JP6978912B2 - 燃焼器及びガスタービン - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼器及びガスタービンに関する。
ガスタービンを構成する燃焼器は、圧縮機によって生成された圧縮空気が導入される車室内部に設けられている。燃焼器は、筒状をなす燃焼筒の内部で高温かつ高圧の燃焼ガスを発生させる。燃焼器は、燃焼ガスが供給されるタービンの周方向に複数個が互いに隣接するように配置されている。
例えば特許文献1には、燃焼器に音響ダンパを取り付けることによって、燃焼器の運転時に発生する燃焼振動を抑制する技術が開示されている。
特許第5693293号公報
ここで、燃焼筒では、燃焼ガスの流れの上流側の端部を開とし、タービンにつながる出口となる下流側の端部を閉とした気柱共鳴が発生する場合がある。このような気柱共鳴が発生すると、複数の燃焼器がそれぞれの出口を介して互いに連成する音響モードの燃焼振動が発生する。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、気柱共鳴に基づく燃焼振動を効果的に抑制することができる燃焼器及びガスタービンを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の第一態様に係るガスタービンは、圧縮空気を生成する圧縮機と、前記圧縮空気を燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、前記燃焼ガスによって駆動されるタービンと、を備え、前記燃焼器は、前記燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部とを有する音響デバイスと、を備え、前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられている。
ここで、燃焼器の燃焼筒内の気柱共鳴は以下の原理で発生する。燃焼筒内を下流側に向かう進行波は、燃焼筒の下流側の端部で反射する。これによって、燃焼筒内部には、進行波の逆方向、即ち、上流側に向かって進む反射波が発生する。このように燃焼筒の下流側の端部での反射が起こるのは、燃焼器とタービンとの音響インピーダンスが異なるためである。両者のインピーダンスの差が大きい程、反射波のエネルギーも大きくなる。そして、このような反射波と進行波とが干渉することによって上記気柱共鳴が発生する。
本発明では燃焼筒には音響デバイスが連通状態で設けられている。このような音響デバイスが設けられていることにより、燃焼器全体としての音響インピーダンスを調整することができる。これによって、タービンの音響インピーダンスと燃焼器全体としての音響インピーダンスとの差を小さくし、上記気柱共鳴の要因となる反射波の発生を抑えることができる。
ここで、仮に燃焼筒と音響デバイスとの接続箇所で燃焼ガスの剥離が生じ、流れが大きく乱された場合、即ち、渦流が発生した場合には、当該接続箇所での音響インピーダンスが大きく上昇する。これにより、燃焼器全体の音響インピーダンスとタービンの音響インピーダンスとの差が大きくなる結果、燃焼筒の下流側の端部での反射波のエネルギーが大きくなり、気柱共鳴が大きく発生してしまう。
これに対して本発明では、音響インピーダンスにおける燃焼筒との接続箇所は、内面側に凸曲面状をなす接続部とされている。これによって、燃焼筒内の燃焼ガスが音響デバイスとの接続箇所で剥離することを抑制できる。このため、燃焼器全体の音響インピーダンスが意図した値から大きく外れることを回避できる。その結果、燃焼筒内で発生する反射波の増大を抑制することができる。
また、前記接続部の特に前記燃焼ガスの流通方向下流側が受ける熱量や動圧をより効果的に制御することができ当該部分の過熱を抑制することができる。
また、上記の燃焼器は、前記接続部内面における凸曲面の曲率が、前記燃焼ガスの流通方向下流側と上流側で互いに異なっていてもよい。
この構成によれば、前記接続部の特に前記燃焼ガスの流通方向下流側が受ける熱量や動圧を制御することができ当該部分の過熱を抑制することができる。
また、上記の燃焼器は、前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有していてもよい。
また、本発明の一態様に係る燃焼器は、燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部を有する音響デバイスと、を備え、前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられており、前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有するものであってもよい。
この構成によれば、前記接続部の特に前記燃焼ガスの流通方向下流側への衝突を回避する流れを創出することにより、当該部分の過熱を抑制することができる。
また、上記の燃焼器は、前記接続部内面における凸曲面の曲率半径rと、導入管の内径の半径rが、3r≧r≧0.2rで表される関係にあってもよい。
この構成によれば、剥離に起因する接続部付近での渦流の発生をより効果的に抑制することができる。
また、上記の燃焼器は、前記接続部が前記導入管の中心軸方向に見て円形又は燃焼筒内面に沿う任意の方向に延びる長軸を有する楕円形であり、該円形の半径又は該楕円形の長軸半径であるrと、導入管の内径の半径rが、4r≧r≧rで表される関係にあってもよい。
この構成によれば、剥離に起因する接続部付近での渦流の発生がより効果的に抑制される。
また、上記の燃焼器は、前記接続部の前記導入管の中心軸方向視における投影面積Aと、前記導入管の内面積Aとが、12A≧A≧Aで表される関係にあってもよい。
この構成によれば、剥離に起因する接続部付近での渦流の発生がより効果的に抑制される。
本発明によれば、気柱共鳴に基づく燃焼振動を効果的に抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る燃焼器を有するガスタービンの縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る燃焼器の部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る燃焼器における要部の、導入管の中心軸線を含む縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る燃焼器における要部の、導入管の中心軸線方向視図である。 本発明の第二実施形態に係る燃焼器における要部の、導入管の中心軸線を含む縦断面図である。 本発明の第三実施形態に係る燃焼器における要部の、導入管の中心軸線を含む縦断面図である。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に係る燃焼器11ついて図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の第一実施形態に係るガスタービン1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る燃焼器11を有するガスタービン1の縦断面図として示す全体構成図である。
ガスタービン1は、流体が流れる方向である流れ方向Fに沿って、上流側の位置に設けられた圧縮機4と、この圧縮機4の下流側に設けられた複数個の燃焼器11と、この燃焼器11の下流側に設けられ、圧縮機と連動可能に連結されたタービン5と、を備えるものである。燃焼器11は、ロータ6の周方向に沿って複数個が互いに隣接するようにそれぞれ配置されている。
圧縮機4は、空気取込口7から外部の空気を取り込み、この空気を圧縮することにより、圧縮空気を生成するものである。圧縮機4は、ガスタービン回転軸線O1に沿って延びる圧縮機ロータ14と、圧縮機ロータを外周側から覆う圧縮機ケーシング24とを有している。圧縮機ロータ14は、ガスタービン回転軸線O1を中心軸とする略円柱状を成しており、圧縮機ロータ14の外周面と圧縮機ケーシング24の内周面との間には圧縮機動翼34が該外周面に取り付けられている。圧縮機動翼34は、圧縮機ロータ14の外周面に周方向に沿って複数枚取り付けられてなる動翼列として構成されている。さらに、圧縮機ロータ14には、回転軸線O1方向に沿って流体の流れ方向に間隔をあけて複数の動翼列が配置されている。圧縮機ケーシング24の内周側には圧縮機静翼44が取り付けられている。圧縮機静翼44は、圧縮機ケーシング24の内周面に周方向に沿って複数枚の圧縮機静翼44を取り付けられてなる静翼列として構成されている。さらに、圧縮機ケーシング24の内周面には圧縮機ロータ14の軸方向に沿って流体の流れ方向に間隔をあけて複数の静翼列が配置されている。静翼列はガスタービン回転軸線O1方向に動翼列と互い違いになるように配置されている。
図1では6列の動翼列と6列の静翼列を設けた例を示しているが、動翼列および静翼列の数はこれに限定されるものではない。
燃焼器11は、圧縮機4が生成した圧縮空気に燃料を噴射して燃焼させることにより高温及び高圧の燃焼ガス流Bを発生させるものである。
また、タービン5は、燃焼器11から供給される燃焼ガス流Bを受けてロータ6の回転エネルギーに変換して駆動力を取り出すものである。タービン5は、ガスタービン回転軸線O1に沿って延びるタービンロータ15と、タービンロータを外周側から覆うタービンケーシング25とを有している。タービン5の構成は、圧縮機4の構成と類似している。即ち、タービンロータ15は、ガスタービン回転軸線O1を中心軸とする略円柱状を成しており、タービンロータ15の外周面とタービンケーシング25の内周面との間にはタービン動翼35が該外周面に取り付けられている。タービン動翼35は、タービンロータ15の外周面に周方向に沿って複数枚取り付けられてなる動翼列として構成されている。さらに、タービンロータ15には、回転軸線O1方向に沿って流体の流れ方向に間隔をあけて複数の動翼列が配置されている。タービンケーシング25の内周側にはタービン静翼44が取り付けられている。タービン静翼45は、タービンケーシング25の内周面に周方向に沿って複数枚のタービン静翼45を取り付けられてなる静翼列として構成されている。さらに、タービンケーシング25の内周面にはタービンロータ15の軸方向に沿って流体の流れ方向に間隔をあけて複数の静翼列が配置されている。静翼列はガスタービン回転軸線O1方向に動翼列と互い違いになるように配置されている。図1では4列の動翼列と4列の静翼列を設けた例を示しているが、動翼列および静翼列の数はこれに限定されるものではない。
ここで、上述の構成からなるタービン5の作用について説明する。燃焼器で生み出された高温かつ高圧の燃焼ガス流Bは、タービン5にて膨張を伴って増速しつつ流れ方向Fに向かって流れ、タービン静翼45(静翼列)及びタービン動翼35(動翼列)を順次通過する。タービン静翼45はガス流を整流し、整流された燃焼ガス流Bを受けてタービン動翼35は燃焼ガス流Bの持つ流れ方向F向きの運動エネルギーを、タービンロータ15のガスタービン回転軸線O1回りの回転運動に変換する。本実施形態では、タービンロータ15は圧縮機ロータ14と回転軸線O1を共有して連動可能に連結されている。このため、回転するタービンロータ15の回転力は即時に同軸上の圧縮機ロータ14に伝達され、圧縮機ロータ14が回転することとなる。圧縮機ロータ14は、圧縮機動翼34を回転軸線O1回りに回転させることで、圧縮機4内部にて、外部から取り込んだ空気を圧縮機動翼34(動翼列)及び圧縮機静翼44(静翼列)を順次通過させつつ圧縮しながら流れ方向Fへと送る。このようにして生成された高圧の圧縮空気は、燃焼器11で燃料と混合することで高温高圧の燃焼ガス流Bとなり、タービン5へと流れる。また、上述のようにして生成された回転力が、ロータ6に連結された発電機20に伝達され、電力を生成することができるものとなっている。なお、図1ではロータ6と同軸に発電機20を設けた例を示しているが、発電機20はロータ6と必ずしも同軸に設ける必要はなく、ギヤ機構などによりロータ6の回転力を発電機20に伝達できれば良い。
次に、本発明の第一実施形態に係る燃焼器11の構成について説明する。図2は、第1実施形態の燃焼器11の1つを拡大した部分拡大断面図である。燃焼器11は、ガスタービン1の車室8の内部に設けられた筒状の燃焼筒21と、この燃焼筒21の中途に設けられた音響デバイス31が設けられている。
燃焼筒21はその断面形状が、下流側に向かうに従って円筒形状から四角形状に徐々に変化する筒状をなしている。燃焼筒21の下流側の端部(燃焼ガスの出口)は、タービン5に接続されている。燃焼筒21内には、パイロットノズル及びメインノズルによって噴出される燃料が圧縮空気によって燃焼されることで生成される燃焼ガスの燃焼領域が形成される。
音響デバイス31は、音響室32と導入管41と接続部51を有している。一例として、本実施形態では、導入管41は円筒形であり、その端部にはその内径よりも大きい内径とされた円筒形の音響室32が設けられている。導入管41と音響室32とは、導入管中心軸線O3上に中心軸を共有している。円筒形の音響室32のうち導入管41が存在する側の端部では、円筒形を形成する部材と同一材質の部材が、導入管41の音響室32側の開口端を塞ぐことなく覆っている。つまり、導入管41が音響室32の端部に連通している。とくに、本実施形態では、一例として導入管41は音響室32の内部にまでその端部が伸びて構成されている。一方、導入管41と接続されない側の端部は、円筒形を形成する部材と同一材質の部材により塞がれており、換言すれば、音響室32は、導入管41が連通している片方の端部を除いて密閉構造となっている。この密閉された音響室32内部の空間が音響空間Rである。
導入管41は、一端が接続部51を介して燃焼筒21の内側に連通して接続されている。接続部51も、導入管41の管径拡張部分であり、導入管41と中心軸を共有するおおよそ筒状を成している。接続部51と導入管41とが接続されている部分は、滑らかに連なるように形成されている。この導入管41から接続部51にかけての管径拡張は中心軸方向で無段階となっている点で、導入管41と音響室32とが接続されている部分とは異なっている。接続部51の燃焼筒21への接続箇所は燃焼筒21の燃焼領域を含む部分、又は、燃焼領域よりも下流側の部分とされていることが好ましい。
上記の構成により、音響空間Rは導入管41内部の空間を介して燃焼筒21内部の空間へと接続されることとなる。また、上記構成の音響デバイスは、音響室32、導入管41及び接続部51がいずれも横断面が円形であって、中心軸を共有する円筒形である。このため、周方向においてデバイス全体が均等に振動することが可能であり、さらに、応力集中が発生する箇所が少ないために強度的に有利でもある。接続部51と燃焼筒21とが接続されている部分についての構成は、後述する。
以下、本発明の第一実施形態に係る燃焼器11の要部について詳述する。図3は、接続部51周辺部の、導入管41の中心軸線である導入管中心軸線O3を含む縦断面図である。本実施形態では、接続部51の内面である接続部内面51Aは、燃焼筒21の内周面である燃焼筒内面21A及び導入管41の内周面である導入管内周面41Aに連なるとともに導入管41に向かうに従って凸曲面状に縮径している。
接続部51は、燃焼筒21及び導入管41とは別体の部材である。接続部51は、例えば、導入管41と同一素材の金属から成り、燃焼筒21及び導入管41とは溶接により接合されている。ここで、接続部51の燃焼筒21と接続する側の終端部の周縁部には燃焼筒21とのオーバーラップ部51Bを有している。オーバーラップ部51Bは、接続部51の燃焼筒21に接続される側の終端部の周縁部であって内周面側のみを、周縁から所定距離だけを全周に渡って切り欠いて形成されている。接続部51は、このオーバーラップ部51Bが燃焼筒21の外面に接するようにして設けられることとなる。ここで、本実施形態でのオーバーラップ部51Bは、上記切欠きの深さ(つまり、燃焼筒21に組み付けられたときは燃焼筒21の径方向長さ)は、燃焼筒21を構成する壁の厚さに等しい。この構成により、接続部51の内周面と燃焼筒21の内面とを滑らかに連なるように接続しつつ、接続箇所の強度を確保することができる。また、この構成により燃焼筒21の外部から容易に接続部51(又は音響デバイス31全体)を組み付けることができるとともに、組立時の位置決め作業が容易となるため、工作性が向上する。さらに、本実施形態では、一例として、燃焼筒21には切欠きを構成せず、相対的に肉厚とした接続部51の周縁部のみに切欠きを設けている。このことは、上記の利点に加え、すでに組み立てが完了した燃焼筒に対して、孔を開口させる以外の特段の作業工程を発生させずに、音響デバイスを取り付けることができるという点でも、工作上有利である。
上記の構成により、接続部51はその内面が燃焼筒21の内面に連なっており、換言すれば、接続部内面51Aと燃焼筒内面21Aは滑らかな一体の曲面になっている。また、このとき曲面は接続部51の導入管41の軸中心を含む面の断面視にて、接続部51の内面に向かって凸である曲面状になっている。続いて、凸曲面の形状について詳述する。
本発明の第一実施形態に係る燃焼器11における接続部内面51Aの凸曲面曲率半径rは、一例として、導入管41の内径の半径rと比較し、3r≧r≧0.2rで表される関係となる範囲内に設定されてもよい。また、接続部51の大きさは、例えば図4に示す一例として、燃焼筒21の内部からの導入管41の軸方向視にて接続部51のうちオーバーラップ部51Bを除いた部分の輪郭としての円の半径である接続部51半径rと、導入管41の内径の半径rが、4r≧r≧rで表される関係となる範囲内に設定されてもよい。本実施形態では、接続部51の断面は円形であるとしたが、接続部51は燃焼筒21に接続される側に向かうに従い徐々に円形から楕円形に変形する筒状であってもよい。この場合、接続部51半径rは、燃焼筒21の内部からの導入管41の軸方向視にて接続部51のうちオーバーラップ部51Bを除いた部分の輪郭としての惰円の長軸半径であってもよい。このとき、該楕円形の長軸は、燃焼筒内面に沿ったいずれの方向に延びていてもよい。さらに、接続部51の大きさは、一例として、前記導入管41の軸方向視における面積である接続部51投影面積Aと、導入管41の内面積Aとが、12A≧A≧Aで表される関係となる範囲内に設定されてもよい。ここで内面積Aとは、導入管41の内周面を輪郭とする軸方向視で囲まれた領域の面積を意味する。
上記構成の燃焼器11では、接続部内面51Aと燃焼筒内面21Aは滑らかな一体の曲面になっている。このため、燃焼ガス流Bは、接続部51における上流側の凸曲面である接続部上流側凸曲面51Aaに沿って比較的緩やかに曲がりながら流れることができる。これにより、導入管41の燃焼筒21側端部である導入管燃焼筒側端部41B付近における燃焼ガス流が整流となるため、乱流による音エネルギーの消散が抑制され、接続部51付近における音響インピーダンスの上昇を抑えることができる。
ここで、仮に接続部51付近での音響インピーダンスが大きく上昇した場合、燃焼器11全体としての音響インピーダンスが増大する。その結果、燃焼器11全体とタービン5との音響インピーダンスの差が大きくなる。このため。燃焼筒21内を下流側に向かう進行波に基づいて該燃焼筒21の下流側の端部で発生する反射波のエネルギーが大きくなる。その結果、反射波と進行波との干渉作用が増大し、上記気柱共鳴が大きく発生してしまう。
これに対して本実施形態では、上記の通り、音響デバイス31と燃焼筒21との接続部51付近での燃焼ガスの剥離を抑制することができる。このため、燃焼器11全体の音響インピーダンスが意図した値から大きく外れてしまうことを抑制できる。そのため、燃焼筒21の下流側の端部を、無反射境界に近づけることができる。その結果、燃焼筒21内で発生する反射波の増大を回避し、気柱共鳴の増大を抑えることができる。したがって、複数の燃焼器11が連成することで発生する燃焼振動を抑制することができる。
なお、音響デバイス31は、ヘルムホルツ共鳴型の音響ダンパとしても機能する。本実施形態では、音響デバイス31と燃焼筒21との接続部51付近での音響インピーダンスの増大を抑えることができるため、燃焼筒21内の音響エネルギーを効果的に音響デバイス31内に導入することができる。これによって、音響ダンパとしての消音機能を効果的に発揮することができる。
また、接続部51の凸曲面の曲率半径rは、導入管41の内径の半径rと比較し、3r≧r≧0.2rで表される関係を満たしている。このことにより、燃焼ガス流速や圧力を考慮して、適切な曲率の凸曲面にて燃焼ガス流を制御することができる。このため、導入管41の燃焼筒21側端部付近における燃焼ガス流Bを整流とするために必要な曲率でありながら、最小限の大きさの構造とすることができる。
また、接続部51の大きさは、一例として、接続部51が導入管41の軸方向視にて円形である場合はその円の半径であり、同方向視にて楕円形である場合は又は該楕円形の長軸半径であるrと、導入管41の内径の半径rが、4r≧r≧rで表される関係となる範囲内で規定されている。このことにより、接続部51について、導入管41の燃焼筒21側端部付近における燃焼ガス流Bを整流とするために必要な大きさの構造とすることができる。
さらに、接続部51の大きさは、一例として、導入管41の軸方向視における接続部投影面積A1と、導入管41の内面積Aとが、12A≧A≧Aで表される関係となる範囲内で規定されている。このことにより、接続部51について、導入管41の燃焼筒21側端部付近における燃焼ガス流Bを整流とするために必要な大きさの構造とすることができる。
[第二実施形態]
次に第二実施形態について図5を参照して説明する。第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態は、第一実施形態と比較し、接続部52の構成が異なっている。
本実施形態では、接続部内面52Aにおける凸曲面の曲率が、前記燃焼ガスの流通方向下流側に向かうにしたがって、小さい値となっている。つまり、前記燃焼ガスの流通方向下流側に向かうにしたがって、緩慢な曲面となっている。一例として、曲率半径rrのうち、燃焼ガス流Bの流通方向下流側の曲率半径である下流側凸曲面曲率半径rr2が、上流側の曲率半径である上流側凸曲面曲率半径rr1よりも大きい値となっている。
また、本実施形態では、接続部内面52Aにおける凸曲面の曲率中心Orの位置が、燃焼ガス流Bの流通方向上流側と下流側で互いに異なっている。本実施形態では、曲率中心Orのうち、燃焼ガス流Bの流通方向下流側の曲率中心である下流側凸曲面曲率中心Or2が、上流側の曲率中心である上流側凸曲面曲率中心Or1よりも燃焼筒22の径方向外方に位置するようになっている。
上記構成の燃焼器12では、接続部52のうち、特に燃焼ガス流の流通方向下流側である接続部下流側凸曲面52Abが受ける燃焼ガス流Bの動圧を相対的に低減することができる。より具体的には、燃焼ガス流Bは、上記のように、接続部52の流通方向上流側の曲面である接続部上流側凸曲面52Aaに沿うようにして、導入管42側へと導かれる。ここで、その下流側では、上記構成による接続部下流側凸曲面52Abによって導入管42側に導かれた燃焼ガス流Bを、燃焼筒22側に戻す流れが作られる。本実施例における接続部下流側凸曲面52Abは、第一実施形態と比較して、よりガス流通方向下流側であって燃焼筒22の径方向外方に存在することとなり、かつ、より緩やかな凸曲面となっている。これにより、燃焼ガス流Bは、接続部下流側凸曲面52Abのうち、より燃焼筒内面22Aに向かって寝ている部分の面上を流れることとなり、該接続部下流側曲面52Abに対しての衝突の集中が緩和される。そのため、当該部分の過熱や応力集中を抑制することができ、燃焼器12の信頼性を高めることができる。
[第三実施形態]
次に第三実施形態について図6を参照して説明する。第三実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第三実施形態は、第一実施形態と比較し、接続部53の構成が異なっている。
本実施形態では、接続部53は、燃焼ガス流通方向上流側の内面に、凸曲面の一部が燃焼筒23の中心軸線O2方向に向かって隆起した凸曲面隆起部63を備えている。本実施形態では、一例として、凸曲面隆起部63は接続部53の肉厚の部分として形成されている。
上記構成の燃焼器13では、燃焼ガス流Bは、上記のように、接続部上流側凸曲面53Aaに沿うようにして、導入管43側へと導かれる。ここで、上記構成による接続部53における燃焼ガス流Bの流れ方向上流側の凸曲面隆起部63によって、燃焼筒23径方向内方に一旦導かれることとなる。このようにして導かれた燃焼ガス流Bが、接続部上流側凸曲面53Aaによって燃焼筒径方向外方へと導かれることとなるため、接続部53付近を通過する燃焼ガス流Bを、相対的に燃焼筒径方向内方を流れるものとすることができる。
さらに、上記構成による接続部53における燃焼ガス流Bの流れ方向上流側の凸曲面隆起部63によって、該隆起を避けるように、燃焼筒23周方向にそれて燃焼ガス流Bが導かれることとなる。
上述の作用により、接続部下流側凸曲面53Abに対しての衝突の集中が緩和される。そのため、当該部分の過熱や応力集中を抑制することができ、燃焼器の信頼性を高めることができる。また、接続部53の肉厚の部分として形成されているため、強度的に有利であり、かつ、特段の部品点数を増やすことなく上記の効果を得ることができる。
以上、本発明の第一、第二、第三実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、音響デバイス31は箱型の音響室32を備えるものとしたが、燃焼筒の周方向に巻きつけられて設けられた円筒状であってもよい。
また、第三実施形態における凸曲面隆起部63は、接続部53の肉厚の部分として形成されているとしたが、これに限られるものではない。例えば、凸曲面隆起部付近であっても、他の接続部53を構成する部材と共通の厚さとなるように構成してもよい。
1、2、3 ガスタービン
11、12、13 燃焼器
4 圧縮機
14 圧縮機ロータ
24 圧縮機ケーシング
34 圧縮機動翼
44 圧縮機静翼
5 タービン
15 タービンロータ
25 タービンケーシング
35 タービン動翼
45 タービン静翼
6 ロータ
7 空気取込口
8 車室
21、22、23 燃焼筒
21A 、22A、23A、 燃焼筒内面
31 音響デバイス
32 音響室
41、42、43 導入管
41A、42A、43A 導入管内周面
41B 導入管燃焼筒側端部
51、52、53 接続部
51A、52A 接続部内面
51Aa 接続部上流側凸曲面
52Aa 接続部上流側凸曲面
52Ab 接続部下流側凸曲面
53Ab 接続部下流側凸曲面
51B オーバーラップ部
63 凸曲面隆起部
F 流体流通方向
B 燃焼ガス流
R 音響空間
、rr 凸曲面曲率半径
接続部半径
導入管の内径の半径
接続部投影面積
導入管内面積
O1 ガスタービン回転軸線
O2 燃焼筒中心軸線
O3 導入管中心軸線
Or 凸曲面曲率中心
Or1 上流側凸曲面曲率中心
Or2 下流側凸曲面曲率中心
rr1 上流側凸曲面曲率半径
rr2 下流側凸曲面曲率半径

Claims (7)

  1. 圧縮空気を生成する圧縮機と、
    前記圧縮空気を燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
    前記燃焼ガスによって駆動されるタービンと、
    を備え、
    前記燃焼器は、
    前記燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、
    前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部を有する音響デバイスと、
    を備え、
    前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられているガスタービン
  2. 前記接続部内面における凸曲面の曲率が、前記燃焼ガスの流通方向下流側と上流側で互いに異なる請求項1に記載のガスタービン
  3. 前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有する請求項1に記載のガスタービン
  4. 前記接続部内面における凸曲面の曲率半径r1と、前記導入管の内径の半径rが、3r≧r≧0.2rで表される関係にある請求項1に記載のガスタービン
  5. 前記接続部が前記導入管の中心軸方向に見て円形又は燃焼筒内面に沿う任意の方向に延びる長軸を有する楕円形であり、該円形の半径又は該楕円形の長軸半径であるr2と、前記導入管の内径の半径r0が、4r≧r≧rで表される関係にある請求項1に記載のガスタービン
  6. 前記接続部の前記導入管の中心軸方向視における投影面積A1と、前記導入管の内面積A0とが、12A≧A≧Aで表される関係にある請求項1に記載のガスタービン
  7. 燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、
    前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部を有する音響デバイスと、
    を備え、
    前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられており、
    前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有する燃焼器。
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