JP6978912B2 - 燃焼器及びガスタービン - Google Patents
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Description
即ち、本発明の第一態様に係るガスタービンは、圧縮空気を生成する圧縮機と、前記圧縮空気を燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、前記燃焼ガスによって駆動されるタービンと、を備え、前記燃焼器は、前記燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部とを有する音響デバイスと、を備え、前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられている。
本発明では燃焼筒には音響デバイスが連通状態で設けられている。このような音響デバイスが設けられていることにより、燃焼器全体としての音響インピーダンスを調整することができる。これによって、タービンの音響インピーダンスと燃焼器全体としての音響インピーダンスとの差を小さくし、上記気柱共鳴の要因となる反射波の発生を抑えることができる。
これに対して本発明では、音響インピーダンスにおける燃焼筒との接続箇所は、内面側に凸曲面状をなす接続部とされている。これによって、燃焼筒内の燃焼ガスが音響デバイスとの接続箇所で剥離することを抑制できる。このため、燃焼器全体の音響インピーダンスが意図した値から大きく外れることを回避できる。その結果、燃焼筒内で発生する反射波の増大を抑制することができる。
また、前記接続部の特に前記燃焼ガスの流通方向下流側が受ける熱量や動圧をより効果的に制御することができ当該部分の過熱を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る燃焼器は、燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部を有する音響デバイスと、を備え、前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられており、前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有するものであってもよい。
以下、本発明の第一実施形態に係る燃焼器11ついて図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の第一実施形態に係るガスタービン1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る燃焼器11を有するガスタービン1の縦断面図として示す全体構成図である。
図1では6列の動翼列と6列の静翼列を設けた例を示しているが、動翼列および静翼列の数はこれに限定されるものではない。
また、タービン5は、燃焼器11から供給される燃焼ガス流Bを受けてロータ6の回転エネルギーに変換して駆動力を取り出すものである。タービン5は、ガスタービン回転軸線O1に沿って延びるタービンロータ15と、タービンロータを外周側から覆うタービンケーシング25とを有している。タービン5の構成は、圧縮機4の構成と類似している。即ち、タービンロータ15は、ガスタービン回転軸線O1を中心軸とする略円柱状を成しており、タービンロータ15の外周面とタービンケーシング25の内周面との間にはタービン動翼35が該外周面に取り付けられている。タービン動翼35は、タービンロータ15の外周面に周方向に沿って複数枚取り付けられてなる動翼列として構成されている。さらに、タービンロータ15には、回転軸線O1方向に沿って流体の流れ方向に間隔をあけて複数の動翼列が配置されている。タービンケーシング25の内周側にはタービン静翼44が取り付けられている。タービン静翼45は、タービンケーシング25の内周面に周方向に沿って複数枚のタービン静翼45を取り付けられてなる静翼列として構成されている。さらに、タービンケーシング25の内周面にはタービンロータ15の軸方向に沿って流体の流れ方向に間隔をあけて複数の静翼列が配置されている。静翼列はガスタービン回転軸線O1方向に動翼列と互い違いになるように配置されている。図1では4列の動翼列と4列の静翼列を設けた例を示しているが、動翼列および静翼列の数はこれに限定されるものではない。
燃焼筒21はその断面形状が、下流側に向かうに従って円筒形状から四角形状に徐々に変化する筒状をなしている。燃焼筒21の下流側の端部(燃焼ガスの出口)は、タービン5に接続されている。燃焼筒21内には、パイロットノズル及びメインノズルによって噴出される燃料が圧縮空気によって燃焼されることで生成される燃焼ガスの燃焼領域が形成される。
音響デバイス31は、音響室32と導入管41と接続部51を有している。一例として、本実施形態では、導入管41は円筒形であり、その端部にはその内径よりも大きい内径とされた円筒形の音響室32が設けられている。導入管41と音響室32とは、導入管中心軸線O3上に中心軸を共有している。円筒形の音響室32のうち導入管41が存在する側の端部では、円筒形を形成する部材と同一材質の部材が、導入管41の音響室32側の開口端を塞ぐことなく覆っている。つまり、導入管41が音響室32の端部に連通している。とくに、本実施形態では、一例として導入管41は音響室32の内部にまでその端部が伸びて構成されている。一方、導入管41と接続されない側の端部は、円筒形を形成する部材と同一材質の部材により塞がれており、換言すれば、音響室32は、導入管41が連通している片方の端部を除いて密閉構造となっている。この密閉された音響室32内部の空間が音響空間Rである。
導入管41は、一端が接続部51を介して燃焼筒21の内側に連通して接続されている。接続部51も、導入管41の管径拡張部分であり、導入管41と中心軸を共有するおおよそ筒状を成している。接続部51と導入管41とが接続されている部分は、滑らかに連なるように形成されている。この導入管41から接続部51にかけての管径拡張は中心軸方向で無段階となっている点で、導入管41と音響室32とが接続されている部分とは異なっている。接続部51の燃焼筒21への接続箇所は燃焼筒21の燃焼領域を含む部分、又は、燃焼領域よりも下流側の部分とされていることが好ましい。
上記の構成により、音響空間Rは導入管41内部の空間を介して燃焼筒21内部の空間へと接続されることとなる。また、上記構成の音響デバイスは、音響室32、導入管41及び接続部51がいずれも横断面が円形であって、中心軸を共有する円筒形である。このため、周方向においてデバイス全体が均等に振動することが可能であり、さらに、応力集中が発生する箇所が少ないために強度的に有利でもある。接続部51と燃焼筒21とが接続されている部分についての構成は、後述する。
接続部51は、燃焼筒21及び導入管41とは別体の部材である。接続部51は、例えば、導入管41と同一素材の金属から成り、燃焼筒21及び導入管41とは溶接により接合されている。ここで、接続部51の燃焼筒21と接続する側の終端部の周縁部には燃焼筒21とのオーバーラップ部51Bを有している。オーバーラップ部51Bは、接続部51の燃焼筒21に接続される側の終端部の周縁部であって内周面側のみを、周縁から所定距離だけを全周に渡って切り欠いて形成されている。接続部51は、このオーバーラップ部51Bが燃焼筒21の外面に接するようにして設けられることとなる。ここで、本実施形態でのオーバーラップ部51Bは、上記切欠きの深さ(つまり、燃焼筒21に組み付けられたときは燃焼筒21の径方向長さ)は、燃焼筒21を構成する壁の厚さに等しい。この構成により、接続部51の内周面と燃焼筒21の内面とを滑らかに連なるように接続しつつ、接続箇所の強度を確保することができる。また、この構成により燃焼筒21の外部から容易に接続部51(又は音響デバイス31全体)を組み付けることができるとともに、組立時の位置決め作業が容易となるため、工作性が向上する。さらに、本実施形態では、一例として、燃焼筒21には切欠きを構成せず、相対的に肉厚とした接続部51の周縁部のみに切欠きを設けている。このことは、上記の利点に加え、すでに組み立てが完了した燃焼筒に対して、孔を開口させる以外の特段の作業工程を発生させずに、音響デバイスを取り付けることができるという点でも、工作上有利である。
次に第二実施形態について図5を参照して説明する。第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態は、第一実施形態と比較し、接続部52の構成が異なっている。
本実施形態では、接続部内面52Aにおける凸曲面の曲率が、前記燃焼ガスの流通方向下流側に向かうにしたがって、小さい値となっている。つまり、前記燃焼ガスの流通方向下流側に向かうにしたがって、緩慢な曲面となっている。一例として、曲率半径rrのうち、燃焼ガス流Bの流通方向下流側の曲率半径である下流側凸曲面曲率半径rr2が、上流側の曲率半径である上流側凸曲面曲率半径rr1よりも大きい値となっている。
次に第三実施形態について図6を参照して説明する。第三実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第三実施形態は、第一実施形態と比較し、接続部53の構成が異なっている。
本実施形態では、接続部53は、燃焼ガス流通方向上流側の内面に、凸曲面の一部が燃焼筒23の中心軸線O2方向に向かって隆起した凸曲面隆起部63を備えている。本実施形態では、一例として、凸曲面隆起部63は接続部53の肉厚の部分として形成されている。
さらに、上記構成による接続部53における燃焼ガス流Bの流れ方向上流側の凸曲面隆起部63によって、該隆起を避けるように、燃焼筒23周方向にそれて燃焼ガス流Bが導かれることとなる。
上述の作用により、接続部下流側凸曲面53Abに対しての衝突の集中が緩和される。そのため、当該部分の過熱や応力集中を抑制することができ、燃焼器の信頼性を高めることができる。また、接続部53の肉厚の部分として形成されているため、強度的に有利であり、かつ、特段の部品点数を増やすことなく上記の効果を得ることができる。
例えば、音響デバイス31は箱型の音響室32を備えるものとしたが、燃焼筒の周方向に巻きつけられて設けられた円筒状であってもよい。
また、第三実施形態における凸曲面隆起部63は、接続部53の肉厚の部分として形成されているとしたが、これに限られるものではない。例えば、凸曲面隆起部付近であっても、他の接続部53を構成する部材と共通の厚さとなるように構成してもよい。
11、12、13 燃焼器
4 圧縮機
14 圧縮機ロータ
24 圧縮機ケーシング
34 圧縮機動翼
44 圧縮機静翼
5 タービン
15 タービンロータ
25 タービンケーシング
35 タービン動翼
45 タービン静翼
6 ロータ
7 空気取込口
8 車室
21、22、23 燃焼筒
21A 、22A、23A、 燃焼筒内面
31 音響デバイス
32 音響室
41、42、43 導入管
41A、42A、43A 導入管内周面
41B 導入管燃焼筒側端部
51、52、53 接続部
51A、52A 接続部内面
51Aa 接続部上流側凸曲面
52Aa 接続部上流側凸曲面
52Ab 接続部下流側凸曲面
53Ab 接続部下流側凸曲面
51B オーバーラップ部
63 凸曲面隆起部
F 流体流通方向
B 燃焼ガス流
R 音響空間
r1、rr 凸曲面曲率半径
r2 接続部半径
r0 導入管の内径の半径
A1 接続部投影面積
A0 導入管内面積
O1 ガスタービン回転軸線
O2 燃焼筒中心軸線
O3 導入管中心軸線
Or 凸曲面曲率中心
Or1 上流側凸曲面曲率中心
Or2 下流側凸曲面曲率中心
rr1 上流側凸曲面曲率半径
rr2 下流側凸曲面曲率半径
Claims (7)
- 圧縮空気を生成する圧縮機と、
前記圧縮空気を燃焼させて燃焼ガスを発生させる燃焼器と、
前記燃焼ガスによって駆動されるタービンと、
を備え、
前記燃焼器は、
前記燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、
前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部を有する音響デバイスと、
を備え、
前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられているガスタービン。 - 前記接続部内面における凸曲面の曲率が、前記燃焼ガスの流通方向下流側と上流側で互いに異なる請求項1に記載のガスタービン。
- 前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有する請求項1に記載のガスタービン。
- 前記接続部内面における凸曲面の曲率半径r1と、前記導入管の内径の半径r0が、3r0≧r1≧0.2r0で表される関係にある請求項1に記載のガスタービン。
- 前記接続部が前記導入管の中心軸方向に見て円形又は燃焼筒内面に沿う任意の方向に延びる長軸を有する楕円形であり、該円形の半径又は該楕円形の長軸半径であるr2と、前記導入管の内径の半径r0が、4r0≧r2≧r0で表される関係にある請求項1に記載のガスタービン。
- 前記接続部の前記導入管の中心軸方向視における投影面積A1と、前記導入管の内面積A0とが、12A0≧A1≧A0で表される関係にある請求項1に記載のガスタービン。
- 燃焼ガスが流通する筒状の燃焼筒と、
前記燃焼筒の外周面に、一端が前記燃焼筒の内側に連通するように接続された導入管、該導入管の他端に連通状態で接続されて内部に音響空間が形成された音響空間形成部、及び、前記導入管の一端と前記燃焼筒との間に設けられて、内面が前記燃焼筒の内周面に連なるとともに前記導入管に向かうに従って凸曲面状に縮径する接続部を有する音響デバイスと、
を備え、
前記接続部の前記導入管の中心軸線を含む面の断面視にて、前記接続部の前記燃焼ガスの流通方向下流側の内面における凸曲面の曲率中心が、上流側の内面における凸曲面の曲率中心よりも、前記燃焼筒の径方向外側に設けられており、
前記接続部内面における凸曲面の一部に前記燃焼筒の中心軸線に向かって隆起している隆起部を有する燃焼器。
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