JP6979426B2 - 補修用装置及びそれを用いた補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物等の壁面を補修するために用いられる補修用装置及びそれを用いた補修方法に関する。
日本の高度経済成長期以降、トンネル、ダム、橋等の土木構造物やビル等の建築構造物が数多く建造されてきたが、近年、これらの土木構造物、建築構造物等の老朽化が進行しており、これに伴う補修のニーズが高まっている。
また、化学品製造や、発電等の各種プラントについても、建屋、建屋内のタンク、配管等の長期に亘る使用による老朽化が進行しており、補修等のメンテナンスが不可欠とされている。
一方、これら土木構造物、建築構造物やプラント等の補修は、高所での補修作業が一般的であるため非常に危険を伴い、また、施設によっては、放射能等の汚染物質により人の立ち入りが制限されたり、立ち入りが困難な場所も存在する。そこで、このような場所での補修作業を安全に行うために、これまでに、遠隔操作による補修作業等の実施が可能な作業装置が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
例えば、特許文献1の提案は、面体に吸着し、且つ面体に沿って移動しながら塗装が可能な吸着自走式塗装装置に関するものであり、塗料吐出管の孔から吐出された塗料をローラ外周面に導出させて、面体の塗装を行うこと、また、塗装ローラと塗装ローラの間に設けた塗装ハケの表面に、ハケ用塗料吐出管の孔から吐出させた塗料を導出し、面体に押し付けて塗装を行うことが可能な吸着自走式塗装装置が記載されている。
また、特許文献2の提案は、アーム先端に取り付けられた塗装用ノズルを備えた塗装ユニットと、この塗装ユニットが搭載された移動体からなる塗装装置に関するものであり、移動体が永久磁石により被塗装面に吸着する構成が記載されている。
特開昭61−111165号公報 特開2011−240315号公報
ここで、上記特許文献1、2の提案の装置は、広範囲に亘る比較的広い範囲を塗装することを目的としているため、例えば、範囲の狭いひび割れ等の補修箇所をピンポイントで塗装、補修することや、非直線的な線形のひび割れ線に沿って塗装、補修することは困難であった。
また、特許文献1の提案では、吸着自走式塗装装置で壁面を塗装する場合、上方からワイヤ一等で装置を吊りながら壁にセットする場合を除き、通常、地上で壁の低い位置に装置を吸着セットして、その後壁に沿って上向きに走行させながら塗装するとしている。しかしながら、この場合、塗装した塗料が下方に垂れたり、走行が進むに従って、塗料が装置の吸着部に入り込み、装置の故障の原因となったり、塗装表面の塗料が剥がれて適切に塗装できないという問題があった。
また、特許文献2においては、塗装装置を永久磁石により吸着させ、自走させながらビルや船舶の内外壁面をスプレー塗装する構造であるため、塗装する壁面は磁石が吸着する材質でなければ使用できなかったり、壁面の材質によっては吸着力が安定せず落下する危険性があった。
さらに、真空吸着新式の移動体にこの塗装装置を搭載した場合、圧送タンク等の重量物の重みや、スライダーやアームが移動するために生じる重心の移動に伴い、壁面に平行な回転モーメントが増加し、移動体本体の壁面への吸着力が不足して、塗装装置を搭載した移動体が落下する虞もあった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、垂直の壁面も安定して走行しながら補修できるとともに、補修対象を自らの装置で邪魔することなく、壁面のどのような補修箇所もピンポイントで補修可能であり、補修時には、補修材が下方に垂れるのを防止でき、補修した補修箇所の検出及び記録が可能な補修用装置及びそれを用いた補修方法を提供とすることを課題としている。
本発明は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
第1に、構造物の表面を移動可能な移動体ユニットと補修ユニットからなる補修用装置であって、
前記移動体ユニットは、構造物の表面に吸着しながら移動可能とするための減圧吸着機構を備えており、
前記補修ユニットは、制御部と補修部を備えており、
前記制御部は、少なくとも電源ユニットと、制御用コンピュータと、補修材供給ユニットを有し、
前記補修部は、構造物の表面を視認させるためのカメラと、補修材吐出ノズルと、塗布機構とを備えた塗布ユニットと、
該塗布ユニットを構造物の表面に対してX軸、Y軸、Z軸方向に移動させるための塗布ユニット駆動機構を有し、
前記塗布ユニット駆動機構は、前記移動体ユニットの移動時の進行方向に対して左右何れかの側部に設けられ、
前記制御用コンピュータの制御により、前記塗布ユニットを所定の補修対象に移動させるとともに、前記カメラで視認しながら、前記補修材吐出ノズルから補修材を吐出させて、塗布機構により補修させることを特徴としている。
第2に、上記第1の発明の補修用装置において、前記塗布機構が、塗布ローラーを備えていることが好ましい。
第3に、上記第1又は第2の発明の補修用装置において、前記塗布機構が、チューブ絞り装置又はスプレー吹付け装置を備えていることが好ましい。
第4に、上記第1から第3の発明の補修用装置において、前記塗布ユニットには、補修材の垂れを防止するスキージが設けられていることが好ましい。
第5に、上記第1から第4の発明の補修用装置において、前記移動体ユニットの前記減圧吸着機構が、少なくとも天板部、弾性転がりシール及びブロワーを備えることが好ましい。
第6に、上記第5の発明の補修用装置において、前記移動体ユニットが構造物の略垂直面に吸着した状態において、重力による回転モーメントにより前記移動体ユニットの上部が構造物の表面から脱落するのを防止するための支持アームが設けられていることが好ましい。
第7に、上記第1から第6の発明の補修用装置において、前記移動体ユニットの移動時の進行方向に対して前記補修部が取り付けられた側と反対側側面に、前記補修部による前記移動体ユニットへの偏荷重を打ち消すためのカウンターウェイトが設けられていることが好ましい。
第8に、上記第1から第7の発明の補修用装置において、前記制御部には、無線により補修ユニットの動作制御を行うための無線通信モジュールが設けられていることが好ましい。
第9に、上記第1から第8の発明の補修用装置において、移動体ユニットと補修ユニット及び、該補修ユニットの制御部と補修部の各々が着脱可能に接続されていることが好ましい。
第10に、上記第1から第9のいずれかに記載の発明の補修用装置を用いた補修方法であって、
前記移動体ユニットの動作と前記塗布ユニット駆動機構の動作により、前記補修ユニットの補修部を補修対象に移動させる移動工程と、
前記塗布ユニット駆動機構の動作によりスキージを壁面に押し付けるスタンバイ工程と、
前記カメラにより補修対象を視認しつつ、前記補修材供給ユニットの動作により前記補修材吐出ノズルから補修材を吐出させ、前記塗布ユニット駆動機構の動作及び前記塗布機構により補修材を塗布する補修工程を有することを特徴とを特徴としている。
第11に、上記第10の発明の補修方法において、構造物の表面の少なくとも一箇所に予め基準点となるターゲットを取り付けておくとともに、前記塗布ユニットにターゲットを取り付け、各々のターゲットが視準可能な位置に基準点としての自動追尾測距測角儀を配設し、該自動追尾測距測角儀からの構造物表面の基準となるターゲット及び前記塗布ユニットのターゲットの方向及び距離から、前記塗布ユニットの位置を三次元データとして検出あるいは/および記録することが好ましい。
第12に、上記第10の発明の補修方法において、構造物の表面の少なくとも一箇所に予め基準点となるターゲットを取り付けておくとともに前記塗布ユニットに直立するように設けた所定の長さのポールの先端部に、ターゲットを取り付けておき、補修用装置にZ軸傾斜計あるいは/また、X軸あるいはY軸方向に対する方位角センサーあるいは水平方向用の角度センサーを取り付けておき、各々の前記ターゲットが視認可能な位置を基準点として自動追尾測距測角儀を配設し、構造物表面の基準点であるターゲットからの前記塗布ユニットのターゲットの方向及び距離と、補修用装置のZ軸に対する傾斜の値、あるいは/また、補修用装置のX軸あるいはY軸に対する角度の値から、前記塗布ユニットの位置を三次元データとして検出あるいは/および記録することが好ましい。
第13に、上記第10の発明の補修方法において、予め補修対象の第1の位置データを取得しておくとともに、上記第11から第12に記載の発明の位置データの検出方法により前記補修対象の第2の位置データを取得しておき、前記第1の位置データと前記第2の位置データとを照合し、前記補修対象に対して自動的に前記移動工程、前記スタンバイ工程及び前記補修工程を実行させることが好ましい。
本発明の補修用装置によれば、壁面に吸着し、安定して走行させながら補修できるとともに、吸着面が塗装表面の塗料を剥がしたり、装置に塗料が付着したりしないように塗装でき、さらに、塗布した補修材が壁から下方に垂れるのを防止することができ、作業性が良好で、かつ効率的な壁面等の補修が可能となる。
また、本発明の補修用装置を用いた補修方法によれば、補修対象に対してピンポイントの確実な補修が可能となり、予め補修対象の位置データを取得しておくことにより、自動で補修を行うことができる。また、補修が完了した位置を検出して、位置データとして記録、管理することが可能となる。
本発明の補修用装置の実施形態を示す斜視図である。 移動体ユニットの一実施形態を示す斜視図である。 本発明の補修用装置の実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 (a)は制御部の斜視図であり、(b)は補修部の斜視図である。 (a)は、補修材供給ユニットの実施形態を示す斜視図であり、(b)は、補修部における塗布機構に塗布ローラーを用いた実施形態を示す斜視図である。 塗布機構のカメラからの映像を示す写真である。 制御部にカウンターウェイトを装着した状態を示す上面図である。 脱落防止用の支持アームが設けられた補修用装置が、壁面に吸着している状態を示す写真である。 (a)は、補修部における塗布機構にチューブ状容器を用いた実施形態を示す斜視図であり、(b)は、補修部における塗布機構にスプレー缶を用いた実施形態を示す斜視図である。 本発明の補修用装置を用いた補修方法の実施形態を示すフロー図である。 位置検出方法の実施形態を示す概略説明図であり、塗布部の位置検出方法のトータルステーションからターゲットまでの位置を検出する方法を示した概略図である。 ポールを取り付ける位置を塗布ローラーのローラーシャフトやカメラの位置のX、Zからずれて取り付けた場合で、補修用装置が斜めに傾いた状態で補修する場合に測量している概略図である。 図12の場合のローラーの位置X、Y、Zを求めるときの説明図である。 位置検出による位置データを用いた自動補修方法の実施形態を示すフロー図である。
本発明の補修用装置について図面に基づいて以下に詳述する。図1は、本発明の補修用装置の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、移動体ユニットの一実施形態を示す斜視図、図3は、本発明の補修用装置の実施形態を示す概略図であり、図4は、制御部の構成部を示す斜視図、図5は補修部における塗布機構の一実施形態を示す斜視図である。
本発明の補修用装置1は、構造物の表面を移動可能な移動体ユニット2と、これに固定される補修ユニット3からなり、補修ユニット3は、制御部4と補修部5とから構成されている。
移動体ユニット2は、水平面、傾斜面、垂直面等、種々の条件の壁面に対して、減圧の力すなわち負圧によって壁面に密着した状態で移動可能な表面密着型移動装置である。具体的には、図2に示すように、天板部21と弾性転がりシール22及びブロワー23からなる減圧吸着機構、また、これらを駆動させるための本体内部に収納されたコントロールユニット及び電気供給ユニットを備えている。
減圧吸着機構は、壁面と接触した状態で減圧チャンバ―を形成し、ブロワー23の作動により減圧チャンバ―内を減圧させて、移動体ユニット2を壁面に強力に吸着させる。また、弾性転がりシール22は、内蔵された駆動用モーターにより駆動し、移動体ユニット2を壁面に吸着した状態で、壁面上の多少の障害物を乗り越えて滑らかに移動させることができる。
本体内部に収納されたコントロールユニットは、少なくとも弾性転がりシール22及びブロワー23の動作を外部からコントロールするために設けられるものであり、コントロールユニットに接続された長尺の電源ケーブル24を介して、外部のPCや携帯端末等の操作ユニット、また、これらに接続されたジョイスティック等のコントローラーにより移動体ユニット2をコントロールすることができる。
本体内部に収納された電気供給ユニットは、少なくとも弾性転がりシール22及びブロワー23に電気を供給するものであり、コントロール用のケーブルを含む長尺の電源ケーブル24を用いて外部から電気を供給したり、電気供給ユニット内に設けられた蓄電池等から電気を供給することもできる。電源ケーブル24により外部から交流電流を供給する場合には、電気供給ユニットにAC−DCコンバータを設け、変換された直流電流により移動体ユニット2の各モーター類を駆動制御することができる。上記のような移動体ユニット2としては、例えば、特許第4654189号に示されるような、減圧力によって壁面表面に吸着する移動体ユニットを例示することができる。
補修ユニット3は、壁面の所定の補修対象に対して正確に補修材を塗布するための機構を有しており、移動体ユニット2の上部に着脱可能に接続されている。なお、本明細書の記載において「補修対象」とは、コンクリート壁面のひび割れやその他の劣化、変色、また、壁面に設けられた金属製部材や金属製壁面における錆、腐食、変色等を意味する。また、「補修材」とは、無機系、有機系、セメント系、ポリマーセメント系、樹脂系等の材料で、注入材、コーキング材、塗料、表面被覆材、防錆剤、含浸材、接着剤等を意味する。
補修ユニット3は、制御部4と補修部5から構成されており、制御部4は、図1、図2〜図6に示すように、補修材供給ユニット43、制御用コンピュータ42、電源ユニット41を備えている。また、補修部5は、カメラ61、補修材吐出ノズル62、塗布機構63とを有する塗布ユニット6と、塗布ユニット6の位置を調整するための塗布ユニット駆動機構7を備えている。
制御部4の補修材供給ユニット43は、補修材を収容するための収容部431と、収容部431内の補修材を所定量供給するための供給機構432を有している。図3に示す実施形態の補修材供給ユニット43では、収容部431がシリンジになっており、供給機構432の動作によりシリンジの押子を規定量押し込み、シリンジ内に収容されている補修材をチューブを通して補修部5に供給するようになっている。
制御用コンピュータ42は、補修材供給ユニット43及び補修部5の各構成ユニットの動作を制御するためのものであり、制御用コンピュータ42に設けられた無線通信装置等により外部から無線操作をすることができる。制御用コンピュータ42に設けられる無線通信装置としては、近距離無線通信機器を挙げることができ、具体的な通信方式としては、例えば、WiFi(登録商標)等の無線LAN、Bluetooth(登録商標)、LE(Bluetooth Low Energy(登録商標))、Zigbee(登録商標)等のWPAN(Wireless Personal Area Network)、NFC(Near Field Communication)等の近接場型無線通信を例示することができる。
電源ユニット41は、補修材供給ユニット43、制御用コンピュータ42及び補修部5の各構成ユニットに電気を供給するためのものであり、移動体ユニット2に設けられた電気供給ユニットから、或いは、独自に備える二次電池等から各ユニットに電気を供給する。また、電源ユニット41は、各ユニットに供給するための電圧に変換するコンバータを備えており、コンバータのコネクタからケーブルを介して補修材供給ユニット43、制御用コンピュータ42及び補修部5等の各構成ユニットに電気が供給される。
また、本実施形態の制御部4には、他の構成要素として、制御部4を移動体ユニット2に装着させるための取付ブラケット44、補修装置1を壁面へ吸着させるときに手で支持するための取手45、ケーブルが絡まないように留めるためのケーブルガイドポール46、移動体ユニット2のブロワー23から排出される排気に対する制御用コンピュータ42保護用の排気ガード47等が設けられている。そして、上記の各構成要素は、制御部4の構造強度上の骨格となるベースプレート48に固定されている。
補修部5の塗布ユニット6は、カメラ61、補修材吐出ノズル62及び塗布機構63を備えている。図4(b)、5、6に示す実施形態では、塗布機構63は塗布ローラー631であり、塗布ローラー631の進行方向前方側には、補修材供給ユニット43からのチューブに接続された補修材吐出ノズル62が設けられている。また、塗布ローラー631上部にはカメラ61が配設されており、図6に示すように、塗布ローラー631と補修材吐出ノズル62及び壁面の補修対象が視認できるようになっている。そして、補修材供給ユニット43に接続された補修材吐出ノズル62から吐出された補修材が塗布ローラー631により壁面の補修対象に塗布されるようになっている。
また、塗布ユニット6には照明装置を設けることができる。照明装置は、塗布ローラー631と塗布対象をカメラ61により視認できる位置を照らすように設けられる。これにより、カメラ61の映像が見えにくい暗所を塗布する場合でも塗布対象をはっきりと視認することが可能となる。
さらに、塗布ユニット6にはスキージ64を設けることができる。スキージ64は、その位置が塗布ローラー631の下方側となるように設けられ、例えば、垂直の壁面を登りながら補修する際に壁面に密着し、補修材の流れを受け止めて垂れを防止するとともに、補修材をひび割れに寄せ集め、且つ補修材を平滑に均すことができる。スキージ64の形状は、補修材を的確に受け止められれば特に限定されるものではないが、通常、一方の側が開口する上面視V字状や上面視U字状が例示される。また、スキージ64は回転制御可能に設けることができる。例えば、制御部4の制御用コンピュータ42や塗布ユニット6に加速度センサを設け、制御用モーターにより重力に対して常に上方に開口するように制御することができる。これにより、例えば、塗布ローラー631が重力に対して横方向に移動して塗布する場合であっても、スキージ64の開口は塗布ローラー631の下方に位置して上方を向くため、補修材の垂れを抑制することができる。
また、塗布ユニット6は、塗布ユニット駆動機構7に接続されており、塗布ユニット駆動機構7の動作により構造物の壁面に対してX軸、Y軸、Z軸方向に移動可能になっている。本実施形態の塗布ユニット駆動機構7では、補修用装置1の進行方向をY軸、幅方向をX軸、壁面に対して垂直方向をZ軸として、X軸方向の動作、Y軸方向の動作、Z軸方向の動作ともベルト駆動としている。また、塗布ユニット6のZ軸方向の接続については、塗布機構63及びスキージ64を壁面に対して適切な強度で密着させるために、スプリング65を介して接続されている。
また、本実施形態の補修部5には、他の構成要素として、補修用装置1を壁面へ吸着させるときやメンテナンス時に補修部5を手で保持するための取手51、ケーブルを保持しながら動くケーブルキャリア52、ケーブルを保持するためのケーブルクランプバー53等が設けられている。そして、上記の塗布ユニット駆動機構7の各構成要素は、補修部5の構造強度上の骨格となるベースプレート54に固定されている。
塗布ユニット駆動機構7の動作は、制御部4の制御用コンピュータ42により、予めプログラムされた命令に従い、或いは、制御用コンピュータ42を介して外部からの操作により行われる。
また、塗布ユニット駆動機構7は、移動体ユニット2の移動時の進行方向に対して左右何れかの側部に設けられている。図1、図3に示す実施形態では、塗布ユニット駆動機構7は移動体ユニット2の進行方向に対して左側に設けられている。塗布ユニット駆動機構7を進行方向の左右何れかの位置に設けることにより、移動体ユニット2の移動により補修個所を踏むことなく、さらに、壁面の下端部から上端部に亘って死角なく補修することが可能となる。
なお、本発明の補修用装置1においては、図7に示すように、塗布ユニット駆動機構7が取り付けられた側に対して反対側側面に、カウンターウェイト81を設けるのが好ましい。カウンターウェイト81を設けることにより、塗布ユニット駆動機構7による移動体ユニット2への偏荷重を打ち消すことができるため、移動体ユニット2の移動を安定化できるとともに、塗布ユニット6の位置合わせを正確に行うことが可能となる。
本発明の補修用装置1は、壁面に吸着するとともに、使用環境によっては重力に逆らって移動しながら補修作業を行うため、各構成部材は強度を有しつつ可能な限り軽量であることが好ましい。具体的には、例えば、アルミ製部材やプラスチック製部材を多用することが望ましい。
また、本発明の補修用装置1においては、移動体ユニット2が構造物の略垂直面に吸着した状態において、重力による回転モーメントにより移動体ユニット2の上部が構造物の表面から脱落するのを防止するための支持アーム82を設けることが好ましい。
支持アーム82は、図8に示すように、移動体ユニット2の進行方向に対して後部側に設けられる。また、壁面と接するアーム端部にはキャスター83を設けることができる。これにより、補修用装置1の脱落を防止するとともに、移動体ユニット2をスムーズに移動させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明の補修用装置1を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、移動体ユニット2のコントロールをケーブルを介してコントローラにより行っているが、補修ユニット3の制御部4に設けられた制御用コンピュータ42を介して無線によりコントロールすることができる。
また、上記実施形態では、移動体ユニット2と補修ユニット3、また、補修ユニット3の制御部4と補修部5の各々は、メンテナンス性や保管、現場までの輸送利便性等を考慮して分割したアタッチメントとして各々を着脱可能の接続しているが、これらを一体として構成することもできる。
さらに、上記実施形態では、制御部4の補修材供給ユニット43の収容部431をシリンジとして補修材を収容し、塗布機構63を塗布ローラー631として、補修材吐出ノズル62から補修材を吐出するようにしているが、シリンジをコーキングガンにしたり(図示せず)、塗布機構63を塗布ローラー631に替えてチューブ状容器632を取り付け、チューブ状容器632から直接補修箇所にチューブ内の補修材を塗布するようにしたり、スプレー缶633を取り付け、スプレー缶633から直接補修箇所に向けてスプレー缶633内の補修材を噴射するようにしてもよい。チューブ状容器632やスプレー缶633を用いて塗布する場合は、垂れにくい補修材を使用することにより垂直面の他、橋梁の橋桁下面やダムのオーバーハング等の補修もできる。
図9(a)は、塗布機構としてチューブ状容器632から補修材を塗布する実施形態であり、チューブ状容器632をチューブ絞り装置66に取り付けてバンドでセットし、チューブ絞り装置66に設置されているチューブ絞りローラー661により補修材をチューブ状容器632から絞り出して、壁面の補修対象に塗布する。また、チューブ状容器632の上部にはカメラ61が配設されており、チューブ絞りローラー661により補修材をチューブ状容器632から絞り出し、吐出の状況及び壁面の補修対象が視認できるようになっている。また、塗布ユニット6には同様にスキージ64を設けることができる。
図9(b)は、塗布機構としてスプレー缶633から補修材を塗布する実施形態であり、スプレー缶633をスプレー吹付け装置67に取付けてバンドでセットし、スプレー吹付け装置67に設けられた自動噴霧装置部671によりスプレー缶633のスプレーヘッドを押し補修材をノズルから噴霧して壁面の補修対象に塗布する。また、スプレー缶633の上部にはカメラ61が配設されており、スプレー缶633のノズルから補修材が噴射されている状況及び壁面の補修対象が視認できるようになっている。また、塗布ユニットには同様にスキージ64を設けることができる。
以下、上記本発明の補修用装置1を用いた補修方法の実施形態について詳述する。
本発明の補修方法は、上記本発明の補修用装置1を用いた補修方法であり、少なくとも、補修ユニット3の補修部5を補修対象に移動させる移動工程、スキージ64を壁面に押し付けるスタンバイ工程、補修材吐出ノズル62から補修材を吐出させて塗布する補修工程を有している。
本発明の補修方法の一実施形態を図10のフロー図を用いて詳述する。本実施形態の補修方法では、塗布機構63を塗布ローラー631とし、補修対象として垂直のコンクリート壁面のひび割れを補修する補修方法を示している。
まず、補修用装置1の制御部4の補修材供給ユニット43に、収容部431として補修材を充填したシリンジをセットした後、移動体ユニット2の減圧吸着機構を作動させて、補修用装置1を垂直の壁面に吸着させてセットする(S−1)。そして、この状態でホーミングしてゼロ点とする(S−2)。
次に、移動工程として、移動体ユニット2を操作して、補修対象のひび割れの補修箇所に移動させる(S−3)。続けてカメラ61からの画像を見ながら、塗布ユニット駆動機構7のX軸方向、Y軸方向の操作により塗布ユニット6を微調整してひび割れに移動させ、この位置に塗布ユニット6をセットする(S−4)。これらの操作は、コンピュータの通信装置を介して無線通信によりPC等から行う。
次に、スタンバイ工程として、その状態で塗布ユニット駆動機構7のZ軸方向の操作により、塗布ユニット6のスキージ64及び塗布ローラー631を壁面に押し付ける(S−5)。なお、スキージ64には、スキージ64が壁面に接触したのを検出するスキージ接地検出センサと、スキージ64が壁面に対して10mm程度上下追従可動になるようにスプリング65が取り付けられており、スキージ64の位置の移動により、スキージ64と構造上一体に構成された塗布ローラー631もZ方向に移動する。スキージ64の設定位置への移動は、スキージ64が構造物表面に当たってスプリング65が5mm程度縮んだら設置を検出したと判断する。スプリング65による上下追従可動距離と、設置したと検出するスプリング65の縮み量は適宜設定することができる。
次に、補修工程として、補修材吐出ノズル62から補修材を吐出させて塗布する。具体的には、図6に示すように、カメラ61からの映像を確認しながら、コントローラーにより補修材供給ユニット43にセットされたシリンジの押子を操作して補修材吐出ノズル62から補修材を吐出させる(S−6)。そして、塗布ユニット駆動機構7のX軸方向、Y軸方向の操作により補修材を塗布ローラー631に馴染ませる(S−7)。
そして、さらに塗布ユニット駆動機構7を操作して、塗布ローラー631により補修材をひび割れに塗布する(S−8)。この際、過剰に吐出した補修材はスキージ64により集められ、また、移動に伴ってひび割れに対してより浸透させる。
上記の操作により、塗布ユニット駆動機構7のX軸方向、Y軸方向の可動範囲内の一度目の塗布が完了した段階で、塗布ユニット6のスキージ64及び塗布ローラー631を壁面から離し、必要に応じて初期設定したゼロ点に塗布ユニット6を戻して、再度塗布作業を繰り返す。
そして、その塗布ユニット駆動機構7の可動範囲の補修が完了してから、上記移動工程、スタンバイ工程、及び補修工程を繰り返す(S−9)。これにより、本実施形態の補修方法による補修は完了する。
本発明の補修方法によれば、カメラ61からの映像により、目視した状態で補修対象を把握しながら補修対象に対して正確に補修材を導入することができ、さらに塗布ローラー631及びスキージ64により補修材を補修対象に塗布することができるため、補修材の垂れがなく、正確かつ均一に補修を完了させることができる。
また、本発明の補修方法では、補修が完了した箇所を正確に把握、管理するために、上記補修工程における塗布ユニット6の位置を検出して記録することができる。
そのための補修方法としては、例えば、塗布ユニット6及び構造物の表面の少なくとも一箇所に予め基準点としてターゲット91aを設置しておき、塗布ユニット6の少なくとも一箇所にもターゲット91bを設置しておく。そして、各々のターゲット91a、91bが視認可能な位置に自動追尾測距測角儀を配設し、この自動追尾測距測角儀の位置をもう一つの基準点として、該自動追尾測距測角儀により、上記補修工程における塗布ユニット6の位置を検出して記録する方法を例示することができる。
具体的には、例えば、図11に示すように、橋梁の橋脚の壁面の補修を行う場合、壁面の少なくとも1箇所に、基準点としてプリズム等のターゲット91aを取り付けておくとともに、塗布用装置にプリズム等のターゲット91bを取り付けておく。図11の実施形態では、壁面に基準点として1箇所、塗布用装置に1箇所シートプリズムを取り付けている。
そして、上記ターゲット91a、91bを視認できる場所に自動追尾式測距測角儀9を据え付けて、この自動追尾式測距測角儀9の位置をもう一つの基準点として、自動追尾式測距測角儀9からターゲット91a、91bまでの方向及び距離を測定し、塗布機構63の位置を特定する。この測定を連続的又は所定の単位時間毎に行うことにより、補修の実施箇所を正確に検出して記録することができる。
塗布用装置に取り付けるターゲット91bは、塗布機構63の塗布ローラー631のローラーシャフト又はカメラ等の所定の位置に取り付けるか、あるいはローラーシャフト又はカメラ等に所定の長さのポールを設置し、その先端部に取り付ける。そして、ターゲットの位置(X、Y、Z)を検出する。上記の条件でポールを設置する場合には、所定の長さのポールは、塗布用装置に底面に対して垂直、即ち、壁面に対して垂直に取り付けられているので、ローラの位置のX、Yは、ポールの先端部のターゲット91bの位置のX、Yの値と一致し、Zは基準点のターゲット91aのZの値と一致する。
また、他の実施形態として、図12、図13に示すように、自動追尾式トータルステーション9から視認させるうえで、構造上ポール(ターゲット91b)を取り付ける位置を塗布ローラーからずれて取り付ける場合には、ローラーシャフトやカメラの位置のX、Yと、ターゲット91bの座標のずれを補正するために、補修用装置にY軸傾斜計を取り付けておく。例えば、補修用装置が垂直の状態でなく斜めに傾いた状態で補修する場合の補修位置を検出する場合、ローラーとポールの位置関係は事前にわかっているので、ローラーとポール(ターゲット91b)との距離l、ローラーから補修装置前方への垂直方向とポールとのずれ角をθとし、ターゲット測定点をX、Y、Zとした場合、ローラーの位置X、Y、ZはX=X±lCos(θ+θ)、Y=Y±lSinN(θ+θ)、Z=0で求めることができる。
橋梁の橋桁の下面の補修を行う場合も、橋脚の壁面の補修を行う場合と同様に、塗布用装置に取り付けるターゲット91bは、塗布機構63の塗布ローラー631のローラーシャフト又はカメラ等の所定の位置に取り付けるか、あるいはローラーシャフト又はカメラ等に所定の長さのポールを設置してその先端部に塗布用装置の底面に対し垂直に取り付ける。そして、ターゲット91bの位置(X、Y、Z)を検出する。上記の条件でポールを設置した場合には、ポールの先端部のターゲット91bの位置(X、Y、Z)において、ローラの位置のX、Zは、ポールの先端部のターゲット91bの位置X、Zの値と一致し、Yはターゲット91bのY値+ポールの長さlとなる。
また、自動追尾式測距測角儀9から視認するうえで、構造上ポール(ターゲット91b)を取り付ける位置を塗布ローラーのローラーシャフトやカメラの位置のX、Zからずれて取り付ける場合には、補修用装置にX又はZ方向に対する方位角センサー、あるいは水平方向用の角度センサーを取り付けておく。例えば、補修用装置がZ軸方向に対して角度を傾けた状態で補修する場合の補修位置を検出する場合、ローラーとポール(ターゲット91b)を取り付けた位置との距離l0、ローラーから補修装置前方への垂直方向とポールとのずれ角をθ0とし、ターゲット測定点をX1、Y1、Z1とした場合、ローラーの位置X、Y、ZはX=X1±l0Cos(θ0+θ)、Y=Y0、Z=Z1±l0Sin(θ0+θ)で求めることができる。
なお、この場合の基準点の取得は、例えば、自動追尾測距測角儀にGNSSアンテナを取り付けることにより、自動追尾測距測角儀の正確な位置を基準点として取得することができる。
以上の補修工程における塗布ユニットの位置を検出した値については、橋脚の壁面あるいは橋桁の下面が個々に持つ座標系で検出した値であるが、複数の橋脚の壁面あるいは橋桁の下面に設置したそれぞれの基準のターゲット91aの位置と、自動追尾式測距測角儀9との位置を測定しておくことにより、複数の橋脚の壁面あるいは橋桁の下面の位置検出の値を測量機の持つ座標系に変換することができ、統一座標系で、複数個所で検出した値を管理することもできる。
上記本実施形態によれば、補修用装置1の正確な三次元位置情報を取得することができ、補修の実施箇所を正確に検出して記録することが可能となる。
また、本発明の補修方法では、予め補修対象位置データを取得しておくことにより、補修作業を自動的に行うことができる。具体的には、予め補修対象の第1の位置データを取得しておくとともに、上記補修方法の位置データの検出方法により補修対象の第2の位置データを取得しておき、上記第1の位置データと上記第2の位置データとを照合し、補修対象に対して自動的に移動させる移動工程、スタンバイ工程及び補修工程を実行させることができる。
図14に、補修対象に補修用装置1を移動させて補修する実施形態の作業フロー図を示す。本実施形態の補修方法では、少なくとも、データ取得工程、移動工程、スタンバイ工程、補修工程を実行する。
まず、データ取得工程では、予め、壁面の補修対象の位置を測定して第1の位置データとして取得するとともに、上記補修方法で説明した補修箇所の検出方法により、補修対象の位置を検出して第2の位置データとして取得する(S−1’)。
次に、補修用装置1の制御部4の補修材供給ユニット43に、収容部431として補修材を充填したシリンジをセットし、移動体ユニット2の減圧吸着機構を作動させて、補修用装置1を垂直の壁面に吸着させてセットする(S−2’)。この際、予め取得しておいた補修対象の第1の位置データの基準点と、検出方法により得た補修用装置1の補修対象の第2の位置データの基準点を一致させ、この位置をホーミングしてゼロ点とする(S−3’)。
次の移動工程では、PCのプログラムにより上記第1の位置データと上記第2の位置データとを照合させながら、補修対象に対して補修用装置1を自動的に移動させる(S−4’)。なお、移動体装置が補修対象に移動した段階でカメラ61からの映像を視認し、第1の位置データと第2の位置データにずれが生じている場合には、コントローラーを用いて、塗布ローラー631位置を補正して、実際の補修対象に移動させる(S−5’)。そして、この位置に塗布ユニットをセットする(S−6’)。なお、これらの動作は、コンピュータの通信装置を介して無線通信によりPC等から行う。
次に、スタンバイ工程として、その状態で塗布ユニット駆動機構7のZ軸方向の操作により、塗布ユニット6のスキージ64及び塗布ローラー631を壁面に押し付ける(S−7’)。
次に、補修工程として、補修材吐出ノズル62から補修材を吐出させて塗布する。具体的には、図6に示すように、カメラ61からの映像を確認しながら、コントローラーにより補修材供給ユニット43にセットされたシリンジの押子を操作して補修材吐出ノズル62から補修材を吐出させる(S−8’)。そして、塗布ユニット駆動機構7のX軸方向、Y軸方向の操作により補修材を塗布ローラー631に馴染ませる(S−9’)。
そして、塗布工程として、PCのプログラムにより上記第1の位置データと上記第2の位置データとを照合させながら、補修対象に対して補修用装置1を自動的に移動させて補修材を塗布、補修する(S−10’)。なお、上記(S−5’)〜(S−10’)の操作は、パソコンのプログラムに従って自動で行うことができる。
上記の工程により、塗布ユニット駆動機構7のX軸方向、Y軸方向の可動範囲内の一度目の塗布が完了した段階で、塗布ユニット6のスキージ64及び塗布ローラー631を壁面から離し、必要に応じて初期設定したゼロ点に塗布ユニット6を戻して、再度塗布作業を繰り返す(S−11’)。この動作についても、PCのプログラムに従い、或いはマニュアル操作により行うことができる。そして、その塗布ユニット駆動機構7の可動範囲の補修が完了してから、上記移動工程、スタンバイ工程、及び補修工程を繰り返す。これにより、本実施形態の補修方法による補修は完了する。
上記本発明の補修用装置1を用いた補修方法によれば、補修対象に対して確実に補修が可能となり、予め補修対象の位置データを取得しておくことにより、自動で補修を行うことができる。また、補修が完了した位置を検出して、データとして記録、管理することが可能となる。
1 補修用装置
2 移動体ユニット
21 天板部
22 転がりシール
23 ブロワー
24 電源ケーブル
3 補修ユニット
4 制御部
41 電源ユニット
42 制御用コンピュータ
43 補修材供給ユニット
431 収容部
432 供給機構
44 取付ブラケット
45 取手
46 ケーブルガイドポール
47 排気ガード
48 ベースプレート
5 補修部
51 取手
52 ケーブルキャリア
53 ケーブルクランプバー
54 ベースプレート
6 塗布ユニット
61 カメラ
62 補修材吐出ノズル
63 塗布機構
631 塗布ローラー
632 チューブ状容器
633 スプレー缶
64 スキージ
65 スプリング
66 チューブ絞り装置
67 スプレー吹付け装置
671 自動噴霧装置部
7 塗布ユニット駆動機構
81 カウンターウェイト
82 支持アーム
83 キャスター
9 自動追尾式測距測角儀
91 ターゲット

Claims (12)

  1. コンクリート構造物の表面を移動可能な移動体ユニットと補修ユニットからなるひび割れの補修用装置であって、
    前記移動体ユニットは、構造物の表面に吸着しながら移動可能とするための減圧吸着機構を備えており、
    前記補修ユニットは、制御部と補修部を備えており、
    前記制御部は、少なくとも電源ユニットと、制御用コンピュータと、補修材供給ユニットを有し、
    前記補修部は、構造物の表面を視認させるためのカメラと、補修材吐出ノズルと、塗布機構と、補修材の垂れを防止するスキージとを備えた塗布ユニットと、
    該塗布ユニットを構造物の表面に対して、前記移動体ユニットによる移動とは別に、X軸、Y軸、Z軸方向に移動させるための塗布ユニット駆動機構を有し、
    前記塗布ユニットの前記塗布機構と前記スキージは、壁面に対してZ軸方向に移動可能に設けられ、
    前記塗布ユニット駆動機構は、前記移動体ユニットの移動時の進行方向に対して左右何れかの側部に設けられ、
    前記制御用コンピュータの制御により、前記塗布ユニットを所定の補修対象に移動させるとともに、前記カメラで視認しながら、前記補修材吐出ノズルから補修材を吐出させて、塗布機構により補修させることを特徴とする補修用装置。
  2. 前記塗布機構が、塗布ローラーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の補修用装置。
  3. 前記塗布機構が、チューブ絞り装置又はスプレー吹付け装置を備えていることを特徴とする請求項1項に記載の補修用装置。
  4. 前記移動体ユニットの前記減圧吸着機構が、少なくとも天板部、弾性転がりシール及びブロワーを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の補修用装置。
  5. 前記移動体ユニットが構造物の略垂直面に吸着した状態において、重力による回転モーメントにより前記移動体ユニットの上部が構造物の表面から脱落するのを防止するための支持アームが設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の補修用装置。
  6. 前記移動体ユニットの移動時の進行方向に対して前記補修部が取り付けられた側と反対側側面に、前記補修部による前記移動体ユニットへの偏荷重を打ち消すためのカウンターウェイトが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の補修用装置。
  7. 前記制御部には、無線により補修ユニットの動作制御を行うための無線通信モジュールが設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の補修用装置。
  8. 移動体ユニットと補修ユニット及び、該補修ユニットの制御部と補修部の各々が着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の補修用装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の補修用装置を用いた補修方法であって、
    前記移動体ユニットの動作と前記塗布ユニット駆動機構の動作により、前記補修ユニットの補修部を補修対象に移動させる移動工程と、
    前記塗布ユニット駆動機構の動作によりスキージを壁面に対してZ軸方向に移動させて壁面に押し付けるスタンバイ工程と、
    前記カメラにより補修対象を視認しつつ、前記補修材供給ユニットの動作により前記補修材吐出ノズルから補修材を吐出させ、前記塗布ユニット駆動機構の動作及び前記塗布機構により補修材を塗布する補修工程を有することを特徴とする補修方法。
  10. 構造物の表面の少なくとも一箇所に予め基準点となるターゲットを取り付けておくとともに、前記塗布ユニットにターゲットを取り付け、各々のターゲットが視準可能な位置に基準点としての自動追尾測距測角儀を配設し、該自動追尾測距測角儀からの構造物表面の基準となるターゲット及び前記塗布ユニットのターゲットの方向及び距離から、前記塗布ユニットの位置を三次元データとして検出あるいは/および記録することを特徴とする請求項9に記載の補修方法。
  11. 構造物の表面の少なくとも一箇所に予め基準点となるターゲットを取り付けておくとともに前記塗布ユニットに直立するように設けた所定の長さのポールの先端部に、ターゲットを取り付けておき、補修用装置にZ軸傾斜計あるいは/また、X軸あるいはY軸方向に対する方位角センサーあるいは水平方向用の角度センサーを取り付けておき、各々の前記ターゲットが視認可能な位置を基準点として自動追尾測距測角儀を配設し、構造物表面の基準点であるターゲットからの前記塗布ユニットのターゲットの方向及び距離と、補修用装置のZ軸に対する傾斜の値、あるいは/また、補修用装置のX軸あるいはY軸に対する角度の値から、前記塗布ユニットの位置を三次元データとして検出あるいは/および記録することを特徴とする請求項9に記載の補修方法。
  12. 予め補修対象の第1の位置データを取得しておくとともに、請求項10又は11に記載の位置データの検出方法により前記補修対象の第2の位置データを取得しておき、前記第1の位置データと前記第2の位置データとを照合し、前記補修対象に対して自動的に前記移動工程、前記スタンバイ工程及び前記補修工程を実行させることを特徴とする請求項9に記載の補修方法。
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