JP6960544B2 - 治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば動脈解離を含む動脈瘤等の治療の際に用いられる治療装置に関する。
近年、血管や生体内の他の管状器官に狭窄や閉塞が起こった場合や、血管に動脈解離(解離性の動脈瘤)等が生じた場合、または、動脈瘤等によって管状器官に拡張が生じた場合に、以下のような手法(ステント留置術)が用いられている。このステント留置術では、線材(素線)などからなるステントをその患部に留置することで、管状器官の管腔を拡張・保持したり、動脈瘤等の破裂を防止することを可能としている。特に、例えば血管における動脈解離等の治療の際には、そのようなステントを覆う筒状のグラフトが設けられた、ステントグラフトが用いられる。
ところで、最近では、胸部大動脈における動脈解離等の治療方法の1つとして、OSG(Open Stent Graft)法が提案されている。このOSG法では、開胸後に大動脈を切開し、その切開部からステントグラフトを挿入するとともに、そのステントグラフトの基端側と患者の血管とを縫合することで吻合し、更に必要に応じてこのステントグラフトとは別の人工血管をこの吻合部分と吻合するようになっている。
また、このようなOSG法を利用した手技では、例えば特許文献1に開示されているようなデリバリ用のカテーテルが用いられる。このカテーテルには、上記した切開部からステントグラフトを挿入する際に、縮径された状態のステントグラフトがマウント(保持)されるようになっている。
特開2012−65998号公報
ところで、このようなデリバリ用のカテーテル等の治療装置では一般に、治療の際の利便性を向上させることが求められている。治療の際の利便性を向上させることが可能な治療装置を提供することが望ましい。
本発明の一実施の形態に係る治療装置は、軸方向に沿って延在するシャフトを有するカテーテルと、筒状のグラフトとステントとを含んで構成されていると共に、上記軸方向に沿って、ステントがグラフトに配置されているステント配置領域と、ステントがグラフトに配置されていないステント非配置領域とを有するステントグラフトと、シャフトの先端領域において、上記ステント配置領域がシャフトの先端側に位置すると共に上記ステント非配置領域がシャフトの基端側に位置する向きで、ステントグラフトを縮径状態にて保持するためのカバーと、を備えたものである。このカバーは、筒状の外層部と、この外層部の内周側に位置すると共に、自身の内周側にステントグラフトが縮径状態で保持される内層部と、シャフトの先端側において外層部と内層部とを繋ぐ折り返し部と、内層部において相対的に径が小さい部分である小径部とを有している。内層部の径は、上記軸方向に沿って折り返し部から小径部へ向けて、徐々に減少していると共に、上記軸方向に沿って小径部からシャフトの基端側へ向けて、徐々に増加している。また、カバーの外層部における基端側を、シャフトの基端方向へと引っ張る操作である、引っ張り操作が行われることにより、縮径状態のステントグラフトが、カバー内から展開されて、拡径するようになっている。
本発明の一実施の形態に係る治療装置では、カバーの内層部に上記小径部が設けられているため、カバーにおける内層部と外層部との間の隙間が大きくなり、内層部と外層部との間の摩擦が生じにくくなる。したがって、カバーの外層部における基端側をシャフトの基端方向に引っ張る操作(上記引っ張り操作)が、容易となる。また、上記内層部の径が、上記軸方向に沿って上記折り返し部から上記小径部へ向けて、徐々に(テーパ状に)減少しているため、上記引っ張り操作によって、縮径状態のステントグラフトがカバー内から展開されて拡径する際に、例えば内層部の径が階段状に減少している場合等と比べ、以下のようになる。すなわち、内層部の径が連続的に減少することで、内層部と外層部との間に常に隙間が生じるようになることから、内層部と外層部との間の摩擦が更に生じにくくなり、上記引っ張り操作が、操作者にとって更に容易に行うことができるようになる。その結果、治療の際の利便性が更に向上することになる。
また、本発明の一実施の形態に係る治療装置では、上記カバーを、低伸縮性材料を用いて構成してもよい。このようにした場合、内層部と外層部との間の隙間をより確実に保つことができ、内層部と外層部との間の摩擦が更に生じにくくなるとともに、上記した引っ張り操作を行う際に、力が伝わり易くなる。その結果、治療の際の利便性が更に向上することになる。なお、そのような低伸縮性材料としては、例えば、上記ステントと比べて伸縮性の低い材料などが挙げられる。
更に、本発明の一実施の形態に係る治療装置では、上記シャフトの先端領域に拡径部を更に設けると共に、この拡径部の外径が、上記小径部の内径と比べて小さくなっているようにしてもよい。このようにした場合、例えば、ステントグラフトにおけるグラフトが、ステントと比べて基端側に延びている場合などに、拡径部と小径部との隙間を介して、このグラフトの基端側を拡径部よりも基端側に配置させることができるようになる。その結果、治療の際の利便性が更に向上することになる。
加えて、本発明の一実施の形態に係る治療装置では、上記小径部を、上記軸方向に沿って、上記ステント配置領域と上記ステント非配置領域との境界付近に設けるようにしてもよい。このようにした場合、上記引っ張り操作によって、縮径状態のステントグラフトがカバー内から展開されて拡径する際に、上記ステント配置領域を展開し終えるまでの期間で、内層部と外層部との間の隙間を保つことができるようになる。したがって、内層部と外層部との間の摩擦が更に生じにくくなり、上記した引っ張り操作が、操作者にとって更に容易に行うことができるようになる。その結果、治療の際の利便性が更に向上することになる。
本発明の一実施の形態に係る治療装置によれば、カバーの内層部に上記小径部を設けるようにしたので、カバーにおける内層部と外層部との間の摩擦が生じにくくなり、上記引っ張り操作を容易に行うことができる。よって、治療の際の利便性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る治療装置の概略構成例を表す模式図である。 図1に示したカバー内部の詳細構成例等を表す模式図である。 図2に示したステントグラフトの詳細構成例を表す模式斜視図である。 図2に示したカバーおよびステントグラフトの配置例等を拡大して表す模式図である。 図4に示したカバーの詳細構成例を表す模式図である。 図1に示した治療装置の使用方法の一例を表す模式図である。 図1に示したステントグラフトの留置方法の一例を表す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(カバーの内層部に小径部(くびれ部)が設けられた治療装置の例)
2.変形例
<1.実施の形態>
[概略構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る治療装置(治療装置4)の概略構成例を、模式的に側面図(Y−Z側面図)で表したものである。治療装置4は、例えばOSG法を利用した動脈解離等の治療の際に用いられる装置であり、この例では図1に示したように、カテーテル1(デリバリカテーテル)、ステントグラフト2およびカバー3を備えている。なお、このステントグラフト2は、詳細は後述するが、例えば上記した治療の際に、カテーテル1を用いて、治療対象の部位(例えば動脈等の血管内)に留置されるようになっている。
(カテーテル1)
カテーテル1は、患者における上記した治療対象の部位までステントグラフト2を運ぶ際に使用される医療機器である。このカテーテル1は、図1に示したように、デリバリシャフト11およびハンドル12(把持部,グリップ)を備えている。なお、デリバリシャフト11は、本発明における「シャフト」の一具体例に対応している。
デリバリシャフト11は、可撓性を有する管状構造(管状部材)からなり、自身の軸方向(長手方向)であるZ軸方向に沿って延在(延伸)する形状となっている。デリバリシャフト11は、図1に示したように、軸方向(Z軸方向)を先端側から基端側へと向かって、先端領域A1、中間領域A2および基端領域A3(ハンドル内領域)を、この順に有している。
このうちの先端領域A1では、上記した治療の際に、図1に示したように、後述するステントグラフト2が縮径された状態で、後述するカバー3の内部に保持されるようになっている。また、基端領域A3は、図1に示したように、ハンドル12内に収容された部分に対応している。中間領域A2は、図1に示したように、先端領域A1と基端領域A3との間に位置する領域である。
また、先端領域A1(後述する図2中に示した、ステント配置領域A41とステント非配置領域A42との境界付近)には、図1に示したように、拡径部114(フレア部)が設けられている。この拡径部114は、デリバリシャフト11の先端側(後述するステント配置領域A41側)に張り出した、漏斗状の形状を有している。このような拡径部114が設けられていることで、ステント21が基端側にずれて移動してしまうのを防止できるようになっている。
このようなデリバリシャフト11の軸方向に沿った長さ(全長)は、例えば300〜900mm程度であり、好ましくは400〜800mm程度、更に好ましくは450〜600mm程度であり、好適な一例を示せば、570mmである。また、先端領域A1の長さは、搭載されるステントグラフト2の長さに応じて適宜設定されるようになっており、例えば30〜300mm程度であり、好ましくは50〜250mm程度、更に好ましくは80〜200mm程度である。中間領域A2の長さは、例えば100〜600mm程度であり、好ましくは150〜550mm程度、更に好ましくは200〜500mm程度であり、好適な一例を示せば、240mmである。
また、先端領域A1の外径は、例えば1.0〜8.0mm程度であり、好ましくは1.5〜6.0mm程度、好適な一例を示せば、3.6mmである。中間領域A2の外径は、例えば2〜10mm程度であり、好ましくは3〜8mm程度、好適な一例を示せば、5.0mmである。上記した拡径部114の外径は、縮径状態のステントグラフト2の径に応じて適宜設定されるようになっており、例えば3〜15mm程度であり、好ましくは5〜10mm程度、好適な一例を示せば、9mmである。
ハンドル12は、図1に示したように、デリバリシャフト11の基端部分(基端領域A3)に装着されており、カテーテル1の使用時に操作者(医師)が掴む(握る)部分である。このハンドル12は、その軸方向(Z軸方向)に沿って延在する形状となっている。
ハンドル12の軸方向に沿った長さは、例えば50〜200mm程度であり、好ましくは60〜180mm程度、更に好ましくは80〜150mm程度であり、好適な一例を示せば、125mmである。また、ハンドル12の外径は、例えば3〜30mm程度であり、好ましくは5〜25mm程度、好適な一例を示せば、23mmである。なお、このようなハンドル12は、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)等の合成樹脂により構成されている。
図2は、図1に示したカバー3の内部の詳細構成例等を、模式的に側面図(Y−Z側面図)で表したものである。具体的には、図2(A)は、カバー3と、その内部のステントグラフト2およびデリバリシャフト11の先端領域A1等との詳細構成例を、模式的に側面図で示している。図2(B)は、図2(A)中に示した構成例において、ステントグラフト2を拡張させる際の動作態様例を、模式的に側面図で表したものである。また、図3は、図2に示したステントグラフト2の詳細構成例を、模式的に斜視図で表したものである。
(ステントグラフト2)
ステントグラフト2は、図2(A),図2(B)および図3に示したように、その軸方向(Z軸方向)に沿って延在する筒状(円筒状)構造を有しており、ステント21およびグラフト22を含んで構成されている。また、このステントグラフト2は、縮径状態で保持されることが可能な、自己拡張型の構造を有している。なお、ステントグラフト2の軸方向に沿った長さは、例えば2〜30cm程度である。また、ステントグラフト2の拡張時の外径は、例えば6〜46mm程度である。
ステント21は、例えば図3に示したように、1または複数の線材W(素線)を用いて構成されており、この例では筒状(円筒状)構造を有している。具体的には、例えばこの筒状構造が網目状構造により構成されていると共に、このような筒状の網目状構造が、線材Wを所定のパターンで編み組むことにより形成されている。なお、この編み組みのパターンとしては、例えば、平織り、メリヤス編み等が挙げられる。また、線材Wをジグザグ状に折り曲げて筒状に加工したものを1つ以上配置することで、筒状の網目状構造を形成するようにしてもよい。
なお、線材Wの材料としては、金属線材が好ましく、特に熱処理による形状記憶効果や超弾性が付与される、形状記憶合金が好ましく採用される。ただし、用途によっては、線材Wの材料として、ステンレス、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)等を用いてもよい。上記した形状記憶合金としては、例えば、ニッケル(Ni)−Ti合金、銅(Cu)−亜鉛(Zn)−X(X=アルミニウム(Al),鉄(Fe)等)合金、Ni−Ti−X(X=Fe,Cu,バナジウム(V),コバルト(Co)等)合金などが好ましく使用される。なお、このような線材Wとして、例えば合成樹脂などを用いるようにしてもよい。また、金属線材の表面にAu,Ptなどをメッキ等の手段で被覆したもの、あるいは、Au,Ptなどの放射線不透過性の素材からなる芯材を合金で覆った複合的な線材を、線材Wとして用いるようにしてもよい。
一方、グラフト22は、例えば図3に示したように筒状(円筒状)の形状を有しており、ステント21の少なくとも一部分を覆う(被覆する)ように配置されている。具体的には、例えば、グラフト22がステント21(線材W)の内周側もしくは外周側を覆うように配置されていたり、あるいは、グラフト22がステント21(線材W)の外周側および内周側の双方を覆うように配置されている。また、この例では図2(A)および図3に示したように、ステントグラフト2ではその軸方向(Z軸方向)に沿って、ステント配置領域A41およびステント非配置領域A42が設けられている。ステント配置領域A41は、ステント21がグラフト22に配置されている(ステント21およびグラフト22の双方が存在する)領域である。一方、ステント非配置領域A42は、ステント21がグラフト22に配置されていない(グラフト22のみが存在する)領域である。
このようなグラフト22は、例えば縫着や接着、溶着等の手段によって、ステント21に連結されている。なお、このようなグラフト22とステント21との連結部は、例えば、ステント21の両端部や中間部などに適宜設けられている。
このようなグラフト22としては、例えば、熱可塑性樹脂を押出し成形やブロー成形などの成形方法で筒状に形成したもの、筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維や極細な金属線からなる編織物、筒状に形成した熱可塑性樹脂や極細な金属からなる不織布、筒状に形成した可撓性樹脂のシートや多孔質シート、樹脂をエレクトロスピニング法によって肉薄の筒状に形成した構造体、などを用いることができる。
ここで、上記した編織物としては、平織り、綾織り、メリヤス編みなどの公知の編物や織物を用いることができる。また、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。なお、これらのうち、特に筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、更には筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織りの織物が、強度や有孔度、生産性が優れるため、好ましいと言える。
また、上記した熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂等、耐久性および組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。なお、これらのうち、特に、化学的に安定で耐久性が大きく、かつ組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
(カバー3)
カバー3は、前述したように、デリバリシャフト11の先端領域A1において、ステントグラフト2のうちの少なくともステント21が配置された部分(少なくともステント配置領域A41)を、縮径状態で保持するための部材である。具体的には、この例では図2(A)に示したように、前述したステント配置領域A41がデリバリシャフト11の先端側に位置すると共に前述したステント非配置領域A42がデリバリシャフト11の基端側に位置する向きで、ステントグラフト2がカバー3内に保持されるようになっている。なお、このカバー3の外径は、例えば5.0〜20.0mm程度であり、好ましくは7.5〜15.0mm程度、好適な一例を示せば、10.0mmである。
このようなカバー3は、この例では軟質カバーにより構成されている。縮径状態のステントグラフト2を軟質カバーで覆うことにより、このステントグラフト2を確実に保持することができるようになっている。また、カバー3が軟質であることにより、硬質の筒状体(シース)などと比較して、デリバリシャフト11における先端領域A1の形状変化に、カバー3が容易に追従することが可能となっている。
また、図2(A),図2(B)に示したように、この例ではカバー3は、内層部31および外層部32を有する2層構造(2重構造)を有している。つまり、カバー3は、筒状の外層部32と、この外層部32の内周側に位置する内層部31とを有している。また、このカバー3には、これらの外層部32と内層部31とをデリバリシャフト11の先端側にて繋ぐ(連結する)部分である、折り返し部33が設けられている。具体的には、このカバー3は、筒状のチューブ材料を内側に折り返すことによって形成されており、折り返された部分が内層部31に対応している。また、図2(A)に示したように、内層部31の内周側にて縮径状態で保持されているステントグラフト2は、その先端部がカバー3の折り返し部33側に位置しており、この折り返し部33と内層部31の基端部との間に、ステントグラフト2が配置されるようになっている。
このような構成により、例えば図2(B)に示したようにして、ステントグラフト2を拡張させる際の動作が行われるようになっている。すなわち、まず、カテーテル1の操作者によって、外層部32における基端部が、デリバリシャフト11の基端方向(折り返し部33とは反対方向)に引っ張られる(矢印P1参照)。すると、ステントグラフト2の外周から内層部31がめくれるようにして、ステントグラフト2から取り去られる(矢印P2参照)。その結果、このステントグラフト2は、ステント21の自己拡張力により、その先端側より次第に拡張(展開)するようになっている(矢印P3参照)。なお、本実施の形態では、上記した引っ張り操作を行う際にカバー3を引き抜く力は、内層部31の外面と外層部32の内面との間の摩擦抵抗の影響は受けるが、縮径状態のステントグラフト2の拡張力の影響は受けない。したがって、ステントグラフト2の拡張力が強い場合であっても、そのステントグラフト2を確実に展開することが可能となっている。
なお、このようなステントグラフト2を拡張させる際の動作(治療の際のステントグラフト2の留置方法)の詳細については、後述する(図6,図7)。
ここで、図4および図5を参照して、このようなカバー3の詳細構成例等について説明する。
図4(A),図4(B)は、図2に示したカバー3およびステントグラフト2の配置例等を、拡大して模式的に表したものである。また、図5(A),図5(B)は、図4に示したカバー3の詳細構成例を、模式的に表したものである。
図2(A),図4(A)等に示したように、本実施の形態のカバー3における内層部31には、この内層部31において相対的に径が小さい部分(内径Rs)である、小径部31S(くびれ部)が設けられている。この小径部31Sは、図2(A),図4(A)に示した例では、内層部31の軸方向(Z軸方向)に沿って、ステントグラフト2におけるステント21の基端付近(ステント配置領域A41とステント非配置領域A42との境界付近)に設けられている。
ここで、内層部31の径は、図2(A),図4(A)に示したように、内層部31の軸方向(Z軸方向)に沿って折り返し部33から小径部31Sへ向けて、徐々に(テーパ状に)減少している。また、内層部31の軸方向(Z軸方向)に沿って、内層部31の基端から小径部31Sへ向けても同様に、内層部31の径が、徐々に(テーパ状に)減少している(図2(A),図4(A)参照)。
また、図2(A),図4(A)に示したように、このような小径部31Sの内径Rsは、デリバリシャフト11における前述した拡径部114の外径Reと比べ、大きくなっている(Rs>Re)。逆に言うと、拡径部114の外径Reは、小径部31Sの内径Rsと比べて小さくなっている。
ここで、このような小径部31Sが内層部31に設けられたカバー3では、例えば図5(A),図5(B)に示したようにして、前述した2層構造(2重構造)が形成されるようになっている。すなわち、まず、例えば図5(A)に示した構造(Z軸方向に沿って中央部よりも先端側の領域に小径部31Sが配置された構造)のカバー3を、用意する。次いで、例えば図5(B)中の矢印P0で示したように、このようなカバー3における先端側の部分を、折り返し部33において基端側に折り返す。具体的には、外層部32となる基端側のカバー3の内周側に、内層部31となる先端側の部分(折り返した部分)を挿入させるようにして、この先端側の部分を折り返す。このようにして、図5(B)に示したように、上記した小径部31Sを含んだ2層構造のカバー3が形成される。
なお、このようなカバー3における各部分のサイズは、一例として、以下のような数値範囲のものが挙げられる(図5(A),図5(B)参照)。
・内層部31の外径R31(外層部32の内径に相当) … 10mm〜18mm程度
・外層部32の外径R32(>R31) … 16mm〜18mm程度
・小径部31Sの内径Rs … 10mm〜15mm程度
・図5(A)中のカバー3の先端から小径部31Sまでの長さ … 80±3mm程度
・図5(A)中のカバー3の基端から小径部31Sまでの長さ … 340±2mm程度
・図5(A)中のカバー3の先端から基端までの長さ(全長) … 420±5mm程度
また、このようなカバー3(前述した軟質カバー)は、例えば、低伸縮性材料を用いて構成されている。なお、そのような低伸縮性材料としては、例えば、上記ステントと比べて伸縮性の低い材料などが挙げられる。具体的には、そのような低伸縮性材料としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂等、ポリエーテルエーテルケトンや液晶ポリマー等の引張強度の高い樹脂、耐久性および組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。なお、これらのうち、特に、化学的に安定で耐久性が大きく、かつ組織反応の少ない材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂、ナイロンなどのポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等が挙げられる。
[作用・効果]
(A.基本動作)
この治療装置4は、例えば動脈解離を含む動脈瘤等の治療の際に用いられる。具体的には、操作者がカテーテル1を操作することで、患者における治療対象の部位(例えば動脈等の血管内)まで縮径された状態のステントグラフト2が運ばれ、拡張された後に留置される。このようにして治療対象の部位にステントグラフト2が留置されることで、血管内壁の裂け目への血流を抑えつつ、血管管腔を拡張および保持することが可能となる。また、特にこのステントグラフト2は、例えば、胸部大動脈における動脈解離等の治療方法の1つである、OSG法を利用した治療の際に用いられる。
ここで、図6および図7を参照して、このOSG法を利用した動脈解離(動脈瘤)等の治療方法の概要について説明する。
図6は、この治療時における、治療装置4の使用方法の一例を模式図で表したものである。また、図7(図7(A)〜図7(D))は、この治療時におけるステントグラフト2の留置方法の一例を、模式図で表したものである。なお、ここでは、治療対象の血管である動脈9(胸部大動脈)が、下行大動脈である場合を例に挙げて説明する。また、これらの図6および図7において、治療対象の動脈9における動脈瘤を、動脈瘤90として示している。
まず、例えば図6に示したように、このOSG法では、患者の開胸後に、図1〜図5に示した構成の治療装置4を使用して、動脈9の一部を切開してなる開口hから、縮径された状態のステントグラフト2を挿入させる(矢印P4参照)。具体的には、カテーテル1におけるデリバリシャフト11の先端側(カバー3側)から、ステントグラフト2が挿入される。このとき、例えば図1および図2に示したように、カテーテル1におけるデリバリシャフト11の先端領域A1には、ステントグラフト2が縮径された状態で、カバー3の内部に保持されている。
ここで、治療対象の動脈9が例えば動脈解離状態である場合、その動脈9内には、本来の血流路である動脈内腔(真腔)と、血管内壁が裂けることによって生じた新たな内腔(偽腔)とが存在することになる。このような場合、カテーテル1が偽腔内に誤挿入されるおそれを回避するため、カテーテル1を所定のガイドワイヤに沿わせて挿入する。つまり、カテーテル1における細孔(例えば後述するルーメンL)内に、そのようなガイドワイヤを挿通させながら、カテーテル1を挿入する。
具体的には、まず、患者の足の付け根(鼠蹊部)から動脈9内へガイドワイヤを挿入させ、この動脈9内を通って開口hから外部へと引き出すようにする。ここで、このガイドワイヤは末梢側から動脈9内へ挿入されることから、このガイドワイヤは誤って偽腔内に挿入されることなく、確実に真腔内へと挿入される。なお、このようなガイドワイヤの長さは、例えば約50〜450cm程度であり、その外径は、例えば約0.2〜1.0mm程度である。
続いて、開口hを入口としてガイドワイヤに沿わせるように、カテーテル1を動脈9内に挿入させる(矢印P4参照)。前述したように、ガイドワイヤは確実に真腔内へ挿入されていることから、このガイドワイヤに沿わせるようにしてカテーテル1を動脈9内へ挿入させることで、このカテーテル1もまた、確実に真腔内へ挿入されることになる。すなわち、動脈解離状態の場合であっても、カテーテル1が偽腔に挿入されてしまうおそれが回避される。
次いで、例えば図7(A)に示したように、この治療装置4を使用して、動脈9における治療対象の部位(動脈瘤90の形成箇所付近)を超えた部位まで、ステントグラフト2を到達させる(矢印P4参照)。
続いて、例えば図7(B)および図7(C)に示したように、ステント21の自己拡張力を利用することで、このステントグラフト2を拡径(展開)させる動作がなされる。具体的には、まず、カテーテル1の操作者によって、カバー3の外層部32における基端部が、デリバリシャフト11の基端方向に引っ張られる(矢印P1参照)。すると、ステントグラフト2の外周から内層部31がめくれるようにして、ステントグラフト2から取り去られる(前述した図2(B),図4(B)の矢印P2参照)。その結果、このステントグラフト2が、ステント21の自己拡張力により、その先端側より次第に拡張する(矢印P3参照)。
これにより、例えば図7(D)に示したように、ステントグラフト2が動脈9の内壁に固定される。その結果、動脈瘤90の形成箇所付近における動脈9の管腔が、拡張および保持されることになる。その後、このステントグラフト2の基端側と動脈9(患者の血管)とを縫合することで吻合する。なお、更に必要に応じて、このステントグラフト2とは別の人工血管を、この吻合部分と吻合するようにしてもよい。
このようにして、動脈瘤90の内周がステントグラフト2によって覆われることで、血流はステントグラフト2内を通るようになり、瘤内への血液の流入が遮断される結果、動脈瘤90に血圧等が作用しなくなる。したがって、動脈瘤90における瘤径の拡大および血管の破裂を予防することができる。
また、特にこのOSG法を利用した治療方法では、患者の足の付け根(鼠蹊部)からカテーテルを挿入してステントグラフトを治療対象部位まで運ぶ治療方法(従来の治療方法)と比較して、以下の利点が得られる。すなわち、この従来の治療方法では処置が極めて困難な、重要な分枝が存在する部位(例えば弓部大動脈)の処置ができる、という利点が得られる。また、病変部位を切除して人工血管によって置換すると共にその両端を吻合する方法と比較すると、下行大動脈縫合(末梢側吻合)が、ステントグラフト2による固定によって代用されることになる。つまり、このOSG法では、ステントグラフト2の先端側と下行大動脈との間の吻合が省略されることから、吻合作業が簡略化される。したがって、手術時間(体外循環時間)を短縮化することができると共に、更に下行大動脈の縫合に必要な左開胸または大きな胸部切開が回避されるため、患者への手術侵襲が軽減される(治療の際の患者への負担が軽減される)。更に、このOSG法では、人工血管の移植範囲を広範囲に設定でき、付近の合併症の外科処置も可能となるという利点もある。加えて、OSG法に適用するステントグラフトは、上記した従来の治療方法のように鼠蹊部から導入するわけではないため、細い血管を通過させる必要がなく、縮径させた状態でもある程度なら外径が大きくても(太くても)よいことになる。
(B.カバー3における作用・効果)
本実施の形態の治療装置4では、例えば図2(A),図2(B),図4(A),図4(B),図5(A),図5(B)に示したように、カバー3が以下のように構成されている。すなわち、このカバー3における内層部31に、相対的に径が小さい部分である小径部31Sが設けられている。このため、カバー3における内層部31と外層部32との間の隙間(空間)が大きくなることから(図4(A),図4(B)中の符号G参照)、内層部31と外層部32との間の摩擦(内層部31の外面と外層部32の内面との間の摩擦)が、生じにくくなる。
これにより本実施の形態では、少なくともステント21が配置された部分(ステント配置領域A41)が縮径状態であるステントグラフト2が、先端領域A1に保持されたカテーテル1を用いて、例えば、動脈9等における患部に対してこのステントグラフト2を留置する治療の際に、以下のようになる。すなわち、そのような治療の際に、カバー3の外層部32における基端側をデリバリシャフト11の基端方向に引っ張る操作(引っ張り操作)が、操作者にとって容易に行うことができるようになる。よって、本実施の形態では、そのようなカバー3を備えた治療装置4を用いて治療を行うことで、治療の際の利便性を向上させることが可能となる。
なお、これに対して、カバー3における内層部31に、本実施の形態のような小径部31Sが設けられていない場合(比較例)には、以下のようになる。すなわち、この比較例では、カバー3における内層部31の外径と外層部32の内径とが等しいため、内層部31と外層部32との間に隙間(空間)が生じないことから、本実施の形態と比べ、上記した内層部31と外層部32との間の摩擦が、生じ易くなる。その結果、この比較例では、上記した引っ張り操作が、操作者にとって行いにくくなるため、治療の際の利便性が損なわれてしまうことになる。
また、本実施の形態では、カバー3における内層部31の径が、デリバリシャフト11の軸方向(Z軸方向)に沿って折り返し部33から小径部31Sへ向けて、徐々に(テーパ状に)減少している。これにより本実施の形態では、上記した引っ張り操作によって、縮径状態のステントグラフト2がカバー3内から展開されて拡径する際に、例えば内層部31の径が階段状に減少している場合等と比べ、以下のようになる。すなわち、内層部31の径が連続的に減少することで、内層部31と外層部32との間に常に隙間が生じるようになることから、内層部31と外層部32との間の摩擦が更に生じにくくなり、上記した引っ張り操作が、操作者にとって更に容易に行うことができるようになる。その結果、本実施の形態では、治療の際の利便性を更に向上させることが可能となる。
更に、本実施の形態では、カバー3を前述した低伸縮性材料を用いて構成するようにしたので、内層部31と外層部32との間の隙間をより確実に保つことができ、内層部31と外層部32との間の摩擦が更に生じにくくなるとともに、上記した引っ張り操作を行う際に、力が伝わり易くなる。その結果、本実施の形態では、治療の際の利便性を、より一層向上させることが可能となる。
加えて、本実施の形態では、デリバリシャフト11の先端領域A1に拡径部114を設けると共に、この拡径部114の外径Reが、小径部31Sの内径Rsと比べて小さくなっている(Re<Rs:図4(A)参照)。これにより本実施の形態では、例えば、ステントグラフト2におけるグラフト22が、ステント21と比べて基端側に延びている場合(図3参照)などに、拡径部114と小径部31Sとの隙間を介して、このグラフト22の基端側を、拡径部114よりも基端側に配置させることができるようになる。その結果、本実施の形態では、治療の際の利便性を更に向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、内層部31の軸方向(Z軸方向)に沿ってステント21の基端付近に、そのような小径部31Sを設けるようにしたので、以下のようになる。すなわち、上記した引っ張り操作によって、縮径状態のステントグラフト2がカバー3内から展開されて拡径する際に、ステント21が配置された部分(ステント配置領域A41)を展開し終えるまでの期間で、内層部31と外層部32との間の隙間を保つことができるようになる。したがって、内層部31と外層部32との間の摩擦が更に生じにくくなり、上記した引っ張り操作が、操作者にとって更に容易に行うことができるようになる。その結果、本実施の形態では、治療の際の利便性を、より一層向上させることが可能となる。
なお、上記したように、ステント21の基端付近に小径部31Sを設けた場合に、内層部31と外層部32との間の摩擦が更に生じにくくなる理由は、詳細に説明すると、以下のようになる。
上記した引っ張り操作を行っていくと、内層部31がめくれて外層部32となるため、内層部31の外径が外層部32の内径になる。
ここで、本実施の形態では上記したように、ステント21の基端付近に小径部31Sが設けられているため、内層部31の外径が、以下のようになる。すなわち、ステント21が配置されている領域(ステント配置領域A41)において、内層部31における基端側の外径が、内層部31における先端側の外径よりも、小さくなる。
上記した引っ張り操作により、このようなカバー3がめくれていくと、めくられた外層部32の内径と比べ、その内層に位置する内層部31の外径が、小さくなる。
したがって、ステント配置領域A41を覆うカバー3をめくるときには、内層部31と外層部32との間に、隙間が生じる。
その結果、内層部31と外層部32との間の摩擦が、更に生じにくくなる。
<2.変形例>
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態において説明した各部材の形状や配置位置、サイズ、個数、材料等は限定されるものではなく、他の形状や配置位置、サイズ、個数、材料等としてもよい。具体的には、例えば場合によっては、デリバリシャフトにおけるステント配置領域とステント非配置領域との境界付近に、拡径部を設けないようにしてもよい。また、上記実施の形態では、カバー3における内層部31と外層部32とが、折り返し部33を介して互いに一体化されている場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、例えば、カバーにおける内層部と外層部とが互いに別体になっていると共に、別体である折り返し部(連結部)によって内層部と外層部とが繋がれている(連結されている)ようにしてもよい。
また、カバーの内層部における小径部等の形状や配置位置、サイズ、個数、材料等についても、上記実施の形態で説明したものには限られず、他の形状や配置位置、サイズ、個数、材料等としてもよい。具体的には、例えば内層部の径が、折り返し部から小径部へ向けて、(テーパ状ではなく、)階段状に減少しているようにしてもよい。なお、例えば、内層部の径が、基端から小径部に至る部分において、変化していないようにしてもよい。また、カバーを構成する材料が、(例えばステント等と比べて)低伸縮性を有しない材料であってもよい。更に、デリバリシャフトにおける拡径部の外径が、カバーの内層部における小径部の内径と、同程度以上となっていてもよい。加えて、カバーの内層部における小径部を、内層部におけるステントの基端付近以外の領域に、設けるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、ステントグラフトにおいて、カバー内で先端側に配置されるステント配置領域と、カバー内で基端側に配置されるステント非配置領域とが、それぞれ1つずつ設けられている場合の例について説明したが、この例には限られない。すなわち、例えば、ステントグラフトにおける上記ステント配置領域の先端側に、他のステント非配置領域が更に設けられているようにしてもよい。換言すると、ステントグラフトにおいて、上記ステント非配置領域と上記他のステント非配置領域との間に、上記ステント配置領域が挟まれて配置されているようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、主に、下行大動脈についての治療に適用される治療装置(カテーテルおよびステントグラフト等)を例に挙げて説明したが、これには限られない。すなわち、本発明の治療装置は、下行大動脈以外の他の動脈(例えば、上行大動脈や弓部大動脈、胸腹部大動脈、腹部大動脈、腸骨動脈、大腿動脈など)等の血管についての治療にも適用することが可能である。

Claims (4)

  1. 軸方向に沿って延在するシャフトを有するカテーテルと、
    筒状のグラフトとステントとを含んで構成されていると共に、前記軸方向に沿って、前記ステントが前記グラフトに配置されているステント配置領域と、前記ステントが前記グラフトに配置されていないステント非配置領域と、を有するステントグラフトと、
    前記シャフトの先端領域において、前記ステント配置領域が前記シャフトの先端側に位置すると共に前記ステント非配置領域が前記シャフトの基端側に位置する向きで、前記ステントグラフトを縮径状態にて保持するためのカバーと
    を備え、
    前記カバーは、
    筒状の外層部と、
    前記外層部の内周側に位置すると共に、自身の内周側に前記ステントグラフトが前記縮径状態で保持される内層部と、
    前記シャフトの先端側において、前記外層部と前記内層部とを繋ぐ折り返し部と、
    前記内層部において相対的に径が小さい部分である小径部と
    を有しており、
    前記内層部の径が、前記軸方向に沿って前記折り返し部から前記小径部へ向けて、徐々に減少していると共に、前記軸方向に沿って前記小径部から前記シャフトの基端側へ向けて、徐々に増加しており、
    前記カバーの前記外層部における基端側を、前記シャフトの基端方向へと引っ張る操作である、引っ張り操作が行われることにより、前記縮径状態の前記ステントグラフトが、前記カバー内から展開されて、拡径するようになっている
    治療装置。
  2. 前記カバーが、低伸縮性材料を用いて構成されている
    請求項に記載の治療装置。
  3. 前記シャフトの前記先端領域に、拡径部が更に設けられており、
    前記拡径部の外径が、前記小径部の内径と比べて小さくなっている
    請求項1または請求項2に記載の治療装置。
  4. 前記小径部が、前記軸方向に沿って、前記ステント配置領域と前記ステント非配置領域との境界付近に設けられている
    請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の治療装置。
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