JP6975948B2 - 管理装置、管理システム、および位置補正方法 - Google Patents

管理装置、管理システム、および位置補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動体の位置情報を管理する管理装置および管理システム、ならびに移動体の位置情報を補正する位置補正方法に関するものである。
人物が所持する端末の位置情報を収集して、その端末の位置情報を利用した種々の分析を行うことで、人物の行動に関する種々の分析結果、例えば、人物の動線を出力することができる。ところが、端末で測位用の信号を適切に受信できないために、異常な位置情報が出力される場合があり、このような異常な位置情報に基づいて動線を生成すると、人物が通行できないエリアを動線が横切るなどの不具合が発生し、人物の行動を適切に把握できなくなる。そこで、位置情報の異常を検知して、位置情報に異常がある場合には、位置情報を補正することが望まれる。
このような位置情報の補正に関する技術として、従来、位置情報の精度を判定し、位置情報の精度が低い場合には、前後の時刻の位置情報に基づいて、位置情報を補正する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2012−211840号公報
さて、端末で測位用の信号を適切に受信できない場合、位置が突然遠くに飛んでしまう飛びの現象が発生することがある。この飛びが発生した場合、飛びの直前位置の近傍に戻る場合と戻らない場合とがあり、戻る場合には飛びが発生した以降の位置が異常と想定され、また、戻らない場合には飛びが発生する前の位置が異常と想定される。また、飛びの直前位置の近傍に戻る場合でも、すぐに戻る場合と徐々に戻る場合とがある。このため、前記従来の技術のように、前後の時刻の位置情報に基づいて、一律に位置情報を補正しても、適切な補正ができないという問題があった。
そこで、本発明は、飛びが発生した場合に位置情報を適切に補正することができる管理装置、管理システム、および位置補正方法を提供することを主な目的とする。
本発明の管理装置は、移動体の位置情報を管理する管理装置であって、前記移動体の各時刻の位置情報を蓄積する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正する構成とする。
また、本発明の管理システムは、管理装置が移動体の位置情報を管理する管理システムであって、前記管理装置は、前記移動体の各時刻の位置情報を蓄積する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正する構成とする。
また、本発明の位置補正方法は、管理装置において、蓄積した移動体の位置情報を補正する位置補正方法であって、前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正する構成とする。
本発明によれば、飛びが発生したか否かに関する飛び判定に加えて、測位が異常状態から正常状態に回復した場合に発生する戻りが発生した否かを判定して、戻りが発生した場合に、飛び直後から戻り直前までの位置情報を補正する。このため、飛びが発生した場合に位置情報を適切に補正することができる。
本実施形態に係る位置情報収集システムの全体構成図 サーバ4から分析結果として出力される動線の具体例を示す説明図 飛びが発生した際の位置変化のパターンを示す説明図 サーバ4の概略構成を示すブロック図 サーバ4の位置補正部21で行われる飛び判定の概要を示す説明図 サーバ4の位置補正部21で行われる戻り判定の概要を示す説明図 戻り判定の具体例を示す説明図 サーバ4の位置補正部21で行われる位置補正の概要を示す説明図 サーバ4の位置補正部21で行われる戻り判定のしきい値の補正の概要を示す説明図 位置情報送受信時におけるユーザ端末1およびサーバ4の動作手順を示すフロー図 動線出力時におけるサーバ4および管理者端末5の動作手順を示すフロー図 サーバ4の位置補正部21で行われる処理の手順を示すフロー図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、移動体の位置情報を管理する管理装置であって、前記移動体の各時刻の位置情報を蓄積する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正する構成とする。
これによると、飛びが発生したか否かに関する飛び判定に加えて、測位が異常状態から正常状態に回復した場合に発生する戻りが発生した否かを判定して、戻りが発生した場合に、飛び直後から戻り直前までの位置情報を補正する。このため、飛びが発生した場合に位置情報を適切に補正することができる。
また、第2の発明は、前記制御部は、前記飛びが発生すると、その後の移動距離を加算して、飛び発生後の累積移動距離を算出し、その累積移動距離と、前記飛びが発生した際の移動距離とを比較して、前記戻り判定の実施タイミングであるか否かを判定し、前記戻り判定の実施タイミングとなると、前記戻り判定を実施する構成とする。
これによると、測位が異常状態から正常状態に回復した場合に発生する戻りを精度よく判定することができる。
また、第3の発明は、前記制御部は、前記戻り判定の実施タイミングでの位置と前記飛びの直前位置との間の距離が所定のしきい値以下となると、前記戻りが発生したと判定する構成とする。
これによると、戻りを精度よく判定することができる。
また、第4の発明は、前記制御部は、前記飛びの直後から前記戻り判定の実施タイミングまでの経過時間に基づいて、前記戻り判定のしきい値を設定する構成とする。
これによると、戻りを精度よく判定することができる。
また、第5の発明は、前記制御部は、前記経過時間が、前記飛び判定のしきい値に対応する時間以上となる場合には、前記経過時間に基づいて求められる前記戻り判定のしきい値を低減補正する構成とする。
これによると、無駄な補正を避けることができる。
また、第6の発明は、管理装置が移動体の位置情報を管理する管理システムであって、前記管理装置は、前記移動体の各時刻の位置情報を蓄積する記憶部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正する構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、飛びが発生した場合に位置情報を適切に補正することができる。
また、第7の発明は、管理装置において、蓄積した移動体の位置情報を補正する位置補正方法であって、前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正する構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、飛びが発生した場合に位置情報を適切に補正することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る位置情報収集システムの全体構成図である。
この位置情報収集システムは、工場などの施設の建物内(対象エリア)に滞在する人物の位置情報を収集するものであり、ユーザ端末1(端末装置、移動体)と、ビーコン発信機2と、アクセスポイント3と、サーバ4(管理装置)と、管理者端末5と、を備えている。なお、ここではビーコン発信機2とアクセスポイント3を用いて位置情報を収集する例について説明するが、周知の技術を利用して移動体の位置情報をサーバ4に蓄積させればよい。
ユーザ端末1は、アクセスポイント3を介してサーバ4と通信を行い、端末ID(端末識別子)、位置情報および測位時刻などを含む測位結果通知をサーバ4に送信する。なお、ユーザ端末1は、位置情報収集専用の装置として構成する他に、スマートフォンなどの携帯端末に位置情報収集用のアプリケーションプログラムをインストールするようにしてもよい。
ビーコン発信機2は、建物内に設置され、Bluetooth(登録商標)などによる測位用のビーコン信号を送信する。このビーコン信号はユーザ端末1で受信し、ビーコン信号に基づく測位がユーザ端末1で行われる。
アクセスポイント3は、建物内に設置され、ユーザ端末1とサーバ4との間の通信を中継する。
サーバ4は、建物内に滞在するユーザの位置情報を収集する。このサーバ4は、ネットワークおよびアクセスポイント3を介して、ユーザ端末1と通信を行い、ユーザ端末1から送信される測位結果通知を受信し、その測位結果通知に含まれる情報(端末ID、位置情報、移動距離および測位時刻など)を自装置に蓄積する。なお、位置情報をユーザ端末1で計算せず、位置情報を計算するために必要な情報をサーバ4に送信し、サーバ4内で受信した情報を用いて計算を行い位置情報を蓄積してもよい。
また、サーバ4は、ユーザ端末1と通信してユーザの位置情報を収集するとしたが、位置情報をサーバ4に蓄積する方法はこれに限定されず、予め収集済みの移動体の位置情報を一括して外部からサーバ4に取り込んで蓄積してもよい。あるいは、移動体が備えるRFIDタグ情報を経路上に設置されるRFIDリーダで順次読み取ってサーバ4に送信することで、移動体の位置情報をサーバ4が蓄積してもよい。あるいは、設置されたカメラを用いて、撮影された移動体を画像認識して特定し、特定された移動体IDとカメラの位置情報を取得して蓄積してもよい。
また、サーバ4は、収集したユーザ端末1の位置情報に基づいて、ユーザの行動に関する種々の分析処理、例えば、動線を生成する処理を行う。
管理者端末5は、PCやタブレット端末などであり、管理者が操作する。この管理者端末5では、ブラウザを起動させてサーバ4にアクセスすることで、サーバ4から提供される種々の分析結果、例えば、各人物の動線を管理者が閲覧することができる。
次に、サーバ4から分析結果として出力される動線について説明する。図2は、動線の具体例を示す説明図である。
ユーザ端末1では、建物内に設置されたビーコン発信機2から送信されるビーコン信号を受信して、そのビーコン信号の電波強度に基づいて、自装置の位置情報を取得する。
このような屋内測位では、ビーコン発信機2を多数設置することで、測位精度を高めることができるが、近接するビーコン発信機2のビーコン信号が干渉することで、近くにあるビーコン発信機2のビーコン信号を受信できなくなる場合がある。この場合、遠くにあるビーコン発信機2のビーコン信号に基づいて測位を行うことで、異常に離れた位置を測位結果として出力して、位置が突然遠くに飛んでしまう飛びの現象が発生することがある。
図2(A)に示す例では、特定のエリアにおいて、動線が、人物が実際にいると想定される位置と、その位置から大きく離れた位置との間を頻繁に往復している。また、図2(B)に示す例では、動線が、人物が実際にいると想定される位置から大きく離れた位置に飛んだ後に、徐々に正常な位置に戻る状態となっている。
このような飛びが発生すると、各時刻の位置を時系列で結んだ動線を出力する際に、動線の精度が低下するとともに、人物の動きを把握しにくくなる。そこで、本実施形態では、動線の精度を向上させると共に動線の見易さを改善するため、サーバ4において、蓄積された位置情報の中から飛びを検出して位置情報に対して補正を行う。
次に、飛びが発生した際の位置変化のパターンについて説明する。図3は、飛びが発生した際の位置変化のパターンを示す説明図である。
飛びが発生した場合、その後の位置の変化状況に応じて3つのパターンがある。
図3(A)に示す第1のパターンでは、飛びが発生した後に、飛び直前位置の近傍にすぐに戻る。この第1のパターンは、ユーザ端末1の移動に応じて、近くにあるビーコン発信機2のビーコン信号を一斉に受信できるようになった場合に起き、飛びが発生した直後の位置が異常であると想定されるため、飛びが発生した直後の位置を補正する必要がある。
図3(B)に示す第2のパターンでは、飛びが発生した後に、飛び直前位置の近傍に向けて徐々に戻る。この第2のパターンは、ユーザ端末1の移動に応じて、近くにあるビーコン発信機2のビーコン信号を徐々に受信できるようになった場合に起き、飛びが発生した直後の位置が異常であると想定されるため、飛びが発生した直後の位置から、飛び直前位置の近傍に到達するまでの期間の位置を補正する必要がある。
図3(C)に示す第3のパターンでは、飛びが発生した後に、飛び直前位置の近傍に戻らない。この第3のパターンは、飛びが発生した後の位置が正常であり、飛びが発生する前の位置が異常であると想定される。なお、この第3のパターンは、本実施形態での位置補正の対象から除外する。
次に、サーバ4の概略構成について説明する。図4は、サーバ4の概略構成を示すブロック図である。
サーバ4は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、を備えている。
通信部11は、ネットワークを介して、ユーザ端末1および管理者端末5と通信を行う。
記憶部13は、制御部12を構成するプロセッサで実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部13は、ユーザ端末1から受信した測位結果通知に含まれる情報(端末ID、位置情報、測位時刻、および移動距離など)を記憶する。
制御部12は、位置補正部21と、分析処理部22と、を備えている。この制御部12は、プロセッサで構成され、制御部12の各部は、記憶部13に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
位置補正部21は、動線出力の対象となる人物に関する各時刻の位置および移動距離に基づいて、飛びが発生したか否かを判定する飛び判定を行い、飛びが発生した場合には、飛び直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かを判定する戻り判定を行い、戻りが発生した場合には、飛び直後から戻り直前までの各時刻の位置を全て、飛び直前位置に補正する。
分析処理部22は、位置補正部21で補正された位置情報に基づいて、種々の分析処理を行い、例えば、各時刻の位置を時系列で結んだ動線を生成する。
次に、サーバ4の位置補正部21で行われる飛び判定について説明する。図5は、位置補正部21で行われる飛び判定の概要を示す説明図である。
サーバ4の位置補正部21では、1回の移動距離、すなわち、ある測位時刻の位置から次の測位時刻の位置までの距離が所定のしきい値Th1以上であると、飛びが発生したものと判定する。本実施形態では、しきい値を10mに設定して、1回の移動距離が10m以上であると、飛びと判定する。
ここで、本実施形態では、測位間隔を1秒とする。また、人物が歩行していることを想定して、標準的な歩行速度である1m/秒を人物の移動速度とする。したがって、1回の移動距離は1mとなり、飛び判定のしきい値である10mは、通常時の移動距離の10倍となる。
なお、本実施形態では、測位間隔を1秒とし、人物の移動速度を1m/秒としたが、測位間隔および移動速度はこれに限定されない。
また、飛びが発生する状況は、ビーコン発信機2の設置状況などに応じて異なる。また、対象エリアの大きさや動線解析の目的などに応じて、位置情報に要求される精度が異なり、この位置情報に要求される精度に応じて、飛びと判定して測位結果を補正する必要性が異なる。このため、飛び判定のしきい値は、管理者が適宜に設定するようにするとよい。
また、1回の移動距離は、人物の移動速度に応じて異なることから、対象となる人物の標準的な移動距離(例えば、移動距離の平均値)を取得して、その標準的な移動距離に基づいて、飛び判定のしきい値を人物ごとに設定するようにしてもよい。
次に、サーバ4の位置補正部21で行われる戻り判定について説明する。図6は、位置補正部21で行われる戻り判定の概要を示す説明図である。図7は、戻り判定の具体例を示す説明図である。
サーバ4の位置補正部21では、飛びが発生した後に飛び直前位置の近傍に戻ったか否かを判定する(戻り判定)。これにより、飛び直前位置の近傍に戻る第1のパターンおよび第2のパターンと、飛び直前位置の近傍に戻らない第3のパターンとを判別することができる(図3参照)。
ここで、飛び距離、すなわち飛びが発生した際の移動距離と同程度の距離を移動しなければ、飛び直前位置の近傍に戻らない場合、または、飛び直前位置の近傍に戻ったとしても、それまでに飛び距離より極端に長い距離を移動している場合には、測位が異常状態から正常状態に回復したのではなく、正常な測位結果として飛び直前位置に戻ったものと想定される。
そこで、本実施形態では、飛びが発生すると、その後の移動距離を加算して、飛び発生後の累積移動距離を算出し、その累積移動距離と飛び距離とを比較して、戻り判定の実施タイミングであるか否かを判定し、戻り判定の実施タイミングとなると、飛び直前位置の近傍に戻ったか否かの判定(戻り判定)を行う。
具体的には、測位誤差に応じた定数E(例えば20cm)を設定して、飛び距離Aから定数Eを減算した値(A−E)を判定距離として、飛び発生後の累積移動距離が判定距離(A−E)以上となると、戻り判定を行う。
なお、測位誤差は、対象エリアの状況に応じて異なることから、測位誤差の程度に基づいて管理者が定数Eを適宜に設定すればよい。
また、本実施形態では、戻り判定の実施タイミングでの位置と飛び直前位置との間の距離が所定のしきい値Th2以下となると、飛び直前位置の近傍に戻ったものと判定する。すなわち、飛び直前位置P(t−1)を中心にした円形の近傍エリアを設定して、戻り判定の実施タイミングでの位置P(t+C)が近傍エリア内に入る場合に、飛び直前位置の近傍に戻ったものと判定し、戻り判定の実施タイミングでの位置P(t+C)が近傍エリア内に入らない場合に、飛び直前位置の近傍に戻らないものと判定する。
ここで、人物が継続して歩行していると、測位が正常化して位置が飛び直前位置の近傍に戻るまでの間に、人物が飛び直前位置から移動することで、人物の実際の位置が飛び直前位置から変化している。すなわち、飛び直後から戻り判定の実施タイミングまでの経過時間Cに応じて、人物が移動しているものと想定される範囲が変化し、飛び直後から戻り判定の実施タイミングまでの経過時間Cが長いと、人物が飛び直前位置から大きく移動しているものと想定される。
そこで、本実施形態では、飛び直後から戻り判定の実施タイミングまでの経過時間Cに応じて、戻り判定のしきい値、すなわち、近傍エリアの大きさ(半径)を設定する。すなわち、経過時間Cが長いと近傍エリアを大きく設定し、経過時間Cが短いと近傍エリアを小さく設定する。
ここで、本実施形態では、人物の移動速度Vを1m/秒として、測位間隔を1秒としているため、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2(秒)は、飛び直後から戻り判定の実施タイミングまでの経過時間C(m)と等しくなる(Th2=C)。
図7(A),(B)に示す例では、飛び距離が15mで、飛び発生から6秒後に累積移動距離が15mとなる。このとき、人物が6m移動していることが想定されるため、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2を6mに設定する。ここで、図7(A)に示す例では、6秒後の位置P(t+6)が近傍エリアに入っているため、戻りと判定する。一方、図7(B)に示す例では、6秒後の位置P(t+6)が近傍エリアに入っていないため、戻りでないと判定する。
図7(C)に示す例では、飛び距離が15mで、飛び発生から2秒後に累積移動距離が15mとなる。このとき、人物が2m移動していることが想定されるため、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2を2mに設定する。ここで、図7(C)に示す例では、2秒後の位置P(t+2)が近傍エリアに入っているため、戻りと判定する。
なお、本実施形態では、人物の移動速度を一律に設定して、経過時間に応じて戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)を設定するようにしたが、人物の実際の移動速度に基づいて、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)を設定するようにしてもよい。例えば、移動速度が速い場合には近傍エリアが大きくなり、移動速度が遅い場合には近傍エリアが小さくなるようにする。この場合、飛びが発生する直前の所定期間の位置情報に基づいて、対象となる人物の移動速度を推定すればよい。
また、本実施形態では、人物が歩行しているものと想定して移動速度を設定したが、人物がフォークリフトに乗車している場合もあり、この場合、移動速度が歩行時より速くなるため、近傍エリアが大きくなる。
次に、サーバ4の位置補正部21で行われる位置補正について説明する。図8は、位置補正部21で行われる位置補正の概要を示す説明図である。
サーバ4の位置補正部21では、戻り判定で、戻りが発生したと判定されると、図8(A)に示すように、飛び直後位置P(t)から戻り直前位置P(t+C−1)までの各時刻の位置を全て、飛び直前位置P(t−1)に補正する。これにより、補正された期間では人物が飛び直前位置に留まっていた状態となる。
一方、戻り判定で、戻りが発生しないと判定されると、飛びが発生した以降の位置が正常と想定されるため、図8(B)に示すように、飛びが発生した以降の位置の補正は行わない。
なお、本実施形態では、飛び直後位置P(t)から戻り直前位置P(t+C−1)までの各時刻の位置を全て、飛び直前位置に補正するようにしたが、飛び直前位置P(t−1)と戻り判定位置P(t+C)との間の位置に補正するようにしてもよい。
次に、サーバ4の位置補正部21で行われる戻り判定のしきい値の補正について説明する。図9は、戻り判定のしきい値の補正の概要を示す説明図である。
本実施形態では、飛び判定のしきい値を10mとして、1回の移動距離が10m以上となると、飛びが発生したものと判定する(図5参照)。また、飛びが発生した後に飛び直前位置の近傍に戻ったか否かを判定する戻り判定を行う(図6参照)。このとき、飛び発生後の累積移動距離を算出し、その累積移動距離が飛び距離に略等しくなったタイミングで、戻り判定を行う。そして、戻り判定で、飛び直前位置の近傍に戻ったと判定されると、飛び直後から戻り直前までの各時刻の位置を、飛び直前位置に補正する。
図9(A)に示す例では、飛び距離が11mで、10秒後に累積移動距離が11mとなる。この場合、経過時間Cが10秒になるため、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2を10mに設定すると、戻り判定の実施タイミングでの位置P(t+C)が近傍エリアに入るため、戻りと判定して、飛び直後から戻り直前までの位置を補正する。
このとき、戻り判定位置(戻り判定の実施タイミングでの位置)P(t+C)と飛び直前位置との距離が10mに近い距離となる場合がある。この場合、移動距離が10m以上となる場合を飛びと判定して、位置の補正を行ったにも拘わらず、補正後の位置で移動距離が10mに近い状態となり、飛びに応じた位置補正の意義があまりなくなる。
そこで、本実施形態では、飛び直後から戻り判定の実施タイミングまでの経過時間Cが、飛び判定のしきい値Th1(10m)に対応する時間(移動速度を1m/秒とすると10秒)以上となる場合には、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2を低減補正する。
具体的には、経過時間Cに応じて設定された戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2から定数F(例えば1m)を減算する補正を行い、補正されたしきい値(Th2−F)により、飛び直前位置の近傍に戻ったか否かの戻り判定を行う。
図9(B)に示す例では、図9(A)と同様に、飛び距離が11mで、10秒後に累積移動距離が11mとなるため、経過時間Cが10秒になるが、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2を経過時間C(10秒)に対応する10mではなく、定数F(例えば1m)短い9m(=10m−1m)に設定するため、戻り判定の実施タイミングでの位置P(t+C)が近傍エリアに入らず、戻りと判定しないため、飛び直後から戻り直前までの位置の補正は行わない。
次に、位置情報送受信時におけるユーザ端末1およびサーバ4の動作手順について説明する。図10は、位置情報送受信時の動作手順を示すフロー図である。
ユーザ端末1では、自装置の位置情報を取得する(ST101)。そして、端末IDと、位置情報および測位時刻とを含む測位結果通知をサーバ4に送信する(ST102)。
サーバ4では、ユーザ端末1から送信される測位結果通知を通信部11で受信すると(ST201でYes)、その測位結果通知に含まれる情報(端末ID、位置情報、測位時刻および移動距離など)を、記憶部13に蓄積する(ST202)。
以上の動作が、ユーザ端末1が対象エリアに進入して測位を開始してから、ユーザ端末1が対象エリアから退出して測位が終了するまで、所定間隔で定期的に繰り返され、サーバ4に、各時刻の位置情報が蓄積される。
次に、動線出力時におけるサーバ4および管理者端末5の動作手順について説明する。図11は、動線出力時の動作手順を示すフロー図である。
サーバ4では、動線の出力条件(対象となる人物、時間など)を含む動線出力指示を通信部11で管理者端末5から受信すると(ST301でYes)、記憶部13に蓄積された位置情報の中から、出力条件に該当する位置情報を検索する(ST302)。そして、検索結果に基づいて、動線出力ができるか否かを判定する(ST303)。ここで、出力条件に該当する位置情報がなく、動線出力ができない場合には(ST303でNo)、エラー通知を通信部11から管理者端末5に送信する(ST304)。
一方、出力条件に該当する位置情報があり、動線出力ができる場合には(ST303でYes)、次に、位置補正部21において、位置補正、すなわち、飛びが発生した後に飛び直前位置の近傍に戻った場合には、飛び発生から戻り直前までの各時刻の位置を飛び直前位置に補正する処理を行う(ST305)。そして、分析処理部22において、補正された位置情報に基づいて動線情報を生成して、その動線情報を通信部11から管理者端末5に送信する(ST306)。
管理者端末5では、ブラウザを起動してサーバ4にアクセスして、出力条件(対象となる人物、時間など)を指定して動線出力を指示する操作を管理者が行うと、出力条件を含む動線出力指示をサーバ4に送信する(ST401)。
次に、管理者端末5では、動線出力ができない旨のエラー通知をサーバ4から受信すると(ST402でYes)、そのエラー通知の内容を画面表示する(ST403)。また、動線情報をサーバ4から受信すると(ST404でYes)、その動線情報に基づいて動線を画面表示する(ST405)。
なお、本実施形態では、動線出力を指示されたタイミングで、位置情報の補正処理を行うようにしたが、この補正処理を行うタイミングは特に限定されない。例えば、動線出力の指示に関係なく、適宜なタイミングで補正処理を行うようにしてもよい。また、補正された位置情報は、動線出力の指示に応じて動線情報を送信すると、破棄するようにしてもよいが、記憶部13に蓄積するようにしてもよい。
次に、サーバ4の位置補正部21で行われる処理(図11のST305)の手順について説明する。図12は、位置補正部21で行われる処理の手順を示すフロー図である。
サーバ4の位置補正部21では、まず、動線出力の対象となる人物の対象期間における最初の時刻(t=0)の移動距離D(t)を記憶部13から取得して、飛びが発生したか否か、すなわち、移動距離D(t)が飛び判定のしきい値Th1(10m)以上であるかを判定する(ST501)。
ここで、飛びが発生していない場合には(ST501でNo)、時刻tをインクリメントして(ST502)、ST501に戻り、次の時刻(1秒後)の飛び判定に進む。
一方、飛びが発生した場合には(ST501でYes)、そのときの移動距離D(t)を飛び距離A(m)に設定する(ST503)。
次に、前回までの累積移動距離Bに今回の移動距離D(t+C)を加算して、今回の累積移動距離Bを算出する(ST504)。なお、飛び直後の時刻ではC=0である。
また、飛び発生からの経過時間Cをインクリメントする(ST505)。
次に、戻り判定のタイミングか否か、すなわち、累積移動距離Bが、飛び距離Aから定数Eを減算した値(A−E)以上であるか否かを判定する(ST506)。
ここで、戻り判定のタイミングでない場合には(ST506でNo)、ST504に戻り、次の時刻の累積移動距離Bを算出する。
一方、戻り判定のタイミングである場合には(ST506でYes)、次に、経過時間Cを戻り判定のしきい値Th2に設定して、飛び直前位置の近傍に戻ったか否かの戻り判定、すなわち、飛び直前位置P(t−1)と、飛び直後からのC秒後の位置P(t+C)との間の距離が、しきい値Th2以下となるか否かを判定する(ST507)。なお、図9(B)のように、飛び直後から戻り判定の実施タイミングまでの経過時間Cが、飛び判定のしきい値Th1(10m)に対応する時間(移動速度を1m/秒とすると10秒)以上となる場合には、戻り判定のしきい値(近傍エリアの半径)Th2を、経過時間C(例えば10秒)に対応する距離(例えば10m)ではなく、定数F(例えば1m)短く(Th2=C−F)設定するとよい。
ここで、飛び直前位置の近傍に戻った場合には(ST507でYes)、飛び直後から戻り直前までの各時刻の位置P(t)〜P(t+C−1)を全て、飛び直前位置P(t−1)に補正する(ST508)。
一方、飛び直前位置の近傍に戻らなかった場合には(ST507でNo)、位置の補正(ST508)は行わない。
次に、時刻tをC秒後の時刻(t+C)に設定する(ST509)。
次に、対象期間の最後の時刻か否かを判定する(ST510)。ここで、対象期間の最後の時刻でない場合には(ST510でNo)、ST501に戻り、次の時刻の飛び判定に進む。一方、対象期間の最後の時刻である場合には(ST510でYes)、処理を終了する。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
例えば、前記の実施形態では、工場などの建物内の部屋に滞在する人物の位置情報を収集する例について説明したが、対象とする場所はこれに限定されるものではなく、例えばテーマパークなどの施設を対象として、施設内に滞在する人物の位置情報を収集するようにしてもよい。
また、前記の実施形態では、ユーザ端末1において、建物内に設置されたビーコン発信機2のビーコン信号に基づいて位置情報を取得する屋内測位を行うようにしたが、このような屋内測位に限定されるものではなく、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムを利用したものであってもよい。
本発明に係る管理装置、管理システム、および位置補正方法は、飛びが発生した場合に位置情報を適切に補正することができる効果を有し、移動体の位置情報を管理する管理装置および管理システム、ならびに移動体の位置情報を補正する位置補正方法などとして有用である。
1 ユーザ端末(端末装置、移動体)
2 ビーコン発信機
3 アクセスポイント
4 サーバ(管理装置)
5 管理者端末
11 通信部
12 制御部
13 記憶部

Claims (7)

  1. 移動体の位置情報を管理する管理装置であって、
    前記移動体の各時刻の位置情報を蓄積する記憶部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、
    前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、
    前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正することを特徴とする管理装置。
  2. 前記制御部は、
    前記飛びが発生すると、その後の移動距離を加算して、飛び発生後の累積移動距離を算出し、その累積移動距離と、前記飛びが発生した際の移動距離とを比較して、前記戻り判定の実施タイミングであるか否かを判定し、前記戻り判定の実施タイミングとなると、前記戻り判定を実施することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記制御部は、
    前記戻り判定の実施タイミングでの位置と前記飛びの直前位置との間の距離が所定のしきい値以下となると、前記戻りが発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
  4. 前記制御部は、
    前記飛びの直後から前記戻り判定の実施タイミングまでの経過時間に基づいて、前記戻り判定のしきい値を設定することを特徴とする請求項3に記載の管理装置。
  5. 前記制御部は、
    前記経過時間が、前記飛び判定のしきい値に対応する時間以上となる場合には、前記経過時間に基づいて求められる前記戻り判定のしきい値を低減補正することを特徴とする請求項4に記載の管理装置。
  6. 管理装置が移動体の位置情報を管理する管理システムであって、
    前記管理装置は、
    前記移動体の各時刻の位置情報を蓄積する記憶部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、
    前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、
    前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正することを特徴とする管理システム。
  7. 管理装置において、蓄積した移動体の位置情報を補正する位置補正方法であって、
    前記位置情報の1回の移動距離が所定のしきい値以上となる飛びが発生したか否かに関する飛び判定を行い、
    前記飛びが発生した場合には、その飛びの直前位置の近傍に戻る戻りが発生したか否かに関する戻り判定を行い、
    前記戻りが発生した場合には、前記飛びの直後位置から前記戻りの直前位置までの各時刻の位置情報を、前記飛びの直前位置の位置情報に基づいて補正することを特徴とする位置補正方法。
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