面部分(先端側壁面)131aに当接することによって、スリーブ140の、本体部110に対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。
また、本体部110の本体部先端面(本体部材先端面123)に形成された穴124と、スリーブ140に形成された鍔部144に設けられたピン145によって、スリーブ140の、本体部110に対する回転が規制される。
(第2実施形態)
本発明の工具保持具の第2実施形態200を、図9および図10を参照して説明する。なお、図9は、第2実施形態の工具保持具200の断面図であり、図10は、第2実施形態の工具保持具200で用いられる工具の工具シャンク部の形状を示す図である。
本実施形態の工具保持具200は、第1の実施形態と同様に、本体部210、スリーブ240等を備えている。また、本体部210は、本体部材220と内挿部材230により構成されている。
本体部材220は、本体部材内周面221と本体部材外周面222を有する筒状に形成されている。本体部材内周面221は、第1〜第3の本体部材内周面部分221a〜221cを有している。少なくとも本体部材内周面部分221aは、断面が円形を有している。本体部材内周面221によって本体部材内側空間220aが形成される。
本実施形態では、本体部材220と内挿部材230が一体化された本体部210が、本発明の「本体部」に対応する。また、内挿部材230の内挿部材内周面231と本体部材220の本体部材内周面部分221cにより、本発明の「本体部内側空間」が形成され、内挿部材内周面231と本体部材内周面部分221cにより、本発明の「本体部内周面」が構成される。また、内挿部材230と、本体部材220の、内挿部材230に対応する部分により、本体部の「把持部」が構成される。
また、第1実施形態と同様に、内挿部材内周面231は、切欠き部233を形成する第1〜第3の内挿部材内周面部分231a〜231cを有している。すなわち、切欠き部233は、軸方向に沿って延在する内挿部材内周面部分231bと、内挿部材内周面部分231bの、軸方向に沿った先端側の端部および後端側の端部から内周側に(軸方向と交差する方向に沿って)延在する内挿部材内周面部分231aおよび231cにより形成される。
切欠き部233が、本発明の「第2の切欠き部」に対応し、内挿部材内周面部分231a〜231cが、それぞれ本発明の「第2の切欠き部の先端側壁面」、「第2の切り欠き部の底壁面」、「第2の切り欠き部の後端側壁面」に対応する。
また、第1実施形態と同様に、本体部材220に、加圧媒体を供給する流体通路225が形成されているとともに、内挿部材外周面232の第1〜第3の内挿部材外周面部分232a〜232cと本体部材内周面321の第1の本体部材内周面部分221aとの間に、加圧領域234a、流体通路234b、加圧領域234cが形成されている。
スリーブ240は、断面が円形のスリーブ内周面241とスリーブ外周面242とを有する筒状に形成されている。
スリーブ240は、後端側に、スリーブ後端面243を有し、先端側に、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する鍔部244を有している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、本体部210の本体部先端面(本体部材先端面223)に形成された穴224と、スリーブ240の鍔部244に設けられたピン245によって、スリーブ240の、本体部210に対する回転を規制する「回転規制機構」が構成される。
スリーブ240は、スリーブ内周面241とスリーブ外周面242とを連通する連通孔249と、スリーブ内周面241から内周側に飛び出ている突部247を有している。連通孔249は、突部247に対して軸方向に沿って後端側に配置されている。
連通孔249内には、抜け止めピン290が、連通孔249の延在方向に沿って移動可能に挿入される。抜け止めピン290の長さは、連通孔249の長さより長く設定されている。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、3つの連通孔249が設けられているとともに、3つの抜け止めピン290が用いられている。また、抜け止めピン290は、サークリップの弾性力によって、連通孔249の延在方向に沿って内周側に移動する力が加えられた状態で連通孔249内に挿入されている。
連通孔249が、本発明の「連通孔」に対応し、連通孔249内に挿入される抜け止めピン290が、本発明の「可動部材」に対応する。また、突部247が、本発明の「突部」に対応する。
スリーブ内周面241により形成されるスリーブ内側空間240a内には、工具の工具シャンク部20が挿入される。本実施形態の工具保持具200で用いられる工具の工具シャンク部20は、図10に示されている形状を有している。
図10に示されている工具シャンク部20は、工具シャンク部外周面21、工具シャンク部後端面12、切欠き部21B、溝21Aを有している。切欠き部21Bは、工具シャンク部後端面22から軸方向に沿って(平行に)延在している切欠き面21bにより形成される。溝21Aは、切欠き面21bの、軸方向に沿った先端側の端部に連接され、周方向に沿って延在する溝形成面21aによって形成される。なお、工具シャンク部外周面21のうち、溝形成面21aより工具シャンク部後端面22側の部分は、工具シャンク部外周面部分21cを形成する。また、スリーブ内周面241には、工具シャンク部20の切欠き面21bと当接可能な突起247a(図12、図13参照)が形成されている。突起247aは、工具シャンク部20の、スリーブ内側空間240a内からの抜けを防止可能な抜け止め用回転位置に設けられている。すなわち、突起247aは、抜け止め用回転位置を規定する。
本実施形態では、切欠き部21Bは、軸中心点Oに対して対向する2箇所に設けられている。
なお、スリーブ240の突部247は、工具シャンク部20の溝21Aに係合可能に形成される。
切欠き面21bが、本発明の「切欠き面」に対応し、切欠き部21Bが、本発明の「第1の切欠き部」に対応し、切欠き面21bが、本発明の「溝形成面」に対応し、溝21Aが、本発明の「溝」に対応する。
次に、本実施形態の工具保持具200に工具を取り付ける動作を、図11〜図13を参照して説明する。なお、図11は、スリーブ240および工具シャンク部20の装着が完了する前の状態を示す断面図である。図12は、図11(装着完了前)の矢印XII(a)およびXII(b)から見た断面図であり、図13は、図10(装着完了後)の矢印XIIIから見た断面図である。
先ず、スリーブ240を本体部内側空間(本体部材内側空間220a)内に挿入する。
次に、図11に示されているように、工具シャンク部20をスリーブ内側空間240a内に挿入する。ここで、図12(a)に示されているように、軸方向に直角な方向から見て、スリーブ240の突部247が工具シャンク部20の切欠き面21bと対向する状態、すなわち、スリーブ240の回転位置が、切欠き部21Bが突部247の位置に配置される挿入用回転位置に設定された状態で、工具シャンク部20をスリーブ内側空間240a内に挿入する。この時、図12(b)に示されているように、抜け止めピン290は、工具シャンク部10の切欠き面21bに当接するため、連通孔249内に挿入された状態を維持する。
そして、スリーブ240の突部247が工具シャンク部20の溝形成面21aと対向する状態、すなわち、スリーブ240の挿入位置が、スリーブ240の回転が可能な回転用挿入位置に設定された状態で、工具シャンク部20を回転させる。工具シャンク部20が回転すると、工具シャンク部外周面部分21cが、スリーブ240の突部247と当接可能となる。これにより、工具シャンク部20が、スリーブ内側空間240a内から抜けるのが防止される。
工具シャンク部20の回転位置が、抜け止め用回転位置に設定されると、図13に示されているように、工具シャンク部外周面部分21cが抜け止めピン290に当接する。これにより、抜け止めピン290が、連通孔249の延在方向に沿って外周側に移動し、抜け止めピン290の一部が切欠き部233内に配置される。
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、本体部210とスリーブ240の鍔部244との間に設けられている弾性部材246の弾性力が、スリーブ240を、本体部210に対して先端側に移動させる力として作用する。
また、図示は省略されているが、第1の実施形態と同様に、本体部210と工具シャンク部20との間にスプリングが設けられる。スプリングの弾性力によって、工具シャンク部20を、本体部210に対して軸方向に沿って先端側に移動させる力が工具シャンク部20に加えられる。
なお、工具シャンク部20の溝形成面21aとスリーブ240の突部247との当接により、スプリングの弾性力は、スリーブ240にも伝達される。
第2実施形態の工具保持具200では、スリーブ240に形成されている突部247が、工具シャンク部20の外周側に形成されている溝形成面21bに当接することによって、工具シャンク部20の、スリーブ240に対して軸方向沿った先端側への移動が規制される。
また、スリーブ240に形成されている連通孔249に挿入されている抜け止めピン290が、本体部210の内周側に形成されている切欠き部233の内挿部材内周面部分(先端側壁面)231aに当接することによって、スリーブ240の、本体部210に対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。
また、本体部210の本体部先端面(本体部材先端面223)に形成された穴224と、スリーブ240に形成された鍔部244に設けられたピン245によって、スリーブ240の、本体部210に対する回転が規制される。
(第3実施形態)
本発明の工具保持具の第3実施形態300を、図14および図15を参照して説明する。なお、図14は、第3実施形態の工具保持具300の断面図であり、図15は、第3実施形態の工具保持具300で用いられる工具の工具シャンク部30の形状を示す図である。
本実施形態の工具保持具300は、第1の実施形態と同様に、本体部310、スリーブ340等を備えている。また、本体部310は、本体部材320と内挿部材330により構成されている。
本体部材320は、本体部材内周面321と本体部材外周面322を有する筒状に形成されている。本体部材内周面321は、第1〜第3の本体部材内周面部分321a〜321cを有している。少なくとも本体部材内周面部分321aは、断面が円形を有している。本体部材内周面321によって本体部材内側空間320aが形成される。
本実施形態では、本体部材320と内挿部材330が一体化された本体部310が、本発明の「本体部」に対応する。また、内挿部材330の内挿部材内周面331と本体部材320の本体部材内周面部分321cにより、本発明の「本体部内側空間」が形成され、内挿部材内周面331と本体部材内周面部分321cにより、本発明の「本体部内周面」が構成される。また、内挿部材330と、本体部材320の、内挿部材330に対応する部分により、本体部の「把持部」が構成される。
また、第1実施形態と同様に、内挿部材内周面331の内挿部材内周面部分331a〜331cにより切欠き部333が形成されている。すなわち、切欠き部333は、軸方向に沿って延在する内挿部材内周面部分331bと、内挿部材内周面部分331bの、軸方向に沿った先端側の端部および後端側の端部から内周側に(軸方向と交差する方向に沿って)延在する内挿部材内周面部分331aおよび内挿部材内周面部分331cにより形成される。
切欠き部333が、本発明の「切欠き部」に対応し、内挿部材内周面部分331a〜331cが、それぞれ本発明の「切欠き部の先端側壁面」、「切欠き部の底壁面」、「切欠き部の後端側壁面」に対応する。
また、第1実施形態と同様に、本体部材320に、加圧媒体を供給する流体通路325が形成されているとともに、内挿部材外周面332の内挿部材外周面部分332a〜332cと本体部材内周面321の本体部材内周面部分321aとの間に、加圧領域334a、流体通路334b、加圧領域334cが形成されている。
スリーブ340は、断面が円形のスリーブ内周面341とスリーブ外周面342とを有する筒状に形成されている。
スリーブ340は、後端側に、スリーブ後端面343を有し、先端側に、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する鍔部344を有している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、本体部310の本体部先端面(本体部材先端面323)に穴324と、スリーブ324の鍔部344に設けられたピン345によって、本体部310に対する回転を規制する「回転規制機構」が構成される。
スリーブ340は、スリーブ内周面341とスリーブ外周面342とを連通する連通孔348と349を有している。連通孔349は、連通孔348に対して軸方向に沿って後端側に配置されている。
連通孔348内には、ピン380が挿入される。この時、ピン380のピン先端部381がスリーブ内周面341から飛び出るように、ピン380を連通孔348内に挿入する。そして、連通孔348内に挿入されたピン380は、スリーブ340に固定される。例えば、ピン380は、本体部310にロー付けされる。
また、連通孔349内には、抜け止めピン390が、連通孔349の延在方向に沿って移動可能に挿入される。抜け止めピン390の長さは、連通孔349の長さより長く設定されている。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、3つの連通孔349が設けられているとともに、3つの抜け止めピン390が用いられている。また、抜け止めピン390は、サークリップの弾性力によって、連通孔349の延在方向に沿って内周側に移動する力が加えられた状態で連通孔349内に挿入されている。
連通孔348が、本発明の「連通孔」に対応し、連通孔348内に挿入されるピン380が、本発明の「可動部材」に対応し、ピン380のピン先端部381が、本発明の「突部」に対応する。
スリーブ内周面341により形成されるスリーブ内側空間340a内には、工具の工具シャンク部30が挿入される。本実施形態の工具保持具300で用いられる工具の工具シャンク部30は、図15に示されている形状を有している。
図15に示されている工具シャンク部30は、工具シャンク部外周面31、工具シャンク部後端面32、螺旋溝31Aを有している。螺旋溝31Aは、工具シャンク部後端面32から軸方向に沿って先端側に、工具シャンク部外周面31に沿って延在している螺旋溝形成面31aにより形成される。
螺旋溝31Aの数は、適宜設定可能である。
なお、スリーブ340の連通孔348に挿入されるピン380のピン先端部381は、工具シャンク部30の螺旋溝31Aに係合可能に形成される。
次に、本実施形態の工具保持具300に工具を取り付ける動作を、図16を参照して説明する。なお、図16は、スリーブ340および工具シャンク部30の装着が完了する前の状態を示す断面図である。
先ず、スリーブ340を本体部内側空間(本体部材内側空間320a)内に挿入する。
次に、図16に示されているように、工具シャンク部30をスリーブ内側空間340a内に挿入する。この時、スリーブ340のスリーブ内周面341から飛び出ているピン先端部381を工具シャンク部30の螺旋溝31Aに係合させた状態で、工具シャンク部30を回転させることによって、工具シャンク部30は、軸方向に沿って後端側に移動する。
そして、スリーブ340のスリーブ外周面342の、先端側の部分が抜け止めピン390に当接すると、抜け止めピン390は、連通孔349の延在方向に沿って外周側に移動する。これにより、抜け止めピン390の一部が切欠き部333内に配置される。
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、本体部310とスリーブ340の鍔部344との間に設けられている弾性部材346の弾性力が、スリーブ340を、本体部310に対して先端側に移動させる力として作用する。
また、図示は省略されているが、第1の実施形態と同様に、本体部310と工具シャンク部30との間にスプリングが設けられる。スプリングの弾性力によって、工具シャンク部30を、本体部310に対して軸方向に沿って先端側に移動させる力が工具シャンク部30に加えられる。
また、ピン380のピン先端部381と工具シャンク部30の螺旋溝形成面31aとの当接により、スプリングの弾性力は、スリーブ340にも伝達される。
なお、連通孔348内にピン380を挿入し、スリーブ内周面341から飛び出たピン先端部381を、螺旋溝31Aに係合する突部として用いたが、スリーブ内周面341に突部を形成することもできる。この場合には、連通孔348およびピン380を省略することができる。
第3実施形態の工具保持具300では、スリーブ340のスリーブ内周面341から飛び出ているピン先端部381(突部)が、工具シャンク部30の外周側に形成されている螺旋溝形成面31aに当接することによって、工具シャンク部30の、スリーブ340に対して軸方向沿った先端側への移動が規制される。
また、スリーブ340に形成されている連通孔349に挿入されている抜け止めピン390が、本体部310の内周側に形成されている切欠き部333の内挿部材内周面部分(先端側壁面)331aに当接することによって、スリーブ340の、本体部310に対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。
また、本体部310の本体部先端面(本体部材先端面323)に形成された穴324と、スリーブ340に形成された鍔部344に設けられたピン345によって、スリーブ340の、本体部310に対する回転が規制される。
(第4実施形態)
本発明の工具保持具の第4実施形態400を、図17および図18を参照して説明する。なお、図17は、第4実施形態の工具保持具400の断面図であり、図18は、第4実施形態の工具保持具400で用いられる工具の工具シャンク部40の形状を示す図である。
本実施形態の工具保持具400は、スチールにより形成され、本体部410、スリーブ440等を備えている。
本実施形態では、本体部410は、本体部材420と内挿部材430により構成されている。
本体部材420は、本体部材内周面421と本体部材外周面422を有する筒状に形成されている。本体部材内周面421は、第1〜第7の本体部材内周面部分421a〜421gを有している。少なくとも本体部材内周面部分421aは、断面が円形を有している。本体部材内周面421によって本体部材内側空間420aが形成される。
本実施形態では、本体部材420と内挿部材430が一体化された本体部410が、本発明の「本体部」に対応する。また、内挿部材430の内挿部材内周面431(内挿部材内周面部分431a〜431c)と本体部材320の本体部材内周面部分421c〜421gにより、本発明の「本体部内側空間」が形成され、内挿部材内周面431と本体部材内周面部分321c〜421gにより、本発明の「本体部内周面」が構成される。また、内挿部材430と、本体部材420の、内挿部材430に対応する部分により、本体部の「把持部」が構成される。
また、第1実施形態と同様に、内挿部材内周面431の第1〜第3の内挿部材内周面部分431a〜431cにより切欠き部433が形成されている。すなわち、切欠き部433は、軸方向に沿って延在する内挿部材内周面部分431bと、内挿部材内周面部分431bの、軸方向に沿った先端側の端部および後端側の端部から内周側に(軸方向と交差する方向に沿って)延在する内挿部材内周面部分431aおよび内挿部材内周面部分431cにより形成される。
切欠き部433が、本発明の「第2の切欠き部」に対応し、内挿部材内周面部分431a〜431cが、それぞれ本発明の「第2の切欠き部の先端側壁面」、「第2の切欠き部の底壁面」、「第2の切欠き部の後端側壁面」に対応する。
また、第1実施形態と同様に、本体部材420に、加圧媒体を供給する流体通路425が形成されているとともに、内挿部材外周面432の第1〜第3の内挿部材外周面部分432a〜432cと本体部材内周面421の第1の本体部材内周面部分421aとの間に、加圧領域434a、流体通路434b、加圧領域434cが形成されている。
スリーブ440は、断面が円形のスリーブ内周面441とスリーブ外周面442とを有する筒状に形成されている。
スリーブ440は、後端側に、スリーブ後端面443を有し、先端側に、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する鍔部444を有している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、本体部410の本体部先端面(本体部材先端面423)に形成された穴424と、スリーブ324の鍔部344に設けられたピン345によって、スリーブ440の、本体部410に対する回転を規制する「回転規制機構」が構成される。
スリーブ440は、スリーブ内周面441とスリーブ外周面442とを連通する連通孔449を有している。
連通孔449内には、抜け止めピン490が、連通孔449の延在方向に沿って移動可能に挿入される。抜け止めピン490の長さは、連通孔449の長さより長く設定されている。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、3つの連通孔449が設けられているとともに、3つの抜け止めピン490が用いられている。また、抜け止めピン490は、サークリップの弾性力によって、連通孔449の延在方向に沿って内周側に移動する力が加えられた状態で連通孔449内に挿入されている。
連通孔449が、本発明の「連通孔」に対応し、連通孔449内に挿入される抜け止めピン490が、本発明の「可動部材」に対応する。
スリーブ内周面441により形成されるスリーブ内側空間440a内には、工具の工具シャンク部40が挿入される。本実施形態の工具保持具400で用いられる工具の工具シャンク部40は、図18に示されている形状を有している。
図18に示されている工具シャンク部40は、工具シャンク部外周面41、工具シャンク部後端面42、切欠き部43を有している。
切欠き部43は、第1の傾斜面41aと、第1の傾斜面の、軸方向に沿った先端側の端部に連接されている第2の傾斜面により形成されている。第1の傾斜面41aは、工具シャンク部外周面41(図18に破線で示されている、工具シャンク部外周面41を延在方向に沿って延ばした仮想工具シャンク部外周面)からの距離が、軸方向に沿って後端側から先端側に向けて順次大きくなるように傾斜している。また、第2の傾斜面41bは、工具シャンク部外周面41(仮想工具シャンク部外周面)からの距離が、軸方向に沿って後端側から先端側に向けて順次小さくなるように傾斜している。
本体部410には、支持部材510がネジ結合されている。支持部材510は、先端側に、軸方向と交差する方向に沿って外周側に延在する鍔部511を有する。
スリーブ440の先端側には、スプリング支持部材460がネジ結合されている。スプリング支持部材460は、スプリング支持部材内周面部分461aを含むスプリング支持部材内周面461と、スプリング支持部材外周面部分462aを含むスプリング支持部材外周面462と、スプリング支持部材後端面464を有している。
また、スプリング支持部材460より先端側には、当接部材450が設けられている。当接部材450は、筒状に形成され、スリーブ内側空間140a内に、軸方向に沿って移動可能に配置されている。当接部材450は、当接部材内周面部分451aを含む当接部材内周面451と、当接部材先端面453を有している。当接部材450は、筒状に形成され、スリーブ内側空間140a内に、軸方向に沿って移動可能に配置されている。
当接部材450の当接部材内周面部分451aとスプリング支持部材460のスプリング支持部材内周面部分461aとの間にスプリング470が設けられている。なお、当接部材450は、当接部材先端面453がスリーブ440に形成されている段差面と当接することによって、先端側への移動が規制される。
また、支持部材510とスプリング支持部材460の間には、連結部材520が設けられている。連結部材520は、連結部材第1部分521、連結部材第2部分522、連結部材第3部分523を有している。そして、連結部材520は、連結部材第1部分521と支持部材510の鍔部511との当接により軸方向に沿った先端側への移動を規制された状態で、連結部材第3部分523がスプリング支持部材460のスプリング支持部材後端面464に当接可能に配置されている。
また、連結部材520は、スプリング530の弾性力によって、本体部(本体部材420)に対して軸方向に沿って先端側に移動する力が加えられている。
第1〜第3の実施形態では、本体部先端面とスリーブの鍔部との間に弾性部材を設けたが、本実施形態では、本体部410とスリーブ後端面443との間に、弾性部材であるスプリング530を設けている。スプリング530の弾性力は、連結部材520、スプリング支持部材460を介して、スリーブ440を先端側に移動させる力としてスリーブ440に加えられる。なお、スプリング530としては、スプリング470の弾性力より強い弾性力を有するスプリングが用いられる。
スプリング530が、本発明の「スリーブを本体部に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力を発生する第2の弾性部材あるいはスリーブ用弾性部材」に対応する。
次に、本実施形態の工具保持具400に工具を取り付ける動作を、図19〜図21を参照して説明する。
先ず、工具シャンク部40をスリーブ内側空間440a内に挿入する。この時、工具シャンク部40は、抜け止めピン490が第2の傾斜面41bに当接する位置まで挿入される。抜け止めピン490が第2の傾斜面41bに当接している状態では、抜け止めピン490は、連通孔449内に挿入された状態を維持する。すなわち、抜け止めピン490は、スリーブ外周面442から飛び出ていない。また、この時、スプリング支持部材460と当接部材450の間に設けられているスプリング470は、圧縮される、すなわち、スプリング470の弾性力は、当接部材450および工具シャンク部40を先端側に移動させる力として作用する。
次に、工具シャンク部40をスリーブ内側空間440a内に挿入した状態で、スリーブ440を本体部内側空間内(本体部材内側空間420a)内に挿入する。
そして、図20に示されているように、スリーブ440を、抜け止めピン490(連通孔449)が本体部410の切欠き部433に対向する位置までを挿入した状態で、工具シャンク部40を軸方向に沿って後端側に移動させる押圧力の付与を解除する。
これにより、スプリング470の弾性力によって、当接部材450および工具シャンク部40が、軸方向に沿って先端側に移動する。工具シャンク部40が先端側に移動すると、抜け止めピン490が、工具シャンク部50の第1の傾斜面41aに当接する。また、工具シャンク部40の先端側への移動にともなって、抜け止めピン490と第1の傾斜面41aとの当接箇所が、第1の傾斜面41aの後端側に移動する。そして、図21に示されているように、抜け止めピン490が外周側に移動し、抜け止めピン490の一部が、本体部410の切欠き部333内に配置される。
なお、本実施形態では、スプリング530の弾性力が、スリーブ440を、本体部410に対して先端側に移動させる力として作用する。
また、スプリング470の弾性力によって、工具シャンク部40を、スリーブ440に対して先端側に移動させる力が工具シャンク部40に加えられる。これにより、抜け止めピン490が第1の傾斜面41aと強固に当接される。
第4実施形態の工具保持具400では、スリーブ440に形成されている連通孔449に挿入されている抜け止めピン490の、スリーブ内周面441から飛び出ている部分が、工具シャンク部40の外周側に形成されている切欠き部43の第1の傾斜面41aに当接するとともに、スリーブ外周面442から飛び出ている部分が、本体部410の内周側に形成されている切欠き部433の内挿部材内周面部分(先端側壁面)431aに当接することによって、工具シャンク部40の、スリーブ440に対して軸方向沿った先端側への移動が規制されるとともに、スリーブ440の、本体部410に対して軸方向に沿った先端側への移動が規制される。
また、本体部410の本体部先端面(本体部材先端面423)に形成された穴424と、スリーブ440に形成された鍔部444に設けられたピン445によって、スリーブ440の、本体部410に対する回転が規制される。
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
本体部を、本体部材と内挿部材とにより構成したが、一つの部材により構成することもできる。この場合、例えば、加圧領域が形成された一つの部材を用いる。
工具シャンク部を把持する把持機構として、油等が供給される加圧領域内の圧力を利用してスリーブ内周面を縮径させる把持機構を用いたが、これ以外の種々の構成の把持機構を用いることができる。
スリーブの、本体部に対する回転を規制する回転規制機構を用いたが、回転規制機構は省略することもできる。
可動部材を連通孔の延在方向に沿って移動させる力を可動部材に加える機構としては、実施形態で説明した機構に限定されず、種々の機構を用いることができる。
工具シャンク部に形成される切欠き部や本体部に形成される切欠き部の形状は、実施形態で説明したけ形状に限定されず、種々の形状に設定することができる。
工具シャンク部を、スリーブに対して先端側に移動させる弾性力を発生する弾性部材(工具シャンク用弾性部材)や、スリーブを、本体部に対して先端側に移動させる弾性力を発生する弾性部材(スリーブ用弾性部材)としては、種々の構成の弾性部材を用いることができる。また、工具シャンク部用弾性部材やスリーブ用弾性部材は、省略することもできる。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。
10、20、30、40 工具シャンク部
11、21、31、41 工具シャンク部外周面
11a〜11g 工具シャンク部外周面部分
12、22、32、42 工具シャンク部後端面
13a、13b 切欠き部
21A 溝
21a 溝形成面
21B 切欠き部
21b 切欠き面
21c 工具シャンク部外周面部分
31a 螺旋溝形成面
31A 螺旋溝
41a、41b 傾斜面
43 切欠き部
100、200、300、400 工具保持具
110、210、310、410 本体部
110A、210A、310A、410A 把持部
120、220、320、420 本体部材
120a、220a、320a、420a 本体部材内側空間
121、221、321、421 本体部材内周面
121a〜121e、221a〜221c、321a〜321c、421a〜421g 本体部材内周面部分
122、222、322、422 本体部材外周面
123、223、323、423 本体部材先端面
124、224、324、424 穴
125、225、325、425 流体通路
130、230、330、440 内挿部材
131 、231、331、441内挿部材内周面
131a、231a、331a、431a 先端側壁面
131b、231b、331b、431b 底壁面
131c、231c、331c、431c 後端側壁面
132、232、332、432 内挿部材外周面
132a〜132c、232a〜232c、332a〜332c、432a〜432c 内挿部材外周面部分
133、233、333、433 切欠き部
134a、134c、234a、234c、334a、334c、434a、434c 加圧領域
134b、234b、334b、434b 流体通路
140、240、340、440 スリーブ
140a、240a、340a、440a スリーブ内側空間
141、241、341、441 スリーブ内周面
142、242、342、442 スリーブ外周面
143、243、343、443 スリーブ後端面
144、147、244、344、444 鍔部
145、245、345、445 ピン(回り止めピン)
145a、245a、345a、445a Oリング
146、246、346 弾性部材
148、149、249、348、349、449 連通孔
150、450 当接部材
151、451 当接部材内周面
151a、451a 当接部材内周面部分
152 当接部材外周面
152a〜152c 当接部材外周面部分
153、453 当接部材先端面
160、460 スプリング支持部材
161、461 スプリング支持部材内周面
161a、461a スプリング支持部材内周面部分
162、462 スプリング支持部材外周面
162a、462a スプリング支持部材外周面部分
170、470、530 スプリング(弾性部材)
180、380 ピン
181 ゴム(弾性部材)
190、290、390、490 抜け止めピン
191、291、391、491 溝
192、292、392、492 サークリップ
247突部
381 ピン先端部(突部)
510 支持部材
511 鍔部
520 連結部材
521 連結部材第1部分
522 連結部材第2部分
523 連結部材第3部分

Claims (13)

  1. 内周側に本体部内周面を有する本体部と、内周側にスリーブ内周面を有しているとともに、外周側にスリーブ外周面を有し、前記本体部内周面により形成される本体部内側空間内に挿入されるスリーブとを備え、前記スリーブ内周面の縮径によって、前記スリーブ内周面により形成されるスリーブ内側空間内に挿入された工具シャンク部の工具シャンク部外周面を把持可能に構成されている工具保持具であって、
    前記スリーブは、前記本体部内側空間内に、着脱可能に挿入され、
    前記工具シャンク部の、前記スリーブに対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する第1の移動規制機構と、前記スリーブの、前記本体部に対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する第2の移動規制機構を備え、
    前記工具シャンク部は、外周側に、軸方向に沿って延在するとともに、外周側が開口している第1の切欠き部を有しており、前記第1の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、前記底壁面の、軸方向に沿った後端側の端部から外周側に延在する後端側壁面を有し、
    前記スリーブは、前記スリーブ内周面と前記スリーブ外周面とを連通する第1の連通孔と第2の連通孔を有し、前記第2の連通孔は、前記第1の連通孔より、軸方向に沿って後端側に配置されており、
    前記本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している第2の切欠き部を有し、前記第2の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、前記底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有しており、
    前記第1の連通孔内には、前記第1の連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、前記第1の連通孔の長さより長い第1の可動部材が挿入され、
    前記第2の連通孔内には、前記第2の連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、前記第2の連通孔の長さより長い第2の可動部材が挿入され、
    前記スリーブが前記本体部内側空間内に挿入されるとともに、前記工具シャンク部が前記スリーブ内側空間内に挿入された状態において、前記第1の可動部材の一部が前記工具シャンク部の前記第1の切欠き部内に配置されるとともに、前記第2の可動部材の一部が前記本体部の前記第2の切欠き部内に配置されるように構成されており、
    前記工具シャンク部の前記第1の切欠き部および前記スリーブの前記第1の可動部材によって前記第1の移動規制機構が構成され、
    前記本体部の前記第2の切欠き部および前記スリーブの前記第2の可動部材によって前記第2の移動規制機構が構成されていることを特徴とする工具保持具。
  2. 請求項に記載の工具保持具であって、
    前記スリーブの内側に配置され、前記第2の可動部材と当接可能な当接面を有する当接部材を有し、
    前記当接部材の前記当接面が前記第2の可動部材と当接することによって、前記第2の可動部材を、前記第2の連通孔の延在方向に沿って外周側に移動させる押圧力が前記第2の可動部材に加わるように構成されていることを特徴とする工具保持具。
  3. 請求項またはに記載の工具保持具であって、
    前記第1の可動部材を前記第1の連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、前記第1の可動部材に加えられていることを特徴とする工具保持具。
  4. 請求項のうちのいずれか一項に記載の工具保持具であって、
    前記第2の可動部材を前記第2の連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、前記第2の可動部材に加えられていることを特徴とする工具保持具。
  5. 内周側に本体部内周面を有する本体部と、内周側にスリーブ内周面を有しているとともに、外周側にスリーブ外周面を有し、前記本体部内周面により形成される本体部内側空間内に挿入されるスリーブとを備え、前記スリーブ内周面の縮径によって、前記スリーブ内周面により形成されるスリーブ内側空間内に挿入された工具シャンク部の工具シャンク部外周面を把持可能に構成されている工具保持具であって、
    前記スリーブは、前記本体部内側空間内に、着脱可能に挿入され、
    前記工具シャンク部の、前記スリーブに対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する第1の移動規制機構と、前記スリーブの、前記本体部に対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する第2の移動規制機構を備え、
    前記工具シャンク部は、工具シャンク部後端面から軸方向に沿って延在する切欠き面により形成される少なくとも一つの第1の切欠き部を有しているとともに、前記切欠き面の、軸方向に沿った先端側の端部に連設され、周方向に沿って延在する溝形成面により形成される溝を有し、
    前記スリーブは、前記スリーブ内周面から飛び出ている少なくとも一つの突部を有しているとともに、前記スリーブ内周面と前記スリーブ外周面とを連通する連通孔を有し、前記連通孔は、前記突部より軸方向に沿って後端側に配置されており、
    前記本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している第2の切欠き部を有し、前記第2の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、前記底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有しており、
    前記連通孔内には、前記連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、前記連通孔の長さより長い可動部材が挿入され、
    前記工具シャンク部は、前記スリーブの前記突部が前記工具シャンク部の前記第1の切欠き部と対向する状態において、前記スリーブ内側空間内に挿入可能であり、前記スリーブの前記突部が前記工具シャンク部の前記溝と対向する状態において、回転可能に構成されているとともに、前記工具シャンク部の回転により、前記工具シャンク部外周面の、前記溝形成面より軸方向に沿って後端側の部分が前記可動部材と当接することによって、前記可動部材を、前記連通孔の延在方向に沿って外周側に移動させる押圧力が前記可動部材に加わるように構成されており、
    前記工具シャンク部の前記溝および前記スリーブの前記突部によって前記第1の移動規制機構が構成され、
    前記本体部の前記第2の切欠き部および前記スリーブの前記可動部材によって前記第2の移動規制機構が構成されていることを特徴とする工具保持具。
  6. 請求項に記載の工具保持具であって、
    前記可動部材を前記連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、前記可動部材に加えられていることを特徴とする工具保持具。
  7. 内周側に本体部内周面を有する本体部と、内周側にスリーブ内周面を有しているとともに、外周側にスリーブ外周面を有し、前記本体部内周面により形成される本体部内側空間内に挿入されるスリーブとを備え、前記スリーブ内周面の縮径によって、前記スリーブ内周面により形成されるスリーブ内側空間内に挿入された工具シャンク部の工具シャンク部外周面を把持可能に構成されている工具保持具であって、
    前記スリーブは、前記本体部内側空間内に、着脱可能に挿入され、
    前記工具シャンク部の、前記スリーブに対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する第1の移動規制機構と、前記スリーブの、前記本体部に対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する第2の移動規制機構を備え、
    前記工具シャンク部は、工具シャンク部後端面から軸方向に沿って先端側に向けて、前記工具シャンク部外周面に沿って螺旋状に延在するとともに、外周側が開口している螺旋溝を有し、
    前記スリーブは、前記スリーブ内周面から飛び出ている突部と、前記スリーブ内周面と前記スリーブ外周面とを連通する連通孔を有し、前記連通孔は、前記突部より、軸方向に沿って後端側に配置されており、
    前記本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している切欠き部を有し、前記切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、前記底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有しており、
    前記連通孔内には、前記連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、前記連通孔の長さより長い可動部材が挿入され、
    前記スリーブが前記本体部内側空間内に挿入された状態において、前記突部と前記螺旋溝が係合することによって、前記工具シャンク部が、回転しながら軸方向に沿って前記スリーブ内側空間内に挿入可能に構成されているとともに、前記工具シャンク部外周面が前記可動部材と当接することによって、前記可動部材を、前記連通孔の延在方向に沿って外周側に移動させる押圧力が前記可動部材に加わるように構成されており、
    前記螺旋溝および前記突部によって前記第1の移動規制機構が構成され、
    前記本体部の前記切欠き部および前記スリーブの前記可動部材によって前記第2の移動規制機構が構成されていることを特徴とする工具保持具。
  8. 請求項に記載の工具保持具であって、
    前記可動部材を前記連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、前記可動部材に加えられていることを特徴とする工具保持具。
  9. 内周側に本体部内周面を有する本体部と、内周側にスリーブ内周面を有しているとともに、外周側にスリーブ外周面を有し、前記本体部内周面により形成される本体部内側空間内に挿入されるスリーブとを備え、前記スリーブ内周面の縮径によって、前記スリーブ内周面により形成されるスリーブ内側空間内に挿入された工具シャンク部の工具シャンク部外周面を把持可能に構成されている工具保持具であって、
    前記スリーブは、前記本体部内側空間内に、着脱可能に挿入され、
    前記工具シャンク部の、前記スリーブに対する軸方向に沿った先端側への移動を規制するとともに、前記スリーブの、前記本体部に対する軸方向に沿った先端側への移動を規制する移動規制機構を備え、
    前記工具シャンク部は、外周側に、外周側が開口している第1の切欠き部を有し、前記第1の切欠き部は、第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面より軸方向に沿って先端側に配置された第2の傾斜面により形成され、前記第1の傾斜面は、軸方向に沿って後端側から先端側に向かって、前記工具シャンク部外周面からの距離が長くなるように傾斜し、前記第2の傾斜面は、軸方向に沿って後端側から先端側に向かって、前記工具シャンク部外周面からの距離が短くなるように傾斜しており、
    前記スリーブは、前記スリーブ内周面と前記スリーブ外周面とを連通する連通孔を有し、
    前記本体部は、内周側に、軸方向に沿って延在するとともに、内周側が開口している第2の切欠き部を有し、前記第2の切欠き部は、軸方向に沿って延在する底壁面と、前記底壁面の、軸方向に沿った先端側の端部から内周側に延在する先端側壁面を有しており、
    前記連通孔内には、前記連通孔の延在方向に沿って移動可能であり、前記連通孔の長さより長い可動部材が挿入され、
    前記工具シャンク部が軸方向に沿って先端側に移動することによって、前記可動部材と前記第1の傾斜面との当接位置が軸方向に沿って後端側に移動するとともに、前記可動部材が、前記貫通孔の延在方向に沿って外周側に移動するように構成されており、
    前記工具シャンクの前記第1の切欠き部、前記本体部の前記第2の切欠き部および前記スリーブの前記可動部材によって前記移動規制機構が構成されていることを特徴とする工具保持具。
  10. 請求項に記載の工具保持具であって、
    前記可動部材を前記連通孔の延在方向に沿って内周側に移動させる弾性力が、前記可動部材に加えられていることを特徴とする工具保持具。
  11. 請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の工具保持具であって、
    前記スリーブを前記本体部に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力が、前記スリーブに加えられていることを特徴とする工具保持具。
  12. 請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の工具保持具であって、
    前記工具シャンク部を前記本体部に対して軸方向に沿って先端側に移動させる弾性力が、前記工具シャンク部に加えられていることを特徴とする工具保持具。
  13. 請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の工具保持具であって、
    前記スリーブの、前記本体部に対する回転を規制する回転規制機構を備えていることを特徴とする工具保持具。
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