JP6975456B2 - 八の字機構を用いたシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置 - Google Patents

八の字機構を用いたシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置 Download PDF

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Description

本発明はシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置に関する。より詳細にはシート体を上下方向に把持する2対の把持手段を有し、当該2対の把持手段が平面視で八の字状の配置から略平行の配置に移動させられ、シート体を裂くことにより、周縁を毳立たせたラベルを作成する八の字機構を用いたシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置に関する。
日本酒やウイスキー等の容器には、他の商品と識別できるラベル等が貼着されている。これらのラベル等は、商品の銘柄等の情報を紙に印刷した印刷物である。これらのラベルに関して、商品に高級感や美感を持たせることを目的として、和紙等の繊維が長い紙に情報を印刷して、その紙の周縁を手作業で裂いて、ラベルの周縁で当該ラベルの繊維を毳立たせてフワフワとした綿毛のような形状にすることが行われている。
上述のようなラベルを製造する方法、および装置として特許文献1に係るものが公知となっている。特許文献1では、長尺に形成された和紙を用いて、和紙の幅方向に向かう分断予定部を長手方向における前後で把持して、分断予定部に長手方向の引張力を付与して和紙を分断する方法、および装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1にかかる装置では、分断を適切な場所で行うために分断起点に切込刃によって切り込みを和紙に形成したり、分断予定部を薄肉で形成したりするなどの工程を必要する。
切込刃によって切り込みを形成した部分では、繊維が毳立った形状にはならず、分断予定部を薄肉で形成するために別途加工が必要で手間がかかり、また薄肉部では必然的に含まれる繊維の数が減少し、毳立ちが貧弱になるという課題があった。
特開2009−196021号公報
本発明は、帯状のシート体に切り込みや薄肉を形成せずとも裂断予定部でシート体を裂断して加工することが可能となる八の字機構を用いたシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置を提供することを課題とする。
本発明のシート体を加工する方法は、帯状のシート体を当該シート体の全幅にわたって上下方向に把持する2対の把持手段によって、シート体を加工する方法であって、前記2対の把持手段は、それぞれ上側把持手段と下側把持手段を有し、前記2対の把持手段を平面視で八の字状に配置する工程と、前記2対の把持手段によってシート体を上下方向に把持する工程と、前記2対の把持手段同士が互いに平面視で略平行になるように、前記2対の把持手段を互い近づく方向に移動させ、前記2対の把持手段の間で、前記シート体に折目をつける工程と、前記2対の把持手段を略平行状態保ちながら、前記シート体に互いに離れる方向への張力を与えることによって、前記シート体を前記折目に沿って裂く工程と、を有するシート体を加工する方法に関する。
係る方法によれば、シート体の全幅にわたって上下方向にシート体を把持する2対の把持手段が平面視で八の字状に配置され、2対の把持手段がシート体を把持した状態で2対の把持手段同士が互いに平面視で略平行になるように、2対の把持手段を互い近づく方向に移動することにより、2対の把持手段の間で、シート体に折目をつけることが可能である。続いて、2対の把持手段を略平行状態を保ちながら、シート体に互いに離れる方向への張力を与えることによって、シート体を折目に沿って裂いて加工することができる。
具体的には、平面視で八の字状に配置された2対の把持手段が、互い近づく方向に移動し折目が付けられたシート体では、シート体を裂く工程において、必ず最初に把持手段の八の字の狭まっていた側の折目の端部に張力が集中するため、該端部から裂断し始める。裂断とともに張力が集中する箇所は、把持手段の八の字の広がっていた側へ移動する。したがって、裂く工程において、張力が一点に集中するため、比較的弱い張力で効率的にシート体を裂いて加工することが可能である。
これにより、シート体に横方向の張力を与えて裂断するため、シート体の繊維が左右均等に抜けて、裂断部の毳立ちも均等でより美感に優れる。
また係る方法によれば、2対の把持部を八の字状の配置から略平行状態に移動させてシート体に折目をつけるので、シート体に予め薄肉部を形成したり、切り込みを入れなくても、折目に沿ってシート体を裂いて加工することができる。加えてシート体に薄肉を形成する必要がないということは、薄肉を形成するためにシート体の繊維の量を減らす必要がなく、より繊維の多い毳立ちを有する裂断部を提供することが可能である。
前記折目をつける予定位置が前記2対の把持手段の間になるように、前記シート体を移動させる工程をさらに有することが好ましい。
上記のような工程を含むことで、印刷が連続するシート体を加工するときでも、印刷と印刷の間で折目をつける予定位置でシート体を裂くことが可能となり、不良品の発生率を下げることができる。
係る構成によれば、上側把持手段と下側把持手段によって上下両方向からシート体を把持するため、より確実なシート体の把持が可能となる。さらに確実な把持によって、2対の把持手段が平面視で八の字状の配置から、略平行の配置に移動して折目をつけるときに、シート体が把持手段で滑って、折目をつける予定位置がずれることを抑制することができる。
前記2対の把持手段によって平面視で八の字状に形成される角度は、10°乃至20°であることが好ましい。
角度が10°より小さい場合、シート体の裂断時の張力を十分に減少させることができない。角度が20°より大きい場合、シート体の裂断時の張力は20°と比較してさほど減少しない。一方シート体に余分な折目やシワなどが形成されるため適切ではない。したがって、充分に張力を低下させることができ、且つシート体に余分な折目やシワなどがつく虞も少ないため、2対の把持手段によって形成される八の字の角度が10°乃至20°が好ましい。
前記2対の把持手段は、それぞれ少なくとも1つのローラを有し、前記張力は、前記ローラの回転によって与えられてもよい。
係る構成によれば、把持部の横方向の移動の代わりにローラによって張力を与えるので、張力を与えるときに把持手段を互いに離れる方向に移動させる必要がないため把持手段の可動域を小さく抑えることができる。
前記張力は、前記2対の把持手段が互いに離れる方向に移動することで与えられてもよい。
係る構成によれば、把持手段の移動方向とシート体に与えられる張力の方向は同一方向であるため、シート体にかかる張力を移動量で確認し易いため、張力の調整も容易である。
前記シート体は、紙であることが好ましい。
紙は、折目がつけ易く、また繊維が毳立ち易い素材であるため好適に使用することができる。
本発明のシート体を加工する装置は、帯状のシート体を加工する装置であって、平面視で八の字状に配置され、前記シート体を全幅にわたって上下方向に把持する2対の把持手段であって、前記2対の把持手段は、それぞれ上側把持手段と下側把持手段を有する把持手段と、前記2対の把持手段を略平行になるよう、前記2対の把持手段を互いに近づく方向に移動させ、前記2対の把持手段の間で、前記シート体に折目をつける第1駆動手段と、前記2対の把持手段を略平行状態保ちながら、前記シート体に互いに離れる方向への張力を与えることによって、前記シート体を前記目に沿って裂く第2駆動手段と、を備えるシート体を加工する装置に関する。
係る装置によれば、シート体の全幅にわたって上下方向にシート体を把持する2対の把持手段が平面視で八の字状に配置され、2対の把持手段がシート体を把持した状態で2対の把持手段同士が互いに平面視で略平行になるように、第1駆動手段によって互い近づく方向に移動させられることにより、2対の把持手段の間でシート体に折目をつけることが可能である。続いて、2対の把持手段は略平行状態を保ちながら、第2駆動手段がシート体に互いに離れる方向への張力を与えることによって、シート体を折目に沿って裂いて加工することができる。
具体的には、平面視で八の字状に配置された2対の把持手段が、互い近づく方向に移動し折目が付けられたシート体では、シート体を裂断時において、必ず最初に把持手段の八の字の狭まっていた側の折目の端部に張力が集中するため、該端部から裂断し始める。裂断とともに張力が集中する箇所は、把持手段の八の字の広がっていた側へ移動する。したがって、裂く工程において、張力が一点に集中するため、比較的弱い張力で効率的にシート体を裂いて加工することが可能である。
これによって、シート体に横方向の張力を与えて裂断するため、シート体の繊維が左右均等に抜けて、裂断部の毳立ちも均等でより美感に優れる。
また係る装置によれば、2対の把持部を八の字状の配置から略平行状態に移動させてシート体に折目をつけるので、シート体に予め薄肉部を形成したり、切り込みを入れなくても、折目に沿ってシート体を裂いて加工することができる。加えてシート体に薄肉を形成する必要がないということは、薄肉を形成するためにシート体の繊維の量を減らす必要がなく、より繊維の多い毳立ちを有する裂断部を提供することが可能である。
さらに、平面視で八の字状に配置された2対の把持手段が、互い近づく方向に移動し折目が付けられたシート体では、シート体を裂断時において、必ず最初に把持手段の八の字の狭まっていた側の折目の端部に張力が集中するため、該端部から裂断し始める。裂断とともに張力が集中する箇所は、把持手段の八の字の広がっていた側へ移動する。したがって、裂く工程において、張力が一点に集中するため、比較的弱い張力で効率的にシート体を裂いて加工することが可能である。
前記シート体に前記折目をつける位置を決定し、前記折目をつける位置を合わせるために前記シート体を横方向に移動させる位置合わせ手段をさらに備えることが好ましい。
係る手段をさらに備えることで、印刷が連続するシート体を加工するときでも、印刷と印刷の間で折目をつける予定位置でシート体を裂くことが可能となり、不良品の発生率を下げることができる。
係る構成によれば、上側把持手段と下側把持手段によって上下両方向からシート体を把持するため、より確実なシート体の把持が可能となる。さらに確実な把持によって、2対の把持手段が平面視で八の字状の配置から、略平行の配置に移動して折目をつけるときに、シート体が把持手段で滑って、折目をつける予定位置がずれることを抑制することができる。
前記2対の把持手段によって平面視で八の字状に形成される角度は、10°乃至20°であることが好ましい。
角度が10°より小さい場合、シート体の裂断時の張力を十分に減少させることができない。角度が20°より大きい場合、シート体の裂断時の張力は20°と比較してさほど減少せず、シート体に余分な折目やシワなどが形成されるため適切ではない。したがって、充分に張力を低下させることができ、且つシート体に余分な折目やシワなどがつく虞も少ないため、2対の把持手段によって形成される八の字の角度が10°乃至20°が好ましい。
前記2対の把持手段は、それぞれ少なくとも1つのローラを備え、前記第2駆動手段は、前記少なくとも1つのローラを回転させる構成であり、前記張力は、前記ローラの回転によって与えられる構成であってもよい。またローラは、装置にシート体を供給する手段として使用することもできる。
係る構成によれば、張力を与えるときに把持手段を互いに離れる方向に移動させる必要がないため把持手段の可動域を小さく抑えることができる。
前記ローラが回転によって、前記シート体に張力が付与されるときに、前記2対の把持手段が略平行の位置から移動しないように(ずれないように)保持する保持手段をさらに備える構成であってもよい。
係る構成によれば、ローラが回転するときにローラがブレないので、シート体の折目でより確実に裂断することが可能となる。
前記第2駆動手段は、前記2対の把持手段を互いに離れる方向で且つ、横方向に移動させる構成であり、前記張力は、前記2対の把持手段の前記移動によって与えられる構成であってもよい。
係る構成によれば、把持手段の移動方向とシート体に与えられる張力の方向は同一方向であるため、シート体にかかる張力を移動量で確認し易いため、張力の調整も容易である。
本発明の八の字機構を用いたシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置によれば、シート体に予め薄肉部を形成したり、切り込みを入れなくても、折目に沿ってシート体を裂いて加工することができる。
折目が裂断予定部となるためシート体に予め薄肉を形成する必要がない。薄肉を形成するとシート体が薄くなった分、含まれる繊維の量が減少し、加工後の毳立ちが貧弱になるという課題を解決する効果を奏することが可能である。
さらに、シート体の裂断時において、張力が一点に集中するため、比較的弱い張力で効率的にシート体を裂いて加工することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るシート体を加工する装置を示す斜視図である。 図1に示す本発明に係る装置を用いてシート体を加工する場合における、シート体および把持手段の動きを示す概略説明図である。 2対の把持手段によって形成される八の字状の角度と、シート体を裂断するときの張力の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る装置を用いてシート体を加工する場合における、シート体および把持手段の動きを示す概略説明図である。
つぎに図面を参照しながら本発明のシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置の実施形態についてさらに詳細に説明する。
なお、本明細書の実施形態においてシート体は、地面に対してシート体の面が平行に配置されているものとして説明をする。しかしながら、本発明はこれに限定して理解されるべきではない。
本発明において、シート体の長手方向を装置における横方向(左右方向)、シート体の幅方向を装置における前後方向、および地面に対して垂直方向を上下方向とする。
本発明において、「加工」とは、シート体を裂くおよび、裂断することをいう。また「裂く」と「裂断」は同義のものとして扱うこととする。
本発明において、シート体とは紙、不織布、および/またフェルトなどの繊維を織ったり編んだりせずに、繊維を絡み合わせた素材であり、一方の面に印刷が連続的に施された上下方向に薄いシート形状のものをいう。特に紙は、折目がつけ易く、また裂断したときに繊維が毳立ち易い素材であるため好適に使用することができる。さらに紙の内でも和紙(日本紙)は繊維が長く、裂断したときに特に毳立ち易く、薄くても丈夫で、且つ独特の風合いが高級感や美感を起こすため特によい。
本明細書の実施形態においては、シート体を加工して製造したものは日本酒やウイスキー等の容器に貼着するラベルとして使用するものとして説明をする。しかしながら、本発明はこれに限定して理解されるべきではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシート体を加工する装置(100)(以下、装置(100)と略)を示す斜視図であり、図2は装置(100)の把持手段(101)およびシート体(410)の動きを示す概略説明図である。
第1の実施形態に係る装置(100)は、主要な構成として2対の把持手段(101)、第1駆動手段(110)および第2駆動手段(120)を備える。
2対の把持手段(101)は、シート体(410)の全幅以上の長さを有し、左右に形成された部材が対になった構成であり、上下方向にシート体(410)を把持する。
また2対の把持手段(101)は、それぞれ少なくとも1つのローラを有し、具体的には左上側把持ローラ(101a)、左下側把持ローラ(101b)、右上側把持ローラ(101c)、および右下側把持ローラ(101d)によって構成されている。
図1においては、左上側把持ローラ(101a)、左下側把持ローラ(101b)、右上側把持ローラ(101c)、および右下側把持ローラ(101d)の全てがローラによって構成されている。しかし、これに限定されず、右側および左側にそれぞれ1つローラを備える構成であってもよい。これについて例をあげると、左上側把持ローラ(101a)および右上側把持ローラ(101c)を回転するローラで構成し、左下側把持ローラ(101b)および右下側把持ローラ(101d)を回転しない部材で置換したと構成してもよい。このような構成であっても本発明の目的は達成される。
これらのローラ(101a、101b、101c、101d)は、ローラの回転によってシート体(410)を取り込んで2対の把持手段(101)に把持させたり、またシート体(410)から分離したラベル(400)を2対の把持手段(101)から押し出す運搬手段としての機能も有する。
2対の把持手段(101)は、図2(a)で示されるようにシート体を把持するときは、八の字状に配置されている。続いて2対の把持手段(101)は、第1軸部(111)を介して第1駆動手段(110)によって図2(a)の矢印(T)で示される互いに近づく方向(横方向)に移動させる。移動させられた2対の把持手段(101)は図2(b)で示されるように略平行になる。第1駆動手段(110)として、電動モータなどを使用することができる。
図2においては、2対の把持手段(101)は左右両方が近づく方向に移動しているが、左右どちらか一方のみが移動して略平行になる構成であってもよい。
2対の把持手段(101)が略平行になったとき、シート体(410)に折目(420)がつけられ、この折目(420)がシート体(410)の裂断予定部となる。また2対の把持手段(101)がシート体(410)の全幅以上の長さを有しているため、シート体(410)の全幅にわたって折目(420)をつけることができる。なお折目(420)は、図2で示されるように上向きに折れる山折りでもよく、図示されないが下向きに折れる谷折りでもよい。
第2駆動手段(120)はローラを回転させるための電動モータなどによって構成されており、2対の把持手段(101)のローラの少なくとも1つを回転させる。なお限定されないが、全てのローラを回転させる構成であることが好ましい。
シート体(410)に折目(420)がつけられると、第2駆動手段(120)が第2軸部(121)を介して2対の把持手段(101)のローラをR方向に回転させて、シート体(410)に張力を与える。ローラが回転しているとき、2対の把持手段(101)は略平行、および一定の距離(D)を維持する。
このとき張力は、必ず最初に折目(420)の装置(100)の後方側(すなわち、2対の把持手段(101)の八の字の狭まっていた側)の端部に集中する。よって図2(c)で示されるように、折目(420)の装置後方側の端部から裂け始めて、シート体(410)に裂断部(430)が形成される。裂断とともに張力が集中する箇所(点(P))は、装置(100)の前方側(すなわち、2対の把持手段(101)の八の字の広がっていた側)へ移動する。
上記の構成を備えることで、従来の装置では、裂断時に張力は裂断予定部の全体に均等にかかっていたが、本実施形態にかかる装置(100)では、張力が点(P)の一点に集中するため、比較的弱い張力で効率的にシート体(410)を加工することができるという効果を有する。
また本実施形態にかかる装置(100)では、張力が折目(420)の
一点(点(P))に集中するため、裂断予定部である折目(420)以外の部分で、シート体(410)が裂断される虞が低い。
さらに、折目(420)が裂断予定部となるためシート体(410)に予め薄肉を形成する必要がない。薄肉を形成するとシート体(410)が薄くなった分、含まれる繊維の量が減少し、加工後の毳立ちが貧弱になるという課題を解決する効果を発揮できる。
その後、2対の把持手段(101)のローラの回転に伴って、裂断は折目(420)に沿って、装置(100)の前方側に進行し、図2(d)で示されるように、ラベル(400)がシート体(410)から分離する。このときラベル(400)は、ローラの回転によって横方向に移動した(押し出された)ため、2対の把持手段(101)によって把持されていない。また裂断部(430)は、ラベル(400)に含まれる繊維が毳立った状態である。
また装置(100)は、シート体(410)に張力を付与するために2対の把持手段(101)のローラが回転しているときに、2対の把持手段(101)が略平行の位置から移動しないように(ずれないように)保持する保持手段(図示せず)を備えても良い。
保持手段を備えることによって、ローラが回転するときにローラがブレないので、折目(420)で確実にシート体(410)を裂断することが可能となる。
<2対の把持手段によって形成される八の字の角度>
2対の把持手段によって形成される八の字の角度を変えて、それぞれの角度でシート体を裂断するときの張力の測定試験を実施した。
(1.試験方法)
1.引っ張り試験機:東洋精機製作所製、ストログラフM−50型
2.引っ張り試験機のクランプ上昇速度:500mm/s
3.シート体:和紙(2種類)
4.測定方法:和紙を半分に折り、0、5、10、20、40、および60°の角度にて和紙の上下をクランプで挟んだ。下側のクランプを固定し、上側のクランプを引っ張り試験機で上昇させ、和紙を裂断した。和紙が裂断したときの張力を測定した。なお測定は、各角度、各和紙で4回行い、平均値を算出し記録した。
(2.結果)
図3は、2対の把持手段によって形成される八の字の角度と、シート体を裂断するときの張力の関係を示す図である。
図3で示されるように、各角度、各和紙での張力は、角度が0°では和紙1が4300g、和紙2が2050g、角度が5°では和紙1が2750g、和紙2が683g、角度が10°では和紙1が1688g、和紙2が478g、角度が20°では和紙1が1200g、和紙2が378g、角度が40°では和紙1が919g、和紙2が290g、角度が60°では和紙1が619g、和紙2が217gであった。
このことより角度が0°および5°では、張力が大きく効率的な裂断ができないことがわかる。一方角度が10°より大きいと張力が小さくなり、効率的な裂断が可能となっていることがわかる。しかし角度が20°より大きくなっても、張力の減少率はさほど変化しない。また角度が大きくなりすぎると、シート体に余分な折目やシワなどがつく虞が高くなる。
したがって、2対の把持手段によって形成される八の字の角度が10°乃至20°であれば、充分に張力を低下させることができ、且つシート体に余分な折目やシワなどがつく虞も少ないため優れている。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るシート体を加工する装置を用いてシート体を加工する場合における、シート体および把持手段の動きを示す概略説明図である。
第2の実施形態に係るシート体を加工する装置では、2対の把持手段(301)は左上側把持手段(301a)、左下側把持手段(301b)、右上側把持手段(301c)、および右下側把持手段(301d)によって構成されている。
この2対の把持手段(301)の形状は、四角柱、円柱などであり得る。2対の把持手段(301)は、シート体(410)の全幅以上の長さを有し、左右に形成された部材が対になった構成であり、上下方向にシート体(410)を把持する。
2対の把持手段(301)は、上下移動手段(図示せず)によって上下方向に移動させられ、シート体(410)を把持することができる。この上下移動手段として、例えばピストンを上下させる構成として2対の把持手段(301)に接続してもよい。
2対の把持手段(301)は、図4(a)で示されるようにシート体(410)を把持するときは、八の字状に配置されている。続いて2対の把持手段(301)は、第1駆動手段(図示せず)によって図4(a)の矢印(T)で示される互いに近づく方向(横方向)に移動させられて、2対の把持手段(301)は図4(b)で示されるように略平行になる。
図4においては、2対の把持手段(301)は左右両方が近づく方向に移動しているが、左右どちらか一方のみが移動して略平行になる構成であってもよい。
2対の把持手段(301)が略平行になったとき、シート体(410)に折目(420)がつけられ、この折目(420)がシート体(410)の裂断予定部となる。また2対の把持手段(301)がシート体(410)の全幅以上の長さを有しているため、シート体(410)の全幅にわたって折目(420)をつけることができる。なお折目(420)は、図4で示されるように上向きに折れる山折りでもよく、図示されないが下向きに折れる谷折りでもよい。
第2の実施形態において、第2駆動手段(図示せず)は、シート体(410)を把持した状態の2対の把持手段(301)を、図4の矢印(F)で示されるように互いに離れる方向(横方向)に移動させる構成である。第2駆動手段によって2対の把持手段(301)は、略平行を維持したまま、図5のD、D、Dで示されるように互いに離れていく。
シート体(410)に折目(420)がつけられると、第2駆動手段が2対の把持手段(301)を互いに離れる方向に移動させて、シート体(410)に張力を与える。このとき2対の把持手段(301)によって与えられる張力も第1の実施形態と同様に、必ず最初に折目(420)の2対の把持手段(301)の八の字の狭まっていた側の端部に集中する。よって図4(c)で示されるように、折目(420)の後方側の端部から裂け始めて、シート体(410)に裂断部(430)が形成される。裂断とともに張力が集中する箇所(点(P))は、2対の把持手段(301)の八の字の広がっていた側へ移動する。
その後、2対の把持手段(301)の横方向の移動に伴って、裂断は折目(420)に沿って、前方側に進行し、図4(d)で示されるように、ラベル(400)がシート体(410)から分離する。このときラベル(400)は、2対の把持手段(301)に把持されたままである。また裂断部(430)は、ラベル(400)に含まれる繊維が毳立った状態である。
<第3実施形態>
シート体を加工する装置は、折目(420)をつける位置を決定し、折目(420)をつける位置を合わせるために、シート体(410)を横方向に移動させる位置合わせ手段(図示せず)を備えてもよい。
位置合わせ手段を備えることで、シート体(410)を加工しラベル(400)を製造するときに、連続的に印刷されたシート体(410)の印刷と印刷の間で折目をつける予定位置でシート体を裂くことが可能となり、不良品の発生率を下げることができる。
この位置合わせ手段としては、例えば、センサ、カメラ、あるいはシート体(410)の送り量を測定するロータリエンコーダなどを使用することができる。
本発明は、帯状のシート体に切り込みや薄肉を形成せずとも裂断予定部でシート体を裂断して加工することが可能となるシート体を加工する方法、およびシート体を加工する装置を提供すること可能である。
日本酒やウイスキーなどの酒類、化粧品、和菓子、または日本茶などの容器に貼着し、高級感や美感を起こすラベルを提供することが可能である。
100 シート体を加工する装置
101 2対の把持手段
101a 左上側把持ローラ
101b 左下側把持ローラ
101c 右上側把持ローラ
101d 右下側把持ローラ
110 第1駆動手段
111 第1軸部
120 第2駆動手段
121 第2軸部
400 ラベル
410 シート体
420 折目
430 裂断部

Claims (12)

  1. 帯状のシート体を当該シート体の全幅にわたって上下方向に把持する2対の把持手段によって、シート体を加工する方法であって、
    前記2対の把持手段は、それぞれ上側把持手段と下側把持手段を有し、
    前記2対の把持手段を平面視で八の字状に配置する工程と、
    前記2対の把持手段によってシート体を上下方向に把持する工程と、
    前記2対の把持手段同士が互いに平面視で略平行になるように、前記2対の把持手段を互い近づく方向に移動させ、前記2対の把持手段の間で、前記シート体に折目をつける工程と、
    前記2対の把持手段を略平行状態保ちながら、前記シート体に互いに離れる方向への張力を与えることによって、前記シート体を前記折目に沿って裂く工程と、
    を有するシート体を加工する方法。
  2. 前記折目をつける予定位置が前記2対の把持手段の間になるように、前記シート体を移動させる工程をさらに有する、請求項1に記載のシート体を加工する方法。
  3. 前記2対の把持手段によって平面視で八の字状に形成される角度は、10°乃至20°であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシート体を加工する方法。
  4. 前記2対の把持手段は、それぞれ少なくとも1つのローラを有し、
    前記張力は、前記ローラの回転によって与えられることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート体を加工する方法。
  5. 前記張力は、前記2対の把持手段が互いに離れる方向に移動することで与えられることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート体を加工する方法。
  6. 前記シート体は、紙であることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート体を加工する方法。
  7. 帯状のシート体を加工する装置であって、
    平面視で八の字状に配置され、前記シート体を全幅にわたって上下方向に把持する2対の把持手段であって、前記2対の把持手段は、それぞれ上側把持手段と下側把持手段を有する把持手段と、
    前記2対の把持手段を略平行になるよう、前記2対の把持手段を互いに近づく方向に移動させ、前記2対の把持手段の間で、前記シート体に折目をつける第1駆動手段と、
    前記2対の把持手段を略平行状態保ちながら、前記シート体に互いに離れる方向への張力を与えることによって、前記シート体を前記目に沿って裂く第2駆動手段と、
    を備えるシート体を加工する装置。
  8. 前記シート体に前記折目をつける位置を決定し、前記折目をつける位置を合わせるために前記シート体を横方向に移動させる位置合わせ手段をさらに備える、請求項に記載のシート体を加工する装置。
  9. 前記2対の把持手段によって平面視で八の字状に形成される角度は、10°乃至20°であることを特徴とする、請求項乃至のいずれか1項に記載のシート体を加工する装置。
  10. 前記2対の把持手段は、それぞれ少なくとも1つのローラを備え、
    前記第2駆動手段は、前記少なくとも1つのローラを回転させる構成であり、
    前記張力は、前記ローラの回転によって与えられることを特徴とする、請求項乃至のいずれか1項に記載のシート体を加工する装置。
  11. 前記ローラが回転によって、前記シート体に張力が付与されるときに、前記2対の把持手段が略平行の位置に保持する保持手段をさらに備える、請求項10に記載のシート体を加工する装置。
  12. 前記第2駆動手段は、前記2対の把持手段を互いに離れる方向で且つ、横方向に移動させる構成であり、
    前記張力は、前記2対の把持手段の前記移動によって与えられることを特徴とする、請求項乃至のいずれか1項に記載のシート体を加工する装置。
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