JP6961332B2 - 動圧軸受およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、内周面に動圧溝が形成された動圧軸受およびその製造方法に関する。
動圧軸受は、相対回転する軸との間の軸受隙間に生じる流体圧力で、軸を非接触支持するものである。動圧軸受の内周面には、軸受隙間に満たされた油等の潤滑流体に動圧を発生させる動圧溝が形成される。
動圧溝は、例えば、軸受素材に金型を押し付けることにより型成形される。例えば特許文献1には、焼結後のサイジングにより、円筒状の焼結体の内周面に動圧溝を型成形する方法が示されている。具体的には、動圧溝の形状に対応した成形型を有するコアロッドを円筒状の焼結体の内周に挿入し、この状態で焼結体およびコアロッドをダイに圧入することにより焼結体の内周面をコアロッドの成形型に押し付けて動圧溝を成形する。その後、焼結体およびコアロッドを上昇させてダイから排出することにより、ダイによる圧迫力が解放されて焼結体がスプリングバックにより拡径し、コアロッドから焼結体の内周面が離型される。
特許第3607661号公報 特開2016−102553号公報
ところで、上記のように動圧軸受を焼結金属で形成する場合、金属粉末を圧縮成形して圧粉体を形成した後、この圧粉体に対し高温(鉄系材料の場合、800〜1300℃)での焼結処理が施されるが、これにより寸法精度が大きく崩れてしまう。このため、焼結体に、寸法矯正及び動圧溝の形成を目的とした上記のサイジングを施すことが必要となり、コスト高を招く。
例えば、上記特許文献2では、動圧溝を型成形した圧粉体を水蒸気雰囲気中で加熱することにより、圧粉体を構成する金属粉末の粒子の表面に酸化物被膜を形成し、この酸化物被膜により前記粒子同士を結合することで、強度向上を図っている。この圧粉体は、焼結体と比べると強度は劣るが、粒子同士が酸化物被膜で結合されているため、ある程度の強度を有する。この酸化処理時の加熱温度は、従来の焼結温度よりも格段に低いため(例えば350〜600℃程度)、圧粉体、ひいては動圧溝の寸法変化が抑えられ、サイジングを施さなくても、要求される寸法精度を満足することができる。
しかし、本発明者らの検証によれば、上記特許文献2のように、動圧溝を有する圧粉体に水蒸気処理を施すと、圧粉体の表面が粗くなることが判明した。具体的には、圧粉体に水蒸気処理を施すと、酸化物被膜の生成速度が速いため、圧粉体の表面に形成される酸化物被膜が厚くなり、圧粉体の表面、特に軸受面の粗さやうねり(特に粗さ)が大きくなる。動圧軸受の軸受面は、極小の軸受隙間を介して相手材(軸)と対向するため、軸受面の粗さやうねりが大きくなると相手材に接触しやすくなり、異音発生の原因となるおそれがある。また、軸の回転開始直後や停止直前などの低速回転時には、軸受隙間の潤滑膜の圧力が低いため軸受面と軸とが摺動するが、このとき軸受面の粗さやうねりが大きいと、軸受面および相手材の摩耗を促進する。
そこで、本発明は、動圧溝を有する圧粉体に酸化処理を施してなる動圧軸受において、軸受面の面精度を高めて、異音の発生や、軸受面および相手材の摩耗を抑えることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、金属粉末を圧縮して圧粉体を成形すると同時に、前記圧粉体の内周面に動圧溝を成形する工程と、前記圧粉体を空気雰囲気中で加熱して、前記圧粉体を構成する金属粉末の粒子の表面に酸化物被膜を形成し、この酸化物被膜により前記粒子同士を結合する工程とを有する動圧軸受の製造方法を提供する。
このように、圧粉体の酸化処理を空気雰囲気で行うことにより、圧粉体の表面に酸化被膜がマイルドに形成されるため、圧粉体の表面の粗さやうねりが抑えられる。例えば、図9の上段に示す、空気雰囲気中で酸化処理を施した圧粉体(実施例)の内周面と、図9の下段に示す、水蒸気雰囲気中で酸化処理を施した圧粉体(比較例)の内周面とを比較すると、実施例は、比較例と比べて、丘部及び溝部共に表面状態が良好である。このように、軸受面の粗さやうねりが小さいことで、異音の発生や、軸受面および相手材の摩耗を防止することができる。尚、図9(A)(B)は、圧粉体の内周面の周方向のプロファイルを直線状に変換して示したものであり、図中上側が溝部、下側が丘部を表している。
ところで、上記特許文献1のように焼結体の内周面に動圧溝を型成形する場合、動圧溝の深さは、離型時の焼結体のスプリングバック量よりも小さくする必要がある。しかし、焼結体のスプリングバック量は小さいため、動圧溝の深さには限界があり、例えば内径1.5mmの動圧軸受の場合、動圧溝の深さは3μm程度が限界である。一方、動圧軸受の内周面と軸の外周面との間の軸受隙間の大きさは、流体圧力を確保するために、動圧溝の深さ以下に設定することが一般的である。従って、動圧溝の深さが3μmである場合、通常、軸受隙間は3μm以下に設定される。このように軸受隙間が小さいことで、軸の振れ回り時等に動圧軸受と軸とが接触しやすくなる。
これに対し、本発明では、圧粉体の成形と同時に動圧溝を成形する。圧粉体の離型時のスプリングバック量(内周面の拡径量)は、焼結体の離型時のスプリングバック量よりも大きいため、上記のように圧粉体に動圧溝を型成形することにより、焼結体に動圧溝を型成形する場合と比べて、動圧溝の深さを深くすることができる。具体的には、例えば、動圧溝の深さh(μm)と圧粉体の内径d(mm)との比h/dを2よりも大きくすることができる。
圧粉体の酸化処理時の加熱温度は、従来の焼結温度よりも格段に低い温度(例えば600℃以下)で足りる。これにより、圧粉体の寸法変化が抑えられるため、加熱後のサイジングを省略することができる。
上記の製造方法によれば、金属粉末の粒子の表面に空気雰囲気中で形成された酸化物被膜により前記粒子同士が結合された圧粉体からなり、内周面に動圧溝が型成形された動圧軸受を得ることができる。
圧粉体を複数種の金属粉末で構成すると、粒子の表面に形成される酸化物被膜の厚さや基材との密着性などが異なるため、寸法精度や軸受特性が満足できないおそれがある。従って、上記の動圧軸受は、圧粉体の95wt%以上が単一種の金属(例えば鉄)であることが好ましい。
圧粉体が主に鉄からなる場合、前記酸化物被膜はFe、Fe、FeO等からなる。例えば圧粉体を水蒸気雰囲気中で加熱した場合、酸化物被膜はほぼFeのみの単一相となる。一方、圧粉体を空気雰囲気中で加熱した場合、酸化物被膜は、FeとFeの混相となる。従って、鉄を主体とする圧粉体において、酸化物被膜がFeとFeの混相であれば、空気雰囲気中での加熱により形成されたものであると推定することができる。
上記の動圧軸受は、例えば圧粉体の内部気孔に油を含浸させて使用することができる。
上記の動圧軸受は、流体動圧軸受装置に組み込むことができる。具体的には、上記の動圧軸受と、前記動圧軸受の内周に挿入された軸部材とを備え、前記動圧軸受の内周面と前記軸部材の外周面との間のラジアル軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で前記軸部材を相対回転自在に非接触支持する流体動圧軸受装置を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、動圧溝を有する圧粉体に酸化処理を施してなる動圧軸受において、軸受面の面精度を高めることができるため、異音の発生や、軸受面および相手材の摩耗を抑えることができる。
スピンドルモータの断面図である。 流体動圧軸受装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る動圧軸受の断面図である。 上記動圧軸受の下面図である。 圧粉工程を行うフォーミング金型の断面図である(成形前)。 圧粉工程を行うフォーミング金型の断面図である(成形完了時)。 圧粉工程を行うフォーミング金型の断面図である(離型時)。 左図は加熱処理前の圧粉体の断面組織図、中央図は脱脂後の圧粉体の断面組織図、右図は酸化処理後の圧粉体の断面組織図である。 上段は、空気雰囲気中で酸化処理を施した圧粉体(実施例)の内周面の周方向のプロファイルであり、下段は、水蒸気雰囲気中で酸化処理を施した圧粉体(比較例)の内周面の周方向のプロファイルである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるものであり、軸部材2を回転自在に非接触支持する流体動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5とを備えている。ステータコイル4はケーシング6に取付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3に取付けられる。流体動圧軸受装置1のハウジング7は、ケーシング6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが所定枚数保持される。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
図2に示すように、流体動圧軸受装置1は、軸部材2と、本発明の一実施形態に係る動圧軸受としての軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8を内周に保持するハウジング7と、ハウジング7の軸方向一端の開口部に設けられたシール部9と、ハウジング7の軸方向他端を閉塞するスラストブッシュ10とを有する。図示例では、ハウジング7及びシール部9が一部品で構成されている。尚、以下の説明では、便宜上、軸方向でハウジング7の閉塞側を下側、ハウジング7の開口側を上側と言うが、これは流体動圧軸受装置1の使用態様を限定する趣旨ではない。
軸部材2は、軸部2aと、軸部2aの下端に設けられたフランジ部2bとを備える。軸部材2は、例えば金属で形成され、本実施形態では、軸部2aおよびフランジ部2bを含む軸部材2全体がステンレス鋼で一体に形成される。
ハウジング7は、樹脂あるいは金属で円筒状に形成される。ハウジング7の内周面7aには、軸受スリーブ8の外周面8dが、接着や圧入等の適宜の手段で固定される。
軸受スリーブ8は円筒状をなし、内周面8aに、軸部材2の外周面2a1と対向するラジアル軸受面が設けられる。図示例では、軸受スリーブ8の内周面8aの軸方向に離隔した2箇所にラジアル軸受面Aが形成される。各ラジアル軸受面Aには動圧溝が形成され、本実施形態では、図3に示すように、各ラジアル軸受面Aにへリングボーン形状に配列された動圧溝G1,G2が設けられる。図中クロスハッチングで示す領域は、内径側に盛り上がった丘部を示している(図4においても同様)。
上側の動圧溝G1は軸方向で非対称な形状を成し、下側の動圧溝G2は軸方向で対称な形状を成している。軸方向非対称形状の上側の動圧溝G1により、ラジアル軸受隙間の潤滑流体が軸方向に押し込まれ、ハウジング7の内部で潤滑流体が強制的に循環される。ラジアル軸受面Aの軸方向間領域には、動圧溝G1、G2の溝底面と連続した円筒面が設けられる。尚、上下の動圧溝G1,G2の双方を軸方向対称形状としてもよい。また、上下の動圧溝G1,G2を軸方向で連続させたり、上下の動圧溝G1,G2の一方を省略したりしてもよい。また、ラジアル軸受面に、スパイラル形状の動圧溝や軸方向に延びる動圧溝を形成してもよい。
動圧溝G1、G2の深さh(μm)と、軸受スリーブ8の内径d(mm)との比h/dは2よりも大きく、好ましくは3以上、より好ましくは4以上とされる。例えば、軸受スリーブ8の内径が1.5mmの場合、動圧溝G1、G2の深さは3μmよりも大きく、好ましくは4.5μm以上、より好ましくは6μm以上とされる。また、上記h/dは、7程度が製造上の上限となることが多い。従って、例えば軸受スリーブ8の内径が1.5mmの場合、通常、動圧溝G1、G2の深さは10μm以下となる。尚、動圧溝G1、G2の深さを特に深くする必要が無い場合は、上記h/dが2以下であってもよい。
軸受スリーブ8の下側端面8bには、軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1と対向するスラスト軸受面Bが設けられる。スラスト軸受面Bには、図4に示すようなポンプインタイプのスパイラル形状の動圧溝G3が形成される。尚、動圧溝の形状として、ヘリングボーン形状や放射溝形状等を採用しても良い。また、軸受スリーブ8の下側端面8b(スラスト軸受面B)を平坦面として、軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1に動圧溝を形成してもよい。
軸受スリーブ8の上側端面8cには、図3に示すように、環状溝8c1と、環状溝8c1の内径側に設けられた複数の半径方向溝8c2とが形成される。軸受スリーブ8の外周面8dには、複数の軸方向溝8d1が円周方向等間隔に設けられる。これらの軸方向溝8d1、環状溝8c1、及び半径方向溝8c2等を介して、軸部材2のフランジ部2bの外径側の空間がシール空間Sと連通することで、この空間における負圧の発生が防止される。尚、特に必要が無ければ、環状溝8c1や半径方向溝8c2を省略して、軸受スリーブ8の上側端面8cを平坦面としてもよい。
軸受スリーブ8は、円筒状を成した圧粉体からなる。流体動圧軸受装置1は小型のモータに組み込まれることが多く、この場合、軸受スリーブ8は、例えば内径φ5mm以下、軸方向寸法20mm以下とされる。
軸受スリーブ8は、金属粉末の圧粉体の内部気孔に油を含浸させた多孔質含油軸受である。軸受スリーブ8の表面は、動圧溝G1、G2、G3の溝底面や、丘部の頂面および側面を含め、全域が型成形された面となっている。軸受スリーブ8にはサイジングが施されておらず、表面に摺動痕は設けられていない。このため、軸受スリーブ8の表面の面粗度は、全域でほぼ均一になっている。
軸受スリーブ8は、例えば単一種の金属を95wt%以上含む圧粉体からなる。本実施形態では、軸受スリーブ8が、図8の右図に示すように、鉄粒子11と、鉄粒子11の表面に形成された酸化物被膜12とからなる圧粉体で構成される。鉄粒子11は、酸化物被膜12により互いに結合されている。詳しくは、各鉄粒子11の表面に形成された酸化物被膜12が、鉄粒子11間に行き渡ってネットワークを形成することにより、軸受スリーブ8の強度が確保されている。
シール部9は、ハウジング7の上端から内径側に突出している。本実施形態では、シール部9がハウジング7と一体に形成される。シール部9の内周面9aは、下方に向けて漸次縮径したテーパ状を成す。シール部9の内周面9aと軸部2aの外周面2a1との間には、下方に向けて半径方向幅を徐々に狭めた楔状のシール空間Sが形成される(図2参照)。この他、シール部9の内周面を円筒面とする一方で、軸部2aの外周面に上方に向けて漸次縮径するテーパ面を設け、これらの間に楔状のシール空間Sを形成してもよい。
スラストブッシュ10は、例えば、金属材料(黄銅等)や樹脂材料で形成され、ハウジング7の内周面7aの下端部に、圧入、接着等の適宜の手段で固定される。スラストブッシュ10の端面10aにはスラスト軸受面Cが形成される。このスラスト軸受面Cには、例えばポンプインタイプのスパイラル形状の動圧溝が形成される(図示省略)。尚、動圧溝の形状として、ヘリングボーン形状や放射溝形状等を採用しても良い。また、スラストブッシュ10の端面10a(スラスト軸受面C)を平坦面として、軸部材2のフランジ部2bの下側端面2b2に動圧溝を形成してもよい。
上記の構成の流体動圧軸受装置1の内部に、潤滑流体として油が注入される。本実施形態では、ハウジング7の内周の空間が、軸受スリーブ8の内部気孔を含めて油で満たされ、シール空間S内に油面が形成される。
軸部材2が回転すると、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面Aと軸部2aの外周面2a1との間にラジアル軸受隙間が形成され、動圧溝G1,G2によりラジアル軸受隙間の油膜の圧力が高められることで、軸部材2がラジアル方向に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1及び第2ラジアル軸受部R2が構成される。これと同時に、軸受スリーブ8の下側端面8b(スラスト軸受面B)とフランジ部2bの上側端面2b1との間、及び、スラストブッシュ10の端面10a(スラスト軸受面C)とフランジ部2bの下側端面2b2との間に、それぞれスラスト軸受隙間が形成され、各スラスト軸受面B、Cに設けられた動圧溝により各スラスト軸受隙間の油膜の圧力が高められることで、軸部材2を両スラスト方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T1及び第2スラスト軸受部T2が構成される。
このとき、ラジアル軸受隙間の大きさ、すなわち、軸受スリーブ8の内周面8a(詳しくは、ラジアル軸受面Aの丘部の内径面)の半径と軸部材2の外周面2a1の半径との差は、通常、軸受スリーブ8のラジアル軸受面Aに設けられた動圧溝G1、G2の深さ以下(例えば、動圧溝G1、G2の深さと同程度)に設定される。本実施形態では、動圧溝G1、G2の深さが、通常の焼結軸受の動圧溝の深さよりも深くなっており、例えば3μmより大きくなっている。これにより、ラジアル軸受隙間を3μmより大きくすることが可能となるため、軸部材2に振れ回りが生じたときに、軸部2aの外周面2a1と軸受スリーブ8の内周面8aとの接触を防止することができる。
ここで、上記の動圧軸受(軸受スリーブ8)の製造方法を説明する。軸受スリーブ8は、圧粉工程、脱脂工程、酸化工程、含油工程を経て製造される。以下、各工程を詳しく説明する。
(1)圧粉工程
圧粉工程は、原料粉末を金型に供給し、圧縮成形することで、円筒状の圧粉体を得る工程である。圧粉工程の手法は特に問わず、一軸加圧成形の他、多軸CNCプレスによる成形などが適用可能である。
原料粉末は、鉄粉や銅粉等の金属粉末を主に含む。鉄粉は、製法を問わず使用可能であり、例えば、アトマイズ粉や還元粉を使用できる。銅粉も、製法を問わず使用可能であり、例えば電解粉、アトマイズ粉、還元粉を使用できる。この他、主成分が鉄または銅である合金粉(例えば、予合金化したプレアロイ粉、部分的に拡散合金化させた部分拡散合金粉)を使用することも可能である。また、高強度化や潤滑性向上などのため、Sn、Znなどの低融点金属粉末、黒鉛やカーボンブラックなどの炭素系粉末を原料粉末に添加してもよい。
ただし、原料粉末に含まれる金属粉末は、単一種の金属粉末を95wt%以上含むことが好ましく、単一種の金属粉末のみからなることがより好ましい。金属の種類が異なると、粒子の表面に形成される酸化物被膜の厚さや基材との密着性などが異なるため、寸法精度や軸受特性が満足できないおそれがあるからである。尚、寸法精度や軸受特性が満たされるのであれば、複数種の金属粉末を混合してもよい。
原料粉末に、後の圧粉工程における原料粉末と金型との潤滑、あるいは原料粉末同士の潤滑を担保するべく、成形用潤滑剤を添加してもよい。成形用潤滑剤としては、金属セッケンやアミドワックスなどが使用できる。成形用潤滑剤は、粉末として原料粉末に混合する他、上記に挙げた成形用潤滑剤を溶剤に分散させた溶液を、金属粉末に噴霧又は浸漬させ、溶剤成分を揮発・除去することで、成形用潤滑剤を金属粉末の表面に被覆させてもよい。
本実施形態では、原料粉末が、純鉄粉(還元鉄粉)および成形用潤滑剤のみからなる。成形用潤滑剤は、純鉄粉に対して0.1〜1wt%、好ましくは0.3〜0.6wt%含まれる。
圧粉工程は、図5に示すフォーミング金型を用いて行われる。フォーミング金型は、ダイ21、コアロッド22、上パンチ23および下パンチ24を備える。コアロッド22の外周面には、動圧溝G1、G2に対応した形状の成形型22a、22bが設けられる。下パンチ24の上面には、動圧溝G3に対応した形状の成形型24aが設けられる。また、図示は省略するが、ダイ21の内周面には、軸方向溝8d1に対応した形状の成形型が設けられ、上パンチ23の下面には、環状溝8c1および半径方向溝8c2に対応した形状の成形型が設けられる。
まず、図5に示すように、ダイ21、コアロッド22、および下パンチ24で区画されたキャビティに、原料粉末Mを充填する。次に、図6に示すように、上パンチ23を降下させて原料粉末Mを圧縮し、圧粉体8’を成形する。これと同時に、コアロッド22の成形型22a、22bにより圧粉体8’の内周面に動圧溝G1、G2が成形されると共に、下パンチ24の成形型24aにより圧粉体8’の下側端面に動圧溝G3が成形される。
その後、図7に示すように、圧粉体8’をダイ21の内周から排出することにより、圧粉体8’に加わっていた内径向きの力が解放され、圧粉体8’にスプリングバックが生じる。これにより、圧粉体8’の内周面が拡径し、圧粉体8’がコアロッド22の成形型22a、22bから離型される。
このとき、圧粉体8’の内周からコアロッド22を引き抜くためには、圧粉体8’のスプリングバック量が、動圧溝G1、G2の深さよりも大きい必要がある。すなわち、動圧溝G1、G2の深さは、圧粉体8’のスプリングバック量よりも小さくなるように設計される。圧粉体8’のスプリングバック量は焼結体のスプリングバック量よりも大きいため、圧粉体8’に動圧溝G1、G2を成形することで、焼結体に動圧溝を成形する場合よりも動圧溝G1、G2を深くすることができる。具体的には、動圧溝G1、G2の深さh(μm)と、圧粉体8’の内径d(mm)との比h/dを2よりも大きく、好ましくは3以上、より好ましくは4以上とすることができる。例えば、圧粉体8’の内径が1.5mmの場合、動圧溝G1、G2の深さを3μmよりも大きく、好ましくは4.5μm以上、より好ましくは6μm以上とすることができる。
通常、焼結部品においては密度が高い方が強度は向上する。しかし、本実施形態のように、圧粉体に酸化処理を施すことで高強度化を図る場合は、圧粉密度が高すぎると、圧粉体内部まで空気等の酸化性ガスが侵入できず、酸化物被膜の形成が圧粉体のごく表層に限られるため、強度は向上するものの好ましくない。この点に鑑み、圧粉密度は、7.2g/cm以下(真密度比91%以下)、好ましくは7.0g/cm以下(真密度比89%以下)とするのがよい。
一方、圧粉密度が低すぎると、取扱い時に欠けや割れが発生してしまう(ラトラ値が大きい)、粒子間距離が長過ぎて酸化物被膜が粒子間にわたって形成されない、といった懸念がある。この点に鑑み、圧粉密度は、5.8g/cm3以上(真密度比74%以上)、好ましくは6.0g/cm3以上(真密度比76%以上)とするのがよい。尚、圧粉密度の測定は、寸法測定法による。また、圧粉体の密度は、後の脱脂工程および酸化工程を経てもほとんど変わらないため、上記の圧粉密度の好ましい範囲は、軸受スリーブ8の密度の好ましい範囲となる。
(2)脱脂工程
脱脂工程は、圧粉体を加熱して、圧粉体に含まれる成形用潤滑剤を除去(脱ろう)する工程である。脱脂工程は、成形用潤滑剤の分解温度より高く、後述の酸化工程よりも低い温度で行われ、例えば300〜400℃で10〜120分間加熱される。脱脂前の圧粉体8’は、図8の左図に示すように、鉄粒子11の間の隙間に成形用潤滑剤14が配されているが、脱脂工程を施すことにより、図8の中央図に示すように、成形用潤滑剤14が消失し、鉄粒子11のみからなる圧粉体8’が得られる。
従来の焼結軸受の製造工程では、焼結工程において圧粉体が高温で保持されるため、圧粉体に含まれる潤滑剤成分は分解し、焼結後の製品中には含まれない。しかし、本発明を適用した場合、圧粉体の密度や酸化処理温度、保持時間によっては潤滑剤成分が残存し得る。そのため、酸化処理に先立ち、あらかじめ潤滑剤成分を分解・除去するための脱脂工程を設け、脱脂工程後に連続して同じ雰囲気で酸化処理をする、といった手法を取ることが望ましい。ただし、脱脂工程を設けずに、成形用潤滑剤を含有したまま酸化処理をしても、高強度化が図られることは確認済みである。また、脱脂工程を、別途の加熱装置を用いて、酸化工程とは異なる雰囲気(例えば、不活性ガスや還元性ガス、真空中など)で実施してもよい。
(3)酸化工程
酸化工程では、圧粉体を酸化性雰囲気中で加熱する。これにより、図8の右図に示すように金属粉末(鉄粉)の各粒子11の表面に酸化物被膜12を生成させ、この酸化物被膜12を介して粒子11同士を結合することで、圧粉体8’の強度が高められる。具体的には、酸化工程により、金属粉末の各粒子の表面に生成される酸化物被膜が、金属粉末の粒子間に行き渡ってネットワークを形成することで、従来のような高温での焼結による結合力を代替し、圧粉体8’が高強度化される。また、本実施形態では、主成分となる鉄粉の全粒子が酸化物被膜を介して接合されているわけではなく、一部の粒子同士が酸化物被膜を介することなく直接接触して融着している。
上記の酸化処理により、圧粉体8’に、動圧軸受として要求される強度が付与されるように、処理条件(加熱温度、加熱時間、加熱雰囲気)が設定される。具体的に、酸化工程における加熱温度は、例えば350℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは450℃以上に設定される。また、加熱温度が高すぎると、圧粉体の寸法変化が大きくなるため、加熱温度は600℃以下、好ましくは550℃以下に設定される。加熱時間は、5分〜2時間の範囲で適宜設定され、例えば10〜20分とされる。酸化工程を経た圧粉体は、動圧軸受に必要とされる強度、具体的には圧環強さ120MPa以上、好ましくは150MPa以上を有する。
加熱雰囲気は、積極的な酸化を促すために酸化性雰囲気とされる。ただし、水蒸気雰囲気は、酸化物被膜の生成速度が速すぎるため、水蒸気雰囲気よりも酸化物被膜の生成速度が遅い酸化性雰囲気、具体的には空気雰囲気中で加熱する。空気雰囲気で酸化処理を行うことで、圧粉体の表面に酸化物被膜がマイルドに形成されるため、水蒸気雰囲気で酸化処理を行う場合と比べて、酸化物被膜が薄くなり、圧粉体の表面の粗さやうねり(特に粗さ)を抑えることができる。
上記のように、圧粉体(軸受スリーブ8)の表面の粗さやうねりを抑えることで、軸部材2の回転中、軸受スリーブ8のラジアル軸受面A、特に、最小径面となる丘部の頂面と、軸部材2の外周面2a1との接触が抑えられるため、異音の発生を防止することができる。また、軸部材2の回転開始直後や停止直前などの低速回転時には、軸受スリーブ8のラジアル軸受面Aと軸部材2の外周面2a1とが接触摺動することは避けられない。このとき、ラジアル軸受面Aが、粗さやうねりが小さい滑らかな面であることで、軸部材2の外周面2a1との摺動による両者の損傷を防止することができる。
鉄粉の表面に形成される鉄酸化物被膜は、Fe、Fe、FeO等からなる。これらの酸化物被膜の比率は、材料および処理条件によって異なる。例えば、圧粉体を水蒸気雰囲気中で加熱した場合、酸化物被膜はほぼFeのみからなる単一相となる。一方、圧粉体を空気雰囲気中で加熱した場合、酸化物被膜は、FeとFeの混相となる。従って、酸化物被膜の組成を分析することで、圧粉体を水蒸気雰囲気中で急激に酸化させたか、あるいは、空気雰囲気中でマイルドに酸化させたかを推定することができる。
上記の酸化工程による高強度化は、従来の一般的な焼結部材で使用される、鉄又は銅あるいはこれらの双方を種々の割合で混合した材質(鉄系、銅系、鉄−銅系、又は銅−鉄系)の圧粉体に適用できる。ただし、金属粉末が単一種類(例えば鉄粉)のみからなる方が、酸化物被膜の厚さや粒子との密着性を均一にすることができるため、好ましい。
上記の酸化工程は、従来の高温での焼結工程と比べて処理温度が低いため、処理前後の圧粉体の寸法変化が小さい。このため、圧粉体の寸法精度、特に動圧溝の寸法精度(溝深さ等)の低下が抑えられ、サイジングを施すことなく、要求される精度を満たすことができる。このようにサイジング工程を省略することで、軸受の製造工程が短縮され、コストが低減できると共に、動圧軸受及びフォーミング金型の設計が容易になる。
上記の酸化工程は、圧粉体の形状や寸法によらず適用可能である。また、酸化工程を施した圧粉体の表面は酸化物被膜で覆われるため、防錆効果が高く、場合によっては防錆処理が不要となる。また、酸化工程の処理温度が比較的低いため、この処理温度を超える温度で変性、分解するような添加剤(例えば摺動性や潤滑性を有する材料)を添加して、製品の高機能化を図ることも可能である。
(4)含油工程
含油工程は、酸化処理を施した圧粉体の内部気孔に潤滑油を含浸させる工程である。具体的には、減圧環境下で圧粉体を油中に浸漬した後、大気圧に戻すことにより、圧粉体の内部気孔に油が入り込む。以上により、本実施形態に係る軸受スリーブ8が完成する。尚、含油工程を省略し、内部に油が含浸されていない圧粉体を軸受スリーブ8としてもよい。この場合、ドライ状態の軸受スリーブ8を用いて流体動圧軸受装置1を組み立てた後、流体動圧軸受装置1の内部空間に油を真空含浸等により充填する際に、軸受スリーブ8の内部気孔に油が含浸される。
本発明の実施形態は上記に限られない。例えば、上記の実施形態では、軸受スリーブ8に、ラジアル軸受面およびスラスト軸受面の双方を設けた場合を示したが、これに限らず、ラジアル軸受面のみを有する動圧軸受に本発明を適用してもよい。
また、上記の実施形態では、ハウジング7およびシール部9を一部品で構成し、スラストブッシュ10を別体に形成しているが、これに限らず、例えば、ハウジング7およびスラストブッシュ10を一部品で構成し、シール部9を別体としてもよい。あるいは、ハウジング7、シール部9、およびスラストブッシュ10を別体としてもよい。
また、上記の実施形態では、油面が一箇所のみ(シール空間S内)に形成されるフルフィル構造の流体動圧軸受装置を示したが、油面が複数箇所に形成されるパーシャルフィル構造の流体動圧軸受装置に、本発明に係る動圧軸受を組み込んでもよい。
また、上記の実施形態では、軸受スリーブ8が固定され、軸部材2が回転する場合を示したが、これとは逆に、軸部材2を固定し、軸受スリーブ8側を回転させてもよい。また、上記の実施形態では、潤滑流体が油である場合を示したが、この他、グリースや磁性流体、空気等を潤滑流体として使用してもよい。また、本発明に係る動圧軸受は、HDD等のディスク駆動装置用のスピンドルモータのみならず、冷却ファン用のファンモータやレーザビームプリンタ用のポリゴンスキャナモータなどに組み込んで使用することもできる。
本発明の効果、特に、従来の焼結体からなる動圧軸受よりも動圧溝を深くすることができることを確認するために、以下の試験を行った。
本発明に係る方法で製造した円筒状の圧粉体からなる試験片(実施例1、2)と、従来の方法で製造した円筒状の焼結体からなる試験片(比較例)とを用意した。具体的に、実施例1、2は、動圧溝を有する圧粉体を成形した後、脱脂工程および酸化工程を経て製造した。比較例は、円筒状の圧粉体を成形した後、この圧粉体を焼結して焼結体を得、さらに焼結体にサイジングを施して動圧溝を成形した。実施例1、2は何れも鉄(酸化物被膜を含む)のみからなり、比較例は銅および鉄からなる。実施例1は、真密度に対する相対密度が80%未満(具体的には6.2g/cm)であり、実施例2は相対密度が80%以上(具体的には6.7g/cm)である。各試験片は、何れも内径φ1.5mm、外径φ3mm、軸方向幅3.3mmである。
各試験片の圧環強さ、加熱処理前後の寸法変化率、および動圧溝の深さを測定した。尚、実施例1、2、及び比較例について、それぞれ3個の試験片について各項目を測定、算出し、その平均値を採用した。
圧環強さは、JIS Z 2507に記載の方法に従って測定、算出した。尚、圧環強さとは、圧環荷重から一定の方法で求められる円筒状試験片の強さを言い、圧環荷重とは、円筒状試験片を軸に平行な二面で圧縮して割れが生じ始めたときの荷重を言う。圧環強さの評価基準は、以下の通りである。
〜120MPa:×
120〜150MPa:○
150MPa〜:◎
寸法変化率は、各試験片の加熱処理(実施例においては脱脂および酸化工程、比較例においては焼結工程)前後の内径、外径、軸方向幅を測定し、下記の式から寸法変化率を算出した。
寸法変化率(%)={加熱後の試験片の寸法(mm)−加熱前の試験片の寸法(mm)}×100/加熱前の試験片の寸法(mm)
寸法変化率の評価基準は以下の通りである。
〜0.4%:◎
0.4〜1.0%:○
1.0%〜:×
動圧溝の深さは、真円度計を用いて測定した。具体的には、試験片の外周面のうち、丘部と溝部とが周方向で交互に現れる軸方向位置において、試験片の外周面の周方向のプロファイルを真円度計で測定する。このプロファイルを直線状に変換し、隣り合う溝部と丘部との高さ(半径方向位置)の最大差を動圧溝の深さとする。この場合、試験片の動圧溝の深さは、動圧溝の本数だけ測定され(図9のh11〜h14及びh21〜h24参照)、各動圧溝の深さが評価される。動圧溝の深さの評価基準は以下の通りである。
〜3μm:×
3〜6μm:○
6μm〜:◎
Figure 0006961332
上記の表1に示すように、圧粉体に焼結処理を施した比較例は、焼結前後の寸法変化率が大きい。また、比較例の焼結体は、動圧溝成形後のスプリングバック量が小さいため、動圧溝の深さを浅くせざるを得ない。これに対し、圧粉体に焼結処理を施さず、比較的低温での酸化処理を施した実施例1、2は、酸化処理前後の寸法変化率が小さく、密度の高い実施例2は寸法変化率が特に小さい。従って、実施例1、2は、サイジングを施さなくても寸法精度を維持できる。また、実施例1、2の圧粉体は、動圧溝成形後のスプリングバック量が大きいため、動圧溝を深くすることができる。具体的には、動圧溝の深さを3μmより深く、すなわち、動圧溝の深さh(μm)と内径d(mm)との比h/dを2よりも大きくすることができる。さらに、実施例1、2は、何れも動圧軸受として必要とされる圧環強さ150MPa以上を有する。以上より、本発明によれば、強度や寸法精度を確保しながら、従来の焼結体からなる動圧軸受よりも動圧溝を深くすることができることが確認された。
1 流体動圧軸受装置
2 軸部材
8 軸受スリーブ(動圧軸受)
8’ 圧粉体
21 ダイ
22 コアロッド
22a 成形型
23 上パンチ
24 下パンチ
24a 成形型
G1,G2 (ラジアル)動圧溝
G3 (スラスト)動圧溝
R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間

Claims (6)

  1. 鉄粉を95wt%以上含み、前記鉄粉の粒子の表面に形成された酸化物被膜により前記粒子同士が結合された圧粉体からなり、内周面に成形面からなる動圧溝が設けられた動圧軸受であって、
    前記動圧溝の深さh(μm)と前記圧粉体の内径d(mm)との比h/dが3以上であり
    前記酸化物被膜が、FeとFeの混相である動圧軸受。
  2. 前記圧粉体の内部気孔に油が含浸された請求項1に記載の動圧軸受。
  3. 請求項1又は2に記載の動圧軸受と、前記動圧軸受の内周に挿入された軸部材とを備え、前記動圧軸受の内周面と前記軸部材の外周面との間のラジアル軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で前記軸部材を相対回転自在に非接触支持する流体動圧軸受装置。
  4. 請求項3に記載の流体動圧軸受装置と、前記動圧軸受および前記軸部材のうち、回転側に設けられたロータマグネットと、前記動圧軸受および前記軸部材のうち、固定側に設けられたステータコイルとを備えたモータ。
  5. 鉄粉を95wt%以上含む原料粉末を圧縮して圧粉体を成形すると同時に、前記圧粉体の内周面に動圧溝を成形する工程と、
    前記圧粉体を空気雰囲気中で加熱して、前記圧粉体を構成する金属粉末の粒子の表面に酸化物被膜を形成し、この酸化物被膜により前記粒子同士を結合する工程とを有し、
    前記動圧溝の深さh(μm)と前記圧粉体の内径d(mm)との比h/dが3以上である動圧軸受の製造方法。
  6. 前記圧粉体を加熱した後、サイジングを施さない請求項5に記載の動圧軸受の製造方法。
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