JP6969174B2 - 複合臭中のにおい成分の寄与度評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合臭に対するにおい成分の寄与度を評価する方法に関する。
近年、においに対する関心はますます高まっている。特に生活環境の快適性の追求から、生活臭などの室内空気への対策のニーズは非常に高く、脱臭・消臭剤や空気清浄機などの開発が盛んに行われている。生活環境には常ににおいが存在しており、ヒトがにおいとして感じる物質の数は40万種ともいわれている。中でも、不快と感じるにおい成分には、含硫黄化合物、含窒素化合物、アルデヒド類、ケトン類、エステル類、脂肪酸類、アルコール類、芳香族炭化水素類などが知られており、これらのにおい成分が複数種類混合した複合臭という状態で、特有のにおいが形成されている。
一方、メーカーにとって、製品等から発生するにおいは、ユーザーの購買意欲に大きく影響を与える可能性があることから、特に、製品等から不快なにおいが感じられる場合には、原因となるにおい成分を製品等から除去するために、前記におい成分を単離・特定する分析が行われている。
この臭気分析では、製品等から放出される揮発性の臭気物質をガスクロマトグラフ分析法(GC−MS)などの手法を用いて分析している(特許文献1〜5)。また、最近では、パネルがにおいを鼻で嗅ぎながら、におい成分の分析を行うことができるGC−MS分析装置も知られている(特許文献6、7)。
しかしながら、前記分析では、各におい成分の定量分析にとどまっており、各におい成分が混合して複合臭となった場合に、各におい成分がどの程度、目的の複合臭に貢献しているかは不明であった。
また、食品の分野では、食品本来の香りを消費者が楽しむ場合がある。例えば、コーヒーでは、香りを楽しむために、ブレンドするコーヒー豆を調整したり、焙煎の方法を変えたりしている。しかしながら、食品に由来する匂いの分析についても、上記の不快なにおいと同様に、各におい成分の定量分析にとどまっており、各におい成分が混合した複合臭となった場合に、各におい成分がどの程度、目的の複合臭に貢献しているかは不明であった。
また、(a)香気抽出物を分取ガスクロマトグラフに適用して分離し、画分を得る工程、(b)工程(a)で得られた画分から官能用評価サンプルを作製する工程、並びに(c)特定の揮発性成分の画分とそれ以外の揮発性成分の画分とを任意の割合で含有する官能用評価サンプルの香気と、それ以外の揮発性成分の画分の香気とを官能評価して比較することにより、該特定の揮発性成分の香気寄与度を評価する工程を含む揮発性成分の評価方法が知られている(特許文献8)。
この評価方法では、天然物または悪臭物質に溶媒抽出、蒸留またはその他の精製方法を適用し、製造された香気抽出物を用いて、この香気抽出物中の揮発性成分の香気寄与度を評価しているが、多数のにおい成分を含む複合臭そのものからの分析は行われていない。また、前記評価方法の(c)工程では、前記工程(b)で作製した官能用評価サンプルの香気と、残画分の香気とを官能評価して比較することにより、目的成分の香気寄与度を評価しているが、香気成分の溶媒抽出、濃縮工程が必要で操作が煩雑である。
特開2001−13119号公報 特開2003−315219号公報 特開平10−288573号公報 特開2004−205313号公報 特開2004−108967号公報 特開2009−257960号公報 特開2008−170333号公報 特開2017−040536号公報
本発明の目的は、上記のような多数のにおい成分を含む複合臭に対する各におい成分のにおいの寄与度を効率よく評価する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、分析目的の複合臭に特有のにおいの質を決定した後、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記複合臭に対して類似度の高い第1の模擬臭組成物を作製し、次いで、第1の模擬臭組成物を構成するにおい成分の少なくとも1つを除いた第2の模擬臭組成物を作製し、第1の模擬臭組成物のにおいの類似度と第2の模擬臭組成物のにおいの類似度とを比較することで、第2の模擬臭組成物に含まれていないにおい成分の複合臭に対する寄与度の評価をすることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)多数のにおい成分を含む複合臭に対するにおい成分の寄与度を評価する方法であって、
前記複合臭に特有のにおいの質を決定した後、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記複合臭に特有のにおいの質を有し、かつにおい強度が高いにおい成分を含むピークを1〜10種類選択する工程、
異なる極性の2つの分離用カラムを直列に接続しているにおい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記工程で選択したにおい成分を含むピークを更に分離し単一のにおい成分から成る画分を分取する工程、
前記工程で得られた各におい成分を混合する工程、
前記ガスクロマトグラフ分析法または前記二次元ガスクロマトグラフ分析法に供した複合臭のガス量に基づいて清浄無臭ガスにて希釈することで前記複合臭と比べたにおいの類似度が6以上である第1の模擬臭組成物を作製する工程、
前記第1の模擬臭組成物を構成する複数のにおい成分の少なくとも1つを除いた第2の模擬臭組成物を作製し、前記複合臭と比べたにおいの類似度を測定する工程、および
前記第1の模擬臭組成物のにおいの類似度と前記第2の模擬臭組成物のにおいの類似度とを比較して、前記第2の模擬臭組成物に含まれていないにおい成分の前記複合臭に対する寄与度を評価する工程
を有することを特徴とする方法。
(2)前記におい成分分取工程において、前記におい成分を同じ容器に分取する前記(1)に記載の方法。
(3)前記容器が、内部容積が変化可能な容器である前記(2)に記載の方法。
(4)前記複合臭が自動車内装用の部品又は製品に由来する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記複合臭が食品に由来する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
本発明の方法によれば、様々なにおいを有する複合臭において、各複合臭を構成するにおい成分のにおいに対する寄与度を評価することができる。
例えば、工業製品、食品など様々な環境で生じている、不快なにおい、良好なにおいなどの複合臭の主な要因となっているにおい成分を、複合臭から直接特定することが可能になる。
また、複数のにおい成分について、それぞれのにおいの寄与度を評価できるために、不快なにおい成分を除く処理を前記工業製品および食品に施すことで、処理後の工業製品および食品に対する使用者または消費者の印象をより好適なものとすることができる。
また、良好なにおいを有している飲食品の場合、本発明の方法により、前記の良好なにおいの主な要因となっているにおい成分を特定することで、類似の飲食品において前記におい成分を付与した場合に、付与後の飲食品に対する消費者の印象をより好適なものとすることができる。
実施例1で行った一次元ガスクロマトグラフ分析法の結果を示すクロマトグラムである。 実施例1で行った二次元ガスクロマトグラフ分析法の結果を示すクロマトグラムである。 実施例1で行った二次元ガスクロマトグラフ分析法の結果を示すクロマトグラムである。 実施例2で行った一次元ガスクロマトグラフ分析法の結果を示すクロマトグラムである。 実施例2で行った二次元ガスクロマトグラフ分析法の結果を示すクロマトグラムである。
以下に、本発明について説明する。
本発明は、多数のにおい成分を含む複合臭に対するにおい成分の寄与度を評価する方法であって、
前記複合臭に特有のにおいの質を決定した後、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記複合臭に特有のにおいの質を有し、かつにおい強度が高いにおい成分を含むピークを1〜10種類選択する工程、
におい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記工程で選択したにおい成分を含むピークを更に分離し単一のにおい成分から成る画分を分取する工程、
前記工程で得られた各におい成分を混合する工程、
前記ガスクロマトグラフ分析法または前記二次元ガスクロマトグラフ分析法に供した複合臭のガス量に基づいて清浄無臭ガスにて希釈することで前記複合臭と比べたにおいの類似度が6以上である第1の模擬臭組成物を作製する工程、
前記第1の模擬臭組成物を構成する複数のにおい成分の少なくとも1つを除いた第2の模擬臭組成物を作製し、前記複合臭と比べたにおいの類似度を測定する工程、および
前記第1の模擬臭組成物のにおいの類似度と前記第2の模擬臭組成物のにおいの類似度とを比較して、前記第2の模擬臭組成物に含まれていないにおい成分の前記複合臭に対する寄与度を評価する工程
を有する。
本発明において複合臭とは、製造品(工業製品、食品など)、建築物(工場、倉庫、農場、住宅、ビル、病院、学校、官公庁舎、ホテル、旅館、住居、公衆便所など)、自動車、衣類などから発生する不快臭、および動物性食品(肉類、魚介類、卵類、牛乳などの)、植物性食品(穀物、豆類、イモ類、野菜、山菜、海藻、種実類、果物類など)などの生鮮食品、天然の食材に加工を加えた加工食品、飲料または調理材料などの食品から発生するにおいを示し、具体的には、多数のにおい成分が混合したものをいう。
におい成分としては、揮発性の成分であればよく、特に限定はないが、例えば、日本において悪臭防止法で特定悪臭物質と指定されているものだけでなく、単独では不快でなくても、他のにおい成分と混合されると臭気となる成分、低い濃度では不快でなくても、高濃度になると不快に感じる成分なども含まれる。
例えば、自動車から発生する不快臭としては、自動車内を構成する内装用の部品および内装用の製品から発生する臭い、さらにこれらが複合された臭いが挙げられる。
自動車内装用の部品とは、インストルメントパネル、ピラートリム、コンソールボックス、ルーフトリム、リアトリム、ドアトリムなどの、内装を構成する部品が挙げられる。また、自動車内装用製品とは、天井表皮材、シート、フロアマット、トランクマットなどが挙げられる。
前記自動車内装用の部品又は製品に由来するにおい成分の代表例としては、ジシクロペンタジエン、アセトフェノン、ナフタレン、ヘキサナール、1−ヘプテン−3−オン、オクタナール、ノナナール、テトラメチルベンゼン、2−エチルヘキサノール、フェノール、ベンゾチアゾール、クレゾールなどが含まれる。自動車の車内では、前記のにおい成分が様々な濃度で混じることで、新車の臭いなどの自動車に特有の臭いを構成している。
また、前記におい成分には、食品に由来するにおい成分も含まれる。その代表例としては、アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、二硫化メチル、モノテルペン、セスキテルペンなどの不快臭に加え、メチルブタナール、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、トリメチルオキサゾールなどの食品本来のにおいも含まれる。
(におい成分選択工程)
本発明では、まず、前記複合臭に特有のにおいの質を決定した後、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記複合臭に特有のにおいの質を有し、かつにおい強度が高いにおい成分を含むピークを1〜10種類選択する。
前記複合臭に特有のにおいの質は、複合臭により特に限定はないが、薬品臭、シンナ−臭、腐敗臭、生ぐさ臭、草木臭、花・果実臭、焦げ臭、カラメル臭、ロースト臭、アーモンド臭、ココナッツ臭、発酵臭などが挙げられる。
また、前記複合臭を、前記製造品、建築物などから効率よく捕集するために、ダイナミックヘッドスペース法などを用いてもよい。
本工程において複合臭に特有のにおいの質の決定は、具体的には複数のパネルが複合臭のにおいを嗅ぎ、その特徴を最も表しているにおいを、前記のにおいの質の中から決定する。
前記パネルとしては、前記においの質を嗅ぎ分けることができる人で、5種基準臭を用いた嗅覚試験に合格した者であればよく、中でも、再現性のよい第1の模擬臭組成物を効率よく製造する観点から、臭気判定士、臭気測定業務、および調香業務に関わっている者などの臭気関連の業務を行っている者であることが好ましい。
本工程において前記パネルにより決定されるにおいの質は、作業の簡便性の観点から1種であることが好ましいが、2種以上であってもよい。
前記におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法とは、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析計を用いて行う分析をいう。
前記におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析計としては、試料を注入して気化するための試料注入・気化部、気化した試料を分離するためのカラム、前記カラムに分離用ガスを導入するためのキャリヤーガス導入部、前記カラムで分離されたピークのクロマトグラムを取得するための検出器、使用済みのガスを排出するためのガス排出部および各部を制御するためのコントロールユニットなどを備えている市販の分析計を用いればよく、特に限定はない。
また、前記におい嗅ぎポートは、パネルが臭いを嗅ぐための装置であり、前記ポートの形状、構成などについては特に限定はない。
前記カラムとしては、パックドカラムまたはキャピラリーカラムが挙げられるが、特に限定はない。
前記カラムの固定相としては、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、珪藻土、活性アルミナ、スクワラン、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン、ポリメチルシアノアルキルシロキサン、ポリエチレングリコールなどが用いられるが、これらに限定はない。
本工程では、例えば、前記におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析計のカラムに複合臭を常法に従って導入し、におい成分を分離した後に、分離したにおい成分をにおい嗅ぎポートと検出器とに分けて導入し、前記検出器でクロマトグラムを記録し、同時に分離されるピークに含まれる成分のにおいの質およびそのにおい強度をパネルが前記におい嗅ぎポートでにおいを感知して判別することで、分離されてくるにおい成分のにおいの質とそのにおい強度を確認する。
前記におい強度については、例えば、悪臭防止法に定める6段階臭気強度記載のように0(無臭)、1(やっと感知できるにおい)、2(何のにおいであるかわかるにおい)、3(楽に感知できるにおい)、4(強いにおい)、5(強烈なにおい)の6段階で評価することができるし、段階の数を変えて評価してもよい。
本工程では、前記クロマトグラムに記録されたピークのうち、予め決定しておいた前記複合臭に特有のにおいの質を有し、かつにおい強度が高いにおい成分を含むピークを1〜10種類選択する。
選択するピークの数は、1〜10種類であれば第1の模擬臭組成物作製作業の精度が確保できるが、ピークの数が10種類を超えると、第1の模擬臭組成物を作製する作業が煩雑になり、精度の確保もかえって難しくなるため好ましくない。
(におい成分分取工程)
次いで、におい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析法(2D分析法)に前記複合臭を供して、前記におい成分選択工程で選択したにおい成分を含むピークを更に分離し単一のにおい成分から成る画分を分取する。
前記二次元ガスクロマトグラフ分析法とは、異なる選択性を有する分離用カラムを直列に接続したガスクロマトグラフ分析法をいい、本工程では、におい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析計を用いて行う。
前記におい嗅ぎポート付二次元ガスクロマトグラフ分析計としては、におい嗅ぎポートを備え、かつ2つの分離用カラムを直列に接続している構成を有するガスクロマトグラフ分析装置であればよい。例えば、異なる極性の2つのカラムをスイッチングバルブ等を介して直列に接続し、1段目のカラムで試料に含まれる各成分の初期的な分離を行い、スイッチングバルブでハートカットして必要な成分のみを2段目のカラムに導入して、更に分離し、単一のにおい成分から成る画分を分離させる。これによって、各成分の時間間隔が充分に確保できるので、1段目のカラムで不分離であった微量のにおい成分を単一のにおい成分からなる画分に分離して、充分に正確な検出が可能となる。
1段目のカラムは、前記におい成分選択工程で使用したにおい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析計のカラムと同じ条件のものを使用することで、前記におい成分選択工程で選択したにおい成分を含むピークに相当する画分を分取することが可能となる。
2段目のカラムとしては、1段目と極性の異なるカラムであればよく、特に限定はない。また、カラムの種類、固定相などは、1段目のカラムに使用できるものであればよい。
また、1段目のカラムで1つのピークとして分離されたにおい成分が、2段目のカラムに導入すると2つ以上のピークに分離される場合、どのピークに目的のにおい成分が含まれているかを確認するために、前記二次元ガスクロマトグラフ分析計は、におい嗅ぎポートを備えていることが必要である。
本工程では、前記1段目のカラムで分離したピークに相当する画分を、さらに前記2段目のカラムに導入して分離した後、におい嗅ぎポートと検出器に分けて導入し、検出器でクロマトグラムを記録して、分離した単一のにおい成分から成るピークを確認しながら、パネルが前記におい嗅ぎポートで目的のにおいを感知したピークに相当する画分を分取装置により分取する。
本工程で分取した各におい成分は、前記二次元ガスクロマトグラフ分析計の分取ポートに回収用の容器を装着しておき、分取した各におい成分を前記容器に導入すればよい。
前記容器としては、におい成分を導入し易い観点から、内部容積が変化可能な容器であることが好ましい。また、前記容器の材質、形状、大きさなどについては、特に限定はないが、におい成分に臭いの影響を与えない観点から、無臭バッグが好ましい。
また、本工程では、前記のように分離したにおい成分について、常法を用いて定性分析してもよい。例えば、前記二次元ガスクロマトグラフ分析計において、選択されたにおい成分ピ−クのマススペクトルとマススペクトルライブラリとを比較することで、分離したにおい成分の定性を調べることができる。
(混合工程)
次いで、前記におい成分分取工程で得られた各におい成分を混合する。混合方法としては、例えば、前記回収用の容器中のにおい成分を吸引、押出などにより、混合用の容器に導入してもよいが、前記回収用の容器を1つ使用し、この容器に各におい成分を分取すれば、分取と混合とを同時に行うことができ好ましい。
(第1の模擬臭組成物作製工程)
次いで、前記ガスクロマトグラフ分析法または前記二次元ガスクロマトグラフ分析法に供した複合臭のガス量に基づいて清浄無臭ガスにて希釈することで第1の模擬臭組成物を作製する。
本工程では、前記混合工程で作製したにおい成分の混合物を、前記ガスクロマトグラフ分析法または前記二次元ガスクロマトグラフ分析法に供した複合臭のガス量を元に、複合臭の濃度と概略同じになるように、清浄無臭ガスで希釈することで、前記複合臭と類似の臭いを有する第1の模擬臭組成物を作製することができる。
前記清浄無臭ガスとは、におい成分を含有していない無臭ガスをいう。清浄無臭ガスとしては、純空気などが挙げられるが、特に限定はない。
本工程では、さらに前記複合臭と比べた前記第1の模擬臭組成物の臭いの類似度が6以上であることを確認することで、前記第1の模擬臭組成物が複合臭に類似した臭いを有することを確認することができる。
前記類似度については、前記非特許文献1に記載の公知の方法に基づいて評価することができる。具体的には、後述の実施例1に記載の方法に基づいて行えばよい。
例えば、前記類似度としては、0〜10までの11段階あるが、本発明においては、第1の模擬臭組成物が6以上の類似度を有する場合、複合臭に類似していると判断する。
以上のようにして得られる第1の模擬臭組成物を構成するにおい成分を調べることで、複合臭の構成を分析することができる。また、前記第1の模擬臭組成物は、第1の模擬臭以外のにおい成分は分別されているため、機器測定法、臭気官能試験法などを用いた分析に好適に使用でき、さらには、製品などの不快臭を除去する技術を開発するための複合臭の指標などとして好適に使用できる。中でも、本発明で得られる第1の模擬臭組成物は、従来分析が難しかった自動車の複合臭に対する類似度の評価が高く、分析にも適する自動車用の模擬臭組成物として好適に使用できる。また、本発明で得られる模擬臭組成物は、食品の複合臭に対する類似度の評価が高く、分析にも適する食品用の模擬臭組成物として好適に使用できる。
(第2の模擬臭組成物作製工程)
次いで、前記第1の模擬臭組成物を構成する複数のにおい成分の少なくとも1つを除いた第2の模擬臭組成物を作製し、前記複合臭と比べたにおいの類似度を測定する。
本工程において、前記第1の模擬臭組成物を構成するにおい成分の少なくとも1つを除く手法としては、除くにおい成分を分取しないようにする以外は、前記第1の模擬臭組成物を作製するのと同様にすればよい。
具体的には、におい嗅ぎポート付二次元ガスクロマトグラフ分析計において、前記複合臭を1段目のカラム、2段目のカラムに順番に導入してにおい成分を分離した後、検出器でクロマトグラムを記録して、分離した単一のにおい成分から成るピークを確認しながら、第1の模擬臭組成物を構成するにおい成分(ただし、除く目的のにおい成分以外のにおい成分)のピークに相当する画分を分取装置により分取する。その後、分取した各におい成分を、前記二次元ガスクロマトグラフ分析計の分取ポートに装着した回収用の容器に導入して混合し、清浄無臭ガスで希釈することで、第2の模擬臭組成物を作製することができる。
前記第1の模擬臭組成物から除く目的のにおい成分は、任意に選択すればよく、また、選択する数としては1つまたは2つ以上でもよい。
前記のように選択されたにおい成分は、後述の寄与度評価工程により、複合臭に対する寄与度が評価される。
本工程では、さらに前記複合臭と比べた前記第2の模擬臭組成物の臭いの類似度を確認する。前記類似度については、前記非特許文献1に記載の公知の方法に基づいて、0〜10までの11段階の類似度で評価する。
除く目的のにおい成分を1つ選択すると、後述の寄与度評価工程において、そのにおい成分の複合臭に対する寄与度を評価することができる。
また、除く目的のにおい成分を2つ以上選択すると、後述の寄与度評価工程において、選択した2つ以上のにおい成分の複合臭に対する寄与度を評価することができる。
(寄与度評価工程)
次いで、前記第1の模擬臭組成物のにおいの類似度と前記第2の模擬臭組成物のにおいの類似度とを比較して、においの類似度の違いに応じて前記第2の模擬臭組成物に含まれていないにおい成分の前記複合臭に対する寄与度を評価する。
前記類似度の違いが大きいほど、複合臭に対するにおいの寄与度は高いと評価することができる。
また、前記においの類似度の違いが「2以上」であれば、第1の模擬臭組成物から除いたにおい成分の複合臭に対するにおいの寄与度は「ある」または「有意にある」または「高い」と評価する。
一方、前記においの類似度の違いが「0〜1.5」であれば、第1の模擬臭組成物から除いたにおい成分の複合臭に対するにおいの寄与度は「ない」または「わずか」または「低い」と評価する。
例えば、前記第1の模擬臭組成物のにおいの類似度が6であり、前記におい成分Aを除いた第2の模擬臭組成物のにおいの類似度が3であると、においの類似度の違いが3であるため、におい成分Aの複合臭に対する寄与度は「ある」または「高い」と評価する。
一方、前記第1の模擬臭組成物のにおいの類似度が6であり、第1の模擬臭組成物からにおい成分Aを除いた前記第2の模擬臭組成物のにおいの寄与度が6である場合、においの類似度の違いが0であるため、におい成分Aの複合臭に対する寄与度は「ない」または「低い」と評価する。
また、前記寄与度評価工程では、におい強度も考慮することで、より正確な寄与度を評価することができる。
具体的には、類似度の違いが同じにおい成分が2つ以上ある場合、それぞれのにおい成分のにおい強度も評価して、におい強度の変化が大きい方が複合臭に対する寄与度が高いと判別することができる。
本発明の方法により、様々なにおいを有する複合臭において、複合臭を構成する各におい成分の複合臭に対する寄与度を評価することができる。
例えば、本発明の方法を用いて、目的の工業製品および食品において不快なにおいの主な要因となっているにおい成分を特定することで、このにおい成分を除く処理を前記工業製品および食品に施すことで、処理後の工業製品および食品に対する使用者または消費者の印象をより好適なものとすることができる。
また、良好なにおいを有している飲食品の場合、本発明の方法により、前記の良好なにおいの主な要因となっているにおい成分を特定することで、類似の飲食品において前記におい成分を付与した場合に、付与後の飲食品に対する消費者の印象をより好適なものとすることができる。
以下の実施例では、自動車内装材用の樹脂製のフロアマットおよびコーヒーの場合を例として説明するが、樹脂の種類に制限はなく、又、コーヒー以外の食品等、においの発生するものであれば同様に使用できる。
(実施例1)
<におい成分の選定>
自動車内装部材用フロアマット(株式会社ボンフォーム マーマット ストレートロールタイプ品番6369-04)1cm2を20mLガラス製バイアル瓶に入れ60℃で30分間加熱を行い、ダイナミックヘッドスペース法を用いて、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法(GC/MS分析法)に導入した。具体的にはにおい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析計の一次元カラムとしては極性カラムを用い、におい嗅ぎポートでパネルがにおいを確認し、試料から発生する特異臭と同等のにおいを持つ5ピークを選定した。図1に、一次元ガスクロマトグラフ法のトータルイオンカレントクロマトグラム(TIC)(上図)及びにおいシグナル(下図)を示す。
なお、一次元カラムとしては、J&W製、DB−WAX(30m×0.25mm、膜厚:0.25μm)を用いた。
また、パネルは嗅覚試験用の5基準臭のパネル選定試験に合格した者とし、2人以上で分析を行った。
<におい成分の定性>
選定されたにおいピークには複数のピークが含まれている可能性が考えられるので、最初に用いた一次元カラムとは極性の異なる二次元カラムを用い、におい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析法(2D分析法)により選定されたにおいピークの分離を行なった。
前記試料を2D分析法に供して、一次元カラムから分離された前記5ピークを、二次元カラムに供して、単一のにおい成分から成るピークに更に分離し、これらのピークのにおいを再度パネルがにおい嗅ぎポートで確認し、試料から発生する特異臭と同等のにおいをもつピークを選定した。この選定の結果、2種のジシクロペンタジエン(Dicyclopentadiene)、アセトフェノン (Acetophenone)、ナフタレン (Naphthalene)と推定された。1種のにおい成分は不明であった。図2にpeak1,2,3の2D分析法のTIC(上図)及びにおいシグナル(下図)、図3にpeak4,5の2D分析法のTIC(上図)及びにおいシグナル(下図)を示す。
なお、peak1は不明成分、peak2、3はジシクロペンタジエン、peak4はアセトフェノン、peak5はナフタレンをそれぞれ示すピークであった。
なお、二次元カラムとしては、J&W製、DB−5(30m×0.25mm、膜厚:0.25μm)を用いた。
<第1の模擬臭組成物の作製>
推定したにおい成分の妥当性を検証するため、第1の模擬臭組成物を作製した。第1の模擬臭組成物の作製は、次の手順により行なった。
まず、におい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析計の分取ポートにポリエチレンテレフタレート製無臭バッグを装着した。次に、このにおい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析計を使用する2D分析法に前記試料を供することにより分離した前記5種のにおい成分ピークを、分取装置を用いて分取して、これらのにおい成分を分取ポートに装着した無臭バッグへ捕集して混合した。次いで、GC/MSに導入した試料ガス量を元に、複合臭の濃度と同等となるように無臭清浄ガス(純空気等)を用いて希釈して、第1の模擬臭組成物を作製した。
<原臭の作製>
自動車内装部材用フロアマット3cmと無臭空気1Lをポリエチレンテレフタレート製無臭バックに入れ原臭とした。
<妥当性の確認>
複数のパネルで、前記第1の模擬臭組成物を、前記試料から発生する特異臭である複合臭と比較して、前記第1の模擬臭組成物の類似度評価を行なった。前記評価方法は、前記複合臭に対する模擬臭組成物のにおいの類似度を、11段階類似度尺度を用いて行った。表1に類似度評価尺度を示す。
その結果、第1の模擬臭組成物の類似度の評価が「8.5」(非常に類似している)となり、高い類似度評価が得られた。
上記のように得られた第1の模擬臭組成物は、複合臭を再現できたことから、試料から発生する臭気の主成分となるにおい成分は2種のジシクロペンタジエン、アセトフェノン、ナフタレン及び1種の不明におい成分であることを確認した。
また、においの強度についても、複数のパネルで、表2に示すにおい強度尺度に用いて評価したところ、「3.5」(楽に感知できるにおい〜強いにおい)となった。
Figure 0006969174
Figure 0006969174
<第2の模擬臭組成物の作製>
妥当性が確認された第1の模擬臭組成物を構成する5種のにおい成分から、peak3のジシクロペンタジエンを除いた、peak1、2、4および5からなる第2の模擬臭組成物を作製した。具体的には、peak3の部分を分取しない以外は、第1の模擬臭組成物と同様にして、第2の模擬臭組成物の作製を行った。
次いで、第2の模擬臭組成物の原臭に対する類似度の評価をおこなったところ、第2の模擬臭組成物の類似度は5.0(やや類似している〜結構類似している)となった。また、第2の模擬臭組成物のにおいの強度を評価したところ、3.0(楽に感知できるにおい)となった。
<寄与度の評価>
第1の模擬臭組成物および第2の模擬臭組成物の類似度を評価したところ、類似度の違いは「3.5」であり、両者でにおいの質が大きく異なっていたことから、peak3のジシクロペンタジエンの原臭に対する寄与度は高いことがわかる。
また、におい強度については、第1の模擬臭組成物が3.5、第2の模擬臭組成物が3.0であった。
以上の結果から、第2の模擬臭組成物に含まれなかったpeak3のジシクロペンタジエンは、原臭である複合臭に対してにおいの質およびにおい強度に対する影響が大きいことから、寄与度が大きなにおい成分であることが確認された。
また、第1の模擬臭組成物を構成する各におい成分について、においの質およびにおい強度を表3にまとめた。
Figure 0006969174
peak3のジシクロペンタジエン単独のにおいの質は樟脳臭であり、自動車用フロアマット由来の複合臭との関係がわかりにくいにおいであった。これに対して、本発明の方法を用いることで、上記の結果のとおり、peak3のジシクロペンタジエンは複合臭に対する寄与度が大きく、自動車用フロアマットに対してpeak3のジシクロペンタジエンを除く処理を施すことで、前記フロアマットから生じる複合臭が大きく改善できることがわかる。
(実施例2)
<におい成分の選定>
市販コーヒー飲料(サントリー「BOSS BLACK 無糖」)10mLと塩化ナトリウム3gを20mLガラス製バイアル瓶に入れ80℃で30分間撹拌しながら加熱を行い、ダイナミックヘッドスペース法を用いて、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法(GC/MS分析法)に導入した。ピーク選定の手法は実施例1と同じであり、市販コーヒー飲料からは5ピークを選定した。図4に、一次元ガスクロマトグラフ法のトータルイオンカレントクロマトグラム(TIC)(上図)及びにおいシグナル(下図)を示す。
<におい成分の定性>
実施例1と同様の手順で、前記5ピークを二次元カラムに供した結果、2種のメチルブタナール(Methyl butanal)、2,3−ブタンジオン(2,3-Butanedione)、2,3−ペンタンジオン(2,3-Pentanedione)、トリメチルオキサゾール(Trimethyl oxazole)、不明成分と推定された。図5に2D分析法のTIC(上図)及びにおいシグナル(下図)を示す。
なお、図中、Peak1は2種のメチルブタナール、Peak2は2,3−ブタンジオン(2,3-Butanedione)、Peak3は2,3−ペンタンジオン(2,3-Pentanedione)、Peak4はトリメチルオキサゾール(Trimethyl oxazole)、Peak5は不明成分をそれぞれ示すピークであった。
<第1の模擬臭組成物の作製>
実施例1と同様の手順で、第1の模擬臭組成物を作製した。第1の模擬臭組成物の作製は、前記6種のにおい成分ピークを分取して、これらのにおい成分を分取ポートに装着した無臭バックへ捕集して混合した以外は、実施例1と同じ手順で行った。
<原臭の作製>
原料となった市販コーヒー飲料10mLをガラス製20mLバイアルに入れ原臭とした。
<妥当性の確認>
実施例1と同様の手順で、第1の模擬臭組成物と市販コーヒー飲料原臭との類似度評価を行なった。その結果、第1の模擬臭組成物の類似度の評価が「7.5」(非常に類似している)となり、高い類似度評価が得られた。
上記のように得られた第1の模擬臭組成物は、複合臭を再現できたことから、市販コーヒー飲料から発生する臭気の主成分となるにおい成分は2種のメチルブタナール、2,3−ブタンジオン、2,3−ペンタンジオン、トリメチルオキサゾール、不明成分であることを確認した。
<第2の模擬臭組成物の作製>
妥当性が確認された第1の模擬臭組成物を構成する6のにおい成分から、peak3の2,3−ペンタンジオンを除いた、peak1、2、4および5からなる第2の模擬臭組成物を作製した。具体的には、peak3の部分を分取しない以外は、第1の模擬臭組成物と同様にして、第2の模擬臭組成物の作製を行った。
次いで、第2の模擬臭組成物の原臭に対する類似度の評価をおこなったところ、第2の模擬臭組成物の類似度は5.5(結構類似している)となった。
<寄与度の評価>
第1の模擬臭組成物および第2の模擬臭組成物の類似度を評価したところ、類似度の違いは「2.0」であり、両者でにおいの質が大きく異なっていたことから、peak3の2,3−ペンタンジオンの原臭に対する寄与度は高いことがわかる。
また、第2の模擬臭組成物は、甘みの抜けたにおいの質となったことから、2,3−ペンタンジオンをコーヒーに添加することで、コーヒーの甘い香りを強化できることが確認された。
実施例1および2の結果より、本発明の方法によれば、様々なにおいを有する複合臭において、各複合臭を構成するにおい成分のにおいに対する寄与度を評価することができることがわかる。
また、実施例1の結果より、本発明の方法によれば、複数のにおい成分について、それぞれのにおいの寄与度を評価できるために、不快なにおい成分を除く処理を前記工業製品および食品に施すことで、処理後の工業製品および食品に対する使用者または消費者の印象をより好適なものとすることができることがわかる。
また、実施例2の結果より、良好なにおいを有している飲食品の場合、本発明の方法により、前記の良好なにおいの主な要因となっているにおい成分を特定することで、類似の飲食品において前記におい成分を付与した場合に、付与後の飲食品に対する消費者の印象をより好適なものとすることができることがわかる。

Claims (5)

  1. 多数のにおい成分を含む複合臭に対するにおい成分の寄与度を評価する方法であって、
    前記複合臭に特有のにおいの質を決定した後、におい嗅ぎポート付きガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記複合臭に特有のにおいの質を有し、かつにおい強度が高いにおい成分を含むピークを1〜10種類選択する工程、
    異なる極性の2つの分離用カラムを直列に接続しているにおい嗅ぎポート付き二次元ガスクロマトグラフ分析法に前記複合臭を供して、前記工程で選択したにおい成分を含むピークを更に分離し単一のにおい成分から成る画分を分取する工程、
    前記工程で得られた各におい成分を混合する工程、
    前記ガスクロマトグラフ分析法または前記二次元ガスクロマトグラフ分析法に供した複合臭のガス量に基づいて清浄無臭ガスにて希釈することで前記複合臭と比べたにおいの類似度が6以上である第1の模擬臭組成物を作製する工程、
    前記第1の模擬臭組成物を構成する複数のにおい成分の少なくとも1つを除いた第2の模擬臭組成物を作製し、前記複合臭と比べたにおいの類似度を測定する工程、および
    前記第1の模擬臭組成物のにおいの類似度と前記第2の模擬臭組成物のにおいの類似度とを比較して、前記第2の模擬臭組成物に含まれていないにおい成分の前記複合臭に対する寄与度を評価する工程
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記におい成分分取工程において、前記におい成分を同じ容器に分取する請求項1に記載の方法。
  3. 前記容器が、内部容積が変化可能な容器である請求項2に記載の方法。
  4. 前記複合臭が自動車内装用の部品又は製品に由来する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記複合臭が食品に由来する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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