JP6971379B2 - 代表ミルクサンプルを採取するためのサンプリング装置および方法 - Google Patents

代表ミルクサンプルを採取するためのサンプリング装置および方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、たとえば、未知の長さの運搬間隔でミルクが運搬される運搬ラインから、予め定められた量範囲で代表ミルクサンプルを採取するためのサンプリング装置と、代表ミルクサンプルを採取するための方法とに関する。
背景
食糧生産の分野では、「ミルク」という語は主として雌牛のミルクを意味するものと理解されているが、雌牛に加えて羊およびヤギも含む家畜化されて飼育されている他の動物から得られたミルクが、雌牛からのミルクに加えて、食糧として人によって用いられている。
ミルクは天然産物であって、当然、いわゆる生乳としての生の状態、特に未処理の状態では細菌を含んでいる。したがって、生乳の油脂含有量を判断することに加えて、細菌混入を判断することは、ミルクの質を判断するための一特徴である。ドイツにおいては、たとえば、ミルクの商業製品等級への分類は乳製品品質管理条例(Milk Quality Ordinance)によって管理されている。この条例は、分類の基準、たとえば、総バクテリア数、タンパク質および油脂含有量、ミルクをヨーグルトまたはチーズに加工するのを妨げる抗生物質などの予想される抑制剤の凝固点および同化など、の分類についての基準を規定している。たとえば、バクテリア総数は、産業衛生および動物健康のための指標である。さらに、水で薄められていても、ミルクの凝固点の偏差に基づいて、これを検出することができる。
たとえば、動物の健康のために、家畜動物の乳腺の炎症を引起こす可能性のある細菌がないかどうか生乳を監視することは、疾病による動物の損失などのミルク生産で起こり得るリスクや、人の健康に対して起こり得るリスクを除外するために、特に、搾乳用雌牛(および他の家畜動物)の乳房健康のために重要である。
加えて、いわゆる「妊娠テスト」の一環としてミルクサンプルを収集することは、ミルク生産時に授乳動物の妊娠状態を監視するために重要である。
ミルクサンプリングは、さまざまな視点(たとえば、ミルクの質の判断および/または乳房健康の監視および/または動物の妊娠状態の監視)から、重要であるが、いずれの場合でも、制御された条件下で代表サンプルを得ることは、有意義な試験結果を得るために、さらには牛乳生産業者のために重要である。たとえば、サンプルの汚染は通常、バクテリアが実験室において培養された場合にのみ明らかになるが、この時点では、試験費用が既に発生しており、汚染されたサンプルから有意義な結果が得られない可能性もある。制御されたサンプリングの重要性は以下の事実から明白である。すなわち、サンプリングの際の最小のエラーでさえも、サンプルへの自然環境細菌の大量混入を引起こす可能性がある。なぜなら、サンプルが「臨床的に清潔な」環境ではなく搾乳場所で採取されているからである。
たとえば、起こり得る細菌汚染に加えて、油脂含有量が重要となるミルク品質を判断する場合、サンプルを採取するときにミルクサンプルの代表性が重要となる。なぜなら、ミルクの油脂含有量が搾乳工程中に変化するからである。特に、搾乳中のミルクの油脂含有量は、典型的には、搾乳の開始時の1%未満から搾乳の終わりには8%から10%にまで増加している。代表ミルクサンプルが搾乳中に採取されるべきである場合、サンプルを採取する際に始めから終わりまで可能な限り搾乳工程全体を「ディゾルブする」かまたはスキャンすることが重要である。これにより、個々の搾乳区間ごとに、対応する割合のミルク成分がサンプルに混入することが確実にされる。
この文脈においては、いわゆる「キャリーオーバー作用」も考慮に入れられなければならない。この場合、最後に搾乳された動物からのミルク分が次に搾乳された動物のサンプルに入ってしまい、結果として、それを汚染することとなる。最小量のミルク成分でも検出することができる現代の遺伝子検査を考慮すると、このように汚染されたミルクサンプルはもはやこれらのサンプルテストに用いることができなくなる。
さらに、搾乳されたミルクは、特に、搾乳された動物の体温であれば、短時間で分離する傾向がある。この分離工程は、一般に、クリーム状になることとして知られており、ミルク中の脂肪球によって引起こされる。これら脂肪球は、他のミルク成分よりも比重量が低く、それらのサイズに応じて数分の間により速くまたはよりゆっくりとミルクの表面へと上昇する。結果として、この理由だけで、ミルク中の成分が均質的に分散されなくなる。
典型的な場合、代表ミルクサンプルは、搾乳中に搾乳バケツ中にミルクをすべて収集するとともに、搾乳直後にこのミルクを集中的に撹拌するか、または、2個の搾乳バケツ間で数回注ぎ変えることによって得られる。この混合工程直後に、少なくとも1つのミルクサンプルが特に小さい柄杓を用いてバケツの中心から採取されて、規格に沿った分析ボトルに入れられる。これにより、混入が回避されることとなる。規格に沿った分析ボトルは、充填量が40ml〜50mlであり、通常、錠剤形状のプロノポール(Pronopol)などの防腐剤を含んでいる。満杯の分析ボトルを、通常、位置番号、RFID番号またはバーコードによってマーク付けすることによって、ミルクサンプルを動物に割当てることができ、さらに実験室で分析される。
現代最も広く普及しているミルクサンプリング方法は、搾乳場に設置された固定式ミルクメータまたは可動式ミルクメータを用いて実行される。これらの装置を用いると、較正されたノズルによって、連続的にまたは少量ずつ流れ出るミルクから通常約1%から2%の規定量が分離されて、取外し可能な中間格納容器に供給される。この容器の容積は、通常、約400ml〜約750mlである。搾乳工程の終わりに、この容器の内容物が、別のカップへ数回流し込まれることによって極めて集中的に混合され、その直後に、通常約40ml〜50mlの容積を有する分析ボトルに満たされる。したがって、この費用集約的なサンプリング方法は正確な分離工程に依存するだけではなく、サンプリングする人の正確で確実な手作業にも依存している。搾乳期間中に現場で実行されなければならないこの作業は相応の注意を払って実行されていなければ、得られたサンプル結果が無駄になってしまう。このようなエラーが一見して顕著ではないという事実は、特に深刻である。
別の周知のサンプリング方法においては、ミルクサンプルは、いわゆる「部分分離方法(partial split method)」を用いて、電子ミルクメータに基づいて、搾乳の終了時に自動的に直接、分析ボトルに充填される。搾乳工程中、搾乳されたミルクのごく一部が常設のサンプル容器内へと連続的に分離される。搾乳の終わりに、代表サンプル用のサンプル容器に収集されたミルクに必要な混合を実行するために大気がサンプル容器内に断続的に吹込まれる。その後、混合ミルクの一部が分析ボトル内に直接注ぎ込まれ、残りは、ミルクラインへと吸引され、さらなる搾乳のために供給される。しかしながら、この周知のサンプリング方法の実現例は、混合工程および残りの吸引の実行を可能にするために、搾乳の終わりにミルクメータが真空加圧されることを必要とする。したがって、これは、搾乳終了後もミルクメータ上で真空が維持されなければならないような大多数の搾乳設備において達成することができない搾乳工程の技術的要件である。さらに、この方法は、サンプル量を分析ボトルに充填するために搾乳工程の終了後に、典型的には10秒〜30秒の追加時間を必要とする。この追加時間は、羊またはヤギの場合のように、特に大群の迅速な動物の移動が必要な場合に総搾乳時間を著しく長くしてしまう可能性があり、これは現代の農場にとっては容認しがたいことである。さらに、このサンプリング方式は装置の内表面が比較的大きいことによりキャリーオーバーの影響を受けやすい。
この公知のサンプリング方法において用いられる部分分離方法は、可動式の機械式ミルクメータにおいて数十年にわたって用いられてきた。乳房から流れてくるミルク/空気流は、上方に向かって先細であり厳密に垂直に方向付けられた長く直線的な入口管を介して、下方から装置の頭部にある水平バッフル板に当たって、加速される。均質な360度の「ミルクスクリーン」が、動的に衝突するミルク流の運動エネルギによって形成される。較正されたノズルを用いて、典型的には1%から2%の搾乳されたミルクをその周囲から連続的に分離するとともに、約750mlの容積の測定シリンダに供給し、そこから、搾乳されたミルクの量を目盛り付きスケールで直接読取ることができる。
しかしながら、この測定システムには、搾乳技術の点において相当な不利点がある。当該装置は高い流れ抵抗を有しており、これにより、搾乳真空レベルがミルク流に応じて著しく低下する。当該装置はまた、傾斜に非常に敏感である。この測定原理では、分離の精度は、ミルクスクリーンの均一性および均質性に直接依存しており、このため、運動エネルギのレベルと、バッフル板に衝突するミルク流の正確な位置合わせとに依存しており、上述の不利点は上記原理に固有のものであり、「最適化する」ことができない。
2つの他の公知のサンプリングスキーム(LactoCorderおよびLactoCorder-S;自製品)においては、代表ミルクサンプルは、搾乳工程中に標準分析ボトル(50ml)に直接(すなわち、中間でサンプルを格納することなく)充填される。しかしながら、この場合、以下の問題が発生する。すなわち、約1:100〜1:1000のオーダの分離比率(たとえば、搾乳された20kg〜50kgの総ミルク量に対する約50mlのサンプリング)を確実に達成することができるが、このような広い分離比率は、もはや、分離穴(分離ノズル)の断面をさらに単純に小さくすることによって達成できるものではない。さまざまな物理的条件(毛細管力、表面張力、トリチェリ定理に従わない流出、ガゼイン変性、石灰化など)により、ミルク運搬システムにおけるボア穴の寸法縮小は、非常に厳密に制限されている。搾乳中に中間で格納することなく分析ボトルに直接に充填することが必要となるような広い分離比率を達成するために、分離されたミルク量は、時間を計測しながら充填することによって必要なだけ減らすことができる。ミルクサンプルの必須の代表性を実現するために、搾乳工程中のミルク流または関連する測定変量は、このようなサイクル制御の基準と同程度に正確に判断されるとともに高度に分解されなければならない。分離されるべきミルクサンプルの量に可能な限り準拠させるとともに、特に分析ボトルによって予め定められた量を越えないようにするために、さらなる制御変量として、対象のサンプル量、および予想されるミルク量の概算推定量(実際に搾乳された量から約+/−40%の偏差)が必要とされる。分析ボトルの容積を上回る容積が分離された場合、あふれ出たミルクがシステムに入り込んで分析ボトル内の防腐剤によりミルクを汚染するというリスクがある。
上述の公知のサンプリングシステムは、搾乳されているミルクの量が測定される測定チャンバ内の真空の変動に敏感である。さらに、これらのサンプリングシステムは、分析ボトルのボトル首部のうち丸み部分以外の小さい部分などの分析ボトルの接続部における最小の漏れにも敏感である。
バルブを開いた後にバルブによってミルクサンプルが分離されるサンプリングシステムにおけるミルク搾乳の開始が困難であることにより、バルブが非常に短期間だけ開かれる場合にその分離された個々のサブセット量について誤った量が得られる可能性があるというリスクもある。
さらに、上述のサンプリングシステムにおいては、適切に清掃されなければ、バルブ閉体の詰まり、ガゼイン変性または固着というリスクがある。
文献DE102011100924A1から公知である装置は、その内部をミルクが流れることができるものであって、少なくとも1回の測定を行なうためのものであるとともに、サンプル容器にミルクを供給するように設計された測定装置およびサンプリング装置を備えた搾乳機からサンプルミルクを採取するためのものである。上部で開く流路が、測定装置の上流に配置されている。当該流路は、空気分離装置において混じり合った空気から分離されたミルクの少なくとも一部を収容するとともに、ミルクが少なくとも部分的にサンプリング装置へと流れるようにミルクを方向付けるように設計されている。
DE9422296U1は、乳頭カップがミルクラインによって収集ガラスに接続されている搾乳場の自動搾乳のための搾乳装置を開示している。収集ガラスの底には、ラインが接続されたソケットが設けられている。ラインは液体ポンプに接続されている。ポンプの1つのライン区域においては、複数のラインが接続されており、ミルクサンプルを採取するためにサンプルボトルに向かって開くコンピュータ制御型バルブが配置されている。
上述の最先端技術を考慮すると、本発明の一目的は、上述の問題を回避しつつ、未知の長さの搾乳工程中にミルクが運搬される運搬ラインからミルクの代表サンプルを予め定められた量範囲で採取するためのサンプリング装置と、代表ミルクサンプルを採取するための方法とを提供することである。
概要
第1の局面においては、本発明は、ミルクが未知の長さの運搬間隔で運搬される運搬ラインから所与の量範囲でミルクの代表サンプルを採取するためのサンプリング装置を提供する。例示的な実施形態に従うと、サンプリング装置は、ポンプと、ポンプのコントローラと、ポンプに接続されたサンプル容器接続要素とを含む。コントローラは、予め定められた量範囲と、運搬ラインにおいて運搬されるミルクの流量を示す測定変量、および/または、運搬ラインにおいて運搬されるミルクの流速を示す測定変量、および/または、運搬間隔で運搬ラインを通じて運搬されるべきミルクの総量を示す予め定められた変量と、に基づいて、第1の動作モードの運搬間隔でポンプのパルス動作を制御するように構成されている。パルス動作中、ポンプは、サンプルパルス間隔でポンプの第1の運搬方向に沿って個別のサンプルサブセットを運搬する。さらに、予め定められた量範囲は、運搬間隔での個別のサンプルサブセットの総数に相当する総量以上である。
本発明の第2の局面においては、未知の長さの運搬間隔でミルクが運搬される運搬ラインから予め定められた量範囲で代表ミルクサンプルを採取するための方法が提供される。この場合、予め定められた量範囲は、運搬間隔での個別のサンプルサブセットの総数に相当する総量以上である。例示的な実施形態に従うと、当該方法は、第1の動作モードで、予め定められた量範囲および予め定められた値に基づいてポンプの稼働率を判断するステップを含む。当該予め定められた値は、運搬間隔の長さの推定および/または運搬間隔で運搬ラインを通じて運搬される総量の推定および/または運搬間隔で運搬ラインにおいて運搬される流量またはその変化を示す変量の推定を示すものである。稼働率はサンプルパルス間隔の特定の数を規定する。各々のサンプルパルス間隔で、ポンプが第1の運搬方向に沿って個別のサンプルサブセットを運搬する。当該方法はさらに、判断された稼働率に基づいて第1の運搬方向にポンプを動作させるステップを含む。第2の局面の有利な構成においては、当該方法はさらに、運搬ラインにおける流量を示す実際値、および/または、運搬ラインにおいて運搬されるミルクの流速を示す実際値、を検出するステップと、検出された実際値に基づいて稼働率を更新するステップと、更新された稼働率に基づいて第1の運搬方向にポンプを動作させるステップとを含み得る。
第2の局面の好ましい実施形態においては、当該方法は、運搬ラインにおける流量を示す実際値、および/または、運搬ラインにおいて運搬されるミルクの流速を示す実際値を検出するステップと、検出された実際値に基づいて稼働率を更新するステップと、更新された稼働率に基づいて第1の運搬方向にポンプを動作させるステップとを含み得る。
上述の本発明の第1の局面および第2局面は、ミルクの代表サンプルが、未知の長さの搾乳動作中に予め定められた量範囲で採取されることを可能にする。未知の長さの搾乳工程であるにもかかわらず、収集されたミルクサンプルの代表性は損なわれない。なぜなら、サンプルが、ポンプ、ポンプコントローラおよびサンプル容器接続要素を備えたサンプリング装置によって採取され、これにより、搾乳装置における選択可能なポイントでのサンプリングが可能となるからである。特に、たとえばサンプル容器からあふれ出ることにより搾乳工程全体で収集された代表ミルクサンプルが予め定められた量範囲を上回ることによってもたらされる汚染が回避されるものとする。
上述の本発明の第1の局面および第2の局面はさらに、未知の長さの運搬間隔にわたって運搬ラインにおける広範囲のミルク流量にサンプリングを柔軟に適応させることを可能にする。
第1の局面に従ったサンプリング装置が運搬ラインにおける適用された任意の動圧または静水圧に依存していないので、サンプリング装置は、運搬ラインに沿ったいずれのポイントにも配置することができる。サンプリング中、各サンプルサブセットは、圧力を加えなくてもサンプル容器内へと直接出力することができる。これにより、穏やかなサンプリングが可能となり、このため、たとえば分離されたミルクに含まれる敏感な脂肪球の損傷が防止される。
第1の局面の第1の実施形態においては、コントローラはさらに、運搬されたサンプルサブセットの実際数に相当する実際量と予め定められた量範囲との比較に基づいてポンプの動作を制御するように構成される。したがって、運搬間隔で予め定められた量範囲に到達するのが早すぎた場合、この到達を検出することができ、サンプルサブセットがその内部に分離されているサンプル容器からあふれ出るのを回避することができる。ポンプの動作は、流量についての検出された実際値に基づいて制御することができる。たとえば、検出された実際値は、流量についての少なくとも1つの前の実際値と比較することができ、コントローラは、流量の実際値と少なくとも1つの前の実際値との比較に基づいてポンプの動作を制御するように設計することができる。したがって、未知の長さの運搬間隔にもかかわらず、サンプリングの分解能は運搬間隔中にいつでも達成することができる。たとえば、上記比較によって搾乳の終了を識別することが可能となるのであれば、特に、ミルク流量が低く油脂含有量が高い場合には、搾乳工程中のサンプリングは、搾乳工程の終了に近づくにつれて比較的高い分解能で実行されてもよい。経験により、雌牛の場合には、200g/minの流量が搾乳と盲目的搾乳(すなわち、実質的な搾乳なしの搾乳)との間の限度と見なすことができることが分かっている。上記比較に基づいて、盲目的搾乳と、これにより搾乳工程の搾乳の終わりとが検出され得る。この検出は、今回の比較および前の比較に基づいて、流量の低下傾向を検出した後に流量にもはや著しい変更がないこと、たとえば、流量の変化が特定の値未満(たとえば10%未満または5%未満または1%未満)であることを検出することによってなされ得るものである。さらに、比較的高い分解能は、たとえば、1分以内の単位時間間隔でサンプルサブセットを分離する頻度を増やすことによって達成することができる。
流量の実際値と少なくとも1つの前の実際値との間の比較に基づく制御は、たとえば、流量の実際値を表わす現在の測定変量が流量についての前の実際値を表わす少なくとも1つの前の測定変量に関係するように(たとえば、商および/または差異が生じるように)、実行することができる。この比率に基づくと、絶対値を直接判断する必要なしに、異なる流量同士を比較することができる。たとえば、実際値の商および/または差異に基づくコントローラによるポンプの制御は、コントローラにおける電子的評価に関して多大な労力を払うことなく実行することができる。この場合、メモリデバイス(たとえば、DRAMデバイス、SRAMデバイスまたはフラッシュメモリデバイス)は、現在の実際値および少なくとも1つの前の実際値を一時的に格納するコントローラに設けられている。
第1の局面の第2の構成においては、コントローラはさらに、第1の動作モードを中断するとともに、第2の動作モードで、第1の運搬方向とは反対の第2の運搬方向に中断間隔で運搬されるサンプルサブセットの実際数の実際量のサブセットを運搬するように、ポンプの動作を制御するように構成されている。このようにして、ポンプによって第1の運搬方向に先に運搬されたミルクの実際量(サンプルサブセットの実際数によって示される)に相当する、先に搾乳された部分量のミルクを運搬することは、中断間隔で第2の動作モードで第2の運搬方向にポンプを動作させている間に達成することができる。これは、たとえ運搬間隔の終わりが予測不可能または認識不可能であっても、現在までに運搬された実際量が予め定められた量範囲に近づいていることが所与の時点で認識または推定される場合には、特に有利である。たとえば、現在までに生成された実際量は、予め定められた値だけ、予め定められた量範囲から外れている可能性もある。たとえば、予め定められた値は、予め定められた量範囲の約1%からその上限である約25%までの範囲内であってもよく、または、予め定められた数のサンプルサブセット(その各々が現在の動作中にサンプルパルス間隔で運搬されている)だけ予め定められた量範囲の上限とは異なっていてもよい。予め定められた数のサンプルサブセットは、たとえば、非限定的な数例を挙げると、1つのサンプルサブセット、2つのサンプルサブセット、3つのサンプルサブセットなどである。サンプルサブセットの量がサンプル容器内の予め定められた量を上回る危険を防ぐために、部分量が、第2の運搬方向に沿って運搬され、そのポイントまでに蓄積されたサンプルサブセットの量から採取される。これは自動的に行うことができるが、但し、運搬間隔の終わりは分かっておらず、このため、代表サンプルを所与の量ずつ個別のサンプルサブセットに分ける予め規定された仕切りは正確に判断することができない。なぜなら、運搬間隔で運搬される総量が運搬間隔の終了前には分かっていないからである。
第1の局面の第3の構成においては、コントローラはさらに、運搬間隔の残り期間にわたるサンプルパルス間隔の数、および/または、残りの実際量に基づいた中断間隔後のサンプルパルス間隔のサイズを、第1の動作モードで更新するために、ポンプのパルス動作を制御するように構成される。これは、現在データおよび採取されたミルクサンプルの代表性に基づく中断間隔が維持された後に、実際量の残留サブセットについて個別のサンプルサブセットを収集するために中断間隔後に、より優れた推定を行うことを可能にする。たとえば、サンプルサブセットが分離される頻度が増える(これは、運搬間隔の残り期間にわたるサンプルパルス間隔の数の増加と等しい)と、これに伴ってサンプルパルス間隔の長さが相応に短くなる可能性があり、このため、ミルクサンプルの代表性を減らすことなくサンプリングの分解能が相対的に増大されることとなる。たとえば、妊娠テストの場合、搾乳の最初の約10%が決定的なものであるため、最初に採取されたサンプルが高分解能をもたらすようにポンプが制御される場合、高分解能であると同時に代表的であるミルクサンプルを有利に実現することができ、特に、増加した数のサンプルが最初に高い頻度で分離されるとともに、分解能が特定の時点から低減されることとなる。加えて、または、代替的には、搾乳工程の終わりに、搾乳の終了を高分解能で走査するために、対応する処置を実行することができる。
第1の局面の第4の構成においては、サンプリング装置はまた、中断間隔前にサンプル容器に収集された実際量を混合するように設計された混合装置を含む。コントローラはさらに、中断間隔でポンプを動作させる前に第2の動作モードで混合装置を起動するように構成される。このようにして、実際量の代表性は、中断間隔までに運搬されたサンプルサブセットの実際数に従って確実にすることができる。
第1の局面の第5の構成においては、少なくとも1つのサンプルパルス間隔の後、コントローラは、測定された量に基づいてサンプルパルス間隔の数を更新するように構成されている。これは、過去の運搬間隔の履歴からのデータなどのさらに別のデータを用いることなく、測定された量に基づいてポンプの動作を調整することを可能にする。
第1の局面の第6の構成においては、サンプリング装置はまた、運搬ラインにおいて運搬されるミルクの伝導値を検出するように設計された1対のリング電極を含む。これにより、サンプリング装置が、外部流量計から独立して運搬ライン中のミルクの流量の測度を判断することが可能となるとともに、外部データベースから独立して動作可能となる。さらに別のリング電極またはさらに別の1対のリング電極を加えることによって、流速も測定することができる。これにより、流量の判断をさらに向上させることができる。たとえば、サンプリング装置はさらに、運搬ラインにおいて運搬されるミルクの伝導性を検出するように適合されたさらに別の1対のリング電極を含み得る。この場合、コントローラは、1対のリング電極およびさらに別の1対のリング電極によって検出される伝導性に基づいて運搬ラインにおいて運搬されるミルクの流量に基づいてポンプの動作を制御するように構成される。流速は、2対のリング電極によって記録される伝導値と、伝導値に割当てられた時間値のうちの1つとを比較することによって判断することができる。
第1の局面の第7の構成においては、この明細書中のサンプリング装置はさらに、沈殿チャンバと1対の電極とを含み得る。当該1対の電極は、当該沈殿チャンバ内のミルクの伝導性を検出するために沈殿チャンバに配置されている。したがって、1対のリング電極によって測定される伝導性に対する空気の寄与を計算することができる。
第1の局面の第8の構成においては、サンプリング装置はさらに、コントローラに接続された光源および光検出器を有する光学式フローセンサを含み得る。当該コントローラは、光学式フローセンサから出力されるデータに基づいてポンプを制御するように構成されている。光学式フローセンサによって、ミルクの流れは、ミルクとセンサとの間を電気センサ要素などで機械的に接触させる必要なしに、容易に定量的に監視することができる。
第2の局面の第1の構成においては、運搬されたサンプルサブセットの実際数の実際量が、予め定められた距離までの予め定められた量範囲に近づく場合、第1の動作モードでのポンプの動作が中断されるとともに、記録された実際値に基づいて、現在の運搬間隔がまだ終了していないと判断される。これにより、第1の運搬方向に沿って運搬されて、その時点までに分離されたミルクの量に相当するサンプルサブセットの量が予め定められた量を上回ることが回避される。
第2の局面の第2の構成においては、当該方法はさらに、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に運搬されるサンプルサブセットの実際数の実際量のサブセットを運搬するために、中断間隔中に第2の流れ方向に第2の動作モードでポンプを動作させるステップを含む。このようにして、その時点までに蓄積されたサンプルサブセットの部分量が除去されるとともに、運搬間隔のさらに別の進路においてサンプルサブセットを第1の運搬方向に沿って運搬し続けることができることが確実にされ得る。
第2の局面の第3の構成においては、第2の動作モードはさらに、中断間隔でポンプを動作させる前にサンプル容器に収集された実際量を混合するステップを含む。これにより、中断間隔の後でも、蓄積されたサンプルサブセットの代表性が確実にされる。
第2の局面の第4の構成においては、当該方法は、中断間隔後に残りの実際量に基づいてポンプの稼働率を更新するステップを含む。これにより、ポンプの動作を運搬間隔の前の進路に適合させることが可能となる。結果として、搾乳工程の終了までに搾乳される総ミルクの代表性が改善される。なぜなら、中断間隔後に稼働率を更新することによって、中断間隔後の現在の搾乳工程における残りの充填量が搾乳工程の終了までに分離されるべきサンプルサブセットを代表するものとなることが確実にされるからである。
第2の局面の第5の構成においては、当該方法は、第1の動作モードで少なくとも1つのサンプルパルス間隔後に測定された量に基づいてサンプルパルス間隔の数を更新するステップを含む。これにより、過去の運搬間隔の履歴からのデータなどのさらに別のデータを用いることなく、測定された量に基づいてポンプの動作を調節することが可能となる。
第2の局面の第6の構成においては、第1の動作モードでの特定の稼働率は、予め定められたサンプルサブセットが毎分3回ポンプで汲み出されることを規定している。これは、サンプリングがサンプルサブセットについての均一で偏向的に高い分離率で開始され、これにより、流れ間隔の初めにサンプルの有利な分解がもたらされることを意味している。
第2の局面の第7の構成においては、当該方法はさらに、第1の動作モードが完了した後に第3の動作のモードでポンプを動作させるステップを含む。ポンプは、第2の運搬方向に沿った運搬のために洗浄間隔で第3の動作のモードで動作させられる。これにより、サンプル容器が第1の動作モードの終わりに取外された後に残るミルク残留物をいずれも除去することが可能となり、キャリーオーバー問題が解決される。
上述の発明の第1の局面および第2の局面の構成うち少なくともいくつかにおいては、本発明の以下の利点が実現される。
i)能動的に運搬するポンプがサンプリングのために設けられているので、このタイプのサンプリングは、外部の動的背圧にも、分離を推進する外部の静水圧にも依存していない。したがって、特に、現在搾乳されているミルクの供給が常に排他的にもたらされている量測定チャンバの上流でサンプルを採取することができる。これは、キャリーオーバーのリスクを著しく低減させる。
ii)いくつかの構成においては、キャリーオーバー問題は、量測定チャンバの前にポンプを配置するとともに、搾乳工程の始めに逆戻りするように一時的に(たとえば、5秒)ポンプを切換えることによって、大部分を排除することができる。搾乳を新しく開始するとき、まだ長いミルクホースに繋がれていた可能性のある最後の動物からのミルクの残りがいずれも装置に流れ込むが、ポンプが後方に伸びている場合にはそれらの入口側は実質的に水洗いされない(空気が吹付けられない)ままである。したがって、新しい動物による新鮮なミルクだけがその後の順方向回転により吸引される。結果として、最後の動物からのミルクは、後続の動物を搾乳する際に採取されたサンプルに混入しない。
iii)さらに、サンプル容器(たとえば、分析ボトル)と量測定チャンバとの間の圧力条件からはるかに大きく独立しており、特に、搾乳中に共有される供給ラインにおける真空変動からも独立している。必要に応じて、搾乳真空下の装置から、真空下である必要のないサンプルボトル内にミルクサンプルを移送することも技術的に可能であるだろう。これは、ボトルに関する封止の問題がもはや存在せず、引っ張って剥がす力も不要であることを意味している。結果として、サンプリング中にこぼれ出るというリスクが回避される。
iv)電力消費を最小限にするために、かつ、分離さたミルク(脂肪球)を最適に保護するために、疑似圧力のないポンプ動作が好ましい。すなわち、実質的に、圧力ピークなしでサンプルサブセットを「能動的に前方にすくう(active forward scooping)」だけである。たとえば、これは、ゆっくりと回転する容積式ポンプ(たとえば、ギヤポンプ)の助けを借りて実現することができる。
v)始動は困難ではなく、また、閉塞、固着および詰まりのリスクは、強い力で運搬することによって著しく削減される(ブレーキがかけられた状態でのDCモータの特徴を参照されたい)。
vi)サンプルサブセットのサイズは可変であり、デューティサイクルおよび/またはポンプ速度に設定することができる(たとえば、パルス幅制御による電圧制御を用いる3つのギヤ)。
図面の簡単な説明
本発明の実施形態のさらに有利な効果が添付の図面に関連付けられた以下の詳細な説明から得られる。
本発明のいくつかの例示的な実施形態に従ったサンプリング装置を概略的に示す図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に従った、少なくとも1つのサンプリング装置とともに搾乳装置を概略的に示す図である。 本発明のいくつかの実施形態に従った流量センサを概略的に示す図である。 本発明のいくつかの実施形態に従った流量センサを概略的に示す図である。 本発明のいくつかの代替的な実施形態に従った流量センサを概略的に示す図である。 本発明のいくつかの例示的な実施形態に従ったサンプリング装置を概略的に示す図である。
詳細な説明
この説明において、間隔が言及されることがある。一般に、間隔とは、(有限の)長さを有する始めおよび終わりまたは始め/終わりの(始めと終わりとの間の差の量に相当する)期間、または、この間隔における或るポイント(いわゆる、サポートポイント)、および、当該間隔におけるこのポイントから当該間隔の始めおよび終わりまでの関連する間隔である。特に、ある間隔における時間の2つのポイントを想定すると、それらの間にあるすべてのポイントも当該間隔に属するはずである。
図1を参照して、搾乳装置に関する本発明のいくつかの例示的な実施形態をより詳細に説明する。
図1は、本発明のいくつかの例示的な実施形態に従ったサンプリング装置100を概略的に示す。サンプリング装置100はミルクホース10に接続される。ミルクホース10は、たとえば、乳頭カップ(図示せず)と収集部分(図示せず)との間に配置された短いミルクホース、または、収集部分(図示せず)と収集容器(図示せず)との間に配置された長いミルクホースを表し得る。ミルクホース10の中をミルクが方向12に沿って流れる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、図1に示されるミルクホース10の区域は任意には、堅く曲げられた注入管10aを有し得る。たとえば、その屈曲半径は、下流の測定区間10bに接続されている注入管10aの内径の3倍未満である。注入管10aは、たとえば、測定区間10bにシームレスに一体化し得る。特に、測定区間10bの直径は注入管10aの直径と等しくすることができる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、測定区間10bは2つのリング電極14を有し得る。2つのリング電極14は、互いから電気的に絶縁されており、ミルクホース10内で案内されたミルクがそれらの中を流れる。具体例においては、リング電極14は、方向12に沿って規定された距離だけ互いから間隔を空けて配置されている。この距離は、たとえば、5mm〜7cmの距離、好ましくは5mm〜35mmの範囲の距離、より好ましくは10mm〜25mmの範囲の距離、さらには、約20mmの距離である。これにより、以下のように機能する流量センサを設けることが可能となる。すなわち、ミルクホース10内を流れるミルクが、ミルクホース10内のミルクの流量に応じてさまざまな程度にまで測定区間10bの断面を満たす。特に、測定区間10bは、ミルクホース10内を流れるミルクによって、測定区間10b内のミルクの流量に応じてさまざまな程度にまで満たされる。このため、ミルクホース10内を流れるミルクとリング電極14との間の接触面が流量に応じて変化し、ミルクホース10内を流れるミルクの伝導性についての測定値が得られる、これらの測定値はリング電極14によって記録されている。測定区間10bにおける幾何学的条件を考慮に入れると、定量的関係は、たとえば、較正測定を行なうことによって、リング電極14によって測定される伝導性と測定区間10bにおけるミルクホース10内のミルク流量との間で確立することができる。これにより、この関係が、リング電極14によって測定される測定値とともに、ミルクホース10内のミルクの流量についての対応する値を与えることができる。たとえば、対応する接続は、メモリデバイス(図示せず)に格納することができるルックアップテーブルまたはLUT(lookup table)によって提供することができる。測定区間において(図1において破線で示されている)さらに別の、間隔を空けて配置されている任意の対のリング電極14′を加えることにより、ミルクと1対のリング電極14′との接触と、ミルクと1対のリング電極14との接触との間の時間間隔を測定することによって、測定区間10bにおいて運搬ライン10を通って流れるミルクの速度も判断することができる。搾乳システム内の流れが、通常、完全に均一ではなく、隆起したり沈下したりするプラグ形状であるので、これらは、リング電極対14および14′による速度測定のためのトリガーポイントとして用いることができる。間隔を空けて配置された対のリング電極14および14′(図1に図示)のシーケンスは単に例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。代替的には、対のリング電極14および14′のシーケンスは逆にされてもよい。
代替的な実施形態においては、測定区間10bは、伝導性および流速を判断するための、間隔を空けて配置された3つのリング電極を有していてもよい。これにより、図1に示される対のリング電極14のうち一方のリング電極、または図1に示される対のリング電極14′のうち一方のリング電極は設けられていない。この明細書中における特定の具体例においては、対のリング電極14に加えて、間隔を空けて配置されたさらに別のリング電極(たとえば対のリング電極14′のうちの一方)が設けられていてもよい。間隔を空けて配置されたこれらの3つのリング電極のうち中央のリング電極は、伝導性測定および流速測定のための共通の電極として使用可能である。
注入管10aが設けられている実施形態においては、ミルクホース10内を搬送される空気は、ミルクホース10内を流れる搾乳済みミルクとともにミルクホース10内を移送されて、これによりミルクホース10内でミルク/空気混合物を形成するものであるが、測定区間10bに入る前に分離することができる。このため、ミルクの流量のより正確な判断が所望される場合には、ミルクホース10内を流れるミルクの流量をより正確に判断することができるようになる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、沈殿チャンバ18が測定区間10bに下流に配置されている。沈殿チャンバ18においては、沈殿チャンバ18の底に配置されたカップ状凹みにおいて、任意にポイント電極20を配置することができる。ポイント電極20は、カップ状凹み19に位置する沈殿した純粋なミルクの伝導性を測定するためのものである。測定区間10bにおける空気/ミルク混合物中のミルクの伝導値を判断するためのリング電極14の測定値に基づいて、比較値を、沈殿チャンバ18のカップ状凹み19におけるポイント電極20によって記録される測定値に基づいて判断することができる。このため、測定区間10bにおいて記録されるミルク/空気混合物中の空気の割合を計算することができるようになる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、接続ライン22は、たとえば、カップ状凹み19の底にカップ状凹み19から遠ざかるように敷設されている。接続ライン22は、サンプリング装置100のポンプ108に接続されており、以下においてより詳細に説明されるように、ミルクホース10からミルクサンプルを採取するように適合されている。これは、本発明を限定するものではなく、接続ラインは別のポイントでミルクホース10から分岐されていてもよい。
例示的な実施形態においては、サンプリング装置100はさらに、ポンプ108の動作を制御するように適合されたコントローラ109を含む。コントローラ109は、リング電極14および/またはポイント電極20に接続されており、接続された電極14および/または20から測定値を受取ることができる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、コントローラ109は、測定区間10bを通ってミルクホース10内を流れるミルクの流量を、得られた測定値に基づいて判断するように、ならびに/または、上述の説明に従った空気の割合および/もしくは流量を考慮に入れるように適合され得る。代替的には、コントローラ109は電子評価ユニット(図示せず)に接続することができる。電子評価ユニットは、リング電極14の測定値に基づいて流量を判断してこの判断結果をコントローラ109に送信する。任意には、電子評価ユニット(図示せず)によって判断された流量は、空気速度および流速のために調整された流量を得るために、ポイント電極20の測定値で、コントローラ109に送信される前または後に、相殺することができる。
いくつかの代替的な実施形態に従うと、コントローラ109は、リング電極14によって記録された測定値を受取るように設計することができる。ここで、コントローラ109は、内部または外部のメモリデバイス(図示せず)に現在の測定値を実際値として格納するとともに、この測定値を少なくとも1つの前の実際値と比較するように適合させることができる。たとえば、実際値と少なくとも1つの前の実際値との比較は、現在の実際値が、たとえば商および/または差異の発生によって少なくとも前の実際値と関連付けられるように、行なうことができる。この関係に基づいて、異なる流量同士を、流量についての絶対値を直接判断することなく比較することができる。たとえば、コントローラ109によるポンプ108の制御は、コントローラ109での電子評価に関して多大な労力を払うことなく、実際値の商および/または差異によって実行することができる。この場合、メモリデバイス(たとえば、DRAMデバイス、SRAMデバイスまたはフラッシュメモリデバイス)(図示せず)は、現在の実際値および少なくとも1つの前の実際値を少なくとも一時的に格納するコントローラ109に設けられている。
先に判断された関係に基づいて上述の説明に従って立証され得るように、リング電極14によって検出される測定値が流量の測度を表わしているので、以下においては、測定値と流量とは明確に区別されていない。コントローラ109のさらなる詳細を以下において詳細に記載する。
いくつかの例示的な実施形態においては、逆止め弁102は、ポンプ108とミルクホース10との間に配置することができ、ポンプ108からミルクホース10に向けられたミルクの流れを遮るとともに、ミルクホース10からポンプ108に向けられたミルクの流れに対して開いている。廃物容器106と流体接続している接続ライン22において、逆止め弁102とポンプ108との間に分岐が形成されている。さらに別の逆止め弁104が、ポンプ108と廃物容器106との間に配置されており、ポンプ108から廃物容器106に向けられたミルクの流れに対して開いている。このため、ミルクは、廃物容器106に向かってこの方向に流れることが可能となるが、特に廃物容器から逆止め弁102までの逆方向のミルクの流れは遮断されている。これは、本発明を限定するものではなく、代替的には、分岐は、逆止め弁102を介してミルクホース10と流体接続している接続ライン22において、逆止め弁104とポンプ108との間に形成されていてもよい。
具体的な実施形態に従うと、サンプリング装置100はまた、サンプル容器(図示せず)(たとえば、分析ボトル)を収容するように適合されたサンプル容器レセプタクル112を有し得る。サンプル容器レセプタクル112は接続ライン110を介してポンプに接続することができる。これにより、接続ライン110はポンプ108からサンプル容器(図示せず)まで延在する。サンプル容器は、サンプリング装置100の動作中、サンプル容器レセプタクル112に配置されている。概して、接続ライン110は、単独でまたはサンプル容器レセプタクル112とともにサンプル容器接続要素になり得る。
特別な具体例に従うと、サンプル容器レセプタクル112はサンプル容器のためのセンタリングリング114を有していてもよく、これにより、正確に規定された態様でサンプル容器レセプタクル112にサンプル容器(図示せず)を配置することが可能となる。これにより、サンプル容器レセプタクル112とサンプル容器(図示せず)との間に確実な接続がもたらされ、漏れ口が形成されるのを回避するとともに、サンプリング中のサンプル液の不要な漏れを回避する。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、空気入口116、または代替的には/付加的には、混合装置もしくはミキサとしての撹拌器118を容器レセプタクル112に配置することができ、これにより、サンプリング装置100の動作中に空気入口116および/または撹拌器118を用いて、サンプル容器(図示せず)に満たされたサンプル液を混合することができる。たとえば、空気入口116は、空気入口116を介して混合を制御するような態様でサンプル容器(図示せず)に空気を導入するために、ソレノイドバルブ120を介して空気溜め(図示せず)に接続することができる。
さらに、いくつかの例示的な実施形態においては、換気ホース16も廃物容器106および/またはサンプル容器(図示せず)における不所望な圧力上昇を回避するために、サンプル容器112および/または廃物容器106に接続することができる。
以下において、ポンプ108の動作をより詳細に説明する。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、ポンプ108は、互いに逆方向の2つの運搬方向122および124に沿って接続ライン22内に存在する液体を運搬することができるように動作させることができる。たとえば、ポンプ108の或る動作モードでは、ミルクは、ミルクホース10からポンプ108を通って接続ライン22を介して運搬方向122に沿って逆止め弁102を介してサンプル容器レセプタクル112内に、特にサンプル容器レセプタクル112に配置されたサンプル容器(図示せず)内に、移送することができる。
ポンプ108のさらに別の動作モードでは、サンプル容器レセプタクル112内のサンプル容器(図示せず)中に蓄積されたミルクは、ポンプ108によって、運搬方向124に沿って逆止め弁104を介して廃物容器106内に移送することができる。
例示的な実施形態においては、予め定められた量範囲内で代表ミルクサンプルを採取するためのサンプリング装置100においては、特に、或る容積を有するサンプル容器(図示せず)、たとえば40ml〜50mlの容積を有する分析ボトルが未知の長さの搾乳工程においてミルクホース10から運搬される。特に、搾乳工程の開始時における搾乳時間は分かっていない。
具体例に従うと、ポンプ108は、変位ポンプ、たとえば、ギヤポンプ、ロータリピストンポンプ、ベーンポンプ、インペラポンプ、ぜん動ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプである。好ましい例に従うと、ポンプはギヤポンプであって、たとえば、ポンプで汲み出された代表ミルクサンプル中の傷つき易い脂肪球が損傷を受けないように比較的大型の歯を備えた非常にゆっくりと回転するギヤポンプであるか、または、ホースポンプである。
非限定的な例においては、いくつかの例示的な実施形態に従って用いられるギヤポンプは、係数が0.5〜1(たとえば0.7)で歯数が10〜15(たとえば12)の範囲であってもよい。この明細書中に記載される具体例においては、歯幅は2mm〜7mmの範囲、たとえば5mmであってもよい。この明細書中に記載されるさらに別の具体例においては、ピッチ円径は5mm〜10mmの範囲、たとえば8.4mmであってもよい。この明細書中に記載されるさらに別の具体例においては、流量は20ml/min〜100ml/minの範囲であってもよい。この明細書中に記載されるさらに別の具体例においては、回転速度は毎秒回転数が1.5〜8の範囲であってもよい。
具体例においては、コントローラ109は、流量センサからデータを受取るように構成されたマイクロプロセッサ(図示せず)を含んでもよく、または当該マイクロプロセッサに関連付けられていてもよい。具体例においては、コントローラ109は、測定区間10b上のリング電極14および/または、沈殿チャンバ18内のポイント電極20からデータを受取るように構成されたマイクロプロセッサを含んでもよく、または当該マイクロプロセッサに接続されてもよい。非限定的な具体例に従うと、コントローラ109は、上述のとおり、流量センサ14および/もしくはポイント電極20が受取った測定値から、ミルクホース10内の流量の実際値を判断するように、または、コントローラ109外の評価装置によって判断される流量の実際値を受取るように構成することができる。現在の実際値は、現在の測定値、および/または、現在の測定値から得られる変量(たとえば、流量、伝導性など)として理解されるべきである。たとえば、測定データは、測定データが記録された時点を示す時間に測定データを割当てることができるように時間インジケータを備えている。加えて、または、代替的には、現在の実際値は、調整された現在の実際値を表わし得る。この場合、ミルクホース10内のミルク/空気混合物中の空気含有量および/または流量は上述のとおり計算される。さらに、前の実際値は、メモリデバイス(図示せず)に少なくとも一時的に格納される実際値として理解されるべきものであって、これは、現在の実際値よりも前の測定によって得られたものであるとともに、メモリデバイス(図示せず)に格納されていたものである。たとえば、格納された値にはその格納中の時間値を割当てることができる。この時間値は、たとえば、格納の時間を示すことができるかまたは測定の時間インジケータであり得る。現在の実際値に基づいて、コントローラ109は、さらに、上述のとおり、ポンプ108の動作の長さおよび頻度に関して、たとえば、個別サンプルサブセットが運搬方向122に沿ってサンプル容器レセプタクル112に運搬されるサンプルパルス間隔を決定することによって、ポンプ108の動作を制御することができる。
例示的な実施形態に従うと、サンプルパルス間隔の頻度は、標準時間隔(たとえば、1分)にわたる間隔のサポートポイントを対応して分散させることによって規定することができる。たとえば、1分の標準間隔におけるサンプルサブセットの3回のサンプリングは、20秒間隔でサポートポイントを配置することによって設定される。当然、ここでは、間隔の長さを考慮に入れなければならず、特に、標準間隔ごとの連続する2つのサポートポイント間の距離がこれらの2つのサポートポイントに割当てられた間隔長さのうち最も短い間隔長さよりも大きい限りにおいて、頻度は十分に規定される。
例示的な実施形態においては、ポンプ108の動作は、ポンプ108が個々のサンプルパルス間隔中に個別のサンプルサブセットを運搬するパルス動作に相当する。総搾乳時間にわたって1回の搾乳工程でポンプ108によって汲み出される個別のサンプルサブセットの総数は、搾乳工程中に採取される代表ミルクサンプルの総容積に相当する。搾乳工程におけるサンプリング中にサンプル容器レセプタクル112内のサンプル容器(図示せず)のあふれを防ぐために、搾乳工程全体において運搬方向122に運搬されるべき代表ミルクサンプルの全容積は、代表ミルクサンプルの予め定められた量範囲(特に、サンプル容器の予め定められた容積)以下であるものとする。具体例に従うと、所与の量範囲は、最大で40mlまたは最大で50mlまでの範囲であり得る。
個別のサンプルサブセットの容積は、運搬方向122に沿ったポンプ108の運搬速度を調節することによって判断することができる。たとえば、一定の流量は、ポンプ108に関して(ポンプのオンオフの切替えを考慮に入れることなく)サンプルパルス間隔で予め定めることができる。代替的には、ポンプ108の運搬速度は、ミルクホース100中のミルクの流量の実際値および/またはサンプルサブセットの完全に分離された現在量に依存し得る。例示的であるが限定的ではない例においては、ポンプ108の速度は、たとえば、搾乳工程内の或る時点に依存している可能性があり、たとえば、ポンプの運搬速度は、ミルクホース10内を運搬されるミルクの流量の低下に応じて低下する可能性もある。たとえば、ポンプ108は少なくとも2つの異なる流量を有し得る。この場合、少なくとも2つの異なる流量のうちの一方は流量の実際値に応じて選択することができる。
加えて、または代替的には、サンプルパルス間隔の頻度は、ミルクホース10内を運搬されるミルクの流量に応じて設定することができ、たとえば、頻度は、流量の上昇に応じて増加し得るとともに、流量の低下に応じて減少し得る。具体例に従うと、たとえば、(サンプルパルス間隔の長さに応じた)サンプルパルス間隔の頻度は、毎分少なくとも3サンプルパルス間隔に設定することができる。たとえば、1サンプルパルス間隔で運搬されるサンプルサブセットを維持しながら、運搬速度を増加させるのと同時にサンプルパルス間隔の長さを短くすることによって、必要に応じて、1分ごとにサンプルパルス間隔の所望の頻度を設定するために、ポンプ108の速度を相応に調整することができる。
例示的な実施形態に従うと、ポンプ108の速度についての一定の初期値および/または初期サンプルパルス間隔はコントローラ109に格納することができる。少なくとも1つの初期サンプルパルス間隔が実行された後、コントローラ109は、ポンプ108をさらに動作させるための基準として用いられる更新済みのサンプルパルス間隔が規定されるように、ミルクホース10内を運搬されるミルクの流量の実際値に基づいてポンプ108の動作を補正することができる。サンプルパルス間隔についての、元々設定されていた初期頻度を1分ごとに更新することもできる。このようにして、サンプリングを現在のミルク流に調整することができ、これにより、ミルクホース10内の現在のミルク流の実際値に基づいて搾乳工程における近似時間に調整することができる。
具体例においては、(搾乳工程の終わりを示し得る)ミルクホース10内のミルク流の低下に応じた1分ごとのサンプルパルス間隔の頻度は、油脂含有量が非常に高い低ミルク流が存在する搾乳工程の終わりに近づくにつれて個別のサンプルサブセットの数を増やすことができるように、上昇させることができる。結果として、総ミルクの油脂含有量を判断する際の不所望な不一致をこのサンプリング方法によって回避することができる。
さらに、サンプルパルス間隔で個別のサンプルサブセットの容積を設定するようにポンプ108の運搬速度を調整することにより、(当初は未知である)搾乳時間にわたってサンプルパルス間隔を均一に分散させる必要がなくなる。たとえば、毎分のサンプルパルス間隔の数を、最初は低くまたは最小限に想定することができるとともに、ミルクホース10内を運搬されるミルクの流量を測定することにより、ミルクホース10内を運搬されるミルクの流量の実際値に応じて増加させることができる。たとえば、付加的には、または代替的には、ポンプ108の運搬速度は、ミルクホース10内を運搬されるミルクの流量の実際値に応じて、最初の低いまたは最低限の運搬速度108から上昇させることができる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、ポンプ108の運搬速度を工程の終わりに近づくにつれて低下させるとともにサンプルパルス間隔の頻度を増加させることによって、低いミルク流および高い油脂含有量で、搾乳工程の終わりにより高い分解能が得られる。代替的には、ポンプ108の運搬速度を同じままに維持するかまたは上昇させる一方で、搾乳の終わりに近づくにつれてサンプルパルス間隔の長さを短くすることができる。
いくつかの例示的な実施形態においては、ポンプ108は、搾乳工程にわたって代表ミルクサンプルを準連続的に分離させるために、サンプルパルス間隔内で流れ方向122に沿って低流量で連続的に動作させることができる。この工程においては、ポンプ108を低流量で連続動作させるために、準連続的と見なされ得る搾乳工程にわたって、非常に多数の個別のサンプルサブセットが得られる。
別の動作モードにおいては、ポンプ108は、逆止め弁104を介して運搬方向124に沿ってミルクを廃物容器106に運搬するように構成される。
例示的な実施形態に従うと、コントローラ109は、サンプル容器レセプタクル112(図示せず)に配置されたサンプル容器の充填レベルを検出する。これは、運搬方向122に沿ってポンプ108によって先に運搬されたサンプルサブセットを合計するかまたはまとめることによって、この明細書中のいくつかの具体例に従って判断することができる。これにより、単一の個別のサンプルサブセットの量をポンプ108の運搬速度によって判断することができる。加えて、または代替的には、センサ(図示せず)は、サンプル容器レセプタクル112内のサンプル容器の充填レベルを判断するために、または、サンプル容器(図示せず)内の臨界充填レベルの超過を検出するために、サンプル容器レセプタクル上に設けることができる。サンプル容器(図示せず)の充填レベルに関して、および/またはそのポイントにまで運搬された累積的なサンプルサブセットに関して、特定の臨界値が検出されると、コントローラ109は、ミルクホース100内を運搬されるミルクの流量の実際値を用いてチェックを実行することにより、(たとえば、搾乳工程の終わりを推定する予め規定された限度値(この限度値は、制御システムにおいて予め規定することができるかまたは経験に基づいてユーザによって入力することができる)よりも小さい実際値によって)搾乳工程が終了しつつあるか、または、現在の搾乳工程の終わりを推定することができるかどうかを判断するとともに、さらにいくつの個別のサンプルサブセットがそのポイントまで運搬されるべきであるかを判断する。この推定により、代表ミルクサンプルの所与の量範囲がこの推定を上回ったことが判明した場合、ポンプは、さらに別の動作モードを開始する。このさらに別の動作モードは以下において動作の中断モードと称される。この場合、ポンプ108のコントローラ109は、運搬されたサンプルサブセットの実際数の実際量のうちの部分量が中断間隔で運搬方向124に運搬されるように、ポンプ108の動作を中断モードで制御するように構成されている。これは、部分量が特に廃物容器106に供給されるように、ポンプ108を特に中断間隔で動作させることを意味する。適切に判断された部分量が中断間隔中に廃物容器106に確実に供給されることを確実にするように、サンプル容器(図示せず)から逆止め弁104までの接続ライン22の容積を考慮に入れることができる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、中断間隔終了後のコントローラ109は、サンプル容器内の残りの実際量に基づいて、現在の搾乳工程の残りの期間にわたるサンプルパルス間隔の数および/または中断間隔後のサンプルパルス間隔のサイズを更新するように構成されている。この場合、サンプル容器内の実際量は、中断間隔の実行前に運搬されたサンプルサブセットの実際数の実際量(除去された部分量を差引いた)との差に相当する。たとえば、部分量は、実際量の約半分または予め定められた量範囲の半分が中断間隔後にサンプル容器(図示せず)中に存在するように、採取することができる。特別な具体例に従うと、15ml〜35mlまたは40ml、好ましくは15ml〜30ml、より好ましくは20ml〜25mlの実際量が、最大で40mlまたは50mlまでの所与の量範囲でサンプル容器のために残り得る。
例示的な実施形態においては、コントローラは、サンプル容器(図示せず)内の充填レベルがサンプル容器レセプタクル112上に配置されたセンサ(図示せず)によって検出されない場合、中断間隔で運搬方向124に運搬された部分量をサンプルサブセットの合計量から差引くことによって、サンプル容器(図示せず)内の充填レベルを更新するように構成されている。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、コントローラ109はまた、動作の中断モード前にサンプル容器(図示せず)に収集された実際量を混合するために、中断間隔が実行される前に、動作の中断モードで混合装置(特に空気入口116および/または撹拌器118)を動作させるように適合されてもよい。これにより、中断間隔で部分量が均一な混合物から採取されるとともに、残りの実際量が依然として、そのポイントまでに収集された累積的な個別のサンプルサブセットの中断間隔を代表するものとなることが確実にされる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、コントローラ109は、上述の中断モードを数回繰返すように設計することができる。これにより、所与の量範囲内の代表ミルクサンプルが事前に分かっていない長さの搾乳工程中に確実に分離されることと、サンプリング中にサンプル容器(図示せず)からのあふれがサンプル容器レセプタクル112において起こらないこととが確実にされる。ここで、好ましくは、各動作の中断モードの後に、充填レベルが更新されるか、または、そのポイントまでに収集されたサンプルサブセットを、不足分とみなされる運搬されたサブセットとまとめることによって、流れ方向124に沿った各々の中断間隔が計算される。
図2を参照すると、図1に関連して上述されたサンプリング装置100の実現可能な位置が本発明のさまざまな例示的な実施形態に従って記載される。
図2は、短いミルクホース206を介して収集部分208に接続された複数の乳頭カップ204を備えた搾乳装置200を示す。収集部分208は、長いミルクホース210を介して収集容器212に接続されている。収集容器212は、ミルクライン214を介してミルクポンプ216に接続されている。ミルクポンプ216は、搾乳工程中に乳頭カップ204に搾乳真空を与える。これは、搾乳工程中に、雌牛(図示せず)の1つの乳房202が搾乳されることを意味する。搾乳装置200は上述のとおり少なくとも1つのサンプリング装置を含んでいてもよい。図2に概略的に示されるように、ベント224はサンプリング装置220a〜220dの上に設けられていてもよい。ベント224は、サンプリング装置220a〜220dと収集容器212との間の圧力をほぼ等しくすることができる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、サンプリング装置220aは収集容器212上に配置することができる。たとえば、サンプリング装置220aは収集容器212の入口に位置していてもよく、溢流貯め部213が収集容器212の入口に位置しており、長いミルクホース210から収集容器212内にミルクが流れ込んで、溢流貯め部213からあふれ出て、収集容器212の底に集まる。溢流貯め部213の底には、収集容器212内に向かって開く小さな出口穴が設けられていてもよく、これにより、溢流貯め部213内の内容物が連続的に交換され、搾乳の終わりに溢流貯め部が空になることが確実にされる。ポンプ222aによって、溢流貯め部213の底に代表ミルクサンプルを採取することができる。ポンプ222aは、サンプリング装置100についての上述の説明に従った、上述のポンプ108と同じであってもよい。
加えて、または、代替的には、サンプリング装置200bは、収集容器212内の跳ねよけ板214よりも下に配置されてもよく、これにより、長いミルクホース210によって供給されたミルクが、跳ねよけ板214から跳ね返って、それに沿って流れ出し、収集容器212の底に集まる。さらに別の収集貯め部215が跳ねよけ板214の下に配置されてもよく、跳ねよけ板214に沿って流れ出るミルクの一部を収集する。このさらに別の収集貯め部215の底には、ポンプ222bに至る接続パイプが設けられていてもよい。このポンプ222bは上述のポンプ108に相当していてもよい。
加えて、または、代替的には、上述のサンプリング装置100に相当するサンプリング装置220cは、収集容器212の底に配置することができる。これにより、収集容器212からポンプ222cを介して外部に通じる接続ラインは、図1に関連付けて上述したとおり代表ミルクサンプルを採取することができる。ポンプ222cの搬送速度はその入口の圧力によって影響を受けないので、収集容器212中に収集されるミルクの格納レベル(静水圧)は、サンプリング装置の機能にとって重要ではない。
加えて、または、代替的には、サンプリング装置220dは収集容器212の後のミルクラインに配置することができる。このミルクラインは、ポンプ222dを介して代表ミルクサンプルを採取することができる。サンプリング装置222dは上述のサンプリング装置100と同じであってもよい。
加えて、または、代替的には、サンプリング装置220eは、ポンプ222eによって代表ミルクサンプルを採取するために、乳頭カップ204と収集部分208との間の短いミルクホース206上に配置されてもよい。サンプリング装置222eは、上述のサンプリング装置100に対応し得る。
加えて、または、代替的には、サンプリング装置220fは長いミルクホース210上に配置することもできる。長いミルクホース210は、ポンプ222fによって代表ミルクサンプルを採取するために用いられる。サンプリング装置220fは、上述のサンプリング装置100に対応し得る。
図3aおよび図3bを参照すると、流量センサ300は本発明のいくつかの例示的な実施形態に従って記載される。ここで、図3aは、垂直方向に沿った流量センサ300の図を示す。図3bは、図3aにおける交差ラインa−aに沿った流量センサ300の水平側断面図を示す。図3aの交差ラインa−aは図3bにおいて方向決めのガイドとして描かれている。
流量センサ300は、たとえば、短いミルクホース(図示せず)、長いミルクホース(図示せず)またはミルクライン(図示せず)に接続することができる。たとえば、流量センサ300は、流量センサ300に入ってくる流れが短いミルクホース(図示せず)から流れ込み、さらに、矢印301に沿って長いミルクホース(図示せず)内に流れ込むかまたはミルクライン(図示せず)から流れ出し、矢印303に沿って流量センサ300から流れ出て、短いミルクホース(図示せず)、長いミルクホース(図示せず)またはミルクライン(図示せず)に再び流入するように、短いミルクホース(図示せず)、長いミルクホース(図示せず)またはミルクライン(図示せず)に配置することができる。こうして、搾乳工程中にミルクが流量センサ300全体を通って流れる。
いくつかの例示的な実施形態に従うと、流量センサ300は、水平に配向された螺旋310(たとえばアルキメデス螺旋)の形状で設計されており、これにより、流量センサ300に供給されたミルク流が実質的に水平面の螺旋310を通って外部から内部にまで流れることとなる。これにより、螺旋310に沿ったミルク流の角速度が加速され、これにより、ミルク流が、測定区間312の軸Aに対して方位角加速度成分で螺旋310の下流を流れた後、測定区間312内に導かれることとなる。
例示的な実施形態においては、測定区間312は、1対のリング電極314を有し得る。1対のリング電極314は、上述の図1で説明されたリング電極14と同様に設計することができる。リング電極314は、リング電極314を通って流れるミルク流の伝導性を測定するように配置することができる。測定区間312の入力部における加速度の方位角成分により、結果として、測定区間312がミルク膜によって完全に方位角に覆われることとなり、これにより、ミルク流が通過するリング電極314の現在の電気抵抗を安定的かつ高感度に測定することが可能となる。
上述の図1における接続ライン22と同様に設計されている接続ライン(図示せず)を測定区間312上に設けることができる。この接続ラインには、図1のサンプリング装置100と同様のサンプリング装置(図3aおよび図3bには図示せず)が連結されている。いくつかの具体例に従うと、サンプリングは流量センサ300において直接行なうこともできる。
いくつかの例示的な実施形態においては、上述の図1に関連付けて記載された速度センサを形成するために、少なくとも1つの追加のリング電極(図示せず)が設けられてもよい。ここでは、図1に関連する相応する説明が引用される。
いくつかの代替的な実施形態においては、流量センサ300も光学センサとして設計することができる。図3cは光学式流量センサ300′を示す。光学式流量センサ300′は図3bにおけるリング電極314の代替例として設けられてもよく、これにより、光学式流量センサ300′は図3bおよび図3cの矢印303に対応するアルキメデス螺旋の下に位置していてもよい。導管312は、U字型であり得る光学測定区間312′を有していてもよい。この場合、測定区間312′の両側に、(たとえば、発光ダイオードまたはレーザダイオードなどの形状の)光源320と、光検出器330(たとえば、光電池、フォトレジスタなど)とが搭載されていてもよい。測定区間312′のうち光源320の側と光検出器330の側とに面するそれぞれの端部は、少なくとも光源(図示せず)が発する光の区域において、透過的な要素によって形成されてもよく、または、透過的な材料区域を有していてもよい。たとえば、窓区域(図示せず)は、測定区間312′の両側に形成することができる。
流量センサ300′の動作中、規定された長さの光線または代替的には光パルスが光源320によって連続的に生成され、図3cにおいて矢印によって概略的に示されるように、測定区間312′を通過して、測定区間312′の反対端から出て光検出器330に当たる。こうして、電流などの測定変量が光検出器330において検出される。このときミルクが測定中に測定区間312′を流れた場合、光が吸収されて、光検出器330によって検出される。たとえば、ミルクによって光が吸収されると、光検出器330を通って流れる電流が小さくなる。測定区間312′内の光吸収の程度は、導管312を通って流れるミルクの層厚に依存しているので、光吸収の程度を表す測定値を測定することにより、導管312を通るミルクの流れの定量的測度(たとえば、測定時間内に導管312を通って流れるミルクの量)を提供することができる。
代替的な実施形態においては、図3cにおける光学式流量センサ300′に相当する光学式流量センサをリング電極314加えて、またはリング電極314の代わりに、図3bにおける測定区間312上に配置することができる。たとえば、図3cにおける光源320に相当する光源(図3bには図示せず)は、測定区間312において導管の一方側に位置しており、図3cにおける光検出器330に相当する光検出器(図3bには図示せず)は、測定区間312において導管の他方側に位置しており、これにより、光源および光検出器が互いに反対側に位置しているとともに互いに面することとなる。測定区間312においては、導管は、光検出器によって検出することができるとともに光源によって発せられる放射に対して少なくとも部分的に光学的に透過的である。たとえば、光学軸が貫通する2つの光学的に透過的な区域が測定区間に形成されている。この光学軸は、光源から光検出器へと方向付けられており、この光学軸に沿って、光検出器は、光源が発した放射を検出することができる。光学軸は、測定区間312において導管の軸に対して交差するように配向されている。
図4を参照すると、サンプリング装置410を備えた搾乳装置400が概略的に示される。搾乳装置410はライン402、たとえば、短いミルクホース、長いミルクホース、ミルクラインまたは収集容器を含む。接続ライン412はライン402で分岐されており、サンプリング装置410をライン402と接続する。ポンプ414とサンプリング装置410との間のライン413の下方端部は少なくとも部分的にサンプル容器420に到達し得る。
例示的な実施形態においては、サンプリング装置410はポンプ414を含む。ポンプ414は、第1の運搬方向418に沿ってライン402からのサンプルサブセットを分離するとともに、分離された量のミルクを第2の運搬方向419に運搬するように適合されている。ポンプ414は、第1の動作モード、第2の動作モードおよび第3の動作のモードで、例示的な実施形態に従って動作させることができる。第1の動作モードでは、ポンプ414は、ライン402から代表ミルクサンプルを採取する。上述の動作の中断モードに従った第2の動作モードでは、サンプリング前に、第2の流れ方向419に沿ってサンプリング装置410に接続されたサンプル容器420から部分量が採取される。第3の動作のモードは、以下においてより詳細に記載されるとおりである。
いくつかの例示的な実施形態においては、サンプリング装置410の要素を表わし得るかまたはサンプリング装置410の外部に設計されているとともにサンプリング装置410に連結することができるコントローラ416が設けられ得る。コントローラ416は、さまざまな動作モードでポンプ414を動作させるように設計することができる。
第1の動作モードは、図1において上述したように実行することができ、これにより、サンプルサブセットが分離される。
第2の動作モードは、図1に関連付けて上述したように、上述の動作の中断モードに従って実行することができる。これにより、第1の動作モードが中断されて第2の動作モードが実行される。たとえば、それまでに運搬された実際量が予め定められた量範囲に近づいて、特に、最大でも予め定められた値だけ当該予め定められた量範囲から外れている場合、第1の動作モードが中断されて、第1の動作モードの中断中にポンプのさらに別の動作が第2の動作モードで行なわれる可能性がある。たとえば、予め定められた値は、予め定められた量範囲の約1%からその上限である約25%までの範囲内にあってもよく、または、一定数のサンプルサブセット(その各々がその時点での動作中にサンプルパルス間隔で運搬されている)だけ予め定められた量範囲の上限とは異なっていてもよい。一定数のサンプルサブセットは、たとえば、非限定的な数例を挙げると、1つのサンプルサブセット、2つのサンプルサブセット、3つのサンプルサブセットなどである。
第2の動作モードでは、ミルクは、ポンプでサンプル容器420から図1の廃物容器106に相当する廃物容器(図示せず)内に送り返すことができるか、またはポンプでライン402内に送り返すことができる。サンプル容器420に防腐剤がない場合、後者が行われる可能性がある。
第3の動作のモードでは、第1の動作モードが完了した後、接続ライン412がすすぎ洗いされる。第3の動作のモードはいわゆるキャリーオーバー問題を防止するために実行される。第3の動作のモードは、搾乳工程の終わりに、特に後続の搾乳工程の開始時に、行なわれる。これにより、前の搾乳工程において搾乳された雌牛からの残留ミルクがいずれも接続ライン412から除去されることを確実にするために、たとえば1秒〜10秒の期間(好ましくは1秒から7秒、より好ましくは約3秒〜約7秒、たとえば、約5秒)にわたるすすぎ洗い間隔にわたり、ポンプ414を、第2の流れ方向419に沿って後続の搾乳工程の開始時に動作させる。これにより、前の搾乳工程において搾乳されたミルクからの残留ミルクがいずれも、サンプリング装置410および接続ライン412から、さらには接続ライン412から除去される。後続の第1の動作モードでのポンプの動作により、後続の搾乳工程において搾乳された雌牛のミルクで接続ライン412およびサンプリング装置410が満たされ、これにより、キャリーオーバー問題が防止される。
本発明のいくつかの例示的な実施形態においては、ミルクメータまたは他のデータネットワークへの電子的接続とは無関係に動作させることのできるサンプリング装置が提供される。
本発明のいくつかの例示的な実施形態に従うと、搾乳時間が予め知られていないにもかかわらず、搾乳されたミルクを過度に失うことなく、実験室での分析に有用なサンプル容器の充填物がサンプル容器内で分離され得る搾乳工程中に、サンプリングが実行可能にされる。
以下においては、本発明に従った方法の例示的であるが非限定的な例が可動式のサンプリング装置に関連付けて明確に記載される。可動式のサンプリング装置は、たとえば、図1におけるサンプリング装置100の記載に従って設計することができるとともに、図2におけるサンプリング装置220a〜220fのうちの1つに相当する搾乳装置に配置することができる。以下に記載されるサンプリング装置は、図1〜図3に関連付けて上述した別個の流量センサからは独立して機能することができ、特に、ミルクメータ(図1および図2に図示せず)、または他のデータネットワーク(図1および図2に図示せず)への電子的接続からは独立して機能する。これは、サンプリング装置からの対応するデータが過去の搾乳動作の履歴中に作成されておらず、サンプリング装置に接続された外部または内部のメモリデバイス(図1および図2に図示せず)に格納されていた場合を除いては、以下に記載されるサンプリング装置が搾乳されるべき個々の動物についての経験値に必ずしも依存していないことを意味する。特に、ここに記載されるサンプリング装置の場合、動物に特有の経験的データを利用する代わりに、或る一群(または、場合によっては給餌群)において予想されるべきミルクの平均量の一般的な推定値だけしか提供することができない。
動物個々の予想される量を得ることができないという問題は、特に、たとえば中間格納部にミルクサンプルを途中で格納することのない可動式サンプリング装置を備えたモバイルデバイスで起こるものであるが、以下に記載されるように、本発明のいくつかの実施形態に従って防止することができる。
第1のステップにおいては、サンプリングが初期化される。次いで、分離されるべきミルクの割合が総ミルクの割合として推定される。ここで、たとえば、分離率を推定することができる。分離率は、サンプル容器の所望の充填量(たとえば30ml〜50ml)からの商と、予め定められた予想値とによって計算される。予め定められた予想値は、たとえば搾乳されるべき群または動物についての作業者の経験に基づいてこの作業者が入力することができるか、または、初期値としてサンプリング装置において固定することができる。一例においては、予め定められた予想値は6kg〜30kgの範囲であり得る。具体例においては、結果として、0.1%〜約0.9%または1000ppm〜9000ppmの間の分離率を得ることができる。
さらに別のステップにおいては、たとえば、30〜100のサンプルサブセット(そこから代表ミルクサンプルが構成されることとなっている)の範囲の所望数のサンプルサブセットを用いて部分量が判断される。これによれば、ミルク量が搾乳装置の運搬ライン(たとえば図1における運搬ライン10)で運搬された後、サンプルサブセットの分離が実行されるべきであることが分かる。具体例においては、部分量は、所望数のサンプルサブセットに対する予想値の商として決定することができる。具体例において、各サンプルサブセットごとに60g〜900gの量を得ることができる。
非常に高傾向に設定された均一な分離率でサンプル収集を開始することは有利である。これは、たとえば、第1のステップにおいて低すぎると予想される予想値または低く推定される予想値を特定することによって達成することができる。いくつかの具体例においては、或る群についての平均ミルク量の推定を行うことができ、これは、0と1との間の範囲(たとえば0.70)の重み付け係数で相殺することができる。ここに示される具体例においては、たとえば1回の搾乳ごとに15kgの予想値が推定されると、結果として、予想値が10.5kgと低く推定される可能性もある。この低く推定された予想値により、結果として、サンプル容器が、通常、搾乳の終了前に完全に満たされることが可能となる。これが起こると、どれだけ充填されたかを正確に認識しているポンプの制御によってサンプリング装置のポンプの動作が停止される。次いで、上述の中断モードでポンプを動作させる。これにより、たとえば、防腐剤と混じり合ったミルクがあふれ出て最終的に収集タンクに通じるミルクラインに到達するのを防止する。
たとえば、サンプル容器の早過ぎる充填が検出される場合、たとえば、サンプル容器が少なくとも40ml(たとえば、48ml)の充填レベルに達したかまたは当該充填レベルを上回った場合、依然としてポンプ内およびサンプル容器に通じる接続ライン内にあるいくつかのサンプルサブセットがサンプル容器にポンプで送り込まれて、ポンプが停止される。次いで、第2の動作モードまたは中断モードについて上述したとおり、混合工程が行なわれて、サンプル容器内のミルクに適用される。たとえば、内蔵された撹拌器で空気を強く吹き込むかまたは混合させることができるので、ミルクの表面よりも下にあるサンプル容器内に空気を投入することができる。
混合の後、ボトルに収集された均質なミルクのミルク含量は、そのポイントまでに動物から搾乳されたミルクを代表するものである。
次いで、混合されたミルクの一部(たとえば10ml〜30ml、好ましくは20ml+/―5ml)が、リバースギヤにおいて切換えられたポンプによって再びサンプル容器から汲み出され、側面の流路を介して廃物容器内に廃棄処分される。特に、ボトルに残る均質なミルクの代表性はポンプ汲出し工程によっては変化しない。
このステップの後、サンプリング装置は、ポンプまたは付加的なCPUを制御することによって、十分な充填レベルまたは削減前に到達した充填レベル(たとえば48ml)に対するサンプル容器内の残留量(たとえば、48mlマイナス20ml)の比率だけ減らされた新しい分離率を計算する。この新しい分離率は以下のことを意味する。すなわち、この新しく計算された分離率が搾乳の開始時から用いられていた場合、ポンプ汲出し後にサンプル容器内に残っているミルクの正確な量がこのときまでに集められていた可能性があり、たとえば、28mlが明確な数値に従ってボトルに充填されていた可能性がある。
この時、コントローラは、この再計算された分離率を用いて、動作の中断モードによって中断されたポンプ動作を動作モードで継続することができる。このとき、サンプル容器を動物のミルクの残留部分で搾乳の終了までに充填することができる。
サンプル量の削減はポンプの第2の動作モード時に実行されたが、この残りの充填量中のミルク含有量はまた、動物の搾乳量の残り部分を代表するものである。これにより、分析ボトル内の充填量全体が動物の搾乳量全体を代表するものであることが確実にされる。
サンプル容器が搾乳の終了前に再び一杯になれば、第2の動作モードを繰返すことができる。次に結果として得られる新しい分離率は、上述の削減係数を掛けた現在の分離率となるだろう。たとえば、最初の48mlの充填量から28mlにまで減らすことで、結果として、28/48の削減係数が得られるだろう。
この結果、このサンプリング装置で、分離率の再調整または最適化が実行されることとなる。
図1〜図4に関連付けて上述されたサンプリング装置の例示的な実施形態においては、さまざまな実施形態に関連付けて上述されたポンプは容積式ポンプであってもよい。これにより提供することができるポンプは、その流量がその吐出しヘッドにほんのわずかだけ依存している。さらに、このポンプの流量は、ストローク高さおよびストローク数によって非常に正確かつ再現性よく調整することができ、結果として、非常に正確かつ再現性良く調整された個別のサンプルサブセットが搬送されることとなる。特に、対応するポンプは、低い駆動速度にも適しており、このことは、たとえば、ミルクサンプル中の敏感な脂肪球を破損させるのを最小限にするようにミルクサンプルを運搬する際には有利になり得る。
本発明を搾乳工程に関係する特別な実施形態に関連付けて記載してきたが、これは本発明を限定するものではない。本発明は、食料が運搬ラインにおいて運搬間隔で運搬されるとともに、運搬ラインにおいて運搬される食料の代表サンプルが運搬間隔で分離されるべきである、如何なるシステムにも適用可能である。本発明は、運搬間隔がサンプリングの開始時に十分に認識されていなくても、代表サンプルを採取することができる有利なサンプリング装置を提供する。

Claims (19)

  1. ミルクが未知の長さの運搬間隔で運搬される運搬ライン(10)から予め定められた量範囲で代表ミルクサンプルを採取するためのサンプリング装置(100)であって、
    ポンプ(108)と、
    前記ポンプ(108)のコントローラ(109)と、
    前記ポンプ(108)に接続されたサンプル容器接続要素(112)とを含み、
    前記コントローラ(109)は、前記予め定められた量範囲と、前記運搬ライン(10)において運搬される前記ミルクの流量を示す測定量、および/または、前記運搬ライン(10)において運搬される前記ミルクの流量を示す測定変量、および/または、運搬間隔で前記運搬ライン(10)を通じて運搬されるべきミルクの総量を示す予め定められた変量と、に基づいて、運搬間隔で第1の動作モードで前記ポンプ(108)のパルス動作を制御するように構成されており、
    前記ポンプ(108)は、各サンプルパルス間隔で、パルス動作中に前記ポンプ(108)の第1の運搬方向(122)に沿って個別のサンプルサブセットを運搬し、
    前記予め定められた量範囲は、前記運搬間隔での個別のサンプルサブセットの総数に相当する総量以上であり、
    前記コントローラ(109)はさらに、前記運搬ライン(10)において運搬される前記ミルクの前記流量が低下するのに応じて、前記ポンプ(108)の送達速度を下げるように、かつサンプルパルス間隔の頻度を上げるように構成される、サンプリング装置(100)。
  2. 前記コントローラ(109)はさらに、運搬されるサンプルサブセットの実際数に相当する実際量と前記予め定められた量範囲との比較に基づいて前記ポンプ(108)の前記動作を制御するように構成される、請求項1に記載のサンプリング装置(100)。
  3. 前記コントローラ(109)は、前記第1の動作モードを中断するとともに、前記第1の運搬方向(122)とは逆に向けられた第2の運搬方向(124)に、第2の動作モードで、中断間隔で運搬されるサンプルサブセットの前記実際数の前記実際量のサブセットを運搬するように、前記ポンプ(108)の前記動作を制御するように構成される、請求項2に記載のサンプリング装置(100)。
  4. 前記コントローラ(109)はさらに、残りの実際量に基づいて、前記運搬間隔の残りの期間にわたるサンプルパルス間隔の数、および/または、前記中断間隔後の前記サンプルパルス間隔のサイズを、前記第1の動作モードで更新するように前記ポンプ(108)の前記パルス動作を制御するように構成される、請求項3に記載のサンプリング装置(100)。
  5. 前記中断間隔よりも前にサンプル容器に収集された前記実際量を混合するように適合された混合装置(116,118)をさらに含み、前記コントローラ(109)はさらに、前記中断間隔で前記ポンプ(108)の動作よりも前に前記第2の動作モードで前記混合装置(116,118)を起動するように構成される、請求項3または4に記載のサンプリング装置(100)。
  6. 前記コントローラ(109)は、少なくとも1つのサンプルパルス間隔後に、測定されたサイズに基づいてサンプルパルス間隔の数を更新するように構成される、請求項1から5のいずれか1項に記載のサンプリング装置(100)。
  7. 前記運搬ライン(10)において運搬されるミルクの伝導性を検出するように適合された1対のリング電極(14)をさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のサンプリング装置(100)。
  8. 沈殿チャンバと、1対の電極とをさらに含み、前記1対の電極は、前記沈殿チャンバにおけるミルクの伝導性を検出するために前記沈殿チャンバに配置されている、請求項7に記載のサンプリング装置(100)。
  9. 前記運搬ライン(10)において運搬されるミルクの伝導性を検出するように適合されたさらに別の1対のリング電極(14′)をさらに含み、前記コントローラ(109)は、前記1対のリング電極(14)および前記さらに別の1対のリング電極(14′)によって検出される伝導値に基づいて前記運搬ライン(10)において運搬されるミルクの前記流量に基づいて前記ポンプ(108)の動作を制御するように構成される、請求項7または8に記載のサンプリング装置(100)。
  10. 前記コントローラ(109)に接続された光源および光検出器を有する光学式フローセンサをさらに含み、前記コントローラ(109)はさらに、前記光学式フローセンサから出力されたデータに基づいて前記ポンプ(108)を制御するように構成される、請求項1から9のいずれか1項に記載のサンプリング装置。
  11. ミルクが未知の長さの運搬間隔で運搬される運搬ライン(10)から予め定められた量範囲で代表ミルクサンプルを採取するための方法であって、前記予め定められた量範囲は、前記運搬間隔における個別のサンプルサブセットの総数に相当する総量以上であり、
    前記方法は、第1の動作モードで、
    前記予め定められた量範囲および予め定められた値に基づいてポンプ(108)の稼働率を判断するステップを含み、前記予め定められた値は、運搬間隔の長さの推定および/または前記運搬間隔で前記運搬ライン(10)を通じて運搬される総量の推定および/または前記運搬間隔で前記運搬ライン(10)において運搬される流量もしくはその変化を示す量の推定を示すものであり、前記稼働率はサンプルパルス間隔の特定の数を規定しており、前記ポンプ(108)は、各サンプルパルス間隔で第1の運搬方向に沿って個別のサンプルサブセットを運搬し、前記方法はさらに、
    判断された前記稼働率に基づいて前記第1の運搬方向(122)に前記ポンプ(108)を動作させるステップを含み、前記運搬ライン(10)において運搬される前記ミルクの流量が低下するのに応じて、前記ポンプ(108)の運搬速度が下げられ、サンプルパルス間隔の頻度が上げられる、方法。
  12. 前記方法は、前記ポンプ(108)の動作中に、
    前記運搬ライン(10)における前記流量を示す実際値、および/または、前記運搬ライン(10)において運搬される前記ミルクの流速を示す実際値、を検出するステップと、
    検出された前記実際値に基づいて前記稼働率を更新するステップと、
    更新された前記稼働率に基づいて前記第1の運搬方向(122)に前記ポンプ(108)を動作させるステップとを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 運搬されるサンプルサブセットの実際数の実際量が予め定められた距離までの前記予め定められた量範囲に近づくと、前記第1の動作モードの前記ポンプ(108)の動作が中断され、検出された前記実際値に基づいて、現在の運搬間隔がまた終了していないと判断される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 運搬されたサンプルサブセットの前記実際数の前記実際量のサブセットを前記第1の運搬方向(122)とは反対の第2の運搬方向(124)に運搬するように、中断間隔中に前記第2の運搬方向(124)に第2の動作モードで前記ポンプ(108)を動作させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第2の動作モードはさらに、前記中断間隔で前記ポンプ(108)を動作させる前にサンプル容器に収集される前記実際量を混合するステップを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記中断間隔後に残りの実際量に基づいて前記ポンプ(108)の前記稼働率を更新するステップをさらに含む、請求項13から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記第1の動作モードで、少なくとも1つのサンプルパルス間隔後に、測定された量に基づいて、サンプルパルス間隔の数を更新するステップをさらに含む、請求項11から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記第1の動作モードでの判断された前記稼働率が、毎分3回運搬されるべきサンプルサブセットを規定する、請求項11から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記第1の動作モードが完了した後に第3の動作のモードで前記ポンプ(108)を動作させるステップをさらに含み、前記ポンプ(108)は、前記第2の運搬方向(124)に沿った送達のために洗浄間隔で前記第3の動作のモードで動作させられる、請求項11から18のいずれか1項に記載の方法。
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