JP6968760B2 - 電柱劣化度推定方法、電柱劣化度推定装置、電柱、電柱荷重推定方法、及び、電柱荷重推定装置 - Google Patents
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Description
鉛直方向にて延在するように設置された電柱が撓むことに伴う塑性変形により生じた、上記電柱の水平方向における変位の量である残存撓み量を検出し、
上記電柱のうちの、上記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにてクラックを検出し、
上記検出された残存撓み量と、上記検出されたクラックと、に基づいて、上記電柱の劣化度を推定する、ことを含む。
鉛直方向にて延在するように設置された電柱が撓むことに伴う塑性変形により生じた、上記電柱の水平方向における変位の量であり且つ検出された残存撓み量と、上記電柱のうちの、上記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにて検出されたクラックと、に基づいて、上記電柱の劣化度を推定する推定部を備える。
更に、この電柱は、
シート状であるとともに上記電柱の外周面に貼付され、且つ、上記外周面のうちの、貼付された領域にて生じたクラックに対応する部分にて変色するクラックセンサを複数備え、
上記複数のクラックセンサは、上記鉛直方向において互いに異なる複数の位置を有する。
鉛直方向にて延在するように設置された電柱のうちの、上記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにてクラックを検出し、
上記検出されたクラックに基づいて、上記電柱に加えられた曲げ荷重を推定する、ことを含む。
鉛直方向にて延在するように設置された電柱のうちの、上記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにて検出されたクラックに基づいて、上記電柱に加えられた曲げ荷重を推定する推定部を備える。
(概要)
第1実施形態の電柱劣化度推定方法は、鉛直方向にて延在するように設置された電柱が撓むことに伴う塑性変形により生じた、電柱の水平方向における変位の量である残存撓み量を検出し、電柱のうちの、鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにてクラックを検出し、検出された残存撓み量と、検出されたクラックと、に基づいて、電柱の劣化度を推定する、ことを含む。
次に、第1実施形態の電柱劣化度推定方法について、より詳細に説明する。
図1に表されるように、x軸、y軸及びz軸を有する右手系の直交座標系を用いて、第1実施形態の電柱劣化度推定方法において劣化度が推定される対象である電柱1を説明する。本例では、z軸方向は、鉛直方向に一致する。
各クラックセンサ21は、当該クラックセンサ21の表面に沿った方向にて所定の閾値力よりも大きい力が加えられた場合に不可逆的に変色する。本例では、各クラックセンサ21は、倉敷紡績株式会社製のKKクラックセンサ(登録商標)である。なお、各クラックセンサ21は、倉敷紡績株式会社製のKKクラックセンサ(登録商標)以外のクラックセンサであってもよい。
また、複数のクラックセンサ21は、地上部12の外周面において、螺旋状に位置していてもよい。
出力装置54は、電柱劣化度推定装置5の外部に情報を出力する。本例では、出力装置54は、ディスプレイを備える。なお、出力装置54は、スピーカを備えてもよい。
図3に表されるように、電柱劣化度推定装置5の機能は、特定情報取得部501と、特定情報記憶部502と、残存撓み量取得部503と、クラック情報取得部504と、劣化度推定部505と、を含む。
第1特定情報は、電柱1に加えられる曲げ荷重と、電柱1に生じるクラックと、の第1関係を特定する情報である。第2特定情報は、電柱1に加えられる曲げ荷重に対する残存撓み量の変化と、電柱1の曲げ強度試験における破壊荷重と、の第2関係を特定する情報である。
このようにして、電柱1の曲げ強度試験が行われる。
図5は、曲げ荷重に対する、検出された最先位置の変化を表すグラフの一例である。図5において、黒丸は、電柱1の曲げ強度試験において検出された値(換言すると、検出値)を表す。
また、第1特定情報は、曲げ荷重Fと、最先位置Pと、からなるデータを複数含むデータ群であってもよい。この場合、データ群に含まれる複数のデータに基づいて補間(例えば、線形補間)されることにより第1関係が特定されてもよい。
本例では、第2関係は、第1破壊荷重を有する電柱1に対する、曲げ荷重Fと、残存撓み量Dと、の関係を定める数式2と、第2破壊荷重を有する電柱1に対する、曲げ荷重Fと、残存撓み量Dと、の関係を定める数式3と、により表される。
また、第2関係は、数式2及び数式3以外の数式により表されてもよい。
また、第2特定情報は、破壊荷重と、曲げ荷重Fと、残存撓み量Dと、からなるデータを複数含むデータ群であってもよい。この場合、データ群に含まれる複数のデータに基づいて補間(例えば、線形補間)されることにより第2関係が特定されてもよい。
なお、特定情報記憶部502は、第1特定情報及び第2特定情報を予め記憶装置52に記憶させていてもよい。この場合、電柱劣化度推定装置5の機能は、特定情報取得部501を含まなくてもよい。
また、特定情報記憶部502は、入力装置53を介して入力された、第1特定情報及び第2特定情報を記憶装置52に記憶させてもよい。この場合、電柱劣化度推定装置5の機能は、特定情報取得部501を含まなくてもよい。
次に、電柱劣化度推定装置5の動作について、図8乃至図10を参照しながら説明する。
先ず、互いに異なる複数の曲げ荷重のそれぞれに対して、電柱1の曲げ強度試験が行われることにより、電柱1に生じるクラックの最先位置が検出される(図8のステップS101)。次いで、電柱劣化度推定装置5は、検出された最先位置に基づいて、第1特定情報を取得する(図8のステップS102)。次いで、電柱劣化度推定装置5は、取得された第1特定情報を記憶する(図8のステップS103)。
また、図10に表される処理において、残存撓み量の取得と、クラック情報の取得と、は、上述した順序と逆の順序にて行われてもよい。
また、第1特定情報及び第2特定情報を取得するために行われる、電柱1の曲げ強度試験において用いられる電柱1と、劣化度が推定され対象である電柱1と、は、同一の形状を有する、互いに異なる電柱1であってよい。
次に、第2実施形態の電柱劣化度推定方法について説明する。第2実施形態の電柱劣化度推定方法は、第1実施形態の電柱劣化度推定方法に対して、最先位置に代えて、クラック数に基づいて劣化度を推定する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
また、第1特定情報は、曲げ荷重Fと、クラック数Nと、からなるデータを複数含むデータ群であってもよい。この場合、データ群に含まれる複数のデータに基づいて補間(例えば、線形補間)されることにより第1関係が特定されてもよい。
また、第2実施形態の電柱劣化度推定方法は、クラックが検出された位置の総数であるクラック数に基づいて劣化度の推定を行う。
次に、第3実施形態の電柱荷重推定方法について説明する。第3実施形態の電柱荷重推定方法は、第1実施形態の電柱劣化度推定方法に対して、劣化度に代えて、電柱に加えられた曲げ荷重を推定する点において相違している。以下、相違点を中心として説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
ところで、既設の電柱1には、電柱1が支持する架線の重さ、及び、当該架線が風を受けることにより、曲げ荷重が加えられる。この曲げ荷重は、電柱1が設置される位置に応じて、比較的大きく異なりやすい。このため、電柱1に実際に加えられる曲げ荷重に応じて、電柱1の形状及び構造が決定されることが好適である。
そこで、第3実施形態の電柱荷重推定方法は、電柱1に加えられた曲げ荷重を推定する。これにより、例えば、推定された曲げ荷重に基づいて、電柱1が設置された位置に適切な電柱1の形状及び構造を決定できる。
図13に表されるように、電柱荷重推定装置6の機能は、特定情報取得部601と、特定情報記憶部602と、クラック情報取得部603と、荷重推定部604と、を含む。
特定情報記憶部602は、第2取得情報を記憶しない点を除いて、第1実施形態の特定情報記憶部502と同様の機能を有する。
11 地中部
12 地上部
21 クラックセンサ
31 架線
5 電柱劣化度推定装置
51 処理装置
52 記憶装置
53 入力装置
54 出力装置
501 特定情報取得部
502 特定情報記憶部
503 残存撓み量取得部
504 クラック情報取得部
505 劣化度推定部
6 電柱荷重推定装置
601 特定情報取得部
602 特定情報記憶部
603 クラック情報取得部
604 荷重推定部
BF 固定台
BU バス
GS 地面
LE 末口
RE 元口
Claims (10)
- 鉛直方向にて延在するように設置された電柱が撓むことに伴う塑性変形により生じた、前記電柱の水平方向における変位の量である残存撓み量を検出し、
前記電柱のうちの、前記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにてクラックを検出し、
前記検出された残存撓み量と、前記検出されたクラックと、に基づいて、前記電柱の劣化度を推定する、
ことを含む、電柱劣化度推定方法。 - 請求項1に記載の電柱劣化度推定方法であって、
前記劣化度は、前記電柱の曲げ強度試験における破壊荷重を表し、
電柱に加えられる曲げ荷重と当該電柱に生じるクラックとの第1関係を特定する第1特定情報と、電柱に加えられる曲げ荷重に対する前記残存撓み量の変化と当該電柱の曲げ強度試験における破壊荷重との第2関係を特定する第2特定情報と、前記検出された残存撓み量と、前記検出されたクラックと、に基づいて前記推定を行う、電柱劣化度推定方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の電柱劣化度推定方法であって、
前記クラックが検出された位置のうちの、前記電柱の先端に最も近い位置である最先位置に基づいて前記推定を行う、電柱劣化度推定方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電柱劣化度推定方法であって、
前記クラックが検出された位置の総数であるクラック数に基づいて前記推定を行う、電柱劣化度推定方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電柱劣化度推定方法であって、
前記クラックの検出は、シート状であるとともに前記電柱の外周面に貼付され、且つ、前記外周面のうちの、貼付された領域にて生じたクラックに対応する部分にて変色するクラックセンサを用いて行われる、電柱劣化度推定方法。 - 鉛直方向にて延在するように設置された電柱が撓むことに伴う塑性変形により生じた、前記電柱の水平方向における変位の量であり且つ検出された残存撓み量と、前記電柱のうちの、前記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにて検出されたクラックと、に基づいて、前記電柱の劣化度を推定する推定部を備える、電柱劣化度推定装置。
- 鉛直方向にて延在するように設置された電柱のうちの、前記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにてクラックを検出し、
前記クラックが検出された位置のうちの、前記電柱の先端に最も近い位置である最先位置に基づいて、前記電柱に加えられた曲げ荷重の値を推定する、
ことを含む、電柱荷重推定方法。 - 鉛直方向にて延在するように設置された電柱のうちの、前記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにて検出されたクラックの位置の中で前記電柱の先端に最も近い位置である最先位置に基づいて、前記電柱に加えられた曲げ荷重の値を推定する推定部を備える、電柱荷重推定装置。
- 鉛直方向にて延在するように設置された電柱のうちの、前記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにてクラックを検出し、
前記クラックが検出された位置の総数であるクラック数に基づいて、前記電柱に加えられた曲げ荷重の値を推定する、
ことを含む、電柱荷重推定方法。 - 鉛直方向にて延在するように設置された電柱のうちの、前記鉛直方向において互いに異なる複数の位置のそれぞれにて検出されたクラックの位置の総数であるクラック数に基づいて、前記電柱に加えられた曲げ荷重の値を推定する推定部を備える、電柱荷重推定装置。
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