以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図13により説明する。
<ラベル作成装置>
まず、本実施形態のラベル作成装置の機能的構成を図1により説明する。
図1において、ラベル作成装置1(印刷装置に相当)は、制御回路2と、ユーザ(操作者)が適宜の操作を行える操作部3と、所定の表示を行う表示部4と、各種情報を記憶するRAM5と、搬送ローラ6(搬送部に相当)と、印字ヘッド7(印字部に相当)と、カットレバー8と、カッタ9と、を有する。
ラベル作成装置1には、カートリッジホルダ12が設けられている。このカートリッジホルダ12には、筐体11内にテープロール10A(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)を収納したテープカートリッジ10が着脱可能である。テープロール10Aには、被印字テープTo(テープに相当)が巻回されている。このとき、このテープカートリッジ10は、被印字テープToのハーフカットによる切り込みHC(後述の図2参照)を備えた被印字テープToが上記テープロールAに巻回された、いわゆるダイカットラベルタイプと、上記切り込みHCのない被印字テープToが上記テープロールAに巻回された、いわゆる無定長タイプとが存在する。ラベル作成装置1では、どちらのタイプのテープカートリッジ10も使用可能である。なお、以下、特に断らない限り、上記ダイカットラベルタイプのテープカートリッジ10が使用される場合を例にとって説明する。
制御回路2は、図示しないCPU及びROMを備えている。制御回路2は、上記RAM5の一時記憶機能を利用しつつ、上記ROMに予め記憶された各種プログラムを実行するとともに、ラベル作成装置1全体の制御を行う。
搬送ローラ6は、印字ヘッド7に対向して設けられており、テープロール10Aから繰り出される被印字テープToを印字ヘッド7との間で挟持する。搬送ローラ6は、回転することによって被印字テープToをテープロール10Aから繰り出しながら搬送する。
印字ヘッド7は、搬送ローラ6によって搬送される被印字テープToの各ラベル部(詳細は後述)に対し、ユーザの意図する文字・図像等の所望の印字オブジェクト(後述の印字R参照)を印刷する。
カッタ9は、ユーザによるカットレバー8の操作によって作動し、搬送方向に沿って複数の印字ラベルLが形成された印字後の被印字テープT(詳細は後述)を切断する。なお、被印字テープTo,Tが各請求項記載の長尺媒体に相当している。
<被印字テープ>
上記被印字テープToの詳細構成を図2(a)〜(d)に示す。図2(a)は、図中上下方向を搬送方向(=テープ長さ方向。後述の第1方向にも相当)、図中左右方向をテープ幅方向(後述の第2方向にも相当)、図中紙面手前奥方向をテープ厚さ方向とした、未印刷状態の被印字テープToの平面図を示している。また、図2(b)は、上記印字Rを印刷した後の被印字テープTの平面図を示し、図2(c)は、印刷後の被印字テープTの側面図を示し、図2(d)は、印刷後の被印字テープTの背面図を示している。
これら図2(a)〜図2(d)に示すように、被印字テープToは、厚さ方向(図2(a)、図2(b)、図2(d)では図に向かって奥行き方向、図2(c)では図示左右方向。すなわち後述する各層が積層する方向)に沿って、図2(c)中の左側から右側(図2(a)及び図2(b)に向かって手前側から奥側)へ、透明な基材層21と、透明な粘着剤層22と、剥離材層24とがこの順序で積層されている。
このとき、基材層21の表側(図2(c)中の左側。以下適宜「厚さ方向一方側」という)の面には、適宜の非透明な色彩を備え、上記サーマルヘッド7により印字Rが形成される印字背景層25が部分的に設けられている。なお、上記粘着剤層22は、基材層21の裏側(図2(c)中の右側。以下適宜「厚さ方向他方側」という)すなわち剥離材層24との間に、全面的に設けられるのではなく、部分的に配置されていても良い。
上記の積層構造の被印字テープTo,Tにおいて、複数のラベル部分Lo(又はラベル部分Loに印字Rが形成された印字ラベルL)が、テープ幅方向の切り込みHCを介して、テープ長さ方向(図示上下方向に)連続的に配置されている。この結果、上記厚さ方向と直交する図示上下方向(後述する被着体302の周方向。以下適宜、「第1方向」という)上記第1方向に沿って、複数の切り込みHCのそれぞれに対応して(後述のスリットSにも対応して)基材層21が並んでいることとなる。言い換えれば、基材層21は、ハーフカット状の上記切り込みHCを介してラベル部LAと非ラベル部LBとに分けられるとともに、剥離材層24の上記厚さ方向一方側の面に粘着剤層22を介して貼られている。
上記積層構造の結果、各ラベル部分Loは、上記第1方向に沿って、図示上側(以下適宜、「第1方向他方側」という)の端部を構成する粘着領域D1(この実施形態における第1領域に相当)と、この粘着領域D1の図示下方(以下適宜、「第1方向一方側」という)に隣接して設けられた非粘着領域D2a(この実施形態における第2領域に相当)と、この非粘着領域D2aの図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2b(この実施形態における第2領域に相当)と、この非粘着領域D2bの図示下方に隣接して設けられた一部粘着領域D3(この実施形態における第3領域に相当)と、の4つの領域を有している。一部粘着領域D3は、非粘着領域D2bの図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D3a(この実施形態における第1部分領域に相当)と、この非粘着領域D3aの図示下方に隣接して設けられた、粘着領域D3b(この実施形態における第2部分領域に相当)と、を備えている。
このとき、上記第2方向における上記剥離材層24の長さWsは、左右方向(第2方向)における基材層21の長さWbよりも大きくなっている。また剥離材層24の厚さ方向寸法tsは、基材層21の厚さ方向寸法tb及び粘着剤層22の厚さ方向寸法tnよりも小さい。
そして、剥離材層24には、上記第2方向における長さが基材層21と略同じである、(ハーフカット状の)矩形状のスリットSが設けられている。このスリットSは、上記粘着領域D1及び粘着領域D3bが平面視で見てその外部のスリット外領域SOに位置し、上記非粘着領域D2a、非粘着領域D2b、非粘着領域D3aが平面視で見てその内部のスリット内領域SI(基材層21と同一幅寸法の矩形状の領域)に位置するように配置されている。この結果、被印字テープTo,Tにおいては、上下方向に沿って、複数の矩形状のスリットSが並び、上記スリットSに囲まれたスリット内領域SIに、上記印字背景層25が位置することとなる。各印字ラベルLの印字背景層25には、この例では、「A01」「A02」「A03」、・・・のテキストからなる印字オブジェクトすなわち上記印字Rが形成されている。
<各印字ラベルの引き剥がしによる分離>
上記のように、被印字テープTo,Tにおいては、予め剥離材層24の上記第2方向における長さWsを基材層21の長さWbよりも大きくしておき、その幅広の剥離材層24に、基材層21と同一の上記第2方向長さWbを備えた、矩形状のスリットSが設けられている。これにより、上記のようにして印字背景層25に印字Rが形成された被印字テープTに含まれる各印字ラベルLは、図3(a)〜図3(f)に示すように、剥離材層24のうち上記スリットSの内側に位置する矩形状の部分(上記スリット内領域SIに含まれる部分)を剥離材層24のそれ以外の位置から分離して粘着剤層22側に残しつつ(言い替えれば上記矩形状の部分により粘着剤層22を覆いつつ)、それぞれ引き剥がし可能となる。以下適宜、この引き剥がされた部分を単に「印字ラベルL」と称する。なお、印字ラベルLが引き剥がされた後には、図3(d)及び図3(f)に示すように、長尺状の上記剥離材層24において上記矩形状のスリットSの内側に空間(窓WD)が残された状態となる。
<印字ラベル>
次に、印字ラベルLの構造を図4(a)及び図4(b)により説明する。図4(a)には、上記のようにして分離された1つの印字ラベルLの平面図を示し、図4(b)は、図4(a)中IVB−IVB断面による横断面図を示している。
これら図4(a)及び図4(b)において、印字ラベルLは、先に説明した被印字テープTと同様、上記厚さ方向(図4(a)に向かって奥行き方向。図4(b)中の左右方向)に沿って、図4(b)中の左側から右側へ、透明な基材層21と、透明な粘着剤層22と、剥離材層24とがこの順序で積層され、基材層21の上記厚さ方向一方側の面に上記印字Rを備えた印字背景層25が部分的に設けられている。そして、印字ラベルLは、上記第1方向他方側(図示上側)から上記第1方向一方側(図示下側)に向かって、上記粘着領域D1、上記非粘着領域D2a、上記非粘着領域D2b、上記一部粘着領域D3(非粘着領域D3a及び粘着領域D3b)を備えている。
粘着領域D1では、上記厚さ方向一方側から他方側(図4(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている。この結果、粘着領域D1は、全体として、上記粘着剤層22による接着性を備えた領域となっている。なお、粘着領域D1は、上記第1方向における長さL1を備えている。
非粘着領域D2aでは、上記厚さ方向一方側から他方側(図4(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2aは、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記剥離材層24によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、非粘着領域D2aは、上記第1方向における長さL2を備えている。
非粘着領域D2bでは、上記厚さ方向一方側から他方側(図4(b)中左側から右側)へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2bは、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記剥離材層24によって阻止された、非接着性の領域となっている。このとき、上記印字Rを備えた印字背景層25は、非粘着領域D3aに隣接して非粘着領域D2bに設けられている。なお、この例では、上記印字背景層25は、例えば適宜の色のインクが予め基材層21上に塗布されることにより形成(インク塗布層)されており、既に述べたようにテキスト「A01」の印字Rが上記サーマルヘッド7により形成されている。なお、非粘着領域D2bは、上記第1方向における長さL3を備えている。
一部粘着領域D3の非粘着領域D3aでは、上記厚さ方向一方側から他方側(図4(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D3aは、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記剥離材層24によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、非粘着領域D3aは、上記第1方向における長さL4Aを備えている。
なお、上記非粘着領域D2a、非粘着領域D2b、非粘着領域D3aは、前述のスリット内領域SIに位置していた部分である(図4(a)及び図4(b)中の表記参照)。
一部粘着領域D3の粘着領域D3bでは、上記厚さ方向一方側から他方側(図4(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている(なお、スリットSの位置を調整することで一部粘着剤層24が含まれるようにしてもよい)。この結果、粘着領域D3bは、全体として、少なくとも一部が、上記粘着剤層22による接着性を備えた領域となっている。なお、粘着領域D3bは、上記第1方向における長さL4Bを備えている。この結果、上記一部粘着領域D3は、上記第1方向における長さL4(=L4A+L4B)を備え、少なくとも一部が接着性の領域となっている。
なお、基材層21は、(前述のハーフカットHCを除き)特にミシン目やスリットは設けられておらず、厚さ方向の横断面形状が上記第1方向に沿って連続した層となっている。
<印字ラベルの被着体への取り付け手順>
上記印字ラベルLの被着体への取り付け手順の例を図5に示す。図5において、この例では、直径2rの円柱状又はケーブル状の被着体302に印字ラベルLを巻き付けて取り付ける例を示している。
まず、図5(a)に示すように、図示のように粘着領域D1→非粘着領域D2a→非粘着領域D2b→一部粘着領域D3の順で連なる印字ラベルLのうち、粘着領域D1、非粘着領域D2a、非粘着領域D2bを、剥離材層24側(図5(a)中右側)が内側となるように凹状に曲げる(図示省略)。
そして、図5(b)に示すように、上記凹状の内側に被着体302を配置し、印字ラベルLを、被着体302の周りを取り囲む円筒体を形成するように一周させた後、先端側に位置する上記粘着領域D1の上記粘着剤層22(後述の合掌貼りにおける合掌部として機能する)と、上記一部粘着領域D3の上記非粘着領域D3aの上記剥離材層24(後述の合掌貼りにおける被合掌部として機能する)とを互いに貼り合わせる(いわゆる合掌貼り)。このとき、上記剥離材層24の第1方向における長さL2+L3+L4Aは、少なくとも被着体302の円周長2πr以上となっている。この結果、印字ラベルLは、前述した粘着剤層22,22どうしの接着によって自身の形状は固定されつつ、非粘着領域D2a及び非粘着領域D2bによって非粘着状態で被着体302の周りを一周することで、被着体302に対し回転可能に取り付けられる。
その後、上記被着体302周りの一周構造に使用されなかった一部粘着領域D3の残りの部分(この例では粘着領域D3b)を、図5(b)中の矢印Gで示すように、上記粘着領域D1及び非粘着領域D3aの貼り合わせ部分を内周側に巻き込む(例えば上記合掌部である粘着領域D1は矢印カのように折り返され部位キに当接する)ようにしつつ、上記円筒体を構成する非粘着領域D2a→非粘着領域D2bをこの順に覆いながら、それら領域D2a,D2bの外周部に巻き付ける(図5(c)参照)。そして、一部粘着領域D3の粘着領域D3bが、その粘着剤層22の接着性を利用して上記非粘着領域D2a及び非粘着領域D2bの外周部に接着されることで、被着体302への取り付けが完了する。
<印字ラベルの利用例>
上記印字ラベルLの利用例を図6に示す。この例では、上記被着体302として、例えば有線LANのネットワーク上で情報の中継を行うスイッチングハブに使用されるケーブル(以下適宜、単に「ケーブル302」という)が適用される場合を示している。図6において、上記スイッチングハブ300は、上段、下段の各列でそれぞれ8つのスロット301(合計16のスロット)を有している。図示する例では、上段の8つのスロット301それぞれに対応して、左から順に「A01」〜「A08」の識別名称を表すプレートPLが設けられている。また、下段の8つのスロット301それぞれに対応して、左から順に「A09」〜「A16」の識別名称を表すプレートPLが設けられている。
上記各スロット301には、それぞれ、適切に対応する上記ケーブル302を接続する必要がある。接続の便宜を図るために、各コネクタスロット301にそれぞれ挿入される各ケーブル302の端部に、それぞれの接続先となるスロット301の上記識別名称と同じ内容の印字Rを形成した、上記印字ラベルLが装着される。つまり、ケーブル302には、接続されるべきスロット301のプレートPLの識別名称と同一のテキストが印字された印字ラベルLが取り付けられる。これにより、接続するスロット301とケーブル302との対応関係が明確となり、誤配線を防ぐことができる。
図7に、ケーブル302に対する上記印字ラベルLの取り付け状態を模式的に示す。図中には、上記ケーブル302の軸心kを併せて示している。前述した構造により、印字ラベルLは、被着体としての上記ケーブル302に対し回転可能に取り付けられており、例えば図7(a)に示す状態では、「A01」の印字Rが備えられた上記非粘着領域D2bが図に向かって手前側となる姿勢で配置されている。なお、実際には図5(c)に示したように、非粘着領域D2bのさらに外周側を覆うように透明な粘着領域D3bが存在するが、煩雑化防止と説明の明確化のために図7(a)及び後述の図7(b)では図示を省略している。この図7(a)に示す状態から、例えば印字ラベルLを破線方向(すなわち周方向)に回転させることで、図7(b)に示すように、上記一部粘着領域D3が図に向かって手前側となる姿勢とすることができる。また、図7(b)の位置で印字ラベルLがケーブル302に固定されていると印字Rが見え難いが、印字ラベルLが回転可能になっていることにより、上記と反対方向に回転させて図7(a)の位置にすることにより、印字Rが見易くなる。
<第1実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、印字ラベルLは、被着体302の周りを取り囲む円筒体を形成するように一周した後、粘着領域D1が一部粘着領域D3(この例では非粘着領域D3a)に貼り合わされ(合掌貼り)、その後一部粘着領域D3が上記非粘着領域D2a、非粘着領域D2bを覆いながらそれらの外周部に接着されることで、非接着状態で被着体302に対して取り付けられる。
その際、本実施形態においては、上記非接着状態を実現するために、(前述のように非粘着部材を設ける代わりに)上記引き剥がしの際剥離材層24の一部を粘着剤層22側に残すことで、粘着剤が被着体302に接着するのを抑制する。この結果、前述のように被着体302の周りで円筒体を形成する際、粘着剤層22を覆った上記矩形状の剥離材層24を内側にしつつ被着体302の周りを取り囲むことで、上記円筒体の粘着剤層22の粘着剤が上記被着体302に接着しないようにすることができ、被着体302に対し印字ラベルLを回転可能に取り付けることができる。
したがって、第1実施形態の印字ラベルLにおいては、前述のように非粘着部材を設けずに済むので、厚さ方向寸法の増大を抑制しつつ、被着体302に対し回転可能に取り付けることができる。またこのとき、被着体302に巻き付けた後にミシン目で切り取る従来構造のように、被着体302をねじったり等の余計な力が加わることがない。
また、本実施形態では特に、スリットSに囲まれたスリット内領域SIに、印字背景層25が設けられている。これにより、上述のようにして被着体302に対し接着せず回転可能となる部分に対し、ユーザ所望の表記を行うことができる。
また、本実施形態では特に、剥離材層24の厚さtsが、基材層21の厚さtbよりも小さくなっている。これにより、例えば被印字テープTo,Tを径方向に複数層巻回してロール化した際、ロール中の各層で剥離材層24が基材層21よりも径方向内側に位置する場合(図1の構成とは逆の位置関係)に、内側の剥離材層24の強度を相対的な小さく外側の基材層21の強度を相対的に大きくすることで、(その逆に剥離材層24が基材層21よりも厚い場合に比べて)基材層21が剥離材層24から剥がれにくくすることができる。
<第1実施形態の変形例>
なお、上記第1実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。なお、以下の各変形例において、上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
(1−1)合掌態様が異なる場合
本変形例における印字ラベルLの平面図を、上記図4(a)に対応する図8(a)に示し、図8(a)中VIIIB−VIIIB断面による横断面図を、上記図4(b)に対応する図8(b)に示す。なお、この変形例においては、上記図2及び図3に示した被印字テープTo,Tにおいて、印字背景層25の位置が下記の印字ラベルLの構成に合わせて予めずらして設けられたものが使用される(図示省略)。
図8(a)及び図8(b)において、印字ラベルL(言い換えれば上記被印字テープTo,T)は、上記第1実施形態と同様、上記厚さ方向に沿って、図8(b)中の左側から右側へ、透明な基材層21と、透明な粘着剤層22と、剥離材層24とがこの順序で積層されている。上記第1実施形態と同様、基材層21の表側の面には上記印字背景層25が部分的に設けられている。
上記の積層構造の結果、印字ラベルLは、上記第1方向に沿って、粘着領域D1′(この例における第1領域に相当)と、この粘着領域D1′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2a′(この例における第2領域に相当)と、この非粘着領域D2a′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2b′(この例における第2領域に相当)と、この非粘着領域D2b′の図示下方に隣接して設けられた一部粘着領域D3′(この例における第3領域に相当)と、の4つの領域を有している。
粘着領域D1′では、上記第1実施形態の粘着領域D1と同様、図8(b)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、の順に積層され、全体として接着性を備えた領域となっている。なお、粘着領域D1′は、上記第1方向における長さL5を備えている。
非粘着領域D2a′では、上記第1実施形態の非粘着領域D3と同様、上記厚さ方向一方側から他方側(図8(b)中左側から右側)へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。すなわち、印字背景層25が、粘着領域D1に隣接して非粘着領域D2aに設けられている。この結果、非粘着領域D2b′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記剥離材層24によって阻止された、非接着性の領域となっている。上記印字背景層25は上記インク塗布層であり、テキスト「A01」の印字Rが上記サーマルヘッド7により形成されている。なお、非粘着領域D2a′は、上記第1方向における長さL6を備えている。
非粘着領域D2b′では、上記第1実施形態の粘着領域D2と同様、上記厚さ方向一方側から他方側(図8(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2a′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記剥離材層24によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、非粘着領域D2b′は、上記第1方向における長さL7を備えている。
一部粘着領域D3′は、非粘着領域D2b′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D3a′(この例における第1部分領域に相当)と、この非粘着領域D3a′の図示下方に隣接して設けられた、粘着領域D3b′(この例における第2部分領域に相当)と、を備えている。
非粘着領域D3a′では、上記第1実施形態の非粘着領域D3aと同様、上記厚さ方向一方側から他方側(図8(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層され、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記剥離材層24によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、非粘着領域D3a′は、上記第1方向における長さL8Aを備えている。
粘着領域D3b′では、上記第1実施形態の粘着領域D3bと同様、上記厚さ方向一方側から他方側(図8(b)中左側から右側)へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層され、全体として、上記粘着剤層22による接着性を備えた領域となっている。なお、粘着領域D3b′は、上記第1方向における長さL8Bを備えている。この結果、上記一部粘着領域D3′は、上記第1方向における長さL8(=L8A+L8B)を備え、少なくとも一部が接着性の領域となっている。
なお、上記第1実施形態と同様、基材層21は、(前述のハーフカットHCを除き)特にミシン目やスリットは設けられておらず、厚さ方向の横断面形状が上記第1方向に沿って連続した層となっている。また、上記非粘着領域D2a′、非粘着領域D2b′、非粘着領域D3a′は、第1実施形態の非粘着領域D2a、非粘着領域D2b、非粘着領域D3aと同様、前述のスリット内領域SIに位置していた部分となっている(図8(a)及び図8(b)中の表記参照)。
<印字ラベルの被着体への取り付け手順>
上記印字ラベルLの被着体への取り付け手順の例を図9及び図10に示す。図9は比較的大径の被着体302に取り付ける場合を示し、図10は比較的小径の被着体に取り付ける場合を示している。図9及び図10において、この例では、直径2r(又は2r′)の円柱状又はケーブル状の被着体302に印字ラベルLを巻き付けて取り付ける例を示している。
まず、図9(a)及び図10(a)に示すように、図示のように粘着領域D1′→非粘着領域D2a′→非粘着領域D2b′→一部粘着領域D3′の順で連なる印字ラベルLのうち、粘着領域D1′、非粘着領域D2a′、非粘着領域D2b′を、剥離材層24が接していた側(図9(a)、図10(a)中右側)が内側となるように凹状に曲げる(図示省略)。
そして、図9(b)及び図10(b)に示すように、上記凹状の内側に被着体302を配置し、印字ラベルLを、被着体302の周りを取り囲む円筒体を形成するように一周させた後、先端側に位置する上記粘着領域D1′の上記粘着剤層22(上記合掌部として機能する)を、上記図9(b)では一部粘着領域D3′の上記非粘着領域D3a′の上記被合掌部としての剥離材層24、上記図10(b)では上記非粘着領域D2b′及び非粘着領域D3a′の上記上記被合掌部としての剥離材層24に対して、貼り合わせる(いわゆる合掌貼り)。このとき、上記剥離材層24の第1方向における長さL6+L7+L8Aは、少なくとも被着体302の円周長2πr,2πr′以上となっている。この結果、印字ラベルLは、前述した貼り合わせによって自身の形状は固定されつつ非付着状態で被着体302の周りを一周することで、被着体302に対し回転可能に取り付けられる。
その後、上記被着体302周りの一周構造に使用されなかった一部粘着領域D3′の残りの部分(図9(b)の例では粘着領域D3b′、図10(b)の例では一部粘着領域D3′)を、上記貼り合わせ部分を内周側に巻き込むようにしつつ、上記円筒体を覆いながらその外周部に巻き付ける(図示省略)。そして、一部粘着領域D3′の粘着領域D3b′が、その粘着剤層22の接着性を利用して上記円筒体の外周部に接着されることで、被着体302への取り付けが完了する。
本変形例においても、上記第1実施形態と同様、上記合掌貼りの手法による貼り合わせによって被着体302の周りに円筒体を構成することで、被着体302に取り付けられる。したがって、被着体302に巻き付けた後にミシン目で切り取る前述の従来構造のように、被着体302をねじったりする等の余計な力が加わることがない。また、上記第1実施形態と同様、前述のように非粘着部材を設けずに済むので、印字ラベルLの厚さ方向寸法の増大を抑制することができる。
(1−2)マークを設ける場合
本変形例における印字ラベルLの平面図を、上記図4(a)等に対応する図11(a)に示し、図11(a)中XIB−XIB断面による横断面図を、上記図4(b)等に対応する図11(b)に示す。
これら図11(a)及び図11(b)において、本変形例においては、印字ラベルLの粘着領域D1に(言い替えれば平面視で見た上記スリット内領域SIの外の上記スリット外領域SOに)、この例では塗りつぶし矩形状の左右一対の第1マークM1(第1目印に相当)が備えられており、非粘着領域D3aに、同様の塗りつぶし矩形状の左右一対の第2マークM2(第2目印に相当)が備えられており、これら第1マークM1と第2マークM2とが、図示上下方向(上記第1方向)に並んでいる。
本変形例においては、印字ラベルLの取り付け時の上記貼り合わせの際、粘着領域D1の第1マークM1と非粘着領域D3aの第2マークM2とを重ね合わせるように上記貼り合わせを行うことで、貼り合わせる向きがずれたり斜行したりするのを抑制し、正しい姿勢で貼り合わせることができる。
(1−3)ラベルが横向きに配置される場合
本変形例において用いられる被印字テープTo,Tを図2(a)〜(d)に対応する、図12(a)〜(e)に示す。
これら図12(a)〜(e)において、本変形例においては、被印字テープTo,Tは、厚さ方向(図12(a)、図12(b)、図12(c)では図に向かって奥行き方向、図12(d)、図12(e)では図示上下方向。すなわち各層の積層する方向)に沿って、図2(d)中の上側から下側へ、前述と同様、透明な基材層21と、透明な粘着剤層22と、剥離材層24とがこの順序で積層されている。基材層21の厚さ方向一方側(この例では図12(d)及び図12(e)中上側)の面には上記印字Rが形成される印字背景層25が部分的に設けられている。
また、上記被印字テープTo,Tにおいて、上記図2、図3と同様、複数のラベル部分Lo(又はラベル部分Loに印字Rが形成された印字ラベルL)が、テープ幅方向の切り込みHCを介して、テープ長さ方向(図示上下方向に)連続的に配置されている。但しこの場合、図2、図3とは異なり、各ラベル部分To及び印字ラベルLは、その長手方向がテープ幅方向(図中左右方向)となるように配置されている。この結果、テープ幅方向に沿って、複数の切り込みHCのそれぞれに対応して(後述のスリットSにも対応して)基材層21が並んでいることとなる。言い換えれば、基材層21は、ハーフカット状の上記切り込みHCを介してラベル部LA(この例では上記ラベル部分Loと同一となる)と非ラベル部LBとに分けられるとともに、剥離材層24の上記厚さ方向一方側の面に粘着剤層22を介して貼られている。
上記積層構造の結果、各ラベル部分Loは、上記厚さ方向と直交する上記第1方向(図示左右方向)に沿って、前述と同様の粘着領域D1、非粘着領域D2a、非粘着領域D2b、一部粘着領域D3、の4つの領域を有し、一部粘着領域D3は、非粘着領域D3a及び粘着領域D3bを備えている。
このとき、テープ幅方向における上記剥離材層24の長さWs2は、テープ幅方向における基材層21の長さWb2よりも大きくなっている。また剥離材層24の厚さ方向寸法は、基材層21の厚さ方向寸法及び粘着剤層22の厚さ方向寸法よりも小さくなっている。
そして、前述と同様、剥離材層24には、上記第2方向(図12(a)〜(c)中の上下方向)における長さが基材層21と略同じWb1である矩形状のスリットSが設けられている。このスリットSは、前述と同様、上記粘着領域D1及び粘着領域D3bが平面視で見てスリット外領域SOに位置し、上記非粘着領域D2a、非粘着領域D2b、非粘着領域D3aが平面視で見てスリット内領域Sに位置するように配置されている。この結果、被印字テープTo,Tにおいては、上下方向に沿って、複数の矩形状のスリットSが並び、上記スリットSに囲まれたスリット内領域SIに、上記印字背景層25が位置することとなる。各印字ラベルLの印字背景層25には、この例では、「A01」「A02」「A03」、・・・のテキストからなる印字オブジェクトすなわち上記印字Rが形成されている。
本変形例においても、前述と同様、各印字ラベルLは、図13(a)〜図3(d)に示すように、剥離材層24のうち上記スリットSの内側に位置する矩形状の部分を剥離材層24のそれ以外の位置から分離して粘着剤層22側に残しつつ、それぞれ引き剥がされる。印字ラベルLが引き剥がされた後には、図3(d)及び図13(b)に示すように、図示上下方向に長尺状の上記剥離材層24において上記矩形状のスリットSの内側に空間(窓WD)が残された状態となる。引き剥がしにより生成される印字ラベルLは、図4(a)及び図4(b)に示したものと同一の構成となるため、説明を省略する。
本変形例においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について図14〜図18により説明する。上記第1実施形態及びその変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
<被印字テープ>
本実施形態における被印字テープの構成を図14(a)及び図14(b)に示す。図14(a)は、図中左右方向を搬送方向(=テープ長さ方向。本実施形態における後述の第1方向にも相当)、図中上下方向をテープ幅方向(本実施形態における後述の第2方向にも相当)、図中紙面手前奥方向をテープ厚さ方向とした、未印刷状態の被印字テープToの平面図を示している。また、図14(b)は、印字Rを印刷した後の被印字テープTの平面図を示している。
これら図14(a)及び図14(b)において、被印字テープTo,Tは、テープ長さ方向(図示左右方向に)に延びる長尺媒体であり、厚さ方向(図に向かって奥行き方向。すなわち後述する各層が積層する方向)に沿って、図に向かって手前側から奥側へ、透明な基材層21と、透明な粘着剤層22と、剥離材層24とがこの順序で積層されている(後述の図16参照)。なお、上記粘着剤層22は、基材層21の裏側(図14(a)、図14(b)中の奥側。以下適宜「厚さ方向他方側」という)すなわち剥離材層24との間に、全面的に設けられるのではなく、部分的に配置されていても良い。本実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、剥離材層24の厚さtsは、基材層21の厚さtbよりも小さくなっている(図16(a)参照)。
このとき、被印字テープTo,Tにおいては、複数のラベル部分Lo(又はラベル部分Loに印字Rが形成された印字ラベルL)が、テープ幅方向及びテープ長さ方向の(すなわち矩形状の)切り込みHCを介して、上記テープ長さ方向に連続的に配置されている。この結果、上記厚さ方向と直交する図示左右方向(後述する被着体302の軸方向。以下適宜、本実施形態において「第1方向」という)に沿って、複数の切り込みHCのそれぞれに対応して略長方形の基材層21が並んでいる。言い換えれば、基材層21は、ハーフカット状の上記切り込みHCを介してラベル部LA(この例では上記ラベル部Loに一致する)と非ラベル部LBとに分けられるとともに、剥離材層24の上記厚さ方向一方側の面に粘着剤層22を介して貼られている。なお、基材層21は、(上記ハーフカットHCを除き)特にミシン目やスリットは設けられておらず、厚さ方向の横断面形状が上記第1方向に沿って連続した層となっている。
そして、上記基材層21の表側(図14(a)、図14(b)中の手前側。以下適宜「厚さ方向一方側」という)の面には、上記サーマルヘッド7により印字Rが形成される、透明な印字背景層25が部分的に設けられている。被印字テープTにおける各印字ラベルLの印字背景層25には、この例では、「A01」「A02」「A03」、・・・のテキストからなる印字オブジェクトすなわち上記印字Rが形成されている(図14(b)参照)。
またこのとき、前述したように基材層21及び印字背景層25が透明である一方、上記剥離材層24は、上記粘着剤層23側の面、すなわち上記厚さ方向一方側の面(第1面に相当)が、適宜の色(例えば、黄色、緑色、白色)の着色面となっている。すなわち例えば、剥離材層24の上記一方側に印刷により上記着色が施されていてもよいし、剥離材層24として製紙段階での着色が施された着色紙(着色顔料が練り込まれた紙)を用いても良いし、剥離材層24として製膜段階での着色が施された着色剥離フィルム(着色顔料が練り込まれたフィルム)を用いても良い。この結果、図15(a)に網掛け状に強調して示すように、上記被印字テープT(被印字テープToも同様である)は、上記基材層21及び印字背景層25側から見て、当該基材層21及び印字背景層25越しに上記剥離材層24の色が透けて見える態様となっている。
<剥離材層のミシン目>
ここで、剥離材層24には、図15(a)中右端の抽出図に示すように、図示左右方向(上記第1方向)における長さが基材層21と同じである、当該第1方向に延びる切れ目としてのミシン目(この例では、ミシン目S1〜S5の5本。以下適宜、これらを区別しない場合又は総称する場合には単に「ミシン目S」という)が2本以上設けられている。なお、ミシン目に代えてスリットにしてもよい。また複数のミシン目のうち一部のみをスリットとしても良い。スリットを用いる場合、剥離材層24がミシン目Sにより予め完全に分断されていることから、ミシン目よりもユーザが容易に引き剥がすことができるという効果がある。逆にスリットでなくミシン目Sとする場合には、剥離材層24にスリットを形成しておく場合に比べ、形成時における基材層21側への影響を低減できるという効果がある。上記ミシン目S1〜S5は、上記厚さ方向及び上記第1方向と直交する図示上下方向(後述する被着体302の周方向。以下適宜、本実施形態において「第2方向」という)に並んでいる。なお、上記抽出図中における、ミシン目S1〜S5それぞれの両端は、図示上下方向に延びる2本のミシン目SL,SRにより接続されている。
そして、互いに隣接する2つのミシン目Sに挟まれた複数の(この例では4つの)領域には、各領域に応じて互いに内容の異なる情報が予め印刷されている。この例では、図15(a)の右端拡大図に示すように、ミシン目S1,S2の間の領域には数字「3.0」が表記され、ミシン目S2,S3の間の領域には数字「4.1」が表記され、ミシン目S3,S4の間の領域には数字「5.6」が表記され、ミシン目S4,S5の間の領域には数字「7.1」が表記されている。この表記には以下のような意味がある。
すなわち、本実施形態では、上記のようにして印字背景層25に印字Rが形成された被印字テープT中の各印字ラベルL(図14(b)及び図15(a)参照)は、図15(b)及び図16(a)〜(d)に示すように、上記5本のミシン目S1〜S5のうち所望の2つを選択してユーザの手操作により破断する(正確には上記ミシン目SL,SRのうちそれら選択された2つのミシン目S,S間に位置する部分も併せて破断する。以下、同様)ことにより、それら2つのミシン目S,S間の剥離材層24を、剥離材層24のそれ以外の位置から分離し上記粘着剤層22側に残すことで、当該被印字テープTから引き剥がされ、分離される。以下適宜、この引き剥がされ分離された部分を単に「印字ラベルL」と称する。なお、印字ラベルLが引き剥がされた後には、図15(b)及び図16(a)〜(d)の右端の図に示すように、長尺状の上記剥離材層24において上記印字ラベルLとともに引き剥がされた上記2つのミシン目Sの内側に空間(窓WD)が残された状態となる。
すなわち、図15(b)の下段及び図16(a)〜(e)に示すように、上記5本のミシン目Sのうち、ミシン目S1とミシン目S2とを破断した場合は、印字ラベルL1が生成され(図16(a)参照)、ミシン目S1とミシン目S3とを破断した場合は印字ラベルL2が生成され(図16(b)参照)、ミシン目S1とミシン目S4とを破断した場合は印字ラベルL3が生成され(図16(c)参照)、ミシン目S1とミシン目S4とを破断した場合は印字ラベルL4が生成される(図16(c)参照)。
このとき、印字ラベルL1は、付随する剥離材層24の第2方向長さが極小となっていることから、後述のように被着体302の外周に取り付けられるとき、外径が極小の被着体302向けとなる。この例では、外径が約3.0[mm]の被着体302に対応しており、このことを表すために、上記ミシン目S1,S2間の領域には上記「3.0」が表記されている。
同様に、印字ラベルL2は、付随する剥離材層24の第2方向長さが小さめとなっていることから、後述のように被着体302の外周に取り付けられるとき、外径が小さめの被着体302向けとなる。この例では、外径が約4.1[mm]の被着体302に対応しており、このことを表すために、上記ミシン目S2,S3間の領域には上記「4.1」が表記されている。
同様に、印字ラベルL3は、付随する剥離材層24の第2方向長さが大きめとなっていることから、後述のように被着体302の外周に取り付けられるとき、外径が大きめの被着体302向けとなる。この例では、外径が約5.6[mm]の被着体302に対応しており、このことを表すために、上記ミシン目S3,S4間の領域には上記「5.6」が表記されている。
同様に、印字ラベルL4は、付随する剥離材層24の第2方向長さが極大となっていることから、後述のように被着体302の外周に取り付けられるとき、外径が極大の被着体302向けとなる。この例では、外径が約7.1[mm]の被着体302に対応しており、このことを表すために、上記ミシン目S4,S5間の領域には上記「7.1」が表記されている。
なお、この例では、上記のように、上記第2方向一方側(図示下方側)のミシン目S,S間領域ほど数字が大きくなっている構成であることから、上記ミシン目S1,S2間の領域が各請求項記載の第1領域に相当する場合には、上記ミシン目S2,S3間の領域が各請求項記載の第2領域に相当する。上記ミシン目S2,S3間の領域が各請求項記載の第1領域に相当する場合には、上記ミシン目S3,S4間の領域が各請求項記載の第2領域に相当する。上記ミシン目S3,S4間の領域が各請求項記載の第1領域に相当する場合には、上記ミシン目S4,S5間の領域が各請求項記載の第2領域に相当する。
また、上記のように、被着体302の外径寸法の値そのものに対応した数字が表記されるのには限られず、例えば、呼び径や型番等、上記のような被着体302の外径との対応付けが可能な表記であればよい(必ずしも数字が含まれなくても良い)。
また、上記のような印字ラベルL1〜L4の生成手法であることから、剥離材層24の上記厚さ方向一方側の面が必ずしもすべて着色面である必要はなく、印字ラベルL1〜L4側へと切り取られる上記の各領域のみが着色面であれば足りる。逆に、少なくとも、当該印字ラベルL1〜L4側へと切り取られる各領域以外の領域(上記印字ラベルL1〜L4の分離時に長尺の剥離材層24側に残存する領域)には、上記厚さ方向他方側(粘着剤層22と反対側)の面に、公知の表面処理(例えばシリコーン処理や凹凸処理)がなされていることが好ましい。
<各印字ラベルL1〜L4の詳細構造>
次に、上記印字ラベルL1,L2,L3,L4の詳細構造を説明する。
<印字ラベルL1>
まず、印字ラベルL1は、上記の被印字テープTの積層構造、及び、前述した生成手法(ミシン目S1,S2を破断)に基づき、図16(a)に示すように、上記第2方向(図中上下方向)に沿って、粘着領域D1′と、この粘着領域D1′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2′と、この非粘着領域D2′の図示下方に隣接して設けられた粘着領域D3a′と、この粘着領域D3a′の図示下方に隣接して設けられた粘着領域D3b′と、の4つの領域を有している。
粘着領域D1′では、図16(a)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、の順に積層され、全体として接着性を備えた領域となっている。
非粘着領域D2′では、図16(a)中左側から右側へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記分離されてきた剥離材層24(詳細には上記ミシン目S1,S2間の領域)によって阻止された、非接着性の領域となっている。また粘着領域D3a′では、図16(a)中左側から右側へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている。この結果、粘着領域D3a′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性による、接着性の領域となっている。なお、上記印字背景層25は上記インク塗布層であり、テキスト「A01」の印字Rが上記サーマルヘッド7により形成されている。
粘着領域D3b′では、図16(a)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている。この結果、粘着領域D3b′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性による、接着性の領域となっている。
<印字ラベルL2>
次に、印字ラベルL2は、上記の被印字テープTの積層構造、及び、前述した生成手法(ミシン目S1,S3を破断)に基づき、図16(b)に示すように、上記第2方向(図中上下方向)に沿って、粘着領域D1′と、この粘着領域D1′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2′と、この非粘着領域D2′の図示下方に隣接して設けられた粘着領域D3′と、の3つの領域を有している。
粘着領域D1′では、図6(b)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、の順に積層され、全体として接着性を備えた領域となっている。
非粘着領域D2′では、図6(b)中左側から右側へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記分離されてきた剥離材層24(詳細には上記ミシン目S1,S3間の領域)によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、上記印字背景層25は上記インク塗布層であり、テキスト「A02」の印字Rが上記サーマルヘッド7により形成されている。
粘着領域D3′では、図6(b)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている。この結果、粘着領域D3′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性による、接着性の領域となっている。
<印字ラベルL3>
また、印字ラベルL3は、上記の被印字テープTの積層構造、及び、前述した生成手法(ミシン目S1,S4を破断)に基づき、図16(c)に示すように、上記第2方向(図中上下方向)に沿って、粘着領域D1′と、この粘着領域D1′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2a′と、この非粘着領域D2a′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2b′と、この非粘着領域D2b′の図示下方に隣接して設けられた粘着領域D3′と、の4つの領域を有している。
粘着領域D1′では、図16(c)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、の順に積層され、全体として接着性を備えた領域となっている。
非粘着領域D2a′では、図16(c)中左側から右側へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2a′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記分離されてきた剥離材層24(詳細には上記ミシン目S1,S3間の領域)によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、上記印字背景層25は上記インク塗布層であり、テキスト「A03」の印字Rが上記サーマルヘッド7により形成されている。
非粘着領域D2b′では、図16(c)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2b′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記分離されてきた剥離材層24(詳細には上記ミシン目S3,S4間の領域)によって阻止された、非接着性の領域となっている。
粘着領域D3′では、図16(c)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている。この結果、粘着領域D3′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性による、接着性の領域となっている。
<印字ラベルL4>
さらに、印字ラベルL4は、上記の被印字テープTの積層構造、及び、前述した生成手法(ミシン目S1,S5を破断)に基づき、図16(d)に示すように、上記第2方向(図中上下方向)に沿って、粘着領域D1′と、この粘着領域D1′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2a′と、この非粘着領域D2a′の図示下方に隣接して設けられた非粘着領域D2b′と、この非粘着領域D2b′の図示下方に隣接して設けられた粘着領域D3′と、の4つの領域を有している。
粘着領域D1′では、図16(d)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、の順に積層され、全体として接着性を備えた領域となっている。
非粘着領域D2a′では、図16(d)中左側から右側へ向かって、上記印字背景層25、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2a′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記分離されてきた剥離材層24(詳細には上記ミシン目S1,S3間の領域)によって阻止された、非接着性の領域となっている。なお、上記印字背景層25は上記インク塗布層であり、テキスト「A04」の印字Rが上記サーマルヘッド7により形成されている。
非粘着領域D2b′では、図16(d)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22、上記剥離材層24の順に積層されている。この結果、非粘着領域D2b′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性が上記分離されてきた剥離材層24(詳細には上記ミシン目S3,S5間の領域)によって阻止された、非接着性の領域となっている。
粘着領域D3′では、図16(d)中左側から右側へ向かって、上記基材層21、上記粘着剤層22の順に積層されている。この結果、粘着領域D3′は、全体として、上記粘着剤層22による接着性による、接着性の領域となっている。
<印字ラベルの被着体への取り付け手順>
次に、上記印字ラベルL1〜L4のうち印字ラベルL4を例にとって、その被着体302への取り付け手順を図17及び図18により説明する。図17は比較的大径の被着体302に取り付ける場合を示し、図18は比較的小径の被着体に取り付ける場合を示している。図17及び図18において、この例では、直径2r(又は2r′)の円柱状又はケーブル状の被着体302に印字ラベルL4を巻き付けて取り付ける例を示している。
まず、図17(a)及び図18(a)に示すように、図示のように粘着領域D1′→非粘着領域D2a′→粘着領域D2b′→粘着領域D3′の順で連なる印字ラベルL4のうち、粘着領域D1′、非粘着領域D2a′、粘着領域D2b′を、図17(a)、図18(a)中右側が内側となるように凹状に曲げる(図示省略)。
そして、図17(b)及び図18(b)に示すように、上記凹状の内側に被着体302を配置し、印字ラベルL4を、被着体302の周りを取り囲む円筒体を形成するように一周させた後、先端側に位置する上記粘着領域D1′の上記粘着剤層22(上記合掌部として機能する)を、上記図17(b)では上記非粘着領域D2b′の図示下端部における上記被合掌部としての剥離材層24、上記図18(b)では上記非粘着領域D2b′の図示上端部における上記被合掌部としての剥離材層24に対して、貼り合わせる(いわゆる合掌貼り)。なお、本実施形態の構成を上記図4及び図5に示した構成に適用しても良い(図示及び詳細な説明を省略)。このとき、印字ラベルL4に備えられた剥離材層24(上記ミシン目S1,S5間の領域)の上記第2方向(被着体302の周方向)における長さは、少なくとも被着体302の円周長2πr,2πr′以上となっている。この結果、印字ラベルL4は、前述した貼り合わせによって自身の形状は固定されつつ非接着状態で被着体302の周りを一周することで、被着体302に対し回転可能に取り付けられる。
その後、上記被着体302周りの一周構造に使用されなかった残りの部分(図17(b)の例では主として粘着領域D3′、図18(b)の例では非粘着領域D2b′と粘着領域D3′)を、上記貼り合わせ部分を内周側に巻き込むようにしつつ、上記円筒体を覆いながらその外周部に巻き付ける(図示省略)。そして、粘着領域D3′が、その粘着剤層22の接着性を利用して上記円筒体の外周部に接着されることで、被着体302への取り付けが完了する。
<第2実施形態の効果>
以上のように、第2実施形態においては、上記剥離材層24の引き剥がしの際その剥離材層24の一部を粘着剤層22側に残すことで、粘着剤が被着体302に接着するのを抑制する。すなわち、上記第1方向に延びる被印字テープTo,Tにおいて、剥離材層24に、上記第1方向に延びる複数のミシン目Sを設ける。これにより、上記剥離材層24の引き剥がしの際、上記ミシン目Sの内側に位置する矩形状の部位を、剥離材層24のそれ以外の部位から分離して粘着剤層22側に残す(つまり粘着剤層22を覆う)ことができる。この結果、前述のように被着体302の周りで円筒体を形成する際、粘着剤層を覆った上記矩形状の剥離材層24を内側にしつつ被着体302の周りを取り囲むことで、上記円筒体の粘着剤層22の粘着剤が上記被着体に接着しないようにすることができ、被着体302に対し媒体を回転可能に取り付けることができる。
また、上記第1方向に延びるミシン目Sを、上記第2方向に沿って数えて複数本設けることにより、互いに遠く離れた2本のミシン目S(上記の例ではミシン目S1,S4やミシン目S1,S5)を用いて比較的大きな上記矩形状の部位を粘着剤層22側に残すことで、比較的大径の被着体302の周りを非接着状態で取り囲むことができる(上記印字ラベルL3,L4)。逆に、例えば互いに近い2本のミシン目S(上記の例ではミシン目S1,S2やミシン目S1,S3)を用いて比較的小さな上記矩形状の部位を粘着剤層22側に残すことで、比較的小径の被着体302の周りを非接着状態で取り囲むことができる(上記印字ラベルL1,L2)。
以上のように、本実施形態においては、ミシン目Sを用いて残した上記矩形状の部位を用いて、被着体302に対し回転可能に印字ラベルLを取り付けることができる。このとき、被着体302に巻き付けた後にミシン目で切り取る従来構造と異なり、取り付け可能な被着体302の外径が限定されることなく、種々の外径の被着体302に幅広く対応することができる。また、被着体302をねじったり等の余計な力が加わることがない。
また、本実施形態では特に、図15(a)中の右端抽出図に示すようにミシン目S間の各領域に印刷による表記を行うことで、例えば上記複数のミシン目Sがそれぞれどの外形寸法の被着体302に対応しているか、等の情報を、対応する領域に事前に印刷しておき表記することができる。このとき特に、被着体302の外形寸法を表す数字や被着体302の型番等の情報を表記することで、対応する被着体302の種類を確実にユーザに報知することができる。
また、本実施形態では特に、図15(a)中の右端抽出図や図16(a)〜(d)の右端図に示すように、被着体302の外径寸法の増大に伴って、用いられるミシン目Sが順次図示下方へと移ることに対応し、当該図示下方に位置する領域ほど、各領域に表記される数字(上記増大する外径寸法に対応させることができる)が大きくなっている。これにより、被着体302の外形寸法に応じて使用すべきミシン目Sを明確にユーザに報知することができる。
また、本実施形態では特に、剥離材層24のうち、少なくとも印字ラベルL1〜L4へと切り出された各領域は、前述の着色面となっている。これにより、被着体302への取り付け後、剥離材層24に備えられた着色面の着色を、透明な基材層21越しにユーザが視認することができる。この結果、例えば印字ラベルLの上記円筒体となる部位にユーザが所望の内容を表記するとき、その背景色として活用することができる。
また、本実施形態では特に、剥離材層24のうち、少なくとも印字ラベルL1〜L4へと切り出されない各領域の粘着剤層22と反対側の面が、適宜の表面処理(シリコーン処理や凹凸処理等)がなされている。すなわち、上記円筒体の内側において被着体302に接する剥離材層24の部位にいわゆる離形処理等を施すことで、確実に被着体302に接着しないようにすることができ、円滑な回転性を確保できる。
<第2実施形態の変形例>
なお、上記第2実施形態は、上記の態様に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。なお、以下の各変形例において、上記第2実施形態や、上記第1実施形態及びその変形例と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
(2−1)センター合わせとする場合
上記第2実施形態では、前述したようにして、他の部位から分離して粘着剤層22側に残る剥離材層24の矩形状の部位の大きさを、被着体302の外径寸法の大小に合わせて変化させることができ、そのために、それぞれ上記第1方向に延びるミシン目Sを、上記第2方向に複数本配列した。その際、上記第2実施形態においては、図19(a)に示すように、剥離材層24の上記矩形状の部位のうち、被着体302の径方向一方側端部(図17及び図18中の上端部)に対応する、上記第1方向の軸線K1を基準として、被着体302の外径寸法の増大に伴って、上記第2方向の一方側(図示下方)にのみ、順次ミシン目Sを配列していく構成とした(いわゆる片側合わせの手法)。
これに対し、図19(b)に示すように、剥離材層24の上記矩形状の部位のうち、被着体302の径方向中心軸に対応する第1方向の軸線K2を基準として、被着体302の外径寸法の増大に伴って、上記第2方向一方側(図示下側)と上記第2方向他方側(図示上側)との両方に、順次ミシン目Sを配列していく構成としてもよい(いわゆるセンター合わせの手法)。
この場合、上記軸線K2に関し、各ミシン目Sが線対称に配置される。すなわち、この例では、軸線K2に近い順に、図示上側のミシン目S11と図示下側のミシン目S11′とが線対称に配置され、図示上側のミシン目S12と図示下側のミシン目S12′とが線対称に配置され、図示上側のミシン目S13と図示下側のミシン目S13′とが線対称に配置され、図示上側のミシン目S14と図示下側のミシン目S14′とが線対称に配置されている。
そして、上記実施形態と同様、互いに隣接する2つのミシン目Sに挟まれた複数の(この例では7つの)領域には、各領域に応じて互いに内容の異なる情報が予め印刷されている。この例では、ミシン目S11,S11′の間の領域には数字「3.0」が表記され、ミシン目S11,S12の間の領域及びミシン目S11′,S12′の間の領域には数字「4.1」が表記され、ミシン目S12,S13の間の領域及びミシン目S12′,S13′の間の領域には数字「5.6」が表記され、ミシン目S13,S14の間の領域及びミシン目S13′,S14′の間の領域には数字「7.1」が表記されている。
なお、ミシン目S11,S11′の間の領域が各請求項記載の第3領域に相当している。また、ミシン目S11,S12の間の領域及びミシン目S11′,S12′の間の領域は、上記第3領域に対応する第4領域の一例に相当している。また、ミシン目S12,S13の間の領域及びミシン目S12′,S13′の間の領域は、上記第3領域に対応する第4領域の別の例に相当している。ミシン目S13,S14の間の領域及びミシン目S13′,S14′の間の領域は、上記第3領域に対応する第4領域のさらに別の例に相当している。そして、各第4領域における数字は互いに同一であり、各第4領域における数字は、第3領域における数字よりも大きくなっている。
各数字は、上記実施形態と同様、対応する被着体302の外径寸法に対応しており、例えば上記8本のミシン目Sのうち、ミシン目S11とミシン目S11′とを破断した場合は上記印字ラベルL1が生成され、ミシン目S12とミシン目S12′とを破断した場合は上記印字ラベルL2が生成され、ミシン目S13とミシン目S13′とを破断した場合は印字ラベルL3が生成され、ミシン目S14とミシン目S14′とを破断した場合は印字ラベルL4が生成される。
すなわち、本変形例においては、被着体302の上記軸線K2に対応する上記ミシン目S11,S11′間の領域を基準としたとき、使用されるミシン目Sは、被着体302の外径寸法の増大に伴って上記領域から図示上方及び下方の両方へと移っていくことになる。これに対応して、上記領域から離れるほど記載の数字が大きくなり、かつそれら互いに線対称となる2つの上記第4領域どうしの数字が互いに同一となっている。これにより、当該センター合わせの構成において、被着体302の外形寸法に応じて使用すべきミシン目Sを明確にユーザに報知することができる。
(2−2)ラベル長手方向をテープ長さ方向に配置する場合
本変形例では、図15(a)及び図15(b)に対応する図20(a)及び図20(b)に示すように、上記被印字テープT(すなわち被印字テープToでも同様)において、前述と同様、複数のラベルL(すなわち前述のラベル部分Loも同様)が、矩形状の切り込みHCを介して、テープ長さ方向(図示上下方向に)連続的に配置されている。但しこの場合、図14とは異なり、各印字ラベルLは、その長手方向がテープ長さ方向(図中上下方向)となるように配置されている。言い換えれば、被印字テープTが、上記第2方向に延びる長尺媒体となっている。
印字Rが印刷された後の被印字テープTに含まれる各印字ラベルLには、前述と同様、剥離材層24に5本のミシン目S1〜S5が備えられており、ミシン目S1とミシン目S2とを破断した場合は、上記印字ラベルL1が生成され、ミシン目S1とミシン目S3とを破断した場合は上記印字ラベルL2が生成され、ミシン目S1とミシン目S4とを破断した場合は上記印字ラベルL3が生成され、ミシン目S1とミシン目S4とを破断した場合は上記印字ラベルL4が生成される。なお、図示を省略しているが、隣接する2つのミシン目S,S間の領域には、前述と同様の被着体302の外径に対応した数字が表記されている。
本変形例においても、上記第2実施形態と同様の効果を得る。
(2−3)全層にわたるミシン目も併せて設ける場合
本変形例では、図21(a)〜図21(d)に示すように、予め、図示上下方向(第2方向)に延びるミシン目FCが、上記基材層21、粘着剤層22、剥離材層24の全層に設けられる。その一方、図示右端が上記ミシン目FCにつながる図示左右方向(第1方向)の多数のミシン目HC(この例では11本のミシン目HC1〜HC11)が、剥離材層24のみにおいて図示上下方向に並んで設けられている(なお、ミシン目HC1〜H11を区別しない場合又は総称する場合は以下適宜、単に「ミシン目HC」という)。
印字ラベルLを生成するときには、上記11本のミシン目HC1〜HC12のうち所望の2つのミシン目HC,HCを選択してユーザの手操作により破断することにより、それら2つのミシン目HC,HC間の剥離材層24を、剥離材層24のそれ以外の位置から分離する。これとともに、上記それらミシン目HC,HC間に位置する上記ミシン目FCを破断することで、上記基材層21、粘着剤層22、剥離材層24の全層を分断する。
この例では、例えば、ミシン目HC2,HC3を破断し、それらの間のミシン目FCを破断した場合、図21(a)に示すように、裏面側(剥離材層24側)に、剥離材層24のうち当該ミシン目HC2,HC3間の略矩形の領域のみを備えた印字ラベルL1が生成される。これを裏返すことで、前述の「A01」の印字Rを備えた印字ラベルL1を得ることができる。
同様に、例えば、ミシン目HC2,HC4を破断し、それらの間のミシン目FCを破断した場合、図21(b)に示すように、裏面側(剥離材層24側)に、剥離材層24のうち当該ミシン目HC2,HC4間の略矩形の領域のみを備えた印字ラベルL2が生成される。これを裏返すことで、前述の「A02」の印字Rを備えた印字ラベルL2を得ることができる。
同様に、例えば、ミシン目HC2,HC5を破断し、それらの間のミシン目FCを破断した場合、図21(c)に示すように、裏面側(剥離材層24側)に、剥離材層24のうち当該ミシン目HC2,HC5間の略矩形の領域のみを備えた印字ラベルL3が生成される。これを裏返すことで、前述の「A03」の印字Rを備えた印字ラベルL3を得ることができる。
同様に、例えば、ミシン目HC2,HC6を破断し、それらの間のミシン目FCを破断した場合、図21(d)に示すように、裏面側(剥離材層24側)に、剥離材層24のうち当該ミシン目HC2,HC6間の略矩形の領域のみを備えた印字ラベルL4が生成される。これを裏返すことで、前述の「A04」の印字Rを備えた印字ラベルL4を得ることができる。
本変形例においても、前述と同様の効果を得ることができる。
(3)その他
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
なお、以上において、図1中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。