JP6966112B2 - 注入装置及び撮像システム - Google Patents

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Description

本発明は、所定の持続時間の間、所定範囲の画素値(CT値)が維持されるような造影剤の注入プロトコルを生成する生成装置、該生成装置を備える注入装置又は撮像システム、及び注入プロトコルを生成させるプログラムに関する。
近年、広い領域(例えば、被写体の頭尾方向に16cmの領域)を撮像できる医療用の撮像装置が登場した。このような撮像装置としては、東芝メディカルシステムズ株式会社製の「AquilionONE(登録商標)」等がある。これにより、被写体の広い撮像部位において、所定の持続時間にわたって所定範囲の画素値を持続することが要望されている。
すなわち、オペレーターが入力した持続時間にわたって、入力された値から所定範囲内の画素値を持続することが要望されている。例えば、被写体の冠動脈を撮像する場合には、所望の画素値を10秒間持続させたいという要望がある。また、冠動脈の石灰化部分の画素値が500HU程度であるため、冠動脈の画素値が500HUに至らないように、例えば400HUから所定範囲内の画素値を持続させたいという要望がある。
画素値が最適値に近似する状態を持続させる方法として、特許文献1には、造影剤の注入速度を時間経過により変化させる可変パターンをデータ登録し、該可変パターンに対応して造影剤の注入速度を経時的に変化させる方法が開示されている。例えば、注入開始から所定時間までは注入速度を線形に低下させて以後は注入速度を一定に維持するパターンと、注入開始から所定時間までは注入速度を線形に低下させて以後は注入速度を線形に上昇させるパターンと、が開示されている。
特開2004−113475号公報
特許文献1に記載の方法では、被写体の体重、撮像部位及び造影剤の種別に基づいて可変パターンを生成している。そのため、オペレーターが望む画素値を得ることができない場合がある。また、特許文献1の図7又は図10に記載されているように、タイムデンシティカーブ(TDC)に大きなピークが生じてしまう。したがって、ピーク時の画素値が所望の画素値を大きく超えてしまう場合がある。そのため、オペレーターが入力した持続時間の間、所望範囲の画素値を持続できない場合がある。
上記課題を解決するため、本発明の一例としての注入装置は、造影剤を注入するための注入装置であって、被写体の撮像部位において所定の持続時間にわたって所定範囲の画素値が維持されるような前記造影剤の注入プロトコルを生成する生成装置と、前記画素値及び前記持続時間の少なくとも一方を入力する入力部と、前記注入プロトコルに従って前記造影剤を注入する注入ヘッドとを備え、前記生成装置は、前記撮像部位の情報を取得する撮像情報取得部と、前記被写体の情報を取得する被写体情報取得部と、前記入力部を介して前記画素値及び前記持続時間の少なくとも一方の情報を取得する撮像条件取得部と、前記取得された画素値又は前記取得された持続時間に基づいて前記注入プロトコルを生成するプロトコル生成部とを有する。
これにより、被写体を撮像する際に、オペレーターが望む範囲の画素値を得ることができる。また、オペレーターが入力した持続時間にわたって、この所望範囲の画素値を持続させることができる。
また、本発明の他の例としての生成装置は、被写体の撮像部位において所定の持続時間にわたって所定範囲の画素値が維持されるような造影剤の注入プロトコルを生成する生成装置であって、前記撮像部位の情報を取得する撮像情報取得部と、前記被写体の情報を取得する被写体情報取得部と、前記画素値及び前記持続時間の少なくとも一方の情報を取得する撮像条件取得部と、前記取得された画素値又は前記取得された持続時間に基づいて、前記注入プロトコルを生成するプロトコル生成部とを有する。
また、本発明の他の例としての撮像システムは、被写体を撮像する医療用の撮像装置と、上記生成装置とを備える。
また、本発明の他の例としてのプログラムは、被写体の撮像部位において所定の持続時間にわたって所定範囲の画素値が維持されるような造影剤の注入プロトコルを生成装置に生成させるプログラムであって、前記プログラムは前記生成装置を、前記撮像部位の情報を取得する撮像情報取得部、前記被写体の情報を取得する被写体情報取得部、前記画素値及び前記持続時間の少なくとも一方の情報を取得する撮像条件取得部、及び前記取得された画素値又は前記取得された持続時間に基づいて、前記注入プロトコルを生成するプロトコル生成部、として機能させる。
本発明のさらなる特徴は、添付図面を参照して例示的に示した以下の実施例の説明から明らかになる。
撮像システムの概略図である。 注入装置の概略ブロック図である。 注入プロトコル生成を説明するためのフローチャートである。 入力画面を示す概略図である。 拡大表示を示す概略図である。 第1実施形態に係るタイムデンシティカーブを示すグラフである。 第1実施形態に係る注入プロトコルを示すグラフである。 第2実施形態に係るタイムデンシティカーブを示すグラフである。 第2実施形態に係る注入プロトコルを示すグラフである。 変形形態に係る撮像装置の概略ブロック図である。 大動脈弓から末梢動脈までの範囲Tを示す。
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状、構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、上下とは重力方向における上方向と下方向とにそれぞれ対応する。
[第1実施形態]
図1に示すように、撮像システム100は、造影剤を注入するための注入装置2と、注入装置2に有線又は無線で接続され且つ被写体を撮像する医療用の撮像装置3とを備えている。この撮像装置3としては、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、CT(Computed Tomography)装置、アンギオ撮像装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、CTアンギオ装置、MRアンギオ装置、超音波診断装置、及び血管撮像装置等の各種医療用の撮像装置があるが、第1実施形態ではCT装置について説明する。
撮像装置3は、撮像プランに従って被験者の撮像を行う撮像部31と、撮像装置3の全体を制御する制御装置32と、表示部としてのディスプレイ33とを有している。なお、制御装置32とディスプレイ33とは、一体的に構成することもできる。また、撮像装置3は、注入装置2と有線又は無線で接続される。例えば、撮像装置3と注入装置2とは、ゲートウェイ装置(不図示)を介して接続できる。
撮像プランには、撮像部位、実効管電圧、機種名、メーカー名、撮像時間、管電圧、撮像範囲、回転速度、ヘリカルピッチ、曝射時間、線量及び撮像方法等の情報が含まれている。そして、制御装置32は、撮像プランに従うように撮像部31を制御して被験者を撮像する。また、制御装置32は、ディスプレイ33に接続されており、ディスプレイ33には、装置の入力状態、設定状態、撮像結果、及び各種情報等が表示される。
撮像部31は、寝台と、被写体である被験者にX線を照射するX線源と、被験者を透過したX線を検出するX線検出器等を有している。そして、撮像部31は、被験者にX線を曝射し、被験者を透過したX線に基づいて被験者の体内を逆投影することで、被験者の透視画像を撮像する。なお、撮像部31は、X線に代えて、ラジオ波又は超音波を用いて撮像してもよい。また、制御装置32は、撮像部31及び注入装置2等と有線又は無線で通信を行うことができる。
注入装置2は、シリンジに充填された薬液、例えば、生理食塩水及び各種造影剤等を被写体としての被験者の体内に注入する。また、注入装置2は、注入プロトコルに従って造影剤を注入する注入ヘッド21を備えている。この注入ヘッド21はヘッドディスプレイ211を有し、薬液が充填されたシリンジが搭載される。また、注入装置2は、注入ヘッド21を保持するスタンド22と、注入ヘッド21に有線又は無線で接続されたコンソール23とを有する。
コンソール23は、注入ヘッド21を制御する制御装置として機能すると共に、被写体の撮像部位において所定の持続時間にわたって所定範囲の画素値が維持されるような造影剤の注入プロトコルを生成する生成装置としても機能する。また、コンソール23は、入力・表示部として機能するタッチパネル26を備え、注入ヘッド21及び撮像装置3等と有線又は無線で通信を行うことができる。なお、注入装置2は、タッチパネル26に代えて、表示部としてのディスプレイと、入力部としてのキーボード等のユーザインタフェースとを備えていてもよい。
また、注入装置2は、コンソール23に代えて、注入ヘッド21に接続された制御装置と、該制御装置に接続され且つ薬液の注入状況等が表示される表示部(タッチパネルディスプレイ等)とを有していてもよい。このような制御装置も、注入プロトコルの生成装置として機能する。また、注入ヘッド21及び制御装置は、スタンド22と一体的に構成することもできる。また、スタンド22に代えて天吊部材を設け、該天吊部材を介して天井から注入ヘッド21を天吊することもできる。
また、注入装置2は、電源又はバッテリー、コンソール23に接続されるハンドスイッチ、及び注入ヘッド21を遠隔操作する遠隔操作装置等を有していてもよい。この遠隔操作装置は、注入ヘッド21を遠隔操作して注入を開始又は停止することができる。また、電源又はバッテリーは、注入ヘッド21又は制御装置(コンソール23)のいずれかに設けることができ、これらとは別に設けることもできる。
注入ヘッド21は、シリンジが搭載されるシリンジ保持部を有すると共に、注入プロトコルに従ってシリンジ内の薬液を押し出す駆動機構を内蔵している。この注入プロトコルには、少なくとも注入速度及び注入時間が含まれているが、注入量、注入タイミング、造影剤濃度及び注入圧力等の注入条件に関する情報を含めてもよい。また、注入ヘッド21は、注入条件、注入状況、装置の入力状態、設定状態、及び各種注入結果等が表示されるヘッドディスプレイ211と、駆動機構の動作を入力するための操作部212とを有している。
操作部212には、駆動機構の前進ボタン、駆動機構の後進ボタン、又は最終確認ボタン等が設けられている。なお、造影剤が注入される際には、注入ヘッド21に搭載されたシリンジの先端部に延長チューブ等が接続される。そして、延長チューブの接続等の注入準備が完了すると、オペレーターが最終確認ボタンを押す。これにより、注入ヘッド21は、注入を開始できる状態で待機する。その後、シリンジから押し出された造影剤は、延長チューブ等を介して、被験者の体内へ注入される。
注入ヘッド21には、例えば、RFIDチップ、ICタグ、バーコード等のデータキャリアを有するプレフィルドシリンジ等の、種々のシリンジを搭載することができる。そして、注入ヘッド21は、シリンジに取り付けられたデータキャリアの読み取りを行う読取部213(図2)を内蔵している。このデータキャリアには、薬液に関連する薬液情報が記憶されている。薬液情報としては、製品名称、製品ID、化学分類、含有成分、濃度、粘度、消費期限、シリンジ容量、シリンジ耐圧、シリンダ内径、ピストンストローク及びロット番号等がある。
撮像装置3は、不図示のサーバー(外部記憶装置)から情報を受信することができ、サーバーへ情報を送信することもできる。一方、注入装置2は、内部又は外部のゲートウェイ装置を介して、サーバーから情報を受信することができ、サーバーへ情報を送信することもできる。このようなサーバーとしては、例えば、RIS(Radiology Information System)、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)、及びHIS(Hospital Information System)等がある。また、検像システム又は画像作成用ワークステーション等を用いることもできる。
サーバーには、予め検査オーダーが記憶されている。この検査オーダーは、被験者に関する被写体情報と、検査内容に関する検査情報とを含んでいる。この被写体情報は、被写体の体重、除脂肪体重、循環血液量、被験者番号(被験者ID)、被験者氏名、性別、生年月日、年齢、身長、血液量、体表面積、被験者の疾病、心拍数、及び心拍出量等を含む。また、検査情報としては、検査番号(検査ID)、検査部位、検査日時、薬液種類、薬液名称、及び撮像条件(撮像部位等)等を含む。また、サーバーは、撮像装置3から送信された画像のデータ等の撮像結果に関する情報と、注入装置2から送信された注入結果に関する情報を記憶することができる。
続いて、図2〜図7を参照して、注入プロトコルの生成について説明する。なお、図2は注入装置2の概略ブロック図であり、図3は注入プロトコルの生成を説明するフローチャートである。また、図4及び図5はタッチパネル26に表示される画面を示している。
図2に示すように、注入装置2は、薬液を注入する注入ヘッド21と、コンソール23とを備えている。そして、コンソール23は、制御プログラム、注入プロトコルに関する情報、及び薬液に関する情報等が記憶されている記憶部24と、注入ヘッド21を含む注入装置2の全体を制御するCPU等の制御部25と、表示・入力部としてのタッチパネル26とを有している。このタッチパネル26は、注入プロトコル、装置の入力状態、設定状態、注入結果、及び各種情報等が表示される表示部として機能する。また、オペレーターは、入力部としてのタッチパネル26を介して所定の指令又は情報等を入力することができる。
また、記憶部24は、制御部25が動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、プログラム若しくはシステムソフトウェア等を格納するROM(Read Only Memory)、又はハードディスクドライブ等を有する。なお、制御部25は、CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバー等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って各種処理を制御することもできる。
制御部25は、薬液に関する薬液情報を取得する薬液情報取得部11と、撮像部位の情報を取得する撮像情報取得部12と、被写体に関する被写体情報を取得する被写体情報取得部13と、画素値及び持続時間の少なくとも一方の撮像条件を取得する撮像条件取得部14と、表示部26を制御する表示制御部15と、取得された画素値又は取得された持続時間に基づいて注入プロトコルを生成するプロトコル生成部16とを備えている。なお、撮像部位の情報は、撮像部位名には限られず、薬液の注入部位から撮像部位までの距離等、撮像部位を特定できる情報であってもよい。
そして、記憶部24に実装されたプログラムに対応して制御部25が各種処理を実行することにより、各部が各種機能として論理的に実現される。このプログラムは、コンピューターとしての生成装置23を、撮像部位の情報を取得する撮像情報取得部12、被写体の情報を取得する被写体情報取得部13、画素値及び持続時間の少なくとも一方の情報を取得する撮像条件取得部14、及び取得された画素値又は取得された持続時間に基づいて、注入プロトコルを生成するプロトコル生成部16として機能させるプログラムである。なお、このプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記憶されている。
オペレーターが注入装置2の電源をオンにした後に、注入ヘッド21にシリンジを搭載すると、注入ヘッド21の読取部213は、薬液情報(例えば製品ID)を読み取って制御部25に送る。そして、図3に示すように、薬液情報取得部11は、読取部213が読み取った薬液情報を取得する(S11)。なお、薬液情報取得部11は、撮像装置3又は外部サーバー等から薬液情報を取得することもできる。また、薬液情報取得部11は、入力部としてのタッチパネル26を介して、オペレーターが入力した薬液情報を取得することもできる。
そして、製品IDを取得すると、プロトコル生成部16は、製品IDを薬液情報として記憶部24に一時的に記憶させる。同時に、表示制御部15は、製品IDに基づく製品名称及びヨード含有量等をタッチパネル26の薬剤情報表示欄317に表示させる。
続いて、オペレーターは、タッチパネル26に表示された複数の部位の中から所望の撮像部位(例えば、腹部)を選択して触れる。すると、撮像情報取得部12は、入力部としてのタッチパネル26を介して、入力された撮像部位を取得する(S12)。そして、プロトコル生成部16は、撮像部位を記憶部24に一時的に記憶させる。なお、撮像情報取得部12は、撮像装置3又は外部サーバー等から撮像部位を取得することもできる。その後、表示制御部15は、表示部としてのタッチパネル26に被写体情報等の入力画面(図4)を表示させる(S13)。なお、図4では、撮像部位として腹部が入力された状態を示している。
そして、オペレーターは、タッチパネル26を介して被写体情報(例えば、被写体の体重)を入力する。図4では、例として60kgが入力された状態を示している。すると、被写体情報取得部13は、入力部としてのタッチパネル26を介して、被写体の体重を取得する(S14)。なお、被写体情報取得部13は、撮像装置3、外部サーバー又は外部測定装置(例えば体重計)等から被写体の情報を取得することもできる。そして、プロトコル生成部16は、体重を記憶部24に一時的に記憶させる。同時に、表示制御部15は、表示部としてのタッチパネル26に、体重を表示させる。
なお、薬液情報、撮像情報、被写体情報及び撮像条件の取得の順序は、適宜変更することができる。例えば、撮像情報として撮像部位を取得した後に、薬液情報として製品IDを取得してもよい。また、薬液情報、撮像情報及び被写体情報は、検査前に記憶部24に記憶させておくこともできる。この場合、薬液情報取得部、撮像情報取得部及び被写体情報取得部は、記憶部24から情報を取得することもできる。特に薬液情報取得部は、読取部213から薬液情報を取得しない場合には、記憶部24から所定の薬液情報を取得する。
ここで、記憶部24には、推奨される注入プロトコルと、該注入プロトコルに応じた画素値、持続時間及びタイムデンシティカーブが、予め初期設定として記憶されている。そして、プロトコル生成部16は、一時的に記憶された薬液情報(製品ID)、撮像情報(撮像部位)及び被写体情報(体重)に対応する初期設定を、記憶部24から読み出す(S15)。すると、表示制御部15は、表示部としてのタッチパネル26に初期設定を表示させる(S16)。なお、初期設定は、実験等によって予め求めておくことができる。
すなわち、表示部としてのタッチパネル26は、初期設定に対応する画素値及び持続時間と、タイムデンシティカーブ313とを表示する。同時に、表示制御部15は、造影剤の注入速度及び注入量の少なくとも一方を、タイムデンシティカーブ313と共にタッチパネル26に表示させる。そして、オペレーターは、表示された初期設定を見て、初期設定の画素値と、該画素値を維持する持続時間と、タイムデンシティカーブ313とを確認する。なお、タイムデンシティカーブ313の縦軸は画素値(HU)を示し、横軸は注入開始からの時間(秒)を示している。
設定を変更する必要がない場合は(S17でNO)、注入プロトコルの生成が終了する。その後、オペレーターは、タッチパネル26に表示されたチェックボタン311又は注入ヘッド21の最終確認ボタンを押す。これにより、注入準備が完了して、注入装置2は注入可能状態で待機する。
一方、初期設定を変更する場合(S17でYES)、オペレーターは、タッチパネル26の入力欄312に画素値及び/又は持続時間を入力する、又は入力欄312に表示された画素値及び/又は持続時間を選択する。なお、オペレーターは、タイムデンシティカーブ313の縦軸方向に延びたバー314に左右させて持続時間を入力することもできる。また、オペレーターは、タイムデンシティカーブのピーク部分315を上下させて画素値を入力することもできる。例として、図4では、画素値として400HUが選択され、持続時間として15secが選択された状態を示している。
図5に示すように、画素値及び持続時間の少なくとも一方の入力がなされると、表示制御部15は、タイムデンシティカーブ313を表示部としてのタッチパネル26に拡大表示させる。そして、表示部としてのタッチパネル26は、入力された画素値及び持続時間に対応するタイムデンシティカーブ313を表示する。同時に、表示制御部15は、造影剤の注入速度及び注入量の少なくとも一方を、タイムデンシティカーブ313と共に表示部に表示させる。なお、表示制御部15は、オペレーターがタイムデンシティカーブ313に触れた時に、タイムデンシティカーブ313を拡大して表示させてもよい。
また、図5では、注入速度及び注入量の両方が表示欄316に表示されている。具体的には、タイムデンシティカーブ313の上方の表示欄316に、最大注入速度と注入量とが表示されている。そして、図5に示す拡大画面においても、タイムデンシティカーブ313のバー314又はタイムデンシティカーブのピーク部分315によって、オペレーターは持続時間又は画素値を入力することができる。また、バー314又はピーク部分315は、いずれも段階的に変更することができる。
撮像条件取得部14は、入力部としてのタッチパネル26を介して、撮像条件として、入力された画素値及び持続時間の少なくとも一方の情報を取得する(S18)。そして、プロトコル生成部16は、取得された画素値又は取得された持続時間に基づいて注入プロトコルを生成する(S19)。具体的に、記憶部24は、薬液情報(製品ID)、撮像情報(撮像部位)及び被写体情報(体重)のそれぞれについて、少なくとも所定の画素値又は所定の持続時間に対応する、若しくは所定のタイムデンシティカーブに対応する複数の注入プロトコルを記憶している。そして、プロトコル生成部16は、入力された変更後の画素値又は持続時間に対応する注入プロトコルを、記憶部24から読み出すことにより、注入プロトコルを生成する。これにより、注入プロトコルの生成が終了する。
そして、表示制御部15は、このように生成された注入プロトコルに含まれる注入速度及び注入量をタッチパネル26に表示する。なお、図5では、表示欄316の右側部分に生理食塩水の注入プロトコルが表示されている。さらに、注入プロトコルが後述する二段階可変パターンとなる場合、表示制御部15は、表示欄316の左側に第1フェーズを示し、表示欄316の右側に第2フェーズを示してもよい。
ここで、図6を参照して、注入プロトコルについて説明する。なお、第1実施形態においては、オペレーターが、画素値350HU又は400HU、及び持続時間10秒又は15秒を選択して入力でき、記憶部24はこれらに対応する注入プロトコルを記憶している。ただし、記憶部24は、これ以外の注入プロトコルを記憶していてもよい。
図6は、画素値350HU及び持続時間10秒が入力された場合のタイムデンシティカーブAと、画素値350HU及び持続時間15秒が入力された場合のタイムデンシティカーブBと、画素値400HU及び持続時間10秒が入力された場合のタイムデンシティカーブCと、画素値400HU及び持続時間15秒が入力された場合のタイムデンシティカーブDとを示すグラフである。なお、図6において、縦軸は画素値(HU)を示し、横軸は注入開始からの時間(秒)を示している。
タイムデンシティカーブAにおいては、注入開始後19秒〜29秒の10秒間、画素値350HUよりも大きい所定の範囲内の画素値が維持されている。また、タイムデンシティカーブBにおいては、注入開始後24秒〜39秒の15秒間、画素値350HUよりも大きい所定の範囲内の画素値が維持されている。また、タイムデンシティカーブCにおいては、注入開始後18秒〜28秒の10秒間、画素値400HUよりも大きい所定の範囲内の画素値が維持されている。また、タイムデンシティカーブDにおいては、注入開始後19.5秒〜34.5秒の15秒間、画素値400HUよりも大きい所定の範囲内の画素値が維持されている。
なお、所望の画素値が維持される所定範囲としては、選択された画素値からプラスマイナス50HUの範囲が考えられる。ただし、入力された画素値からプラス50HUの範囲がより好ましい。これにより、タイムデンシティカーブが、選択された画素値を下回ることがないので、より確実に所望の画素値を得ることができる。
初期設定を変更する場合、オペレーターは、タッチパネル26を介して、画素値350HU又は400HU、及び持続時間10秒又は15秒を選択して入力する。すると、プロトコル生成部16は、入力された画素値又は持続時間に対応する注入プロトコルを、記憶部24から読み出す。具体的に、プロトコル生成部16は、以下の表1に示された4つの注入プロトコルの内、入力された画素値及び持続時間に対応する1つの注入プロトコルを読み出す。
Figure 0006966112
なお、表1は、ヨード含有量300mg/mLの造影剤を使用し、被験者の体重を60kgに設定し、撮像部位を冠動脈に設定した場合の注入プロトコルを示している。また、第1フェーズ、第2フェーズ、第3フェーズのそれぞれでは、最高注入速度で注入を開始し、最低注入速度で注入を終了する。さらに、各フェーズにおいて、注入開始から注入終了までは注入速度を線形に低下させている。そして、注入の最後には、生理食塩水によるフラッシュが行われる。このフラッシュによって、穿刺部から撮像部位まで造影剤を後押しすることができる。なお、生理食塩水の注入速度は、増減させてもよい。
表1及び図7を参照して、タイムデンシティカーブAに対応する撮像条件(画素値350HU及び持続時間10秒)が入力された場合の注入プロトコルA’について説明する。なお、図7は、表1の注入プロトコルを示すグラフであり、縦軸が注入速度(ml/sec)を示し、横軸が注入開始からの経過時間(秒)を示している。
図6の注入プロトコルA’において、注入開始直後の第1フェーズでは、注入速度4.0ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度3.5ml/secで第1フェーズを終了する。また、第1フェーズに続く第2フェーズでは、注入速度3.4ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度3.1ml/secで第1フェーズを終了する。
同様に、図6のタイムデンシティカーブBに対応する撮像条件(画素値350HU及び持続時間15秒)が入力された場合の注入プロトコルB’の注入開始直後の第1フェーズにおいては、注入速度5.0ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度4.0ml/secで第1フェーズを終了する。また、第1フェーズに続く第2フェーズでは、注入速度3.0ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度2.8ml/secで第2フェーズを終了する。さらに、第2フェーズに続く第3フェーズでは、注入速度2.5ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度2.2ml/secで第3フェーズを終了する。
同様に、図6のタイムデンシティカーブCに対応する撮像条件(画素値400HU及び持続時間10秒)が入力された場合の注入プロトコルC’においては、注入開始直後の第1フェーズでは、注入速度5.0ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度4.3ml/secで第1フェーズを終了する。また、第1フェーズに続く第2フェーズでは、注入速度3.8ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度3.5ml/secで第2フェーズを終了する。
同様に、図6のタイムデンシティカーブDに対応する撮像条件(画素値400HU及び持続時間15秒)が入力された場合の注入プロトコルD’においては、注入開始直後の第1フェーズでは、注入速度5.0ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度4.2ml/secで第1フェーズを終了する。また、第1フェーズに続く第2フェーズでは、注入速度3.7ml/secから注入を開始する。そして、注入速度を徐々に減らして、注入速度3.4ml/secで第2フェーズを終了する。
このように、プロトコル生成部16は、注入速度が第1の減少率で線形に低下する第1フェーズと、第1フェーズに続く第2フェーズであって、第1の減少率よりも小さい第2の減少率で注入速度が線形に低下する第2フェーズとを含む注入プロトコルを生成する。なお、徐々に減速する注入速度の単位時間当たりの変化率(以下、減少率という)は、開始時注入速度をV1とし、終了時注入速度をV2とし、注入量をQとすると、(V1−V2)/Qで求められる。
図7に示すように、第2フェーズでは第1フェーズよりも減速の程度が緩やかとなる。すなわち、第1フェーズにおける減少率は、第2フェーズにおける減少率よりも大きい。具体的に、注入プロトコルA’においては、第1フェーズでの減少率が0.05であり、第2フェーズでの減少率が約0.004である。
同様に、注入プロトコルB’においては、第1フェーズでの減少率が0.04であり、第2フェーズでの減少率が約0.003である。そして、注入プロトコルB’の第3フェーズでの減少率は0.012である。また、注入プロトコルC’においては、第1フェーズでの減少率が0.028であり、第2フェーズでの減少率が約0.004である。また、注入プロトコルD’においては、第1フェーズでの減少率が0.032であり、第2フェーズでの減少率が約0.003である。
ところで、本発明者らの研究により、第1フェーズで注入速度を線形に低下させた後に、第2フェーズで注入速度を一定に維持した場合は、画素値のピークに到達するまでの時間が短く、ピークへ到達した後に長い時間で画素値が減少することが分かっている。すなわち、タイムデンシティカーブはピークに到達するまで急峻に立ち上がり、その後に緩やかに降下する。したがって、持続時間の前半に画素値がピークに到達するため、所望の画素値を長時間維持しようとすると、ピーク時の画素値を高く設定する必要がある。その結果、ピーク時の画素値が所望の画素値を大きく超えてしまう。
一方、第1フェーズにおいて注入速度を大きな減少率で線形に低下させた後に、第2フェーズにおいて注入速度を小さい減少率で線形に低下させた場合、画素値のピークに到達するまでの時間が長く、ピークへ到達した後は短時間で画素値が減少することが分かった。すなわち、タイムデンシティカーブは急峻に立ち上がり、その後にピークに到達するまで緩やかに上昇して、ピークへ到達した後に急峻に降下する。換言すると、画素値がピークに到達するタイミングを遅くすることができる。したがって、持続時間の後半に画素値がピークに到達するため、所望の画素値を長時間維持しても、ピーク時の画素値が所望の画素値を大きく超えてしまうことがない。
なお、第1フェーズ及び第2フェーズにおいて、注入速度を線形に低下させる注入プロトコルには、直線形に低下させる注入プロトコルと、曲線形に低下させる注入プロトコルとを含む。また、フェーズの数は2回又は3回に限られず、4回以上であってもよい。
以上説明した第1実施形態に係る発明によれば、オペレーターが望む範囲の画素値を得ることができる注入プロトコルを生成できる。また、オペレーターが入力した持続時間の間、所望範囲の画素値を持続させることができる注入プロトコルを生成できる。これにより、略台形のタイムデンシティカーブを実現できるため、画素値に大きなピークが生じて、ピーク時の画素値が所望の画素値を大きく超えてしまうことを抑制できる。
また、入力したタイムデンシティカーブを実現できるため、所望の画素値に到達するまでの到達時間を設定することもできる。例えば、注入開始から13秒後に400HUの画素値に到達するようなタイムデンシティカーブを入力することにより、被写体が変わった場合であっても到達時間を一定にすることができる。
さらに、オペレーターは、ボーラストラッキング法(Prep)を用いなくとも、撮像部位が所望の画素値に到達する到達時刻を把握することができる。そのため、スキャン時間を短くすることができるので、被写体が被曝する放射線量を減らすことができる。
なお、プロトコル生成部16は、記憶部24から入力された画素値に対応する注入プロトコルを先に検索し、その後、検索された注入プロトコルの中から入力された持続時間に対応する注入プロトコルを読み出すことによって、注入プロトコルを生成してもよい。この場合、プロトコル生成部16は、入力された画素値に最も近い画素値と関連付けられた注入プロトコルを記憶部24から検索する。次いで、プロトコル生成部16は、検索結果に含まれる複数の注入プロトコルの中から、入力された持続時間に最も近い持続時間と関連付けられた注入プロトコルを検索する。
このように、画素値と関連付けられた注入プロトコルを先に検索することにより、検索された注入プロトコルによって得られる画素値を、所望の画素値に最も近似させることができる。すなわち、持続時間と関連付けられた注入プロトコルを先に検索した場合、所望の画素値から所定範囲内の画素値を得られるとしても、最も近似する画素値が得られる注入プロトコルが検索結果から除かれる可能性がある。しかし、画素値と関連付けられた注入プロトコルを先に検索することにより、そのような可能性を排除することができる。
[第2実施形態]
続いて、図8及び図9を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、複数の画素値又は複数の持続時間を設定することができる。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、第1実施形態で説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
図8は、画素値300HU及び持続時間15秒の第1タイムデンシティカーブEと、画素値300HU及び持続時間10秒の第2タイムデンシティカーブFとが結合されたタイムデンシティカーブを示すグラフである。なお、図8において、縦軸は画素値(HU)を示し、横軸は注入開始からの時間(秒)を示している。また、図9において、縦軸が注入速度(ml/sec)を示し、横軸が注入開始からの経過時間(秒)を示している。
第1タイムデンシティカーブEにおいては、注入開始後16秒〜30秒の15秒間、画素値300HUから所定の範囲内の画素値が維持されている。また、第2タイムデンシティカーブFにおいては、注入開始後62秒〜72秒の10秒間、画素値300HUよりも大きい所定の範囲内の画素値が維持されている。
第2実施形態においても、初期設定として、例えば画素値400HU及び持続時間15秒が設定される。そして、初期設定を変更する場合、オペレーターは、タッチパネル26を操作して、画素値として300HU、及び複数の持続時間として10秒と15秒とを入力する。すると、撮像条件取得部14は、入力部としてのタッチパネル26を介して、入力された画素値及び持続時間の少なくとも一方の情報を、撮像条件として取得する。
プロトコル生成部16は、取得された画素値又は取得された持続時間に基づいて注入プロトコルを生成する。具体的に、プロトコル生成部16は、入力された変更後の画素値又は持続時間に対応する注入プロトコルを、記憶部24から読み出すことにより、注入プロトコルを生成する。これにより、注入プロトコルの生成が終了する。
ここで、記憶部24は、第1実施形態の注入プロトコルに加えて、以下の表2に示された注入プロトコルを記憶している。そして、プロトコル生成部16は、入力された画素値及び持続時間に対応する注入プロトコルとして、この注入プロトコルを読み出す。なお、表2は、ヨード含有量300mg/mLの造影剤を使用し、被験者の体重を60kgに設定し、撮像部位は肝動脈及び門脈(肝門脈)に設定した場合の注入プロトコルを示している。そして、第1タイムデンシティカーブEは肝動脈に対応し、第2タイムデンシティカーブFは門脈に対応する。
Figure 0006966112
図9に示すように、第2実施形態に係る第1注入プロトコルE’においては、第1フェーズでの減少率が0.04であり、第2フェーズでの減少率が約0.008である。また、第3フェーズはインターバルであり、一定の注入速度で造影剤を注入している。そして、第2注入プロトコルF’においては、第4フェーズでの減少率が約0.107であり、第5フェーズでの減少率が約0.003である。すなわち、第2実施形態に係る注入プロトコルは、第1タイムデンシティカーブEに対応する第1及び第2フェーズを含む第1注入プロトコルE’と、第2タイムデンシティカーブFに対応する第4及び第5フェーズを含む第2注入プロトコルF’とが、インターバル(第3フェーズ)を介して結合して生成されている。
以上説明した第2実施形態に係る発明によれば、1回の検査で複数の撮像部位を撮影することができる。例えば、注入開始後16秒〜30秒のタイミングで肝動脈を撮像し、注入開始後62秒〜72秒のタイミングで門脈を撮像できる。また、第3フェーズの注入開始タイミングを調整することにより、複数の撮像部位の画素値を、同時に所望の画素値に到達させることもできる。これにより、例えば肝動脈と門脈を同時に撮像することができる。
また、第2実施形態に係る発明によっても、オペレーターが望む範囲の画素値を得ることができる注入プロトコルを生成できる。また、オペレーターが入力した持続時間の間、この所望範囲の画素値を持続できる注入プロトコルを生成できる。これにより、略台形のタイムデンシティカーブを実現できるため、画素値に大きなピークが生じて、ピーク時の画素値が所望の画素値を大きく超えてしまうことを抑制できる。
また、入力したタイムデンシティカーブを実現できるため、所望の画素値に到達するまでの到達時間を設定することもできる。さらに、スキャン時間を短くすることができるので、被写体が被曝する放射線量を減らすことができる。
なお、第2実施形態では、インターバルにおいて造影剤を微量に注入している。しかし、インターバルにおいては、造影剤の注入を停止することもできる。また、結合される通入プロトコルの数は2つには限定されない。複数のフェーズを含む3つ以上の注入プロトコルが結合された注入プロトコルを生成してもよい。
[変形形態]
プロトコル生成部16は、制御部25が受け取った補正情報に基づいて、生成した注入プロトコルを補正することもできる。この補正情報には、撮像部位毎の体重あたりのヨード量、被写体の心拍及び拍出量等の被写体情報、撮像装置のメーカー名、撮像方式、管電圧及び列数等の情報が含まれる。オペレーターは、タッチパネル26を介してこの補正情報を入力することができる。また、制御部25は、外部サーバー又は撮像装置3から補正情報を取得することができる。
オペレーターが補正情報として被写体の拍出量を入力した場合、制御部25は入力部としてのタッチパネル26を介して拍出量を受け取る。そして、プロトコル生成部16は、拍出量が所定量以上である場合、造影剤の注入量を増やすために、注入速度又は注入時間を増加させるように注入プロトコルを補正する。逆に、拍出量が所定量未満である場合、プロトコル生成部16は、造影剤の注入量を減らすために、注入速度又は注入時間を減少させるように注入プロトコルを補正する。
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施形態及び各変形例は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、注入装置2又は撮像システム100は、注入結果(注入履歴)に関する情報を、ネットワーク経由でRIS(Radiology Information System)、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)、及びHIS(Hospital Information System)等の外部記憶装置に送信し記憶させることもできる。
また、上記実施形態では、注入装置2が注入プロトコルの生成装置を内蔵していた。しかし、撮像装置3が生成装置を内蔵していてもよい。この場合、図10に示すように、注入装置2は、薬液を注入する注入ヘッド21と、コンソール23とを備えている。そして、コンソール23は、表示・入力部としてのタッチパネル26と、表示部としてのタッチパネル26を制御する表示制御部15とを有している。
一方、撮像装置3は、注入プロトコルの生成装置423を備えている。そして、生成装置423は、薬液情報を取得する薬液情報取得部411と、撮像部位の情報を取得する撮像情報取得部412と、被写体情報を取得する被写体情報取得部413と、画素値及び持続時間の少なくとも一方の撮像条件を取得する撮像条件取得部414と、取得された画素値又は取得された持続時間に基づいて注入プロトコルを生成するプロトコル生成部416とを備えている。そして、プロトコル生成部416は、記憶部424から注入プロトコルを読み出すことにより、注入プロトコルを生成できる。注入装置2は、生成装置423が生成した注入プロトコルを撮像装置3から受信し、受信した注入プロトコルに従って造影剤を注入する。
なお、生成装置は、撮像装置3及び注入装置2と別体に構成することもできる。この場合、生成装置は注入装置2と有線又は無線で接続され、注入装置2は外部の生成装置が生成した注入プロトコルを受信する。そして、注入装置2は、生成装置423から生成した注入プロトコルを受信し、受信した注入プロトコルに従って造影剤を注入する。
また、プロトコル生成部16は、記憶部24から注入プロトコルを読み出すことに代えて、計算によって注入プロトコルを求めることもできる。
また、上述の各実施形態及び各変形例に係る注入プロトコルは、大動脈弓から末梢動脈まで所定範囲の画素値が維持されるように撮像する場合に用いることができる。例えば、図11に示す大動脈弓から末梢動脈までの範囲TをCT装置で撮像する場合、5秒〜10秒の持続時間が必要となる。そこで、オペレーターは、タッチパネル26の入力欄312に画素値400HU及び持続時間10秒を入力する。そして、撮像条件取得部14は、入力された画素値及び持続時間を撮像条件として取得する。その後、プロトコル生成部16は、取得された画素値及び持続時間に基づいて注入プロトコルを生成する。このように生成された注入プロトコルを用いることによって、400HUよりも大きい所定範囲の画素値が維持されるように、大動脈弓から末梢動脈までの範囲を撮像できる。

この出願は2014年8月5日に出願された日本国特許出願第2014−159435号からの優先権を主張し、その全内容を引用してこの出願の一部とする。
2:注入装置、3:撮像装置、12:撮像情報取得部、13:被写体情報取得部、14:撮像条件取得部、15:表示制御部、16:プロトコル生成部、21:注入ヘッド、23:生成装置、24:記憶部、26:タッチパネル、100:撮像システム

Claims (6)

  1. 造影剤を注入するための注入装置であって、
    被写体の撮像部位において所定の持続時間にわたって維持されるべき所定範囲の画素値と、前記持続時間との少なくとも一方を入力する入力部と、
    前記入力部への入力に応じてタイムデンシティカーブを表示する表示部と、
    前記表示部を制御する表示制御部と、を備え、
    前記表示制御部は、前記タイムデンシティカーブと同時に、前記画素値及び前記持続時間の少なくとも一方を入力するための入力操作部を前記表示部に表示させ
    前記表示制御部は、前記持続時間の前記入力操作部として、前記タイムデンシティカーブの横軸方向に移動可能なバーを前記表示部に表示させる注入装置。
  2. 前記表示制御部は、前記画素値の前記入力操作部として、前記表示部に前記タイムデンシティカーブのピーク部分を表示させ、
    前記表示部において、前記ピーク部分は、前記タイムデンシティカーブの縦軸方向に移動可能に表示される、請求項1に記載の注入装置。
  3. 前記表示制御部は、複数の画素値又は複数の持続時間を入力できるように、前記入力操作部を表示する、請求項1または2に記載の注入装置。
  4. 被写体を撮像する医療用の撮像装置と、
    前記被写体の撮像部位において所定の持続時間にわたって所定範囲の画素値が維持されるような造影剤の注入条件に関する情報を生成する生成装置と、を備える撮像システムであって、
    前記生成装置は、前記画素値と前記持続時間との少なくとも一方の情報を取得する撮像条件取得部と、取得された前記画素値または取得された前記持続時間に基づいて前記注入条件に関する情報を生成する生成部と、を有し、
    前記撮像装置は、所望の画素値に到達させた肝動脈と門脈を同時に撮像する撮像システム
  5. 前記生成部は、第1の減少率で注入速度が線形に低下する第1フェーズと、前記第1フェーズに続く第2フェーズであって、前記第1の減少率よりも小さい第2の減少率で注入速度が線形に低下する第2フェーズと、インターバルを介して前記第2フェーズに続く第3フェーズと、前記第3フェーズに続く第4フェーズとを含む前記注入条件に関する情報を生成する、請求項4に記載の撮像システム
  6. 前記撮像装置は、所定範囲の画素値が維持された大動脈弓から末梢動脈までの撮像部位を撮像する請求項4に記載の撮像システム。
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