JP6962678B2 - ホップ抽出物含有飲料の製造方法、及び、ホップ抽出物含有飲料の香味向上方法 - Google Patents
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Description
そして、最近では、このホップのフレッシュな香味について、ビールテイスト飲料だけでなく、炭酸飲料、ニアウォーター等の様々な飲料への適用が検討されている。
例えば、特許文献1には、原料としてホップを用いて発酵麦芽飲料を製造する方法であって、前記ホップが、65℃以上90℃未満の温度で1分間以上60分間未満という条件下で予め加熱処理されたものであり、前記ホップが、前記方法に含まれる加熱操作を伴う全ての工程が終了し、加熱された原料混合物が冷却された後に、その原料混合物に添加される、方法が開示されている。
ここで、本発明者らは、ホップの長所(フレッシュな香味等)に着目するだけでなく、改善すべき短所が存在するか否か、従来の方法によってホップから抽出したホップ抽出物を使用して詳細な検討を行った。その結果、従来の方法によって得られたホップ抽出物を含有させた飲料は、飲用後に不快な香味(詳細には、渋味・エグ味や、漬物様の香味・ムレ臭)を、飲用者に感じさせてしまう可能性があることがわかった。
(1)ホップ抽出物を含有するホップ抽出物含有飲料の製造方法であって、マイクロ波を照射することによってホップから抽出したホップ抽出物を含有させる工程を含み、前記マイクロ波の波長は100〜140mmであって、前記ホップから発生する蒸気の温度が40〜65℃となるように前記マイクロ波を照射し、前記ホップ抽出物は、前記ホップをAkgとした場合に、マイクロ波を照射して捕集を開始した時点から0〜100/1.5×AmLの全てを含むものであるホップ抽出物含有飲料の製造方法。
(2)前記ホップ抽出物の含有量を0.0005v/v%以上とする工程を含む前記1に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
(3)前記ホップ抽出物の含有量を0.003v/v%以上とする工程を含む前記2に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
(4)前記ホップ抽出物の含有量を8.000v/v%以下とする工程を含む前記1から前記3のいずれか1つに記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
(5)前記ホップは生ホップ又は凍結ホップである前記1から前記4のいずれか1つに記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
(6)前記ホップ抽出物含有飲料はビールテイスト飲料である前記1から前記5のいずれか1つに記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
(7)ホップ抽出物を含有するホップ抽出物含有飲料のフレッシュな香味を増強させるとともに、飲用後の不快な香味を低減させる香味向上方法であって、マイクロ波を照射することによってホップから抽出したホップ抽出物を含有させる工程を含み、前記マイクロ波の波長は100〜140mmであって、前記ホップから発生する蒸気の温度が40〜65℃となるように前記マイクロ波を照射し、前記ホップ抽出物は、前記ホップをAkgとした場合に、マイクロ波を照射して捕集を開始した時点から0〜100/1.5×AmLの全てを含むものであるホップ抽出物含有飲料の香味向上方法。
まず、本実施形態に係る製造方法によって製造される飲料、及び、本実施形態に係る香味向上方法の対象となる飲料であるホップ抽出物含有飲料について説明する。
ホップ抽出物含有飲料は、後記するホップ抽出物を含有する飲料であれば特に限定されず、ニアウォーター等といった非発泡性飲料であっても、ビールテイスト飲料、炭酸飲料、等といった発泡性飲料でもよい。
ここで、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)未満であることをいう。
なお、ビールテイスト飲料とは、ビールのような味わいを奏する、つまり、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料である。
そして、ビールテイスト飲料には、アルコール度数が1%(「容量/容量%」や「v/v%」などとも表される)未満のもの(ビールテイストノンアルコール飲料やノンアルコールビールテイスト飲料などとも呼ばれている)と、アルコール度数が1%以上のもの(ビールテイストアルコール飲料などと呼ばれている)と、がある。
そして、ビールテイストアルコール飲料は、原料として麦芽を使用するビール、発泡酒、リキュール(例えば、酒税法上、「リキュール(発泡性)(1)」に分類される飲料)等の麦芽発酵飲料や、原料として麦または麦芽を使用しないビールテイスト発酵飲料(例えば、酒税法上「その他の醸造酒(発泡性)(1)」に分類される飲料)であってもよい。
また、ホップ抽出物含有飲料は、例えば、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維、着色料など(以下、適宜「添加剤」という)を含有していてもよい。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。着色料としては、例えば、カラメル色素、アントシアニン、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。
次に、本実施形態に係るホップ抽出物含有飲料の製造方法について詳細に説明する。
本実施形態に係るホップ抽出物含有飲料の製造方法は、マイクロ波を照射することによってホップから抽出したホップ抽出物を含有させる工程を含む。
ホップ抽出物を製造する際に使用するホップは、アサ科の多年生植物でつる性のカラハナソウの一種である。なお、厳密には、使用するホップは、ホップの雌株の花(球果、毬花とも呼ばれる)である。
ホップの状態は特に限定されず、生の状態のもの(生ホップ:収穫した球果に対して、凍結、乾燥等の処理を行っていないもの)でも、凍結させた状態のもの(凍結ホップ:収穫した球果に対して凍結処理を行ったもの、及び、凍結処理後に解凍を行ったもの)でも、乾燥させた状態のもの(乾燥ホップ:収穫した球果に対して乾燥処理を行ったもの)でもよいが、フレッシュな香味の増強と飲用後の不快な香味の低減をより確実なものとする観点から、生ホップ、又は、凍結ホップを使用するのが好ましい。
前記したホップからマイクロ波を照射することによってホップ抽出物を抽出する。
詳細には、マイクロ波発生装置によってマイクロ波をホップに照射(ホップに対して直接的に照射、又は、ホップを収容した容器に対して間接的に照射)し、加熱されたホップから発生した蒸気を捕集し、捕集された蒸気をホップ抽出物として回収する。
ここで、マイクロ波発生装置が照射するマイクロ波について、波長は10〜1000mmであるのが好ましく、100〜140mmであるのがより好ましい。
また、ホップ抽出物を回収する際、ホップから発生する蒸気の温度が略一定の温度となるようにマイクロ波による加熱条件が制御されるが、当該蒸気の温度については、40〜65℃が好ましい。
なお、マイクロ波発生装置や、蒸気を回収する構成については、公知の装置や構成のものを用いることができる。
詳細には、生ホップ1.5kgに対して、マイクロ波を照射して捕集したホップ抽出物(蒸気)を、捕集開始時点から0〜100mLのもの(Fr.1とする)、100mLを超え200mLまでのもの(Fr.2とする)、200mLを超え300mLまでのもの(Fr.3とする)に区分けした場合、Fr.3のものよりも、Fr.2のものが好ましく、Fr.1のものがより好ましい。
なお、使用するホップの量を増やすと、増加割合に応じてFr.1、2、3に該当する量も増加する。例えば、使用するホップが3kgの場合は、0〜200mLがFr.1、200mLを超え400mLまでがFr.2、400mLを超え600mLまでがFr.3に該当する。
つまり、使用するホップをAkgとすると、Fr.1は、0〜100/1.5×AmLとなり、Fr.2は、100/1.5×AmLを超え200/1.5×AmLまでとなり、Fr.3は、200/1.5×AmLを超え300/1.5×AmLまで、となる。
前記の抽出方法によって得られたホップ抽出物は、最終製品(ホップ抽出物含有飲料)に対して以下の含有量となるように添加する。
ホップ抽出物の含有量は、0.0005v/v%以上が好ましく、0.003v/v%以上がより好ましく、0.050v/v%以上がさらに好ましい。ホップ抽出物の含有量を所定値以上とすることにより、フレッシュな香味の増強という効果をより確実なものとすることができる。
ホップ抽出物の含有量は、8.000v/v%以下が好ましく、0.800v/v%以下がより好ましく、0.300v/v%以下がさらに好ましい。ホップ抽出物の含有量を所定値以下とすることにより、飲用後の不快な香味(詳細には、渋味、エグ味)が増強してしまうという事態を回避することができる。
本実施形態に係るホップ抽出物含有飲料の製造方法について、前記した工程以外の工程については特に限定されず、例えば、混合工程S1と、後処理工程S2と、を含む製造方法が挙げられる。
この混合工程S1において、ホップ抽出物の含有量が前記した所定範囲の量となるように各原料を混合し、調整すればよい。
なお、後処理工程S2のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程S2の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程S2の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程S2での各処理の順序は特に限定されない。
なお、前記した抽出方法で得られたホップ抽出物は、発酵前工程、発酵工程、発酵後工程のいずれの工程で添加してもよいが、発酵が終了した段階で添加するのが好ましい。そして、ホップ抽出物の含有量が前記した所定範囲の量となるように添加すればよい。
次に本実施形態に係るホップ抽出物含有飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係るホップ抽出物含有飲料の香味向上方法は、マイクロ波を照射することによってホップから抽出したホップ抽出物を含有させるという方法である。
なお、その他のホップ、マイクロ波等の条件については、前記したとおりである。
なお、実施例1〜3の各サンプルについて、乾果換算で1.2g/L等量(サンプル1Lに対して使用するホップ(乾燥質量)のグラム数が1.2g)となるようにホップ抽出物、乾燥ホップ、生果ホップの添加量を調整した。
まず、実施例1では、添加するホップ抽出物の抽出方法が、各評価に与える影響について確認した。
市販のノンアルコールビールを用意し、適宜、ホップ抽出物(含有量:A−2〜A−4は0.04v/v%、A−5〜A−6は0.06v/v%)を混合してサンプル液を準備した。
サンプルA−2「マイクロ波(Fr.1)」のホップ抽出物は、1.5kgの生ホップ(品種:フラノビューティ、乾燥質量:約0.3kg)が収容された容器に対し、マイクロ波発生装置(兼松エンジニアリング株式会社製、型番:EXT−V20P02)によってマイクロ波(波長:121〜123mm)を照射し、加熱されたホップから発生した蒸気を捕集(当該蒸気が約65℃となるようにマイクロ波発生装置を制御)したもののうち、捕集開始時点から0〜100mLのものである。なお、サンプルA−3「マイクロ波(Fr.2)」のホップ抽出物は、捕集開始時点から100mLを超え200mLまでのものであり、サンプルA−4「マイクロ波(Fr.3)」のホップ抽出物は、200mLを超え300mLまでのものである。
サンプルA−5「減圧蒸留」のホップ抽出物は、50℃、約12kPaで減圧蒸留して得られたものである。
サンプルA−6「常圧蒸留」のホップ抽出物は、100℃で蒸留して得られたものである。
サンプルA−7「乾果ドライホッピング」、サンプルA−8「生果ドライホッピング」は、それぞれ乾燥したホップの球果、生のホップの球果を前記のノンアルコールビールに4日間浸漬(サンプル液350mLに対して、乾燥ホップで0.42g、生果で2.1g浸漬)させて準備した。
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された専門のパネル4名がビジュアルアナログ尺度(VAS法:アロマサイエンスシリーズ21(3)「においの心理学」p154)に則って「漬物/ムレ」、「渋味/エグ味」、「フレッシュな香味」、「総合評価」について、独立点数付けし、その平均値を算出した。
その後、「対象(ホップを添加せず)」の点数と各サンプルの点数との差(=「各サンプルの点数」−「対象の点数」)を算出し、算出した値を表に示した。
なお、「漬物/ムレ」、「渋味/エグ味」の評価については、サンプルを飲んだ後に感じる香味を評価し、「フレッシュな香味」、「総合評価」については、サンプルを飲む前の香り、飲んでいる際、及び、飲んだ後に感じられる香味を総合的に評価した。
VAS法において、10cmの直線を用意し、左端を「感じない」、右端を「想像し得る限り強く感じる」とし、評価を実施した。
すなわち、「感じない」場合は0点、「想像しうる限り強く感じる」場合は10点、そのちょうど中間と判断すれば5点となる。評価後、左端からの距離を測定し、官能評価値とした(この点、以下の評価基準も同様である)。
なお、「漬物/ムレ」の点数が低い程、サンプルを飲用後の不快な香味(漬物様の香味、ムレ臭)が抑制されているとの判断ができる。
VAS法において、10cmの直線を用意し、左端に「0点:感じない」、右端に「10点:想像し得る限り強く感じる」という数値と指標を設けて評価を実施した。
なお、「渋味/エグ味」の点数が低い程、サンプルを飲用後の不快な香味(渋味、エグ味)が抑制されているとの判断ができる。
VAS法において、10cmの直線を用意し、左端に「0点:感じない」、右端に「10点:想像し得る限り強く感じる」という数値と指標を設けて評価を実施した。
なお、「フレッシュな香味」の点数が高い程、サンプルのフレッシュな香味が増強されているとの判断ができる。
VAS法において、10cmの直線を用意し、左端に「0点:非常に不快な香味」、右端に「10点:非常に好適な香味」という数値と指標を設けて評価を実施した。
なお、「総合評価」の点数が高い程、サンプルがノンアルコールビールテイスト飲料として好ましい香味となっているとの判断ができる。
サンプルA−2、A−3、A−4は、マイクロ波によって抽出したホップ抽出物を用いていたことから、サンプルA−1と比較してフレッシュな香味が強かったとともに、飲用後の不快な香味もそれほど強くなっていなかった。特に、これらの中でも、サンプルA−2はフレッシュな香味の増強効果が大きかった。
一方、サンプルA−5、A−6は、減圧蒸留、常圧蒸留によって抽出したホップ抽出物を用いていたことから、渋味、エグ味が強くなってしまった。
また、サンプルA−7、A−8は、乾果ドライホッピング、生果ドライホッピングによってホップの香味付けを行っていたことから、漬物様の香味、ムレ臭、渋味、エグ味が強くなってしまった。
次に、実施例2では、使用するホップの状態や、蒸気の温度条件が、各評価に与える影響について確認した。
市販のノンアルコールビールを用意し、適宜、ホップ抽出物(含有量:B−2〜B−5は0.04v/v%、B−6は0.02v/v%)を混合してサンプル液を準備した。
サンプルB−2「生球果(65℃)」のホップ抽出物は、マイクロ波発生装置(兼松エンジニアリング株式会社製、型番:EXT−V20P02)によってマイクロ波(波長:121〜123mm)を1.5kgの生ホップ(品種:フラノビューティ、乾燥質量:約0.3kg)が収容された容器に照射し、加熱されたホップから発生した蒸気を捕集(当該蒸気が約65℃となるようにマイクロ波発生装置を制御)したもののうち、捕集開始時点から0〜100mLのものである。
サンプルB−4「凍結球果(65℃)」のホップ抽出物は、サンプルB−2の抽出方法のうち、「生ホップ」ではなく「凍結ホップ(球果に対して凍結処理を行った後に解凍を行ったもの)」を用いた点のみを変えた方法によって得られたものである。
サンプルB−5「乾燥球果(水5倍希釈)」のホップ抽出物は、サンプルB−2の抽出方法のうち、「生ホップ」ではなく、「質量が約1/5となるまで乾燥させた乾燥ホップ(生ホップ1.5kg→乾燥ホップ0.3kg)に4倍量の水(水1.2kg)を加えたもの」を用いた点のみを変えた方法によって得られたものである。
サンプルB−6「乾燥球果(水2倍希釈)」のホップ抽出物は、サンプルB−2の抽出方法のうち、「生ホップ」ではなく、「質量が約1/5となるまで乾燥させた乾燥ホップ(生ホップ3.0kg→乾燥ホップ0.6kg)に等量の水(水0.6kg)を加えたもの」を用いた点のみを変えた方法によって得られたものである。なお、サンプルB−6のホップ抽出物は、他のサンプルの2倍量の乾燥ホップを使用したことから、前記のとおり、ホップ抽出物を0.02v/v%(他のサンプル:0.04v/v%の半分)となるように混合した。
試験内容、及び、各試験の評価基準については、実施例1と同様であった。
サンプルB−2〜B−6は、マイクロ波によって抽出したホップ抽出物を用いていたことから、サンプルB−1と比較してフレッシュな香味が強かったとともに、飲用後の不快な香味もそれほど強くなっていなかった。特に、これらの中でも、生球果又は凍結球果を用いたサンプルB−2、B−3、B−4はフレッシュな香味の増強効果が大きかった。さらに、これらの中でも蒸気の温度が40℃のサンプルB−3は飲用後の不快な香味の低減効果が大きかった。
次に、実施例3では、使用するホップの品種が、各評価に与える影響について確認した。
市販のノンアルコールビールを用意し、適宜、ホップ抽出物(含有量:C−2〜C−8は0.04v/v%)を混合してサンプル液を準備した。
サンプルC−2〜C−8は、1.5kgの生ホップ(品種:表3に記載、乾燥質量:約0.3kg)が収容された容器に対し、マイクロ波発生装置(兼松エンジニアリング株式会社製、型番:EXT−V20P02)によってマイクロ波(波長:121〜123mm)を照射し、加熱されたホップから発生した蒸気を捕集し(当該蒸気が約65℃となるようにマイクロ波発生装置を制御)、捕集開始時点から0〜100mLのホップ抽出物を用いたものである。
試験内容、及び、各試験の評価基準については、実施例1と同様であった。
サンプルC−2〜C−7は、マイクロ波によって抽出したホップ抽出物を用いていたことから、サンプルC−1と比較してフレッシュな香味が強かったとともに、飲用後の不快な香味もそれほど強くなっていなかった(一部のサンプルは低減していた)。
以上の結果より、ホップの品種に拘わらず、本発明の効果が得られることがわかった。
次に、実施例4では、ホップ抽出物の含有量が、各評価に与える影響について確認した。
市販のノンアルコールビールを用意し、適宜、ホップ抽出物(含有量:表4に記載)を混合してサンプル液を準備した。
サンプルD−2〜D−8のホップ抽出物は、1.5kgの生ホップ(品種:フラノビューティ、乾燥質量:約0.3kg)が収容された容器に対し、マイクロ波発生装置(兼松エンジニアリング株式会社製、型番:EXT−V20P02)によってマイクロ波(波長:121〜123mm)を照射し、加熱されたホップから発生した蒸気を捕集し(当該蒸気が約65℃となるようにマイクロ波発生装置を制御)、捕集開始時点から0〜100mLのものである。
試験内容、及び、各試験の評価基準については、実施例1と同様であった。
サンプルD−2〜D−8は、マイクロ波によって抽出したホップ抽出物を用いていたことから、サンプルD−1と比較してフレッシュな香味が強かったとともに、飲用後の不快な香味もそれほど強くなっていなかった(一部のサンプルは低減していた)。これらの中でも、ホップ抽出物の含有量が0.004v/v%以上(特に、0.010v/v%以上)のサンプルは、フレッシュな香味の増強効果をしっかりと感じ取ることができた。
以上の結果より、ホップ抽出物の含有量を所定量以上とすることにより、より確実に本発明の効果が得られることがわかった。
S2 後処理工程
Claims (7)
- ホップ抽出物を含有するホップ抽出物含有飲料の製造方法であって、
マイクロ波を照射することによってホップから抽出したホップ抽出物を含有させる工程を含み、
前記マイクロ波の波長は100〜140mmであって、前記ホップから発生する蒸気の温度が40〜65℃となるように前記マイクロ波を照射し、
前記ホップ抽出物は、前記ホップをAkgとした場合に、マイクロ波を照射して捕集を開始した時点から0〜100/1.5×AmLの全てを含むものであるホップ抽出物含有飲料の製造方法。 - 前記ホップ抽出物の含有量を0.0005v/v%以上とする工程を含む請求項1に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
- 前記ホップ抽出物の含有量を0.003v/v%以上とする工程を含む請求項2に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
- 前記ホップ抽出物の含有量を8.000v/v%以下とする工程を含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
- 前記ホップは生ホップ又は凍結ホップである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
- 前記ホップ抽出物含有飲料はビールテイスト飲料である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のホップ抽出物含有飲料の製造方法。
- ホップ抽出物を含有するホップ抽出物含有飲料のフレッシュな香味を増強させるとともに、飲用後の不快な香味を低減させる香味向上方法であって、
マイクロ波を照射することによってホップから抽出したホップ抽出物を含有させる工程を含み、
前記マイクロ波の波長は100〜140mmであって、前記ホップから発生する蒸気の温度が40〜65℃となるように前記マイクロ波を照射し、
前記ホップ抽出物は、前記ホップをAkgとした場合に、マイクロ波を照射して捕集を開始した時点から0〜100/1.5×AmLの全てを含むものであるホップ抽出物含有飲料の香味向上方法。
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