JP6961459B2 - 予備電源の放電試験方法および監視装置 - Google Patents
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Description
火災受信機の予備電源装置に使用されている二次電池は、通常の監視状態にあっては、商用交流電源の整流平滑で得られた直流電圧で充電状態におかれているが、長期間使用している間に、二次電池の劣化等が進み充電容量が不足した状態になるおそれがあることから、定期的にまた必要に応じて予備電源装置の試験が実施されている。なお、予備電源試験は、火災受信機に設けられている予備電源試験スイッチを操作することで実施するように構成されることが多い。
また、特許文献2に記載されている電池試験装置にあっては、試験スイッチの釦操作により試験回路の放電動作を開始する構成である。そのため、放電時間が長く設定されている放電試験(例えば10分)に適用した場合、試験終了後、再充電で電池電圧が回復する前に試験スイッチの釦が再度操作されると放電試験を開始するため、予備電池の劣化が進み易いという課題がある。
本発明の他の目的は、電池の劣化で放電試験終了後に予備電池の残量が少なくなってしまい、予備電源を内蔵している装置が停電発生時に所定保証時間以上動作できなくなるのを回避することができる予備電源試験方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、劣化がある程度進んでいる予備電源を検出して電池交換を促すことができる予備電源試験方法および監視装置を提供することにある。
電池を内蔵した予備電源装置からダミー負荷へ所定の電流を所定時間流すことで前記予備電源装置が所望の性能を有するか否か試験する予備電源の放電試験方法において、
停電からの電源復旧時または予備電源試験終了時の前記予備電源装置の測定電圧に基づいて、電源復旧後または予備電源試験終了後の前記予備電源装置の充電に要する充電必要時間を算出する充電必要時間算出工程と、
電源復旧時または予備電源試験終了時からの経過時間を計時する経過時間計時工程と、
予備電源試験の開始指令入力があった際に前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いか否か判定する判定工程と、を含み、
前記判定工程において前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いと判定されたことに応じて前記予備電源装置の放電試験を開始するが、前記判定工程において前記経過時間が前記充電必要時間よりも短いと判定された場合には前記予備電源装置の放電試験を開始しないようにしたものである。
かかる方法によれば、第1設定電圧を適切に選択しておくことで、劣化している予備電池を検出することができ、生成した電池不良を示す情報を出力することによって監視者に対して電池の交換を促すことができる。
前記測定電圧が前記第2設定電圧よりも低い場合には前記予備電源装置は異常であると判定し、異常であることを示す情報を生成するようにする。
かかる方法によれば、第1設定電圧を適切に選択しておくことで、劣化が少し進んでいる予備電池を検出することができ、生成した異常を示す情報を出力することによって監視者に対して電池の状態を認知させることができる。
前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも低いと判定した場合には前記予備電源装置内の前記電池が不良であることを示す情報を生成し、
前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも高いと判定した場合には当該判定が所定回数以上なされたことを条件に前記予備電源装置内の前記電池が不良であることを示す情報を生成するようにする。
前記予備電源試験装置は、
停電からの電源復旧時または予備電源試験の終了時の前記予備電源装置の測定電圧に基づいて、電源復旧後または予備電源試験終了後の前記予備電源装置の充電に要する充電必要時間を算出する充電必要時間算出手段と、
電源復旧時または予備電源試験終了時からの経過時間を計時する経過時間計時手段と、
予備電源試験の開始指令入力があった際に前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いか否か判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段によって前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いと判定されたことに応じて前記予備電源装置の放電試験を実施するが、前記判定工程において前記経過時間が前記充電必要時間よりも短いと判定された場合には前記予備電源装置の放電試験を開始しないように構成したものである。
前記予備電源試験装置は、前記予備電源試験の終了時に前記情報報知ランプを点灯もしくは点滅させ、前記操作ボタンが操作されたことに基づいて前記表示装置に前記放電試験の結果を表示させるように構成する。
かかる構成によれば、監視者は必要に応じて予備電源の放電試験の結果を表示部に表示させて予備電源装置の状態を正確に把握することができる。
図1には、本発明に係る予備電源試験装置を備えた火災受信機の前面パネルの構成例が示されている。図1の火災受信機10は、建物の防災センターや中央管理室に設置され、建物内に設置された感知器や発信機からの火災信号を受信し、地区音響装置を鳴動させて火災の発生を音響で知らせるとともに、当該火災受信機10の前面パネルに設けられているランブ等の表示により火災発生を報知する機能を有する。また、火災受信機10の筐体内には、予備電源装置および該予備電源装置の試験を行う予備電源試験装置が設けられている。
また、図示しないが、上記操作部(11、17、18)からの指令入力を受けて各表示部(12、13、16)やスピーカ14を駆動する制御基板が火災受信機10の筐体の内部に設置されている。さらに、商用交流電源の停電時に上記制御基板等へ電源を供給する予備電源装置と、該予備電源装置の試験を行う予備電源試験装置が火災受信機10の筐体の内部に設けられている。
図2に示すように、本実施形態における予備電源試験装置は、火災受信機10の筐体内に設けられている電池試験制御基板20と、予備電源装置30の電圧を検出する電圧測定部22と、計時用のタイマー23とを備える。
電池試験制御基板20には、電池試験の開始を指令する電池試験ボタン19Aや情報操作部18の情報ボタン18aおよび表示操作部17のシフトボタン17A,17B、「戻り」ボタン17C、「決定」ボタン17Dからの指令信号が入力され、電池試験制御基板20はこれらの入力手段からの信号に応じて上記情報表示部16の表示駆動制御および情報ランプ18bの点灯駆動制御を行うように構成されている。
なお、電池試験制御基板20には、主電源/予備電源切替装置や電池充電/電池接続監視装置などの公知の装置(回路)が搭載されている(図示省略)。
図3に示す放電試験は、子扉10aの内側の内部操作部19(図1参照)に設けられている電池試験スイッチボタン19Aと前面パネルに設けられている決定スイッチボタン17Dが同時に押圧(オン操作)されることで開始される。すると、先ず前回の停電時に主電源から予備電源へ切り替えられた後、電源復旧時に予備電源から主電源に戻った時(切り替えられた時)から今回の放電試験操作が開始される時までの経過時間、または前回の放電試験終了時から今回の放電試験操作開始時までの経過時間が、電源復旧時または前回の放電試験終了時に算出された予備電源装置内の電池のフル充電に必要な時間(ステップS9参照)よりも長くなっているか否か判定する(ステップS1)。
一方、ステップS1で、電池の充電に必要な時間を経過している(Yes)と判定すると、ステップS2へ進んで「電池試験」を示すランプを点灯して10分間放電試験を開始し、電圧測定部22により予備電源装置内の電池の電圧を測定する(ステップS3)。
また、ステップS4で、電池電圧が所定値Va以上である(Yes)と判定すると、ステップS5へ進んで、火災受信機10の前面パネルの情報表示部16に経過時間(または残り時間)と測定電圧を表示する。
また、ステップS7で、10分を経過した(Yes)と判定すると、ステップS8へ進んで、電池電圧が所定値Vb(例えば20.4V)以上であるか否か判定し、電池電圧が所定値以上でない(No)と判定すると、情報表示部16に終了の状態(予備電源異常)が表示される。また、情報ランプ18bを点灯もしくは点滅する。その後、情報ボタン18aを押すと、情報表示部16に異常(終了)の原因(放電試験異常)が表示される。
T(h)=(Vc-Vd)÷(Vc−Vb)/Tc
を用いて算出することができる。ここで、10分間放電試験の終了時の測定電圧Vdが所定値VbすなわちVd=Vbであった場合には、上式よりT(h)=Tcとなり、必要時間は48時間となる。試験の終了時の測定電圧をVdがVcに近ければ近いほど、(Vc−Vd)の値が小さくなるので、充電必要時間は短くなる。
本実施例の手順は、図2に示す第1実施例とほぼ同じの手順(S1〜S11)を有する。異なるのは、第1実施例にはない処理S12〜S14を有する点である。具体的には、ステップS8で電池電圧が所定値以上でない(No)と判定すると、ステップS12へ移行して、測定された電池電圧が所定値Va(例えば12.0V)以上であるか否か判定する。そして、電池電圧が所定値以上でない(No)と判定すると、情報表示部16に電池充電異常終了が表示され、情報ランプ18bを点灯もしくは点滅して放電試験を強制終了する。その後、情報ボタン18aを押すと、情報表示部16に異常(終了)の原因(電池不良)が表示される。
また、以上の説明では、本発明の予備電源試験装置を火災受信機の予備電源試験装置に適用した場合を例にとって説明したが、火災監視制御盤などの監視装置に設けられている予備電源の試験装置に適用することも可能である。
11 主操作部
12 火報回線用の地区表示部
13 防排煙回線用の地区表示部
14 スピーカ
15 音響操作部
16 情報表示部(表示装置)
17 表示操作部
18 情報操作部
18a 情報ボタン(操作ボタン)
18b 情報ランプ(情報報知ランプ)
19 内部操作部
19A 電池試験スイッチボタン(操作ボタン)
Claims (6)
- 電池を内蔵した予備電源装置からダミー負荷へ所定の電流を所定時間流すことで前記予備電源装置が所望の性能を有するか否か試験する予備電源の放電試験方法であって、
停電からの電源復旧時または予備電源試験終了時の前記予備電源装置の測定電圧に基づいて、電源復旧後または予備電源試験終了後の前記予備電源装置の充電に要する充電必要時間を算出する充電必要時間算出工程と、
電源復旧時または予備電源試験終了時からの経過時間を計時する経過時間計時工程と、
予備電源試験の開始指令入力があった際に前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いか否か判定する判定工程と、を含み、
前記判定工程において前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いと判定されたことに応じて前記予備電源装置の放電試験を開始するが、前記予備電源装置の電圧を測定し、該測定電圧が所定の第1設定電圧よりも低い場合には予備電源の放電試験を開始しないことを特徴とする予備電源の放電試験方法。 - 前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも低いと判定した場合に、前記予備電源装置内の前記電池が不良であることを示す情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の予備電源の放電試験方法。
- 予備電源の放電試験の終了時の前記測定電圧が、前記第1設定電圧よりも高い所定の第2設定電圧よりも高いか否かを判定し、
前記測定電圧が前記第2設定電圧よりも低い場合には前記予備電源装置は異常であると判定し、異常であることを示す情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の予備電源の放電試験方法。 - 予備電源の放電試験の終了時の前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも高い所定の第2設定電圧よりも低いと判定した場合には、前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも高いか低いかを判定し、
前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも低いと判定した場合には前記予備電源装置内の前記電池が不良であることを示す情報を生成し、
前記測定電圧が前記第1設定電圧よりも高いと判定した場合には当該判定が所定回数以上なされたことを条件に前記予備電源装置内の前記電池が不良であることを示す情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の予備電源の放電試験方法。 - 電池を内蔵した予備電源装置と、前記予備電源装置の電圧を測定する電圧測定手段と、前記予備電源装置からダミー負荷へ所定の電流を所定時間流すことで前記予備電源装置が所望の性能を有するか否かの試験を実行可能な予備電源試験装置と、を備えた監視装置であって、
前記予備電源試験装置は、
停電からの電源復旧時または予備電源試験の終了時の前記予備電源装置の測定電圧に基づいて、電源復旧後または予備電源試験終了後の前記予備電源装置の充電に要する充電必要時間を算出する充電必要時間算出手段と、
電源復旧時または予備電源試験終了時からの経過時間を計時する経過時間計時手段と、
予備電源試験の開始指令入力があった際に前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いか否か判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段によって前記経過時間が前記充電必要時間よりも長いと判定されたことに応じて前記予備電源装置の放電試験を実施するが、前記予備電源装置の電圧を測定し、該測定電圧が所定の第1設定電圧よりも低い場合には予備電源の放電試験を開始しないことを特徴とする監視装置。 - 表示装置と、表示すべき情報があることを報知する情報報知ランプと、情報を表示することを指令するための操作ボタンと、備え、
前記予備電源試験装置は、前記予備電源試験の終了時に前記情報報知ランプを点灯もしくは点滅させ、前記操作ボタンが操作されたことに基づいて前記表示装置に前記放電試験の結果を表示させるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の監視装置。
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