JP6980206B2 - 標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット - Google Patents

標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット Download PDF

Info

Publication number
JP6980206B2
JP6980206B2 JP2017164636A JP2017164636A JP6980206B2 JP 6980206 B2 JP6980206 B2 JP 6980206B2 JP 2017164636 A JP2017164636 A JP 2017164636A JP 2017164636 A JP2017164636 A JP 2017164636A JP 6980206 B2 JP6980206 B2 JP 6980206B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
labeled
protein
tryptophan
cell
indole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017164636A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019041588A (ja
Inventor
勉 寺内
夏子 松田
祥三 古本
錬 岩田
隆則 木川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Taiyo Nippon Sanso Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Tohoku University NUC
Taiyo Nippon Sanso Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Taiyo Nippon Sanso Corp, RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2017164636A priority Critical patent/JP6980206B2/ja
Publication of JP2019041588A publication Critical patent/JP2019041588A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6980206B2 publication Critical patent/JP6980206B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Nuclear Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

本発明は、標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキットに関する。
タンパク質は、様々な機能を有するため、医薬品や診断薬及び食品加工用酵素等の様々な産業利用がなされており、特定の元素で標識した標識タンパク質は特に有用である。例えば、抗体は多種多様な分子と特異的に結合できることから、標識抗体は体内外診断や治療等の様々な用途で利用されている。具体的には、ポジトロン標識抗体は、ポジトロン断層法(以下、「PETイメージング」という。)の有力な画像化プローブになり得る。また、ペプチドやタンパク質のNMRによる解析等でも、有用なプローブとなり得る元素で標識した標識タンパク質が利用される。
抗体等のタンパク質やペプチドを標識する方法としては、例えば、放射性同位体により標識する方法が提案されている。放射性同位体によりタンパク質やペプチドを標識する方法としては、例えば、ペプチドやタンパク質にキレート化させた68Gaや64Cuを結合させる方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、様々なペプチドやタンパク質を68Gaや64Cuで標識してPETイメージングに供することができるものの、キレート剤の分子が大きいことから、標識したペプチドやタンパク質の性質が天然型の性質とは異なる場合がある。特に分子量の小さいペプチドを標識する場合は、大きなキレート剤の誘導体化部分が局在や動態に与える影響が大きい。
また、マレイミド基、ポリエチレングリコール(PEG)鎖及び18Fを有する標識用試薬を、ペプチドやタンパク質のシステイン残基のチオール基に作用させて18Fで標識する方法が提案されている(特許文献2)。該方法で用いる標識用試薬は、PEG領域を有するために親水性や生体内安定性に優れるが、標識によりペプチドやタンパク質の構造が天然型から大きく変わるため、特に低分子のペプチドにおいて局在や動態への影響が大きい。また、ペプチドやタンパク質においては、それらの機能に分子内のシステイン残基が重要な役割を果たしている場合が多く、標識によってシステイン残基が修飾されると悪影響が生じやすい。
また、[11C]メチオニン、[11C]メチオニン誘導体、[18F]プロリン、[18F]フロロエチオニン、又は[18F]プロリン誘導体を用いて無細胞タンパク質合成系でタンパク質を合成し、11C又は18Fで標識した標識タンパク質を得る方法が提案されている(特許文献3、非特許文献1)。該方法は、前記のキレート剤や標識用試薬を用いる方法に比べて、標識によるペプチドやタンパク質の構造変化が小さく、それらの局在や動態に与える影響が小さい。
特開2014−65725号公報 特表2012−519176号公報 特開2010−263809号公報
Matsuda T, et al. Bioorg. Med. Chem. 2012. 20: 6579−6582.
しかし、11Cの半減期が20分と短いことから、特許文献3において[11C]メチオニンや[11C]メチオニン誘導体を用いる方法は、タンパク質の合成と精製に要する時間を考慮すると実用に不向きである。これに対して、18Fは半減期が比較的長く、18Fによる標識は疾病診断や創薬研究等に有用である。しかし、[11C]メチオニンや[11C]メチオニン誘導体はタンパク質に容易に取り込まれる一方、[18F]プロリンや[18F]プロリン誘導体はタンパク質への取込効率が悪い。そのため、[18F]プロリンや[18F]プロリン誘導体を用いて充分な量の標識タンパク質を得ようとすると、過剰な合成反応が必要となり、経済面や放射線暴露量の点で不利である。
本発明は、18F又は19Fで標識された標識タンパク質や標識ペプチドを短時間に容易に製造できる標識タンパク質の製造方法及び標識ペプチドの製造方法、PET用試薬及びその製造方法、標識タンパク質又は標識ペプチドを高効率に製造できるキット、並びに、標識トラスツズマブ、医薬組成物及びHER2タンパク質検出キットを提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]無細胞タンパク質合成系で、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、18F又は19Fで標識された標識インドールと、L−セリン、又はピルビン酸及びアンモニウムイオンとから18F又は19Fで標識された標識トリプトファンを合成させ、さらに前記無細胞タンパク質合成系で前記標識トリプトファンを用いて18F又は19Fで標識された標識タンパク質を合成する、標識タンパク質の製造方法。
[2]前記標識タンパク質が、トラスツズマブにおけるトリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識トラスツズマブである、[1]に記載の標識タンパク質の製造方法。
[3][1]又は[2]に記載の標識タンパク質の製造方法により、トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識タンパク質からなるPET用試薬を製造する、PET用試薬の製造方法。
[4]無細胞タンパク質合成系で、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、18F又は19Fで標識された標識インドールと、L−セリン、又はピルビン酸及びアンモニウムイオンとから18F又は19Fで標識された標識トリプトファンを合成させ、さらに前記無細胞タンパク質合成系で前記標識トリプトファンを用いて18F又は19Fで標識された標識ペプチドを合成する、標識ペプチドの製造方法。
[5]無細胞タンパク質合成系を備える、18F若しくは19Fで標識された標識タンパク質又は標識ペプチドを合成するためのキット。
[6]トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識タンパク質からなるPET用試薬。
[7]トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識トラスツズマブ。
[8][7]に記載の標識トラスツズマブを含む医薬組成物。
[9][5]に記載のキットを含むHER2タンパク質検出キット。
本発明によれば、18F又は19Fで標識された標識タンパク質、標識ペプチド、PET用試薬、標識トラスツズマブ、医薬組成物及びHER2タンパク質検出キットを短時間に容易に製造できる。
例1〜5における標識タンパク質(CATタンパク質)の量を示した図である。 例6における標識タンパク質(CATタンパク質)の量を示した図である。 例7における標識タンパク質(CATタンパク質)の量を示した図である。 例9における正常なモデルマウスのPET撮像試験の撮像結果を示した図である。 例9における腫瘍モデルマウスのPET撮像試験の撮像結果を示した図である。 例10におけるin vitro オートラジオグラフィによる腫瘍組織切片の観察結果を示した図である。
[標識タンパク質の製造方法]
本発明の標識タンパク質の製造方法は、18F又は19Fで標識された標識タンパク質を製造する方法である。
本発明において、「タンパク質」とは、25個以上のアミノ酸がペプチド結合により結合した化合物と定義する。また、「18F又は19Fで標識された標識タンパク質」とは、分子内に18F又は19Fを有するタンパク質と定義する。
本発明の標識タンパク質の製造方法においては、無細胞タンパク質合成系を用いて、18F又は19Fで標識された標識タンパク質を合成する。
「無細胞タンパク質合成系」とは、DNAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系と、mRNAの情報を読み取ってリボソーム上でタンパク質を合成する無細胞翻訳系とを含む無細胞転写翻訳系、並びに無細胞翻訳系の両方を包含する。
無細胞タンパク質合成系には、無細胞タンパク質合成系に必要な成分を含む細胞から抽出した無細胞タンパク質合成用細胞抽出液(以下、単に「細胞抽出液」という。)、あるいはタンパク質合成に必要な因子を個別に精製し混合した再構成型無細胞タンパク質合成法に用いられる溶液を用いることができる。
細胞抽出液としては、リボソーム、tRNA等のタンパク質合成に関与する翻訳系に必要な成分、又は、転写系及び翻訳系に必要な成分を含む植物細胞、動物細胞、真菌細胞、細菌細胞から抽出した細胞抽出液が挙げられる。例えば、大腸菌、小麦胚芽、ウサギ網赤血球、マウスL−細胞、エールリッヒ腹水癌細胞、HeLa細胞、CHO細胞、出芽酵母等からの細胞抽出液が挙げられる。
細胞抽出液の具体例としては、大腸菌S30細胞からの細胞抽出液が挙げられる。S30細胞抽出液は、公知の方法で調製したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
細胞抽出液の調製方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、細胞をフレンチプレスやグラスビーズにて破砕し、タンパク質成分やリボソームを可溶化するための数種類の塩を含有する緩衝液を加えてホモジナイズし、遠心分離にて不溶成分を沈殿させて分離する方法が挙げられる。
本発明の標識タンパク質の製造方法においては、例えば、細胞抽出液に、18F又は19Fで標識された標識インドール、トリプトファン以外の19種のアミノ酸、エネルギー源、目的の標識タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸等を添加する。これにより、無細胞タンパク質合成系の反応液内では、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、標識インドールとL−セリンから、側鎖のインドール環が18F又は19Fで標識された標識トリプトファンが合成される。また、無細胞タンパク質合成系でさらに該標識トリプトファンを用いたタンパク質合成が進行し、標識トリプトファンが取り込まれることで、トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18F又は19Fで標識された標識タンパク質が得られる。
本発明の標識タンパク質の製造方法では、ピルビン酸及びアンモニウムイオンを細胞抽出液に添加してもよい。無細胞タンパク質合成系では、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、標識インドールとピルビン酸とアンモニウムイオンからでも、側鎖のインドール環が18F又は19Fで標識された標識トリプトファンが合成される(Nakazawa, H. Enei, H. Okamura, S. Yamada, H. Agr. Biol. Chem. 1972. 36: 2523-2528 及び Watanabe, T. Snell, E. E. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 1972. 69: 1086-1090)。例えば、塩化アンモニウムを添加することにより、反応液にアンモニウムイオンが添加される。
反応液中の細胞抽出液の含有量は、反応液の総質量に対して、10〜40体積%が好ましい。
18F又は19Fで標識された標識インドールとしては、4位、5位又は6位の水素原子が18F又は19Fに置換されたインドールが好ましく、5位の水素原子が18F又は19Fに置換された5−フルオロインドールがさらに好ましい。標識インドールとしては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
標識インドールは、公知の方法により製造することができる。例えば、無保護のインドールボロン酸をK18Fで処理することにより、5位の水素原子が18Fに置換された標識インドールが得られる。
反応液中の標識インドールの含有量は、反応液の総量に対して、0.001〜20mMが好ましく、0.01〜3.0mMがより好ましく、0.04〜1.5mMがさらに好ましい。標識インドールの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、標識タンパク質が合成されやすい。標識インドールの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、標識タンパク質がより高収量で合成できる。
本発明における無細胞タンパク質合成系では、標識インドールと、L−セリン、又はピルビン酸及びアンモニウムイオンとを原料とする標識トリプトファンの合成にトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼが利用される。無細胞タンパク質合成系の細胞抽出液には、通常はトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼが含まれているため、必ずしもトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼを添加する必要はない。ただし、標識トリプトファンの合成効率を高め、標識タンパク質をより高効率に製造する目的で、反応液にトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼをさらに添加してもよい。
反応液へのトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼの添加量は、反応液の総量に対して、0,001〜1.0mg/mLが好ましく、0.05〜0.4mg/mLがさらに好ましい。トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼの添加量が前記範囲内であれば、添加前と比較し、標識タンパク質をより高収量で合成できる。
トリプトファン以外のアミノ酸は、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうちのトリプトファン以外の19種類である。具体的には、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−チロシン、L−バリン、L−システイン、L−アスパラギン、L−グルタミンが挙げられる。
なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、L−トリプトファンを用いてもよい。
反応液中におけるトリプトファン及びL−セリン以外の18種類の各々のアミノ酸の含有量は、0.01〜20mMが好ましく、1.0〜5.0mMがより好ましい。各々のアミノ酸の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、標識トリプトファンが組み込まれたタンパク質が合成される。各々のアミノ酸の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、標識トリプトファンが組み込まれたタンパク質がより高収量で合成できる。
L−セリンは標識トリプトファンの合成に使用されるため、反応液中のL−セリンは他のアミノ酸に比べて多いことが好ましい。
反応液中のL−セリンの含有量は、0.001〜20mMが好ましく、0.01〜5.0mMがより好ましい。L−セリンの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、標識タンパク質を高効率に製造しやすい。L−セリンの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、標識タンパク質をより高効率に製造しやすい。
エネルギー源は、生体内でエネルギー源として利用される物質であれば特に限定されず、ATP(アデノシン5’−三リン酸)、GTP(グアノシン5’−三リン酸)、CTP(シチジン5’−三リン酸)、UTP(ウリジン5’−三リン酸)、クレアチンホスフェート、ホスホエノールピルビン酸等の高エネルギーリン酸結合を有する物質が好ましい。エネルギー源としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
反応液中のエネルギー源の含有量は、細胞抽出液のタンパク質合成活性、合成する標識タンパク質の種類等によって適宜設定することができる。
目的のアミノ酸配列をコードする核酸としては、目的のアミノ酸配列をコードし、転写及び翻訳され得る適切な配列のDNA、又は、目的のアミノ酸配列をコードし、翻訳され得る適切な配列のRNAを使用できる。本発明では、目的の標識タンパク質のアミノ酸配列をコードするDNAを無細胞転写翻訳系に加えて標識タンパク質を合成してもよく、目的の標識タンパク質のアミノ酸配列をコードするRNAを無細胞翻訳系に加えて標識タンパク質を合成してもよい。
例えば、トラスツズマブのアミノ酸配列をコードする核酸を用いることで、トラスツズマブにおけるトリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識トラスツズマブを製造することができる。
反応液中の核酸の含有量は、細胞抽出液のタンパク質合成活性、合成する標識タンパク質の種類等によって適宜設定でき、例えば、0.5〜10μg/mL程度とすることができる。
反応液には、必要に応じて、ATP再生に関与する酵素(例えば、ホスホエノールピルベートとピルビン酸キナーゼの組み合わせ、又はクレアチンホスフェートとクレアチンキナーゼの組み合わせ)、各種のRNAポリメラーゼ(T7、T3、及びSP6 RNAポリメラーゼ等)、タンパク質が三次元構造を形成するのを助ける働きを持つシャペロンタンパク質類(例えば、DnaJ、DnaK、GroE、GroEL、GroES及びHSP70等)を添加してもよい。
また、反応液には、必要に応じて、非タンパク質性成分を補強することができる。非タンパク質性成分は、もともと細胞抽出液中に含まれている成分であるが、別途添加することでタンパク質合成能を向上させることができる成分であり、例えばtRNAが挙げられる。
さらに、反応液には、必要に応じて、タンパク質やRNAの保護及び/又は安定化のための各種の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)阻害剤(RNaseインヒビター等)、還元剤(ジチオトレイトール等);RNA安定化剤(スペルミジン等)、プロテアーゼ阻害剤(フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)等)、塩類(酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、塩化カルシウム等)、抗菌剤(アジ化ナトリウム、アンピシリン等)等が挙げられる。
反応液中の添加剤の含有量は、使用する細胞抽出液のタンパク質合成活性、目的の標識タンパク質の種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明における標識タンパク質の合成は、従来公知のバッチ法を用いてもよく、透析法を用いてもよい。
バッチ法を用いる場合、例えば、細胞抽出液に、目的の標識タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸、18F又は19Fで標識された標識インドール、トリプトファン以外の19種のアミノ酸を含むアミノ酸組成物、ピルビン酸及びアンモニウムイオン、ATP、GTP、CTP、UTP、緩衝液、塩類、RNアーゼ阻害剤、抗菌剤の他、必要によりT7RNAポリメラーゼ等のRNAポリメラーゼ(DNAを鋳型として用いる場合)、tRNA等を加えて反応液とする。
反応条件は、使用する細胞抽出液、合成する標識タンパク質等によって適宜設定すればよい。
反応温度は、バッチ法、透析法の両方で20〜40℃が好ましく、23〜37℃がより好ましい。
反応時間は、バッチ法の場合、90分以内が好ましく、5〜90分がより好ましい。透析法の場合、1〜24時間が好ましく、5〜16時間がより好ましい。
透析法を用いて標識タンパク質を製造する場合、反応液を透析内液とし、反応液の5〜10倍容量の透析外液に対して透析を行い、生成した標識タンパク質を透析内液から回収する。透析は、撹拌しつつ行うことが好ましい。また、透析は、目的の標識タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸を定期的に反応液に補給しつつ行ってもよい。透析は、透析膜で内液と外液とを隔てた状態で、振とう又は撹拌(回転撹拌等)が可能な透析装置を用いることで実施できる。
透析外液としては、例えば、透析内液の組成から細胞抽出液、RNアーゼ阻害剤、核酸、RNAポリメラーゼ、ピルビン酸キナーゼあるいはクレアチンキナーゼ等を除いたものを使用できる。具体的には、例えば、緩衝液、ATP、GTP、CTP、UTP、塩類、アミノ酸等を含む液を透析外液として使用できる。
透析内液と透析外液を隔てる透析膜の分画分子量は、3,500〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
透析の温度は、20〜40℃が好ましく、23〜37℃がより好ましい。
振とう速度又は撹拌速度は、例えば、100〜300rpmとすることができる。
透析法の場合の反応時間は、目的の標識タンパク質の生成を監視しながら適当に選択することができる。
標識タンパク質を合成した後は、標識タンパク質を精製することが好ましい。標識タンパク質の精製方法としては、公知のタンパク質の精製方法を採用でき、例えば、硫酸アンモニウム若しくはアセトン沈殿、酸抽出、アニオン若しくはカチオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト、等電点クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング等が挙げられる。これらの精製方法は、単独で行ってもよく、2つ以上を組み合わせて行ってもよい。また、合成時に標識タンパク質にタグ(ヒスチジンタグ、GSTタグ、マルトース結合性タグ等)を付加し、該タグを特異的に認識した吸着を利用するアフィニティー精製法を使用してもよい。
得られた標識タンパク質の同定及び定量は、活性測定、免疫学的測定、分光学的測定、アミノ酸分析等により、必要に応じて標準サンプルと比較しながら行うことができる。
以上説明したように、本発明の標識タンパク質の製造方法においては、無細胞タンパク質合成系で、標識インドールを用いて系内で合成した標識トリプトファンを取り込ませて標識タンパク質を合成するため、標識タンパク質を容易に製造できる。
具体的には、標識アミノ酸を合成する場合は、複数の保護基が必要となるうえ、標識アミノ酸の精製に長時間を要する問題がある。これに対して、18F又は19Fで標識した標識インドールは、無保護で合成できるうえ、疎水性が高いためにシリカゲルやODS等の簡易カラムで容易に精製することができる。本発明では、原料として標識インドールを用い、標識トリプトファンを経て標識タンパク質まで一度に合成できるため、複数の保護基を使用して標識トリプトファンを合成する必要がなく、標識トリプトファンを一旦精製する必要もない。このように、煩雑な合成及び精製を経ずに、短時間で容易に18F又は19Fで標識された標識タンパク質を製造することができる。
また、標識インドールは、18F又は19Fで標識された標識トリプトファンに比べて低コストで製造できるため、低コストに標識タンパク質を製造できる。
また、本発明の製造方法によって得られる標識タンパク質は、特許文献1、2のようなキレート剤や標識用試薬を用いる方法に比べて、標識によるタンパク質の構造変化が小さく、標識がタンパク質の局在や動態に与える影響が小さい。また、無細胞タンパク質合成系を採用することから、入手し難いタンパク質を含めて様々な種類のタンパク質を標識できる。そのため、例えばPETイメージング等による様々な疾患の画像診断や抗体医薬開発に貢献できる。
[ペプチドの製造方法]
本発明の標識ペプチドの製造方法は、18F又は19Fで標識された標識ペプチドを製造する方法である。
本発明において、「ペプチド」とは、2個以上25個未満のアミノ酸がペプチド結合により結合した化合物と定義する。また、「18F又は19Fで標識された標識ペプチド」とは、分子内に18F又は19Fを有するペプチドと定義する。
本発明の標識ペプチドの製造方法においては、無細胞タンパク質合成系を用いて、18F又は19Fで標識された標識ペプチドを合成する。本発明の標識ペプチドの製造方法は、本発明の標識タンパク質の製造方法と同様に、18F又は19Fで標識された標識インドールを用いる。
本発明の標識ペプチドの製造方法は、目的の標識化合物においてペプチド結合により結合しているアミノ酸数が2個以上25個未満である以外は、標識タンパク質の製造方法と同様に行える。具体的には、本発明の標識ペプチドの製造方法は、目的の標識タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸の代わりに、目的の標識ペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸を用いる以外は、本発明の標識タンパク質の製造方法と同様の方法で行える。
本発明の標識ペプチドの製造方法においては、本発明の標識タンパク質の製造方法と同様に、原料として標識インドールを用い、標識トリプトファンを経て標識タンパク質まで一度に合成できるため、標識ペプチドを短時間で容易に製造することができる。また、標識によるペプチドの構造変化が小さく、標識がペプチドの局在や動態に与える影響が小さい。
[キット]
本発明のキットは、18F若しくは19Fで標識された標識タンパク質又は標識ペプチドを合成するためのキットであって、無細胞タンパク質合成系を備える。無細胞タンパク質合成系としては、前記した細胞抽出液を備えてもよく、細胞抽出液に代えて、前記した再構成型無細胞タンパク質合成法に用いられる溶液を備えてもよい。
本発明のキットは、前記した成分のうち、標識トリプトファン又は標識インドール、及び、目的の標識タンパク質又は標識ペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸以外の成分を含有していることが好ましい。具体的には、本発明のキットは、トリプトファン以外の19種のアミノ酸、エネルギー源等を含有していることが好ましい。
本発明のキットに、側鎖のインドール環が18F又は19Fで標識された標識トリプトファン、及び18F又は19Fで標識された標識インドールの少なくとも一方と、目的の標識タンパク質又は標識ペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸を添加することで、目的の標識タンパク質又は標識ペプチドを簡便に製造することができる。
キット中のトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼの含有量は、0.001〜1.0mg/mLが好ましく、0.05〜0.4mg/mLがさらに好ましい。トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼの添加量が前記範囲の下限値以上であれば、添加前と比較し、標識されたタンパク質が効率よく製造できる。トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼの添加量が前記範囲の上限値以下であれば、標識されたタンパク質がより高効率に製造できる。
キット中のL−セリンの含有量は、0.001〜20mMが好ましく、0.01〜3.0mMがより好ましい。L−セリンの含有量が前記範囲の下限値以上であれば、標識タンパク質を高効率に製造しやすい。L−セリンの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、標識タンパク質をより高効率に製造しやすい。
[PET用試薬]
本発明のPET用試薬は、トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識タンパク質からなるPET用試薬である。PET用試薬は、PETイメージングに用いる試薬、すなわちPETイメージングの画像化プローブとなるポジトロン標識抗体である。
本発明のPET用試薬は、前述した本発明の標識タンパク質の製造方法により製造することができる。
PET用試薬に用いる標識タンパク質としては、特に限定されず、例えば、トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識トラスツズマブ([18F]tra−scFv)が挙げられる。
トラスツズマブは、ヒト癌遺伝子HER2/neu(c−erbB−2)の遺伝子産物であるHER2タンパク質に特異的に結合するため、標識トラスツズマブは、PET用試薬として有用である。
[医薬組成物、HER2タンパク質検出キット]
本発明の医薬組成物は、標識トラスツズマブを含む。本発明の医薬組成物は、標識トラスツズマブ以外の他の成分を含んでいてもよい。医薬組成物に含まれる他の成分としては、例えば、安定化剤、可溶化剤、アフィニティカラム精製用バッファー等が挙げられる。
本発明のHER2タンパク質検出キットは、前記したキットを含むものであり、少なくとも無細胞タンパク質合成系を含む。また、本発明のHER2タンパク質検出キットは、さらに、トラスツズマブ鋳型DNA、トリプトファナーゼ、18F又は19Fで標識された標識インドール、並びにL−セリン又はピルビン酸及びアンモニウムイオンを含んでいてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[標識タンパク質(CATタンパク質)の定量]
各例で製造した標識タンパク質(CATタンパク質)の定量は、W.V.Shawらの方法(Methods Enzymol. 735−755, 1975参照)に従って行った。すなわち、アセチルコエンザイムAとクロラムフェニコールを基質としてCATタンパク質によるクロラムフェニコールのアセチル化反応を行い、その結果生じた還元型コエンザイムAを5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸(DNTB)を用いて発色定量した。30℃、412nmにおける吸光度の単位時間当たりの増加量よりCATタンパク質の活性を定量し、これを指標としてCATタンパク質の量を決定した。
[例1(実施例)]
表1に示す組成の反応液を調製し、37℃で1時間反応させ、5位の水素原子が19Fに置換された標識インドール(5−19F−インドール)を含む無細胞タンパク質合成系で、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CATタンパク質)を19Fで標識した標識タンパク質を製造した。細胞抽出液としては、木川らの方法(国際公開第2003/053910号、特許第3317983号公報、特許第3145431号公報、Tugarinov,V.,et.al.,J.Am.Chem.Soc.,(2003) vol.125,pp.13868−13878.)により、大腸菌から抽出したS30抽出液を用いた。S30抽出液にはトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼが含まれている。鋳型DNAとしてはpUC−CAT(Kim et al.,Eur. J. Biochem. 239, 881−886, 1996参照)を用いた。
Figure 0006980206
[例2(実施例)]
反応液中の標識インドール(5−19F−インドール)の濃度を3.0mMに変更した以外は、例1と同様にして標識タンパク質を製造した。
[例3(実施例)]
反応液中の標識インドール(5−19F−インドール)の濃度を7.5mMに変更した以外は、例1と同様にして標識タンパク質を製造した。
[例4(参考例)]
標識インドール(5−19F−インドール)の代わりに、L−トリプトファンを1.5mMの濃度となるように反応液に添加した以外は、例1と同様にして標識タンパク質を製造した。
[例5(参考例)]
標識インドールの代わりにインドールを用いる以外は、例1と同様にしてCATタンパク質を製造した。
例1〜3及び例4、5の結果を図1に示す。図1に示すように、19Fで標識したインドールを用いた例1〜3では、19Fで標識された標識タンパク質が高効率で得られた。例1〜3の標識タンパク質の製造効率は、天然型のL−トリプトファンやインドールを用いた例4、5と比べても充分なものであった。また、例1〜3の比較では、5−19F−インドールの濃度が1.5mMの例1で標識タンパク質の合成量が最も高かった。
このように、無細胞タンパク質合成系に内在するトリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼの作用により、5−19F−インドールから標識トリプトファンが合成され、さらにタンパク質合成に組み込まれて標識タンパク質が得られることが確認された。
[例6]
反応液にトリプトファナーゼをそれぞれ0.05、0.1、0.4mg/mLとなるように添加し、37℃で1時間反応させた以外は、例1と同様にして標識タンパク質を製造した。また、例1及び例5と同様にしてCATタンパク質を製造した。結果を図2に示す。
図2に示すように、S30抽出液を用いた反応液に、さらにトリプトファナーゼを50μg/mL以上添加することにより、標識タンパク質の合成量が向上した。
[例7]
標識インドール(5−19F−インドール)の代わりに、2−メチルインドール、4−ニトリインドール、5−アミノ−2−メチルインドール、5−アミノインドール、5−ブロモインドール、5−シアノインドール、5−フルオロインドール(5−18F−インドール)、5−ヒドロキシインドール、5−メトキシインドール、6−シアノインドール、又はインドールを用い、37℃で1時間反応させた以外は、例1と同様にして標識タンパク質(CATタンパク質)を製造した。また、反応液にトリプトファナーゼを0.05mg/mLを添加して同様に標識タンパク質(CATタンパク質)を製造した。結果を図3に示す。
図3に示すように、5−フルオロインドール以外の修飾インドールではCATタンパク質が合成されなかった。これに対して、5−フルオロインドールを用いた場合には、無細胞タンパク質合成系において、標識トリプトファンが合成され、該標識トリプトファンがCATタンパク質に取り込まれて、標識タンパク質が効率的に合成されることが確認された。
[例8(実施例)]
以下の表2に示す組成の反応液(全量500μL)を調製し、37℃で30分間加温することにより、トリプトファン残基のインドール環の5位の水素原子が18Fで置換された標識トラスツズマブ([18F]tra−scFv)を製造した。得られた[18F]tra−scFvは、[18F]tra−scFvに結合しているSBPタグとアフィニティカラムの親和性を利用して精製した。
Figure 0006980206
[例9]
トラスツズマブは、細胞の悪性化に関与しているHER2タンパク質に特異的に結合することで抗腫瘍効果を発揮する抗癌剤であり、SK−OV−3にはHER2タンパク質が存在している。
例8で製造された[18F]tra−scFvの腫瘍部位への集積を確かめるため、正常マウス及びSK−OV−3細胞を移植して人工的に腫瘍を作らせたICRマウス(メス、13週齢、腫瘍モデル:BALB/c Slc−nu/nu、SK−OV−3移植後30日)に、[18F]tra−scFv溶液200μL(8.6〜9.2MBq)を尾静脈から注入し、PET撮像試験を行った。PET撮像試験はイソフルラン麻酔下(流量:1.0L/分、濃度:1.0%)で行い、[18F]tra−scFv溶液の投与後90分間マウスを撮像した。撮像機器としてClairvivo PETを用い、表示画像は最大値投影表示(MIP)とした。結果を図4に示す。
また、腫瘍を作らせていない正常なICRマウス(オス、6週齢、30〜32g)についても、同様にして[18F]tra−scFv溶液200μL(3.0〜5.3MBq)を尾静脈から注入し、PET撮像試験を行った。PET撮像試験は、イソフルラン麻酔下(流量:1.5L/分、濃度:1.5%)で行い、[18F]tra−scFv溶液の投与後60分間マウスを撮像した以外は、腫瘍を作らせたマウスの場合と同様に行った。結果を図5に示す。
図5に示すように、正常なモデルマウスにおいては、尿、腎臓、肝臓及び血液のみへの[18F]tra−scFvの集積が確認された。一方、図4に示すように、腫瘍モデルマウスにおいては、[18F]tra−scFvのSK−OV−3細胞への集積が確認され、腫瘍イメージング剤としての利用可能性が示された。
[例10]
MCF7にもHER2タンパク質が存在している。SK−OV−3(HER2高発現)及びMCF7(HER2低発現)の腫瘍細胞株をそれぞれ用いて作成した腫瘍モデルの腫瘍組織切片に、例8で製造された[18F]tra−scFv(100μL、0.2MBq)を添加し、in vitro オートラジオグラフィによる30分後の結合状態を観察した。SK−OV−3の腫瘍細胞株を用いた腫瘍組織切片の結果を図6A、MCF7の腫瘍細胞株を用いた腫瘍組織切片の結果を図6Bに示す。
また、[18F]tra−scFvを添加する60分前に、非標識のトラスツズマブを添加してHER2タンパク質をブロックした以外は、同様にして各腫瘍組織切片における結合状態を観察した。SK−OV−3の腫瘍細胞株を用いた腫瘍組織切片(HER2ブロック)の結果を図6C、MCF7の腫瘍細胞株を用いた腫瘍組織切片(HER2ブロック)の結果を図6Dに示す。
図6A及び図6Bに示すように、HRR2タンパク質をブロックしていない腫瘍組織断片では、SK−OV−3とMCF7のいずれの腫瘍細胞株を用いた場合も、[18F]tra−scFvのHRR2タンパク質への結合が確認された。一方、図6C及び図6Dに示すように、HRR2タンパク質をブロックした腫瘍組織断片では、[18F]tra−scFvに由来するオートラジオグラフィが得られなかった。これらの結果から、[18F]tra−scFvは、非標識のトラスツズマブと同じくHER2タンパク質を認識していることが示され、18F標識が抗原結合部位の構造や機能に変化を与えないことが示された。

Claims (8)

  1. 無細胞タンパク質合成系で、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、18F又は19Fで標識された標識インドールと、L−セリン、又はピルビン酸及びアンモニウムイオンとから18F又は19Fで標識された標識トリプトファンを合成させ、
    さらに前記無細胞タンパク質合成系で前記標識トリプトファンを用いて18F又は19Fで標識された標識タンパク質を合成する、標識タンパク質の製造方法。
  2. 前記標識タンパク質が、トラスツズマブにおけるトリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識トラスツズマブである、請求項1に記載の標識タンパク質の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の標識タンパク質の製造方法により、トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識タンパク質からなるPET用試薬を製造する、PET用試薬の製造方法。
  4. 無細胞タンパク質合成系で、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、18F又は19Fで標識された標識インドールと、L−セリン、又はピルビン酸及びアンモニウムイオンとから18F又は19Fで標識された標識トリプトファンを合成させ、
    さらに前記無細胞タンパク質合成系で前記標識トリプトファンを用いて18F又は19Fで標識された標識ペプチドを合成する、標識ペプチドの製造方法。
  5. 無細胞タンパク質合成系を備えるキットであって、トリプトファナーゼ又はトリプトファンシンターゼにより、 18 F又は 19 Fで標識された標識インドールと、L−セリン、又はピルビン酸及びアンモニウムイオンとから 18 F又は 19 Fで標識された標識トリプトファンを合成させ、さらに前記無細胞タンパク質合成系で前記標識トリプトファンを用いて 18F若しくは19Fで標識された標識タンパク質又は標識ペプチドを合成するためのキット。
  6. トリプトファン残基の側鎖のインドール環が18Fで標識された標識トラスツズマブ。
  7. 請求項に記載の標識トラスツズマブを含む医薬組成物。
  8. 請求項5記載のキットを含む、HER2タンパク質検出キット。
JP2017164636A 2017-08-29 2017-08-29 標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット Active JP6980206B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164636A JP6980206B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164636A JP6980206B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019041588A JP2019041588A (ja) 2019-03-22
JP6980206B2 true JP6980206B2 (ja) 2021-12-15

Family

ID=65812448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017164636A Active JP6980206B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6980206B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS529760B2 (ja) * 1971-12-20 1977-03-18
US8435488B2 (en) * 2009-02-27 2013-05-07 Genentech, Inc. Methods and compositions for protein labelling
JP5590540B2 (ja) * 2009-05-13 2014-09-17 国立大学法人東北大学 ポジトロン標識タンパク質の合成方法
CN101648899B (zh) * 2009-09-15 2012-02-22 中国医学科学院北京协和医院 Pet显像剂l-5-18fetp的合成方法
US20160041181A1 (en) * 2013-02-04 2016-02-11 Rutgers, The State University Of New Jersey Nmr assay to screen protein-protein interaction inhibitors
CN107088228A (zh) * 2017-03-10 2017-08-25 南京大学 基于色氨酸及其衍生物的新型影像诊疗试剂的开发与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019041588A (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10561740B2 (en) Preparation of therapeutic exosomes using membrane proteins
Balana et al. O-GlcNAc modification of small heat shock proteins enhances their anti-amyloid chaperone activity
ES2397383T3 (es) Gen transportador de taurina
KR20080079643A (ko) 비-천연 아미노산을 포함하는 방법 및 조성물
CN114686548A (zh) 用于增强生产的rna相关酶的修饰
Morvan et al. Recent advances in chiral analysis of proteins and peptides
EP3438278B1 (en) Method for quantifying amino acid and amino acid quantification kit
JP4838957B2 (ja) 無細胞タンパク質合成系を用いたタンパク質の製造方法
JP2018531009A (ja) 深共融溶媒におけるソルターゼaを利用したアミド基転移
Bhat et al. Key factors for successful protein purification and crystallization
JP6980206B2 (ja) 標識タンパク質の製造方法、標識ペプチドの製造方法、及びキット
US20230287394A1 (en) Barcodable exchangeable peptide-mhc multimer libraries
CN108603214A (zh) 基于硫羟的深共晶溶剂
CN107406832A (zh) 具有受控铜离子的制备方法
US7964410B2 (en) Method for preparing analysis sample, analysis sample and sugar chain capture agent
JP4310378B2 (ja) 無細胞タンパク質合成系によるタンパク質の製造方法及びタンパク質合成用試薬キット
CN108138204A (zh) 使用分选酶a生产硫酯的方法
CN1416472A (zh) 高特异活性重组s-腺苷高半胱氨酸酶(sahh)的制备与高度表达及对s-腺苷甲硫氨酸(sam)的改进分析
JP6099756B2 (ja) ペプチド又はタンパク質へのフッ素含有アミノ酸導入法
JPWO2008096846A1 (ja) 安定同位体標識タンパク質合成用組成物及び安定同位体標識タンパク質の製造方法
Decloquement et al. Salmonid polysialyltransferases to generate a variety of sialic acid polymers
JPWO2019098291A1 (ja) ポジトロン放出核種標識タンパク質の合成方法
JPH07242685A (ja) ジアデノシン四リン酸水和物の製造方法
JP6657650B2 (ja) 有用物質産生促進用添加剤
TW201619202A (zh) 精胺琥珀酸合成酶之抗體及相關方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180322

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200805

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20201106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211108

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6980206

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150