JP6975594B2 - 耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法 - Google Patents

耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐せん断性が要求される耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法に関する。
繊維結合型セラミックスは、単体セラミックスに比して非常に靭性が高く信頼性の高い材料である。また、化学蒸着気相法(CVD法)、化学浸透気相法(CVI法)、又はポリマー含浸法(PIP法)等により製造されたセラミックス繊維強化セラミックス基複合材料に比べると、非常に緻密であり表面平滑性に優れている。したがって、繊維結合型セラミックスは、高耐熱性、高靭性、かつ緻密な高温材料である。
その例として、特開2004−131365号公報に示される高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材は、同公開発明の出願人によって「チラノヘックス(商標)」という商標で発売されており、それは主としてSi、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)からなる無機繊維が、最密充填に極めて近い構造に結合し、繊維間には1〜100nmのCを主成分とする境界層が形成されている高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材である。
さらに詳しくは、
(A)(i)下記(a)及び/又は(b)からなる無機繊維と、
(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物質(MはTi又はZrを示す)、
(b)(1)β−SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、(2)SiO及びMOの非晶質物質との集合体、
(ii)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(c)及び/又は(d)からなり、場合により(e)が分散した無機物質と、
(c)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、
(d)結晶質のSiO及びMOからなる結晶質物質、
(e)100nm以下の粒径のMCからなる結晶質微粒子無機物質、
(iii)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする、場合により100nm以下の粒径のMCからなる結晶質粒子が分散した、1から100nmの境界層、
から構成されてなる無機繊維結合型セラミックス部材の製造方法であって、
(B)内面層と表面層とからなる無機繊維であって、内面層が下記(a)及び/又は(b)を含有する無機質物質で構成され、
(a)Si、M、C及びOからなる非晶質物質(MはTi又はZrを示す。)、
(b)(1)β−SiC、MC及びCの結晶質微粒子と、(2)SiO及びMOの非晶質物質との集合体、
表面層が下記(c)及び/又は(d)を含有する無機質物質で構成され、
(c)Si及びO、場合によりMからなる非晶質物質、
(d)結晶質のSiO及び/又はMOからなる結晶質物質、
かつ、表面層の厚さT(単位μm)がT=aD(ここで、aは0.023〜0.053の範囲内の数値であり、Dは無機繊維の直径(単位μm)である。)を満足する無機繊維の積層物を、
所定形状の予備成形体に作製し、予備成形体をカーボンダイスにセットして、その周囲をカーボン粉末で覆った後、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の範囲の温度で10〜100MPaの加圧下でホットプレス処理することにより、予備成形体に擬似等方的な圧力を負荷して一体化加工を行って製造された高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材である。
すなわち、その高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材は、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)を主成分とする無機繊維(上記商標の部材に於いて「チラノ繊維(商標)」という)を繻子織りした無機繊維織物とし、この無機繊維織物の表面を酸化させてSiOを形成して酸化無機繊維織物とし、その酸化無機繊維織物を積層した酸化無機繊維織物堆積層で形成されたプリフォーム(予備成形体)を、カーボンダイスにセットし、カーボン粉末で覆ってホットプレス処理することによって予備成形体に擬似等方的な圧力を負荷し、SiO部分を結合することにより一体化成形されるものである。
上記高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2は、図7に示すように、一般にSi、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)からなる無機繊維を一平面内の0/90°(2D)に繻子織りしたシート状の酸化無機繊維織物2aを積層した予備成形体を一体化したものである。図7(a)は高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2の酸化無機繊維織物2aを積層した状態を模式的に示す側面断面図であり上下向きに積層方向Lが示され、同(b)は高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2の模式的な上面図である。各図中の部材内の縦横の平行線は繊維方向Pを模式的に示す。図8(a)、(b)はいずれも図7(a)と同様に高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2の模式的な側面断面図であり、(a)はせん断力Sの負荷状態、(b)はせん断力による損傷Dを示す説明図である。
この高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2は、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)からなる無機繊維をSiOマトリックスで結合したセラミックス系複合材料と言える。Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)からなる無機繊維は、1500℃以上でも耐熱性を有するが、SiOマトリックスは1200℃以上で軟化する。このため、1500℃程度以上でこの部材を適用しようとすると、無機繊維は十分強度を有していても、マトリックスのSiOが軟化しており、マトリックス部分は十分な強度を受け持つことができない。特に繊維層間部分2bに対して繊維層間部分2bに沿う繊維方向Pに平行にせん断力Sを受ける場合には、部材に損傷、破壊Dを生じ易くなる。
したがって、図8(a)に示すように積層方向Lに対して垂直で、繊維方向Pに平行にせん断力Sが働くと図8(b)に示すようにクラック、剥離、破断等の損傷Dを生じ易い。
高温ガスの制御弁の制御ロッド等には高温高圧下で、曲げ負荷のみならず高いせん断力を受けるものがある。例えば、航空宇宙用制御機器部品等に於いては、図9に概略形状を示すような段差部151付のロッド形状部品105があり、高圧下で、2000℃を越える燃焼ガスに曝されるために、材料温度が1500℃以上まで上昇する。そのような高温、高圧下で用いられる段差部151付きのロッド形状部品105を上記の高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2によって製造する場合、従来は以下のように製造された。
図10(a)、(b)に示すように酸化無機繊維織物2aの堆積層で予備成形体106を形成し、カーボンダイスにセットし、カーボン粉末で覆ってホットプレス処理することによって予備成形体106に擬似等方的な圧力を負荷し、SiO部分を結合することにより一体化製造して高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2として、それから図中破線で示すように機械加工(研削、研磨等)し、図10(c)、(d)に示すようなロッド形状部品105を製造することが行なわれる。図10(a)は高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2内の酸化無機繊維織物2aを積層した状態を模式的に示す側面断面図であり図示上下向きに積層方向Lが示され、同図(b)は、(a)中のH−H矢視断面図である。なお、(a)は左右対称に2個のロッド形状部品105を取出す場合(2本取り)の左半分を示している。同図(c)は製造されたロッド形状部品105の模式的な側面図、同図(d)は、(c)中のI−I矢視図である。なお、各図中の部材2内の平行線は繊維方向Pを模式的に示す。
そのため、図10(c)、(d)に示した従来の高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材2で製造された高温、高圧下で用いられるロッド形状部品105においては、ロッド形状部品105が途中に段差部(少なくとも積層方向Lに拡大する段差部)151を有する場合、段差部151に図中白抜き矢印のようなロッド中心線X方向の高温、高圧気体の圧力を受けると、段差部151に働く負荷によりロッド形状部品105の、特に積層方向L上下端側の段差部151aの繊維層間部分2bにせん断力Sが働き、クラック、剥離、破断等の損傷Dが生じ易くなる。
なお、上述した従来の化学蒸着気相法(CVD法)、化学浸透気相法(CVI法)、又はポリマー含浸法(PIP法)等により製造されたセラミックス繊維強化セラミックス基複合材料は、カーボン繊維強化カーボン基複合材料と同様に、予め酸化無機繊維織物2aにおいて従来の積層方向Lにも繊維を配向して三次元(3D)に織って予備成形体を形成し、ホットプレス処理し一体化することは、積層方向に配向した繊維がホットプレスにおいて破損するため上記の問題の解決法として採用することはできなかった。
したがって、高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材内の積層された酸化無機繊維織物の層間に対しての繊維方向のせん断力に耐えられるロッド形状部品とその製造方法が求められており、またさらに具体的には、1500℃以上で高耐熱性無機繊維結合型セラミックス部材のマトリックスが軟化した状態でもせん断力に耐えることができ、気密性があって高い層間せん断強度を有し、高温高圧下での使用を可能とするロッド形状部品およびその製造方法が求められている。
特開2004−131365号公報
本発明は、無機繊維結合型セラミックス部材内の積層された酸化無機繊維織物の層間に与えられる繊維方向のせん断力に対して耐せん断性を有する無機繊維結合型セラミックス部材による耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品は、中心線方向に延在して設けられるロッド形状部品において、無機繊維結合型セラミックス部材を用いてなる主積層部と、前記無機繊維結合型セラミックス部材を用いてなり、前記主積層部に一体に設けられる傾斜積層部と、を備え、前記無機繊維結合型セラミックス部材は、複数積層された酸化無機繊維織物を有し、前記酸化無機繊維織物は、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)を含有する無機繊維を用いてなる無機繊維織物と、前記無機繊維織物の表面に形成されると共にSi、O及びMを含有する無機物質と、を含み、前記主積層部は、前記無機繊維結合型セラミックス部材に含まれる前記無機繊維の繊維方向が前記中心線方向に沿った方向となっており、前記無機繊維の前記繊維方向に対して傾斜して形成される傾斜断面を含み、前記傾斜積層部は、前記傾斜断面上に設けられ、前記無機繊維結合型セラミックス部材に含まれる前記無機繊維の前記繊維方向が前記傾斜断面に沿った方向となっていることを特徴とする。
また、前記中心線方向の一方側の部位となる第1ロッド部位と、前記第1ロッド部位に対して前記中心線方向の他方側の部位となり、前記第1ロッド部位に比して太い部位となる第2ロッド部位と、前記第1ロッド部位と前記第2ロッド部位との間に設けられ、前記第1ロッド部位から前記第2ロッド部位に向かって拡がる段差部と、を備え、前記主積層部及び前記傾斜積層部は、前記中心線方向において、前記第1ロッド部位から前記段差部を経て前記第2ロッド部位に亘って設けられ、前記段差部は、前記中心線方向において、前記主積層部の前記傾斜断面が位置する範囲内に設けられると共に、前記傾斜積層部に設けられていることが好ましい。
また、前記第1ロッド部位は、前記中心線方向を軸方向とする円柱形状となっており、
前記第2ロッド部位は、前記中心線方向を軸方向とする円柱形状となり、前記第1ロッド部位に比して太径となっていることが好ましい。
本発明の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品の製造方法は、酸化無機繊維織物を用いて、中心線方向に延在して設けられるロッド形状部品を製造するロッド形状部品の製造方法において、前記酸化無機繊維織物は、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)を含有する無機繊維を用いてなる無機繊維織物と、前記無機繊維織物の表面に形成されると共にSi、O及びMを含有する無機物質と、を含み、前記酸化無機繊維織物に含まれる前記無機繊維の繊維方向を前記中心線方向に沿わせて、前記酸化無機繊維織物を複数積層すると共に、前記無機繊維の前記繊維方向に対して傾斜する傾斜断面を形成して、主積層部とする工程と、前記酸化無機繊維織物に含まれる前記無機繊維の繊維方向を前記主積層部の前記傾斜断面に沿わせて、前記酸化無機繊維織物を前記主積層部の前記傾斜断面上に複数積層して、傾斜積層部とする工程と、前記主積層部と前記傾斜積層部とを一体化成形して、無機繊維結合型セラミックス複合部材とする工程と、前記無機繊維結合型セラミックス複合部材から、前記主積層部及び前記傾斜積層部を含む前記ロッド形状部品を採取する工程と、を備えることを特徴とする。
また、前記ロッド形状部品は、前記中心線方向の一方側の部位となる第1ロッド部位と、前記第1ロッド部位に対して前記中心線方向の他方側の部位となり、前記第1ロッド部位に比して太い部位となる第2ロッド部位と、前記第1ロッド部位と前記第2ロッド部位との間に設けられ、前記第1ロッド部位から前記第2ロッド部位に向かって拡がる段差部と、を少なくとも含み、前記ロッド形状部品を採取する工程では、前記中心線方向において、前記第1ロッド部位から前記段差部を経て前記第2ロッド部位に亘って、前記主積層部及び前記傾斜積層部を含むように採取されると共に、前記段差部が、前記中心線方向において、前記主積層部の前記傾斜断面が位置する範囲内に設けられると共に、前記傾斜積層部に設けられるように採取されることが好ましい。
また、前記主積層部とする工程では、前記傾斜断面を機械加工して形成することが好ましい。
本発明の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法は、上記のように、傾斜積層部と主積層部とが一体に設けられるため、中心線方向の負荷によるせん断力と傾斜積層部の層間方向(繊維方向)が一致せず、また、層間断面が露出しても傾斜積層部の層間断面であるため主積層部に層間せん断破壊が及び難く、せん断力に対する強度が向上する。従って、ロッド形状部品を実際に使用した場合の層間損傷が少なくなる。
また、本発明の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法は、細い部位となる第1ロッド部位から太い部位となる第2ロッド部位に向かって拡がる段差部が傾斜積層部に設けられることにより、段差部において主積層部の層間断面に直接せん断力が作用せず、その強度向上の効果は著しく顕著なものとなる。
また、本発明の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品及びその製造方法は、主積層部の傾斜断面を機械加工で形成すれば、主積層部と傾斜積層部の一体化成形がより精度の高いものとなり、せん断力に対する強度向上がより確実になる。
図1は、本実施形態に係る無機繊維結合型セラミックス複合部材の側面断面図であり、その内部の酸化無機繊維織物を積層した状態を模式的に示す。 図2は、本実施形態の実施例1に係る無機繊維結合型セラミックス複合部材からなるロッド形状部品とその製造方法の説明図である。 図3は、実施例1に係るロッド形状部品の層間せん断破壊形態の写真である。 図4は、(a)が、比較例1のロッド形状部品の採取位置を模式的に示す側面図であり、(b)が、(a)中のE−E矢視図である。 図5は、比較例1に係るロッド形状部品の層間せん断破壊形態の写真である。 図6は、(a)が、本実施形態の実施例2に係る無機繊維結合型セラミックス複合部材からなるロッド形状部品の側面断面図であり、その内部の酸化無機繊維織物を積層した状態を模式的に示し、(b)が、(a)中のF−F矢視断図である。 図7は、(a)が、一般的な無機繊維結合型セラミックス部材内の酸化無機繊維織物を積層した状態を模式的に示す側面断面図であり、(b)が、無機繊維結合型セラミックス部材の模式的な上面図である。 図8は、(a)、(b)はいずれも図7(a)と同様に、無機繊維結合型セラミックス部材の模式的な側面断面図であり、(a)はせん断力の負荷状態、(b)はせん断力による損傷を示す説明図である。 図9は、(a)が、一般的な段差部付のロッド形状部品の概略形状の説明図であり、(b)が、(a)中のG−G矢視断面図である。 図10は、(a)が、従来のロッド形状部品(比較例2)が採取される無機繊維結合型セラミックス部材の側面断面図であり、その内部の酸化無機繊維織物を積層した状態を模式的に示し、(b)が、(a)中のH−H矢視断面図であり、(c)が、比較例2に係るロッド形状部品の模式的な側面図であり、(d)が、(c)中のI−I矢視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態]
本実施形態は、従来の高耐熱性無機繊維結合型セラミックスで製造されたロッド形状部品の上記の問題を解決するものであり、図1に本発明に係る無機繊維結合型セラミックス複合部材1の側面断面図を示し、内部の酸化無機繊維織物2aを積層した状態を模式的に示す。
本実施形態に係る無機繊維結合型セラミックス複合部材1は、せん断力Sに対して角度をもった積層部分を追加して、せん断力Sに対して強化を行なった耐せん断性及び高耐熱性を有する無機繊維結合型セラミックス複合部材1となっている。具体的に、無機繊維結合型セラミックス複合部材1は、主積層部3と、傾斜積層部4と、を一体に成形したものであり、この無機繊維結合型セラミックス複合部材1の所定位置を所定形状に機械加工することで、本実施形態の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品5(図6参照)を採取している。
主積層部3は、酸化無機繊維織物2aを積層方向に複数積層して、予め一体化成形した高耐熱性を有する無機繊維結合型セラミックス部材2となっている。酸化無機繊維織物2aは、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)からなる無機繊維を用いてなる無機繊維織物と、無機繊維織物の表面に形成されると共にSi、O及びMからなる無機物質と、を含んで構成されている。主積層部3は、積層された繊維の繊維方向Pに対して角度を持たせて(傾斜させて)形成された傾斜断面31を有している。傾斜断面31は、例えば部分的に機械加工で削除することにより形成される。
傾斜積層部4は、傾斜断面31を覆って設けられている。傾斜積層部4は、傾斜断面31に沿って上記の酸化無機繊維織物2aをさらに複数積層して、主積層部3と一体複合化成形されることで、耐せん断性及び耐高熱性を有する上記の無機繊維結合型セラミックス複合部材1となっている。この傾斜積層部4は、図1に示す積層方向L′となっており、また、傾斜積層部4の繊維の方向が傾斜断面31に沿った方向となっている。
なお、主積層部3における傾斜断面31は機械加工に拠らず、予め主積層部3を形成する際、そのように主積層部3を積層して形成してもよい。
ここで、本実施形態に用いられる無機繊維結合型セラミックス複合部材1(単に、無機繊維結合型セラミックスともいう)の酸化無機繊維織物としては、次のような好適例が挙げられる。なお、下記する本実施形態では、Mとして、Tiに適用して説明するが、Tiに代えてZrを適用してもよい。
先ず、無機繊維結合型セラミックス(A)は、
(i)下記(a)及び/又は(b)からなる無機繊維と、
(a)Si、Ti、C及びOからなる非晶質物質、
(b)(1)β−SiC、TiC及びCの結晶質微粒子と、(2)SiO及びTiOの非晶質物質との集合体、
(ii)前記無機繊維の間隙を充填する、下記(c)及び/又は(d)からなり、場合により(e)が分散した無機物質と、
(c)Si及びO、場合によりTiからなる非晶質物質、
(d)結晶質のSiO及びTiOからなる結晶質物質、
(e)100nm以下の粒径のTiCからなる結晶質微粒子無機物質、
(iii)上記無機繊維の表面に形成された、Cを主成分とする、場合により100nm以下の粒径のTiCからなる結晶質粒子が分散した、1から100nmの境界層、
から構成されている。
結晶質微粒子におけるβ−SiCとTiCとはそれらの固溶体として存在することもでき、またTiCは炭素欠損状態であるTiC1−x(xは0以上で1未満の数である。)として存在することもできる。無機繊維を構成する各元素の割合は、例えば、Si:30〜60重量%、Ti:0.5〜35重量%、好ましくは1〜10重量%、C:25〜40重量%、O:0.01〜30重量%である。無機繊維の相当直径は例えば5〜20μmである。
無機繊維(i)は、例えば、無機繊維結合型セラミックス(A)中に、80体積%以上、好ましくは85〜91体積%、存在する。
それぞれの無機繊維の表面には、非晶質及び結晶質の炭素が、1〜100nmの範囲、好ましくは10〜50nmの厚さで境界層として非整合的に層状に生成している。また、場合により境界層には、100nm以下の粒径のTiCからなる結晶質粒子が分散している。
以下、本実施形態の一例である実施例1、実施例2を説明する。
実施例1の耐せん断性及び高耐熱性を有する無機繊維結合型セラミックス複合部材1を用いてなるロッド形状部品5と、その製造方法とを、図2中の(a)〜(d)を参照して説明する。なお、(a)図示において、左側は傾斜コア材3の側面図、そのA−A矢視図を右側に示し、(b)図示において、左側は予備成形体6の側面図、そのB−B矢視図を右側に示し、(c)図示においては、カーボンダイス10の側面断面図を示し、(d)図示において、左側は無機繊維結合型セラミックス複合部材1の側面図を示し、そのD−D矢視図を右側に示す。
(a):繊維径10μmのSi、Ti、C及びOからなる無機繊維(商標名「チラノ繊維」)の繻子織物シートを、950℃の空気中で15時間加熱処理し、表面層と内面層とからなる酸化無機繊維織物2aを作製した。繊維表面には、無機物質を含む平均約300nmの均一な表面層が形成されていた。次に、この酸化無機繊維織物2aを、200mm×200mmに切断した後、100枚を積層して、カーボンダイス中にセットし、アルゴン雰囲気下、温度1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、二次元方向(2D)の無機繊維結合型セラミックス部材2を得た。
この状態で上記の二次元方向(2D)の無機繊維結合型セラミックス部材2は、図2の上下向きの積層方向Lを有し、一様に図示水平方向の繊維方向(層間方向)Pを有している。この無機繊維結合型セラミックス部材2を、繊維方向Pに対して角度を持たせて機械加工(研削、研磨等)し、中央部表裏に上下高さが減じた平行面30が形成されるように左右対称に傾斜断面31を有する傾斜コア材3とした。傾斜断面31は、採取するロッド形状部品5の中心線X方向において酸化無機繊維織物2aの繊維方向Pに対して傾斜して形成されている。また、傾斜コア材3はロッド形状部品5の中心の主積層部をなすものとなる。
このように、(a)は、酸化無機繊維織物2aに含まれる無機繊維の繊維方向Pを中心線X方向に沿わせて、酸化無機繊維織物2aを複数積層すると共に、無機繊維の繊維方向Pに対して傾斜する傾斜断面31を形成して、傾斜コア材(主積層部)3とする工程となっている。
なお、傾斜コア材3が中心線X方向において左右対称に傾斜断面31を有するものとしたのは、下記の無機繊維結合型セラミックス複合部材1からロッド形状部品5を2本取りできるほか、下記の傾斜積層部4の形成、及び加圧、一体化成形において、無機繊維結合型セラミックス複合部材1の成形が一様になされるためである。
(b)傾斜コア材3の表裏へ傾斜断面31も含めその上下面に沿って、傾斜積層部4として、Si、Ti、C及びOからなる無機繊維(商標名「チラノ繊維」)を950℃の空気中で15時間加熱処理した酸化無機繊維織物2aをそれぞれ50枚積層し、予備成形体6とした。予備成形体6において、傾斜積層部4は、傾斜コア材3の傾斜断面31に面する部分は傾斜した積層方向L′を有し、それ以外は傾斜コア材3の積層方向Lと同じ積層方向Lを有する。
このように、(b)は、酸化無機繊維織物2aに含まれる無機繊維の繊維方向Pを傾斜コア材3の傾斜断面31に沿わせて、酸化無機繊維織物2aを傾斜コア材3の傾斜断面31上に複数積層して、傾斜積層部4とする工程となっている。
(c)この予備成形体6をカーボンダイス10においてカーボン粉末11中に1800℃で擬似等方加圧して、傾斜コア材3と傾斜積層部4とを一体化成形し、耐せん断性及び高耐熱性を有する無機繊維結合型セラミックス複合部材1を得た。
このように、(c)は、傾斜コア材3と傾斜積層部4とを一体化成形して、無機繊維結合型セラミックス複合部材1とする工程となっている。
(d)そして、ロッド中心線X方向の途中に段差部(少なくとも積層方向L、L′に拡大する段差部)51を有するロッド形状部品5を、上記(c)で得られた無機繊維結合型セラミックス複合部材1から採取する。
ここで、採取されるロッド形状部品5について説明する。ロッド形状部品5は、中心線Xを軸方向とする円柱形状に形成されており、細径となる第1ロッド部位52と、太径となる第2ロッド部位53と、第1ロッド部位52と第2ロッド部位53との間の段差部51と、を備えている。
第1ロッド部位52は、中心線X方向の一方側の部位となっており、中心線Xを軸方向として、円柱形状に形成されている。第1ロッド部位52は、傾斜コア材3と傾斜積層部4とを含み、傾斜コア材3の積層方向と、傾斜積層部4の積層方向とは、同じ方向となっている。つまり、第1ロッド部位52は、積層方向において、中心線X側となる部位が、傾斜コア材3となっており、傾斜コア材3の表裏両面側が、傾斜コア材3の平行面30上に形成される傾斜積層部4となっている
第2ロッド部位53は、中心線X方向の他方側の部位となっており、中心線Xを軸方向として、円柱形状に形成されている。第2ロッド部位53は、第1ロッド部位52に比して太い径となっている。第2ロッド部位53は、傾斜コア材3と傾斜積層部4とを含み、傾斜コア材3の積層方向と、傾斜積層部4の積層方向とが、異なる方向となっている。つまり、第2ロッド部位53は、積層方向において、中心線X側となる部位が、傾斜コア材3となっており、傾斜コア材3の表裏両面側が、傾斜コア材3の傾斜断面31上に形成される傾斜積層部4となっている。
段差部51は、第1ロッド部位52から第2ロッド部位53に向かって拡がるテーパ面に形成されている。段差部51は、傾斜コア材3と傾斜積層部4とを含み、第2ロッド部位53と同様に、傾斜コア材3の積層方向と、傾斜積層部4の積層方向とが、異なる方向となっている。つまり、段差部51は、第2ロッド部位53と同様に、積層方向において、中心線X側となる部位が、傾斜コア材3となっており、傾斜コア材3の表裏両面側が、傾斜コア材3の傾斜断面31上に形成される傾斜積層部4となっている。このため、段差部51は、中心線X方向において、傾斜コア材3の傾斜断面31が位置する範囲内に設けられると共に、傾斜積層部4に形成されている。
そして、上記したように、本実施形態において、無機繊維結合型セラミックス複合部材1から、上記のロッド形状部品5を2本取りする場合、傾斜コア材3の繊維方向Pと、ロッド中心線X方向とを一致させる。2本取りされるロッド形状部品5は、中心線X方向において、各第1ロッド部位52が相互に対向するように配置される。また、中心線X方向において、傾斜コア材3の左右の傾斜断面31が位置するそれぞれの範囲内に、積層方向L、L′の上下端側(表裏両面側)の段差部51aが位置するように、また、段差部51aが傾斜積層部4内に位置するように、機械加工によってロッド形状部品5を採取し、実施例1とした。これにより、実施例1のロッド形状部品5は、傾斜コア材3と傾斜積層部4とに跨った、中心線X方向に延在して設けられる段差部51aを有する円柱形状の部品となる。
このように、(d)は、無機繊維結合型セラミックス複合部材1から、傾斜コア材3及び傾斜積層部4を含むロッド形状部品5を採取する工程となっている。
従って、採取したロッド形状部品5において、積層方向L、L′の上下端側の段差部51aには傾斜コア材(主積層部)3の層間断面は露出せず、傾斜積層部4の層間断面が露出したものとなっている。
しかる後、得られた実施例1のロッド形状部品5に対し、そのロッド中心線X方向の負荷Fによる層間せん断試験を行った。実施例1のロッド形状部品5の層間せん断強度は、室温で25〜35MPa、1300℃で35〜42MPa、1500℃で25〜27MPaであった。
また、その時の破壊形態は、図3に示すとおりである。図3は、実施例1のロッド形状部品5において、1500℃での層間せん断破壊形態を示す写真である。つまり、図3には、積層方向L、L′の上下端側の段差部51aにおいて発生する、傾斜積層部4の積層方向L′の部分の傾斜積層面に沿った(すなわち、傾斜コア材3の傾斜断面31と平行な面に沿った)せん断破壊が示されており、段差部51aは、繊維方向に沿って斜めに破壊されている。
実施例1と比較するために比較例1として、図4に示すように、単純な二次元方向(2D)となる無機繊維の一様な積層体による段差部(少なくとも積層方向Lに拡大する段差部)151を有するロッド形状部品105を製造した。なお、図4(a)は、酸化無機繊維織物2aが積層された無機繊維結合型セラミックス部材2と、無機繊維結合型セラミックス部材2におけるロッド形状部品105の採取位置を模式的に示す側面図であり、上下に積層方向Lが示されている。また、図4(b)は、(a)中のE−E矢視図である。
すなわち、比較例1では、繊維径10μmのSi、Ti、C及びOからなる無機繊維(商標名「チラノ繊維」)の繻子織物シートを、950℃の空気中で15時間加熱処理し、表面層と内面層とからなる酸化無機繊維織物2aを作製した。繊維表面には、無機物質を含む平均約300nmの均一な表面層が形成されていた。次に、この酸化無機繊維織物2aを、200mm×200mmに切断した後、200枚を積層して、これを予備成型体106としてカーボンダイス中にセットし、アルゴン雰囲気下、温度1800℃、50MPaの圧力でホットプレス処理し、二次元方向(2D)の無機繊維結合型セラミックス部材2を得た。
この状態で上記の二次元方向(2D)の無機繊維結合型セラミックス部材2は、前述の従来のロッド形状部品105を製造するための無機繊維結合型セラミックス部材2(図10参照)と同様に、図4の上下向きの積層方向Lを有し、一様に図示の水平方向の繊維方向(層間方向)Pを有している。
この無機繊維結合型セラミックス部材2から、機械加工によって実施例1と同形状の比較例1のロッド形状部品105を採取する。採取した比較例1のロッド形状部品105は、積層方向Lの上下端側の段差部151aに比較例1の主積層部3である無機繊維結合型セラミックス部材2の層間断面が露出したものとなっている。
比較例1のロッド形状部品105に対し、ロッド中心線X方向の負荷Fによる層間せん断試験を行った。比較例1のロッド形状部品105の層間せん断強度は、室温で22〜28MPa、1300℃で30〜36MPa、1500℃で23〜25MPaであった。この値は実施例1と比べて低い値である。
また、その時の破壊形態は、図5に示すとおりである。図5は、比較例1のロッド形状部品105において、1500℃での層間せん断破壊形態を示す写真である。つまり、図5には、積層方向Lの上下端側の段差部151aにおいて発生する、ロッド形状部品105の主積層部の積層面に沿ったせん断破壊が示されており、段差部151aは、その繊維方向Pに沿って真っ直ぐ破壊されている。
これは、図10に示すような従来の段差部151つきのロッド形状部品105と同様の積層構造を有する比較例1においては、積層方向Lの上下端側の段差部151aに主積層部(実施例1の傾斜コア材3に相当)である無機繊維結合型セラミックス部材2の層間断面が露出している。つまり、ロッド中心線X方向と平行な繊維方向Pの主積層部の層間断面が露出することで、段差部151に働く負荷Fとして、層間面に平行なせん断力S(図10参照)が作用すると、せん断破壊が生じ易い。
一方で、実施例1の場合、積層方向L、L′の上下端側の段差部51は、傾斜積層部4に形成されている。このため、ロッド中心線X方向の負荷Fとなるせん断力S(図6参照)が作用する箇所において、繊維方向(層間方向)Pが一致せず、また、層間断面が露出しても傾斜積層部4の層間断面であるため、主積層部3に層間せん断破壊が及び難く、せん断力Sに対する強度が向上したものとなる。
上述のように航空宇宙用制御機器部品等、高温、高圧下で用いるロッド形状部品として、従来は、図10(c)、(d)に示すものであった。すなわち、Si、Ti、C及びOからなる無機繊維の表面にSi、O及びTiからなる無機物質が形成された二次元方向(2D)の酸化無機繊維織物2aを複数積層して、高耐熱性の無機繊維結合型セラミックス部材2を成形している。そして、成形した無機繊維結合型セラミックス部材2から、段差部(少なくとも積層方向Lに拡大する段差部)151付きのロッド形状部品105を採取することで、ロッド形状部品105が製造されていた。このロッド形状部品105では、外部からの負荷(特に段差部151に対するロッド中心軸X方向の力)により積層方向Lの上下端側の段差部151aにおける積層間に生じるせん断力Sにより積層間の損傷(クラック、剥離、破断等)Dが生じていた。
これを防止するために、図6に示すように本発明の耐せん断性及び高耐熱性を有する無機繊維結合型セラミックス複合部材1からロッド形状部品5(実施例2)を製造した。図6(a)は、ロッド形状部品5内の酸化無機繊維織物2aを積層した状態を模式的に示す側面断面図であり、図示上下向きに傾斜コア材3の積層方向Lが示されている。また、図6(b)は、(a)中のF−F矢視断面図である。
その製造方法は、実施例1で示したロッド形状部品5の製造方法と同じであり、Si、Ti、C及びOからなる無機繊維の表面にSi、O及びTiからなる無機物質が形成された二次元方向(2D)の酸化無機繊維織物2aを複数積層して、高耐熱性の無機繊維結合型セラミックス部材2を成形する。そして、成形した無機繊維結合型セラミックス部材2の積層方向Lの表裏に、機械加工により傾斜断面31を形成して、傾斜コア材(主積層部)3を製造する。この傾斜コア材3の表裏に形成された傾斜断面31に沿って、Si、Ti、C及びOからなる無機繊維の表面にSi、O及びTiからなる無機物質が形成され酸化無機繊維織物2aを複数積層して、予備成形体を形成する。この後、予備成形体をカーボンダイス中で擬似等方加圧成形し、耐せん断性及び高耐熱性を有する無機繊維結合型セラミックス複合部材1を得る。
無機繊維結合型セラミックス複合部材1を機械加工することにより所定の位置から所定の形状の段差部(少なくとも積層方向に拡大する段差部)51付のロッド形状部品5(実施例2)を採取する。段差部51の位置、形状については、実施例1で説明した段差部51の位置、形状と同様である。また、実施例2のロッド形状部品5内の積層構造は、実施例1のロッド形状部品5と同様である。
図10(c)、(d)に示した従来のロッド形状部品105(比較例2とする)と、図6に示したロッド形状部品5(実施例2)とを、実際の燃焼試験において比較使用した結果、図6の実施例2の方が比較例2に比べ層間損傷が少ないことが明らかとなった。
以上、本実施形態として図示の実施例1、2について説明したが、本実施形態は上記の実施例に限定されず、本実施形態の範囲内でその具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。なお、主積層部(傾斜コア材)3における傾斜断面31は、機械加工に拠らず、そのように主積層部3を積層して形成してもよい。また、ロッド形状部品5は、中心線X方向を軸方向とする円柱形状に形成したが、中心線X方向に延在する角柱形状に形成してもよい。さらに、主積層部(傾斜コア材)3の傾斜断面31は、繊維方向に対して傾斜していればよく、繊維方向に対する傾斜角度は、いずれの角度であってもよい。
1 無機繊維結合型セラミックス複合部材
2 無機繊維結合型セラミックス部材
2a 酸化無機繊維織物
2b 繊維層間部分
3 傾斜コア材(主積層部)
30 平行面
31 傾斜断面
4 傾斜積層部
5 ロッド形状部品
51 段差部
52 第1ロッド部位
53 第2ロッド部位
6 予備成形体
10 カーボンダイス
11 カーボン粉末
105 ロッド形状部品
106 予備成形体
151 段差部

Claims (4)

  1. 中心線方向に延在して設けられるロッド形状部品において、
    無機繊維結合型セラミックス部材を用いてなる主積層部と、
    前記無機繊維結合型セラミックス部材を用いてなり、前記主積層部に一体に設けられる傾斜積層部と、を備え、
    前記無機繊維結合型セラミックス部材は、複数積層された酸化無機繊維織物を有し、
    前記酸化無機繊維織物は、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)を含有する無機繊維を用いてなる無機繊維織物と、前記無機繊維織物の表面に形成されると共にSi、O及びMを含有する無機物質と、を含み、
    前記主積層部は、前記無機繊維結合型セラミックス部材に含まれる前記無機繊維の繊維方向が前記中心線方向に沿った方向となっており、前記無機繊維の前記繊維方向に対して傾斜して形成される傾斜断面を含み、
    前記傾斜積層部は、前記傾斜断面上に設けられ、前記無機繊維結合型セラミックス部材に含まれる前記無機繊維の前記繊維方向が前記傾斜断面に沿った方向となっており、
    前記中心線方向の一方側の部位となる第1ロッド部位と、
    前記第1ロッド部位に対して前記中心線方向の他方側の部位となり、前記第1ロッド部位に比して太い部位となる第2ロッド部位と、
    前記第1ロッド部位と前記第2ロッド部位との間に設けられ、前記第1ロッド部位から前記第2ロッド部位に向かって拡がる段差部と、を有する形状となっており、
    前記主積層部及び前記傾斜積層部は、前記中心線方向において、前記第1ロッド部位から前記段差部を経て前記第2ロッド部位に亘って設けられ、
    前記段差部は、前記中心線方向において、前記主積層部の前記傾斜断面が位置する範囲内に設けられると共に、前記傾斜積層部に設けられ、前記傾斜積層部の層間断面が外部に露出していることを特徴とする耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品。
  2. 前記第1ロッド部位は、前記中心線方向を軸方向とする円柱形状となっており、
    前記第2ロッド部位は、前記中心線方向を軸方向とする円柱形状となり、前記第1ロッド部位に比して太径となっていることを特徴とする請求項1に記載の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品。
  3. 酸化無機繊維織物を用いて、中心線方向に延在して設けられるロッド形状部品を製造するロッド形状部品の製造方法において、
    前記酸化無機繊維織物は、Si、M、C及びO(MはTi又はZrを示す。)を含有する無機繊維を用いてなる無機繊維織物と、前記無機繊維織物の表面に形成されると共にSi、O及びMを含有する無機物質と、を含み、
    前記酸化無機繊維織物に含まれる前記無機繊維の繊維方向を前記中心線方向に沿わせて、前記酸化無機繊維織物を複数積層すると共に、前記無機繊維の前記繊維方向に対して傾斜する傾斜断面を形成して、主積層部とする工程と、
    前記酸化無機繊維織物に含まれる前記無機繊維の繊維方向を前記主積層部の前記傾斜断面に沿わせて、前記酸化無機繊維織物を前記主積層部の前記傾斜断面上に複数積層して、傾斜積層部とする工程と、
    前記主積層部と前記傾斜積層部とを一体化成形して、無機繊維結合型セラミックス複合部材とする工程と、
    前記無機繊維結合型セラミックス複合部材から、前記主積層部及び前記傾斜積層部を含む前記ロッド形状部品を採取する工程と、を備え、
    前記ロッド形状部品は、
    前記中心線方向の一方側の部位となる第1ロッド部位と、
    前記第1ロッド部位に対して前記中心線方向の他方側の部位となり、前記第1ロッド部位に比して太い部位となる第2ロッド部位と、
    前記第1ロッド部位と前記第2ロッド部位との間に設けられ、前記第1ロッド部位から前記第2ロッド部位に向かって拡がる段差部と、を少なくとも含み、
    前記ロッド形状部品を採取する工程では、
    前記中心線方向において、前記第1ロッド部位から前記段差部を経て前記第2ロッド部位に亘って、前記主積層部及び前記傾斜積層部を含むように採取されると共に、前記段差部が、前記中心線方向において、前記主積層部の前記傾斜断面が位置する範囲内に設けられると共に、前記傾斜積層部に設けられ、前記傾斜積層部の層間断面が外部に露出するように採取されることを特徴とする耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品の製造方法。
  4. 前記主積層部とする工程では、前記傾斜断面を機械加工して形成することを特徴とする請求項3に記載の耐せん断高耐熱性無機繊維結合型セラミックス製のロッド形状部品の製造方法。
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