JP6976341B2 - 近赤外線吸収有機顔料、樹脂組成物、近赤外線吸収有機顔料の製造方法、近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法、膜、積層体、近赤外線カットフィルタ、近赤外線透過フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ - Google Patents
近赤外線吸収有機顔料、樹脂組成物、近赤外線吸収有機顔料の製造方法、近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法、膜、積層体、近赤外線カットフィルタ、近赤外線透過フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ Download PDFInfo
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Description
<1> 波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有する近赤外線吸収有機顔料であって、
近赤外線吸収有機顔料は、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満であり、
近赤外線吸収有機顔料の平均一次粒子径が1〜200nmであり、
近赤外線吸収有機顔料の粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値が0.70〜0.98である、近赤外線吸収有機顔料;
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
<2> 近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1と、近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxが0.57〜0.9である、<1>に記載の近赤外線吸収有機顔料。
<3> 上記近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1と、近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxは、近赤外線吸収有機顔料の平均一次粒子径が1500nmである場合の値よりも5%以上高い、<1>または<2>に記載の近赤外線吸収有機顔料。
<4> 近赤外線吸収有機顔料は、波長650〜780nmの範囲に極大吸収波長を有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の近赤外線吸収有機顔料。
<5> 近赤外線吸収有機顔料の一次粒子の平均長短辺比が0.3〜0.99である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の近赤外線吸収有機顔料。
<6> 近赤外線吸収有機顔料が、ピロロピロール化合物およびスクアリリウム化合物から選ばれる少なくとも1種である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の近赤外線吸収有機顔料。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の近赤外線吸収有機顔料と、樹脂とを含む樹脂組成物。
<8> 更に、赤外線を透過させて可視光を遮光する色材を含む、<7>に記載の樹脂組成物。
<9> 波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有し、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満である近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値を0.70〜0.98とする、近赤外線吸収有機顔料の製造方法;
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
<10> 波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有し、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満である近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値を0.70〜0.98とする、近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法;
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
<11> ミリング処理後の近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1と、近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxは、ミリング処理前の近赤外線吸収有機顔料の値よりも5%以上高い、<10>に記載の近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法。
<12> <7>または<8>に記載の樹脂組成物を用いて得られる膜。
<13> 支持体上に<12>に記載の膜を有する積層体。
<14> 支持体が銅を含有するガラス基材である、<13>に記載の積層体。
<15> <12>に記載の膜を有する近赤外線カットフィルタ。
<16> <12>に記載の膜を有する近赤外線透過フィルタ。
<17> <12>に記載の膜を有する固体撮像素子。
<18> <12>に記載の膜を有する画像表示装置。
<19> <12>に記載の膜を有する赤外線センサ。
本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)をも包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定でのポリスチレン換算値として定義される。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Buはブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
本明細書において、近赤外線とは、波長700〜2500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において顔料とは、特定の溶剤に対して溶解しにくい化合物を意味する。例えば、顔料は、23℃の水100gおよび23℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度が0.1g以下であることが好ましく、0.01g以下であることがより好ましい。
本発明の近赤外線吸収有機顔料は、波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有する近赤外線吸収有機顔料であって、
上記近赤外線吸収有機顔料は、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満であり、
上記近赤外線吸収有機顔料の平均一次粒子径が1〜200nmであり、
上記近赤外線吸収有機顔料の粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値が0.70〜0.98であることを特徴とする。
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
近赤外線吸収有機顔料の一次粒子径の変動係数=(近赤外線吸収有機顔料の一次粒子径の標準偏差/近赤外線吸収有機顔料の一次粒子径の算術平均値)×100
近赤外線吸収有機顔料の長短辺比の変動係数=(近赤外線吸収有機顔料の長短辺比の標準偏差/近赤外線吸収有機顔料の長短辺比の算術平均値)×100
式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、R2およびR3は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R2およびR3は、互いに結合して環を形成してもよく、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR4AR4B、または金属原子を表し、R4は、R1a、R1bおよびR3から選ばれる少なくとも一つと共有結合もしくは配位結合していてもよく、R4AおよびR4Bは、各々独立に置換基を表す。R4AおよびR4Bは互いに結合して環を形成していてもよい。式(PP)の詳細については、特開2009−263614号公報の段落番号0017〜0047、特開2011−68731号公報の段落番号0011〜0036、国際公開WO2015/166873号公報の段落番号0010〜0024の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30のアルキニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30のアリール基)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30のアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30のアルコキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30のアリールオキシ基)、ヘテロアリールオキシ基、アシル基(好ましくは炭素数1〜30のアシル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30のアシルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30のアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30のアリールオキシカルボニルアミノ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30のスルファモイル基)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30のカルバモイル基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30のアルキルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜30)、ヘテロアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜30)、ヘテロアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30)、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基、カルボン酸アミド基、スルホン酸アミド基、イミド酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルスルフィノ基、アリールスルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基(好ましくは炭素数1〜30)。これらの基は、さらに置換可能な部位を有する基である場合、さらに置換基を有してもよい。さらなる置換基としては、上述した置換基Tで説明した基が挙げられる。
Ra1、Ra2およびRX1〜RX3が表す置換基としては、置換基Tが挙げられ、アルキル基、アリール基およびハロゲン原子が好ましい。
式中、X1は、O、S、NRX1またはCRX2RX3を表し、RX1〜RX3は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R101a〜R109aは、各々独立に水素原子または置換基を表す。*は連結手を表す。R101a〜R109aが表す置換基としては、置換基Tが挙げられる。X1は、OまたはSであることが好ましく、Oであることがより好ましい。
式中、R201a〜R227aは、各々独立して、水素原子または置換基を表し、*は連結手を表す。R201a〜R227aが表す置換基としては、置換基Tが挙げられる。
式(SQ)中、A1およびA2は、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または式(A−1)で表される基を表す;
式(A−1)中、Z1は、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、R2は、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、dは、0または1を表し、波線は連結手を表す。式(SQ)の詳細については、特開2011−208101号公報の段落番号0020〜0049、特許第6065169号公報の段落番号0043〜0062、国際公開WO2016/181987号公報の段落番号0024〜0040の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
環Aおよび環Bは、それぞれ独立に芳香族環を表し、
XAおよびXBはそれぞれ独立に置換基を表し、
GAおよびGBはそれぞれ独立に置換基を表し、
kAは0〜nAの整数を表し、kBは0〜nBの整数を表し、
nAおよびnBはそれぞれ環Aまたは環Bに置換可能な最大の基の数を表し、
XAとGA、XBとGB、XAとXBは、互いに結合して環を形成しても良く、GAおよびGBがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環構造を形成していても良い。
−(CH2)n1− ・・・(1)
式(1)中、n1は2または3である。
−(CH2)n2−O−(CH2)n3− ・・・(2)
式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
R1およびR2は、それぞれ独立して、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基およびアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した式(PP)で説明した置換基Tが挙げられる。
R3〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。
nは2または3である。
式(C)
式中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、縮環してもよい5員または6員の含窒素複素環を形成する非金属原子団であり、
R101およびR102は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基を表し、
L1は、奇数個のメチン基を有するメチン鎖を表し、
aおよびbは、それぞれ独立に、0または1であり、
aが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが二重結合で結合し、bが0の場合は、炭素原子と窒素原子とが単結合で結合し、
式中のCyで表される部位がカチオン部である場合、X1はアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位がアニオン部である場合、X1はカチオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、式中のCyで表される部位の電荷が分子内で中和されている場合、cは0である。
次に、本発明の近赤外線吸収有機顔料の製造方法について説明する。
本発明の近赤外線吸収有機顔料の製造方法は、波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有し、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満である近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、粉末X線回折スペクトルにおいて上記式で表される結晶化度の値が0.70〜0.98となるようにすることを特徴とする。
混練研磨後の混練物は、水、酸、アルカリなどによる洗浄等、公知の精製法によって精製することで、微細化された近赤外線吸収有機顔料が単離される。環境負荷低減という理由から水洗処理を行って単離することが好ましい。水洗処理後は水を含んだ状態の近赤外線吸収有機顔料をそのまま使用してもよく、乾燥処理を行って、水分を低減させたものを用いてもよい。乾燥処理方法は特に限定はないが、生産性向上の観点から熱風乾燥で行うことが好ましい。また、乾燥処理を行う場合、近赤外線吸収有機顔料の含水率を5%以下とすることが好ましく、2%以下とすることがより好ましい。
次に、本発明の近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法について説明する。本発明の近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法は、波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有し、波長550nmにおける吸光度A550と極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満である近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、粉末X線回折スペクトルにおいて上記式で表される結晶化度の値が0.70〜0.98となるようにすることを特徴とする。
本発明によれば、上述の近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値を0.70〜0.98とすることにより、極大吸収波長近傍における吸収性がミリング処理前の状態に比べて向上し、より広い範囲の近赤外線を吸収させることができる。
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物は、上述した本発明の近赤外線吸収有機顔料と、樹脂とを含む。
本発明の樹脂組成物は、上述した本発明の近赤外線吸収有機顔料を含有する。本発明の近赤外線吸収有機顔料の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜60質量%が好ましい。下限は、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。上限は、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、樹脂を含有する。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を組成物中で分散させる用途やバインダーの用途で配合される。なお、主に顔料などの粒子を分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で樹脂を使用することもできる。
式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1〜30の有機基を表す。式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
式(X)において、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
また、酸基を有する樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜80質量%が好ましい。上限は、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が更により好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。
また、分散剤としての樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜40質量%が好ましい。上限は、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下がより好ましく、75質量部以下が更に好ましい。下限は、2.5質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上述した近赤外線吸収有機顔料以外の近赤外線吸収剤(他の近赤外線吸収剤ともいう)をさらに含んでもよい。他の近赤外線吸収化合物としては染料が挙げられる。化合物種としては、例えば、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、リレン化合物、メロシアニン化合物、クロコニウム化合物、オキソノール化合物、ジイモニウム化合物、ジチオール化合物、トリアリールメタン化合物、ピロメテン化合物、アゾメチン化合物、アントラキノン化合物、ジベンゾフラノン化合物、銅化合物などが挙げられる。他の近赤外線吸収剤の市販品としては、例えば、SDO−C33(有本化学工業(株)製)、イーエクスカラーIR−14、イーエクスカラーIR−10A、イーエクスカラーTX−EX−801B、イーエクスカラーTX−EX−805K((株)日本触媒製)、ShigenoxNIA−8041、ShigenoxNIA−8042、ShigenoxNIA−814、ShigenoxNIA−820ShigenoxNIA−839(ハッコーケミカル社製)、EpoliteV−63、Epolight3801、Epolight3036(EPOLIN社製)、PRO−JET825LDI(富士フイルム(株)製)、NK−3027、NK−5060((株)林原製)、YKR−3070(三井化学(株)製)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、有彩色着色剤を含有することができる。本発明において、有彩色着色剤とは、白色着色剤および黒色着色剤以外の着色剤を意味する。有彩色着色剤は、極大吸収波長が400nm以上650nm未満の範囲にある着色剤が好ましい。有彩色着色剤は、顔料であってもよく、染料であってもよい。好ましくは顔料である。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
これら有機顔料は、単独で用いる、あるいは、2種以上を組合せて用いることができる。
有彩色着色剤の含有量は、近赤外線吸収有機顔料の100質量部に対し、10〜1000質量部が好ましく、50〜800質量部がより好ましい。
また、有彩色着色剤と近赤外線吸収有機顔料と上述した他の近赤外線吸収剤との合計量は、樹脂組成物の全固形分に対して1〜80質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。本発明の樹脂組成物が、有彩色着色剤を2種以上含む場合、それらの合計量が上記範囲内であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、赤外線を透過させて可視光を遮光する色材(以下、可視光を遮光する色材ともいう)を含有することもできる。
本発明において、可視光を遮光する色材は、紫色から赤色の波長領域の光を吸収する色材であることが好ましい。また、本発明において、可視光を遮光する色材は、波長450〜650nmの範囲の光を遮光する色材であることが好ましい。また、可視光を遮光する色材は、波長900〜1300nmの範囲の光を透過する色材であることが好ましい。
本発明において、可視光を遮光する色材は、以下の(A)および(B)の少なくとも一方の要件を満たすことが好ましい。
(A):2種類以上の有彩色着色剤を含み、2種以上の有彩色着色剤の組み合わせで黒色を形成している。
(B):有機系黒色着色剤を含む。
(1)黄色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
(2)黄色着色剤、青色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
(3)黄色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
(4)黄色着色剤および紫色着色剤を含有する態様。
(5)緑色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
(6)紫色着色剤およびオレンジ色着色剤を含有する態様。
(7)緑色着色剤、紫色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
(8)緑色着色剤および赤色着色剤を含有する態様。
また、本発明の樹脂組成物は、可視光を遮光する色材を実質的に含有しないことも好ましい。可視光を遮光する色材を実質的に含有しないとは、可視光を遮光する色材の含有量が、樹脂組成物の全固形分に対して0.05質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがより好ましく、可視光を遮光する色材を含有しないことがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、顔料誘導体を含有することができる。顔料誘導体としては、色素骨格に、酸基および塩基性基から選ばれる少なくとも1種の基が結合した化合物が挙げられる。顔料誘導体としては、式(B1)で表される化合物が好ましい。
式(B1)中、Pは色素骨格を表し、Lは単結合または連結基を表し、Xは酸基または塩基性基を表し、mは1以上の整数を表し、nは1以上の整数を表し、mが2以上の場合は複数のLおよびXは互いに異なっていてもよく、nが2以上の場合は複数のXは互いに異なっていてもよい。
Xが表す塩基性基としてはアミノ基が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、溶剤を含有することができる。溶剤としては、水、有機溶剤が挙げられる。溶剤は、各成分の溶解性や樹脂組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、樹脂組成物の塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、硬化性化合物を含有することが好ましい。硬化性化合物としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の化合物を用いることができる。硬化性化合物としては、例えば、重合性化合物、エポキシ基を有する化合物などが挙げられる。重合性化合物としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物が挙げられる。重合性化合物は、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する基を2個以上有する化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を3個以上有する化合物であることがより好ましい。重合性化合物におけるエチレン性不飽和結合を有する基の個数の上限は、たとえば、15個以下が好ましく、6個以下がより好ましい。重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。重合性化合物は、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーが好ましい。重合性化合物の分子量は、100〜3000が好ましい。上限は、2000以下がより好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上が更に好ましい。また、重合性化合物は、分子量分布を実質的に有さない化合物であることも好ましい。ここで、分子量分布を実質的に有さない化合物としては、化合物の分散度(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が、1.0〜1.5である化合物が好ましく、1.0〜1.3がより好ましい。重合性化合物については、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜0108、特開2013−29760号公報の段落0225〜0258、特開2008−292970号公報の段落番号0254〜0257の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、重合性化合物としては、特開2017−48367号公報、特許第6057891号公報、特許第6031807号公報に記載されている化合物を用いることもできる。
また、重合性化合物としては、8UH−1006、8UH−1012(以上、大成ファインケミカル(株)製)、ライトアクリレートPOB−A0(共栄社化学(株)製)などを用いることもできる。
本発明の樹脂組成物は、硬化性化合物としてエポキシ基を有する化合物を含有することができる。エポキシ基を有する化合物としては、1分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物が好ましい。エポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を2〜100個有する化合物であることが好ましい。エポキシ基の上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。
本発明の樹脂組成物が硬化性化合物として重合性化合物と、エポキシ基を有する化合物を含有する場合、重合性化合物とエポキシ基を有する化合物との質量比は、重合性化合物の質量:エポキシ基を有する化合物の質量=100:1〜100:400が好ましく、100:1〜100:100がより好ましく、100:1〜100:50がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することができる。特に、本発明の樹脂組成物が重合性化合物を含む場合、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物などが挙げられる。光重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3−アリール置換クマリン化合物が好ましく、オキシム化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましい。光重合開始剤としては、特開2014−130173号公報の段落0065〜0111の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)が挙げられる。中でも、p−メトキシフェノールが好ましい。重合禁止剤の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%が好ましい。また、重合禁止剤の含有量は、重合性化合物の100質量部に対し、0.001〜1質量部であることが好ましい。上限は、0.5質量部以下がより好ましく、0.2質量部以下が更に好ましい。下限は、0.01質量部以上がより好ましく、0.03質量部以上が更に好ましい。本発明の樹脂組成物は、重合禁止剤を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。重合禁止剤を2種類以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、共役ジエン化合物、アミノブタジエン化合物、メチルジベンゾイル化合物、クマリン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物などを用いることができる。これらの詳細については、特開2012−208374号公報の段落番号0052〜0072、特開2013−68814号公報の段落番号0317〜0334の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。共役ジエン化合物の市販品としては、例えば、UV−503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としてはミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。紫外線吸収剤としては、式(UV−1)〜式(UV−3)で表される化合物が好ましく、式(UV−1)または式(UV−3)で表される化合物がより好ましく、式(UV−1)で表される化合物が更に好ましい。
式(UV−2)において、R201及びR202は、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表し、R203及びR204は、各々独立に、置換基を表す。
式(UV−3)において、R301〜R303は、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表し、R304及びR305は、各々独立に、置換基を表す。
本発明の樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応及び縮合反応の少なくともいずれかによってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基は、樹脂との間で相互作用もしくは結合を形成して親和性を示す基が好ましい。例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、ウレイド基、スルフィド基、イソシアネート基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。シランカップリング剤は、特開2009−288703号公報の段落番号0018〜0036に記載の化合物、特開2009−242604号公報の段落番号0056〜0066に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、国際公開WO2015/166779号公報の段落番号0238〜0245を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。上記の化合物中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
本発明の樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられる。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。フェノール性水酸基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1〜22の置換又は無置換のアルキル基が好ましい。また、酸化防止剤は、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。また、酸化防止剤は、リン系酸化防止剤も好適に使用することができる。リン系酸化防止剤としてはトリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、亜リン酸エチルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)などが挙げられる。酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−50F、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−60G、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−330(以上、(株)ADEKA)などが挙げられる。また、酸化防止剤として、国際公開WO17/006600号公報に記載された多官能ヒンダードアミン酸化防止剤を用いることもできる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、増感剤、硬化促進剤、フィラー、熱硬化促進剤、可塑剤及びその他の助剤類(例えば、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、香料、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を含有してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、膜物性などの性質を調整することができる。これらの成分は、例えば、特開2012−003225号公報の段落番号0183以降(対応する米国特許出願公開第2013/0034812号明細書の段落番号0237)の記載、特開2008−250074号公報の段落番号0101〜0104、0107〜0109等の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、潜在酸化防止剤を含有してもよい。潜在酸化防止剤としては、酸化防止剤として機能する部位が保護基で保護された化合物であって、100〜250℃で加熱するか、又は酸/塩基触媒存在下で80〜200℃で加熱することにより保護基が脱離して酸化防止剤として機能する化合物が挙げられる。潜在酸化防止剤としては、国際公開WO2014/021023号公報、国際公開WO2017/030005号公報、特開2017−008219号公報に記載された化合物が挙げられる。市販品としては、アデカアークルズGPA−5001((株)ADEKA製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、前述の成分を混合して調製できる。樹脂組成物の調製に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解または分散して樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜配合した2つ以上の溶液または分散液をあらかじめ調製し、使用時(塗布時)にこれらを混合して樹脂組成物として調製してもよい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度であり、さらに好ましくは0.05〜0.5μm程度である。フィルタの孔径が上記範囲であれば、微細な異物を確実に除去できる。また、ファイバ状のろ材を用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。具体的には、ロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジが挙げられる。
また、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社(DFA4201NXEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)または株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、第1のフィルタと同様の素材で形成されたものを使用することができる。
また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみに対して行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。
次に、本発明の膜について説明する。本発明の膜は、上述した本発明の樹脂組成物を用いてなるものである。本発明の膜は、近赤外線カットフィルタや、近赤外線透過フィルタなどに好ましく用いることができる。本発明の膜は、パターンを有していてもよく、パターンを有さない膜(平坦膜)であってもよい。
本発明の積層体は、支持体上に本発明の膜を有する。支持体としては、透明基材が挙げられ、ガラス基材であることが好ましく、銅を含有するガラス基材であることがより好ましい。特に本発明の膜を近赤外線カットフィルタとして用いる場合、本発明の膜を、銅を含有するガラス基材に積層することで、幅広い範囲の近赤外線を遮光することができる。
次に、本発明の近赤外線カットフィルタについて説明する。本発明の近赤外線カットフィルタは、上述した本発明の膜を有する。本発明の近赤外線カットフィルタにおいて、上述した本発明の膜は、支持体上に積層されていてもよい。この近赤外線カットフィルタは、固体撮像素子の用途に好ましく用いることができる。支持体としては、透明基材が挙げられる。また、支持体と本発明の膜との密着性を高めるため、支持体の表面には下地層などが設けられていてもよい。また、本発明の膜をガラス基材に積層して用いる場合においては、本発明の膜は、シランカップリング剤および/またはエポキシ基を有する化合物を含む組成物を用いて形成してなる膜であることが好ましい。この態様によれば、ガラス基材と本発明の膜との密着性をより強固にすることができる。
(1)層A/層B/層C
(2)層A/層C/層B
(3)層C/層A/層B
(4)層B/層A/層B/層C
(5)層C/層A/層B/層C
(6)層B/層A/層C/層B
(7)層C/層A/層C/層B
(8)層C/層B/層A/層B/層C
(9)層C/層B/層A/層C/層B
(10)層B/層C/層A/層C/層B
次に、本発明の近赤外線透過フィルタについて説明する。本発明の近赤外線透過フィルタは、上述した本発明の膜を有する。近赤外線透過フィルタとしては、例えば、可視光を遮光し、波長900nm以上の光を透過するフィルタが挙げられる。具体的な一例として、波長400〜830nmの範囲の光の透過率の最大値が20%以下であり、波長1000〜1300nmの範囲の光の透過率の最小値が80%以上である分光特性を有するフィルタが挙げられる。本発明の近赤外線カットフィルタにおいて、上述した本発明の膜は、支持体上に積層されていてもよい。支持体としては、上述したシリコンなどの半導体基材や、透明基材が挙げられる。本発明の近赤外線透過フィルタは、本発明の膜を用いた画素と、赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアン、黒および無色から選ばれる画素とを有する態様も好ましい。本発明の近赤外線透過フィルタにおいて、上述した本発明の膜はパターンを有していてもよく、パターンを有さない膜(平坦膜)であってもよい。
次に、本発明の膜の製造方法について説明する。本発明の膜は、本発明の樹脂組成物を塗布する工程を経て製造できる。
フォトリソグラフィ法でのパターン形成方法は、本発明の樹脂組成物を塗布して形成した組成物層に対しパターン状に露光する工程(露光工程)と、未露光部の組成物層を現像除去してパターンを形成する工程(現像工程)と、を含むことが好ましい。
露光工程では組成物層をパターン状に露光する。例えば、組成物層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して露光することで、組成物層をパターン露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく、i線がより好ましい。照射量(露光量)は、例えば、0.03〜2.5J/cm2が好ましく、0.05〜1.0J/cm2がより好ましく、0.08〜0.5J/cm2が最も好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%、5体積%、実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%、30体積%、50体積%)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m2〜100000W/m2(例えば、5000W/m2、15000W/m2、35000W/m2)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m2、酸素濃度35体積%で照度20000W/m2などとすることができる。
次に、露光後の組成物層における未露光部の組成物層を現像除去してパターンを形成する。未露光部の組成物層の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、露光工程における未露光部の組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが支持体上に残る。現像液としては、下地の固体撮像素子や回路などにダメージを与えない、アルカリ現像液が望ましい。現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、更に新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
ドライエッチング法でのパターン形成は、支持体上の組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、この硬化物層上にパターニングされたフォトレジスト層を形成し、次いで、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとして硬化物層に対してエッチングガスを用いてドライエッチングするなどの方法で行うことができる。フォトレジスト層の形成においては、更にプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジスト層の形成プロセスとしては、露光後の加熱処理、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013−064993号公報の段落番号0010〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明の膜を有する。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の膜を有する構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はない。例えば、以下のような構成が挙げられる。
本発明の画像表示装置は、本発明の膜を含む。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。画像表示装置は、白色有機EL素子を有するものであってもよい。白色有機EL素子としては、タンデム構造であることが好ましい。有機EL素子のタンデム構造については、特開2003−45676号公報、三上明義監修、「有機EL技術開発の最前線−高輝度・高精度・長寿命化・ノウハウ集−」、技術情報協会、326−328ページ、2008年などに記載されている。有機EL素子が発光する白色光のスペクトルは、青色領域(430〜485nm)、緑色領域(530〜580nm)および黄色領域(580〜620nm)に強い極大発光ピークを有するものが好ましい。これらの発光ピークに加えさらに赤色領域(650〜700nm)に極大発光ピークを有するものがより好ましい。
本発明の赤外線センサは、上述した本発明の膜を有する。本発明の赤外線センサの構成としては、本発明の膜を有する構成であり、赤外線センサとして機能する構成であれば特に限定はない。
図1において、符号110は、固体撮像素子である。固体撮像素子110の撮像領域上には、近赤外線カットフィルタ111と、近赤外線透過フィルタ114が配置されている。また、近赤外線カットフィルタ111上には、カラーフィルタ112が積層している。カラーフィルタ112および近赤外線透過フィルタ114の入射光hν側には、マイクロレンズ115が配置されている。マイクロレンズ115を覆うように平坦化層116が形成されている。
<近赤外線吸収有機顔料の製造>
下記の表に記載の顔料、摩砕剤および粘結剤をラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)に投入し、装置中の混練物の温度が下記表に記載の温度(ミリング温度)になるように温度コントロールして、下記表に記載のミリング時間にて混練した。
混練研磨後の混練物を、24℃の水10Lで水洗処理して摩砕剤および粘結剤を取り除き、加熱オーブンで80℃24時間の乾燥処理を行って、ミリング顔料である近赤外線吸収有機顔料(実施例1〜5)を得た。
なお、比較例1は、ミリング処理を行っていない近赤外線吸収有機顔料である。
(顔料)
顔料1:下記構造の化合物(近赤外線吸収有機顔料である)
顔料2:下記構造の化合物(近赤外線吸収有機顔料である)
(摩砕剤)
摩砕剤1:中性無水芒硝E(平均粒子径(体積基準の50%径(D50))=20μm、三田尻化学製)
摩砕剤2:ナクルUM(平均粒子径(体積基準の50%径(D50))=50μm、ナイカイ塩業製)
(粘結剤)
DEG:ジエチレングリコール
(近赤外線吸収有機顔料の平均一次粒子径の測定)
実施例1〜5、比較例1の近赤外線吸収有機顔料の一次粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から平均一次粒子径を求めた。具体的には、近赤外線吸収有機顔料の一次粒子の投影面積を求め、それに対応する円相当径を近赤外線吸収有機顔料の一次粒子径とした。400個の近赤外線吸収有機顔料の一次粒子についての一次粒子径の算術平均値を平均一次粒子径とした。
実施例1〜5、比較例1の近赤外線吸収有機顔料の一次粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から平均長短辺比を求めた。具体的には、投影された写真から、近赤外線吸収有機顔料の一次粒子の短辺と長辺との比(短辺/長辺)を求めて、長短辺比を算出した。
測定装置として、リガク製 試料水平型強力X線回折装置 RINT−TTR IIIを使用し、回折角度2θ=5°〜55°、電圧50kV、電流300mA、スキャンスピード4°/min、ステップ間隔0.1、スリット(散乱0.05mm、発散10mm、受光0.15mm)の条件で、実施例1〜5、比較例1の近赤外線吸収有機顔料の粉末X線回折スペクトルを測定した。
粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角度2θが5〜15°の領域で最も低い点と、25〜35°の領域で最も低い点を結んだ直線をベースラインとし、粉末X線回折スペクトルの実測値からベースラインの値を引いたスペクトル補正値を用いて、下記式を用いて結晶化度を測定した。
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
なお、半値全幅が1°以下のピークを結晶に由来するピークとする。また半値全幅が3°を超えるピークをアモルファスに由来するピークとする。
実施例および比較例の近赤外線吸収有機顔料の3.13質量部と、顔料誘導体1の0.63質量部と、分散剤1の2.25質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の44質量部と、直径0.5mm径のジルコニアビーズの66質量部とを混合し、ペイントシェーカーで120分間分散処理を行った後、ジルコニアビーズをデカンテーションで分離して、分散液を調製した。
この試料溶液を、塗布後の膜厚が0.3μmになるように、ガラス基材上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次にi線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い1000mJ/cm2で露光した。さらに、ホットプレートを用いて220℃で5分間加熱し、膜を形成した。膜が形成された基板に対して、分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、極大吸収波長、極大吸収波長における吸光度Amax、波長550nmにおける吸光度A550、極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1をそれぞれ測定し、吸光度A550と吸光度Amaxとの比であるA550/Amax、吸光度A1と吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxをそれぞれ算出した。A550/Amaxの値が小さいほど可視透明性に優れることを意味する。また、A1/Amaxの値が1に近いほど極大吸収波長近傍の広い範囲における吸収性に優れ、近赤外線遮蔽性に優れることを意味する。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液A−1)
下記原料を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、顔料分散液A−1を調製した。
実施例1の近赤外線吸収有機顔料・・・5.35質量部
顔料誘導体1・・・2.15質量部
分散剤1・・・6.0質量部
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)・・・・86.5質量部
実施例1の近赤外線吸収有機顔料の代わりに、実施例2の近赤外線吸収有機顔料を用いた以外は顔料分散液A−1と同様の方法で顔料分散液A−2を調製した。
実施例1の近赤外線吸収有機顔料の代わりに、実施例3の近赤外線吸収有機顔料を用いた以外は顔料分散液A−1と同様の方法で顔料分散液A−3を調製した。
実施例1の近赤外線吸収有機顔料の代わりに、実施例4の近赤外線吸収有機顔料を用いた以外は顔料分散液A−1と同様の方法で顔料分散液A−4を調製した。
実施例1の近赤外線吸収有機顔料の代わりに、実施例5の近赤外線吸収有機顔料を用いた以外は顔料分散液A−1と同様の方法で顔料分散液A−5を調製した。
実施例1の近赤外線吸収有機顔料の代わりに、比較例1の近赤外線吸収有機顔料を用いた以外は顔料分散液A−1と同様の方法で顔料分散液A−6を調製した。
顔料分散液A−1〜A−6:上述した顔料分散液A−1〜A−6
色材B−1、B−2:下記構造の化合物
アルカリ可溶性樹脂1:下記構造の樹脂(Mw=41000、主鎖に付記した数値はモル比である。)
樹脂1:以下の方法で合成した樹脂(固形分濃度35質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)
ベンジルメタクリレート14g、N−フェニルマレイミド12g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15g、スチレン10g 及びメタクリル酸20gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200gに溶解し、更に2,2’−アゾイソブチロニトリル3g及びα−メチルスチレンダイマー5gを投入した。反応容器内を窒素パージ後、攪拌及び窒素バブリングしながら80℃で5時間加熱して樹脂1を合成した。
添加剤1:ビス−(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホナート
エポキシ化合物1:EPICLON N−695(DIC(株)製)
重合性化合物4:群栄化学工業社製レヂトップC−357(固形分濃度20質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)
界面活性剤1:下記化合物(Mw=14000)。下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
界面活性剤2:FTX‐218D((株)ネオス製)
有機溶剤1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
有機溶剤2:シクロヘキサノン
樹脂組成物を、塗布後の膜厚が0.3μmになるように、ガラス基材上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次にi線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い1000mJ/cm2で露光した。さらに、ホットプレートを用いて220℃で5分間加熱し、膜を形成した。
膜が形成された基板に対して、分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、極大吸収波長、極大吸収波長における吸光度Amax、波長550nmにおける吸光度A550、極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1をそれぞれ測定し、吸光度A550と吸光度Amaxとの比であるA550/Amax、吸光度A1と吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxをそれぞれ算出した。A550/Amaxの値が小さいほど可視透明性に優れることを意味する。また、A1/Amaxの値が1に近いほど極大吸収波長近傍の広い範囲における吸収性に優れ、近赤外線遮蔽性に優れることを意味する。なお、実施例101〜105、比較例101は、いずれも波長650〜780nmの範囲に極大吸収波長を有していた。
入射角を膜面に対し垂直(角度0度)及び40度に変化させ、波長600nm以上の可視領域から近赤外領域における、分光透過率の低下によるスロープの透過率が50%となる波長のシフト量を、下記基準に従って評価した。
A:波長のシフト量が5nm未満
B:波長のシフト量が5nm以上20nm未満
C:波長のシフト量が20nm以上
<顔料分散液の調製>
下記の原料を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、顔料分散液B−1〜B−7を調製した。
赤色顔料(C.I.Pigment Red 254)と黄色顔料(C.I.Pigment Yellow 139との混合顔料(赤色顔料:黄色顔料=12.5:5.5(質量比))・・・18.0質量部
分散剤1・・・8.1質量部
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)・・・73.1質量部
青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:6)と紫色顔料(C.I.Pigment Violet 23)との混合顔料(青色顔料:紫色顔料=14.3:3.7(質量比))・・・18.0質量部
分散剤1・・・3.1質量部
アルカリ可溶性樹脂2・・・5.0質量部
シクロヘキサノン・・・31.2質量部
PGMEA・・・42.7質量部
青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:6)・・・12.5質量部
・分散剤2・・・4.4質量部
・PGMEA・・・83.01質量部
黄色顔料(C.I.Pigment Yellow 139)・・・11.0質量部
・分散剤2・・・4.4部
・顔料誘導体2・・・1.59質量部
・PGMEA・・・83.01質量部
青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:6)・・・10.0質量部
紫色顔料(C.I.Pigment Violet 23)・・・2.5質量部
分散剤2・・・4.4質量部
PGMEA・・83.01質量部
黒色顔料(Irgaphor Black)・・・12.59質量部
分散剤3・・・4.4質量部
PGMEA・・・83.01質量部
黒色顔料(C.I.Pigment Black 32)・・・12.59質量部
分散剤2・・・4.4質量部
PGMEA・・・83.01質量部
分散剤1:上述した分散剤1
分散剤2:下記構造の樹脂(Mw=24000、主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である)
分散剤3:下記構造の樹脂(Mw=20000、主鎖に付記した数値はモル比であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である)
アルカリ可溶性樹脂2:後述するアルカリ可溶性樹脂2
顔料誘導体2:下記構造の化合物
顔料分散液A−1、A−6、B−1〜B−7:上述した顔料分散液A−1、A−6、B−1〜B−7
アルカリ可溶性樹脂2:下記構造の樹脂(酸価:70mgKOH/g、Mw=11000、主鎖に付記した数値はモル比である。構造式中のMeはメチル基である。)
重合性化合物1:下記構造の化合物の混合物(左側化合物と右側化合物とのモル比が7:3の混合物)
重合性化合物2:下記構造の化合物
重合性化合物3:下記構造の化合物(a+b+c=3)
シランカップリング剤1:下記構造の化合物(以下の構造式中のEtはエチル基である)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール
紫外線吸収剤:UV−503(大東化学(株)製)
光重合開始剤1:下記構造の化合物
光重合開始剤2:IRGACURE−OXE04(BASF社製)
光重合開始剤3:IRGACURE−OXE02(BASF社製)
光重合開始剤4:下記構造の化合物
界面活性剤1:上述した界面活性剤1
有機溶剤1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
樹脂組成物を、塗布後の膜厚が0.3μmになるように、ガラス基材上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次にi線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い1000mJ/cm2で露光した。さらに、ホットプレートを用いて220℃で5分間加熱し、膜を形成した。膜が形成された基板に対して、分光光度計U−4100(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、波長400〜1400nmの光の範囲の透過率、および、波長700nmの光の透過率を測定した。
レジストCT−2000L溶液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を、シリコンウエハの上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥させて、透明硬化膜(下塗り層)を形成した。
得られた下塗り層付きシリコンウエハの下塗り層の上に、樹脂組成物を、乾燥膜厚が1.0μmになるようスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒プリベークし、シリコンウエハ上に膜を形成した。この膜に含まれる異物を、異物評価装置コンプラスIII(アプライドマテリアルズ社製)を用いて検出し、検出された全ての異物から、歩留まり低下の原因となる最大幅1.0μm以上の異物(粗大粒子)を目視で分類した。分類された最大幅1.0μm以上の異物の数(1cm2あたりの数)をカウントし、得られた値を指標として欠陥性能の評価を行なった。
実施例101〜108の樹脂組成物を、製膜後の膜厚が1.0μmになるように、シリコンウエハ上にスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量にて、2μm四方のベイヤーパターンを有するマスクを介して露光した。
次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱することで2μm四方のベイヤーパターン(近赤外線カットフィルタ)を形成した。
次に、近赤外線カットフィルタのベイヤーパターン上に、Red組成物を製膜後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用い、100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量にて、2μm四方のベイヤーパターンを有するマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用い、200℃で5分間加熱することで、近赤外線カットフィルタのベイヤーパターン上にRed組成物をパターニングした。同様にGreen組成物、Blue組成物を順次パターニングし、赤、緑および青の着色パターンを形成した。
次に、上記着色パターン形成した膜上に、近赤外線透過フィルタ形成用組成物を、製膜後の膜厚が2.0μmになるようにスピンコート法で塗布した。次いで、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を用い、1000mJ/cm2の露光量にて、2μm四方のベイヤーパターンを有するマスクを介して露光した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗した。次いで、ホットプレートを用いて、200℃で5分間加熱することで、近赤外線カットフィルタのパターンの抜け部分に、近赤外線透過フィルタのパターニングを行った。これを公知の方法に従い固体撮像素子に組み込んだ。
得られた固体撮像素子について、低照度の環境下(0.001Lux)で赤外発光ダイオード(赤外LED)光源から光を照射し、画像の取り込みを行い、画像性能を評価した。画像上で被写体をはっきりと認識できた。また、入射角依存性が良好であった。
下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、Red組成物を調製した。
Red顔料分散液 ・・51.7質量部
樹脂11 ・・・0.6質量部
重合性化合物2 ・・・0.6質量部
光重合開始剤11 ・・・0.4質量部
界面活性剤11 ・・・4.2質量部
紫外線吸収剤(UV−503、大東化学(株)製) ・・・0.3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) ・・・42.6質量部
下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、Green組成物を調製した。
Green顔料分散液 ・・・73.7質量部
樹脂11 ・・・0.3質量部
重合性化合物11 ・・・1.2質量部
光重合開始剤11 ・・・0.6質量部
界面活性剤11 ・・・4.2質量部
紫外線吸収剤(UV−503、大東化学(株)製) ・・・0.5質量部
PGMEA ・・・19.5質量部
下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、Blue組成物を調製した。
Blue顔料分散液 44.9質量部
樹脂11 ・・・2.1質量部
重合性化合物11 ・・・1.5質量部
重合性化合物2 ・・・0.7質量部
光重合開始剤11 ・・・0.8質量部
界面活性剤11 ・・・4.2質量部
紫外線吸収剤(UV−503、大東化学(株)製) ・・・0.3質量部
PGMEA ・・・45.8質量部
下記成分を混合し、撹拌した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)製)でろ過して、近赤外線透過フィルタ形成用組成物を調製した。
顔料分散液1−1 ・・・46.5質量部
顔料分散液1−2 ・・・37.1質量部
重合性化合物1 ・・・1.8質量部
樹脂11 ・・・1.1質量部
光重合開始剤12 ・・・0.9質量部
界面活性剤11 ・・・4.2質量部
重合禁止剤(p−メトキシフェノール) ・・・0.001質量部
シランカップリング剤1 ・・・0.6質量部
PGMEA ・・・7.8質量部
C.I.Pigment Red 254の9.6質量部と、C.I.Pigment Yellow 139の4.3質量部と、分散剤(Disperbyk−161、BYKChemie社製)の6.8質量部と、PGMEAの79.3質量部とからなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合および分散した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、Red顔料分散液を得た。
C.I.Pigment Green 36の6.4質量部と、C.I.Pigment Yellow 150の5.3質量部と、分散剤(Disperbyk−161、BYKChemie社製)の5.2質量部と、PGMEAの83.1質量部とからなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合および分散した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、Green顔料分散液を得た。
C.I.Pigment Blue 15:6の9.7質量部と、C.I.Pigment Violet 23の2.4質量部と、分散剤(Disperbyk−161、BYKChemie社製)の5.5質量部と、PGMEAの82.4質量部とからなる混合液を、ビーズミル(ジルコニアビーズ0.3mm径)により3時間混合および分散した。その後さらに、減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minとして分散処理を行なった。この分散処理を10回繰り返し、Blue顔料分散液を得た。
下記組成の混合液を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、顔料分散液1−1を調製した。
・赤色顔料(C.I.Pigment Red 254)及び黄色顔料(C.I.Pigment Yellow 139)からなる混合顔料 ・・・11.8質量部
・樹脂(Disperbyk−111、BYKChemie社製) ・・・9.1質量部
・PGMEA ・・・79.1質量部
下記組成の混合液を、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合、分散して、顔料分散液1−2を調製した。
・青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:6)及び紫色顔料(C.I.Pigment Violet 23)からなる混合顔料 ・・・12.6質量部
・樹脂(Disperbyk−111、BYKChemie社製) ・・・2.0質量部
・樹脂A ・・・3.3質量部
・シクロヘキサノン ・・・31.2質量部
・PGMEA ・・・50.9質量部
樹脂A:下記構造の樹脂(Mw=14,000、構造単位における比はモル比である)
・重合性化合物2:上述した重合性化合物2
・重合性化合物11:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
・樹脂11:上述したアルカリ可溶性樹脂2
・光重合開始剤11:IRGACURE−OXE01(BASF社製)
・光重合開始剤12:下記構造の化合物
・界面活性剤11:下記混合物(Mw=14000)の1質量%PGMEA溶液。下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%は質量%である。
Claims (19)
- 波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有する式(PP)で表される化合物である近赤外線吸収有機顔料であって、
前記近赤外線吸収有機顔料は、波長550nmにおける吸光度A550と前記極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満であり、
前記近赤外線吸収有機顔料の平均一次粒子径が1〜200nmであり、
前記近赤外線吸収有機顔料の一次粒子の平均長短辺比が0.3〜0.99であり、
前記近赤外線吸収有機顔料の粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値が0.70〜0.98である、近赤外線吸収有機顔料;
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
- 前記近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1と、前記近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxが0.57〜0.9である、請求項1に記載の近赤外線吸収有機顔料。
- 前記近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A1と、前記近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA1/Amaxは、前記近赤外線吸収有機顔料の平均一次粒子径が1500nmである場合の値よりも5%以上高い、請求項1または2に記載の近赤外線吸収有機顔料。
- 前記近赤外線吸収有機顔料は、波長650〜780nmの範囲に極大吸収波長を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外線吸収有機顔料。
- 前記結晶化度の値が0.85〜0.94である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外線吸収有機顔料。
- 前記近赤外線吸収有機顔料の一次粒子の平均長短辺比が0.40以上0.80以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の近赤外線吸収有機顔料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の近赤外線吸収有機顔料と、樹脂とを含む樹脂組成物。
- 更に、赤外線を透過させて可視光を遮光する色材を含む、請求項8に記載の樹脂組成物。
- 式(PP)で表される化合物であって、波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有し、波長550nmにおける吸光度A550と前記極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満である近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、一次粒子の平均長短辺比を0.3〜0.99とし、粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値を0.70〜0.98とする、近赤外線吸収有機顔料の製造方法;
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
- 式(PP)で表される化合物であって、波長650〜1400nmの範囲に極大吸収波長を有し、波長550nmにおける吸光度A550と前記極大吸収波長における吸光度Amaxとの比であるA550/Amaxが0.1未満である近赤外線吸収顔料をミリング処理して、平均一次粒子径を1〜200nmとし、一次粒子の平均長短辺比を0.3〜0.99とし、粉末X線回折スペクトルにおいて下記式で表される結晶化度の値を0.70〜0.98とする、近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法であり、
前記ミリング処理後の近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長よりも50nm短い波長における吸光度A 1 と、前記近赤外線吸収有機顔料の極大吸収波長における吸光度A max との比であるA 1 /A max は、前記ミリング処理前の近赤外線吸収有機顔料の値よりも5%以上高い、近赤外線吸収有機顔料の分光調整方法;
結晶化度=[Ic/(Ia+Ic)]
式中、Icは、回折角度2θが15°以上の領域において、粉末X線回折スペクトルにおける結晶に由来するピークの回折強度の最大値であり、
Iaは、粉末X線回折スペクトルにおけるアモルファスに由来するピークの回折強度の最大値である。
- 請求項8または9に記載の樹脂組成物を用いて得られる膜。
- 支持体上に請求項12に記載の膜を有する積層体。
- 前記支持体が銅を含有するガラス基材である、請求項13に記載の積層体。
- 請求項12に記載の膜を有する近赤外線カットフィルタ。
- 請求項12に記載の膜を有する近赤外線透過フィルタ。
- 請求項12に記載の膜を有する固体撮像素子。
- 請求項12に記載の膜を有する画像表示装置。
- 請求項12に記載の膜を有する赤外線センサ。
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