JP6961861B1 - 銅合金条材およびその製造方法、それを用いた抵抗器用抵抗材料ならびに抵抗器 - Google Patents

銅合金条材およびその製造方法、それを用いた抵抗器用抵抗材料ならびに抵抗器 Download PDF

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    • C22F1/08Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon

Abstract

本発明の銅合金条材は、製品やロット間に生じる抵抗値のばらつきが少ない銅合金条材等であって、3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有し、残部が銅および不可避不純物からなる合金組成を有し、後方散乱電子回折法によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値は、1°以上4°未満であり、かつ、前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合は、20%以上50%未満である。

Description

本発明は、銅合金条材およびその製造方法、それを用いた抵抗器用抵抗材料ならびに抵抗器に関し、特に、プレス加工を施してチップを製造するのに適した銅合金条材であって、製造されるチップの抵抗値のばらつきが少ない銅合金条材に関する。
抵抗器に使用される抵抗材の金属材料には、環境温度が変化しても抵抗器の抵抗が安定するように、その指標である抵抗温度係数(TCR)が小さいことが要求される。抵抗温度係数とは、温度による抵抗値の変化の大きさを1℃当たりの百万分率(ppm)で表したものであり、TCR(×10−6/K)={(R−R)/R}×{1/(T−T)}×10という式で表される。ここで、式中のTは試験温度(℃)、Tは基準温度(℃)、Rは試験温度Tにおける抵抗値(Ω)、Rは基準温度Tにおける抵抗値(Ω)を示す。Cu−Mn−Ni合金やCu−Mn−Sn合金はTCRが非常に小さいため、抵抗材を構成する合金材料として広く使用されている。
ところで、このような合金材料をプレス成形して製造される抵抗材においては、プレス成形時に当該合金材料中に歪みが導入され、抵抗値にばらつきが生じ、安定的に抵抗材を生産できないことがある。
特許文献1においては、銅合金素材に対し高圧下率で圧延処理を施した後、水素ガスによる非酸化性雰囲気で加熱することにより、残留歪を除去でき、その結果として抵抗温度係数を低下させることができることが開示されている。しかしながら、このようにして製造される合金材料であっても、なお歪みが不均一に残留しており、抵抗値にばらつきが生じ得るものであった。
特開2016−69724号公報
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、プレス加工を施してチップを製造するのに適した銅合金条材であって、製品やロット間に生じる抵抗値のばらつきが少ない銅合金条材およびその銅合金条材を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、銅合金条材が、3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有し、残部が銅および不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金条材であって、後方散乱電子回折法によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値が1°以上4°未満であることによって、そのような銅合金条材に、プレス加工を施して製造されるチップにおいて、製品やロット間に生じる抵抗値のばらつきが少ないこと、およびそのような銅合金条材は、前記銅合金条材の合金組成と実質同じ合金組成を有する銅合金素材に、800℃以上950℃以下の高温域で加熱する第1熱処理工程と、熱間加工工程と、50%以上の高加工率で冷間加工を施す第1冷間加工工程、および400℃以上700℃以下の中温域で加熱する第2熱処理工程を1セット工程とするときの1セット工程以上と、5%以上50%未満の低加工率で冷間加工を施す第2冷間加工工程と、200℃以上400℃未満で2時間以上6時間以下加熱する第3熱処理工程とを含む製造方法により製造できることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有し、残部が銅および不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金条材であって、後方散乱電子回折法によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値は、1°以上4°未満であり、かつ、前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合は、20%以上50%未満であることを特徴とする銅合金条材。
(2)前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が6°以上15°未満である面積が占める割合は、1%以上5%以下であることを特徴とする、上記(1)に記載の銅合金条材。
(3)ビッカース硬さが150以上200以下であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の銅合金条材。
(4)前記合金組成は、0.01質量%以上5質量%以下のニッケル、0.01質量%以上5質量%以下の錫、0.01質量%以上5質量%以下の亜鉛、0.01質量%以上0.5質量%以下の鉄、0.01質量%以上0.5質量%以下のケイ素、0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウム、0.01質量%以上0.5質量%以下のチタン、0.01質量%以上0.5質量%以下の銀、0.01質量%以上0.5質量%以下のマグネシウム、0.01質量%以上0.5質量%以下のコバルト、および、0.01質量%以上0.5質量%以下のリンからなる群より選択される1種または2種以上の元素をさらに含有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の銅合金条材。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の銅合金条材の製造方法であって、前記銅合金条材の合金組成と実質同じ合金組成を有する銅合金素材に、800℃以上950℃以下の高温域で加熱する第1熱処理工程と、熱間加工工程と、50%以上の高加工率で冷間加工を施す第1冷間加工工程、および400℃以上700℃以下の中温域で加熱する第2熱処理工程を1セット工程とするときの1セット工程以上と、5%以上50%未満の低加工率で冷間加工を施す第2冷間加工工程と、200℃以上400℃未満で2時間以上6時間以下加熱する第3熱処理工程とを含むことを特徴とする、銅合金条材の製造方法。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の銅合金条材を用いた抵抗器用抵抗材料。
(7)上記(6)に記載の抵抗材料を有する抵抗器。
本発明によれば、プレス加工を施してチップを製造するのに適した銅合金条材であって、製品やロット間に生じる抵抗値のばらつきが少ない銅合金条材およびその銅合金条材を製造する方法を提供することができる。
(1)銅合金条材
以下、本発明の銅合金条材の好ましい実施形態について、詳細に説明する。本発明に従う銅合金条材は、3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有し、残部が銅および不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金条材であって、後方散乱電子回折法によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値は、1°以上4°未満であり、かつ、前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合は、20%以上50%未満であることを特徴とするものである。
以下、本発明の銅合金条材の組成および結晶構造の限定理由について説明する。
<銅合金条材の組成>
〔マンガン:3質量%以上20質量%以下〕
本発明の銅合金条材は、3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有するものである。マンガン(Mn)は、本発明では必須の含有成分である。マンガン含有量がこのような範囲にあることにより、当該銅合金材料の抵抗温度係数を低下させることができる。これに対し、マンガンの含有量が3質量%未満であると、抵抗温度係数を小さくする効果が十分に得られない。また、マンガンの含有量が20質量%より多い場合、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。抵抗温度係数の観点から、マンガン含有量は、5質量%以上であることが好ましい。
<銅合金条材の任意成分>
また、本発明の合金条材は、任意添加成分として、0.01質量%以上5質量%以下のニッケル、0.01質量%以上5質量%以下の錫、0.01質量%以上5質量%以下の亜鉛、0.01質量%以上0.5質量%以下の鉄、0.01質量%以上0.5質量%以下のケイ素、0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウム、0.01質量%以上0.5質量%以下のチタン、0.01質量%以上0.5質量%以下の銀、0.01質量%以上0.5質量%以下のマグネシウム、0.01質量%以上0.5質量%以下のコバルト、および、0.01質量%以上0.5質量%以下のリンからなる群より選択される1種または2種以上の元素をさらに含有することができる。これらの元素は、いずれも抵抗温度係数の改善、体積抵抗率の調整等を目的として添加するものであるが、それぞれの所定の範囲を超えて添加すると、使用温度が400℃未満であっても、抵抗値等の特性が変動したり、原料コストの増加等が生じたりするおそれがある。以下、各金属元素についてそれぞれ説明する。
〔ニッケル:0.01質量%以上5質量%以下〕
ニッケル(Ni)の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ニッケルの含有量が0.01%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、ニッケルの含有量が5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、ニッケルの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔錫:0.01質量%以上5質量%以下〕
錫(Sn)の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。錫の含有量が0.01%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、錫の含有量が5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、錫の含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔鉄:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
鉄(Fe)の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。鉄の含有量が0.01%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、鉄の含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、鉄の含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔亜鉛:0.01質量%以上5質量%以下〕
亜鉛(Zn)の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。亜鉛の含有量が0.01%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、亜鉛の含有量が5質量%超であると、脱亜鉛現象に起因する抵抗値のばらつきが生じるおそれがある。なお、亜鉛の含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔ケイ素:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
ケイ素(Si)の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。ケイ素の含有量が0.01質量%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、ケイ素の含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、ケイ素の含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔クロム:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
クロム(Cr)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。クロムの含有量が0.01質量%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、クロムの含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、クロムの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔ジルコニウム:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
ジルコニウム(Zr)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。ジルコニウムの含有量が0.01質量%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、ジルコニウムの含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、ジルコニウムの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔チタン:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
チタン(Ti)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。チタンの含有量が0.01質量%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、チタンの含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、チタンの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔銀:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
銀(Ag)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。銀の含有量が0.01%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、銀の含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、銀の含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔マグネシウム:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
マグネシウム(Mg)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。マグネシウムの含有量が0.01質量%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、マグネシウムの含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、マグネシウムの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔コバルト:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
コバルト(Co)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。コバルトの含有量が0.01質量%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、コバルトの含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、コバルトの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔リン:0.01質量%以上0.5質量%以下〕
リン(P)の含有量は、特に限定されないが、銅合金条材100質量%に対して0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。リンの含有量が0.01%未満であると、抵抗温度係数の改善および体積抵抗率の調整の効果が十分に得られない可能性がある。一方で、リンの含有量が0.5質量%超であると、加工時の歪み量が増し、低温域で熱処理する際に適切な歪み分布を得ることが難しくなる。なお、リンの含有量は、例えば0質量%以上(非含有の場合を含む)、0.001質量%以上、0.005質量%以上であってもよい。
〔残部:銅および不可避不純物〕
上述した必須含有成分および任意添加成分以外は、残部がCu(銅)および不可避不純物からなる。なお、ここでいう「不可避不純物」とは、おおむね銅系製品において、原料中に存在するものや、製造工程において不可避的に混入するもので、本来は不要なものであるが、微量であり、銅系製品の特性に影響を及ぼさないため許容されている不純物である。不可避不純物として挙げられる成分としては、例えば、硫黄(S)、酸素(O)等の非金属元素やアルミニウム(Al)やアンチモン(Sb)等の金属元素が挙げられる。なお、これらの成分含有量の上限は、上記成分毎に0.05質量%、上記成分の総量で0.20質量%とすればよい。
<銅合金条材の結晶構造>
本発明の合金条材は、後方散乱電子回折法(EBSD法)によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値は、1°以上4°未満であり、かつ、前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合は、20%以上50%未満であることを特徴とするものである。
このような銅合金条材においては、後方散乱電子回折法によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値が1°以上4°未満であることにより、銅合金条材がごく僅かな歪みを有するものとなり、この歪みによりプレス加工で生じる歪みを抑制(相殺)し、製品やロット間の抵抗値のばらつきを抑制することができる。一方で、KAMの平均値が1°未満であると、当該銅合金条材には歪みが少ない状態(再結晶後の状態)であり、プレス加工により歪みが導入されることにより商品やロット間に抵抗値のばらつきが生じる。また、KAMの平均値が4°以上であると、例えば銅合金条材にめっきやはんだ等が施され、加熱して接合されるような使用態様の場合に拡散が過剰に生じ、製品やロット間の抵抗値のばらつきが生じるからである。
また、本発明の銅合金条材は、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合が20%以上50%未満であること、好ましくは20%以上45%以下であることにより、製品やロット間の抵抗値のばらつきをより有効に抑制することができる。
KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合を20%未満であることは、1°未満あるいは4°以上の少なくとも一方の面積が占める割合が多いことになり、上記同様に、プレス加工により歪みが導入されやすい、あるいは、例えば銅合金条材にめっきやはんだ等が施され、加熱して接合されるような使用態様の場合に拡散が過剰に生じ、いずれも製品やロット間の抵抗値のばらつきが生じるおそれから好ましくない。一方、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合を50%以上としても、例えば銅合金条材にめっきやはんだ等が施され、加熱して接合されるような使用態様の場合に拡散が過剰に生じ、製品やロット間の抵抗値のばらつきが生じるおそれから好ましくない。
よって、本発明の銅合金条材は、後方散乱電子回折法(EBSD法)によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値が1°以上4°未満であり、かつ、前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合は、20%以上50%未満であることによって、プレス加工後、及び例えば銅合金条材にめっきやはんだ等が施され、加熱して接合されるような使用態様の場合においても安定した抵抗値を有することができる。
また、後方散乱電子回折法によりKAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が6°以上15°未満である面積が占める割合は、1%以上5%以下であることが好ましい。KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が6°以上15°未満である面積が占める割合が1%以上5%以下であるということは、延性に乏しい高歪み領域を適度に備え、かつ、熱的に安定な組織であることを意味する。高歪み領域は、プレス時に破断の起点となることで、銅合金条材中に歪み量が増えることなくプレス加工ができ、寸法精度の向上、及び、製品やロット間の抵抗値のばらつきをより有効に抑制することができる。
なお、KAMは、日本電子株式会社製、JSM−7001FAを用いて後方散乱電子回折法により測定する。銅合金条材を、圧延方向に平行な断面を、樹脂埋め、電解研磨等によって鏡面仕上げし、測定試料とする。なお、例えば、銅合金条材をりん酸溶液に浸漬し、60秒間通電して電解研磨を行うことにより、試料表面を鏡面仕上げすることができる。そして、試料表面に存在する銅合金条材の断面において、銅合金条材の両表面からそれぞれ銅合金条材の板厚の1/4の厚さ位置を通るように引いた仮想ライン間で区画される領域内に位置する矩形の視野領域(例えば100μm×100μm)を測定対象とし、ステップサイズ0.05μmにて測定を行う。TSL社製の解析ソフトOIM Analysisを用いて、すべての点を対象に、結晶方位差が15°以上の場合を境界とした第一隣接の測定値を用いてKAMの平均値を算出する。なお、また、当該視野領域において、0°以上15°未満の範囲を15分割し、1°ごとの面積率を求めることで、この面積を測定したKAMを測定した面積全体に対し、1°以上4°未満である面積が占める割合及び6°以上15°未満である面積が占める割合を求める。このような測定を任意の箇所5箇所で行い、その平均値を算出した。
<銅合金条材の物性>
本発明の合金条材のビッカース硬さHVは、特に限定されないが、150以上200以下であることが好ましく、150以上190以下であることがより好ましい。ビッカース硬さがこのような範囲内では、特にプレス加工による歪みを抑制し、また、熱による抵抗値等の特性の変化を抑制することができる。
なお、ビッカース硬さは、JIS Z2244(2009)に規定の方法に準拠して、銅合金条材の表面からビッカース硬さを測定する。このときの荷重(試験力)は2.9Nであり、圧子の圧下時間は15sである。
本発明の銅合金条材は、抵抗器、例えばシャント抵抗器やチップ抵抗器用の抵抗材料として極めて有用である。
(2)銅合金条材の製造方法
以上のような本発明の一実施形態による銅合金条材の製造方法を詳しく説明する。この製造方法は、前記銅合金条材の合金組成と実質同じ合金組成を有する銅合金素材に、800℃以上950℃以下の高温域で加熱する第1熱処理工程と、熱間加工工程と、50%以上の高加工率で冷間加工を施す第1冷間加工工程、および400℃以上700℃以下の中温域で加熱する第2熱処理工程を1セット工程とするときの1セット工程以上と、5%以上50%未満の低加工率で冷間加工を施す第2冷間加工工程と、200℃以上400℃未満で2時間以上6時間以下加熱する第3熱処理工程とを含むことを特徴としている。以下、各工程について説明する。
<銅合金素材の作製工程>
銅合金素材は、前記銅合金条材の合金組成と実質同じ合金組成を有している。銅合金素材としては、例えば鋳造によって製造された鋳塊(インゴット)などが挙げられるが、特に限定はしない。ここで、銅合金素材の合金組成を、銅合金条材の合金組成と「実質同じ」としたのは、銅合金素材から銅合金条材を製造するまでの各工程において、銅合金素材中に、揮発(気化)しやすい成分等を含有する場合には、気化(蒸発)により消失することも想定されることから、そのような場合を含めるためである。
<第1熱処理工程>
第1熱処理工程は、銅合金素材に、800℃以上950℃以下の高温域で加熱する工程である。第1熱処理工程での加熱温度を800℃以上950℃以下の高温域にすることで、鋳造時に生じた凝固偏析や、晶出物、析出物を消失させ素材を均一化することができる。
第1熱処理工程における加熱時間としては、特に限定されないが、10分間以上10時間以下であることが好ましい。
<熱間加工工程>
熱間加工工程は、例えば800℃〜950℃程度の温度で、所望の板厚になるように加工(例えば圧延)する工程である。熱間加工については、圧延加工、もしくは押出加工のどちらでも特に制限はない。
<第1冷間加工工程>
第1冷間加工工程は、50%以上の高加工率で冷間加工を施す工程である。第1冷間加工工程では、常法に従い、適宜冷間加工を施す。第1冷間加工工程における加工率を、50%以上の高加工率とすることで、再結晶の駆動力となる歪み量を確保でき、次工程での再結晶を容易にさせることができる。
<第2熱処理工程>
第2熱処理工程は、400℃以上700℃以下の中温域で加熱を施す工程である。第2熱処理工程での加熱温度を400℃以上700℃以下の中温域にすることで、再結晶させ、歪みが除去された均一な組織を得ることができる。第2熱処理工程では、常法に従い、適宜熱処理を施す。
第2熱処理における加熱時間としては、特に限定されないが、10秒以上10時間以下とすることが好ましい。
なお、上記の第1冷間加工工程及び第2熱処理工程は、これら2つの工程を1セットの工程とするとき、1セット工程のみを行ってよく、又は2セット工程以上繰り返し行ってもよい。
<第2冷間圧延工程>
第2冷間圧延工程は、5%以上50%未満の低加工率で冷間加工を施す工程である。このようにして低加工率で冷間加工を施すことにより、合金材料中の歪みの不均一さを抑制して圧延することができる。一方で、第2冷間圧延工程における加工率が50%以上であると、後段の第3熱処理工程で加熱を施しても、ここで生じた歪みが不均一なまま維持して、プレス成形して製造される製品やロット間での抵抗値のばらつきを抑制することができる。さらに、加工率をより好適には20%以上50%未満とすることで、KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が6°以上15°未満である面積が占める割合を適正な範囲とすることができる。
<第3熱処理工程>
第3熱処理工程は、200℃以上400℃未満にて2時間以上6時間以下加熱する工程である。このようにして低温域で長時間加熱を施すことにより、結晶粒が再結晶することなく、結晶内の歪みが抑制されて調整される。加熱時間を2時間以上とすることで、KAMの値が1°未満となる低歪み領域を増やすことで、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合を20%以上50%未満の範囲に調整することができる。一方、加熱時間が6時間を超過すると、低歪み領域が拡大し過ぎることで、KAMの平均値が1°未満になって、所望の特性を得ることが難しくなる。また、加熱温度が200℃未満だと、拡散が生じ難く結晶内の歪みを抑制することが困難となって、所望の特性が得られず、一方、加熱温度が400℃以上だと、再結晶が進行することでKAMの平均値が1°未満となって、所望の特性が得られない。さらに、第3熱処理工程における加熱温度を250℃以上で長時間熱処理することで、KAMの値が6°以上15°未満である高歪み領域の歪みを効果的に低減することが出来、KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が6°以上15°未満である面積が占める割合を1%以上5%以下とすることができる。
なお、以上の銅合金条材の製造方法は、上述した工程以外の他の工程を設けてもよい。例えば、熱間加工工程の後に形成された厚い酸化被膜を機械研磨によって除去する面削工程や、圧延油を取り除く脱脂工程、熱処理によって生じた薄い酸化被膜を機械的または化学的に除去する研磨工程、変色を防止するために行う防錆工程などが挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、本発明例および比較例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(発明例1〜15、比較例1〜5)
表1の「合金組成」欄に記載した合金組成を有する鋳塊(10kg)を鋳造により製造した。この鋳塊に対し、加熱温度800℃以上950℃以下、加熱時間10分以上10時間以下の条件で第1熱処理工程を行い、合金成分を均質化した後に、加工率70%超とする熱間加工工程により板状(サイズ:長さ500mm、幅100mm、厚さ10mm)に成形し水冷し、板状物を得た。
次いで、90%以上の高加工率での第1冷間加工工程、および400℃以上700℃以下の中温域で加熱する第2熱処理工程を行った。なお、第1冷間加工工程および第2熱処理工程は、発明例1〜5、7、8、10〜15および比較例1〜5では、それぞれ1回ずつ(1セット)行った。また、発明例6および9では、1セット目と2セット目とで加工率および加熱条件を変更し、それぞれ2回ずつ(2セット)処理を行った。
その後、5%以上50%未満の低加工率での第2冷間加工工程、および200℃以上400℃未満で2時間以上6時以下加熱する第3熱処理工程を行った。なお、比較例1については、第2冷間加工工程および第3熱処理工程を行わず、また、比較例4については、第3熱処理工程を行わなかったため、表1では、行わなかった工程の欄に「−」と表記した。
[銅合金条材の組成]
銅合金条材の合金組成(質量%)は、ICP分析により測定し、下記表1に示した。
[後方散乱電子回折]
KAMは、日本電子株式会社製、JSM−7001FAを用いて後方散乱電子回折法により測定した。銅合金条材を、圧延方向に平行な断面を、樹脂埋め、電解研磨等によって鏡面仕上げし、測定試料とした。その断面試料のうち、板厚中央部の100μm×100μmの視野領域を測定対象とし、ステップサイズ0.05μmにて測定を行った。TSL社製の解析ソフトOIM Analysisを用いて、結晶方位差が15°以上を境界として、KAMの平均値を算出した。また、当該視野において、0°以上15°未満の範囲を15分割(0°以上1°未満、1°以上2°未満、2°以上3°未満、・・・14°以上15°未満)し、1°ごとの面積率を求めることで、測定対象とした100μm×100μm視野における、1°以上4°未満のKAMを有する面積が占める割合及び6°以上15°未満のKAMを有する面積が占める割合を求めた。このような測定を任意の箇所5箇所で行い、その平均値を算出した。
[ビッカース硬さ]
ビッカース硬さは、JIS Z2244(2009)に規定の方法に準拠して、銅合金材料の表面からビッカース硬さを測定した。このときの荷重(試験力)は2.9Nであり、圧子の圧下時間は15sである。
[抵抗値のばらつき]
板厚0.2mm、幅2mm、長さ60mmの銅合金基材の両面に、片面当たり5μmの錫(Sn)めっきを施して形成したチップをプレスによって成形して供試材を得た。供試材は、実装時の熱の影響を想定し、260℃、30分熱処理した後、電圧端子間距離を50mmとした四端子法により抵抗値を測定した。測定はn=500で行い、標準偏差と平均値を求めた。抵抗値のばらつきは、((標準偏差/平均値)×100)の式で求められる値が0.50%以下の供試材を「Aランク」、0.50%超0.55%以下の供試材を「Bランク」、0.55%超0.60%以下の供試材を「Cランク」、そして、0.60%超の供試材を「Dランク」として評価した。なお、((標準偏差/平均値)×100)の式で求められる値が0.60%以下(すなわち、A〜Cランク評価)であれば、抵抗値のばらつきは、合格レベルであると評価した。
なお、Snめっきは、前処理、酸洗を施した後に行った。前処理条件、酸洗条件およびSnめっき条件を下記に示す。
(前処理条件)
[カソード電解脱脂]
脱脂液:NaOH 60g/L
電流密度:2.5A/dm
処理温度:60℃、
処理時間:60秒
[酸洗条件]
酸洗液:10%HSO
処理温度:23℃
処理(浸漬)時間:30秒
[Snめっき条件]
めっき浴組成:SnSO 50g/L
SO 80g/L
クレゾールスルホン酸 50g/L
β−ナフトール 1g/L
ゼラチン 2g/L
電流密度:1.5A/dm
浴温:30℃
また、Snめっきの厚さは、日立ハイテック製蛍光X線膜厚計(商品名:SFT−9400)によって計測し、片面5μmずつ、両面10μmとなるように、めっきの処理時間を調整することによって、前記銅合金基材の両面にSnめっきを施した。
Figure 0006961861
表1から分かるように、発明例1〜15の銅合金条材は、3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有する組成を有し、後方散乱電子回折法により測定して算出されるKAMの平均値が1°以上4°未満と本発明の適正範囲内であるため、プレス成形してから260℃、30分間の熱処理を行った後も、抵抗値のばらつきが少ないことが分かった。
これに対し、比較例1の供試材(銅合金条材)は、12質量%のマンガンを含有する組成を有しているが、後方散乱電子回折法により測定して算出されるKAMの平均値が0.5°と本発明の適正範囲よりも小さいため、プレス成形してから260℃、30分間の熱処理を行った後の抵抗値のばらつきが大きいことが分かった。
また、比較例2の供試材(銅合金条材)は、12質量%のマンガンを含有する組成を有しているが、後方散乱電子回折法により測定して算出されるKAMの平均値が12.1°と本発明の適正範囲よりも大きいため、プレス成形してから260℃、30分間の熱処理を行った後の抵抗値のばらつきが大きいことが分かった。
また、比較例3の供試材(銅合金条材)は、7質量%のマンガンを含有する組成を有しているが、第3熱処理として500℃で加熱したことにより、後方散乱電子回折法により測定して算出されるKAMの平均値が0.6°と本発明の適正範囲よりも小さくなり、プレス成形してから260℃、30分間の熱処理を行った後の抵抗値のばらつきが大きいことが分かった。
比較例4の供試材(銅合金条材)は、10質量%のマンガンを含有する組成を有しているが、後方散乱電子回折法により測定されるKAMの平均値が13.8°と本発明の適正範囲よりも大きいため、プレス成形してから260℃、30分間の熱処理を行った後の抵抗値のばらつきが大きいことが分かった。
比較例5の供試材(銅合金条材)は、6質量%のマンガンを含有する組成を有しているが、後方散乱電子回折法により測定されるKAMの平均値が4.1°と本発明の適正範囲よりも大きいため、プレス成形してから260℃、30分間の熱処理を行った後の抵抗値のばらつきが大きいことが分かった。

Claims (7)

  1. 3質量%以上20質量%以下のマンガンを含有し、残部が銅および不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金条材であって、
    後方散乱電子回折法によりKAMを測定して算出したときのKAMの平均値は、1°以上4°未満であり、かつ、前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が1°以上4°未満である面積が占める割合は、20%以上50%未満であることを特徴とする銅合金条材。
  2. 前記KAMを測定した面積全体に対して、KAMの値が6°以上15°未満である面積が占める割合は、1%以上5%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の銅合金条材。
  3. ビッカース硬さが150以上200以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の銅合金条材。
  4. 前記合金組成は、
    0.01質量%以上5質量%以下のニッケル、
    0.01質量%以上5質量%以下の錫、
    0.01質量%以上5質量%以下の亜鉛、
    0.01質量%以上0.5質量%以下の鉄、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のケイ素、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウム、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のチタン、
    0.01質量%以上0.5質量%以下の銀、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のマグネシウム、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のコバルト、および、
    0.01質量%以上0.5質量%以下のリンからなる群より選択される1種または2種以上の元素をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅合金条材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅合金条材の製造方法であって、
    前記銅合金条材の合金組成と実質同じ合金組成を有する銅合金素材に、800℃以上950℃以下の高温域で加熱する第1熱処理工程と、
    熱間加工工程と、
    50%以上の高加工率で冷間加工を施す第1冷間加工工程、および400℃以上700℃以下の中温域で加熱する第2熱処理工程を1セット工程とするときの1セット工程以上と、
    5%以上50%未満の低加工率で冷間加工を施す第2冷間加工工程と、
    200℃以上400℃未満で2時間以上6時間以下加熱する第3熱処理工程と
    を含むことを特徴とする、銅合金条材の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅合金条材を用いた抵抗器用抵抗材料。
  7. 請求項6に記載の抵抗材料を有する抵抗器。
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