JP6969100B2 - 残留応力付与方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コイルばねに残留応力を付与する装置および方法に関する。
コイルばねは、らせん構造の内側部分から疲労破壊が生じることが知られている。従来、コイルばねの疲労破壊を防ぐため、ショットピーニング等による鋼線表面への残留応力の付与、または窒化処理等を用いた鋼線の表面硬化によるコイルばねの強化が行われてきた。
しかし、コイルばねを構成する鋼線の表面ではなく、表面より少し鋼線の中心に近い内部から疲労破壊が生じる事例が報告されている。すなわち、コイルばねの疲労破壊を防止するためには、コイルばねの表面だけではなく、表面より0.1〜0.5mm程度の内部の領域に圧縮残留応力を付与する必要がある。
しかしながら、ショットピーニングでは、表面には高い圧縮残留応力を付与することが可能であるものの、表面より0.1〜0.5mm程度の内部の領域には、疲労強度を低下させる引張残留応力を発生させることが多い。
例えば、特許文献1には、金属材料に外力を加えてその表面に引張応力を付与した状態でこの表面を粒子打撃し、その後前記外力を除去することにより、この表面に高い圧縮残留応力層を得る高圧縮残留応力層付与方法が開示されている。
また、特許文献2には、コイルばねの内周面に圧縮残留応力を均一に付与するとともに処理時間を短縮して、コイルばねの疲労特性を向上することが可能なコイルばねの超音波打撃処理装置及びコイルばねの超音波打撃処理方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、複雑な形状の金属製被加工部材であってもその表面に対して均質に表面強化処理を行うことができる金属表面強化処理方法が開示されている。
特開昭59−30670号公報 特開2012−117119号公報 特開平5−148536号公報
特許文献1に記載の技術によれば、張力付加状態で粒子打撃することで表面圧縮残留応力値および疲労寿命が大幅に向上するとされている。しかしながら、張力を付加した状態であっても、ショットピーニング等の粒子打撃では、十分な深さまで圧縮残留応力を付与することはできない。
特許文献2に記載の技術によれば、コイルばねのコイル内側に挿入された棒状の打撃治具に超音波振動を付与することによって、コイル内周面が繰り返し打撃され、コイル内周面に圧縮残留応力が付与される。しかしながら、この方法では設備コストがかかるという問題があり、改善の余地が残されている。
また、特許文献3に記載の技術によれば、金属製被加工部材を粉粒体に埋設し、粒体に外部から圧力を加えて圧縮することによって、金属製被加工部材の形状にかかわらずその表面には均質な表面強化処理を行うことができるとされている。しかしながら、この方法では、すべての表面に均質な応力を付与することはできるが、例えば、コイルばねの内側部分により多くの残留応力を付与するという制御を行うことは不可能である。
本発明は、上記の問題を解決し、コイルばねに残留応力を付与することが可能な装置および方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の残留応力付与装置および残留応力付与方法を要旨とする。
(1)コイルばねに残留応力を付与する装置であって、
径方向への拡張が不能な断面円形の内周面を有し、前記コイルばねが隙間ばめされる外接部材と、
前記外接部材の前記内周面の内側において、前記コイルばねに挿入され、かつ、径方向への拡張が可能な断面円形の外周面を有する内接部材と、
前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させる拡張部材と、を備える、
残留応力付与装置。
(2)前記内接部材は、断面C字形状の内周面を有し、
前記拡張部材は、前記内接部材の前記内周面の直径より大きい外径を有する拡張部を含む、
上記(1)に記載の残留応力付与装置。
(3)前記コイルばねに軸方向の力を付加し弾性変形させる変形部材をさらに備える、
上記(1)または(2)に記載の残留応力付与装置。
(4)上記(1)または(2)に記載の装置を用いてコイルばねに残留応力を付与する方法であって、
前記コイルばねを前記外接部材内に隙間ばめするとともに、前記コイルばねの内側に前記内接部材を挿入する、配置工程と、
前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させる、拡張工程と、を備える、
残留応力付与方法。
(5)上記(3)に記載の装置を用いてコイルばねに残留応力を付与する方法であって、
前記コイルばねを前記外接部材内に隙間ばめするとともに、前記コイルばねの内側に前記内接部材を挿入する、配置工程と、
前記変形部材により前記コイルばねを弾性変形させた状態で、前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させる、拡張工程と、を備える、
残留応力付与方法。
(6)前記拡張工程において、前記コイルばねを前記外接部材の前記内周面と前記内接部材の前記外周面とで挟み、前記拡張部材を、前記内接部材の内周面と接触するように前記内接部材内に通過させることによって、前記内接部材を拡張させる、
上記(4)または(5)に記載の残留応力付与方法。
本発明によれば、コイルばねに対して、表面性状を大きく劣化させることなく、かつ低コストで、内部の領域まで圧縮残留応力を付与することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る残留応力付与装置の基準状態の一例を示した断面図(a)ならびに(a)における外接部材および内接部材のa−a線断面図(b)である。 本発明の一実施形態に係る残留応力付与装置の使用状態の一例を示した断面図(a)ならびに(a)における外接部材および内接部材のb−b線断面図(b)である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置が備える拡張部材の断面形状を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置の基準状態の一例を示した断面図(a)ならびに(a)における外接部材および内接部材のc−c線断面図(b)である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置の使用状態の一例を示した断面図(a)ならびに(a)における外接部材および内接部材のd−d線断面図(b)である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置の基準状態の一例を示した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置において、コイルばねに軸方向の力を付加して縮ませた状態の一例を示した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置の使用状態の一例を示した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置の基準状態の一例を示した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置において、コイルばねに軸方向の力を付加して伸ばした状態の一例を示した断面図である。 本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置の使用状態の一例を示した断面図である。 残留応力の測定位置および測定方向を説明するための図である。
添付した図面を参照して、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る残留応力付与装置10の基準状態の一例を示した断面図であり、図1(b)は、図1(a)における外接部材および内接部材のa−a線断面図である。また、図2(a)は、本発明の一実施形態に係る残留応力付与装置10の使用状態の一例を示した断面図であり、図2(b)は、図2(a)における外接部材および内接部材のb−b線断面図である。なお、本発明においては、後述する内接部材が拡張されていない状態を基準状態といい、内接部材が径方向に拡張された状態を使用状態という。
本発明の一実施形態に係る残留応力付与装置10は、コイルばね20に残留応力を付与する装置であって、外接部材1と内接部材2と拡張部材3とを備える。各構成要素について説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
外接部材1は、断面円形の内周面1aを有し、コイルばね20が隙間ばめされる部材である。すなわち、図1に示すように、コイルばね20が外接部材1の内部に配置された状態において、コイルばね20の外側部分20aと外接部材1の内周面1aとが当接している。そして、外接部材1の内周面1aは径方向へ拡張不能であり、コイルばね20の外側部分20aが径方向に拡張されるのを規制する。
内接部材2は、外接部材1の内周面1aの内側において、コイルばね20に挿入され、かつ、径方向への拡張が可能な外周面2aを有する円筒状の部材である。具体的には、図1および2に示すように、内接部材2は、断面C字形状の内周面2bを有する。上記の構成では、内接部材2は断面の一部が切断されているため、径方向への拡張が可能となる。なお、本発明において、「円形」には、円の一部が切断された形状も含まれるものとする。また、「断面C字形状」とは、円の一部が切断されている形状を意味し、切断されている一端と他端とが接触していてもよく、離れていてもよい。
拡張部材3は、内接部材2を径方向に拡張させる部材である。具体的には、図1および2に示すように、拡張部材3は、球体状を呈しており、基準状態における内接部材2の内周面2bの直径より大きい外径を有する拡張部3aを含んでいる。なお、拡張部材3は、内接部材2を拡張する際に塑性変形しないよう、内接部材2より硬い材料を用いることが好ましい。
次に、図1および2を用いて、本発明の一実施形態に係る残留応力付与装置を用いてコイルばねに残留応力を付与する方法の一例について説明する。
まず、コイルばね20を外接部材1内に隙間ばめするとともに、コイルばね20の内側に内接部材2を挿入する(配置工程)。その後、内接部材2を径方向に拡張させる(拡張工程)。なお、配置工程において、コイルばね20を外接部材1内に隙間ばめする工程と、コイルばね20の内側に内接部材2を挿入する工程とは、どちらを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。また、配置工程において、内接部材2はコイルばね20内に隙間ばめすることが好ましい。
拡張工程では、図1に示すように、まず、拡張部材3を内接部材2の一端側に接触させ、その後、拡張部材3を押し込む。そして、図2に示すように、コイルばね20を外接部材1の内周面1aと内接部材2の外周面2aとで挟んだ状態において、拡張部3aが内接部材2の内周面2bと接触するように、内接部材2内を通過させる。上述のように、拡張部材3の拡張部3aにおける外径は、内接部材2の内周面2bの直径より大きい。そのため、拡張部材3が内接部材2内を通過することによって、内接部材2は押し広げられ、径方向に拡張される。
そして、コイルばね20の外側部分20aを外接部材1の内周面1aによって固定した状態で、コイルばね20の内側部分20bを拡張させることによって、コイルばね20に応力を付与し、塑性変形させることが可能となる。その後、コイルばね20に付与した応力を除荷すると、コイルばね20には残留圧縮応力が生じることとなる。
ショットピーニングを用いる場合、コイルばねに対して加えられる圧力は、衝撃的なものとなる。これに対して、本発明に係る方法を用いる場合、コイルばね20に対して外接部材1の内周面1aおよび内接部材2の外周面2aで圧力を加えるため、準静的な圧力が加わり、コイルばね20の深い領域まで圧縮残留応力を付与すること可能となる。
また、コイルばね20は、拡張部材3と接触することがなく、内接部材2から径方向の応力が付与されるだけである。そのため、拡張部材3が内接部材2内を通過する際に、コイルばね20の表面に擦り傷などが生じることも防止できる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば上述の例では、拡張部材3は球体状であるが、図3に示すように、先端が半球状または円錐状の棒であってもよい。
また、上述の実施形態では、内接部材2は断面C字形状の外周面2aおよび内周面2bを有する円筒状であるが、例えば、図4および5に示すような構成であってもよい。すなわち、内接部材2は、断面円形の外周面2aおよび断面四角形の内周面2bを有しており、4つに分割されている。そして、垂直断面が台形で、水平断面が正方形の棒状の拡張部材3を、内接部材2の内周面2bに接触するように押し込むことによって、内接部材2を径方向に拡張させる。
さらに、上述の例では、球体状または棒状の器具である拡張部材3を内接部材2の内側に押し込むことによって、内接部材2を径方向に拡張させる構成としているが、これに限定されず、例えば、水圧または油圧によって内接部材2を拡張させる構成としてもよい。
図6は、本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置10の基準状態の一例を示した断面図である。また、図7は、本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置10において、コイルばね20に軸方向の力を付加して縮ませた状態の一例を示した断面図である。さらに、図8は、本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置10の使用状態の一例を示した断面図である。
本発明の他の実施形態に係る残留応力付与装置10は、上述の外接部材1、内接部材2および拡張部材3に加えて、変形部材4をさらに備える。変形部材4は、コイルばね20に軸方向の力を付加し弾性変形させる部材である。図6〜8に示す構成においては、変形部材4は円筒状の部材であり、外径が外接部材1の内径より小さく、内径が内接部材2の外径より大きい。
変形部材4を備えた残留応力付与装置10を用いてコイルばね20に残留応力を付与する場合においては、上述の拡張工程において、まず、図7に示すように変形部材4によってコイルばね20に軸方向の力を付加して縮ませる。そして、コイルばね20を弾性変形させた状態で、内接部材2を径方向に拡張させる。
コイルばね20に軸方向の力を付加して弾性変形させた状態で、径方向に圧力を加えて塑性変形させることにより、コイルばね20のより深い領域まで圧縮残留応力を付与すること可能となる。
上述の図6〜8に示す構成においては、コイルばね20を縮ませた状態で径方向に圧力を加えているが、図9〜11に示すように、コイルばね20を伸ばした状態で径方向に圧力を加えてもよい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
コイルばねとして、Daytona製JIS SWOSC−V鋼ばね(ショットピーニングによる強化、スーパークラッチセンタースプリング74040、自由高さ:100mm、コイル平均径:53mm、線径:4mm)を用いた。使用したばねの総巻数は5、有効巻数は3とした。上記のコイルばねに対し、残留応力除去を目的として、400℃の温度で30分間保持する焼鈍処理を施した。
残留応力除去焼鈍した後、本発明に係る方法を用いて残留応力の付与を行った。具体的には、まず、外径70mm、内径57mm(+0.05〜0)、長さ100mmのパイプ状の外接部材内にコイルばねを隙間ばめした後、外径49mm(0〜−0.02)、内径31.25mm±0.02、長さ100mmであり、断面C字形状の内周面を有する円筒状の内接部材をコイルばねに挿入した。その後、直径31.75mmの硬球である拡張部材を内接部材内に通過させ押し広げることによって、コイルばねの内径を1%拡張(コイル内径49mmに対して内径を0.5mm拡張)した。
上記のショットピーニングを施した状態(試験No.1)、ショットピーニング後に焼鈍処理を施した状態(試験No.2)、および、焼鈍後にさらに本発明の方法により残留応力を施した状態(試験No.3)の3つの状態のコイルばねについて、残留応力の測定を行った。残留応力の測定には、X線応力測定装置(株式会社リガク製PSPC-RSF)を用いた。図12に残留応力の測定位置および測定方向を示すように、各々のコイルばねを円弧の90°周期で切断し、一巻分を4等分にした線素を対象に、直径3mmの範囲について電解研磨を行い、内面側から所定の深さまで表層を取り除いた後、測定を実施した。残留応力の測定は、表面、深さ0.15mm位置および深さ0.5mm位置の3か所について行った。
残留応力測定結果を表1に示す。ショットピーニングにより強化された試験No.1のばねでは、測定位置が0.15mm、0.5mmと深くなるに従い、圧縮残留応力が低下し、深さ0.5mmでは引張残留応力が発生している。また、低温焼戻し後の試験No.2のばねについては、結果的には残留応力が完全には除去されていなかったが、ショットピーニング後のばねに比べると圧縮残留応力は低くなっていた。
Figure 0006969100
これらに対して、本発明の方法で処理した試験No.3のばねは、深さ0.15mmおよび0.5mmの位置ともに圧縮残留応力が付与されていることが分かる。特に、深さ0.15mm位置では、表層同様の高い圧縮残留応力が付与されていた。また、外表面部もショットピーニング後のばね表面と同等の高い圧縮残留応力が発生していることが分かる。以上のことから、本発明に係る方法を用いることで、高く深い圧縮残留応力を付与することができることが分かった。
実施例1と同じコイルばねに対し、残留応力除去を目的として、450℃の温度で30分間保持する焼鈍処理を施した。残留応力除去焼鈍した後、本発明に係る方法を用いて残留応力の付与を行った。
具体的には、まず、外径70mm、内径57mm(+0.05〜0)、長さ100mmのパイプ状の外接部材内にコイルばねを隙間ばめした後、外径49mm(0〜−0.02)、内径31.25mm±0.02、長さ100mmであり、断面C字形状の内周面を有する円筒状の内接部材をコイルばねに挿入した。
その後、外径57mm、内径50mmのパイプ状の変形部材を用いてコイルばねを軸方向に25.5mm縮ませてた。この時にコイルばねの外表面に付与されるせん断応力はおよそ500MPaである。この程度の応力ではばねの外表面では降伏は生じず、弾性変形するのみである。そして、直径31.75mmの硬球である拡張部材を内接部材内に通過させ押し広げることによって、コイルばねの内径を1%拡張(コイル内径49mmに対して内径を0.5mm拡張)した。
上記のショットピーニングを施した状態(試験No.4)、ショットピーニング後に焼鈍処理を施した状態(試験No.5)、および、焼鈍後にさらに本発明の方法により残留応力を施した状態(試験No.6)の3つの状態のコイルばねについて、残留応力の測定を行った。残留応力の測定は実施例1と同様に行った。
残留応力測定結果を表2に示す。実施例1と同様に、低温焼戻し後の試験No.5のばねについては、残留応力が完全には除去されていなかったが、ショットピーニング後のばねに比べると圧縮残留応力は低くなっていた。また、本実施例では実施例1に比べて焼戻し温度を高くしたため、試験No.2に比べて試験No.5の表面における圧縮残留応力はより低くなった。
Figure 0006969100
また、弾性変形させた状態で径方向に圧力を加えた試験No.6のばねでは、弾性変形させずに径方向に拡張させた試験No.3のばねと比較して、表面から0.15mmの深さまでの圧縮残留応力は同等であるのに対して、0.5mmの深さにおいては圧縮残留応力が顕著に高くなる結果となった。このことから、ばねを弾性変形させた状態で、径方向に圧力を加えて塑性変形させることにより、より深い領域まで圧縮残留応力を付与できることが分かった。
本発明によれば、コイルばねに対して、表面性状を大きく劣化させることなく、かつ低コストで、内部の領域まで圧縮残留応力を付与することが可能になる。
1.外接部材
1a.内周面
2.内接部材
2a.外周面
2b.内周面
3.拡張部材
3a.拡張部
4.変形部材
10.残留応力付与装置
20.コイルばね
20a.外側部分
20b.内側部分

Claims (4)

  1. 置を用いてコイルばねに残留応力を付与する方法であって、
    前記装置は、
    径方向への拡張が不能な断面円形の内周面を有し、前記コイルばねが隙間ばめされる外接部材と、
    前記外接部材の前記内周面の内側において、前記コイルばねに挿入され、かつ、径方向への拡張が可能な断面円形の外周面を有する内接部材と、
    前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させる拡張部材と、を備え、
    前記コイルばねを前記外接部材内に隙間ばめするとともに、前記コイルばねの内側に前記内接部材を挿入する、配置工程と、
    前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させ、前記コイルばねの外側部分が前記内周面と当接し径方向に拡張されるのを規制した状態で、前記拡張部材が前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させ、前記内周面と前記外周面とで前記コイルばねを押圧することで、前記コイルばねの内側部分径方向に拡張するように前記コイルばねを塑性変形させる、拡張工程と、を備える、
    残留応力付与方法。
  2. 前記内接部材は、断面C字形状の内周面を有し、
    前記拡張部材は、前記内接部材の前記内周面の直径より大きい外径を有する拡張部を含む、
    請求項1に記載の残留応力付与方法。
  3. 前記装置が、前記コイルばねに軸方向の力を付加し弾性変形させる変形部材をさらに備え、
    前記拡張工程において、前記変形部材により前記コイルばねを弾性変形させた状態で、前記内接部材の前記外周面を径方向に拡張させる
    請求項1または請求項2に記載の残留応力付与方法。
  4. 前記拡張工程において、前記コイルばねを前記外接部材の前記内周面と前記内接部材の前記外周面とで挟み、前記拡張部材を、前記内接部材の内周面と接触するように前記内接部材内に通過させることによって、前記内接部材を拡張させる、
    請求項1から請求項3までのいずれかに記載の残留応力付与方法。
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