JP6978231B2 - 省エネルギー効果算出装置および方法 - Google Patents
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Description
したがって、新たな施策を長期にわたり実施することなく、説得性があって信頼が得られる省エネルギー効果を算出することが可能となる。
まず、本発明の原理について説明する。ビル、工場やプラントなどエネルギーを消費する施設の空調設備や生産設備について、実施した省エネルギー施策の省エネルギー効果を算出するには、施策の実施前後におけるエネルギー消費量を比較することが、基本的な考え方となる。一方、現場の設備管理者は、設備の省エネルギー効果を検証する上で、特定の運転環境下、例えば外気温度が高い日、低い日、ほぼ一定の日など、検証したい運転環境を想定している。設備を熟知している設備管理者であれば、検証したい運転環境として具体的な日付を想定している場合もある。
これにより、新たな施策を長期にわたり実施することなく、説得性があって信頼が得られる省エネルギー効果を算出することが可能となる。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる省エネルギー効果算出装置10について説明する。図1は、省エネルギー効果算出装置の構成を示すブロック図である。
この省エネルギー効果算出装置10は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、設備Fを管理する設備管理システムSから取得した運転履歴データに基づいて、設備Fで新たに実施した施策により得られる省エネルギー効果を算出する装置である。
操作入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出し、各機能部へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、処理メニュー、設定入力画面、省エネルギー効果算出結果画面など、各種の情報を画面表示する機能を有している。
データ収集部15は、通信I/F部11および通信ネットワークNWを介して設備管理システムSから設備Fの運転履歴データを収集し、運転履歴DB14に登録する機能を有している。
次に、図3を参照して、本実施の形態にかかる省エネルギー効果算出装置10の動作について説明する。図3は、省エネルギー効果算出処理を示すフローチャートである。ここでは、候補事例の特定に用いる類似度として、外的要因データの時系列データに関する類似度を用いる場合を例として説明するが、エネルギー消費量の時系列データに関する類似度を用いる場合も同様である。
この後、候補事例特定部18は、残りの算出対象事例および基準事例に含まれる時系列データのうち、時刻条件に該当する時刻の時系列データに基づいて、算出対象事例ごとに基準事例との類似度を計算し(ステップ106)、算出対象事例のうちから、類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定する(ステップ107)。
続いて、算出対象期間の各日のうち曜日条件に回答する曜日の運転履歴データが算出対象事例#1,#2,…,#Mが選択され、さらに時系列データが除外条件の判定基準に該当する算出対象事例が除外される。
この後、候補事例#1,#2,#3と基準事例とが比較され、それぞれについて省エネルギー効果が算出される。
基準事例の時刻tにおけるエネルギー消費量をx(t)とし、候補事例の時刻tにおけるエネルギー消費量をy(t)とした場合、省エネルギー量A,Bは次の式(1)および式(2)で求められ、省エネルギー率Rは次の式(3)で求められる。
また、1つの候補日に関する省エネルギー効果だけではなく、異なる候補日に関する省エネルギー効果を複数表示することにより、設備管理者は、条件が異なる場合の省エネルギー効果も確認することができる。
このように、本実施の形態は、算出条件取得部16が、施策の実施期間から選択した基準日と、施策の非実施期間から選択した算出対象期間とを、省エネルギー効果の算出条件として取得し、事例選択部17が、運転履歴DB14から基準日に関する運転履歴データを基準事例として選択するとともに、運転履歴DB14から算出対象期間の各日に関する運転履歴データを算出対象事例として選択し、候補事例特定部18が、算出対象事例ごとに、当該算出対象事例と基準事例とに含まれる、エネルギー消費量または外的要因データの時系列データに関する類似度を計算し、算出対象事例のうちから、類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定し、省エネルギー効果算出部19が、候補事例ごとに、当該候補事例に含まれるエネルギー消費量を基準事例に含まれるエネルギー消費量と比較することにより、省エネルギー効果を算出するようにしたものである。
したがって、新たな施策を長期にわたり実施することなく、説得性があって信頼が得られる省エネルギー効果を算出することが可能となる。
これにより、他の曜日の影響を排除した、特定の曜日に関する省エネルギー効果を精度よく算出することができる。
これにより、他の時刻の影響を排除した、特定の時刻や時間帯に関する省エネルギー効果を精度よく算出することができる。
これにより、外的要因データやエネルギー消費量が任意の特徴を持つ事例を算出対象事例から除外することができ、ノイズの影響を抑えた省エネルギー効果を算出することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる省エネルギー効果算出装置10について説明する。本実施の形態では、複数のエネルギー種別のエネルギー消費量に関する時系列データに基づいて、類似度を計算する場合について説明する。
このように、本実施の形態は、候補事例特定部18が、算出対象事例と対応する類似度として、エネルギー種別ごとに、算出対象事例と基準事例に含まれるエネルギー消費量の時系列データに関する種別類似度を計算し、算出対象事例ごとに、当該算出対象事例の種別類似度を統合することにより統合類似度を算出し、算出対象事例のうちから、統合類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定するようにしたものである。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (5)
- 設備の運転履歴データに基づいて、前記設備で新たに実施した施策により得られる省エネルギー効果を算出する省エネルギー効果算出装置であって、
過去の運転日ごとに前記設備から得られた、前記設備の運転で消費したエネルギー消費量と前記エネルギー消費量を左右する外的要因を示す外的要因データとの時系列データを、前記運転履歴データとして蓄積する運転履歴DBと、
前記施策の実施期間から選択した基準日と、前記施策の非実施期間から選択した算出対象期間とを、省エネルギー効果の算出条件として取得する算出条件取得部と、
前記運転履歴DBから前記基準日に関する運転履歴データを基準事例として選択するとともに、前記運転履歴DBから前記算出対象期間の各日に関する運転履歴データを算出対象事例として選択する事例選択部と、
前記算出対象事例ごとに、当該算出対象事例と前記基準事例とに含まれる、前記エネルギー消費量または前記外的要因データの時系列データに関する類似度を計算し、前記算出対象事例のうちから、前記類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定する候補事例特定部と、
前記候補事例ごとに、当該候補事例に含まれるエネルギー消費量を前記基準事例に含まれるエネルギー消費量と比較することにより、前記省エネルギー効果を算出する省エネルギー効果算出部と
を備え、
前記候補事例特定部は、前記算出対象事例と対応する前記類似度として、エネルギー種別ごとに、前記算出対象事例と前記基準事例に含まれるエネルギー消費量の時系列データに関する種別類似度を計算し、前記算出対象事例ごとに、当該算出対象事例の前記種別類似度を標準化して統合することにより統合類似度を算出し、前記算出対象事例のうちから、前記統合類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定する
ことを特徴とする省エネルギー効果算出装置。 - 請求項1に記載の省エネルギー効果算出装置において、
前記算出条件取得部は、省エネルギー効果の算出対象となる曜日を曜日条件として取得し、
前記事例選択部は、前記算出対象事例を選択する際、前記算出対象期間の各日に関する運転履歴データのうち、前記曜日条件に該当する曜日の運転履歴データを前記算出対象事例として選択する
ことを特徴とする省エネルギー効果算出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の省エネルギー効果算出装置において、
前記算出条件取得部は、省エネルギー効果の算出対象となる時刻を時刻条件として取得し、
前記候補事例特定部は、前記類似度を計算する際、前記時系列データのうち前記時刻条件に該当する時刻の時系列データに基づいて前記類似度を計算し、
前記省エネルギー効果算出部は、前記省エネルギー効果を算出する際、前記エネルギー消費量のうち前記時刻条件に該当する時刻のエネルギー消費量に基づいて前記省エネルギー効果を算出する
ことを特徴とする省エネルギー効果算出装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の省エネルギー効果算出装置において、
前記算出条件取得部は、前記時系列データの値に関する判定基準を、省エネルギー効果の算出対象から除外すべき除外条件として取得し、
前記候補事例特定部は、前記算出対象事例のうち、当該算出対象事例に含まれる時系列データが前記除外条件の判定基準に該当する事例を、前記算出対象事例から除外する
ことを特徴とする省エネルギー効果算出装置。 - 設備の運転履歴データに基づいて、前記設備で新たに実施した施策により得られる省エネルギー効果を算出する省エネルギー効果算出装置で用いられる省エネルギー効果算出方法であって、
過去の運転日ごとに前記設備から得られた、前記設備の運転で消費したエネルギー消費量と前記エネルギー消費量を左右する外的要因を示す外的要因データとの時系列データを、前記運転履歴データとして蓄積する運転履歴DBと、
算出条件取得部が、前記施策の実施期間から選択した基準日と、前記施策の非実施期間から選択した算出対象期間とを、省エネルギー効果の算出条件として取得する算出条件取得ステップと、
事例選択部が、前記運転履歴DBから前記基準日に関する運転履歴データを基準事例として選択するとともに、前記運転履歴DBから前記算出対象期間の各日に関する運転履歴データを算出対象事例として選択する事例選択ステップと、
候補事例特定部が、前記算出対象事例ごとに、当該算出対象事例と前記基準事例とに含まれる前記エネルギー消費量または前記外的要因データの時系列データに関する類似度を計算し、前記算出対象事例のうちから、前記類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定する候補事例特定ステップと、
省エネルギー効果算出部が、前記候補事例ごとに、当該候補事例に含まれるエネルギー消費量を前記基準事例に含まれるエネルギー消費量と比較することにより、前記省エネルギー効果を算出する省エネルギー効果算出ステップと
を備え、
前記候補事例特定ステップは、前記算出対象事例と対応する前記類似度として、エネルギー種別ごとに、前記算出対象事例と前記基準事例に含まれるエネルギー消費量の時系列データに関する種別類似度を計算し、前記算出対象事例ごとに、当該算出対象事例の前記種別類似度を標準化して統合することにより統合類似度を算出し、前記算出対象事例のうちから、前記統合類似度が高い順に規定数分の事例を候補事例として特定する
ことを特徴とする省エネルギー効果算出方法。
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