JP6666072B2 - 燃料棒および燃料集合体 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、燃料棒およびこれを有する燃料集合体に関する。
燃料集合体は、二酸化ウラン等の核燃料物質を燃料被覆管内に封入して燃料棒を構成し、燃料棒を格子状に配列する形で構成される。燃料被覆管は、ウラン等の燃料ペレットを収納する容器である。燃料被覆管は、燃料の核反応により発生する核分裂生成物ガス(FPガス)を外部に漏らさないように封じ込め、また冷却材が侵入して燃料に接触しないように燃料と冷却材とを隔離するために設けられている。
軽水炉においては、通常、燃料被覆管の材料として従来ジルコニウム合金が用いられてきた。これは核反応を持続するための中性子の吸収による損失が少なく、高温高圧水中での耐食性に優れており、熱伝導率が高い等の特性を有しているためである。
軽水炉の原子炉内構造物においては前述のようにジルコニウム合金をはじめとする金属材料が主に用いられてきたが、これら金属材料は高温の水蒸気と金属−水反応により酸化し、水素を発生させる。例えば原子炉が大規模な自然災害などの被害によって電源喪失などの重大事象に至った場合を想定すると、まず、制御棒の挿入により原子炉が停止される。しかしながら、炉心の冷却設備が作動しなければ、燃料内の核分裂生成物による崩壊熱などにより原子炉内が高温となる可能性がある。
このような状況に至った場合、上述の金属−水反応によって、水素や、反応熱の発生が生じうる。水素発生が進むと格納容器内の水素濃度が高まり、条件によっては水素燃焼により格納容器の健全性を損なう可能性があった。このような点から、重大事故時においても原子炉の安全性をさらに高めるため、炉内の構造物で多くを占める燃料被覆管に非金属材、例えば炭化ケイ素長繊維により強化した炭化ケイ素長繊維複合材料(SiC/SiC複合材)を適用する研究開発が行われている。
SiC/SiC複合材はマトリックスが炭化ケイ素で、これを炭化ケイ素の長繊維で強化した材料であり、従来のセラミックスにおいて問題であった靭性が低い点を改善している。改善できる理由は、複合材料では、マトリックスと繊維の界面が多数存在することによる。
マトリックスに発生したき裂は、マトリックス中を進展し、長繊維に到達する。長繊維に到達したき裂は、マトリックスと長繊維の界面で一旦停止する。き裂は、ここで方向を変えて、マトリックスと長繊維の界面に沿って進展しながら伝搬する。このように、き裂の伝播方向は直線的ではなく特定の方向に偏向しながら進展するため、伝播距離が長くなる。また、繊維による架橋効果および引き抜き効果により、モノリシックセラミックスにはない応力緩和も生じ、き裂の進展速度は遅くなる。このようなき裂の偏向、架橋効果および引き抜きによる破壊靱性の向上により、モノリシックセラミックスにおいて最大の欠点であった急速破断、その結果としての信頼性低下を抜本的に改善することが可能である。
炭化ケイ素長繊維複合材料を適用する理由として、この他に、(1)炭化ケイ素長繊維複合材料がジルコニウム合金に比べて、水素吸収・脆化がない、(2)熱中性子吸収断面積が小さく熱中性子の吸収が小さい、(3)中性子による材料の劣化が小さい、(4)高温強度に優れている、(5)水中での腐食速度が小さい、(6)軽いため耐震性に優れている、といった点があり、重大事故においてもある程度耐えることが期待される。
特開平6−18686号公報 特開2012−233734号公報
上述のように、炭化ケイ素を始めとするセラミックス材は高温時に安定であるという利点をもつものも多いが、展性や延性を持たないため金属と比較すると加工性に乏しいという欠点がある。この点から、長尺の管を製造する際には、製品のスケール、すなわち長さの違いによる製造性の差が無いと仮定した場合であっても、単位長さあたりに欠陥が発生する確率が一定であると考えると、製造段階において、管の長さが長いほど一本の管の中に欠陥が存在する確率が高まることとなる。このため、現状の燃料集合体の金属製の燃料被覆管の材質を、単にSiC/SiC複合材に置換しただけでは、燃料被覆管の製造の歩留まりが著しく低下する可能性があるという問題がある。
一方で、SiC/SiC複合材の製造性を重視し現状の燃料集合体と全く異なる核燃料の形態とした場合には、現存する原子炉に装荷して運転することが困難となり、また既存燃料での設計・運転・管理技術の蓄積を活用することが難しくなり、これらの技術を一から蓄積することが必要となる。SiC/SiC複合材を用いた燃料に、既存の原子炉に装荷し運転できる程度の従来型燃料との類似性があれば、これを装荷し運転することで、重大事故時の過熱による水素・酸化熱発生を抑制でき、既存の原子炉の安全性を高めて運転することができる。また、従来燃料での設計・運転・管理技術の蓄積を活用することが可能となる。
また、燃料被覆管を一定数束ねた燃料集合体は、地震等の大きな振動があると、沸騰水型軽水炉(BWR)の場合は燃料集合体間の隙間に、加圧水型軽水炉(PWR)の場合は燃料集合体中の制御棒案内管に、制御棒がほぼ瞬時に挿入される。制御棒が完全に挿入されるまでの間、燃料集合体は大きな振幅の変形にも耐える必要がある。ジルコニウム合金からなる燃料集合体においては長尺の一体ものである燃料被覆管は、変形時にあっても健全性は維持される。一方、SiC/SiC複合材では、その特徴から、折れることはなくとも破壊のエネルギーによって、繊維とマトリクスの境界部に剥離が生ずる可能性があることを考慮する必要がある。
事故時など炉心が過熱した際の安全性を高めるためSiC/SiC複合材を燃料部材に用いる燃料集合体において、既存炉に装荷可能なように従来燃料と同様に長尺の被覆管を用いた構成とすると、長尺被覆管の製造性の点で困難が生じるという課題があった。また、燃料被覆管を一定数束ねた燃料集合体は、地震等の大きな振動があると、SiC/SiC複合材では、その特徴から、折れることはなくても被覆管内部に微小なき裂が発生し、核分裂生成ガスの漏洩が発生することが危惧されるという課題があった。
そこで本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたもので、SiC/SiC複合材を用いた場合でも十分な製造性を有する燃料集合体を得ることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る燃料集合体は、互いに平行に鉛直方向に延びて水平方向に格子状に配列された複数の燃料棒と、前記複数の燃料棒の上端を支持する上部構造部材と、前記複数の燃料棒の下端を支持する下部構造部材と、を備え、前記燃料棒はそれぞれ、鉛直方向に延びる核燃料と、前記核燃料を収納して鉛直方向に延びて上端および下端が開放された炭化ケイ素繊維強化複合材製の被覆管と、前記被覆管の上端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の上部端栓と、前記被覆管の下端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の下部端栓と、を有し互いに鉛直方向に直列に配列された複数のセグメント要素と、 互いに上下に隣接する前記セグメント要素間を前記セグメント要素の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性をもって接続する連結部と、を具備し、互いに隣接する前記上部端栓の上部および前記下部端栓の下部には、それぞれ互いに係合可能なおねじまたはめねじが形成され、前記連結部は、これらのおねじとめねじで結合される直接連結部を含む、ことを特徴とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る燃料棒は、鉛直方向に延びる核燃料と、前記核燃料を収納して鉛直方向に延びて上端および下端が開放された炭化ケイ素繊維強化複合材製の被覆管と、前記被覆管の上端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の上部端栓と、前記下端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の下部端栓と、を有し互いに鉛直方向に直列に配列された複数のセグメント要素と、互いに上下に隣接する前記セグメント要素間を前記セグメント要素の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性をもって接続する連結部と、を備え、互いに隣接する前記上部端栓の上部および前記下部端栓の下部には、それぞれ互いに係合可能なおねじまたはめねじが形成され、前記連結部は、これらのおねじとめねじで結合される直接連結部を含む、ことを特徴とする。

本発明の実施形態によれば、SiC/SiC複合材を用いた場合でも十分な製造性を有する燃料集合体を得ることができる。
第1の実施形態に係る燃料集合体の構成を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る燃料棒の構成を概念的に示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る燃料棒間の連結部の構成を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る燃料棒のセグメント要素間の連結部位置におけるセグメント燃料間の相互関係を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る燃料棒の種類を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒の配列の例を示す水平断面図である。 燃料棒内の中空燃料との比較を示す縦断面図であり、(a)は中空燃料、(b)は中実燃料の場合を示す。 第1の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒の配列を示す水平配列図および縦断面図であり、(a)はセグメント要素が1種類、(b)は3種類、(c)は5種類の場合である。 図8の各ケースにおける軸方向の相対出力を比較するグラフである。 第2の実施形態に係る燃料棒間の連結部の構成を示す縦断面図である。 第2の実施形態に係る燃料棒間の連結部の変形例の構成を示す縦断面図である。 第3の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒間の連結部であるジョイントスペーサの構成を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒間の連結部であるジョイントスペーサでの結合の状態を示す縦断面図であり、(a)は挿入前、(b)は挿入中、(c)は挿入後の結合状態を示す。 第4の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒間の連結部であるジョイントスペーサの構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る燃料棒および燃料集合体について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る燃料集合体100の構成を示す縦断面図である。なお、図1は、BWRタイプの燃料集合体の場合であるが、PWRその他の炉型に対しても適用できる。以下は、主にBWRタイプの場合を例にとって説明する。
燃料集合体100は、複数の燃料棒200と、燃料スペーサ101、下部タイプレート102、上部タイプレート103、およびチャンネルボックス104を有する。
複数の燃料棒200は、それぞれ鉛直方向に延びて、互いに平行に正方格子状に配列されている。なお、正方格子状が一般的であるがこれに限定されず三角格子等でもよい。
これら複数の燃料棒200の下端は、BWRタイプの燃料集合体においては、下部構造部材を構成する下部タイプレート102によって結束され、拘束支持されている。また、これら複数の燃料棒200の上端は、BWRタイプの燃料集合体においては、上部構造部材を構成する上部タイプレート103によって結束され、拘束支持されている。なお、一部、上部タイプレート103には接続していない部分長燃料棒があってもよい。また、PWRタイプの燃料集合体においては、複数の燃料棒200の下端は下部構造部材としての下部ノズルに、複数の燃料棒200の上端は上部構造部材としての上部ノズルにそれぞれ支持されるが、BWRタイプの燃料集合体のように複数の燃料棒200が結束される形態とはなっていない。
さらに、これら複数の燃料棒200の上端と下端の間の鉛直方向に沿って、複数個所には、燃料スペーサ101が設けられている。燃料スペーサ101は、各燃料棒200の水平方向の移動を抑制する。
また、チャンネルボックス104は、複数の燃料棒200が下部タイプレート102、燃料スペーサ101、および上部タイプレート103によって格子状に結束された状態で、下部タイプレート102から上部タイプレート103までの側面を覆うように設けられる。
図2は燃料棒200の構成を概念的に示す縦断面図である。1本の燃料棒200は、複数のセグメント要素210を有する。セグメント要素210は、互いに上下方向に1列になるように接続されている。
それぞれのセグメント要素210は、被覆管212、上部端栓213、下部端栓214、および核燃料211を有する。被覆管212、上部端栓213、および下部端栓214のそれぞれの材質は、炭化ケイ素長繊維で強化された炭化ケイ素繊維強化複合材(SiC/SiC複合材)である。なお、SiC/SiC複合材に限定されず、高温条件で十分な安定性を有する材料であればSiC/SiC複合材以外の材料でもよい。
被覆管212は、たとえば円筒状の上下が開放された管である。被覆管212の上端の開放部には、上部端栓213が取り付けられ、被覆管212と上部端栓213とは、たとえばろう付けなどで気密にシールされている。また、被覆管212の下端の開放部には、下部端栓214が取り付けられ、被覆管212と下部端栓214とは、同様に、たとえばろう付けなどで気密にシールされている。
被覆管212、上部端栓213、および下部端栓214によって形成された密閉空間内には、核燃料211が収納されている。核燃料211は、たとえばウラン235を濃縮した二酸化ウランペレットであるが、これに限定はされない。
核燃料211に占有されていない上部の空間には、プレナム216が形成されている。プレナム216は、核燃料211の燃焼が進むにつれて、当初封入されていたヘリウムガスなどの封入ガスに核分裂生成物であるクリプトンやキセノンなどの核分裂生成ガスが加わることにより、密閉空間内のガス圧が上昇するが、このガス圧を適正範囲内に抑えるための空間である。なお、プレナム216は、密閉空間内の上部に限定されない。たとえば、鉛直方向に下部、あるいは中間部に形成されていてもよい。
互いに上下に隣接するセグメント要素210間には、連結部300が設けられている。連結部300は、セグメント要素210間を、所定の曲げ剛性を以て接続するものである。ここで、曲げ剛性は、鉛直上下についての剛性ではなく、曲げ方向、すなわち、燃料棒200が延びる鉛直軸から逸脱する方向の変形に関する剛性をいう。
後述の通り連結部300の曲げ剛性には上限値が存在し、少なくともセグメント要素210の曲げ剛性より低く設定される。セグメント要素210は、その構造体である被覆管212、上部端栓213および下部端栓214がSiC/SiC複合材製であり、剛性が極めて高い。このため、実質的に、燃料棒200の曲げ剛性は、鉛直方向に複数設けられた連結部300の部分の曲げ剛性により決まる。また、燃料集合体100の曲げ剛性は、BWRの場合は主にチャンネルボックス104およびこれに収納された複数の燃料棒200の合成された剛性である。また、PWRの場合は、主に複数の燃料棒200の合成された剛性である。
たとえば、連結部300の剛性が小さ過ぎる場合、燃料集合体100の全体の曲げ剛性が小さくなる。この結果、地震発生時には、燃料集合体100の燃料棒200の曲げ方向の変形量が大きくなる。この平均的な変位に、さらに個々の燃料棒200において個別の曲げ方向の変位が加わると、燃料棒200の曲げ方向の変形がさらに大きくなる。したがって、燃料集合体間に制御棒が挿入されるPWRタイプにおいても、燃料集合体内の燃料棒の曲げ変位が大きくなることは、制御棒クラスタの挿入性にとって好ましい方向ではない。
このように、連結部300の剛性には、燃料集合体100の曲げ方向の変位、あるいはPWRの場合はさらに、燃料棒200の曲げ方向の変位が制御棒の挿入性を妨げないという条件からの、下限値が存在する。
一方、連結部300の剛性が高すぎる場合、地震時の加速度による荷重を連結部300が吸収しきれずに、セグメント要素210に曲げ荷重がかかる。セグメント要素210の構造体でありSiC/SiC複合材である特に被覆管212は、過度の曲げ荷重が作用する場合、内部に微小なき裂が発生し核分裂生成ガスの漏洩が発生する可能性がある。したがって、被覆管212に過度の曲げ荷重が作用しないという目的から、連結部300の剛性には、上限値が存在する。
以上のように、連結部300の剛性は、制御棒の挿入性の観点からの下限値と、被覆管212の健全性確保の観点からの上限値との間の値であって、いずれの条件に対しても適正な裕度を確保できる範囲の値をとる必要がある。なお、この上限値、下限値は、連結部300の数を含めた燃料集合体100の構造に基づいて、評価の上決定することができる。
図3は、燃料棒200間の連結部300の構成を示す縦断面図である。セグメント要素210においては、被覆管212内に核燃料211が収納されている。図3の例では、核燃料211はたとえばペレットである。プレナム216には、プレナムスプリング215が設けられ、核燃料211を抑えて核燃料211の振動を抑制している。
連結部300は、ボール311および接続筒312を有する。また、ボール311の上方でボール311に隣接するセグメント要素210の下部端栓214に形成された凹部214a、およびボール311の下方でボール311に隣接するセグメント要素210の上部端栓213に形成された凹部213aは、連結部300を構成する。ボール311の形状は、球形または楕円回転体である。このように、連結部300は、上下に互いに隣接する2つのセグメント210が、接続筒312等を介して間接的に連結している、いわば間接的な連結部、すなわち間接連結部となっている。
凹部214aおよび凹部213aは、上下に互いに対向して球形または楕円回転体に対応する空間を形成し、この空間内にボール311が収納されている。ボール311を挟んだ状態で、上部端栓213の上端と下部端栓214の下端の間には、ギャップが存在し、上部端栓213と下部端栓214とは相対的にボール311を挟んで回転可能な角度範囲を有する。
上部端栓213の上端部分と、下部端栓214の下端部分は、それぞれ外形が円柱状になっている。接続筒312は上下が開放された円筒状であり、ボール311を挟んだ状態の上部端栓213の上端部分と下部端栓214の下端部分の外周を包囲するよう設けられている。接続筒312は、上部端栓213の上端部分と下部端栓214の下端部分に、それぞれ取り付けられており、互いに上下に隣接するセグメント要素210同士を接続している。
たとえば、接続筒312と上部端栓213の上端部分との結合は、接続筒312および上部端栓213の上端部分を貫通する孔(図示せず)を形成し、この孔にピン(図示せず)を通すことにより固定できる。この場合、上部端栓213の上端部分に形成された孔とピンとの間に十分なギャップを形成させる。接続筒312と下部端栓214の下端部分との結合も同様に行う。
接続筒312の内面と、上部端栓213の上端部分の外面、および下部端栓214の下端部分の外面の間には、所定のギャップが形成されている。互いに上下に隣接するセグメント要素210同士は、このギャップの範囲内で、曲げ方向に変形する。すなわち、燃料棒200の曲げ方向の変形は、このギャップでコントロールされる。
なお、接続筒312の内面と上部端栓213の上端部分の外面との間、および接続筒312の内面と下部端栓214の下端部分の外面の間に、周方向に3か所あるいはそれ以上の個数のバネ(図示せず)を互いに等間隔で設けてもよい。バネを設ける個所、このバネの剛性等を調整することにより、燃料棒200、ひいては燃料集合体100の曲げ剛性を調整することができる。あるいは、接続筒312自体をバネ材としてもよい。
図4は、燃料集合体100のセグメント要素210間の連結部300の位置における燃料棒200間の相互関係を示す縦断面図である。複数の燃料棒200はそれぞれ、前述のように、核燃料211を有するセグメント要素210が互いに上下に連結部300を介して接続している。連結部300には核燃料211は収納されていないので、核燃料の鉛直方向の分布は、それぞれの連結部300において中断している。
図4に示す燃料棒200の配列では、各燃料棒200における連結部300の高さ位置が異なっている。このため、燃料集合体100の全体として、いずれの高さ位置においても、いずれかの燃料棒200には核燃料が必ず存在する。
図5は、燃料棒の種類を示す縦断面図である。図で、A、B、C、D、およびEは、燃料棒200の種類を表し、その構成がそれぞれの下に表示されている。図5において、斜線部は核燃料211を内包するセグメント要素210の部分であり、白抜きの部分は連結部300を含めた核燃料211を内包しない部分である。縦方向に、白抜き部が1つに対して斜線部が4つとなっているのは、概略、核燃料211を内包する部分の長さが核燃料を内包しない部分の長さの約4倍と想定したためである。それぞれ、縦方向の並び方のみが異なっており、AないしEまで、1つずつ下方にずれている。A、B、C、D、およびEを、高さ方向に比較すると、いずれの高さにおいても、必ず、核燃料が存在する。
図6は、燃料棒200の配列の例を示す水平断面図である。図6の10×10の配列においては、いずれの燃料棒の周囲にも、同じ種類の燃料棒が存在しない配列となっている。この配列においては、図中で横方向に見たいずれの列、あるいは図中で縦方向に見たいずれの列においても、かならず5種類の燃料が存在している。すなわち、このような配列においては、図中の縦方向、横方向のいずれの断面においても、いずれの高さでも核燃料を有する部分が存在する配列となっている。
セグメント要素210を用いると、連結部300やプレナム216など核燃料211が存在しない領域に隣接する燃料棒200においては、ウラン等の核燃料物質による中性子吸収が減る。このため、この隣接する燃料棒200のこの部分の局所出力が上昇する出力スパイクが生じることがある。燃料の健全性を保つための運転制限値などは最大線出力密度で定められるため、局所的な出力スパイクが存在するとその部分の平均出力を低下させる必要が生じ、燃料の燃焼効率が低下する。
出力スパイク防止のためには、プレナム部に中性子吸収体を配置する方法もあるが、セグメント燃料が炉心全体を構成している場合にこの方法を用いることは、炉心内に大量の中性子吸収体を持ち込むこととなり中性子経済性を著しく低下させる。図6に示すような構成によって、核燃料物質を含まない領域を分散して配置し、中性子吸収の不均一性を減らすことにより、出力スパイクを抑制することができる。
ここで、燃料棒200の上端部および下端部以外のセグメント要素210を鉛直方向に見て、核燃料211が存在する部分の長さと、それ以外の部分、すなわち上部端栓213、下部端栓214、プレナム216、および連結部300を合わせた部分との長さの概略の比を図5に示すようにn:1とする。たとえば、図5に示す場合は、白抜きのブロックが1つに対して斜線部のブロックの数が4であるので、n=4である。この場合は、(n+1)=5であるので、セグメント要素210の鉛直方向のピッチの1/5ずつ鉛直方向に互いにずらした5種類の燃料棒があれば図6に示すように、いずれの高さにおいても核燃料211が存在し、スパイクの発生を抑制できる。
なお、10×10配列の場合は、10が5の倍数であることから、図5に示すように、5種類の燃料棒200をいずれの方向にも均等に配分することができる。このように、燃料集合体100内の非均質性をさらに抑えることによって、スパイクの発生をさらに抑制することができる。
前記のnの値によって、燃料棒200の種類を設定することとすると、nが大きくなると、燃料棒200の上端部、下端部に設けるセグメント要素210の種類が増えることになる。このため、nの大きさは適当な大きさにとどめたい。このためには、密閉空間内のプレナム216の長さを調整する必要が生ずる。
図7は燃料棒200内の中空燃料との比較を示す縦断面図であり、(a)は中空燃料、(b)は中実燃料の場合を示す。(a)の中実燃料の場合のセグメント要素210a内のプレナム216aは、核燃料211aが中空であるため、プレナムとしての体積は、密閉空間上部の核燃料211aのない範囲の体積と、核燃料211aに囲まれた中央部の体積の和となる。
したがって、中実の核燃料211bでプレナム216bを有するセグメント要素210bに比べて、密閉空間内の核燃料のない部分の長さを短くすることができる。このように、中空燃料を導入することによって、前記のnの値を調整することができる。
図8は、燃料棒の配列を示す水平配列図および縦断面図であり、(a)で示すケース1はセグメント要素が1種類、(b)で示すケース2は3種類、(c)で示すケース3は5種類の場合である。図8(b)のケース2の3種類の場合、いずれの立断面においても、全ての高さに3種類の燃料棒が存在する配列である。また、図8(c)のケース3の5種類の場合、いずれの立断面においても、全ての高さに5種類の燃料棒が存在する配列である。説明の便宜上、5×5の配列の場合を示している。
図9は、図8の各ケースにおける軸方向の相対出力を比較するグラフである。横軸は、図8において、それぞれ下側から数えたブロックの順番である。縦軸は、相対出力である。ケース1の燃料棒200は、下から数えて11ブロック目から15ブロック目に核燃料を有さず相対値が算出できないため、この領域は曲線がない。
図9に示すように、ケース1では、中間の核燃料が有る領域とない領域の境界で相対出力が大きくなっている。すなわち局部ピークが大きい。ケース2では、大幅に緩和されている。また、燃料棒200の種類を5種類に増やしたケース3では、相対出力がさらに平坦化されている。このように、燃料棒200の種類を増やして、互いにずれた位置におく本実施形態の方式により、相対出力の平坦化の効果が得られている。
以上のように、本実施形態によれば、長尺の燃料棒ではなく、短尺のセグメント要素を用いることにより、長い管を製造する必要性がなくなる。短尺であることにより製造性のよい管を用いて燃料集合体100を構成することが出来る。また、円柱状の燃料棒200を格子状に配列して燃料集合体100を構成するという点で、既存燃料との類似性を有しており、既存炉への装荷が可能となる。
また、セグメント要素210間の連結部300の構造を適切に設計することにより、燃料棒200が破損せずに折れ曲がることが出来るため、セグメント要素210自体の曲がりは最小限にとどめ燃料棒全体として撓ることが出来るようになる。これによって、地震などにより振動が加わり、燃料集合体100に曲げ荷重がかかった場合においても、連結部300が曲がることによりSiC/SiC複合材にかかる荷重を軽減できる。この結果、被覆管212に生じる亀裂発生の可能性を最小限に抑え、FPガスの漏洩などの可能性を最小化することができる。
さらに、仮に亀裂が生じたとしても、セグメント要素210内の核分裂生成物の量は小さいため、その影響も最小限にとどまる。
以上のように、本実施形態によれば、SiC/SiC複合材を用いた場合でも十分な製造性を有している。また、現存する原子炉に装荷できる程度に従来の金属製被覆管の燃料集合体と構造上の類似性をもち、現存する原子炉への適合性を有している。
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態に係る燃料棒200間の連結部300aの構成を示す縦断面図である。互いに上下に隣接する燃料棒200のうち、上側の燃料棒200の下部端栓214にはめねじ部214bが形成されている。また、下側の燃料棒200の上部端栓213にはおねじ部213bが形成されている。
おねじ部213bとめねじ部214bは互いに螺合している。おねじ部213bとめねじ部214bは、連結部300aを構成している。なお、上側の燃料棒200の下部端栓214に、おねじ部が形成され、下側の燃料棒200の上部端栓213に、めねじ部が形成されていてもよい。このように、連結部300aは、上下に互いに隣接する2つのセグメント210が、それぞれの端部で螺合して直接的に連結している、いわば直接的な連結部、すなわち直接連結部となっている。
このように構成された本第2の実施形態においては、それぞれの連結部300aが1つのネジ部を有することから、燃料棒200の剛性がこの分低下する。これにより、燃料棒200の曲げ剛性の調整機能が備わる。
図11は、燃料棒間の連結部の変形例の構成を示す縦断面図である。この変形例の連結部300bにおいては、上側の燃料棒200の下部端栓214と下側の燃料棒200の上部端栓213の間には、中間ねじ部313が設けられている。
上側の燃料棒200の下部端栓214にはおねじ部214cが形成されている。下側の燃料棒200の上部端栓213にはおねじ部213bが形成されている。中間ねじ部313は、外形が上下に延びた円柱状で、上端および下端に、それぞれめねじ部313bが形成されている。中間ねじ部313の上端のめねじ部313bと上側の燃料棒200の下部端栓214に形成されたおねじ部214cとが互いに螺合している。また、中間ねじ部313の下端のめねじ部313bと下側の燃料棒200の上部端栓213に形成されたおねじ部213bとが互いに螺合している。
なお、上側の燃料棒200の下部端栓214および下側の燃料棒200の上部端栓213にめねじ部が形成され、中間ねじ部313の上端および下端にそれぞれおねじ部が形成されていてもよい。このように、連結部300bは、上下に互いに隣接する2つのセグメント210が、中間ねじ部313を介して間接的に連結している、すなわち間接連結部となっている。
このように構成された本変形例においては、連結部300bが2つのネジ部を有することから、燃料棒200の剛性がさらに低下する。また、第2の実施形態による結合方式と、変形例による結合方式を組み合わせれば、両者の中間の剛性を確保することができる。
[第3の実施形態]
図12は、第3の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒間の連結部300であるジョイントスペーサ410の構成を示す斜視図である。ジョイントスペーサ410は、正方格子状に組み合わされた格子板411と、格子板411に取り付けられた板バネ412を有する。板バネ412は、それぞれの格子の内側の4面に取り付けられている。なお、互いに隣接する2面のみに取り付けられることでもよい。
それぞれの格子には、上方からセグメント要素210の下部端栓214が挿入される。板バネ412は、下部端栓214が下向きの挿入される際に、板バネ412の下端が下向きにスライドして、下部端栓214が挿入されるスペースを形成する。
図13は、第3の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒間の連結部であるジョイントスペーサ410での結合の状態を示す縦断面図であり、(a)は挿入前、(b)は挿入中、(c)は挿入後の結合状態を示す。下部端栓214と被覆管212とは段付き部214dを形成する。すなわち、下部端栓214の被覆管212に隣接する部分の外径は、被覆管212の外径より大きくなっている。また、下部端栓214の先端は、挿入しやすいようにテーパー部214fが形成されている。
図13の(b)の挿入中は、板バネ412は格子板411に押し付けられている。図13の(c)の段階では、板バネ412は復帰し、段付き部214dは、板バネ412によって上方への移動を拘束される。
以上は、ジョイントスペーサ410の上部の構成である。ジョイントスペーサ410の下部においても、同様の構成である。したがって、下方に隣接するセグメント要素210の上部端栓213とも、同様に結合する。
なお、全てのセグメント要素210が同じ高さでジョイントスペーサ410に結合すると燃料集合体100の出力分布が平坦化されない。このため、燃料棒200をグループ化して、それぞれのグループにジョイントスペーサ410を対応させる。対応しないグループの燃料棒200のセグメント要素210の場合は、ジョイントスペーサ410の板バネ412には、被覆管212の部分が対向する状態となる。
以上のように、本実施形態によれば、連結部300でもあるジョイントスペーサ410は、燃料棒200の上下に互いに隣接するセグメント要素210間に設けられ、このセグメント要素210を上下に結合するとともに、水平方向にも燃料棒200を拘束する。
ジョイントスペーサ410は、板バネ412を介して燃料棒200を拘束することから、燃料棒200の曲げ剛性を適切に調整することができる。
[第4の実施形態]
図14は、第4の実施形態に係る燃料集合体の燃料棒間の連結部であるジョイントスペーサの構成を示す斜視図である。本実施形態は、第3の実施形態の変形である。本第4の実施形態は、第3の実施形態の板バネ412に代えて、円筒バネ413が、各格子内の全てのコーナー部に設けられている。なお、各格子内の互いに隣接する2つのコーナー部のみに設けられることでもよい。ここで、円筒バネ413は、それぞれのコーナー部に円筒の一部の周角度範囲の部分である。
下部端栓214は、挿入の過程で円筒バネ413の周方向の中央と接触する。円筒バネ413は、中央部分からの変形についての剛性は高い。したがって、本第4の実施形態における連結部としてのジョイントスペーサ420を用いることにより、第3の実施形態に比べて高い剛性の連結部を実現することができ、燃料集合体100の剛性の調整幅をさらに広げることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、第1の実施形態では、図1で、BWRの燃料集合体の場合を示したが、BWRに限定されない。チャンネルボックスが設けられていないPWRの場合にも適用でき、連結部の所定の剛性の必要性は、燃料集合体中に中性子吸収体が挿入されるPWRにおいて特に要求される。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…燃料集合体、101…燃料スペーサ、102…下部タイプレート(下部構造部材)、103…上部タイプレート(上部構造部材)、104…チャンネルボックス、200…燃料棒、210、210a、210b…セグメント要素、211、211a、211b…核燃料、212…被覆管、213…上部端栓、213a…凹部、213b…おねじ部、214…下部端栓、214a…凹部、214b…めねじ部、214c…おねじ部、214d…段付き部、214f…テーパー部、215…プレナムスプリング、216、216a、216b…プレナム、300…連結部(第1の間接連結部)、300a…連結部(直接連結部)、300b…連結部(第2の間接連結部)、311…ボール、312…接続筒、313…中間ねじ部、313b…めねじ部、410、420…ジョイントスペーサ、411…格子板、412…板バネ、413…円筒バネ

Claims (8)

  1. 互いに平行に鉛直方向に延びて水平方向に格子状に配列された複数の燃料棒と、
    前記複数の燃料棒の上端を支持する上部構造部材と、
    前記複数の燃料棒の下端を支持する下部構造部材と、
    を備え、
    前記燃料棒はそれぞれ、
    鉛直方向に延びる核燃料と、前記核燃料を収納して鉛直方向に延びて上端および下端が開放された炭化ケイ素繊維強化複合材製の被覆管と、前記被覆管の上端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の上部端栓と、前記被覆管の下端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の下部端栓と、を有し互いに鉛直方向に直列に配列された複数のセグメント要素と、
    互いに上下に隣接する前記セグメント要素間を前記セグメント要素の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性をもって接続する連結部と、
    を具備し、
    互いに隣接する前記上部端栓の上部および前記下部端栓の下部には、それぞれ互いに係合可能なおねじまたはめねじが形成され、
    前記連結部は、これらのおねじとめねじで結合される直接連結部を含む、
    ことを特徴とする燃料集合体。
  2. 前記連結部は、前記上部端栓および前記下部端栓に形成された前記おねじまたは前記めねじと結合可能なめねじまたはおねじが上端および下端に形成された中間ねじ部を有する間接連結部を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃料集合体。
  3. 前記連結部は、前記複数の燃料棒の鉛直方向の中間位置で前記複数の燃料棒を水平方向に拘束するジョイントスペーサを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料集合体。
  4. 前記ジョイントスペーサは、バネまたはねじまたは嵌合形状を用いて前記セグメント要素を上下方向に拘束することを特徴とする請求項3に記載の燃料集合体。
  5. 前記上部構造部材および前記下部構造部材を除き、鉛直方向において各核燃棒の前記連結部の位置が異なることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の燃料集合体。
  6. 前記セグメント要素のうち前記燃料棒の上端および下端に位置しないものは全て同じ長さであって、
    前記燃料棒は、nを1以上の整数として、前記セグメント要素の鉛直方向に前記核燃料が存在する部分とそれ以外の部分の長さの比をn:1に近似した場合に、前記セグメント要素の鉛直方向の位置を前記セグメント要素の長さの1/(n+1)ずつずらして配置した(n+1)種類を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の燃料集合体。
  7. 鉛直方向に延びる核燃料と、前記核燃料を収納して鉛直方向に延びて上端および下端が開放された炭化ケイ素繊維強化複合材製の被覆管と、前記被覆管の上端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の上部端栓と、前記下端の開放部を塞ぐ炭化ケイ素繊維強化複合材製の下部端栓と、を有し互いに鉛直方向に直列に配列された複数のセグメント要素と、
    互いに上下に隣接する前記セグメント要素間を前記セグメント要素の曲げ剛性よりも低い曲げ剛性をもって接続する連結部と、
    を備え、
    互いに隣接する前記上部端栓の上部および前記下部端栓の下部には、それぞれ互いに係合可能なおねじまたはめねじが形成され、
    前記連結部は、これらのおねじとめねじで結合される直接連結部を含む、
    ことを特徴とする燃料棒。
  8. 前記連結部は、前記上部端栓および前記下部端栓に形成された前記おねじまたは前記めねじと結合可能なめねじまたはおねじが上端および下端に形成された中間ねじ部を有する間接連結部を含むことを特徴とする請求項7に記載の燃料棒。
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