JP6963274B2 - 電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナ - Google Patents

電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナ Download PDF

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Description

本発明は、電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナに関する。
従来より、基板の一主面上に、平衡二線型のアンテナと、平衡二線線路と、整流回路と、直流出力端子とを備え、前記平衡二線型のアンテナによりマイクロ波を受信し、このマイクロ波に基づき前記直流出力端子に直流電力を出力する平衡二線線路式レクテナがある。
前記平衡二線型のアンテナは、前記基板の一主面上に相対向する一対のアンテナ素子を有し、前記平衡二線線路は、前記基板の一主面上で前記各アンテナ素子の中央側端部に接続されそれらの各アンテナ素子の対向方向と直交する方向に延びる互いに平行な一対の線路を有する。
前記整流回路は、直流遮断用キャパシタと、前記一対の線路間に配置されたショットキーバリアダイオードと、このショットキーバリアダイオードの後段でこのショットキーバリアダイオードから所定間隔だけ離れて前記一対の線路間の配置された平滑用キャパシタとを有する。
前記直流出力端子は、前記平滑用キャパシタの後段で前記一対の線路のそれぞれに接続されており、前記マイクロ波の波長をλgとして、前記所定間隔をλg/22.5からλg/14の範囲に設定したことを特徴とする。
前記平衡二線線路式レクテナは、さらに入力フィルタを備え、この入力フィルタは、前記平衡二線型のアンテナと前記ショットキーバリアダイオードとの間の前記一対の線路に設けられたことを特徴とする(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−116515号公報
従来の平衡二線線路式レクテナ(電力変換装置)は、平衡二線型のアンテナ(アンテナ)と整流回路との間に入力フィルタ(フィルタ)を設けている。これは、フィルタの誘導性成分で整流回路の容量性成分を相殺して、アンテナと整流回路とのインピーダンス整合を取るためである。
ところで、従来の電力変換装置は、フィルタにおける電力の損失が生じるため、損失が大きいという課題がある。
そこで、損失を低減した電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナを提供することを目的とする。
本発明の実施の形態の電力変換装置は、折返しダイポールアンテナと、前記折返しダイポールアンテナによって受信される電波の高周波電力を直流電力に変換する整流回路とを含む電力変換装置であって、前記折返しダイポールアンテナは、前記整流回路に接続される第1給電点から第1端まで延在する第1素子と、前記第1素子が延在する方向に沿って、前記整流回路に接続される第2給電点から第2端まで延在する第2素子と、前記第1端側の第3端から前記第2端側の第4端まで、前記第1素子及び前記第2素子に沿って延在し、前記電波の周波数における自由空間波長の半波長に対応する長さを有する第3素子と、前記第1素子の前記第1端よりも前記第1給電点側に位置する第1接続部と、前記第3素子の前記第3端よりも前記第4端側に位置する第2接続部とを接続する第1折返し部と、前記第2素子の前記第2端よりも前記第2給電点側に位置する第3接続部と、前記第3素子の前記第4端よりも前記第3端側に位置する第4接続部とを接続する第2折返し部とを有し、前記第1給電点と前記第1接続部との間の長さ、及び、前記第2給電点と前記第3接続部との間の長さは、前記電波の周波数における四半波長の電気長に対応する長さ未満であり、前記第1素子及び前記第2素子の素子幅よりも、前記第3素子の素子幅の方が広い。
損失を低減した電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナを提供することができる。
実施の形態の折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300を示す図である。 折返しダイポールアンテナ100の等価回路を示す図である。 折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。 放射インピーダンス、線路インピーダンス、入力インピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。 電力変換装置300の周波数に対する効率の特性と周波数に対する出力電圧の特性を示す図である。 エレメント110及び130の断面を示す図である。 エレメント110及び130の等価半径を説明する図である。 エレメント110の厚さに対する折返しダイポールアンテナ100のゲインの特性を示す図である。
以下、本発明の電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300を示す図である。以下では、XYZ座標系を用いて説明する。
電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100と整流回路200とを含む。電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100が受信した高周波の電波の高周波電力を整流回路200で直流電力に変換して出力する。
また、電力変換装置300は、直流遮断部250をさらに含んでもよい。直流遮断部250は、直流成分を遮断するために設けられているが、直流遮断部250が不要な場合は、電力変換装置300は、直流遮断部250を含まなくてもよい。
折返しダイポールアンテナ100は、誘導性のインピーダンス特性を有する。このため、電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100、整流回路200、及び直流遮断部250の他にフィルタを含まなくても、容量性のインピーダンスを示す整流回路200と折返しダイポールアンテナ100とのインピーダンス整合を取ることができる。以下、この詳細について説明する。
折返しダイポールアンテナ100は、エレメント110、120、130、接続エレメント140、150を有する。図1では図示を省略するが、折返しダイポールアンテナ100は、例えば、FR−4(Flame Retardant type 4)規格の配線基板のような基板の表面に設けられる。折返しダイポールアンテナ100は、例えば、基板の表面に設けられた銅箔をパターニングすることによって作製することができる。なお、折返しダイポールアンテナ100を配置する基板は、配線基板に限られず、フレキシブル基板やその他の形式の基板であってもよい。また、折返しダイポールアンテナ100は、銅以外の金属製であってもよい。
エレメント110は、給電点111、端部112、及び接続部113を有する。エレメント110は、第1素子の一例である。給電点111は、第1給電点の一例である。端部112は、第1端の一例である。接続部113は、第1接続部の一例である。エレメント110は、給電点111と端部112との間でX軸に沿って延在している。給電点111は、直流遮断部250のキャパシタ251を介して整流回路200の端子201に接続される。端部112は、X軸方向において、エレメント130の端部131と概ね等しい位置に設けられている。接続部113は、給電点111と端部112との間に位置し、接続エレメント140が接続される。
給電点111と接続部113との間の長さL1は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の電気長λeの四半波長(λe/4)に対応する長さ未満の長さに設定されている。ここで、電気長λeは、基板に設けられるエレメント110のような伝送媒体中を伝送される電磁波の波長であり、基板の比誘電率等によって短縮率が異なる。この短縮率によって電気長λeの四半波長(λe/4)に対応する長さは短縮される。
エレメント120は、給電点121、端部122、及び接続部123を有する。エレメント120は、第2素子の一例である。給電点121は、第2給電点の一例である。端部122は、第2端の一例である。接続部123は、第3接続部の一例である。エレメント120は、給電点121と端部122との間でX軸に沿って延在している。給電点121は、直流遮断部250のキャパシタ252を介して整流回路200の端子202に接続される。端部122は、X軸方向において、エレメント130の端部132と略等しい位置に設けられている。接続部123は、給電点121と端部122との間に位置し、接続エレメント150が接続される。エレメント120は、平面視において、エレメント130のX軸方向の中央を通りY軸方向に伸延する軸を対称軸として、エレメント110と線対称になるように配置されている。
給電点121と接続部123との間の長さL2は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の電気長λeの四半波長(λe/4)に対応する長さに設定されている。電気長λeの四半波長(λe/4)に対応する長さの意味は、長さL1と同様である。長さL2は、長さL1と等しい。
なお、エレメント110の給電点111とエレメント120の給電点121とは、実際には、図1に示すよりも近接して配置される。このため、エレメント110の給電点111から端部112までの長さと、エレメント120の給電点121から端部122までの長さとは、エレメント130の端部131から端部132までの長さの約半分である。
エレメント130は、端部131、132と接続部133、134とを有する。エレメント130は、第3素子の一例である。端部131は、第3端の一例であり、端部132は、第4端の一例である。接続部133は、第2接続部の一例であり、接続部134は、第4接続部の一例である。エレメント130は、端部131及び132を両端として、X軸に沿って延在している。すなわち、エレメント130は、エレメント110及び120と平行に配置されている。端部131のX軸方向における位置は、エレメント110の端部112の位置に等しく、端部132のX軸方向における位置は、エレメント120の端部122の位置に等しい。
エレメント130の長さ(端部131と132との間の長さ)は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の自由空間波長λの半波長(λ/2)に対応する長さに設定される。これは、エレメント130が折返しダイポールアンテナ100の全長(X軸方向の端から端までの長さ)に対応する部分だからである。
ここで、電波の自由空間波長λの半波長(λ/2)に対応する長さとは、電波の自由空間波長λ0の半波長(λ/2)である。
また、エレメント130の素子幅(Y軸方向の幅)は、エレメント110、120の素子幅よりも太くされている。折返しダイポールアンテナ100では、エレメント110、120の素子幅に対するエレメント130の素子幅でインピーダンスが決まる。エレメント110、120の素子幅よりもエレメント130の素子幅を太くすることにより、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを増大させることができる。
整流回路200は、インピーダンスが高いため、整流回路200の容量性のインピーダンスと、折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスとを整合させるには、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを高くする必要がある。
このため、エレメント130の素子幅(Y軸方向の幅)が、エレメント110、120の素子幅よりも太くなるようにしている。折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスと、整流回路200のインピーダンスとを共役整合させることにより、整流回路200での整流効率を増大させることができる。
接続部133は、端部131と、エレメント130の長手方向(X軸方向)の中央(中点)との間に位置しており、接続エレメント140が接続される。接続部134は、端部132と、エレメント130の長手方向(X軸方向)の中央(中点)との間に位置しており、接続エレメント150が接続される。
接続エレメント140は、エレメント110の接続部113と、エレメント130の接続部133とを接続する。接続エレメント140は、第1折返し部の一例である。接続部113と接続部133とのX軸方向における位置は等しく、接続エレメント140は、Y軸に沿って延在している。
接続エレメント150は、エレメント120の接続部123と、エレメント130の接続部134とを接続する。接続エレメント150は、第2折返し部の一例である。接続部123と接続部134とのX軸方向における位置は等しく、接続エレメント150は、Y軸に沿って延在している。
エレメント110及び120と、エレメント130とは、接続エレメント140、150によって接続されている。接続エレメント140は、エレメント110の端部112、及び、エレメント130の端部131よりもX軸正方向側にオフセットして設けられている。また、接続エレメント150は、エレメント120の端部122、及び、エレメント130の端部132よりもX軸負方向側にオフセットして設けられている。
このように、接続エレメント140、150を、エレメント110及び120の端部112及び122とエレメント130の端部131及び132よりもX軸方向において中央側にオフセットして設けているのは、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスを誘導性(インダクタンス性)にするためである。
折返しダイポールアンテナ100は、接続エレメント140、150を端部112、122、131、及び132よりもX軸方向において中央側にオフセットすることによって、インピーダンス特性を誘導性にすることができる。折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスは、接続エレメント140、150の位置を設計段階で調整することによって、調節することができる。
直流遮断部250は、キャパシタ251、252を有する。キャパシタ251は、給電点111と整流回路200の端子201との間に直列に挿入されており、キャパシタ252は、給電点121と整流回路200の端子202との間に直列に挿入されている。直流遮断部250は、ショットキーバリアダイオードの静電破壊防止のために、必要に応じて挿入する。
整流回路200は、端子201、202、キャパシタ211、212、213、214、ダイオード221、222、223、224、及び出力端子231、232を含む。整流回路200は、一例として、コッククロフト・ウォルトン型の整流回路である。
端子201には、キャパシタ211、212が直列に接続されており、端子202には、キャパシタ213、214が直列に接続されている。また、ダイオード221、222、223、224は、図1に示すように、キャパシタ211、212、213、214の間でたすき掛け状に接続されている。
整流回路200は、直流遮断部250を介して折返しダイポールアンテナ100から入力される高周波電力を直流電圧に変換して、出力端子231、232から出力する。このような整流回路200のインピータンスはダイオード221、222、223、224の端子間容量の影響で容量性である。
図2は、折返しダイポールアンテナ100の等価回路を示す図である。図3は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を変化させた場合のインピーダンスを示すスミスチャートである。
図2に示すように、折返しダイポールアンテナ100の等価回路は、左側の伝送線路モードの等価回路100Aと、右側の放射モードの等価回路100Bとで表される。
伝送線路モードの等価回路100Aは、給電点111、121、線路インピーダンス2Zb、及びトランスの巻線T、Tを含む。インピーダンスZbは、エレメント110の給電点111から接続点113までの線路の部分のインピーダンスであり、エレメント120の給電点121から接続部123までの線路の部分のインピーダンスである。2つあるため、等価回路100Aは、線路インピーダンス2Zbを含む。
また、放射モードの等価回路100Bは、インピーダンスZrを含む。インピーダンスZrは、折返しダイポールアンテナ100の直列共振回路のインピーダンスである。インピーダンスZrの共振周波数をfとする。伝送線路モードの等価回路100Aと放射モードの等価回路100Bとの境界は、図2に示すように、巻線T、Tを有するトランスと、インピーダンスZrとの間である。
このトランスの巻線TとTとのインピーダンスのステップアップ比は、n:1である。ステップアップ比(n)は、エレメント130の素子幅の比,およびエレメント110,120とエレメント130と導体間隔で決まる。
このような等価回路100A、100Bにおいて、放射インピーダンスnZr、線路インピーダンス2Zb、入力インピーダンスZinは、それぞれ、式(1)、(2)、(3)で表される。なお、入力インピーダンスZinは、等価回路100Aの給電点111、121から、等価回路100Aの線路インピーダンス2Zb側及び巻線T、Tと、等価回路100Bとを見た入力インピーダンスである。また、Zcは、エレメント130とエレメント110およびエレメント130とエレメント120で構成される平衡線路の特性インピーダンスのことである。
Figure 0006963274
Figure 0006963274
Figure 0006963274
また、図3において、電力変換装置300のシステムインピーダンスをZ、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)がρmになるときの反射係数の絶対値をΓmとする。また、ここでは、エレメント110及び120の長さL1、L2(L1=L2)をLとする。なお、λeは、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の電気長である。
折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスが完全に整合している点(●)から、コンダクタンスが1(g=1)の等コンダクタンス線に沿って、VSWRがρmになる点a(○)までの長さLの範囲は、次式(4)で表される。VSWRがρmになる点a(○)は、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスが誘導性になる点である。
折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスが誘導性になることから、式(4)が成り立つ。
Figure 0006963274
従って、式(4)より、L/λeが1/4未満であれば良いことが分かる。換言すれば、長さLがλe/4未満であれば良いことになる。
図4は、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数を400MHzから600MHzまで変化させた場合の放射インピーダンスnZr(破線)、線路インピーダンス2Zb(破線)、入力インピーダンスZin(実線)を示すスミスチャートである。ここでは、VSWRが2で、反射係数Γmが1/3という条件で評価を行うこととする。反射係数Γmは、VSWRの値によって決まる。なお、図4のスミスチャートは、電力変換装置300のシステムインピーダンスZで正規化している。
電波の周波数を400MHzから600MHzまで変化させると、放射インピーダンスnZrは、スミスチャートの中心を通る等抵抗線に沿って、400MHzのときの容量性の値から、600MHzのときの誘導性の値に変化し、500MHzのときに円(○)で示すように、スミスチャートの中心を通る特性が得られた。すなわち、放射インピーダンスnZrは、500MHzにおいてZになった。
また、線路インピーダンス2Zbは、スミスチャートの最外周円に沿って、400MHzのときの誘導性の値から、600MHzの容量性の値に変化し、500MHzのときに三角(△)で示す特性が得られた。
また、入力インピーダンスZinは、400MHzのときの誘導性の値から、600MHzの容量性の値に変化し、500MHzのときに、ダイアマーク(◇)で示すように、VSWRが2になる円周上においてキンク頂点を有する特性になった。このときのエレメント110及び120の長さLは、0.2276λeであった。
従って、エレメント110及び120の長さL(L1、L2)を0.2276λeに設定すれば、500MHzにおいて誘導性のインピーダンス特性を有する折返しダイポールアンテナ100が得られることが分かった。
図5は、電力変換装置300の周波数に対する効率(整流効率)の特性と、周波数に対する出力電圧の特性を示す図である。図5(A)には効率の特性を実線で示し、図5(B)には出力電圧の特性を実線で示す。
ここでは比較用に、エレメント110及び120の長さL(L1、L2)の長さが電気長λeの四半波長(λe/4)に対応する長さ以上の折返しダイポールアンテナを折返しダイポールアンテナ100の代わりに用い、直流遮断部250と整流回路200との間にローパスフィルタを設けた比較用の電力変換装置の特性を破線で示す。
図5(A)に示すように、折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300の効率は、破線で示す比較用の電力変換装置の効率に比べて、最大値が高くなるとともに、高周波数側において飛躍的に増大しており、広帯域化されている。
また、図5(B)に示すように、折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300の出力電圧は、破線で示す比較用の電力変換装置の効率に比べて、最大値が高くなるとともに、高周波数側において飛躍的に増大しており、広帯域化されている。
このように、折返しダイポールアンテナ100を含む電力変換装置300では、効率及び出力電圧ともに、比較用の電力変換装置に比べて値が改善されるとともに、広帯域化されることが分かった。
図6は、エレメント110及び130の断面を示す図である。図6(A)、(B)には、Y軸に沿って得られるエレメント110及び130の断面を示す。図6(A)、(B)には、折返しダイポールアンテナ100を搭載する基板10を示す。また、図6(A)、(B)では、高周波の電流がエレメント110及び130に流れる部分をグレーで示す。グレーで示す部分には、一例として、500MHzの電流が表皮効果によって流れる。
図6(A)では、エレメント110の厚さをt1、素子幅をw1、エレメント130の厚さをt1、素子幅をw2とする。図6(B)では、エレメント110の厚さをt2、素子幅をw1、エレメント130の厚さをt2、素子幅をw2とする。厚さt1は、厚さt2よりも厚い。
一例として、図6(A)に示すエレメント110の厚さt1は18μm、素子幅w1は0.1mm〜0.5mm、エレメント130の厚さをt1は18μm、素子幅w2は、2mm〜8mmである。また、図6(B)に示すエレメント110の厚さt2は表皮深さの2倍、素子幅w1は0.1mm〜0.5mm、エレメント130の厚さをt2は表皮深さの2倍、素子幅w2は、2mm〜8mmである。また、折返しダイポールアンテナ100が受信する電磁波の周波数が500MHzである場合に、表皮深さは3μmであり、2.4GHzである場合には、表皮深さは1μmである。
エレメント110及び130は、基板10の表面に形成された銅箔をウェットエッチングのようなエッチング処理によってパターニングすることによって作製される。エッチング処理では、エレメント110及び130の上面はマスクによって保護されるため、平滑であるが、エレメント110及び130の側面は、エッチング処理で削られているため、上面に比べると平滑性が低く、表面が粗い。このため、エレメント110及び130の側面は、上面よりも高周波抵抗が増えるので損失が増える。
図6(A)に示すように、エレメント110及び130を厚くすると、図6(B)に示すようにエレメント110及び130を薄くした場合に比べて、エレメント110及び130の側面を流れる電流の割合が増える。特に、素子幅が狭いエレメント110では、この傾向が顕著である。
図7は、エレメント110及び130の等価半径を説明する図である。ここで、エレメント110の等価半径をr1、エレメント130の等価半径をr2とし、エレメント110と130との間の間隔(エレメント110及び130の素子幅の中央同士の間隔)をdとする。なお、エレメント110の厚さはt1、素子幅はw1、エレメント130の厚さはt1、素子幅はw2である。
等価半径r1、r2は、式(5)、(6)でそれぞれ表すことができ、インピーダンスのステップアップ比(n)は、式(7)で表すことができる。
Figure 0006963274
Figure 0006963274
Figure 0006963274
エレメント110の側面を流れる電流を低減して損失を減らすためには、側面を流れる電流が全体の20%未満であることが望ましい。式(5)で得られるエレメント110の等価半径r1について、側面を流れる電流との比を求めると、(0.34t1)/(0.34t1+0.25w1)<0.2を満たすことが望ましい。
なお、ここでは、エレメント110と130の等価半径について説明したが、エレメント110と120は等しいサイズを有し、平面視で線対称に配置されるので、エレメント120の等価半径は、エレメント110の等価半径と等しい。
図8は、エレメント110の厚さt1に対する折返しダイポールアンテナ100のゲインの特性を示す図である。図8には、厚さt1を2μmから55μmまで変化させた場合の計算結果を示す。
折返しダイポールアンテナ100のゲインの理論限界値は2.15dBiであり、損失等を考慮して、現実的な値である2.08dBiを評価基準とした。なお、折返しダイポールアンテナ100が受信する電波の周波数は500MHzであり、表皮深さは3μmである。
図8に示すように、厚さt1が2μmから5μm辺りまでは、ゲインが2.08dBi未満である。厚さt1が薄い領域では、表皮深さ(3μm)との関係で、厚さが不十分であることからゲインが低くなったことと考えられる。
また、厚さt1が表皮深さの2倍になる6μmでは、ゲインが2.08に達しており、厚さt1が約18μm以上になると、ゲインが2.08未満になる。これは、厚さt1が高くなったことにより、エレメント110の側面を流れる電流が増えたためと考えられる。
従って、折返しダイポールアンテナ100の損失を低減する観点からは、エレメント110については、厚さt1と素子幅w1が、(0.34t1)/(0.34t1+0.25w1)<0.2を満たし、かつ、厚さt1が表皮深さの2倍であることが望ましい。
以上、実施の形態の折返しダイポールアンテナ100は、誘導性のインピーダンスを有するため、折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスが整流回路200の容量性のインピーダンスと整合するように調節すれば、電力変換装置300がローパスフィルタを含まなく済む。換言すれば、折返しダイポールアンテナ100のインピーダンスと、整流回路200のインピーダンスとが共役の関係になるようにすればよい。
電力変換装置300は、折返しダイポールアンテナ100と整流回路200との間にローパスフィルタを含まないため、損失を低減することができる。すなわち、実施の形態によれば、損失を低減した折返しダイポールアンテナ100及び電力変換装置300を提供することができる。
なお、以上では、整流回路200がコッククロフト・ウォルトン型の整流回路である形態について説明したが、整流回路200はコッククロフト・ウォルトン型に限られるものではない。折返しダイポールアンテナ100から出力される高周波電力を直流電力に整流できる整流回路であれば、どのような形式のものであってもよい。
また、以上では、一例として、折返しダイポールアンテナ100が500MHzの電波を受信する形態について説明したが、周波数は500MHzに限られず、所望の周波数に応じて、折返しダイポールアンテナ100の誘導性のインピーダンスを調整すればよい。このような調整は、主に、エレメント130、110、120の長さや間隔、及び、接続エレメント140、150のX軸方向における位置を設計段階で設定することによって行うことができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の電力変換装置、及び、折返しダイポールアンテナについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
100 折返しダイポールアンテナ
110、120、130 エレメント
111 給電点
112 端部
113 接続部
121 給電点
122 端部
123 接続部
131、132 端部
133、134 接続部
140、150 接続エレメント
200 整流回路
201、202 端子
211、212、213、214 キャパシタ
221、222、223、224 ダイオード
250 直流遮断部
251、252 キャパシタ
300 電力変換装置

Claims (8)

  1. 折返しダイポールアンテナと、
    前記折返しダイポールアンテナによって受信される電波の高周波電力を直流電力に変換する整流回路と
    を含む電力変換装置であって、
    前記折返しダイポールアンテナは、
    前記整流回路に接続される第1給電点から第1端まで延在する第1素子と、
    前記第1素子が延在する方向に沿って、前記整流回路に接続される第2給電点から第2端まで延在する第2素子と、
    前記第1端側の第3端から前記第2端側の第4端まで、前記第1素子及び前記第2素子に沿って延在し、前記電波の周波数における自由空間波長の半波長に対応する長さを有する第3素子と、
    前記第1素子の前記第1端よりも前記第1給電点側に位置する第1接続部と、前記第3素子の前記第3端よりも前記第4端側に位置する第2接続部とを接続する第1折返し部と、
    前記第2素子の前記第2端よりも前記第2給電点側に位置する第3接続部と、前記第3素子の前記第4端よりも前記第3端側に位置する第4接続部とを接続する第2折返し部と
    を有し、
    前記第1給電点と前記第1接続部との間の長さ、及び、前記第2給電点と前記第3接続部との間の長さは、前記電波の周波数における四半波長の電気長に対応する長さ未満であり、
    前記第1素子及び前記第2素子の素子幅よりも、前記第3素子の素子幅の方が広い、電力変換装置。
  2. 前記折返しダイポールアンテナのインピーダンスは、誘導性である、請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記誘導性のインピーダンスは、前記第1折返し部が前記第1端よりも前記第1給電点側にオフセットした前記第1接続部と、前記第3端よりも前記第4端側にオフセットした前記第2接続部とを接続することと、前記第2折返し部が前記第2端よりも前記第2給電点側にオフセットした前記第3接続部と、前記第3素子の前記第4端よりも前記第3端側にオフセットした前記第4接続部とを接続することによって実現される、請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記折返しダイポールアンテナのインピーダンスと、前記整流回路のインピーダンスとは、共役の関係にある、請求項1乃至3のいずれか一項記載の電力変換装置。
  5. 前記折返しダイポールアンテナのインピーダンスは、スミスチャートでキンク形状を有する、請求項1乃至4のいずれか一項記載の電力変換装置。
  6. 前記第1素子及び前記第2素子の厚さをt、前記第1素子及び前記第2素子の素子幅をwとすると、前記厚さt及び前記素子幅wは、(0.34t)/(0.34t+0.25w)<0.2を満たし、かつ、前記厚さtは、前記電波の周波数における表皮深さの2倍以上である、請求項1乃至5のいずれか一項記載の電力変換装置。
  7. 第1給電点から第1端まで延在する第1素子と、
    前記第1素子が延在する方向に沿って、第2給電点から第2端まで延在する第2素子と、
    前記第1端側の第3端から前記第2端側の第4端まで、前記第1素子及び前記第2素子に沿って延在し、受信周波数における自由空間波長の半波長に対応する長さを有する第3素子と、
    前記第1素子の前記第1端よりも前記第1給電点側に位置する第1接続部と、前記第3素子の前記第3端よりも前記第4端側に位置する第2接続部とを接続する第1折返し部と、
    前記第2素子の前記第2端よりも前記第2給電点側に位置する第3接続部と、前記第3素子の前記第4端よりも前記第3端側に位置する第4接続部とを接続する第2折返し部と
    を有し、
    前記第1給電点と前記第1接続部との間の長さ、及び、前記第2給電点と前記第3接続部との間の長さは、前記受信周波数における四半波長の電気長に対応する長さ未満であり、
    前記第1素子及び前記第2素子の素子幅よりも、前記第3素子の素子幅の方が広い、折返しダイポールアンテナ。
  8. 前記第3素子の厚さをt、前記第3素子の素子幅をwとすると、前記厚さt及び前記素子幅wは、(0.34t)/(0.34t+0.25w)<0.2を満たし、かつ、前記厚さtは、前記受信周波数における表皮深さの2倍以上である、請求項7記載の折返しダイポールアンテナ。
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