JP6976137B2 - 接合体及び接合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂(FRTP)から成る被接合部材同士を超音波接合により接合した接合体及びその製造方法に関するものである。
従来の被接合部材の接合方法としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の接合方法は、2つの被接合部材(キャビネット片)を超音波接合により接合する方法であって、一方の被接合部材における接合面に、エネルギダイレクタと称される突状リブを連続的に設ける。また、上記の接合方法では、超音波振動が付与されるホーンを備えた超音波接合装置が用いられる。この場合、ホーンは、被接合部材に当接する部分が、接合面の形状(突状リブの配置)に対応した形態である。
そして、上記の接合方法は、両被接合部材を重ね合わせた状態にし、一方の被接合部材にホーンを押し付けて超音波振動エネルギを印加する。これにより、上記の接合方法では、被接合部材同士の接合面に摩擦熱を発生させて含有樹脂を溶融させ、両被接合部材を接合(溶着)する。この際、上記の接合方法では、突状リブに集中的な伸縮運動を生じさせて樹脂溶融温度まで短時間で発熱させ、効率良く溶着が行われるようにしている。
上記したような接合方法では、接合面の形状(突状リブの配置)に対応した専用のホーンが必要である。一方、樹脂製被接合部材の接合方法には、単純形状の小型のホーンを備えた超音波接合装置を用いて、被接合部材同士を所定間隔で接合する超音波スポット溶着がある。この超音波スポット溶着は、ホーンの形態が接合面の形状に左右されないので、汎用性に優れている。
特許第5052805号公報
しかしながら、上記した超音波スポット溶着に、特許文献1に記載の突状リブを適用しようとすると、被接合部材に対してホーンを押し込んだ際、溶融した樹脂が流出して大量のバリが発生する。このため、バリが障害となってホーンから離れた位置で突状リブが充分に溶融せず、その結果、隣接する溶着部同士の間で、被接合部材間に隙間が生じ、水密性や機械的強度が低下するおそれがあった。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂(FRTP)から成る被接合部材同士を超音波接合により接合した接合体において、一対の被接合部材が隙間無く接合された高品質の接合体を提供することを目的としている。
本発明に係わる接合体は、熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂から成る被接合部材同士を超音波接合により接合したものである。この接合体は、夫々が間隔をあけて、前記被接合部材同士を溶着した複数の第1溶着部と、前記第1溶着部同士を結ぶ状態で前記被接合部材同士を溶着した線状の第2溶着部とを続的に備え、前記第1溶着部が、一方の被接合部材側に開放された接合工具痕としての凹部を有し、平面視において前記凹部と前記第2溶着部とが離間していることを特徴としている。
本発明に係わる接合体の製造方法は、上記の接合体を製造するに際し、超音波接合用のホーンを用いると共に、一方の被接合部材の接合面に、前記第2溶着部を形成するためのリブ状凸部を非連続状態に設ける。そして、上記の製造方法は、一方の被接合部材と他方の被接合部材とを重ね合わせた後、一方の前記被接合部材側からの平面視において、前記リブ状凸部の非連続領域に、超音波振動を付与した前記ホーンを一方の前記被接合部材に押し付けることで、前記第1溶着部とこれに連続する前記第2溶着部を形成して、前記被接合部材同士を接合することを特徴としている。
本発明に係わる接合体は、上記構成を採用したことから、面状の第1溶着部及び線状の第2溶着部により、一対の被接合部材が隙間無く接合され、水密性や機械的強度の向上などを実現することができる。
本発明に係わる接合体の製造方法によれば、被接合部材の厚さ方向においてホーンとリブ状凸部とが重ならない配置であるから、第1溶着部におけるバリの発生が少なくなり、第2溶着部がバリの影響を受けないので、面状の第1溶着部及び線状の第2溶着部により被接合部材同士が確実に接合される。これにより、上記の接合体の製造方法では、一対の被接合部材が隙間無く接合された高品質の接合体を得ることができる。
本発明に係わる接合体の第1実施形態を説明する要部の平面図(A)及び縦断面図(B)である。 図1に示す接合体の製造方法を説明する図であって、片側を省略した接合前の横断面図(A)及び縦断面図である。 図1に示す接合体の製造方法を説明する図であって、片側を省略した接合前の平面図である。 図3に続いて、片側を省略した接合後の横断面図(A)及び縦断面図である。 実施例の接合体の平面、縦断面(A,B)及び横断面(1〜7)を示す写真、及び比較例の横断面(1,3〜7)を示す写真である。 水漏れの試験結果を示す表である。
〈第1実施形態〉
図1は、本発明に係わる接合体の要部を示す図である。図示の接合体Aは、熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂(FRTP)から成る被接合部材1,2同士を超音波接合により接合したものである。なお、接合体Aは、全体としては様々な形態にすることが可能であるが、理解し易くする都合上、短冊状の被接合部材1,2の要部を例示した。
被接合部材1,2の母材である熱可塑性樹脂は、とくに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂などを用いることができる。
また、被接合部材1,2の強化繊維は、とくに限定されるものではないが、例えば、自動車の構造材用としては、高強度で且つ軽量である炭素繊維若しくは炭素含有繊維が好適である。この場合、被接合部材1,2の材料は、熱可塑性樹脂を母材とする炭素繊維強化樹脂(CFRTP)である。
上記の接合体Aは、被接合部材1,2同士を局部的に溶着した複数の第1溶着部B1と、第1溶着部B1,B1同士を結ぶ状態で被接合部材1,2同士を溶着した線状の第2溶着部B2とを備えている。図示例の接合体Aは、短冊状の被接合部材1,2の長手方向において、第1溶着部B1を所定間隔で有すると共に、直線状の2本の第2溶着部B2,B2を互いに平行に有している。
第2溶着部B2は、その端部が、第1溶着部B1と連続している。なお、第2溶着部B2は、2本以外の数であっても構わないが、2本の場合には、必要最低限の数で両被接合部材1,2の接合状態をより安定させることができる。また、第2溶着部B2は、平行配置に限らず、直線状以外に曲線状などの他の形態にすることも可能である。
さらに、接合体Aは、図1に示す第1溶接部B1と第2溶着部B2の長さLbを10〜150mmとしており、より好ましくは、第1溶接部B1と第2溶着部B2の長さLbを40〜100mmとしている。これは、上記長さLbを10mm未満にすると、実質的に第1溶着部B1のみの接合と大差なく、スポット溶着の利点が発揮し難いからである。また、上記長さLbが150mmを超えると、第2溶着部B2の中央部分における溶着が不充分になるおそれがあるからである。
そこで、接合体Aは、長さLbを10〜150mmとすることで、スポット溶着の利点を発揮し得るものとしたうえで、第2溶着部B2全体を充分に接合することができ、より望ましくは、長さLbを40〜100mmとすることで、より効果的なものとなる。
さらに、接合体Aは、第1溶着部B1が、一方の被接合部材1側に開放された接合工具痕としての凹部3を有しており、一方の被接合部材1側からの平面視において、凹部3と第2溶着部B2とが近接して配置してある。図示例の凹部3は、平面視で円形であり、一方の被接合部材1を貫通し、他方の被接合部材2内で底部を形成している。
ここで、第1溶着部B1は、後述する製造方法により、凹部3の外周側の領域に形成される。互いに平行な第2溶着部B2は、凹部3の直径Rよりも小さい間隔Sで配置してある。そして、第2溶着部B2は、各端部が、凹部3の外周側の領域に形成された第1溶着部B1に連続している。
上記の接合体Aを構成する一対の被接合部材1,2は、図2及び図3に示すように、一方の被接合部材1が、他方の被接合部材2との接合面(図中で上面)に、第2溶着部B2を形成するためのリブ状凸部4を非連続状態に有しており、図示例では、2本のリブ状凸部4,4を互いに平行に有している。
リブ状凸部4は、いわゆるエネルギダイレクタと称されるものであって、後記する製造方法に用いるホーンHに対応する部分を除いて配置してある。これにより、リブ状凸部4は、被接合部材1の全長にわたる直線上において、ホーンHに対応する部分を非連続領域(未形成領域)とした非連続状態である。
ここで、先述の凹部3は、ホーンHによる接合工具痕である。互いに平行な2本のリブ状凸部4,4は、凹部3の直径Rよりも小さい間隔Sで配置してあり、図2(A)に示す横断面においては、ホーンHの直径Rh内の領域に配置してある。
また、リブ状凸部4は、その高さを0.3〜3mmとしており、より好ましくは、0.5〜1.5mmとしている。リブ状凸部4は、高さが0.3mm未満であると、体積が不充分となってエネルギダイレクタとしての機能が低下する可能性があるからである。さらに、リブ状凸部4の高さが3mmを超えると、被接合部材1,2同士が離れ過ぎると共に、体積が大きくなってバリの発生量が多くなるおそれがあるからである。
そこで、リブ状凸部4は、高さを0.3〜3mmとすることで、エネルギダイレクタとしての機能を発揮させると共に、バリの発生量を低減することができ、より望ましくは、高さを0.5〜1.5mmとすることで、エネルギダイレクタとしての機能をより発揮させると共に、バリの発生量をさらに抑制し得る。
さらに、リブ状凸部4は、長手方向に直交する断面が、頂部を先端とする三角形状、一辺を先端とする四角形状、及び円弧中央を先端とする半円形状のうちの少なくとも1つとしている。なお、この実施形態のリブ状凸部4は、断面三角形状であるが、接合時にエネルギを集中させる観点では、他方の被接合部材2に対する接触面積が小さい方が望ましく、また、部分的に断面形状を変えることも構わない。
次に、上記の被接合部材1,2を構成部材とした接合体Aの製造方法を説明する。
接合体Aの製造方法では、超音波接合用のホーンHを用いると共に、先述したように、一方の被接合部材1の接合面に、第2溶着部B2を形成するためのリブ状凸部4を非連続状態に設ける。
また、上記の製造方法では、ホーンHの外周部とリブ状凸部4の端部とが互いに接する配置にする。つまり、ホーンHとリブ状凸部4は、平面視において、重ならない配置であるが、可能な限りホーンHの外周部にリブ状凸部4の端部を近づけた配置にしてある。
この製造方法に用いる超音波接合装置は、図示を省略したが、スポット溶着を行うものであって、円柱形のホーンHを装着したヘッドを昇降させる機構や、ホーンHに超音波振動を付与するブースタなどを備えており、被接合部材1,2の背面側(ホーンHの反対側)を保持する機構を備えた構成としても良い。
そして、接合体Aの製造方法は、図2に示すように、一方(上側)の被接合部材1と他方(下側)の被接合部材2とを重ね合わせた後、一方の被接合部材1側からの平面視において、リブ状凸部4の非連続領域に、超音波振動を付与したホーンHを一方の被接合部材1に押し付ける。すなわち、被接合部材1,2に超音波振動エネルギを印加する。
すると、当該製造方法では、ホーンHの超音波振動エネルギによる摩擦熱で含有樹脂が溶融し、図4に示すように、ホーンHが一方の被接合部材1を貫通して他方の被接合部材2に押し込まれる。これにより、当該製造方法では、両被接合部材1,2の界面において含有樹脂が溶融し、ホーンHの外周側の領域で、面状の溶着部である第1溶着部B1が形成される。
また、当該製造方法では、第1溶着部B1の形成とほぼ同時に、一方の被接合部材1のリブ状凸部4に集中的な伸縮運動を生じさせて樹脂溶融温度まで短時間で発熱させ、線状の溶着部である第2溶着部B2を形成する。
このようにして、接合体Aの製造方法では、第1溶着部B1とこれに連続する第2溶着部B2を形成し、被接合部材1,2同士を溶着接合した接合体Aを得る。このとき、接合体Aでは、第1溶着部B1と第2溶着部B2の端部とが連続すると共に、接合後のホーンHの離脱により、接合工具痕(ホーン痕)である凹部3が形成される。
上記のように製造された接合体Aは、第1溶着部B1におけるバリの発生が少なく、第2溶着部B2がバリの影響を受けないので、面状の第1溶着部B1及び線状の第2溶着部B2において被接合部材1,2同士が確実に接合される。
これにより、接合体Aは、一対の被接合部材1,2が隙間無く接合された高品質のものとなり、これに伴って、水密性や機械的強度の向上などを実現することができる。また、上記の接合体Aは、その製造において、汎用性の高い超音波スポット溶着と、接合効率の向上を実現するエネルギダイレクタとを採用し得ることが明らかである。
また、上記の接合体Aは、第1溶着部B1,B1同士の間に、2本の第2溶着部B2,B2を有するので、一対の被接合部材1,2が、傾くことなく平行に安定して接合された状態になり、水密性や機械的強度のさらなる向上を実現することができる。
さらに、上記の接合体Aは、第1溶接部B1と第2溶着部B2の長さを10〜150mmとすることで、スポット溶着の利点を発揮し得るものとしたうえで、第2溶着部B2全体をより確実に接合することができる。
さらに、上記の接合体Aは、第1溶着部B1が、一方の被接合部材1側に開放された接合工具痕としての凹部3を有するので、凹部3の外周側の領域に広い第1溶着部B1が確保され、機械的強度のさらなる向上などに貢献することができる。なお、接合体Aは、被接合部材1,2の厚さ等に応じて、凹部3が無い構造もあり得るが、いずれの場合でも、一対の被接合部材1,2同士が、互いの接合部分に界面の無い溶着状態となる。
さらに、上記の接合体Aは、一方の被接合部材1側からの平面視において、凹部3と第2溶着部B2とが近接して配置してあるので、第1溶着部B1と第2溶着部B2の端部とを確実に連続させて、一対の被接合部材1,2を隙間無く接合したものとなり、水密性及び機械的強度のさらなる向上を実現する。
また、上記の接合体Aを形成する一対の被接合部材1,2は、一方の被接合部材1が、他方の被接合部材2との接合面に、第2溶着部B2を形成するためのリブ状凸部4を非連続状態に有するので、リブ状凸部4がエネルギダイレクタとして機能して、効率の良い接合を行うことができ、接合時間の短縮化などに貢献することができる。
さらに、被接合部材1は、リブ状凸部4の高さを0.3〜3mmとしたことにより、エネルギダイレクタとしての機能を充分に発揮させると共に、バリの発生量を少なくすることができる。
さらに、被接合部材1は、リブ状凸部4の長手方向に直交する断面を、頂部を先端とする三角形状、一辺を先端とする四角形状、及び円弧中央を先端とする半円形状のうちの少なくとも1つとすることで、エネルギダイレクタとしての機能を充分に発揮させることができる。とくに、リブ状凸部4は、断面三角形状や断面半円形状にすれば、他方の被接合部材2との接触面積が小さくなり、その分、超音波振動エネルギを集中させて、効率の良い接合を行うことが可能である。
また、上記接合体Aの製造方法によれば、被接合部材1,2の厚さ方向においてホーンHとリブ状凸部4とが重ならない配置になるので、第1溶着部B1におけるバリの発生が少なくなり、第2溶着部B2がバリの影響を受けないので、第1溶着部B1及び第2溶着部B2において被接合部材同士が確実に接合される。これにより、上記の接合体の製造方法では、一対の被接合部材1,2が隙間無く接合された高品質の接合体Aを得ることができる。
さらに、上記の製造方法では、ホーンHの外周部とリブ状凸部4の端部とが互いに接する配置にして、面状の第1溶着部B1及び線状の第2溶着部B2を形成する。つまり、上記の製造方法では、平面視において、ホーンHとリブ状凸部4が重ならない配置であるが、可能な限りホーンHの外周部にリブ状凸部4の端部を近づける。これにより、上記の製造方法では、第1溶着部B1と第2溶着部B2の端部とをより確実に一体化することができ、一対の被接合部材1,2同士の間の水密性や、機械的強度のさらなる向上を実現する。
なお、上記の製造方法により接合体Aを製造する際には、リブ状凸部4の複数の非連続領域に個別のホーンHを押し付けて超音波振動を印加することも不可能ではないが、あたかもスポット溶接を行うように、複数の非連続領域に対してホーンHによるスポット溶着を順次行うことができる。
つまり、上記の製造方法は、従来において問題であったバリの発生を抑制しつつ、スポット溶着の汎用性と、エネルギダイレクタとしてのリブ状凸部4の機能とを両立させることができ、利用価値が極めて高いものである。また、スポット溶着による製造が可能であるから、小型で単純形状のホーンHを採用することができる。
但し、1箇所の非連続領域にホーンHを押し付けて第1及び第2の溶着部B1,B2を形成すると、被接合部材1,2同士の面内方向(接合面に沿う方向)の動きが不充分になる可能性がある。そこで、接合体Aをスポット溶着で製造する場合には、被接合部材1,2の厚さ方向となる縦の超音波振動をホーンHに付与することがより望ましい。これにより、全ての接合箇所を同じ接合条件にして、安定的に接合することができる。
図5は、上記実施形態に基づいて製造した接合体Aの平面、縦断面(A,B)及び横断面(1〜7)を示す写真、及び比較例の横断面(1,3〜7)を示す写真である。実施例は、一方の被接合部材1に非連続状態のリブ状凸部4を設けたもので、被接合部材1,2の厚さ方向において、ホーンH(凹部3)とリブ状凸部4が重ならない配置である。他方、比較例は、被接合部材1の全長にわたってリブ状凸部4を設けたもので、被接合部材1,2の厚さ方向において、ホーンH(凹部3)とリブ状凸部4が重なる配置である。
図5の写真から明らかなように、比較例の接合体は、ホーンHの下側にリブ状凸部4があるので、ホーンHの下側で、溶融した樹脂が流出して大量のバリが発生した。このため、比較例では、バリが障害となってホーンから離れた位置でリブ状凸部4の溶融が充分に行われず、とくに横断面(3〜5)に示すように、被接合部材1,2間(突状リブ4間)に隙間が生じた。
これに対して、実施例の接合体Aは、どの横断面(1〜7)においても、被接合部材1,2同士が隙間無く接合され、長手方向全域で接合した状態となった。これにより、実施例の接合体Aは、実施例の接合体Aは、比較例に比べて、水密性が機械的強度に優れることを確認した。
図6は、水漏れ(水密性)の試験結果を示す表である。従来例1は、一方の被接合部材にリブ状凸部が無いものである。従来例2は、ホーンHと1本のリブ状凸部4とが重なる配置にしたものである。従来例3は、ホーンHと2本のリブ状凸部4とが重なる配置にしたものである。実施例は、ホーンと2本の不連続状態のリブ状凸部とが重ならない本発明の接合体の構成である。さらに、比較例は、ホーンの両側連続状体のリブ状凸部を配置したもので、双方が重ならない構成である。
水漏れ試験は、超音波溶着により各例の接合体を製造した後、両被接合部材1,2の隙間に、注射器で3〜5mLの水を勢いよく注入し、その反対側からの水漏れの有無を確認した。その結果、従来例1〜3及び比較例は、接合強度、被接合部材の傾き及び密着性に関しては一部良好であったが、いすれも水漏れが認められ、総合評価は不良であった。
これに対して、実施例は、接合強度、シール性、被接合部材の傾き及び密着性のいずれも良好であるうえに、水漏れも認められなかった。これにより、実施例は、総合評価が良好であり、従来例1〜3及び比較例に比べて、水密性や機械的強度が明らかに優れていることを確認した。
なお、本発明に係わる接合体及びその製造方法は、構成の細部が上記実施形態のみに限定されるものではなく、例えば、被接合部材の形態、リブ状凸部の数、形状及び配置、ホーンの形態など、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
A 接合体
B1 第1溶着部
B2 第2溶着部
H ホーン
1 一方の被接合部材
2 他方の被接合部材
3 凹部
4 リブ状凸部

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂を母材とする繊維強化樹脂から成る被接合部材同士を超音波接合により接合した接合体であって、
    夫々が間隔をあけて、前記被接合部材同士を溶着した複数の第1溶着部と、前記第1溶着部同士を結ぶ状態で前記被接合部材同士を溶着した線状の第2溶着部とを連続的に備え
    前記第1溶着部が、一方の被接合部材側に開放された接合工具痕としての凹部を有し、
    平面視において前記凹部と前記第2溶着部とが離間していることを特徴とする接合体。
  2. 前記第1溶着部同士の間に、2本の前記第2溶着部を有することを特徴とする請求項1に記載の接合体。
  3. 前記第1溶接部と前記第2溶着部の長さが、10〜150mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の接合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合体を構成する一対の被接合部材であって、
    一方の被接合部材が、他方の被接合部材との接合面に、前記第2溶着部を形成するためのリブ状凸部を非連続状態に有することを特徴とする被接合部材。
  5. 前記リブ状凸部の長手方向に直交する断面が、頂部を先端とする三角形状、一辺を先端とする四角形状、及び円弧中央を先端とする半円形状のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項に記載の被接合部材。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合体を製造するに際し、
    超音波接合用のホーンを用いると共に、一方の被接合部材の接合面に、前記第2溶着部を形成するためのリブ状凸部を非連続状態に設け、
    一方の前記被接合部材と他方の被接合部材とを重ね合わせた後、
    一方の前記被接合部材側からの平面視において、前記リブ状凸部の非連続領域に、超音波振動を付与した前記ホーンを一方の前記被接合部材に押し付けることで、前記第1溶着部とこれに連続する前記第2溶着部を形成して、前記被接合部材同士を接合することを特徴とする接合体の製造方法。
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