JP6960789B2 - アライメント装置、および、成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アライメント装置と、それを備える成膜装置に関する。
有機EL素子などの電子デバイスの製造では、ガラス基板(以下、単に基板と表記する)の被成膜面を下向きにして水平に保持し、基板上に形成する膜のパターンに応じた開口を有するマスクを用いた成膜が行われている。基板の被成膜面を下向きにして成膜を行う場合、なるべく成膜を妨げないよう基板は端部で支持されるため、基板の中央部が自重で下方に凸形状に撓んだ状態となる。
基板の所定位置に膜を形成するために、基板とマスクとの相対位置合わせ(アライメント)が行われる。具体的には、基板とマスクとが接触しない位置関係に配置して、撮像装置を用いて基板のアライメントマークとマスクのアライメントマークとの位置合わせが行われた後、基板とマスクとを近づけ、マスクの上に基板が載置される。この状態で基板のアライメントマークとマスクのアライメントマークとのずれ量が所定の範囲内に収まると、アライメントは完了する。
特許文献1には、被成膜面である一主面の縁で支持された基板に、他主面の全域を覆う状態で基板押さえ部を載置するアライメント装置が開示されている。このように基板を保持することにより、基板押さえ部のマス(重力または慣性)を利用したアライメントが可能となり、基板が暴れてしまう現象を回避でき、基板の位置ずれを防止することができると記載されている。
特開2008−7857号公報
特許文献1によれば、基板押さえ部によって基板の端部が押さえられることにより、梃子の原理によって基板のたわみ量が低減され、基板とマスクのアライメントマークを同時に計測することが可能となる。
しかし、基板の撓みは、低減できても無くすことはできない。そのため、アライメントの後に、基板をマスクに接触させるため基板とマスクとを互いに近づけていくと、まず撓んだ中央部がマスクに接触し、次いで中央部の周辺に向かって接触領域が拡大して略全面が接触することになる。すると、基板中央部の基板とマスクとの接触領域に基板とマスクとの間に生じる摩擦力による拘束と、基板端部の受け爪および基板押さえ部との接触部分に生じる摩擦力による拘束とによって、基板の自由な動きが妨げられる。そのような状態で、さらに基板とマスクとを近づけていくと、マスクの形状に合わせて基板の形状が変化し、基板には大きな歪が生じる。そして、基板の歪みがある程度大きくなると、拘束力の弱い箇所で解消され、基板とマスクとの相対位置がずれる。
基板とマスクとの相対位置ずれの大きさや方向が一定であれば、相対位置ずれを考慮してアライメントを行うことができる。しかし、個性や基板を保持する位置の微妙な変化に起因して、アライメントの度に撓みの形状は異なる。特許文献1では個々の基板の撓み形状のついては考慮されていないため、アライメント毎に基板とマスクとの相対位置ずれの方向や大きさが異なってしまい、相対位置ずれを考慮したアライメントを行うのは困難である。
そこで、本発明は、自重によって撓んだ状態の基板をマスクに載置する際に生じる、基板とマスクとの相対位置ずれの再現性を向上させ、精度の高いアライメントを実現することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかるアライメント装置は、基板の第1の辺の側の部分が載置される第1受け部と、前記第1受け部に対向して前記基板を押圧する第1クランプ部とによって、前記基板をクランプする第1クランプユニットと、前記基板の前記第1の辺と対向する第2の辺の側の部分が載置される第2受け部と、前記第2受け部に対向して前記基板を押圧する第2クランプ部とによって、前記基板をクランプする第2クランプユニットと、を備え、前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記基板との間の摩擦係数が、前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部と前記基板との間の摩擦係数よりも小さく、前記第1クランプユニットと前記基板との間に生じる摩擦力が、前記第2クランプユニットと前記基板との間に生じる摩擦力よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、基板をマスクに載置する際の相対位置ずれの再現性を高め、アライメント精度を向上させることができる。
成膜装置の構成を模式的に示す断面図である。 アライメント機構の一形態を示す斜視図、基板の挟持機構を備えた基板保持ユニットの斜視図である。 回転並進機構11の一形態を示す斜視図である。 (a)は、基板の挟持機構を備えた基板保持ユニットの斜視図、(b)(c)は基板保持部8の、基板を保持している部分を拡大した図である。 (a)は基板保持部に保持されている状態の基板5を上から見た図、(b)はマスクを上面から見た図、(c)はファインカメラによって、1組のマスクマークと基板マークを計測した際の視野をイメージする図である。 アライメントシーケンスを示すフローチャートである。 本発明にかかるアライメント装置で基板5を保持して基板をマスクに載置する様子を示す図である。 (a)は有機EL表示装置の全体図、(b)は1画素の断面構造を示す図である。 電子デバイスの製造装置の構成の一部を模式的に示す上視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を説明する。ただし、以下で説明する実施形態は本発明の好ましい構成を例示的に示すものにすぎず、本発明の範囲をそれらの構成に限定されない。以下の説明における、装置のハードウェア構成及びソフトウェア構成、処理フロー、製造条件、寸法、材質、形状などは、特定的な記載がないかぎりは、本発明の範囲をそれらのみに限定するものではない。
本発明は、アライメント装置、および前記アライメント装置を備え、前記基板上に薄膜を形成する成膜装置に関する。
本発明は、平行平板のガラス基板の表面に真空蒸着により所望のパターンの薄膜(材料層)を形成する装置に好ましく適用できる。蒸着材料としては、有機材料、無機材料(金属、金属酸化物など)などの任意の材料を選択できる。本発明の技術は、具体的には、電子デバイス(例えば、有機EL表示装置、薄膜太陽電池)の製造装置に適用可能である。なかでも、主に被成膜基板としてガラス基板が用いられ、基板の大型化が進められている有機EL表示装置の製造装置は、本発明の好ましい適用例の一つである。
(アライメント装置および成膜装置)
本発明の実施形態に係るアライメント装置およびそれを備える成膜装置を、図面に基づき説明する。同一もしくは対応する部材を複数有する場合、図面中にa、bなどの添え字を付与しているが、特定の部材を指す場合を除いて、a、bなどの添え字を省略して説明する。
本発明にかかるアライメント装置を備えた成膜装置の概念図を図1に示す。
成膜装置は、基板5に成膜材料を形成するための成膜空間2を有する成膜チャンバ4、基板5を成膜チャンバ4内に搬入/搬出するためのゲートバルブ15、基板5およびマスク6を保持して相対位置合わせを行うアライメント装置1を備えている。成膜チャンバ1の成膜空間2には、成膜材料を備える成膜源(蒸着源)7を設置するための機構が設けられている。図1には、蒸着装置を示しているが、本発明にかかるアライメント装置は、スパッタリング法やCVD法など、蒸着法以外の成膜方法を用いる成膜装置にも適用することが可能である。
アライメント装置1は、成膜チャンバ4の上部隔壁(天板)3の上に搭載されており、駆動部を備える位置決め機構と、基板保持部8と、マスク保持部9とを有している。位置決め機構は、XYθz方向に駆動する回転並進機構11と、Z昇降ベース13と、Z昇降ベース13の側面に固定されるZガイド18に沿って移動するZ昇降スライダ10を含んでおり、成膜チャンバ2の外側に設けられている。可動部を多く含む位置決め機構を成膜空間の外に配置することで、成膜空間内の発塵を抑制することができる。
Z昇降スライダ10には、基板保持シャフト12が固定されている。基板保持シャフト12は、成膜チャンバ4の上部隔壁3に設けられた貫通穴16を介して、成膜チャンバ4の外部と内部にわたって設けられている。そして、成膜空間2において、基板保持シャフト12の下部に基板保持部8が設けられ、被成膜物である基板5を保持することが可能となっている。
基板保持シャフト12と上部隔壁3とが干渉することのないよう、貫通穴16は基板保持シャフト12の外径に対して十分に大きく設計される。また、基板保持シャフト12は、貫通穴16を通り、成膜チャンバ4の外側のZ昇降スライダ10に固定されるまでの間、Z昇降スライダ10と上部隔壁3とに端部が固定されたベローズ40によって覆われる。つまり、基板保持シャフト12は、成膜チャンバ4と連通する閉じられた空間によって覆われるため、基板保持シャフト12全体を成膜空間2と同じ状態(例えば、真空状態)に保つことができる。ベローズ40には、Z方向およびXY方向にも柔軟性を持つものを用いるとよい。アライメント装置1の稼働によってベローズ40が変位した際に発生する抵抗力を十分に小さくすることができ、位置調整時の負荷を低減することができる。マスク保持部9は、成膜チャンバ4の内部において、上部隔壁3の成膜空間側の面に設置されており、マスクを保持することが可能となっている。有機ELパネルの製造に広く用いられるマスク6は、成膜パターンに応じた開口を有するマスク箔6aが、剛性の高いマスク枠6bに架張された状態で固定された構成を有しており、マスク6は撓みの小さい状態で保持される。
位置決め機構、基板保持機構8、成膜源の一連の動作は、制御部50によって制御される。制御部50は、例えば、プロセッサ、メモリ、ストレージ、I/Oなどを有するコンピュータにより構成可能である。この場合、制御部270の機能は、メモリ又はストレージに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。コンピュータとしては、汎用のパーソナルコンピュータを用いてもよいし、組込型のコンピュータ又はPLC(programmable logic controller)を用いてもよい。あるいは、制御部50の機能の一部又は全部をASICやFPGAのような回路で構成してもよい。
次にアライメント装置1の位置決め機構の詳細について、図2を用いて説明する。
図2は、アライメント装置1の一形態を示す斜視図である。Z昇降スライダ10を鉛直Z方向に案内するガイドは、複数本のZガイド18a〜18dを含んでおり、Z昇降ベース13の側面に固定されている。Z昇降スライダ中央には駆動力を伝達するためのボールネジ20が配設され、Z昇降ベース13に固定されたモータ19から伝達される動力が、ボールネジ20を介してZ昇降スライダ10に伝えられる。
モータ19は不図示の回転エンコーダを内蔵しており、エンコーダの回転数により間接的にZ昇降スライダ10のZ方向位置を計測することが可能となっている。従って、モータ19の駆動をエンコーダによる計測値に基づいて制御すれば、Z昇降スライダ10のZ方向の精密な位置決めを行うことができる。なお、Z昇降スライダ10の昇降機構は、ボールネジ20と回転エンコーダに限定されるものではなく、リニアモータとリニアエンコーダの組み合わせなど、公知の機構を採用することができる。
図3は、回転並進機構11の一形態を示す斜視図である。Z昇降スライダ10およびZ昇降ベース13が回転並進機構11の上に配設されており、Z昇降ベース13とZ昇降スライダ10の全体を、XYθz方向に駆動させることが可能となっている。
回転並進機構11は複数の駆動ユニット21a〜21dを有している。図3の構成では、駆動ユニット21a〜21dは、それぞれベースの四隅に配置されており、隣接する隅に配置された駆動ユニットをZ軸周りに90度回転させた向きに配置されている。
各駆動ユニット21は、駆動力を発生させるモータ41を備えている。さらに、モータ41の力がボールネジ42を介して伝達されることにより第1の方向にスライドする第1のガイド22と、XY平面において第1の方向と直交する第2の方向にスライドする第2のガイド23とを備えている。さらに、Z軸周りに回転可能な回転ベアリング24を備えている。例えば、駆動ユニット21cの場合は、X方向にスライドする第1のガイド22、X方向と直交するY方向にスライドする第2のガイド23、回転ベアリング24を有しており、Xモータ41の力がボールネジ42を介して第1のガイド22に伝達される。
モータ41は不図示の回転エンコーダを内蔵しており、第1のガイド22の変位量を計測することが可能である。各駆動ユニット21において、計測した第1のガイド22の変位量に基づいてモータ41の駆動を制御部50で制御することにより、Z昇降ベース13のXYθz方向における位置を精密に制御することができる。
Z昇降ベース13を+X方向へ移動させる場合は、駆動ユニット21bと21cのそれぞれにおいて+X方向にスライドさせる力をモータ41で発生させ、Z昇降ベース13にその力を伝えるとよい。また、+Y方向へ移動させる場合には、駆動ユニット21aと21dのそれぞれにおいて+Y方向にスライドさせる力をモータ41で発生させ、Z昇降ベース13にその力を伝えるとよい。
Z昇降ベース13を+θz回転(時計周りにθz回転)させる場合は、対角に配置された駆動ユニット21cと21bとを用いて、Z軸周りに+θz回転させるために必要な力を発生させ、Z昇降ベース13にその力を伝えるとよい。あるいは、駆動ユニット21aと21dとを用いて、Z昇降ベース13に回転に必要な力を伝えてもよい。
次に、本発明にかかるアライメント装置1の基板保持部8の詳細な構成について、図4を用いて説明する。図4(a)は矩形の基板5を長辺にそって保持した基板保持部8全体を、アライメント装置1側から見た斜視図である。図4(b)、(c)は、基板保持部8が、基板と接する部分を拡大した図であり、それぞれ基板を挟持せずに保持した状態と、基板をクランプ27で挟持して固定した状態と、を示している。
図4(a)〜(c)に示すように、基板保持部8は基板保持シャフト12a〜12dの下部に固定されている。基板保持部8は、基板保持シャフト12によって位置が制御される保持部ベース25に設けられた複数の受け爪26と、受け爪26と対向して設けられた複数のクランプ27を有している。 図4には基板5の一方の辺を押圧するクランプ27しか表されていないが、本発明にかかるアライメント装置では、矩形の基板5の一方の辺に押圧を加えるクランプ27aと他方の辺に押圧を加えるクランプ27bの形状が異なっている。具体的には、基板5とクランプ27aとの間の摩擦係数が、基板5とクランプ27bとの間の摩擦係数よりも小さくなっている。このような構成とすることによる効果は、後に詳細に説明する。
保持部ベース25の位置を制御するための基板保持シャフト12a〜12dは、一括して制御される構成でもよいし、基板保持シャフト12aと12bと、基板保持シャフト12c、12dとに分けて、別々に制御される構成となっていてもよい。
クランプ27は、基板5の第1の主面とは反対側の第2の主面に接して、基板5に対して受け爪26側に押圧を加える部材である。基板5の縁を受け爪26とクランプ27とによって挟み込むことによって、基板の位置を固定し、かつ、基板の撓みを低減した状態で保持することができる。
クランプ27は、それぞれが個別に設けられた駆動機構によって上下に駆動されてもよいが、ここでは保持部ベース25ごとに複数のクランプ27を1つのユニットとし、ユニットごとに駆動機構で駆動する場合について説明する。複数のクランプ27を含むクランプユニット28はクランプスライダ32に固定されており、基板保持部8の保持部ベース25と保持部上板35の間に配設されたリニアブッシュ39によって、クランプスライダ32がZ方向にガイドされる。クランプスライダ32は、上部隔壁3を貫通する駆動シャフト34を介してZ昇降スライダ10に固定される。クランプスライダ32は駆動シャフト34を介して電動シリンダ36の力が伝えられZ方向に駆動が可能となっている。
クランプ27の下降し、クランプ27は受け爪26上に搭載された基板5の表面に当接すると、受け爪26とクランプ27との間で基板5を固定した、図4(b)の状態となる。クランプ27によって一定の荷重を基板5に付加するため、クランプ27の上部には保持力(荷重)を発生するためのバネ29が配設される。なおクランプ27とバネ29の間にはロッド31が存在し、クランプ27はZ方向に案内される。バネ29は荷重調整ネジ30によってギャップLを変えることで全長を調整することができる。したがって、バネ29の押し込み量によって、クランプ27に発生する押圧も自在に調整可能である。なお、この押圧が数N〜数10N程度あれば、基板5の自重よりも大きい荷重で基板5を押さえることができ、アライメント中に基板がずれるのを抑制することができる。
前述したクランプユニット28および基板保持部8の構成によれば、基板5を一定の荷重で保持したままアライメント装置1によってXYθz方向、および、Z方向に移動可能である。
マスク枠6bには、基板5をマスク6aに載置させる際に受け爪26との干渉を回避するための複数の溝が掘られている。溝と受け爪26とのクリアランスを数mm程度設定しておけば、基板5の載置後に受け爪26がさらに下降しても、マスク枠6bと受け爪26が互いに衝突するのを避けることができる。
次に、基板5とマスク箔6aとの位置、すなわち、それぞれのアライメントマークの位置を同時に計測するための撮像装置について説明する。図1において上部隔壁3の外側の面には、マスク6上のアライメントマーク(マスクマーク)および基板5上のアライメントマーク(基板マーク)の位置を計測するための撮像装置14が配設されている。上部隔壁3には、撮像装置14により成膜チャンバ2内のアライメントマークの位置を計測できるよう、撮像装置の光軸上に貫通穴および窓ガラス17が設けてある。さらに、撮像装置14の内部または近傍に不図示の照明を設け、基板マークおよび/またはマスクマーク近傍に光を照射することで、正確なマーク像の計測を可能としている。
図5(a)〜(c)を参照し、撮像装置14を用いて基板マーク37とマスクマーク38の位置を計測する方法を説明する。
図5(a)は基板保持部8に保持されている状態の基板5を上から見た図である。基板5上には撮像装置14で計測可能な基板マーク37a〜dが基板の4隅に形成されている。この基板マーク37a〜dを4つの撮像装置14によって同時計測し、各基板マークの中心位置である4点の位置関係から、基準位置に対する基板5の並進量、回転量を算出することにより、基板の位置情報を取得することができる。基準位置はあらかじめ設定された任意の位置である。
図5(b)はマスク6を上面から見た図である。マスク箔6aの四隅には撮像装置で計測可能なマスクマーク38a〜dが形成されている。このマスクマーク38a〜dを4つの撮像装置14a〜dによって同時計測し、各マスクマークの中心位置である4点の位置関係からマスク6の並進量、回転量などを算出して、基準位置に対するマスクの位置情報を取得することができる。
図5(c)は撮像装置14によって、1組のマスクマーク38および基板マーク37を計測した際の視野43をイメージする図である。撮像装置14の視野43内において、基板マーク37とマスクマーク38を同時に計測し、マーク中心同士の相対的な位置を測定することが可能である。マーク中心座標は撮像装置14の計測によって得られた画像を不図示の画像処理装置を用いることで求めることができる。なお、マスクマーク38および基板マーク37の形状として□や○を示したが、これに限らず×や十字など中心位置を算出しやすい、対象性を有する形状を用いることができる。
精度の高いアライメントが求められる場合、撮像装置14として数μmのオーダーの高解像度を有する高倍率CCDカメラ(ファインカメラとも呼ぶ)が用いられる。このような高倍率CCDカメラは、視野が数mmと狭いため、基板5を受け爪26に載置した状態のずれが大きいと、基板マーク37が視野から外れてしまい、計測不可能となる。そこで、撮像装置14として、高倍率CCDカメラと併せて広い視野をもつ低倍率CCDカメラ(ラフカメラとも呼ぶ)を併設するのが好ましい。マスクマーク38と基板マーク37が同時に高倍率CCDカメラの視野に収まるよう、ラフカメラを用いて大まかなアライメントを行った後、高倍率CCDカメラを用いて高い精度で位置計測を行うことができる。
撮像装置14によって取得したマスク6の位置情報および基板5の位置情報から、マスク6と基板5との相対位置情報を取得することができる。この相対位置情報を、アライメント装置の制御部50にフィードバックし、昇降スライダ10、回転並進機構11、基板保持部8それぞれの駆動量を制御する。撮像装置14として高倍率CCDカメラを用いることにより、マスク6と基板5の相対位置を数μmの精度で調整することができる。
マスク6と基板5のアライメントが完了した後は、成膜空間2に配置された蒸着源7から成膜材料の蒸気を放出させ、成膜工程を開始すればよい。
(アライメント方法)
本発明にかかるアライメント装置を用いたアライメント方法について、図6を参照して説明する。図6は、撮像装置14として高倍率CCDカメラと低倍率CCDカメラを設置した場合の、本発明にかかるアライメントシーケンスを示すフローチャートである。マスク保持部には、あらかじめマスクが設定してあるものとする。
まず、基板5が、ゲートバルブ15から不図示のロボットハンドに搭載して搬入され、被成膜面である第1の主面が接するように受け爪26上に載置される(S101)。
基板5が受け爪26の上に載置されると、電動シリンダ36から発生する力が駆動シャフト34を介してクランプスライダ32に伝えられ、クランプスライダ32がZ方向に駆動する。すると、クランプスライダ32に取り付けられたクランプユニット28が下降して基板5に接触し、受け爪26との間に基板5を挟み込んで(クランプして)、保持する(S102)。
次に、ラフカメラで基板マーク37を計測し、受け爪26に載置された基板5の位置情報を取得する。初期載置時の位置が、ファインカメラの視野内に基板マーク37が収まる位置に調整できない程ずれている場合は、ロボットハンドを用いて、ファインカメラの視野に収まる位置に調整可能となるまで基板5を載置しなおす。
ラフカメラによって基板5の基板マーク37とマスク6のマスクマーク38とを同時に検出し、基板5とマスク6の相対位置情報を取得する(S103)。ここでいう相対位置情報とは、具体的には、基板マーク37とマスクマーク38の中心位置間の距離と位置ずれの方向である。本発明では、基板5をクランプし、基板の撓みが改善された状態を実現しているため、基板マスクが設けられた基板の縁部において、基板マークと一緒にマスクマークを計測することが可能となる。
得られた基板5とマスク6の相対位置情報に基づき、基板5とマスク6の相対位置を調整(アライメント)する。前述の通り、相対位置情報に基づいてアライメント装置1が備える位置決め機構を駆動し、基板5をXYθz方向およびZ方向に移動させて位置を調整する(S104)。S103〜S104の工程は、後に行われる、ファインカメラを用いて得られた相対位置情報に基づくファインアライメントに対して、ラフアライメントと呼ばれる。ラフアライメントは、ファインカメラの視野内に基板マークおよびマスクマークを収めるためのアライメントである。
基板5が大型であると、クランプした状態でも自重により数mm撓んだ状態になる。位置決めの際には、マスク6と基板5が接触して互いに擦れ、基板5の表面、あるいは、すでに形成された膜パターンが破損しないように、マスク6に対して基板5を撓み量以上の十分な高さ(ラフアライメント高さ)に保持しておく。
基板5とマスク6の相対位置が、所定の範囲内に収まるまで基板5の位置が調整できると、ファインカメラ14の焦点が基板マーク37に合う高さ(ファインアライメント高さ)になるまで、基板5をマスク6に近づける(S105)。なお、ファインアライメント高さにおいても基板5をマスク6に対して相対的に移動させる必要があるため、基板5とマスク6とが接触しない程度に、ファインアライメント高さを設定しておく必要がある。
S103〜S104であらかじめラフアライメントしておくことにより、ファインカメラによって基板マーク37とマスクマーク38とが同じ視野内に収まったファインカメラ画像を取得することができる。取得したファインカメラ画像から、基板マーク37とマスクマーク38の中心位置を検出し、数μmの精度で相対位置情報を取得することができる(S106)。
取得した相対位置情報に含まれる、基板マーク37とマスクマーク38の中心位置間の距離、すなわち、相対位置のずれ量を、あらかじめ設定した閾値と比較する(S107)。相対位置のずれ量が閾値を超える場合は、基板5をラフアライメント高さまで上昇させ、S103〜S106を再度行う。閾値は、求められる基板5とマスク6のアライメント精度を達成しうる、数μmのオーダーで設定される。
S107で、基板マーク37とマスクマーク38の中心位置間の距離が閾値以下となったことが確認されると、基板5をマスク6へと近づける(S108)。
基板5とマスク6とが接触し始めると、基板5は、接触部においてマスク6との間に生じる大きな摩擦力によって動きが拘束され、基板5とマスク6とが接触し始めた時の相対位置が維持される。
本発明のアライメント装置では、基板の一対の長辺に押圧を加える一対のクランプユニット28のうち、一方のクランプユニット28aと基板5との間の摩擦力が、他方のクランプユニット28bと基板5との間の摩擦力よりも小さくなっている。具体的には、クランプユニット28aに含まれる複数のクランプ27aと基板5との間の摩擦力が、クランプユニット28bに含まれる複数のクランプ27bと基板5との間の摩擦力よりも小さくなっている。従って、保持部ベース25の下降に伴って生じる基板5の歪は、摩擦力すなわち拘束力の弱いクランプユニット28a側で随時解放され、基板5の位置はクランプユニット28a側にずれる。
このように、本発明によれば、基板5をマスク6の上に載置する際に生じる、相対位置からのずれが常に一定の保方向に生じるようにすることができ、基板5をマスク6の上に載置する際に生じる位置ずれを考慮して相対位置を決めることができる。その結果、アライメント動作回数を減らすことができる。
複数のクランプ27a同士、複数のクランプ27b同士は、互いに同様の構造を有していることが好ましいが、相対位置からのずれ量やずれ方向の再現がとれるのであれば、それには限定されない。
クランプユニット28のクランプ面が、マスク枠6bの上面よりも低くなる位置まで保持部ベース25を降下させると、基板5を、基板保持部8からマスク6の上へと載置することができる(S109)。
基板5のマスク6上へ載置が完了すると、ファインカメラで基板マーク37およびマスクマーク38を撮像し、基板5とマスク6との相対位置情報を取得する(S110)。相対位置情報の取得方法は、S106と同様である。
相対位置のずれ量が閾値以下か否か確認され(S111)、ずれ量が閾値以下であるとアライメントシーケンスは完了する。S111で相対位置のずれ量が閾値を超えている場合は、再度アライメントシーケンスをやり直す。具体的には、クランプユニット28a、28bの受け受け爪26をマスク枠6bの高さまで上昇させ、基板5がマスクの上から基板保持部の上に載置された時点でクランプ27を下降させて基板をクランプ状態とする。そして、ラフアライメント高さまで基板5を上昇させ、S103〜S111の工程を行って、基板5とマスク6との位置合わせを再度実施する。S111におけるずれ量の閾値は、成膜に求められる精度に応じて決めるとよい。
図7に、本発明の一実施形態であるアライメント装置と、それを用いたアライメント動作によって生じる基板5のずれについて説明する。図7(a)〜(d)はいずれも、基板5の長辺に平行な方向から、アライメント装置を見た図を示している。図面上、基板5の対向する長辺のうち一方の辺が載置される受け爪26aと対向するクランプユニット28a(第1のクランプユニット)を、クランプユニット28aに含まれる1つのクランプ27aで表している。同様に、基板5の対向する長辺のうち他方の辺が載置される受け爪26bと対向するクランプユニット28b(第2のクランプユニット)を、クランプユニット28bに含まれる1つのクランプ27bで表している。
図7(a)は、図6のS107で基板5とマスク6位置ずれ量が閾値以下となった状態に対応している。本実施形態のアライメント装置は、クランプ27aとクランプ27bとが互いに異なった形状を有している。クランプ27aは基板5に押圧を加える部分が半球形状を有しており、基板5と点接触するため接触面積が小さい構造を有している。一方、クランプ27bが基板5に押圧を加える部分が平面である形状を有し、基板5と面接触するため、クランプ27aに比べて接触面積が十分大きい構造を有している。
クランプ27a、27bの基板と接する部材の材質が同じで、かつ、クランプ27a、27bと接する基板5の表面が同じ状態であるとすると、基板5とクランプ27aとの間の摩擦力は、基板5とクランプ27aとの間の摩擦力よりも小さくなる。
図7(b)は、クランプ27a、27bで基板5に押圧を加えた状態で、基板5をマスク6に近接させた様子(図6のS108に対応)を示している。基板5の中央部は自重で撓んでいるため、基板5と中央部がまず接触を開始する。この時、接触による反力がクランプ27a、27bに伝わる。前述の通り、基板5とクランプ27aとの間の摩擦力Faは、基板5とクランプ27bとの間の摩擦力Fbより小さくなっているため、基板5の反力を受けると摩擦力の小さいクランプ27a側(白抜きの矢印の方向)に基板5がずれる。
図7(c)は基板5がマスク6に載置された状態を示している。基板5はマスク6にならって伸びきった状態となっており、図6のS109の状態に対応している。そして、図7(d)のようにクランプの押圧を解除し、さらに基板保持部8全体を下降させることで、基板5を基板保持部8からマスク6の上への載置が完了する。この後、基板とマスクとの相対位置が閾値以下であることが確認され(図6のS111に対応)、アライメント動作が完了する。装置位置が閾値を超える場合は、S103に戻る再びラフアライメントおよびファインアライメントが行われる。
以上説明した様に、従来の構成では、基板5に押圧を加えるクランプが同じ形状であったため、アライメント毎に歪みが解消される位置が異なり、基板とマスクとの相対位置ずれの方向や大きさが一定ではなかった。その結果、基板5をマスク6に載置する際の相対位置ずれを予測できず、基板5とマスク6の位置合わせ精度が悪化しり、アライメントに長い時間が必要となっていた。
しかし、本発明を適用することで、基板5をスク6に載置する際の相対位置ずれが一定の方向に制御されるため、相対位置ずれの再現性が高まり、基板5とマスク6の位置合わせ精度が向上し、アライメントに要する時間を短縮することが可能となる。
なお、図7に示した実施形態では、クランプ27が基板を押圧する部分の形状を、クランプ27aで半球形状、クランプ27bで平面形状にして、基板5との間に生じる摩擦力に大小関係ができるようにしていたが、この形状の限定されるものではない。クランプ27aとクランプ27bとの間で、基板5との間に生じる摩擦力の大小関係が実現できれば、どのような形状であっても良い。例えば、クランプ27aが基板を押圧する部分に溝を切って接触面積が小さいクランプで摩擦力の小さい形状とし、クランプ27aが基板を押圧する部分をのこぎり状やエンボス状にして基板との接触を増やし摩擦力の大きい形状としてもよい。また摩擦力の大小関係が実現する方法としては、クランプ27の押圧部分の形状に限定されるものではない。例えば、クランプ27aとクランプ27bの形状を同じにし、クランプ27aと基板5と接触部に摩擦係数を低減するフッ素系樹脂などを配して、材料によって摩擦力に差を付けるような工夫をしてもよい。
(デバイスの製造)
本発明にかかるアライメント装置1を用いた基板5とマスク6とのアライメントが完了すると、成膜工程を含むデバイスの製造工程が実施される。ここでは、本実施形態の成膜装置を用いた電子デバイスの製造方法の一例として有機EL装置の製造方法を説明する。
まず、製造する有機ELパネルについて説明する。図8(a)は有機EL表示装置60の全体図、図8(b)は1画素の断面構造を表している。
図8(a)に示すように、有機ELパネル60の表示領域61には、発光素子を複数備える画素62がマトリクス状に複数配置されている。詳細は後で説明するが、発光素子のそれぞれは、一対の電極に挟まれた有機層を備えた構造を有している。なお、ここでいう画素とは、表示領域61において所望の色を表示することができる最小単位を指す。
本実施例にかかる有機ELパネルの場合、互いに異なる発光を示す第1発光素子62R、第2発光素子62G、第3発光素子62Bの組合せが画素62に含まれる。一般に、画素62には、赤色発光素子と緑色発光素子と青色発光素子が含まれることが多いが、黄色発光素子とシアン発光素子と白色発光素子が含まれてもよく、特に制限されるものではない。
図8(b)は、図8(a)のA−B線における部分断面模式図である。画素62は、基板63上に、第1電極(陽極)64と、正孔輸送層65と、発光層66R,66G,66Bのいずれかと、電子輸送層67と、第2電極(陰極)68と、を備える有機EL素子を有している。これらのうち、正孔輸送層65、発光層66R,66G,66B、電子輸送層67が有機層に当たる。また、本実施形態では、発光層66Rは赤色を発する有機EL層、発光層66Gは緑色を発する有機EL層、発光層66Bは青色を発する有機EL層である。発光層66R,66G,66Bは、それぞれ赤色、緑色、青色を発する発光素子(有機EL素子と記述する場合もある)に対応するパターンに形成されている。また、第1電極64は、発光素子ごとに分離して形成されている。正孔輸送層65と電子輸送層67と第2電極68は、複数の発光素子62と共通で形成されていてもよいし、発光素子ごとに形成されていてもよい。ここでは、第1電極64を陽極、第2電極を陰極としたが、第1電極64を陰極、第2電極を陽極としてもよい。その場合、正孔輸送層65と電子輸送層67の積層順を逆にするとよい。
第1電極64と第2電極68とが異物によってショートするのを防ぐために、第1電極64間に絶縁層69が設けられている。さらに、有機EL層は水分や酸素によって劣化するため、水分や酸素から有機EL素子を保護するための保護層70が設けられている。
有機EL層を発光素子単位に形成するためには、マスクを介して成膜する方法が用いられる。近年、表示装置の高精細化が進んでおり、有機EL層の形成には開口の幅が数十μmのマスクが用いられる。このようなマスクを用いた成膜には本発明にかかるアライメント装置1を備える成膜装置(真空蒸着装置)が好適に用いられる。
次に、有機ELパネルの製造方法の例について具体的に説明する。
まず、有機ELパネルを駆動するための回路(不図示)および第1電極64が形成された基板63を準備する。
第1電極64が形成された基板63の上にアクリル樹脂をスピンコートで形成し、アクリル樹脂をリソグラフィ法により、第1電極64が形成された部分に開口が形成されるようにパターニングし絶縁層69を形成する。この開口部が、発光素子が実際に発光する発光領域に相当する。
絶縁層69がパターニングされた基板63を第1の成膜装置に搬入し、基板保持ユニットにて基板を保持し、正孔輸送層65を、表示領域の第1電極64の上に共通する層として成膜する。正孔輸送層65は真空蒸着により成膜される。実際には正孔輸送層65は表示領域61よりも大きなサイズに形成されるため、高精細なマスクは不要である。
次に、正孔輸送層65までが形成された基板63を第2の成膜装置に搬入し、基板保持ユニットにて保持する。基板とマスクとのアライメントを行い、基板をマスクの上に載置し、基板63の赤色を発する素子を配置する部分に、赤色を発する発光層66Rを成膜する。本例によれば、マスクと基板との相対位置を精度よく合わせて重ね合わせることができ、高精度な成膜を行うことができる。
発光層66Rの成膜と同様に、第3の成膜装置により緑色を発する発光層66Gを成膜し、さらに第4の成膜装置により青色を発する発光層66Bを成膜する。発光層66R、66G、66Bの成膜が完了した後、第5の成膜装置により表示領域61の全体に電子輸送層67を成膜する。電子輸送層67は、3色の発光層66R、66G、66Bに共通の層として形成される。
電子輸送層67までが形成された基板をスパッタリング装置に移動し、第2電極68を成膜し、その後プラズマCVD装置に移動して保護層70を成膜して、有機EL表示装置60が完成する。
絶縁層69がパターニングされた基板63を成膜装置に搬入してから保護層70の成膜が完了するまでは、水分や酸素を含む雰囲気にさらしてしまうと、有機EL材料からなる発光層が水分や酸素によって劣化してしまうおそれがある。従って、本例において、成膜装置間の基板の搬入搬出は、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気の下で行われる。
このようにして得られた有機EL表示装置は、発光素子ごとに発光層が精度よく形成される。従って、上記製造方法を用いれば、発光層の位置ずれに起因する有機EL表示装置の不良の発生を抑制することができる。
(電子デバイス製造装置)
図9に、電子デバイス製造装置の一例示す。図9に示すように、複数の成膜装置111〜114と、搬送室110と、を有する。搬送室110内には、基板5を保持し搬送する搬送ロボット119が設けられている。搬送ロボット119は、例えば、多関節アームに、基板を保持するロボットハンドが取り付けられた構造をもつロボットであり、各成膜室への基板5の搬入/搬出を行う。製造装置は、成膜装置を4つ以上有していても良いし、他の処理を行う処理室がさらに連結されていても良い。各成膜装置として、本発明にかかる成膜装置を好適に用いることができる。成膜源の一連の動作は、不図示の制御部によって制御されるが、制御部は成膜装置ごとに設けてもよいし、1つの制御部が複数の成膜装置を制御してもよい。
搬送ロボット119との基板5の受け渡し、基板5とマスクの相対位置の調整(アライメント)、マスク上への基板5の固定、成膜などの一連の成膜プロセスは、不図示の制御部によって自動で行うことができる。各成膜装置は、成膜源の違いやマスクの違いなど細かい点で相違する部分はあるものの、基本的な構成(特に基板の搬送やアライメントに関わる構成)はほぼ共通している。
電子デバイスとして前述した有機ELパネルを製造する場合、正孔輸送層までが形成された基板を搬送室110に搬入する。そして、成膜装置111〜115のそれぞれで、赤色を発する発光層、緑色を発する発光層、青色を発する発光層、電子輸送層を順次成膜するとよい。
以上説明したように、本発明にかかる受け爪26を有するアライメント装置1および成膜装置を用いれば、電子デバイスなどの製造する際、アライメント工程の途中に基板5が破断するのを抑制することができる。その結果、製品の収率が向上し、製造コストの削減を期待することができる。
5 基板
6 マスク
8 基板保持部
9 マスク保持部
10 Z昇降スライダ
11 回転並進機構
12 基板保持シャフト
13 Z昇降ベース
25 保持ベース
26 受け爪
27 クランプ
28 クランプユニット
32 クランプスライダ
34 駆動シャフト
36 電動シリンダ

Claims (17)

  1. 基板の第1の辺の側の部分が載置される第1受け部と、前記第1受け部に対向して前記基板を押圧する第1クランプ部とによって、前記基板をクランプする第1クランプユニットと、
    前記基板の前記第1の辺と対向する第2の辺の側の部分が載置される第2受け部と、前記第2受け部に対向して前記基板を押圧する第2クランプ部とによって、前記基板をクランプする第2クランプユニットと、を備え、
    前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記基板との間の摩擦係数が、前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部と前記基板との間の摩擦係数よりも小さく、
    前記第1クランプユニットと前記基板との間に生じる摩擦力が、前記第2クランプユニットと前記基板との間に生じる摩擦力よりも小さいこと
    を特徴とするアライメント装置。
  2. 前記第1クランプユニットは複数の前記第1クランプ部を、前記第2クランプユニットは複数の前記第2クランプ部を、それぞれ有しており、
    前記複数の第1クランプ部が前記基板に接する部分の面積が、前記複数の第2クランプ部が前記基板に接する部分の面積よりも小さいこと
    を特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
  3. 前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部の前記基板と接する部分が半球形状を有しており、
    前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部の前記基板と接する部分が平面である形状を有していること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のアライメント装置。
  4. 前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部とは同じ形状を有していること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  5. 前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部の前記基板と接する部分は、フッ素樹脂を含む材料が配置されていること
    を特徴とする請求項4に記載のアライメント装置。
  6. 前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部とは、それぞれ、前記基板を押圧する力を調整する押圧力調整部を含むこと
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  7. 前記第1クランプユニットと前記第2クランプユニットとを有する基板保持部と、
    マスクを載置するマスク保持部と、
    前記第1及び第2受け部に載置された前記基板の位置と前記マスク保持部に載置された前記マスクの位置とを計測する計測手段と、
    前記計測手段によって計測された前記基板の位置と前記マスクの位置とに基づいて、前記基板保持部と前記マスク保持部との相対位置を制御する制御部と、を有すること
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  8. 前記基板が、前記第1の辺を第1の長辺とし、前記第2の辺を第2の長辺とする矩形の基板であって、
    前記第1クランプユニットが、前記第1の長辺に沿って配設され、
    前記第2クランプユニットが、前記第2の長辺に沿って配設されていること
    を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアライメント装置。
  9. 成膜チャンバと、
    前記成膜チャンバの内部に配置された、基板を保持する基板保持部およびマスクを保持するマスク保持部を備えるアライメント装置と、
    を有する成膜装置であって、
    前記基板保持部が、
    基板の第1の辺の側の部分が載置される第1受け部と、前記第1受け部に対向して前記基板を押圧する第1クランプ部とによって、前記基板をクランプする第1クランプユニットと、
    前記基板の前記第1の辺と対向する第2の辺の側の部分が載置される第2受け部と、前記第2受け部に対向して前記基板を押圧する第2クランプ部とによって、前記基板をクランプする第2クランプユニットと、を備え、
    前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記基板との間の摩擦係数が、前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部と前記基板との間の摩擦係数よりも小さく、
    前記第1クランプユニットと前記基板との間に生じる摩擦力が、前記第2クランプユニットと前記基板との間に生じる摩擦力よりも小さいこと
    を特徴とする成膜装置。
  10. 前記第1クランプユニットは複数の前記第1クランプ部を、第2クランプユニットは複数の前記第2クランプ部を、それぞれ有しており、
    前記第1クランプユニットに含まれる前記複数の第1クランプ部が前記基板に接する部分の面積が、前記第2クランプユニットに含まれる前記複数の第2クランプ部が前記基板に接する部分の面積よりも小さいこと
    を特徴とする請求項9に記載の成膜装置。
  11. 前記第1クランプ部の前記基板に接する部分が半球形状を有しており、
    前記第2クランプ部の前記基板と接する部分が前記基板と平面で接する形状を有していること
    を特徴とする請求項9または10に記載の成膜装置。
  12. 前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部とは同じ形状を有していること
    を特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の成膜装置。
  13. 前記第1クランプユニットに含まれる前記第1クランプ部と前記第2クランプユニットに含まれる前記第2クランプ部とは、それぞれ、前記基板を押圧する力を調整する押圧力調整部を含むこと
    を特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の成膜装置。
  14. 前記基板保持部に載置された基板の位置と前記マスク保持部に載置されたマスクの位置とを計測する計測手段と、
    前記計測手段によって計測された前記基板の位置と前記マスクの位置とに基づいて、前記基板保持部と前記マスク保持部との相対位置を制御する制御部と、を有すること
    を特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の成膜装置。
  15. 前記基板保持部が前記第1および第2の辺をそれぞれ第1および第2の長辺とする矩形の基板を保持するものであって、
    前記第1クランプユニットが、前記矩形の基板の前記第1の長辺に沿って配設され、
    前記第2クランプユニットが、前記矩形の基板の前記第2の長辺に沿って配設されていること
    を特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載の成膜装置。
  16. 前記基板に成膜するための成膜源が前記チャンバの内部に設置されることを特徴とする請求項9から15のいずれか1項に記載の成膜装置。
  17. 前記成膜源が蒸着源であることを特徴とする請求項16に記載の成膜装置。
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