JP3207886B2 - 金属酸化物薄膜の製造方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜の製造方法

Info

Publication number
JP3207886B2
JP3207886B2 JP24660891A JP24660891A JP3207886B2 JP 3207886 B2 JP3207886 B2 JP 3207886B2 JP 24660891 A JP24660891 A JP 24660891A JP 24660891 A JP24660891 A JP 24660891A JP 3207886 B2 JP3207886 B2 JP 3207886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
metal oxide
sol
solvent
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24660891A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0558604A (ja
Inventor
信夫 堤
勘治 坂田
豊喜 国武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Japan Science and Technology Agency
Tokuyama Corp
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Tokuyama Corp
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc, Tokuyama Corp, Japan Science and Technology Corp filed Critical Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Priority to JP24660891A priority Critical patent/JP3207886B2/ja
Publication of JPH0558604A publication Critical patent/JPH0558604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3207886B2 publication Critical patent/JP3207886B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子レベルで構造制御
された多層状で多孔質の金属酸化物薄膜を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物の薄膜合成には、金属酸化物
の数十オングストロームから数百オングストローム程度
の粒径をもつ粒子がコロイド状に水或いはアルコール等
の非水溶媒中に分散されたゾル溶液が使用されている。
また、薄膜合成方法としては、ディップコーティング
法,スピンコーティング法等が知られている。
【0003】しかし、これらの方法によると、金属酸化
物が粉状になり、薄膜を得ることが困難である。また、
ディップコーティング法,スピンコーティング法等で
は、金属アルコキサイドM(OR)nを前駆体としても金
属酸化物薄膜の合成が行われている。しかし、金属アル
コキサイドは、加水分解性が高いため、空気中での取扱
いが面倒である。また、薄膜化した際に加水分解重縮合
反応に伴って収縮が起きる。この収縮は、クラック発生
の原因となり、また均一な金属酸化物薄膜の作製を困難
にする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】各種金属酸化物ゾル
は、金属酸化物粒子の形態や大きさ,結晶性等の種類に
よってゾル溶液の性質が異なる。そこで、粒子の表面電
荷をアニオンやカチオンに帯電させることにより粒子の
均一分散性を保持したり、pH調節によって粒子の分散
性を向上させ、ゾルの安定化を図っている。
【0005】このようなゾル溶液をそのまま薄膜化しよ
うとすると、薄膜形成時の溶媒の蒸発速度の不均一性や
粒子同士の結合性の違い等に起因し、体積の収縮に伴っ
てクラックが発生する。そして、均一な膜厚や形態を有
する薄膜を得ることが困難になる。この問題を回避する
ため、金属酸化物のゾルをディップコーティング法やス
ピンコーティング法によって基板上に展開して、金属酸
化物の薄膜化が行われている。
【0006】しかし、基板や支持膜を使用するとき、コ
ーティング膜と基板との密着性や、膜形成時の体積の収
縮に耐える機械的強度が基板等に要求される。その結
果、使用可能な基板や支持膜の材質に制約が加わる。し
かも、コーティング膜も、厚い場合で10〜20μm,
薄い場合で0.1μm程度と薄膜化に限度がある。この
ような厚膜では、分子レベルで構造制御された薄膜とす
ることができない。
【0007】更に、金属酸化物ゾルからクラックのない
均一な金属酸化物薄膜をこれらの方法等で得るため、ポ
リビニルアルコールやポリエチレングリコール等のポリ
マーをバインダーとして添加する場合がある。このバイ
ンダーの添加によって、金属酸化物粒子が不安定化して
沈澱が生じたり、ゾルの粘度が上がる。そのため、膜が
不均一化したり、膜が厚くなり易く、しかも無定形の細
孔構造をもったものとなる。そのために、触媒等の担体
としては不適当であり、均一に金属酸化物の粒子が並ん
で配向したクラック等のない薄膜を得ることができな
い。
【0008】しかも、コーティング膜の場合、基板上に
コーティングした後、数百℃から数千℃の間で熱処理を
して焼成を行う必要がある。この焼成時に、粒子の凝集
が生じ、膜の体積収縮に伴ってクラックが発生する。そ
の結果、均一な膜厚や形態を保った膜を得ることが困難
である。また、粒子の凝集に伴い薄膜の表面積も減少す
るため、触媒や生化学用の担体,透過膜に応用するには
望ましくないものとなる。
【0009】以上のように、従来の金属酸化物ゾルから
薄膜を合成する方法では、金属酸化物薄膜の膜厚,細孔
構造等を分子レベルで制御することは困難である。
【0010】また、2種以上の金属酸化物から成る金属
酸化物薄膜を得ようとする際も、各金属酸化物ゾルを混
合するだけでは不均一であり、しかもゾル用溶液のpH
や粒子の電荷,大きさの違いによってゾルの不安定化や
沈澱が生じ、薄膜化することは困難である。そして、形
成された薄膜を焼成する際も、それぞれの金属酸化物粒
子の大きさや反応性が異なり、凝集度合いも違うため
に、体積収縮に差が生じてクラックが生じ易く、均一な
膜が得られない。
【0011】本発明は、このような問題を解決すべく案
出されたものであり、二分子膜形成能をもつ両親媒性化
合物を使用することにより、分子レベルで構造制御され
且つ所期の特性を備えた金属酸化物薄膜を製造すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の金属酸化物薄膜
製造方法は、その目的を達成するため、分子の両端に極
性基及び疎水基が付加され、水中又は有機溶媒中におい
て分子集合体を形成してなる両親媒性化合物と、前記分
子集合体を形成する溶媒系をその溶媒系とした金属酸化
物ゾルとを含有させて展開液を調製し、該展開液を基板
表面に展開した後、前記基板上に形成された液膜から溶
媒を除去することを特徴とする。
【0013】金属酸化物ゾル単独から薄膜コーティング
を行い、それらを数百℃の温度で焼成すると、微粒子が
二次的な凝集を起こして、クラック発生や体積の収縮が
起こる。しかし、両親媒性化合物を使用すると、分子レ
ベルでの微粒子配向性等が制御できるために、二次的な
凝集を抑えることができると共に、しかもゾル時の微粒
子形態を保持して薄膜化ができる。
【0014】溶媒が除去された薄膜は、両親媒性化合物
及び金属酸化物微粒子を含有している。この薄膜から両
親媒性化合物を抽出,或いはその後の熱処理等によって
燃焼消失させるとき、目的とする金属酸化物薄膜が得ら
れる。展開液には、金属酸化物ゾルの溶媒の種類に応じ
て水系や非水系の溶媒を使用することができる。
【0015】水系の場合には、水中で分子集合体を形成
することが知られている両親媒性化合物が使用できる。
これは、分子の両端に極性基及び疎水基が付加された化
合物である。極性基としては、スルホン酸塩,硫酸塩,
アンモニウム塩,ポリアミン塩,カルボン酸塩,スルホ
ニル塩,リン酸塩,ホスホン酸塩,ホスホニウム塩,ポ
リエーテル類,アルコール類,スルホニウム塩,糖残基
類等を含めたポリオール類及びこれらの基の組合せを使
用することができる。他方、疎水基としては、アルキル
基,アルキルアリル基,脂環基,縮合多環基及びこれら
の基の組合せを使用することができる。例えば、具体的
に以下に示している化合物1〜3に代表される化合物な
どが挙げられる。
【0016】また、非水系の場合には、フルオロカーボ
ン鎖を有し、有機溶媒に対する親和性がない基と極性基
とが分子の両端に付加され、有機溶媒中で分子集合体を
形成する両親媒性化合物を使用することができる。極性
基としては、前述の水中で分子集合体を形成する両親媒
性化合物の場合と同様の基が使用できる。他方、有機溶
媒に対する親和性がない基(以下、これを疎溶媒基とい
う)としては、フルオロカーボンを含むアルキル基,ア
ルキルアリル基,脂環基,縮合多環基及びこれらの基の
組合せを使用することができる。例えば、具体的に以下
に示している化合物4に代表される化合物などが挙げら
れる。
【0017】これらの両親媒性化合物を金属酸化物ゾル
の溶媒に応じて使い分けることにより、水系及び非水系
溶媒の展開液を調製し、分子レベルで構造制御された金
属酸化物薄膜を得ることができる。これらの両親媒性化
合物の特徴及び性質等の詳細は、特願平1−58889
号,特願平2−59019号で説明しているのでここで
は省略するが、両親媒性化合物は、付加された極性基や
疎水基が多種に用いられるため、その展開液もpHが酸
性,中性,アルカリ性のものを容易に調製でききる。
【0018】金属酸化物のゾルは、各種金属酸化物の微
粒子を溶媒中に均一に分散させたものであり、その粒子
は数十オングストロームから数百,数千オングストロー
ムの粒径をもっている。また、均一に分散させるため
に、溶媒も水性のものからアルコール系等の有機溶媒な
ど多種にわたり、カチオン,アニオン等の粒子の表面電
荷の種類によって、安定剤としてCl- ,CH3 COO
- ,NO3 -,NH3 +等の酸や塩基性のイオンが添加され
ている。
【0019】また、粒子の形状も、棒状,粒状,羽毛状
等様々なものがあり、結晶形も、アモルファスや各種の
結晶状態のものがある。
【0020】金属酸化物として、Al23 ,TiO
2 ,ZnO,Y23 ,SnO2 ,Sb23 ,SiO
2 ,CeO2 ,Sb25 ,V25 ,Fe23 等の
ゾルや、それらを混合した金属酸化物ゾルが使用でき
る。また、それら2種以上の金属酸化物からなる複合酸
化物やその他の各種金属酸化物の場合においても、ゾル
であれば用いることができるし、その溶媒も水性や非水
性のどのような種類でも用いることができる。
【0021】また、金属酸化物ゾルは、単独あるいは2
種以上の組合せでも使用することができる。さらに、金
属酸化物ゾルの他、数十オングストローム〜数千オング
ストローム粒径の金属酸化物の微粒子や微粉体等で、両
親媒性化合物の展開液に均一に分散するものであれば、
ゾルでなくても使用することができる。したがって、複
合酸化物薄膜の合成のためには、ゾルと微粉体との混合
も可能であるし、その他、ゾルと各種の金属アルコキサ
イドM(OR)n或いは両親媒性化合物を含む展開液に可
溶な金属塩との混合も可能である。また、ゾルと金属ア
ルコキサイドとの混合により、複合酸化物としての調製
法の他、金属アルコキサイドはゾル粒子間の架橋剤とし
て作用させることができる。
【0022】一般に、金属アルコキサイドは、加水分解
性が高く、アルコキシシラン以外では水中に添加すると
加水分解重縮合を起こして沈澱するため、水中への添加
はできない。そこで、特願平3−68047号に示すよ
うに、非水系で用いることが必要である。ここでは、そ
れらの詳細は省略するが、加水分解性の高い金属アルコ
キサイドM (OR)nでも、アルコール系等の溶媒を用い
た金属酸化物ゾルと混合し、更に両親媒性化合物を含有
する展開液を調製して使用することも可能である。使用
可能な金属アルコキサイドは、特願平3−068047
号で述べられた全てがあてはまるので、ここでは省略す
る。
【0023】展開液が展開される基板には、ガラス板,
石英板,フロロポア,グラファイト板,シリコン板,テ
フロン板,緻密ポリマーフィルム,多孔質ポリマーフィ
ルム等がある。基板の表面には、展開液の種類に応じて
親水化処理或いは疎水化処理を施しても良い、たとえ
ば、展開液が基板表面上の所定面積に展開されるよう
に、基板表面の一部を親水化し、残りの表面を疎水化す
ることも有効である。
【0024】基板上に展開された展開液から溶媒が除去
され、両親媒性化合物と金属酸化物ゾルの複合薄膜が形
成される。このとき、金属酸化物ゾルが両親媒性化合物
の分子集合体の規則性に従って存在するように、溶媒の
除去は徐々に行うことが好ましい。また、非水系でも、
分子集合体を形成する両親媒性化合物を用いて、金属酸
化物ゾルと金属アルコキサイドを混合した非水系の展開
液を調製した場合は、ドライボックス等の乾燥容器中で
溶媒を除去することによって、空気中のCO2ガスによ
る金属アルコキサイドの部分的な加水分解反応を更に抑
えることも可能である。
【0025】引き続いて、数百℃の温度下で複合薄膜を
焼成し、両親媒性化合物を消失させるか、焼成する前に
抽出剤で両親媒性化合物を抽出除去した後に、数百℃で
焼成して分子レベルで構造制御された金属酸化物薄膜を
得ることができる。また、金属酸化物ゾルに金属アルコ
キサイドを混合した場合、架橋性を高めるために化学的
処理或いは熱的処理を行い、ゾル粒子表面のM (OH)n
基と金属アルコキサイドのM′(OR)n基との加水分解
重縮合反応を促進させる。
【0026】化学的処理としては、酸性物質や塩基性物
質を使用した処理が掲げられる。たとえば、塩酸,硝
酸,硫酸,酢酸,アンモニア,アミン,水酸化ナトリウ
ム等の液体或いは溶液に複合薄膜を直接浸漬する処理
や、これら酸性或いは塩基性物質の蒸気に複合薄膜を晒
す処理等が有効である。また、複合薄膜を数百℃で熱処
理する方法も有効である。
【0027】
【作用】本発明者等は、多様な分子組織体を形成する両
親媒性化合物に着目し、この両親媒性化合物が形成する
分子組織体を反応場として金属酸化物ゾルを導入して、
分子レベルで構造制御された金属酸化物薄膜を製造する
ことが可能であると考え、鋭意研究を進めた結果、本発
明を完成するに至った。
【0028】分子の両末端に極性基及び疎水基を有する
両親媒性化合物は、水溶液等の媒体中に溶解或いは分散
したとき、球状,円盤状,棒状,筒状或いはラメラ状の
分子集合体を形成することが知られている(たとえば、
1983年学会出版センター発行 日本化学会編「分子
集合体−その組織化と機能」第106頁参照)。また、
ある種の両親媒性化合物は、生体膜と同様の二分子膜構
造を有した分子集合体を形成する。
【0029】二分子膜を形成する両親媒性化合物は、水
分媒体として得られるだけではなく、固体基板上に展開
した後で、水を徐々に除くことによって透明な自己支持
性を持つキャストフィルムに成型できる。そして、得ら
れたキャストフィルム内においても、規則的な二分子膜
構造が維持されている。これに対し、二分子膜形成能を
持たない両親媒性化合物、いわゆる一般の界面活性剤
は、自己支持性のキャストフィルムを成型することが困
難である。
【0030】更に、分子の両端に極性基及び疎水基及び
フルオロカーボン鎖を有する疎溶媒基をもつ両親媒性化
合物は、水のみならず、有機溶媒中でも分子集合体を形
成することが知られている。詳細については、特願平2
−59019号で説明しているのでここでは省略する
が、疎水性の高いフルオロカーボン鎖とより分子配向性
の高い炭化水素鎖とを組合せた疎溶媒基をもつ両親媒性
化合物を有機溶媒に溶解或いは分散させ、適宜の基板上
に展開することにより、分子レベルで規則的な配向性を
もった薄膜を得ることができる。
【0031】分子レベルで金属酸化物の粒子が規則性を
もって配向した微細構造をもつ金属酸化物薄膜は、数百
℃で焼成処理を施しても、金属酸化物粒子間の凝集現象
が起こりにくい。そのため、体積の収縮を抑えることが
できる。したがって、クラックの発生や膜厚の不均一性
も生じることなく、均一な金属酸化物薄膜が得られ、そ
の表面積も大きく、触媒や生化学用担体,その他の透過
膜,光学用材料等に応用できるものとなる。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。なお、本実施例で使用した両親媒性化合物は、
次式1〜4で表される化合物である。
【0033】
【化1】
【0034】実施例1:20mMの両親媒性化合物1を
純水に分散させた後、粒径100オングストロームのT
iO2 を6重量%含有した水性ゾル(pH10)を、両
親媒性化合物1の分散液75重量部に対し25重量部を
添加して分散させて、展開液を調製した。この展開液を
基板である酢酸セルロースフィルム枠で囲まれたフロロ
ポア(以下、これを単にフロロポアという)上に展開
し、温度25℃,湿度60%の雰囲気に3日間放置し
て、展開液の水分を蒸発させ、複合薄膜を得た。この複
合薄膜を電気炉に投入し、昇温速度0.1℃/分で昇温
し、300℃に10時間放置し、白色の酸化チタン薄膜
を得た。得られた薄膜は、十分な自己支持性をもってお
り、SEM観察で微粒子が層状に並んだ微細構造が認め
られた。
【0035】得られた酸化チタン薄膜の比表面積,細孔
容積,細孔分布をBET法によって測定した。また、比
較のために、両親媒性化合物を加えることなくTiO2
ゾル単独の溶液から同様の方法で薄膜を得ようとした。
しかし、この場合には、クラックが入り、均一な膜厚を
有した薄膜にならず粉末状のものが得られた。これらも
同様に300℃で処理して、BET法によって比表面積
等を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】両親媒性化合物を利用して得られた酸化チ
タン薄膜は、粒子の凝集が抑えられ、微細構造も規則性
をもった形態をとっている。そのため、表1に示されて
いるように、表面積が大きく、しかも微粒子が緻密化し
た薄膜となっている。
【0038】実施例2:50mMの両親媒性化合物3を
純水に分散させた後、粒径100オングストローム,p
H6.0の10重量%含有Al23 水性ゾルを両親媒
性化合物3の分散液70重量部に対して30重量部添加
し、更にアルコキシシランSi(OCH3)4 をAl2
3 ゾル9重量部に対して1重量部量添加して、展開液を
調製した。この展開液をフロロポア上に展開し、実施例
1と同様な条件下で水分を蒸発させて複合薄膜を得た。
Al23 粒子とアルコキシシランSi(OCH3)4
の架橋反応を促進するために、得られた複合薄膜をアン
モニア水蒸気を満たした密閉容器中に投入し、室温で3
日間放置した。次いで、クロロホルムで両親媒性化合物
3を抽出して、白色の薄膜を得た。得られた薄膜は、十
分な自己支持性をもっており、SEM観察で微粒子多孔
体の微細構造が認められた。
【0039】実施例3:100mMの両親媒性化合物4
をヘキサフルオロベンゼンに溶解させた後、粒径100
オングストローム,pH7,12重量%含有TiO2
タノールゾルを、両親媒性化合物4の分散液90重量部
に対し10重量部を添加し、展開液を調製した。この展
開液をガラス基板上に展開し、室温で2日間放置して、
溶媒を蒸発させて複合薄膜を得た。得られた複合薄膜を
電気炉中に投入し、昇温速度1℃/分で昇温し、500
℃に5時間放置し、白色の酸化チタン薄膜を得た。この
薄膜は、十分な自己支持性をもち、SEM観察で微粒子
が層状に並んだ微細構造が認められた。
【0040】比較例:有機溶媒中では分子集合体を形成
しない両親媒性化合物2を純水に分散させ、TiO2
タノールゾルを添加した。この場合、TiO2 粒子の沈
澱が生じ、均一な展開液が得られず、薄膜化できなかっ
た、また、両親媒性化合物を使用することなく、TiO
2 メタノールゾルだけから展開したとき、クラックが入
り、粉末状のものしか得られなかった。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、水系及び有機溶媒中でも分子集合体を形成する両親
媒性化合物の特徴を活用し、展開液を基板上に展開した
ときに両親媒性化合物から形成される規則的な分子配向
性をもった分子組織体を鋳型として使用し、金属酸化物
ゾルから金属酸化物薄膜を作製している。この方法によ
るとき、粒子径の大きさやゾルの溶媒,pH等に拘ら
ず、配向性が高くしかも分子レベルで金属酸化物の微粒
子の構造が制御でき、クラックのない自己支持性のある
薄膜が得られる。また、両親媒性化合物の種類や製造条
件を変えることにより、種々の微細構造をもつ金属酸化
物薄膜が得られる。
【0042】このように分子レベルで所定の細孔や層状
構造を有した薄膜は、たとえば光学材料,物質分離や吸
着作用の透過膜,触媒担体,固定化酵素用の生化学担
体,燃焼触媒担体,光電気化学膜,イオン電導体,電子
電導体,超電導体等の材料として、種々の用途に使用す
ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 国武 豊喜 福岡県粕屋郡志免町桜丘一丁目19−3 (56)参考文献 特開 昭62−237936(JP,A) 特開 平3−193608(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 13/14 C01G 1/02 C01G 23/04 C01F 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子の両端に極性基及び疎水基が付加さ
    、水中又は有機溶媒中において分子集合体を形成して
    なる両親媒性化合物と、前記分子集合体を形成する溶媒
    系をその溶媒系とした金属酸化物ゾルとを含有させて
    開液を調製し、該展開液を基板表面に展開した後、前記
    基板上に形成された液膜から溶媒を除去することを特徴
    とする金属酸化物薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶媒を除去した後の複合
    膜に対して熱的処理又は化学的処理を施し、両親媒性化
    合物を除去することを特徴とする金属酸化物薄膜の製造
    方法。
JP24660891A 1991-08-30 1991-08-30 金属酸化物薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3207886B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24660891A JP3207886B2 (ja) 1991-08-30 1991-08-30 金属酸化物薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24660891A JP3207886B2 (ja) 1991-08-30 1991-08-30 金属酸化物薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0558604A JPH0558604A (ja) 1993-03-09
JP3207886B2 true JP3207886B2 (ja) 2001-09-10

Family

ID=17150942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24660891A Expired - Fee Related JP3207886B2 (ja) 1991-08-30 1991-08-30 金属酸化物薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3207886B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2775399B2 (ja) * 1995-01-24 1998-07-16 工業技術院長 多孔質光触媒及びその製造方法
JP4882054B2 (ja) 2000-09-13 2012-02-22 独立行政法人科学技術振興機構 腹膜透析液およびその調製法
AU2003231423A1 (en) * 2002-05-09 2003-11-11 Toyoki Kunitake Thin film material and method for preparation thereof
BE1020692A3 (fr) * 2012-05-16 2014-03-04 Prayon Sa Procede de fabrication d'un materiau composite.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0558604A (ja) 1993-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20020024589A (ko) 발수성 다공질 실리카, 그의 제조 방법, 및 그의 용도
JP5429733B2 (ja) アルミナゾル及びその製造方法
KR20140104019A (ko) 셋 이상의 금속염으로부터 졸-겔의 제조 방법 및 세라믹 막 제조 방법의 용도
US20140037841A1 (en) Antireflective coatings with controllable porosity and durability properties using controlled exposure to alkaline vapor
US5983488A (en) Sol-casting of molten carbonate fuel cell matrices
JP3207886B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
JP3020241B2 (ja) チタンセラミック膜の製造方法
JPH05263045A (ja) 被膜形成用塗布液およびその製造方法
US7781369B2 (en) Mesoporous silica thick-film, process for producing the same, adsorption apparatus and adsorbing film
JPWO2009031622A1 (ja) 薄片状酸化チタンを配合した有機溶媒分散体及びその製造方法並びにそれを用いた酸化チタン膜及びその製造方法
CN1417270A (zh) 透明二氧化硅覆膜形成用涂覆溶液及透明二氧化硅覆膜的制造方法
JP3323532B2 (ja) 酸化アルミニウム薄膜の製造方法
JP5105780B2 (ja) シール材及びそのシール材を用いた固体酸化物形燃料電池
JP3078603B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
US20240228306A9 (en) Dispersion of exfoliated particles of layered polysilicate compound, and method for producing same
JP6277507B2 (ja) 無機固体イオン伝導体とその製造方法および電気化学デバイス
KR20110121020A (ko) 구형 산화물 입자 배열시 결함 발생을 감소시키는 방법
JP3076613B2 (ja) 金属酸化物薄膜の製造方法
JP4482679B2 (ja) 任意の表面特性及び表面形状を有する基体表面へのシリカ薄膜の製造方法及び複合構造体
ES2774084T3 (es) Procedimiento de preparación de una solución sol-gel que se puede usar para la preparación de una cerámica de titanato de bario dopado con hafnio y/o con al menos un elemento lantánido
JPH06199569A (ja) ジルコニア及びイットリア安定化ジルコニア成形物の製造方法
JP2927918B2 (ja) アルミノシリケート薄膜の製造方法
KR101808122B1 (ko) 안티블락킹 입자를 포함한 이형필름 제조 방법 및 그 이형필름
JP2005153027A (ja) 強誘電体メソ結晶担持薄膜及びその製造方法
JPH0726060B2 (ja) 有機けい素薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees