以下、実施形態のX線CT装置及びX線検出装置を図面を参照して説明する。
[全体構成]
図1は、実施形態に係るX線CT装置の一例を示す概念的な構成図である。図1のX線CT装置1は、架台装置10及びコンソール装置50を備える。
架台装置10は、通常は検査室に設置され、例えば被検体Pに関するX線の検出データ(透過データ)を生成する。一方、コンソール装置50は、検査室に隣接する制御室に設置され、検出データに基づいて投影データを生成することで、再構成画像の生成及び表示を行う。
架台装置10は、架台11、寝台装置30、X線高電圧装置16、絞り駆動装置17、回転駆動装置18及び架台制御装置20を備える。
架台11は、ガントリとも呼ばれ、図示しない土台部に固定された回転架台12及び回転架台13を有する。回転架台13は、開口部を有する。回転架台13は、固定架台14に対して回転可能なように転がり軸受けやボール/ロール軸受けなどの軸受けにより支持される。
回転駆動装置16は、図示しないプロセッサやメモリを有し、架台制御装置20からの指示に従って、回転架台13を固定架台14に対して回転させる。
回転架台13は、X線発生装置14、絞り15、X高電圧装置16及びX線検出装置40を有する。このX線検出装置40は、X線検出器41及びDAS42を含む。
回転架台13は、X線発生装置14や、X線検出装置40などの装置を一体として保持する。即ち、回転架台13は、X線発生装置14とX線検出装置40とを対向させた状態で、一体として被検体Pの周りを回転できる。ここでは一例として、X線CT装置1の装置座標系を以下のように定義する。即ち、鉛直方向をY軸方向とし、y軸方向に垂直であって、回転架台13の回転中心軸と平行な方向をz軸方向とし、これらz軸方向及びy軸方向に垂直な方向をx軸方向とする。
X線発生装置14は、例えば、X線高電圧装置16から高電圧の供給を受けて、陰極から陽極に向けて熱電子を照射するX線管を有する。
X線高電圧装置16は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線発生装置14に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線発生装置14が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。
絞り15は、絞り駆動装置17の制御に従い、X線ビームの線量、照射範囲、形状、及び、線質などの照射条件を制御する。具体的には、絞り15は、ウェッジフィルタ及びコリメータなどを含む。ウェッジフィルタは、例えば、アルミニウムなどの軽金属により構成され、X線発生装置14で発生されたX線のX線量を調整する。コリメータは、不図示のコリメータコントローラによる制御によって、線量が調整されたX線に対してX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
X線検出装置40のX線検出器41は、複数のX線検出素子を備え、X線源であるX線発生装置14から照射され被検体Pを透過したX線を検出する。X線検出器41は、例えば、複数のX線検出素子をチャネル方向及び列方向に沿ってマトリクス状に配列した2次元アレイ型の検出器である。
X線検出器41は、例えば、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器である。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽版で構成される。シンチレータアレイは、複数のシンチレータから構成され、シンチレータは、入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。光センサアレイは、シンチレータが出力した光をその光量に応じた電気信号に変換する機能を有する。光センサは、例えば、フォトダイオード(PD:Photodiode)などの半導体素子である。
DAS42は、X線検出器41の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う積分回路及び電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を有する。DAS42は、増幅及びデジタル変換処理後の検出データを架台制御装置20を介してコンソール装置50に送信する。
DAS42は、逐次収集DASである。逐次収集DASは、複数の収集ユニットを有する。1つの収集ユニットは、複数のX線検出素子に対して1つの積分回路が接続された回路で構成されている。X線検出装置40は、当該収集ユニットがチャネル方向及び列方向に沿ってマトリクス状に配列されて構成される。
架台装置10の寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置である。寝台装置30は、基台31、寝台駆動装置32及び天板33を有する。
基台31は、天板33を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を当該天板33の長軸方向に移動するモータ或いはアクチュエータである。天板33には被検体Pが載置される。
なお、寝台駆動装置32は、天板33のみを移動させてもよいし、寝台装置30の支持フレームごと移動させる方式であってもよい。また、立位CTの場合、寝台駆動装置32は、天板33に相当する患者移動機構の移動を制御する。
架台制御装置20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などの処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。架台制御装置20は、コンソール装置50もしくは架台装置10に取り付けられた入力装置からの入力信号を受けて、架台11の動作制御を行う機能を有する。例えば、架台制御装置20は、入力信号を受けて回転架台13を回転させる制御、チルトさせる制御及び寝台装置30を動作させる制御を行う。
X線CT装置1のコンソール装置50は、コンピュータをベースとして構成されており、LAN(Local Area Network)などのネットワーク55を介して外部装置と相互通信可能である。コンソール装置50は、記憶回路51、ディスプレイ52、入力装置53及び理回路54などのハードウェアから構成される。
処理回路54は、共通信号伝送路としてのバスを介して、コンソール装置50を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンソール装置50は、記憶媒体ドライブを具備する場合もある。
処理回路54は、専用のハードウェアで構成してもよいし、内蔵のプロセッサによるソフトウェア処理で各種機能を実現するように構成してもよい。ここでは一例として、プロセッサによるソフトウェア処理によって処理回路54が各種機能を実現する場合について説明する。
上記プロセッサとは、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。処理回路54は、記憶回路51に記憶されたプログラム又は処理回路54のプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、各機能を実現する。
また、処理回路54は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶回路51が設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶回路51が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。
記憶回路51は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクなどによって構成される。記憶回路51は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアを脱着自在な回路して構成されてもよい。記憶回路51は、処理回路54において実行される各種プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)、プログラムの実行に必要なデータ、及び画像データを記憶する。また、記憶回路51には、OSを制御するための各種コマンドを入力装置53から入力可能とするためのGUI(Graphical User Interface)のプログラムが記憶されていてもよい。
入力装置53は、ポインティングデバイスなどの入力デバイスからの信号を入力する回路である。ここでは一例として、入力デバイス自体も入力装置53に含まれるものとする。操作者により入力デバイスが操作されると、入力装置53はその操作に応じた入力信号を生成し、この入力信号を処理回路54に出力する。なお、コンソール装置50は、入力デバイスがディスプレイ52と一体的に構成されたタッチパネルを備えてもよい。
ディスプレイ52は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。ディスプレイ52は、処理回路54の制御に従って画像を表示する。
コンソール装置50には、架台制御装置20を介して、架台装置10で収集された検出データが入力される。コンソール装置50は、検出データを記憶回路51に保存し、また、処理回路54の画像生成機能541により検出データから投影データを生成し、当該投影データを再構成することでCT画像を生成する。
なお、図1のX線CT装置1は、X線発生装置14とX線検出装置40とが一体として被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-Typeの第3世代CTを例として説明したが、第3世代CTには限定されない。例えば、X線CT装置1は、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が架台に相当する検出リングに固定配置され、X線発生装置が検出リングの内側の軌道で被検体Pの周りを回転するStationary/Rotate-Typeの第4世代CTであってもよい。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、1ViewにX線検出素子で検出される信号量に基づいて、X線検出素子で検出された信号の積分回路におけるサンプリング回数を可変とすることができるX線CT装置1a及びX線検出装置40aに関する。
(1)構成
図2は、第1の実施形態に係るX線検出装置40aの一例を示す回路図である。図2に示すように、X線検出装置40aは、X線検出器41a及びDAS42aを有する。逐次収集DASのX線検出装置40aは、1つの積分回路に複数のX線検出素子が接続した収集ユニットが複数組み合わされた収集ユニット群を有する。収集ユニット群は、例えば、列方向に複数配列される。
図2は、X線検出装置40aを構成する複数の収集ユニットの1つを図示している。また、説明を簡略化するため、1つの収集ユニットにおいて、DAS42aに接続している複数のX線検出素子のうち、1のX線検出素子416aのみを図示している。
X線検出器41aは、X線検出素子416a及びカウンタ回路417aを有する。
X線検出素子416aは、論理和回路411a、比較回路(コンパレータ)412、フォトダイオードスイッチ(PDスイッチ)413、フォトダイオード(PD)414及びDフリップフロップ415aを有する。
PD414の一端は、PDスイッチ413の一端と接続し、PDスイッチ413の他端は、積分回路425に接続する。コンパレータ412の入力側の一端には、基準電圧refが入力し、他端は、PD414とPDスイッチ413との間に接続する。コンパレータ412は、PD414の電圧を基準電圧refと比較する。ここで、基準電圧refは、積分回路425のフィードバックキャパシタ424の容量に基づいて予めX線検出装置40に設定されている。なお、「予め」は、X線CT装置1の出荷前であってもよいし、据え付け調整時であってもよい。
論理和回路411aの入力側の一端は、コンパレータ412の出力側と接続し、論理和回路411aの入力側の他端は、カウンタ回路417aと接続する。Dフリップフロップ415aのD入力は、論理和回路411aの出力側と接続し、C(クロック)入力は、カウンタ回路417aと接続する。Dフリップフロップ415aの出力(Q)は、PDスイッチ413に入力し、PDスイッチ413を制御する。
論理和回路411aには、カウンタ回路417aからの読出信号と、コンパレータ412出力とが入力する。論理和回路411aは、カウンタ回路417a又はコンパレータ411のいずれかから信号が入力されると、Dフリップフロップ451aのD入力に信号を出力する。
DAS42aは、積分回路425、DAS制御回路426a及びA/D変換器432を有する。積分回路425は、積分器421、フィードバックキャパシタ424及びリセットスイッチ422を有する。
積分器421の一端は、PDスイッチ413の一端と接続し、積分器421の他端は、A/D変換器423に接続している。また、積分器421は、フィードバックキャパシタ424とリセットスイッチ422と並列に接続される。DAS制御回路426aは、リセットスイッチ422と接続し、リセットスイッチ422を制御する。
(2)動作
以下、図3乃至図5のタイミングチャートを用いて、図2の回路例における動作を説明する。
X線検出装置40aを構成する各要素は、HighとLowのステータスにより制御される。例えば、PDスイッチ414は、Dフリップフロップ415aの出力が「High」の場合にオンの状態になり、「Low」の場合にオフの状態になる。論理和回路411aは、入力の一方又は両方が「High」のとき、「High」を出力し、入力がどちらも「Low」なら「Low」を出力する。
本実施形態に係るX線検出装置40aは、入射X線量に応じて積分回路425のリセット回数を変更することで、フィードバックキャパシタ424の容量を低減するものである。以下、被検体Pに照射されるX線強度が高く、X線検出器41aへの入射X線量が大きい場合(図3)、被検体Pに照射されるX線強度が中程度で、X線検出器41aへの入射X線量が中程度の場合(図4)、被検体Pに照射されるX線強度が低く、X線検出器41aへの入射X線量が小さい場合(図5)のX線検出装置40aにおける動作についてそれぞれ説明する。
図3は、第1の実施形態に係るX線検出装置40aにおいて被検体Pに照射されるX線強度が強い撮像時におけるタイミングチャートである。図3は、PD414の電圧の変化、コンパレータ412の出力変化、クロック信号と読出信号の発生周期、PDスイッチ413及びリセットスイッチ422のオンオフ動作、積分器421の出力についてのタイミングチャートを示している。なお、図3の積分器出力に示した「S1」から「S4」の数字は、1View中に積分回路425で1つのX線検出素子416aからサンプリングされる信号を示している。
X線の照射が開始されると、PD414に電荷が蓄積し始め、PD414の電圧が上昇する。なお、X線の照射開始時は、PDスイッチ413及びリセットスイッチ422は、オフの状態、即ちPDスイッチ413及びリセットスイッチ422は、開いた状態である。
PD414の電圧が基準電圧ref以上になると、コンパレータ412の出力は、Highになる。このように、コンパレータ421は、PD414の電圧と基準電圧refとを比較し、PD414の電圧が基準電圧ref以上になるとHighを出力し、基準電圧ref未満になるとLowを出力する。
コンパレータ412の出力は、論理和回路411aに入力する。論理和回路411aは、コンパレータ412からHighが入力されると、Dフリップフロップ415aのD入力にHighを出力する。
Dフリップフロップ415aは、論理和回路411aからD入力にHighの信号が入力され、クロック信号が入力されると、次のクロック信号が入力されるまでD入力に入力されたHighの信号を保持する。このように、Dフリップフロップ415aは、クロック信号に同期してD入力に入力された信号を一定期間記憶する回路である。
なお、次のクロック信号は、PD414の電圧が最大となるタイミングでカウンタ回路417aから出力される。即ち、カウンタ回路417aは、PD414の電圧が基準電圧から最大電圧に達するまでの時間間隔でクロック信号を出力する。クロック信号の周期は、撮像条件などによって予め設定されていてもよいし、DAS制御回路426aからの制御により設定されてもよい。なお、ここでの「予め」は、撮像開始前のことである。
Dフリップフロップ415aは、PD414の電圧が最大となるタイミングで2回目のクロック信号を受信する。2回目のクロック信号を受信すると、Dフリップフロップ415aは、PDスイッチ413にHighを出力する。Dフリップフロップ415aからHighが入力されると、PDスイッチ413は、オンの状態、即ち、PDスイッチ413が閉じた状態になる。PDスイッチ413がオンの状態になると、PD414に蓄積された電荷は、積分器421に読み出される。
PD414に蓄積された電荷が積分器421に読み出されるとき、積分回路425のリセットスイッチ422は、オフの状態、即ち、開いた状態である。リセットスイッチ422がオフの状態の場合、PD414から読み出された電荷は、フィードバックキャパシタに424に蓄積される。
積分器421のリセットスイッチ422は、DAS制御回路426aからのリセット信号によりオンの状態になる。リセットスイッチ422がオンの状態になることで、フィードバックキャパシタ424に蓄積された電荷は、A/D変換器423に出力され、フィードバックキャパシタ424に蓄積された信号S1がサンプリングされる。
なお、リセット信号は、DAS制御回路426aから一定の間隔で出力され、例えば、図3の例では、1View中に4回出力される。
なお、PD414に蓄積された電荷が積分器421に読み出されるとPD414の電圧は低下する。PD414の電圧が低下し基準電圧を下回ると、コンパレータ412の出力はLowになる。コンパレータ412の出力がLowになったタイミングでDフリップフロップ415aに入力されたクロック信号により、Dフリップフロップ415aは、Lowの信号を記憶する。Dフリップフロップ415aは、次のクロック信号が入力されたタイミングで、記憶されたLowの信号をPDスイッチ413に出力する。Dフリップフロップ415aからのLowの信号により、PDスイッチ413は、オフの状態、即ち、PDスイッチ413が開いた状態になる。
このように、信号S1は、A/D変換器423でサンプリングされる。DAS制御回路426aからリセット信号が送信されなくなる、或いは、リセット信号がLowになると、リセットスイッチ422がオフの状態になる。これにより、信号S1のサンプリングが完了し、再びPD414に電荷が蓄積し始め、PD414の電圧が上昇する。
上述の動作を繰り返すことで、信号S2からS4が、A/D変換器423で順次サンプリングされる。1View中に1つのX線検出素子416aで検出される信号は、S1からS4を加算した信号となる。X線検出装置40aに入射するX線量が大きい場合、1View中においてPD414で検出される信号を4回に分けて読み出すことで、1回に読み出す電荷量が少なくなる。そのため、積分回路425のフィードバックキャパシタ424の容量を低減することができる。
なお、図3では、信号S1からS3と同様に、信号S4は、PD414の電圧が基準電圧ref以上となることで、コンパレータ412による制御で信号S4が積分器421に読み出される例を示した。しかしながら、PD414の電圧上昇の度合いによっては1Viewの最後にコンパレータ412が動作しない場合もある。
その場合、1Viewの最後にカウンタ回路417aから出力される読出信号により、PD414の電荷は積分回路425に読み出される。カウンタ回路417aから論理和回路411aに読出信号が出力されると、Dフリップフロップ415aのD入力に読出信号が記憶される。
Dフリップフロップ415aに記憶された読出信号は、次のクロック信号によりPDスイッチ413に出力され、PDスイッチ413は、オンの状態になる。PDスイッチ413がオンの状態になることで、PD414の電荷は、積分回路425に読み出される。
このように、PD414の電圧が基準電圧に達していない場合でも、読出信号によりPD414の電荷が強制的に積分回路425に読み出される。即ち、コンパレータ421の制御によらず、PD414に蓄積された電荷は積分回路425に読み出される。
なお、図3では、積分回路425のリセット回数を4回とする例を示したが、積分回路425のリセット回数は4回には限定されない。1View中に1回以上であれば、4回以上であってもよいし、4回未満であってもよい。
図4は、第1の実施形態に係るX線検出装置40aにおいて被検体Pに照射されるX線強度が中程度の撮像時におけるタイミングチャートである。図3と同様に図4のタイミングチャートもPD414の電圧の変化、コンパレータ412の出力変化、クロック信号と読出信号の発生周期、PDスイッチ413及びリセットスイッチ422のオンオフ動作、積分器421の出力についてのタイミングチャートである。このことは、図5においても同様である。
また、積分器出力に示した「S1」及び「S2」の数字は、積分回路425において、1View中に1つのX線検出素子416aからサンプリングされる信号を示している。
図4は、X線検出装置40aに入射するX線量が図3よりも少ない場合を示しており、図4におけるPD414の電圧上昇を示す傾きは、図3の電圧上昇を示す傾きよりも小さい。このようにPD414の電圧上昇が小さい場合、基準電圧refに達するまでの時間が図3の場合よりも長くなる。そのため、積分回路425のリセット回数は、図3の場合よりも少なくてよい。図4は、1View中に積分回路425が2回リセットされる場合のタイミングチャートを示している。図4のタイミングチャートにおけるX線検出装置40aの各要素の動作は、図3の場合と同様である。
即ち、X線の照射が開始されると、PD414に電荷が蓄積する。X線の照射開始時は、PDスイッチ413及びリセットスイッチ422は、オフの状態である。なお、リセット信号は、DAS制御回路426aから一定間隔で出力される。リセットスイッチ422がオンの状態であっても、PD414に蓄積された電荷が積分回路425に読み出されていなければ、PD414に蓄積された信号がサンプリングされることはない。
PD414の電圧が基準電圧ref以上になると、コンパレータ412はHighを出力する。コンパレータ412の出力は、論理和回路411aに入力する。論理和回路411aは、コンパレータ412からHighが入力されると、Dフリップフロップ415aのD入力にHighを出力する。
Dフリップフロップ415aは、論理和回路411aからD入力にHighの信号が入力され、かつ、クロック信号が入力されると、Highの信号を記憶する。次のクロック信号は、PD414の電圧が最大となるタイミングでカウンタ回路417aから出力される。
Dフリップフロップ415aは、次のクロック信号を受信すると、PDスイッチ413にHighを出力し、PDスイッチ413は、オンの状態になる。PDスイッチ413がオンの状態になると、PD414に蓄積された電荷は、積分器421に読み出される。この時、積分回路425のリセットスイッチ422はオフの状態であるため、PD414に蓄積された電荷は、フィードバックキャパシタ424に蓄積される。
PD414に蓄積された電荷が積分器421に読み出されると、PD414の電圧が低下し基準電圧refを下回ると、コンパレータ412の出力はLowになる。コンパレータ412の出力がLowになったタイミングでDフリップフロップ415aに入力されたクロック信号により、Dフリップフロップ415aには、Lowの信号が記憶される。Dフリップフロップ415aは、次のクロック信号が入力されたタイミングで、PDスイッチ413にLowを出力し、PDスイッチ413は、オフの状態になる。
DAS制御回路426aは、一定間隔でリセット信号出力する。リセット信号により、リセットスイッチ422がオンの状態になることで、フィードバックキャパシタ424に蓄積された電荷は、A/D変換器423に出力され、フィードバックキャパシタ424に蓄積された信号S1がサンプリングされる。
積分回路425から信号S1がサンプリングされると、リセットスイッチ422はオフの状態になる。このように、1View中に信号S1及びS2が順次読み出される。図4では、1View中に1つのX線検出素子416aで検出される信号はS1とS2とを加算した信号になる。
図5は、第1の実施形態に係るX線検出装置40aにおいて被検体Pに照射されるX線強度が弱い撮像時におけるタイミングチャートである。図5は、X線検出装置40aに入射するX線量が図4よりもさらに少ない場合を示しており、図5におけるPD414の電圧上昇を示す傾きは、図4の電圧上昇を示す傾きよりも小さい。また、図5は、PD414の電圧が1View中に基準電圧に達しない場合を示している。即ち、図5は、コンパレータ412による制御を介さずにPD414に蓄積された電荷を積分回路425に読み出す場合を示しており、従来の逐次読出制御と同等の動作を示している。
図5は、1Viewの最後に積分回路425が1回リセットされる場合のタイミングチャートを示している。X線の照射が開始されると、PD414に電荷が蓄積し、PDの電圧が上昇する。しかしながら、PDの電圧は、1Viewの最後まで基準電圧refに達せず、コンパレータ412はHighを出力しない。一方、1Viewの最後に、クロック回路417aからDフリップフロップ回路415aに読出信号が出力される。
Dフリップフロップ回路415aは、クロック信号と同期して読出信号を記憶し、次のクロック信号が入力されたタイミングでPDスイッチ413に読出信号を出力し、PDスイッチ413をオンの状態にする。
PDスイッチ413がオンの状態になると、PD414に蓄積された電荷は、積分器421に読み出される。次に、DAS制御回路426aからリセット信号が出力され、リセットスイッチ422がオンの状態になる。リセットスイッチ422がオンの状態になると、フィードバックキャパシタ424に蓄積された電荷は、A/D変換器423に出力され、フィードバックキャパシタ424に蓄積された信号S1がサンプリングされる。
図3乃至図5では、1View中に1つのX線検出素子416aから信号を読み出す方法を説明したが、逐次読出DASでは、1つの積分回路425が1View中に複数のX線検出素子416aから信号を読み出す。即ち、1View中に読出し対象のX線検出素子416aを順次切り替えることで、複数のX線検出素子416aの信号を読み出す。
例えば、1Viewを時間的に分割して読出し対象のX線検出素子416aを切り替えることで、複数のX線検出素子416aの信号を1つのDAS42で読み出すことができる。なお、読み出し対象のX線検出素子416aを切り替える方法については、従来の方法と同様で良いので詳細な説明は省略する。
なお、入射するX線量は、X線検出素子416aごとに異なるため、PD414における電圧の上昇度合いもX線検出素子416aごとに異なる。したがって、PDスイッチ413がオンの状態になる回数は、X線検出素子416aごとに異なる。例えば、1Viewを時分割してX線検出素子416aのから信号を順次読み出す場合、1つのX線検出素子416aの読出期間中にサンプリングされた信号を全て加算することで、当該X線検出素子416aの信号を算出することができる。
なお、読出期間中に1つのX線検出素子からサンプリングされた信号の加算は、架台制御回路20が実行してもよいし、コンソール装置50の画像処理装置541が実行してもよい。
図2の回路例では、コンパレータ412の出力信号は、Dフリップフロップ415aによりPDスイッチ413に遅延的に入力する。したがって、X線検出器41aは、Dフリップフロップ415aに替えて、遅延回路を備えてもよい。
このように、第1の実施形態に係るX線検出装置40aによれば、1View中に1つのX線検出素子416aで検出される信号を複数回に分けてサンプリングすることで、積分回路425のフィードバックキャパシタ424容量を低減することができる。
フィードバックキャパシタ424の容量を低減することにより、X線検出装置40aのICチップ面積を小さくすることができ、製造コストの削減に寄与する。また、PD414に蓄積された信号のサンプリングタイミングは、PD414の電圧に基づいてリアルタイムに決定されるため、適切なタイミングでPD414から信号をサンプリングすることができる。
さらに、本実施形態に係るX線検出装置40aは、信号のS/N比(Signal/Noise Ratio)を従来よりも向上させることができる。フィードバックキャパシタ424の容量が大きいほど、信号の増幅率が小さく、フィードバックキャパシタ424の容量が小さいほど、信号の増幅率は大きい。したがって、図5のようにX線検出器41に入射するX線量が少ない場合であっても、フィードバックキャパシタ424の容量が小さいため、信号は十分に増幅される。
一方、図3のようにX線検出器41に入射するX線量が多い場合、X線検出素子416aで検出される信号は、1View中に複数回に分けて読み出される。この場合、低容量のフィードバックキャパシタ424により、信号と同様にノイズも増幅される。
しかしながら、投影データでは、電気回路上のノイズや振動などによる機械的なノイズに比べて照射X線のフォトンノイズが支配的となる。X線出力が弱い場合、フォトン数が少なくなるためX線の揺らぎは大きくなる。一方、X線出力が強い場合、フォトン数が多くなるためX線の揺らぎは小さくなる。したがって、X線出力が強く、X線検出器41に入射するX線量が多い場合、照射X線のフォトンノイズは小さくなるため画質への影響は無視できるほど小さくなる。
このように、第1の実施形態に係るX線検出装置40は、X線検出器41aに入射するX線量が少ない場合において、S/N比を向上させ、X線検出器41aに入射するX線量が多い場合においても画質を維持できるという効果を有する。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、1Viewにおいて複数のX線検出素子で検出される信号を束ねて1つの信号としてサンプリングするX線CT装置1b及びX線検出装置40bに関する。第2の実施形態では、4つのX線検出素子で検出される信号を束ねて1つの信号としてサンプリングする場合を例として説明する。なお、束ねる信号は4つには限定されず、2つ以上の信号を束ねる場合においても第2の実施形態は適用できる。
(1)構成
図6は、第2の実施形態に係るX線検出装置40bの一例を示す回路図である。図6のX線検出装置40bは、X線検出器41とDAS42bを有する。図2同様に、図6は、X線検出装置40bを構成する1つの収集ユニットの例を示している。図2で説明した第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
X線検出器41は、遅延回路418bと、4つのX線検出素子1から4とを有し、DAS42bは、積分回路425及びDAS制御回路426bを有する。図6は、1つの積分回路425に4つのX線検出素子1から4が接続し、4つのX線検出素子1から4で検出される信号を束ねる場合を示している。
X線検出器41の4つのX線検出素子は、コンパレータ412b、PDスイッチ413及びPD414をそれぞれ有する。PD414の一端は、PDスイッチ413の一端と接続し、PDスイッチ413の他端は、積分回路425に接続する。コンパレータ412bの入力側の一端には、基準電圧refが入力し、コンパレータ412bの他端は、PD414とPDスイッチ413との間に接続する。コンパレータ412bは、PD414の電圧を基準電圧refと比較する。
コンパレータ412bの出力は、遅延回路418bを介してDAS42のリセットスイッチ422に入力し、リセットスイッチ422を制御する。
DAS制御回路426bは、PDスイッチ413に接続し、読出信号によりPDスイッチ413を制御する。読出信号は、1View中に4つのX線検出素子1から4を順次読み出すために、PDスイッチ413をオンの状態にする信号である。
また、DAS制御回路426bは、リセットスイッチ422に接続し、リセット信号によりリセットスイッチ422を制御する。
(2)動作
第2の実施形態において第1の実施形態と異なる点は、コンパレータ412bの出力が積分回路425のリセットスイッチ422を制御する点にある。以下、図7及び図8のタイミングチャートを用いて、図6の回路例における動作を説明する。
なお、図7は、被検体Pに照射されるX線強度が強い場合、即ち、X線検出装置40bに入射するX線量が多い場合のタイミングチャートを示している。一方、図8は、被検体Pに照射されるX線強度が弱い場合、即ち、X線検出装置40bに入射するX線量が少ない場合のタイミングチャートを示している。
図7は、第2の実施形態に係るX線検出装置40bにおいて被検体Pに照射されるX線強度が強い撮像時におけるタイミングチャートである。図7は、読出信号の出力、PDスイッチ413及びリセットスイッチ422のオンオフ動作、コンパレータ412bの出力及び積分器421の出力についてのタイミングチャートを示している。
なお、読出信号に示した「1」から「4」の数字は、X線検出素子1から4に入力する読出信号に夫々対応する。以下、それぞれの読出信号を区別するため、X線検出素子1に入力する読出信号を「読出信号1」のように表記する。積分器出力に示した「S1」から「S4」の数字は、X線検出素子1から4で検出される信号に夫々対応する。この点については図8についても同様である。
X線の照射が開始されると、各X線検出素子のPD414に電荷が蓄積する。X線の照射開始時において、PDスイッチ413及びリセットスイッチ422は、オフの状態である。
読出信号1がX線検出素子1のPDスイッチ413に入力すると、X線検出素子1のPDスイッチ413はオンの状態になる。X線検出素子1のPDスイッチ413がオンの状態になると、PD414に電圧が印加される。PD414に蓄積された電荷が積分回路425に読み出される。
この時、リセットスイッチ422は、オフの状態であるため、PD414に蓄積された電荷は、フィードバックキャパシタ424に蓄積される。この間、PD414の電圧は上昇する。電圧が基準電圧以上になると、コンパレータ412bはHighを出力する。コンパレータ412bの出力は、遅延回路418bに入力する。
遅延回路418bは、コンパレータ412bから入力された信号を一定期間遅延させてリセットスイッチ422に出力する回路である。遅延回路418bは、第1の実施形態のDフリップフロップ415bのように、クロック信号に同期してコンパレータ412bからの入力信号を記憶することで、信号出力を遅延させる回路であってもよい。
コンパレータ412bからのHighの出力は、遅延回路418bを介してリセットスイッチ422に入力し、リセットスイッチ422をオンの状態にする。リセットスイッチ422がオンの状態になると、積分回路425のフィードバックキャパシタ424に蓄積された信号は、A/D変換器423でサンプリングされる。
このように、X線検出素子1の信号S1は、A/D変換器423でサンプリングされる。同様に、X線検出素子2の信号S2、X線検出素子3の信号S3、X線検出素子4の信号S4が順番にサンプリングされる。1View中に4つのX線検出素子1から4で検出される信号は、夫々信号S1からS4である。したがって、4つのX線検出素子1から4で検出される信号を束ねる場合、信号S1からS4が加算される。
なお、信号S1からS4の加算は、架台制御回路20が実行してもよいし、コンソール装置50の画像処理装置541が実行してもよい。
図8は、第2の実施形態に係るX線検出装置40bにおいて被検体Pに照射されるX線強度が弱い撮像時におけるタイミングチャートである。図8は、コンパレータ412bによる制御を介さずに積分回路425をリセットする方法を示しており、従来の束ね動作と同じ動作を示している。即ち、図8では、1Viewの最後に積分回路425が1回だけリセットされ、各X線検出素子1から4で検出された信号が積分回路425で加算される動作を示している。
X線の照射が開始されると、読出信号1から4によりX線検出素子1から4のPDスイッチ413が順番にオンの状態になる。これにより、X線検出素子1から4で検出された信号が順番に積分回路425に読み出される。
X線検出装置40bに入射するX線量が低いため、各X線検出素子1から4の信号S1からS4が積分回路425に読み出される間、PD414と積分回路425との間の電圧は、基準電圧を超えない。したがって、1Viewの間、積分回路425のフィードバックキャパシタ424にX線検出素子1から4で検出された信号が順次蓄積される。
1Viewの最後に、DAS制御回路246bは、リセットスイッチ422にリセット信号を出力し、リセットスイッチ422をオンの状態にする。これにより、積分回路425に蓄積された信号がA/D変換器423に読み出される。このように、A/D変換器423には、X線検出素子1から4で検出された信号S1からS4が積分回路425で加算されて読み出される。
なお、4つのX線検出素子の信号を束ねる場合において、X線検出装置40bに入射するX線強度によって積分回路425のリセット回数は変わる。例えば、1View中に積分回路425が2回リセットされる場合がある。具体的には、X線検出素子1及び2の信号1及び2が積分回路425に蓄積したら、積分回路425がリセットされる。その後、X線検出素子3及びX線検出素子4から出力される信号3及び信号4が積分回路425に蓄積したら積分回路425がリセットされる。このように、1View中に4つのX線検出素子で検出される信号を2回に分けてサンプリングしてもよい。
一方、図8では、4つのX線検出素子夫々から1回づつ信号が読み出される場合を説明したが読出し期間中に1つのX線検出素子から信号が読み出される回数は1回には限定されない。1つのX線検出素子に読出信号が出力されている期間中、積分回路425が2回以上リセットされてもよい。
第2の実施形態に係るX線検出装置40bにおいても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、複数のX線検出素子の信号を1つに束ねる場合において、各X線検出素子の信号を積分回路425で積分せずに、別々にサンプリングすることで、フィードバックキャパシタ424の容量を従来よりも低減できる。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、X線検出装置40にコンパレータ412を設けた回路構成により、X線検出素子で検出される信号量を測定することで、1Viewにおいて信号を複数回に分けてサンプリンする方法を説明した。
第3及び第4の実施形態では、X線検出素子で検出される信号をスキャノ画像から予測することで、1View中のサンプリング回数を決定する方法に関する。なお、第3及び第4の実施形態のX線CT装置1の構成は、図1に示した構成と同じである。
(1)構成
図9は、第3の実施形態に係るX線CT装置1cの機能構成例を示すブロック図である。第3の実施形態に係るX線CT装置1cは、X線検出装置40c、架台制御装置20、コンソール装置50cを有する。
図9は、X線検出装置40cを構成する1つの収集ユニットを示している。また、説明を簡略化するため、図2同様、積分回路425に接続する複数のPD414のうち1つのみを図示している。
X線検出装置40cは、PDスイッチ413、PD414、積分器421、リセットスイッチ422、A/D変換器423、フィードバックキャパシタ424及びDAS制御回路426cを有する。
PD414の一端は、PDスイッチ413の一端と接続し、PDスイッチ413の他端は、積分器421に接続する。積分器421は、フィードバックキャパシタ424とリセットスイッチと並列に接続される。DAS制御回路426cは、リセットスイッチ422及びPDスイッチ413に接続し、リセットスイッチ422及びPDスイッチ413を制御する。
コンソール装置50cは、処理回路54c及び記憶回路51を有する。
処理回路54cは、画像生成機能541、電圧予測機能542c及びリセットタイミング決定機能543cを有する。画像生成機能541、電圧予測機能542c及びリセットタイミング決定機能543cは、記憶回路51に格納されたプログラムが、プロセッサを有する処理回路54cによって実行されることで実現される機能である。
画像生成機能541は、X線検出装置40cで収集された検出データに補正処理や画像処理を実行し、投影データを生成する。さらに、画像生成機能541は、投影データを再構成してCT画像やスキャノ画像を生成する。
X線CT装置1cにおける撮像には、診断用のCT画像を収集する本撮像と本撮像の撮像条件を決定するために本撮像前に低被曝線量で実行されるプレスキャンとがある。以下の説明では、本撮像で生成される画像をCT画像、プレスキャンで生成される画像をスキャノ画像と称する。
スキャノ画像は、例えば、X線発生装置14とX線検出装置40cとを被検体Pの周りに回転させると共に、天板33を移動させるヘリカルスキャノと呼ばれるスキャノ画像用のスキャン方法により取得される。ヘリカルスキャノで取得されたスキャノ画像は、3次元のスキャノ画像である。
電圧予測機能542cは、スキャノ画像に基づいて、各Viewにおいて各X線検出素子で検出される信号量を予測する。被検体Pについて取得されたスキャノ画像は、被検体PのX線の減弱係数の分布を示す。電圧予測機能542cは、被検体Pのスキャノ画像が示すX線の減弱係数の分布と、本撮像における撮像条件とに基づいて各X線検出素子で検出される信号量を算出する。電圧予測機能542cにおける各X線検出素子で検出される信号量の算出方法は、後述の図11で詳細に説明する。
リセットタイミング決定機能543cは、電圧予測機能542cで算出された各X線検出素子で検出される信号量に基づいて、各Viewにおけるリセット回数を決定する。また、リセットタイミング決定機能543cは、各Viewにおけるリセット回数に基づいて、リセットタイミング情報を生成する。リセットタイミング決定機能543cにおけるリセット回数の決定方法及びリセットタイミング情報については、後述の図12及び図13で詳細に説明する。
記憶回路51は、撮像条件511を記憶する。撮像条件511は、被検体Pの本撮像における撮像部位、撮像範囲、スライス厚、X線強度、各ViewにおけるX線の照射角度などの情報項目を有する。
(2)動作
図10は、第3の実施形態に係るX線CT装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図11から図13を適宜参照しつつ、図10のフローチャートのステップ番号に従って、第3の実施形態に係るX線CT装置1cの動作を説明する。
ステップS101において、被検体Pのプレスキャンが実行され、収集された検出データに基づいて画像生成機能541は、スキャノ画像を生成する。プレスキャンは、ヘリカルスキャノで実行され、画像生成機能541で生成されるスキャノ画像は、3次元スキャノ画像である。
ステップS102において、電圧予測機能542cは、記憶回路51に格納されている本撮像の撮像条件511を読出し、撮像条件511とスキャノ画像とに基づいて、各ViewにおいてそれぞれのX線検出素子で検出される信号量を算出する。
図11は、X線検出素子で検出される信号量の算出方法を説明する概念図である。図11は、被検体Pの断面におけるX線の減弱係数の分布である減弱マップ(x,y)を模式的に示している。減弱マップのx軸及びy軸は、例えば、被検体Pの患者座標系に対応する。図11の減弱マップの例では、X線の減弱係数の大小をグレースケールで識別化している。
CT値は、X線の減弱係数により求められる。したがって、ヘリカルスキャノによって取得された3次元のスキャノ画像は、被検体PのX線の減弱係数の3次元的な分布を示す。電圧予測機能542cは、記被検体PのX線の減弱係数とX線の入射線量IoとからX線検出器で検出される線量Idを算出することができる。例えば、実線の矢印の方向にX線入射線量Ioが入射した場合、被検体Pによって減弱される減弱線量μは、被検体P体内をX線が通過する距離LにおけるX線の減弱係数の積分値となる。
したがって、図11の下部に示すように、1点鎖線の矢印で示したX線を検出するX線検出素子Aで検出される線量Idは、X線入射線量Ioから減弱線量μを減算することで算出される。X線検出素子Aで検出される線量Idが分かれば、X線検出素子Aで検出される信号量を算出することができる。電圧予測機能542cで算出される信号量は、例えばPD414の電圧として算出される。
このように、電圧予測機能542cは、各ViewにおけるX線の照射角や照射X線量などの撮像条件511に基づいて、各X線検出素子を構成するPD414で発生する電圧を予測する。以下、電圧予測機能542cで算出されたPD414で発生する電圧を「予測電圧」と称する。
図10に戻って、フローチャートの説明を続ける。
ステップS103において、リセットタイミング決定機能543cは、予測電圧に基づいて、本撮像の各Viewにおける積分回路425のリセット回数を決定する。
ステップS104において、リセットタイミング決定機能543cは、本撮像の撮像条件511に基づいてリセットタイミング情報を生成する。
図12は、第3の実施形態に係る予測電圧に基づくリセット回数の決定方法を説明するグラフである。図12のグラフは、ある1つのX線検出素子における各Viewにおける予測電圧の変化を示している。グラフの横軸は、View数、縦軸は、予測電圧を示している。
また、グラフにおいて横軸に平行な破線は、基準電圧を示しており、下から、第1基準電圧、第2基準電圧、第3基準電圧、第4基準電圧を示している。各基準電圧は、等間隔に設定されている。
第1のViewにおける予測電圧は、第3基準電圧以上、第4基準電圧未満の大きさである。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、1View中の積分回路425のリセット回数を4回と決定する。第2のViewにおける予測電圧は、第1基準電圧未満である、この場合、リセットタイミング決定機能543cは、1View中の積分回路425のリセット回数を1回と決定する。
同様に、第3のViewにおける予測電圧は、第1基準電圧以上、第2基準電圧未満である。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、1View中の積分回路425のリセット回数を2回と決定する。第4のViewにおける予測電圧は、第2基準電圧以上、第3基準電圧未満である。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、1View中の積分回路425のリセット回数を3回と決定する。
このように、リセットタイミング決定機能543cは、X線検出素子ごとに算出された予測電圧が基準電圧の何倍であるかに基づいて、積分回路425のリセット回数を決定する。例えば、リセットタイミング決定機能543cは、X線検出素子ごとに算出された予測電圧を基準電圧で割ったときの商に1を加算した数を積分回路425のリセット回数として算出する。
リセットタイミング決定機能543cは、X線検出素子ごとに算出された予測電圧に基づいて、積分回路425のリセット回数を決定する。即ち、1View中の各X線検出素子における信号のサンプリング回数を決定する。リセットタイミング決定機能543cは、積分回路425のリセット回数に基づいてリセットタイミング情報を生成する。
図13は、第3の実施形態に係るリセットタイミング情報を説明する模式図である。図13に示すように、リセットタイミング情報は、各X線検出素子における1Viewごとの読出信号及びリセット信号の発生タイミングなどの情報を有する。
第1のViewでは、1Viewにおける積分回路425のリセット回数は4回である。したがって、第1のViewのリセットタイミング情報には、1View中に4回の読出信号と4回のリセット信号とが含まれる。
リセットタイミング決定機能543cは、1View中に積分回路425を4回リセットする場合、例えば、1Viewを時間的に4分割してリセットタイミングを決定する。リセットタイミング決定機能543cは、最後のリセットタイミングが1Viewの最後の時間になるようにリセットタイミングを決定する。
リセットタイミング決定機能543cは、決定したリセットタイミングでリセット信号が送信されるようリセットタイミング情報を生成する。また、リセットタイミング決定機能543cは、リセット信号に先駆けて読出信号が送信されるようリセットタイミング情報を生成する。
同様に、第2のViewでは、積分回路425のリセット回数は1回である。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、第2のViewの最後に読出信号及びリセット信号が1回送信されるようリセットタイミング情報を生成する。
第3のViewでは、積分回路425のリセット回数は、2回である。この場合、1Viewを半分に分け、1回目のリセットタイミングが1Viewの半分の時間になるようにリセットタイミング情報を生成する。また、1Viewの最後にリセット信号が送信されるようにリセットタイミング情報を生成する。
第4のViewでは、積分回路425のリセット回数は、3回である。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、1Viewを時間的に3等分して、最後のリセットタイミングが1Viewの最後になるようリセットタイミング情報を生成する。
図10に戻って、フローチャートの説明を続ける。
ステップS105において、撮像条件511及びリセットタイミング情報に基づいて本撮像を実行する。
ステップS106において、DAS制御回路426dは、架台制御装置20を介してリセットタイミング情報を取得する。DAS制御回路426dは、リセットタイミング情報に基づいて、PDスイッチ423に読出信号を送信し、リセットスイッチ422にリセット信号を送信する。X線検出装置40cは、リセットタイミング情報に基づいて検出データを収集する。
ステップS107において、画像生成機能541は、検出データに基づいてCT画像を再構成する。
1Viewにおいて、1つのX線検出素子から複数回に分けて信号がサンプリングされた場合、1View中の各X線検出素子の検出データは、複数に分かれている。具体的には、1Viewに1つのX線検出素子から信号を4回サンプリングした場合、A/D変換後の検出データは1つのX線検出素子対して4つとなる。画像生成機能541は、リセットタイミング情報に基づいて、1つのX線検出素子のから収集される複数の検出データを加算し、1つの検出データを生成する機能を有してもよい。
なお、各X線検出素子からサンプリングされた検出データにフラグを付して、どのViewにおいて、どのX線検出器からサンプリングされた検出データであるかを区別できるようDAS42の各部を構成してもよい。画像生成機能541は、検出データに付与されたフラグに基づいて1つのX線検出素子のから収集される複数の検出データを加算し、1つの検出データを生成してもよい。
第3の実施形態に係るX線CT装置1においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第3の実施形態では、従来のX線検出器を利用することができるため、第3の実施形態に係る機能を従来のX線CT装置に容易に搭載することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、第2の実施形態と同様に、1Viewにおいて複数のX線検出素子で検出される信号を束ねて1つの信号としてサンプリングする方法に関する。第4の実施形態では、4つのX線検出素子で検出される信号を束ねて1つの信号としてサンプリングする場合を例として説明する。なお、束ねる信号は4つには限定されず、2つ以上の信号を束ねる場合においても第4の実施形態は適用できる。
(1)構成
図14は、第4の実施形態に係るX線CT装置1dの機能構成例を示すブロック図である。図9同様に、図14は、X線検出装置40dを構成する1つの収集ユニットの例を示している。なお、図14では、4つのX線検出素子の信号を束ねる場合を例として説明するため、1つの積分回路425に4つPD414が接続する回路例を示している。
以下、第4の実施形態について、第3の実施形態とは異なる部分のみを説明し、重複する説明を省略する。
DAS制御回路426cは、4つのX線検出素子のPDスイッチ413と接続し、夫々のPDスイッチ413を制御する。各X線検出素子のPD414の右上の数字は、各X線検出素子を区別する数字であり、左から、X線検出素子1、X線検出素子2、X線検出素子3及びX線検出素子4を示す。同様に、X線検出素子1から4に夫々入力される読出信号は、読出信号1から4で示す。
第4の実施形態に係るリセットタイミング決定機能543dは、第3の実施形態に係るリセットタイミング決定機能543cに加えて、複数のX線検出素子で検出される信号を束ねるときのリセット回数を決定する。リセットタイミング決定機能543dは、信号が束ねられるX線検出素子の予測電圧を加算し、加算した予測電圧に基づいてリセット回数を決定する。
(2)動作
第4の実施形態においても、プレスキャンで取得したスキャノ画像に基づいて、電圧予測機能542cは、各Viewにおける各X線検出素子の信号量を予測する。各Viewにおける各X線検出素子の信号量の算出処理については、第3の実施形態と同様であり、図10のステップS101及びステップS102の処理に対応する。
以下、図15及び図16を用いて、第4の実施形態におけるリセットタイミング情報の生成方法について説明する。
図15は、第4の実施形態に係る予測電圧に基づくリセット回数の決定方法を説明するグラフである。図15のグラフの横軸は、View数、縦軸は、予測電圧を示している。グラフは、各Viewにおける束ね対象の複数のX線検出素子の予測電圧の積算値を示している。例えば、4つのX線検出素子を束ねる場合、グラフは、各Viewにおける4つのX線検出素子の予測電圧の和を示している。
また、グラフにおいて横軸に平行な破線は、基準電圧を示しており、下から、第1基準電圧、第2基準電圧、第3基準電圧、第4基準電圧を示している。各基準電圧は、等間隔に設定されている。
第1のViewにおける予測電圧は、第1基準電圧未満である、この場合、リセットタイミング決定機能543dは、1View中の積分回路425のリセット回数を1回と決定する。即ち、1Viewにおいて、X線検出素子1から4の信号は積分回路425で積分されてサンプリングされる。
それに対して、第2のViewにおける予測電圧は、第3の基準電圧以上、第4基準電圧未満である。この場合、リセットタイミング決定機能543dは、1View中の積分回路425のリセット回数を4回と決定する。また、4つのX線検出素子の信号を束ねる場合のリセット回数が4であることから、リセットタイミング決定機能543dは、各X線検出素子から信号がサンプリングされるようにリセットタイミング情報を生成する。
このように、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子ごとに算出された予測電圧の積算値が基準電圧の何倍であるかに基づいて、積分回路425のリセット回数を決定する。例えば、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子ごとに算出された予測電圧の積算値を基準電圧で割ったときの商に1を加算した数を積分回路425のリセット回数として算出する。
図16は、第4の実施形態に係るリセットタイミング情報を説明する模式図である。図16は、4つのX線検出素子の信号を束ねて1つの信号として収集する場合のリセットタイミング情報を示している。
4つのX線検出素子の信号を読み出すため、DAS制御回路426dは、X線検出素子1から4に読出信号1から4を順番に送信する。読出信号の送信タイミングは、リセット回数によらず一定である。
第1のViewでは、1Viewにおける積分回路425のリセット回数は1回である。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、第1のViewの最後にリセット信号が1回送信されるようリセットタイミング情報を生成する。また、第1のViewでは、X線検出素子1から4の信号を読出信号1から4により順番に積分回路425に読み出し、4つの信号が加算された信号がサンプリングされる。
一方、第2のViewでは、1Viewにおける積分回路425のリセット回数は4回である。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、1Viewを4つに分割し、リセットタイミングを決定する。なお、リセットタイミングは、各X線検出素子の読出信号が送信された後に設定される。リセットタイミング決定機能543cは、決定したリセットタイミングでリセット信号が送信されるようリセットタイミング情報を生成する。
なお、図15及び図16には図示しないが、4つのX線検出素子の予測電圧の和が第1の基準電圧以上、第2基準電圧未満である場合、積分回路425のリセット回数は2回になる。この場合、リセットタイミング決定機能543cは、積分回路425において2つのX線検出素子の信号が加算されたタイミングで積分回路425がリセットされるようにリセットタイミング情報を生成する。
具体的には、X線検出素子1及び2の信号が積分回路425に読み出されたタイミングでリセット信号が送信され、X線検出素子1及び2の信号がサンプリングされる。続いて、X線検出素子3及び4の信号が積分回路425に読み出されたタイミングでリセット信号が送信され、X線検出素子3及び4の信号がサンプリングされる。
なお、リセットタイミング決定機能543dは、各X線検出素子の予測電圧に基づいて積分回路425のリセットタイミングを決定してもよい。即ち、各X線検出素子の予測電圧を順に加算していき、基準電圧を超える直前のX線検出素子まで積分回路425で積算されるよう、リセットタイミングを決定してもよい。
具体的には、X線検出素子1及び2の予測電圧を加算し基準電圧を超える場合、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子1が積分回路425に読み出されたタイミングでリセット信号が送信されるようリセットタイミング情報を生成する。次に、X線検出素子2及び3の予測電圧を加算し、基準電圧以上になる場合は、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子2が積分回路425に読み出されたタイミングでリセット信号が送信されるようリセットタイミング情報が生成する。
一方、X線検出素子2及び3の予測電圧を加算し、基準電圧を超えない場合は、X線検出素子2から4の予測電圧を加算する。X線検出素子2から4の予測電圧を加算した電圧が基準電圧以上となる場合、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子3が積分回路425に読み出されたタイミングでリセット信号が送信されるようリセットタイミング情報を生成する。一方、X線検出素子2から4の予測電圧を加算した電圧が基準電圧を超えない場合、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子4が積分回路425に読み出されたタイミングでリセット信号が送信されるようリセットタイミング情報を生成する。
なお、リセットタイミングの決定方法は、上述の方法を組合せたものであってもよい。例えば、4つのX線検出素子の予測電圧の和が第2の基準電圧以上、第3基準電圧未満である場合、リセットタイミング決定機能543dは、各X線検出素子の予測電圧に基づいて積分回路425のリセットタイミングを決定する。例えば、X線検出素子1及び4の予測電圧が他のX線検出素子2及び3よりも大きい場合、リセットタイミング決定機能543dは、X線検出素子1、X線検出素子2及び3の和、X線検出素子4の順でサンプリングするように、リセットタイミング情報を生成してもよい。
第4の実施形態に係るX線CT装置1においても、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第3及び第4の実施形態では、被検体Pのスキャノ画像を用いる例を示したが、X線検出素子の予測電圧の算出は、被検体Pのスキャノ画像を用いる方法には限定されない。例えば、予め様々な体形及び撮像部位の3次元スキャノ画像を記憶回路51に記憶しておき、被検体Pの体形及び撮像部位からスキャノ画像を選択してX線検出素子の予測電圧を算出するようにX線CT装置1の各部を構成してもよい。
なお、第1乃至第4の実施形態では、医療用のX線CT装置を例として説明したが、医療用X線CT装置には限定されない。例えば、本実施形態は、歯科用のX線CT装置にも適用できる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のX線CT装置及びX線検出装置によれば、1Viewにおいて、X線検出素子に蓄積される信号量に基づいて信号の読出しタイミングを制御することで、積分回路の蓄電装置(フィードバックキャパシタ)の容量を低減することが可能となる。
請求項の用語と実施形態との対応関係は、例えば以下の通りである。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
DAS40のDAS制御回路426a、DAS制御回路426b、DAS制御回路426c、DAS制御回路426dは、請求項記載の制御回路の一例である。処理回路54の画像生成機能541は、請求項記載の画像生成部の一例である。処理回路54の電圧予測機能542c及び電圧予測機能542dは、請求項記載の予測部の一例である。また、処理回路54のリセットタイミング決定機能543c及びリセットタイミング決定543dは、請求項記載の決定部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。