JP6966805B2 - ナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法 - Google Patents

ナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、ナノ結晶配列構造体固定化基板、ナノ結晶配列構造体の製造方法、およびナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法に関する。
チタン酸バリウム(BaTiO)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO)などのナノ結晶(ナノクリスタル)は、サイズに起因した特徴的な物性を発現し、新規材料としての応用が期待されている。こうしたナノ結晶を電子デバイス等に応用するために、基板上にナノ結晶を整列(配列)させる技術の確立が望まれている。例えば、特許文献1には、基板上にナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を形成(固定化)する方法が開示されている。
国際公開第2016/060042号
特許文献1に開示されている方法では、ナノ結晶を非極性溶媒に分散させた分散液に基板を浸漬してから引き上げることで、毛管現象によって基板上にナノ結晶配列構造体を形成している。しかしながら、こうした方法では、非極性溶媒が蒸発する過程でナノ結晶配列構造体に多数のクラックが生じることが確認されている。このため、基板表面に沿った方向において、数百μm以上の実用的なサイズのナノ結晶配列構造体を得ることが困難であるという課題があった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、ナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を、より大きな面積で基板上に形成(固定化)するナノ結晶配列構造体固定化基板、ナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のナノ結晶配列構造体の製造方法は、以下の構成を有する。
第1溶媒の表面に界面活性剤を展開させた配列媒体液を調製する配列媒体液調製工程と、第2溶媒にナノ結晶を分散させた分散液を調製する分散液調製工程と、前記配列媒体液の表面に前記分散液を滴下する分散液滴下工程と、前記第2溶媒を気化させ、前記配列媒体液の表面に前記ナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を形成する配列構造体形成工程と、を有し、前記界面活性剤はカルボン酸系の界面活性剤であり、前記ナノ結晶はオレイン酸を含む環境下で水熱合成されたものであり、前記第1溶媒は極性媒体、前記第2溶媒は非極性媒体であり、前記第1溶媒と前記第2溶媒とは、互いに混和しないことを特徴とする。
また、本発明では、前記ナノ結晶はチタン酸バリウムナノ結晶であることが好ましい。
また、本発明は、前記配列構造体形成工程では、前記分散液に含まれる前記ナノ結晶の濃度に応じて、前記配列媒体液の表面に配列させる前記ナノ結晶配列構造体の鉛直方向の積み数を調整することが好ましい。
また、本発明では、前記配列構造体形成工程において、前記第1溶媒の表面に展開させた前記界面活性剤の凝集力によって、前記ナノ結晶を前記第2溶媒の周囲に凝集させることが好ましい。
また、本発明では、前記界面活性剤はオレイン酸であることが好ましい。
本発明のナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法は、以下の構成を有する。
基板の一面にナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を固定化したナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法であって、第1溶媒の表面に界面活性剤を展開させた配列媒体液を調製する配列媒体液調製工程と、第2溶媒に前記ナノ結晶を分散させた分散液を調製する分散液調製工程と、前記配列媒体液の表面に前記分散液を滴下する分散液滴下工程と、前記第2溶媒を気化させ、前記配列媒体液の表面に前記ナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を形成する配列構造体形成工程と、前記配列構造体形成工程を経て前記配列媒体液の表面に形成された前記ナノ結晶配列構造体を基板の一面に転写させる転写工程を備え、前記界面活性剤はオレイン酸であり、前記ナノ結晶はチタン酸バリウムナノ結晶であり、前記第1溶媒は極性媒体、前記第2溶媒は非極性媒体であり、前記第1溶媒と前記第2溶媒とは、互いに混和しないことを特徴とする。
また、本発明では、前記転写工程を複数回繰り返し、前記基板の一面に複数の前記ナノ結晶配列構造体を積層させてもよい。
本発明によれば、ナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を、より大きな面積で基板上に形成(固定化)するナノ結晶配列構造体固定化基板、ナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法を提供することが可能になる。
ナノ結晶配列構造体の製造方法を含むナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法を段階的に示した模式図である。 第1溶媒に界面活性剤を展開させてなる配列媒体液に対して、分散液を滴下した後の作用を示す説明図である。 チタン酸バリウムナノ結晶のTEM像である。 チタン酸バリウムナノ結晶のTEM像である。 実施例1で作製したチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例2で作製したチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例3で作製したチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例4で作製したチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態のナノ結晶配列構造体固定化基板、ナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明において「ナノ結晶」とは、例えば、六面体状の結晶である、いわゆるナノキューブの他、ナノキューブの合成若しくは作製工程において同時に生成される、六面体の頂点が面取りされた不完全な六面体状の結晶をも含む。なお、この六面体の頂点が面取りされた不完全な六面体状の結晶は六面体状の結晶になる途上のものである。また、そのサイズとしては、例えば、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウムが六面体状になりえるナノメートルサイズであれば、サイズは限定しないが、例えば1〜20nm程度である。
まず最初に、ナノ結晶の製造方法の一例を説明する。例えば、ナノ結晶の一例であるチタン酸バリウムナノ結晶の製造方法としては、水酸化バリウム水溶液と、水溶性チタン錯体の水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液と、アミン化合物と、有機カルボン酸とを混合して溶液を得て、前記溶液を加熱することにより合成できる。
水酸化バリウム水溶液に含まれるバリウムと、水溶性チタン錯体の水溶液に含まれるチタンとのモル比(バリウム:チタン)は1:2〜2:1の範囲であることが好ましい。
本発明の水溶性チタン錯体としては、水に溶解された後チタン原子から配位子がはずれてチタン原子と酸素原子との結合が形成されるような化合物を用いることができる。そのような化合物としては、例えばチタニウムビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド(Titanium bis(ammonium lactate) dihydroxide、「TALH」)、配位子がグリコール酸(HOCH2COOH)である(NH4)6[Ti4(C2H2O3)4(C2H3O3)2(O2)4O2]・6H2O、配位子がクエン酸((CH2COOH)2C(OH)COOH)である(NH4)8[Ti4(C6H4O7)4(O2)4]・8H2O、又は配位子がリンゴ酸(CH2CHOH(COOH)2)若しくは酒石酸((CHOH)2(COOH)2)であるチタン錯体などが挙げられる。
このようにして得られたナノ結晶を用いて、本発明のナノ結晶配列構造体固定化基板を製造する。ナノ結晶配列構造体を製造する際には、こうしたナノ結晶を後述する第2溶媒に分散させた分散液を用いる。
本発明のナノ結晶配列構造体固定化基板は、基板と、この基板の一面(表面)に形成されたナノ結晶配列構造体と、から構成されている。ナノ結晶配列構造体は、多数のナノ結晶を所定面に沿って配列(整列)させたものからなる。
なお、本発明で言う「ナノ結晶を配列させた」とは、ナノ結晶を規則的に整列させた状態を示し、ナノ結晶を単にランダムに積み重ねて堆積させた状態とは異なる。
本発明のナノ結晶配列構造体固定化基板は、基板の一面に対するナノ結晶配列構造体の被覆率が85%以上、100%以下である。また、基板の一面に沿ったナノ結晶配列構造体の形成面積は10000μm以上である。そして、幅100nm以上のサイズの亀裂やボイドが存在しない。なお、ナノ結晶配列構造体の形成面積の上限は、基板の面積に依存する。
ナノ結晶配列構造体固定化基板のナノ結晶配列構造体を構成するナノ結晶としては、チタン酸化合物、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛などが挙げられる。
次に、本発明のナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法を説明する。
図1は、ナノ結晶配列構造体の製造方法を含むナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法を段階的に示した模式図である。
まず最初に、液槽10に第1溶媒11を入れる(図1(a)参照)。第1溶媒としては、極性媒体または非極性媒体のいずれかを用いる。第1溶媒11として極性媒体を用いる際には、後述する第2溶媒12には非極性媒体を用いる。また、第1溶媒11として非極性媒体を用いる際には、後述する第2溶媒12には極性媒体を用いる。本実施形態では、第1溶媒11として水を用いている。
次に、この第1溶媒11の液面に界面活性剤13を展開させる(図1(b)参照)。これにより、第1溶媒11に界面活性剤13を展開させた配列媒体液14を得る(配列媒体液調製工程)。
配列媒体液14を構成する界面活性剤13としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤の何れも用いることができる。界面活性剤13の具体例としては、カルボン酸系の界面活性剤、例えばオレイン酸が好ましく挙げられる。
なお、配列媒体液調製工程においては、第1溶媒11よりも極めて少量の界面活性剤13を第1溶媒11の液面にムラなく展開させるために、界面活性剤13を揮発性の展開溶媒、例えばトルエンなどで希釈してこれを第1溶媒11の液面に滴下し、トルエンを全て揮発させることで、界面活性剤13を展開することが好ましい。
次に、予め製造したナノ結晶15を第2溶媒12に分散させ、分散液16を形成する(分散液調製工程:図1(c)参照)。第2溶媒12としては、極性媒体または非極性媒体のいずれかを用いる。具体的には、例えば、揮発性の有機溶媒を用いる。本実施形態では、第2溶媒12としてメシチレン(1,3,5-trimethylbenzene)を用いている。また、本実施形態では、ナノ結晶15として、チタン酸バリウムからなるナノ結晶を用いている。
分散液16に含まれるナノ結晶15の濃度(第2溶媒12の質量にするナノ結晶15の質量)は、任意に設定可能であるが、こうしたナノ結晶15の濃度を高めて、ナノ結晶配列構造体を2層以上に積層することができる。
次に、分散液調製工程で得られた分散液16を、配列媒体液調製工程で得られた配列媒体液14に滴下する(分散液滴下工程:図1(d)参照)。分散液16は、滴下直前に良く撹拌し、ナノ結晶15を第2溶媒12中に均一に分散させておく。なお、分散液16の滴下量は、後ほど用いる基板の一面の面積などに応じて調整すればよい。
図2は、第1溶媒に界面活性剤を展開させてなる配列媒体液に対して、分散液を滴下した後の作用を示す説明図である。
配列媒体液14に分散液16を滴下させると、水からなる第1溶媒11よりも比重の軽いメシチレン(比重0.83)からなる第2溶媒12を含む分散液16は、配列媒体液14の液面に広がる。この時、配列媒体液14を構成する、第1溶媒11の表面の界面活性剤13は、分散液16によって押し広げられ、分散液16が第1溶媒11の表面に直接接するように広がり、その周囲を界面活性剤13が取り囲む状態になる。
そして、この状態で暫く静置させると、分散液16に分散していたナノ結晶15が第2溶媒の底部、即ち第1溶媒11の表面まで沈み、同時に第2溶媒12であるメシチレンが揮発する(配列構造体形成工程:図1(e)参照)。
この時、ナノ結晶15は、第2溶媒12の揮発によって生じる毛管現象によって、第1溶媒11の表面に整列する。また、第1溶媒11の表面にあるナノ結晶15の周囲を取り囲むように広がる界面活性剤13の凝集力(外圧)によって、ナノ結晶15が第2溶媒12の周囲に集められる。これにより、第1溶媒11の表面に、ナノ結晶15が配列(整列)したナノ結晶配列構造体21が得られる。
こうしたナノ結晶配列構造体21は、分散液16に分散させたナノ結晶15の濃度に応じて、ナノ結晶1つ分の厚みで広がる単層のナノ結晶配列構造体や、鉛直方向にナノ結晶が積み重なった複層のナノ結晶配列構造体などを作り分けることができる。
この後、ナノ結晶配列構造体21が表面に形成されている配列媒体液14に基板22を対面させ、基板22の一面(表面)22aにナノ結晶配列構造体21を転写させる(転写工程:図1(f)参照)。
なお、分散液滴下工程から転写工程までを、1つの基板22に対して繰り返し実行することによっても、鉛直方向にナノ結晶が積み重なった複層のナノ結晶配列構造体を形成することができる。
以上のような工程によって、基板22の一面(表面)22aにナノ結晶配列構造体21が固定化(形成)されたナノ結晶配列構造体固定化基板20が得られる。
こうして得られたナノ結晶配列構造体固定化基板20は、基板22の一面22aに対するナノ結晶配列構造体21の被覆率が85%以上、100%以下であり、かつ基板22の一面22aに沿ったナノ結晶配列構造体21の形成面積が10000μm以上である。そして、幅100nm以上のサイズの亀裂やボイドが存在しない。なお、ナノ結晶配列構造体21の形成面積の上限は、基板の面積に依存する。
以上、詳細に説明したように、本発明のナノ結晶配列構造体の製造方法、ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法によれば、界面活性剤13を展開させた第1溶媒11に、ナノ結晶15を含む分散液16を広げることで、界面活性剤13が第1溶媒11上でナノ結晶15を集めて配列させる役割を果たす。これによって、ナノ結晶15を大きな面積で均一に配列(整列)させたナノ結晶配列構造体21を得ることができる。
また、こうして形成したナノ結晶配列構造体21を、基板22の一面(表面)22aに転写させることによって、ヒビや傷のない大きな面積のナノ結晶配列構造体21をもつナノ結晶配列構造体固定化基板20を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下、本発明のナノ結晶配列構造体のより具体的な製造例を述べる。
〔ナノ結晶の合成〕
ナノ結晶の一例として、チタン酸バリウムナノ結晶の具体的な合成方法を記載する。
水酸化バリウム水溶液と、水溶性チタン錯体の水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液と、アミン化合物と、有機カルボン酸とを混合して溶液を得て、その溶液を加熱して合成することにより、チタン酸バリウムナノ結晶を得ることができる。この合成は、上記加熱を、容器を密閉する等により加圧した状態で行う水熱合成により行うのが好ましい。
0.05mol/L(0.05M)の水酸化バリウム水溶液(Ba(OH))24mlと、TALH(水溶性チタン錯体)0.72mlと、オレイン酸(OLA)(有機カルボン酸)3.8mlと、tert−ブチルアミン(アミン化合物)1.28mlと、1mol/L(1M)の水酸化ナトリウム(Na(OH))水溶液6mlとをオートクレーブに入れて混合した。ここで、水酸化バリウム水溶液とTALHはBa:Ti=1:1に、また、Ba:OLA:tert−ブチルアミン=1:8:8になるように混合した。密閉したオートクレーブを200℃で72時間加熱した後、室温まで冷却して、チタン酸バリウムナノ結晶を合成した。
ここで、水酸化ナトリウム(Na(OH))水溶液はpH調整剤として添加している。
水熱合成においてpH調整剤としてよく用いられるアンモニアでは合成が進みやすい十分な強塩基条件になりにくいが(pH14の条件にさらにアンモニアを加えてもより強塩基にはならないが)、水酸化ナトリウム(Na(OH))を用いれば十分な強塩基条件になり、チタン酸バリウムナノ結晶の合成が進みやすい。
有機カルボン酸としては、デカン酸(カプリン酸)CH(CHCOOH等の炭素鎖が長いカルボン酸であれば、二重結合を含まなくても用いることができる。
図3及び図4は、上述の例で示した条件により合成したチタン酸バリウムナノ結晶のTEM像である。
図3及び図4は日本電子株式会社製JEOL−2100(300kV)を用いて得たものである。
チタン酸バリウムナノ結晶のTEM像観察用のサンプルは、オートクレーブ内の上澄み液を濾紙上に配置したTEMグリッド(基板)上に滴下し、滴下した上澄み液中の溶媒を濾紙に吸収させて除去して作製した。TEMグリッドはカーボンで被覆した銅(メッシュをコロジオン膜で支持した構造)からなる。
図4の電子回折スポット像の各点のスポットの位置からそのナノ結晶の格子面間隔を決定し、チタン酸バリウム単結晶の(100)面、(001)面に対応する4.04Å、2.85Åのスポットが得られた。
図3及び図4のTEM像及びその電子回折スポット像から、上述の合成方法により、チタン酸バリウムのナノ結晶が合成されていることが確認された。
また、X線粉末回折法により、(100)回折線が22°付近に、また、(200)回折線が44°付近に現れることによってもチタン酸バリウムであることを同定した。
次いで、オートクレーブからチタン酸ストロンチウムナノ結晶含有溶液を専用の容器に移して、その容器を遠心分離(5300rpm(第1の回転速度)、3分間(第1の回転時間))し、容器の底に沈殿したチタン酸バリウムナノ結晶を回収した。遠心分離機は株式会社コクサン製のH9RH型を用いた。
以上のようにして得られたチタン酸バリウムのナノ結晶を、以下に述べるナノ結晶配列構造体の製造方法で用いる分散液に適用した。
〔ナノ結晶配列構造体固定化基板の製造〕
(実施例1)
まず、内径約7cmのガラス製のシャーレに数センチの高さまで第1溶媒として水を張る。次に、その水面に、界面活性剤としてオレイン酸を体積比1000倍のトルエン(非極性溶媒)で希釈した溶液40μlをマイクロシリンジで滴下した。トルエンを完全に蒸発させて、水の表面に界面活性剤を展開させた配列媒体液を形成した。
また、第2溶媒としてメシチレンに、前述した方法で製造したチタン酸バリウムナノ結晶(結晶サイズ15〜20nm)を分散させて分散液を形成した。
そして、シャーレ中の配列媒体液に、分散液40μlを滴下し、シャーレに蓋をしてメシチレンが完全に蒸発するまで静置した。メシチレンが完全に蒸発した後、水面には、チタン酸バリウムナノ結晶配列構造体が浮遊した状態で得られた。
こうして得られたチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体を、水平付着法によって基板の表面に転写した。水平付着法とは、基板表面が液面に対して水平になるような角度で、液面に基板表面を付着させ、そのまま基板を引き上げて乾燥させることで、液面の浮遊物を基板表面に転写する手法である。基板はシリコンを使用し、転写を行う前にエタノール中で超音波洗浄をして大気乾燥させた。
以上の手順で、シリコン基板にチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体を形成したナノ結晶配列構造体固定化基板が得られた。
図5はシリコン基板上に形成したチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(全体像、拡大像)である。この写真の全体像から、チタン酸バリウムナノ結晶配列構造体が全体として数百μmの大きさを持つこと、及びマイクロメートルスケールの亀裂(ヒビ)が見られないことが確認された。また、拡大像で確認できる小さな四角のひとつひとつがチタン酸バリウムナノ結晶であり、この拡大像から、チタン酸バリウムナノ構造体がチタン酸バリウムナノ結晶の規則配列によって形成される単層膜であることが確認された。
(実施例2)
実施例2は、分散液中のチタン酸バリウムナノ結晶の濃度を、実施例1よりも5倍高くした。これ以外の条件は実施例1と同様である。
図6に、実施例2で得られた、シリコン基板上に形成したチタン酸バリウムナノ結晶配列構造体のSEM写真を示す。図6の写真によれば、分散液中のナノ結晶の濃度を上げることにより、単層膜だけでなく、ナノ結晶配列が二層重なった積層構造のナノ結晶配列構造体が得られることが確認された。
(実施例3)
実施例3は、基板としてサファイア基板、チタン酸ストロンチウム(STO)基板、ルテニウム酸ストロンチウムコート(SRO/STO)基板、及び金コート雲母(Au/Mica)基板を用いた。これ以外の条件は実施例1と同様である。
図7に、これら4種類の基板のそれぞれに形成したナノ結晶配列構造体のSEM写真を示す。図7の写真によれば、基板の材質を問わずナノ結晶の規則配列からなるナノ結晶配列構造体を基板表面に形成可能であることが確認された。
(実施例4)
実施例4は、基板として透過電子顕微鏡(TEM)用グリッドを用いていること、及びこの基板へのナノ結晶配列構造体の転写前に、基板にエタノール洗浄を施していないことが実施例1と異なる。これ以外の条件は実施例1と同様である。
基板であるTEMグリッドは厚さ50nmの窒化ケイ素メンブレンに直径約2nmの孔が等間隔に形成された構造を有する。図8に、TEMグリッドの孔内に形成したナノ結晶配列構造体のSEM写真を示す。図8の写真によれば、平坦な基板上ではなく、孔内の中空領域にもナノ結晶の規則配列からなるナノ結晶配列構造体が形成可能であることが確認された。
10…液槽
11…第1溶媒
12…第2溶媒
13…界面活性剤
14…配列媒体液
15…ナノ結晶
16…分散液
20…ナノ結晶配列構造体固定化基板
21…ナノ結晶配列構造体
22…基板

Claims (7)

  1. 第1溶媒の表面に界面活性剤を展開させた配列媒体液を調製する配列媒体液調製工程と、
    第2溶媒にナノ結晶を分散させた分散液を調製する分散液調製工程と、
    前記配列媒体液の表面に前記分散液を滴下する分散液滴下工程と、
    前記第2溶媒を気化させ、前記配列媒体液の表面に前記ナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を形成する配列構造体形成工程と、を有し、
    前記界面活性剤はカルボン酸系の界面活性剤であり、
    前記ナノ結晶はオレイン酸を含む環境下で水熱合成されたものであり、
    前記第1溶媒は極性媒体、前記第2溶媒は非極性媒体であり、前記第1溶媒と前記第2溶媒とは、互いに混和しないことを特徴とするナノ結晶配列構造体の製造方法。
  2. 前記ナノ結晶はチタン酸バリウムナノ結晶であることを特徴とする請求項1に記載のナノ結晶配列構造体の製造方法。
  3. 前記配列構造体形成工程では、前記分散液に含まれる前記ナノ結晶の濃度に応じて、前記配列媒体液の表面に配列させる前記ナノ結晶配列構造体の鉛直方向の積み数を調整することを特徴とする請求項1または2に記載のナノ結晶配列構造体の製造方法。
  4. 前記配列構造体形成工程において、前記第1溶媒の表面に展開させた前記界面活性剤の凝集力によって、前記ナノ結晶を前記第2溶媒の周囲に凝集させることを特徴とする請求項ないしいずれか一項に記載のナノ結晶配列構造体の製造方法。
  5. 前記界面活性剤はオレイン酸であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に記載のナノ結晶配列構造体の製造方法。
  6. 基板の一面にナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を固定化したナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法であって、
    第1溶媒の表面に界面活性剤を展開させた配列媒体液を調製する配列媒体液調製工程と、
    第2溶媒に前記ナノ結晶を分散させた分散液を調製する分散液調製工程と、
    前記配列媒体液の表面に前記分散液を滴下する分散液滴下工程と、
    前記第2溶媒を気化させ、前記配列媒体液の表面に前記ナノ結晶を配列させたナノ結晶配列構造体を形成する配列構造体形成工程と、
    前記配列構造体形成工程を経て前記配列媒体液の表面に形成された前記ナノ結晶配列構造体を基板の一面に転写させる転写工程を備え、
    前記界面活性剤はオレイン酸であり、
    前記ナノ結晶はチタン酸バリウムナノ結晶であり、
    前記第1溶媒は極性媒体、前記第2溶媒は非極性媒体であり、前記第1溶媒と前記第2溶媒とは、互いに混和しないことを特徴とするナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法。
  7. 前記転写工程を複数回繰り返し、前記基板の一面に複数の前記ナノ結晶配列構造体を積み上げることを特徴とする請求項記載のナノ結晶配列構造体固定化基板の製造方法。
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