JP6960864B2 - 鋼製地中連続壁凸状接合部の保護構造および保護方法 - Google Patents
鋼製地中連続壁凸状接合部の保護構造および保護方法 Download PDFInfo
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Description
鋼製地中連続壁の施工は、RC地中連続壁の施工と同様に、安定液掘削工法で行う。安定液掘削を行った後、鋼製連壁部材を建て込み、コンクリートを打設充填する。コンクリートの硬化後、必要に応じて切梁支保工等を設置して鋼製地中連続壁を支保しながら、連壁内部の掘削を行うこととなるが、掘削に伴い、本体構造物との接合部に回り込んだコンクリートを斫り・撤去等して、接合部を予め露出させておく必要がある。
そこで、特許文献1には、接合部を構成する棒鋼の雄雌ネジ部に予め保護キャップを用いて保護した状態で泥水掘削溝に建て込み、コンクリートを打設することで鋼製地中連続壁を構築する手段が開示されている。
保護キャップは雄雌ネジ部のネジ山に螺合可能に加工された部材であり、雄雌ネジ部に掘削中の土砂やコンクリートが入り込むことを防ぐ効果が期待できる。
また、保護キャップは個々の雄雌のネジ部のみ保護することを目的に設置されるため、コンクリートは保護キャップの周囲に充填され、硬化することになる。このため、各ネジ部間の狭小な箇所に硬化したコンクリートも斫り対象となるため、斫り作業に時間を要し、接続部が斫りによる衝撃に曝されることになる。
しかしながら、発泡合成樹脂素材を用いた被覆材は吸水しないため、安定液内の水圧やコンクリートの側圧による圧縮力によって潰れることで、本来の衝撃力を緩和するという緩衝材としての機能が損なわれてしまう。さらに、撤去の際、粉々になった発泡合成樹脂が周辺に飛散し、回収に手間を要する。
また、斫り作業後、不要になったカバーをスクラップとして廃棄する必要が生じる。
図2(a),(b)に示す通り、泥水掘削溝1に鋼製部材3を建て込んだ場合、本体構造物の鉄筋等との接合するための凸状接合部36,36・・・は、鋼製部材1の掘削側に面するフランジ32aとなる面に配置される。
保護構造4は、凸状接合部36,36・・・が纏まって配置されている領域を包含するように、矩形形状の第1の被覆材41が凸状接合部36,36・・・の上から被覆され、第一被覆材41aと略同形状の第二被覆材41bが第1の被覆材に重ねられ、第一被覆材41aおよび第二被覆材41bの側面を取り囲むようにずれ止め材42a,42b,42c,42dが枠状にフランジ32aに固定されている。さらに第二被覆材41bを押さえ込むように、矩形形状の蓋材43が第二被覆材41bの上から重ねられ、蓋材43の四辺端部はそれぞれずれ止め材42a,42b,42c,42dに固定されている。
本実施形態の被覆材41は、泥水掘削溝1内で安定液を吸水した状態で、コンクリートが打設されるため、コンクリートによる側圧の増分に抵抗できる程度の弾性力(反発力)を有する必要がある。具体的には、被覆材41の水深における安定液の水圧とコンクリートの側圧との差分に対して抵抗できる程度の弾性力であることが好ましい。
第一被覆材41aと第二被覆材41bは前記機能を果たせれば同じ素材であっても良いし、異なる素材であっても良い。
第一被覆材41aの凸状接合部36,36・・・との干渉部分は、図4に後述する第一被覆材41aを貫通する十字状の切り込み44を入れたり、刳り貫く等の措置を施しておくことで、凸状接合部36,36・・・を第一被覆材41a内に確実に挿通することができる。
図3に示す通り、先ず凸状接合部36,36・・・が纏まって配置されている領域を包含するように成型された矩形形状の第一被覆材41aを凸状接合部36,36・・・の上から被せる。
次に図4に示す通り、凸状接合部36,36・・・の位置に合わせて第一被覆材41aに印をつけ、各印に十字状の切り込み44を入れた後、第一被覆材41aに凸状接合部36,36・・・を挿通させながら、第一被覆材41aをフランジ32aの上面に第一被覆材41aの下面が密着するように設置する。前述の通り、第一被覆材41aとフランジ32aとの密着性が担保できれば、十字状の切り込み44に係らず、凸状接合部36,36・・・の位置、形状寸法に合わせて第一被覆材41aを刳り貫いても良い。
例えば、第二被覆材41bは必須の構成ではなく、凸状接合部36,36・・・が適切に保護されれば、無くても良い。
2 鋼製地中連続壁
3 鋼製部材
36 凸状接合部
4 保護構造
41 被覆材
42 ずれ止め材
43 蓋材
5 コンクリート
Claims (2)
- 鋼製地中連続壁と鉄筋コンクリート構造体との凸状接合部の保護構造であって、
前記保護構造は少なくとも前記凸状接合部を覆う被覆材と、
前記鋼製地中連続壁に溶接して固定された前記被覆材のずれ止め材と、
前記被覆材に重ねられた蓋材と、から形成され、
前記被覆材は吸水可能な素材からなり、
前記ずれ止め材は少なくとも前記被覆材の上下および/または左右の側面から該被覆材を挟み込むように固定され、
前記蓋材が前記ずれ止め材に溶接して固定されたこと、
を特徴とする鋼製地中連続壁凸状接合部の保護構造。 - 鋼製地中連続壁と鉄筋コンクリート構造体との凸状接合部の保護方法であって、
前記凸状接合部の上から吸水可能な被覆材を覆い、
前記被覆材の上下および/または左右の側面から該被覆材を挟み込むようにずれ止め材を前記鋼製地中連続壁に溶接固定し、
前記被覆材に蓋材を重ね、
前記蓋材を前記ずれ止め材に溶接して固定すること、
を特徴とする鋼製地中連続壁凸状接合部の保護方法。
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JP2018008508A JP6960864B2 (ja) | 2018-01-23 | 2018-01-23 | 鋼製地中連続壁凸状接合部の保護構造および保護方法 |
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JP2019127706A JP2019127706A (ja) | 2019-08-01 |
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