JP6962713B2 - ミシン - Google Patents
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Description
特に、縫い針112が下死点を通過して上昇する際には、図7(B)に示すように、被縫製物Cが縫い針112と一緒に引き上げられることから、当該引き上げにより被縫製物Cに移動成分mfが発生し、センサー121は被縫製物の移動量の検出精度がさらに低下していた。
被縫製物の移動量を検出する移動量検出部と、
針棒に上下動を付与する上軸の回転駆動源となるミシンモーターと、
前記上軸又は前記ミシンモーターの出力軸の軸角度を検出する軸角度検出部と、
前記移動量検出部の検出に基づいて前記ミシンモーターを制御し、一定の縫いピッチを維持する制御を行う制御装置とを備えるミシンにおいて、
前記制御装置は、前記軸角度検出部の検出に基づいて、縫い針が布地に突き刺さっていない軸角度区間で前記移動量検出部により検出された前記被縫製物の移動量により、一定の縫いピッチを維持する制御を行う。
前記制御装置は、縫い針が布地に突き刺さっていない軸角度区間のうち、所定の上軸角度の範囲を非検出区間と設定可能であり、前記非検出区間を除いた縫い針が布地に突き刺さっていない区間において前記移動量検出部により検出された前記被縫製物の移動量により、一定の縫いピッチを維持する制御を行う構成としてもよい。
前記ミシンの針落ち位置に対して前記被縫製物を手動にて移動させてフリーモーション縫いを行うことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、
前記被縫製物に対して前記ミシンを手動にて移動させてフリーモーション縫いを行うことを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明にかかるミシンについて説明する。図1はミシン100の斜視図、図2はミシン100の制御系を示すブロック図である。
なお、本実施形態のミシン100は、専用の保持台に保持された被縫製物としての布地Cを作業者が手動操作により自由に移動させ、針落ち位置に対して布地Cを相対的に位置決めしながら縫製を行ういわゆるフリーモーション縫いを行うことが可能なミシンである。
なお、本実施形態では、保持台の図示及び構造の説明は周知の保持台と同じなので省略する。
上記釜機構、天秤機構及び糸調子器は、ミシンにおける周知の構成と同一であることから詳細な説明は省略する。
以下の説明では、水平方向であってミシンベッド部111の長手方向に沿った方向をX軸方向、水平方向であってX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する鉛直上下方向をZ軸方向とする。
ミシンモーター30の出力軸には軸角度検出部としてのエンコーダー31が装備されており、出力軸の軸角度変化量に応じてパルス出力を行う。
ミシンモーター30の出力軸から上軸への伝達比は既知であり、制御装置90は、エンコーダー31のパルス出力からミシンモーター30の出力軸の軸角度を算出し、さらに、伝達比から上軸の軸角度を算出することができる。
なお、上軸にエンコーダーを設け、直接的に上軸の軸角度を検出しても良い。
これらの第一と第二のセンサー21,22は、針板16の上面から上方に向けられた状態で固定装備された二次元のイメージセンサーである。
これらのセンサー21,22の分解能はいずれも3[μm]である。また、それぞれのセンサー21,22は、針板16上の布地Cの下面を随時検出しており、その検出データを併設された処理装置23に入力する。
なお、センサー21,22の分解能の数値は一例であって上記数値に限定されない。
なお、処理装置23は、第一及び第二のセンサー21,22のいずれか一方をメイン、他方をサブと予め決めており、メインのセンサーの検出に基づくパルス信号を制御装置90に入力し、メインのセンサーにエラーが生じた場合にはサブのセンサーの検出に基づくパルス信号を制御装置90に入力する。
ミシン100は、その各構成の動作制御を行う制御装置90を備え、当該制御装置90に対して、前述したミシンモーター30及びそのエンコーダー31が駆動回路32を介して接続されている。
また、制御装置90に対して、前述した糸切り装置43の糸切りモーター431が駆動回路432を介して接続され、前述した第一及び第二のセンサー21,22は処理装置23を介して接続されている。
操作パネル41からは、例えば、一針ごとの縫い目の長さである縫いピッチの設定が行われる。また、操作パネル41には表示部が設けられ、各種の情報の表示が行われる。
次に、ミシン100の制御装置90が行う縫製動作制御について説明する。
前述したように、ミシン100は、縫製作業者が針落ち位置に対して、布地Cを任意に移動させながら縫製が行われる。
制御装置90は、ミシン操作者の手によって任意に布地Cが移動操作された際に、操作パネル41から設定された一定の縫いピッチを維持して縫いが行われるようにミシンモーター30の回転速度を制御する。
図3は、下降する縫い針12が針板16に到達し、針棒下死点を通過して上昇する縫い針12が針板16に到達するまでの上軸角度を示す説明図であり、針棒上死点となる上軸角度を0°、針棒下死点となる上軸角度を180°としている。
この図に示すように、下降する縫い針12が針板16に到達する上軸角度は90°であり、針棒下死点を通過して上昇する縫い針12が針板16に到達する上軸角度は270°である。
なお、「検出区間」とは第一又は第二のセンサー21,22の検出に基づいてミシンモーター30の回転速度制御を行う上軸角度区間を意味し、「非検出区間」とは第一又は第二のセンサー21,22の検出に基づくことなくミシンモーター30の回転速度制御を行う上軸角度区間を意味する。
なお、この場合、上軸角度が非検出区間Nの間は布地Cの移動速度が求められなくなる。従って、制御装置90は、非検出区間Nにおける布地Cの移動速度は、例えば、非検出区間Nに突入する直前に求められた移動速度で布地Cが移動しているものとみなして、ミシンモーター30の回転速度を制御する。
なお、非検出区間Nにおける布地Cの移動速度は、非検出区間Nに突入する直前に求められた布地Cの移動速度ではなく、妥当な他の値を採用しても良い。例えば、検出区間Sで算出された複数の布地Cの移動速度の平均値を採用しても良い。
さらには、直前に求められた布地Cの移動速度や平均化された布地Cの移動速度に対して所定の係数を乗じたものを非検出区間Nにおける布地Cの移動速度としてミシンモーター30の回転速度を制御しても良い。
その後、ステップS15に処理を進める。
その後、ステップS15に処理を進める。
また、ペダル44の踏み込みが解除された場合には(ステップS15:YES)、CPU91は、ミシンモーター30を停止させて動作制御を終了する。
上記ミシン100では、制御装置90が、軸角度検出部としてのエンコーダー31の検出に基づいて、縫い針12が布地Cに突き刺さっていない軸角度区間である検出区間Sで移動量検出部としての第一又は第二のセンサー21,22により検出された布地Cの移動量により、一定の縫いピッチを維持する制御を行っている。
このため、縫い針12が布地Cに突き刺さる軸角度区間である非検出区間Nにおいて検出される不正確な布地Cの移動量の影響を低減してミシンモーター30を制御することができ、より正確に目標となる縫いピッチを維持して縫製を行うことが可能となる。
従って、ミシン100のように、布地Cを手動にて移動させてフリーモーション縫いを行う場合に、特に縫い品質の向上を図ることが可能となる。
なお、検出区間Sの設定は図3に示す90〜270°の区間に限定されず、より狭い範囲としても良い。本実施形態では、縫い針12が針板16以下に位置する上軸角度範囲を、縫い針12が布地Cに突き刺さってから抜けきるまでの区間としたが、例えば、図5に示すように、布地Cの厚さを考慮して縫い針12が針板16よりも高い位置となる上軸角度の範囲を検出区間Sとしても良い。
例えば、縫い針12の上死点の周辺は、布地Cの検出移動速度に乱れが生じることが既知であるような場合に、図6に示すように、縫い針12が布地Cに突き刺さる上軸角度を第一の非検出区間N1とし、縫い針12の上死点の周辺を第二の非検出区間N2とする。そして、第一の非検出区間N1と第二の非検出区間N2の間の上軸角度を第一の検出区間S1と第二の検出区間S2としても良い。
これらにより、不正確な布地の移動量の影響を低減してミシンモーター30を制御し、より正確に目標となる縫いピッチを維持して縫製を行うことが可能となる。
上記ミシン100は、ミシン100に対して布地Cを手動で移動させる場合を例示したが、布地Cに対してミシン100を手動で移動させてフリーモーション縫いを行うミシンでもよいことは言うまでもない。
13 針棒
16 針板
21 第一のセンサー(移動量検出部)
22 第二のセンサー(移動量検出部)
30 ミシンモーター
31 エンコーダー(軸角度検出部)
90 制御装置
100 ミシン
C 布地(被縫製物)
S,S1,S2 検出区間
N,N1,N2 非検出区間
Claims (3)
- 被縫製物の移動量を検出する移動量検出部と、
針棒に上下動を付与する上軸の回転駆動源となるミシンモーターと、
前記上軸又は前記ミシンモーターの出力軸の軸角度を検出する軸角度検出部と、
前記移動量検出部の検出に基づいて前記ミシンモーターを制御し、一定の縫いピッチを維持する制御を行う制御装置とを備えるミシンにおいて、
前記制御装置は、前記軸角度検出部の検出に基づいて、縫い針が布地に突き刺さっていない軸角度区間で前記移動量検出部により検出された前記被縫製物の移動量により、一定の縫いピッチを維持する制御を行い、
前記ミシンの針落ち位置に対して前記被縫製物を手動にて移動させてフリーモーション縫いを行うことを特徴とするミシン。 - 被縫製物の移動量を検出する移動量検出部と、
針棒に上下動を付与する上軸の回転駆動源となるミシンモーターと、
前記上軸又は前記ミシンモーターの出力軸の軸角度を検出する軸角度検出部と、
前記移動量検出部の検出に基づいて前記ミシンモーターを制御し、一定の縫いピッチを維持する制御を行う制御装置とを備えるミシンにおいて、
前記制御装置は、前記軸角度検出部の検出に基づいて、縫い針が布地に突き刺さっていない軸角度区間で前記移動量検出部により検出された前記被縫製物の移動量により、一定の縫いピッチを維持する制御を行い、
前記被縫製物に対して前記ミシンを手動にて移動させてフリーモーション縫いを行うことを特徴とするミシン。 - 前記制御装置は、縫い針が布地に突き刺さっていない軸角度区間のうち、所定の上軸角度の範囲を非検出区間と設定可能であり、前記非検出区間を除いた縫い針が布地に突き刺さっていない区間において前記移動量検出部により検出された前記被縫製物の移動量により、一定の縫いピッチを維持する制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
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