JP6960069B1 - 情報処理装置、及び情報処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放送枠の有用性におけるより妥当な評価指標を算出する情報処理装置及び情報処理方法を提供する。【解決手段】情報処理装置10において、広告枠情報取得部31は、サーバ14より放送局及び放送日時により特定される広告枠を取得する。第1調査情報取得部32は、複数のモニタ側機器18より、対象枠と放送局及び放送日時が一致する放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報を取得する。第2調査情報取得部33は、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報を取得する。指標算出部26は、取得した第1情報及び第2情報に基づき、指定された心理学的属性に該当する上記放送内容への接触者数を推定し、推定された接触者数と、対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、対象枠に関する評価指標を算出する。【選択図】図6

Description

本発明は、情報処理装置、及び情報処理方法に係り、特に、放送局及び放送日時によって特定される放送枠に関する評価指標を算出する情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
放送局及び放送日時によって特定される放送枠は、取引の対象とされ、放送枠の取得者(購入者)は、その放送枠を利用して広告等を放送する。放送枠の取引において、放送枠の価値に関する情報は、取引の当事者にとって重要である。具体的には、放送枠の取得(購入)を検討するにあたり、訴求力の高い広告等を放送する上で取得対象の放送枠がどの程度有用であるかを示す指標等が求められる。
放送枠の評価指標としては、例えば、その放送枠にて放送される広告や番組の予想視聴率等が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。また、放送枠の有用性を評価する際には、当該放送枠にて放送される広告や番組がどの視聴者をターゲット(訴求対象)にするものであるかが重要になるため、視聴率等の評価指標を視聴者のカテゴリ(ターゲット層)別に算出する場合がある。
特開2019−4370号公報
カテゴリ別の評価指標を算出する場合、これまでは、性別及び年齢等の人口統計学的属性に基づいてターゲットを設定し、そのターゲットを対象とする評価指標を算出することが一般的であった。一方で、性別及び年齢等よりも適切な切り口にてターゲットを設定し、そのターゲットについての評価指標を算出することにより、放送枠の有用性に関してより妥当な評価結果が得られると期待される。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、放送枠の有用性に関する評価指標として、より妥当な指標を算出することが可能な情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理装置であって、(A)複数のモニタについて、対象枠と放送局及び放送日時が一致する放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得する情報取得部と、(B)第1情報及び第2情報に基づき、指定された心理学的属性に該当する放送内容への接触者数を推定する推定部と、(C)推定された接触者数と、対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、対象枠に関する評価指標を算出する指標算出部と、を有することを特徴とする。
本発明の情報処理装置によれば、指定された心理学的属性に該当し、且つ、対象枠と放送局及び放送日時が一致する放送枠にて放送される放送内容に接触した人数(接触者数)を推定する。また、推定された接触者数と、対象枠の経済価値とに基づいて、対象枠に関する評価指標を算出する。このような手順によって算出される評価指標は、ヒト(モニタ)の心理学的属性を反映したものとなる。したがって、上記の評価指標を用いることで、例えば、特定の行動パターン、慣習又は嗜好等を有するヒトに対する対象枠(詳しくは、対象枠にて放送される広告又は番組等)の訴求力を適切に評価することができる。
また、推定部は、第1情報及び第2情報に基づき、指定された心理学的属性の該当者数と、該当者数に対する放送内容への接触者数の割合とを求め、該当者数及び割合から接触者数を推定してもよい。
以上の構成によれば、接触者数について、より妥当な推定結果が得られる。
また、第1情報が取得されるモニタと第2情報が取得されるモニタとが互いに一致してもよい。あるいは、第1情報が取得されるモニタと第2情報が取得されるモニタとが重複してもよい。
以上の構成であれば、第1情報の取得元及び第2情報の取得元が互いに一致又は重複しているため、第1情報及び第2情報に基づいて接触者数を推定することが、より容易になる。
また、推定部は、人口統計学的属性に基づいてモニタを分類した際の複数のカテゴリの各々について該当者数及び割合を求め、該当者数と割合との積をカテゴリ毎に算出し、カテゴリ毎に算出した積を集計して接触者数を推定してもよい。
以上の構成であれば、複数のモニタにおける属性(人口統計学的属性)の偏りを踏まえて、接触者数をより適切に推定することができる。
また、情報取得部は、複数のモニタについて、第1情報と、第2情報と、モニタの人口統計学的属性に関する第3情報とを取得し、推定部は、第1情報、第2情報及び第3情報に基づき、複数のカテゴリの各々について該当者数及び上記の割合を求めてもよい。
以上の構成によれば、複数のモニタについて人口統計学的属性に関する情報をさらに取得することにより、該当者数及び割合をカテゴリ別に求める処理がより適切に実施されるようになる。
また、推定部が接触者数を推定するモードは、第1モード及び第2モードの間で切り替え可能であってもよい。この場合、第1モードでは、予め設定された条件の下で選出された複数のモニタについて取得された第1情報及び第2情報に基づき、該当者数及び割合をカテゴリ毎に求め、積をカテゴリ毎に算出し、カテゴリ毎に算出した積を集計して接触者数を推定するとよい。また、第2モードでは、統計学的手法により母集団から無作為に選出された複数のモニタについて取得された第1情報及び第2情報に基づき、母集団に対する該当者の比率、及び、上記の割合を求め、比率と割合と母集団の人数から接触者数を推定するとよい。
以上の構成であれば、モニタの選出方法の違いに応じて接触者数の推定方法(モード)を切り替えることにより、第1情報及び第2情報の各々の取得元を考慮して、接触者数をより適切に推定することができる。
また、推定部は、予め設定された信頼区間の上限に相当する接触者数、及び、信頼区間の下限に相当する接触者数を推定してもよい。
以上の構成であれば、接触者数の推定結果についての妥当性(信頼性)を向上させることができる。
また、上記の構成において、指標算出部は、第1情報及び第2情報の少なくとも一方に基づいて算出される判定値が所定の条件を満たす場合に限り、対象枠に関する評価指標を算出してもよい。
以上の構成によれば、第1情報及び第2情報の信憑性を反映した判定値を算出し、その判定値が妥当な値である場合に限り、対象枠の評価指標を算出する。これにより、評価指標の妥当性(信憑性)を担保することができる。
また、別の構成として、指標算出部により算出された評価指標を出力する出力部を有し、出力部は、第1情報及び第2情報の少なくとも一方に基づいて算出される判定値が所定の条件を満たす場合に限り、指標算出部により算出された評価指標を出力してもよい。
以上の構成によれば、判定値が妥当な値である場合に限り、評価指標の算出結果を表示するため、妥当性(信憑性)が担保された評価指標のみを出力することができる。
また、対象枠が将来利用される予定の放送枠である場合、情報取得部は、複数のモニタについて、対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された放送内容への接触の有無を示す第1情報を取得してもよい。この場合、推定部は、第1情報及び第2情報に基づき、指定された心理学的属性に該当し、且つ過去の放送枠にて放送された放送内容に接触した接触者数を推定し、指標算出部は、推定された接触者数と、対象枠の利用価格とに基づいて、対象枠に関する評価指標を算出するとよい。
以上の構成によれば、過去の放送枠にて放送された放送内容への接触の有無等に関する情報に用いて、将来利用される予定の放送枠について評価指標を算出することが可能になる。これにより、過去の実績を踏まえて、将来利用される放送枠の評価指標を算出することができる。
また、放送枠が広告枠であってもよく、この場合には、対象枠は、ユーザによって指定された放送局及び放送日時に該当する広告枠であってもよい。
本発明の情報処理装置によれば、ユーザによって指定された放送局及び放送日時に該当する広告枠について、評価指標を適切に算出することができる。
また、前述した課題を解決するために、本発明の情報処理方法は、コンピュータにより、放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理方法であって、(A)コンピュータが、複数のモニタについて、対象枠と放送局及び放送日時が一致する放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得し、(B)コンピュータが、第1情報及び第2情報に基づき、指定された心理学的属性に該当する放送内容への接触者数を推定し、(C)コンピュータが、推定された接触者数と、対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、対象枠に関する評価指標を算出することを特徴とする。
上記の方法によれば、対象枠の有用性に関する評価指標として、評価指標を適切に算出することができる。
本発明によれば、対象とする放送枠について、ヒト(モニタ)の心理学的属性を反映した評価指標を算出することができる。この評価指標を用いれば、例えば、特定の行動パターン、慣習又は嗜好等を有するヒトに対する対象枠の訴求力を適切に評価することができる。具体的には、対象枠にて広告を放送する場合に、特定の嗜好を有するターゲット層に対して、どれくらい効率よく当該広告を訴求させることができるかを評価することができるようになる。
放送枠についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置を用いたサービスについての説明図である。 複数のモニタについて取得される情報の第一例を示す図である。 複数のモニタについて取得される情報の第二例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステム全体を示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理装置の機能を示す図である。 本発明の一実施形態に係る情報処理方法の流れを示す図である。 接触者数の推定手順を示す図である(その1)。 接触者数の推定手順を示す図である(その2)。 接触者数の推定手順を示す図である(その3)。 接触者数の推定手順を示す図である(その4)。 接触者数の推定手順を示す図である(その5)。
本発明の一実施形態(本実施形態)に係る情報処理装置及び情報処理方法について、添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
また、本明細書において、「装置」とは、単独で特定の機能を発揮する一つの装置の他、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数の装置をも含むものである。
また、本明細書において、「人(ヒト)」や「者」には、一個人が含まれるとともに、世帯等のグループも含まれることとする。
<<本実施形態の情報処理装置の用途について>>
本実施形態の情報処理装置(以下、本装置とも言う)の用途について、一例を挙げて説明する。本装置は、放送枠を評価する目的で利用され、具体的には、放送枠に関する評価指標を算出する。
放送枠は、放送内容を放送するために利用される時間帯(時間枠)であり、図1に示すように、放送局及び放送日時によって特定される(区切られる)。「放送内容」は、テレビ放送、ラジオ放送、及びインターネットを通じたWEB配信等を通じて公衆に提供されるコンテンツであり、具体的には広告及び番組等が含まれる。
なお、以下では、放送枠が広告枠、特にテレビCM用の広告枠であるケースを例に挙げて説明することとする。ただし、放送枠がラジオ広告用の広告枠、あるいは広告枠以外の放送枠(例えば、番組配信用の放送枠)であるケースにおいても本発明は利用可能である。
また、以下の説明において、「接触」とは、テレビ番組及びテレビCMを視聴することを意味し、「接触者」とは、テレビ番組及びテレビCMの視聴者を意味する。また、「視聴」には、放送される番組及び広告をリアルタイムで視聴することの他に、番組及び広告を録画等して一定期間内に再生して視聴したりWeb配信されるものを視聴したりする、いわゆるタイムシフト視聴が含まれる。
広告枠は、提供者Bと利用者Cとの間で取り引きされる。広告枠の提供者Bは、例えば、各テレビ放送局である。広告枠の利用者Cは、例えば、広告にて宣伝される商材やサービスを取り扱う企業、すなわち広告主、または広告主から出稿を依頼される広告代理店等である。利用者Cは、取引対象である(つまり、購入可能である)広告枠を提供者Bから購入することで、購入した広告枠の使用権限を取得し、その広告枠を利用して広告を行う。
利用者Cは、提供者Bによって提供される複数の広告枠の中から購入候補の広告枠を選定し、選定された広告枠について購入の要否を検討する。この際、利用者Cは、選定された一又は複数の広告枠を対象枠とし、対象枠に関する情報(以下、枠情報ともいう)を確認し、枠情報に基づいて検討を進める。利用者Cは、対象枠の購入を決めた場合には、対象枠を購入し、当該対象枠を用いて広告を放送させる(出稿する)。つまり、対象枠は、将来利用される予定の広告枠(放送枠)である。
枠情報は、図2に示すサービス提供会社Aから、利用者Cへ提供される。枠情報には、放送局及び放送日時を含む対象枠の基本的情報とともに、対象枠の秒数、対象枠の利用価格(販売額)、売却済みであるか否かの情報、及び、対象枠の有効性に関する様々な評価指標が含まれる。評価指標には、例えば、対象枠にて放送される広告の視聴率(延べ視聴率[Gross Rating Point:GRP]を含む)、リーチ数(接触者数)及びCPM(Cost Per Mille)等が含まれる。CPMは、訴求対象1000人に伝達するのに必要なコスト(費用)であり、広告枠に関する経費効率の指標として用いられる。
サービス提供会社Aは、本装置を所有し、本装置を用いて対象枠に関する上述の評価指標を算出し、その算出結果を利用者Cに提供する。つまり、サービス提供会社A(厳密には、本装置を操作するサービス提供会社Aの従業員)は、本装置を利用して評価指標を算出する点において本装置の直接的なユーザに該当し、利用者Cは、本装置により算出された評価指標を利用する点において本装置の間接的なユーザに該当する。
なお、対象枠に関する上述の評価指標は、いずれも将来の予測値であり、対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された広告又は番組(以下、放送済み内容)の視聴率及びリーチ数等をベースに算出される。また、本実施形態において、対象枠に関する評価指標は、ターゲット属性に着目して算出され、具体的にはターゲット属性の該当者を訴求対象とする場合を想定して算出される。
ターゲット属性とは、対象枠に関する評価指標の算出に際して例えば利用者Cによって指定される属性、詳しくは心理学的属性(サイコグラフィック)である。心理学的属性は、人の興味関心、嗜好、価値観及び行動パターン(ライフスタイル)等に関する属性である。興味関心及び嗜好には、商品やサービスに対する興味関心及び嗜好(例えば、好き嫌いの度合い等)が含まれる。行動パターンは、商品購入やサービス利用のパターン、具体的には、購入/利用の有無、回数、及び1回の購入/利用に費やす金額等が含まれる。心理学的属性は、上述した諸要因に基づいて設定された分類区分(カテゴリ)であり、一例としては、特定の商材を購入する頻度(単位期間あたりの購入回数)が所定数以上である属性(以下、特定属性)と、特定属性以外の属性とが挙げられる。
以上のように、本装置は、サービス提供会社Aが利用者Cに対して対象枠に関する評価指標を枠情報として提供するために利用される。なお、本装置の利用者(厳密には、本装置の直接的なユーザ)は、サービス提供会社Aに限られず、提供者Bであってもよく、あるいは利用者Cであってもよい。
<<評価指標の算出に必要な情報について>>
対象枠に関する評価指標を算出するには、対象枠の基本的情報及び利用価格等が必要となる。対象枠を含む広告枠の基本的情報及び利用価格等の情報は、広告枠の提供者Bであるテレビ放送局から定期的に配信される。広告枠に関する情報は、広告枠の取引(売買取引)が可能となる前に配信されてもよく、取引可能となった後に配信されてもよい。また、広告枠に関する情報は、適宜変更(更新)されてもよく、広告枠が利用される直前まで変更(更新)可能であってもよい。
また、本実施形態では、対象枠に関する評価指標を算出するにあたり、第1情報、第2情報及び第3情報がさらに必要となる。第1情報は、対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された放送済み内容への接触の有無を示す情報である。第2情報は、ターゲット属性についての該否を示す情報である。第3情報は、人口統計学的属性(デモグラフィック)に関する情報であり、具体的には性別、年齢、職業及び年収等が該当する。
第1〜第3情報は、複数のモニタを対象として行われる調査によって取得可能である。情報取得の手段については、特に限定されないが、本実施形態では、第1〜第3情報を取得するための調査として、シングルソースデータ調査と複合調査とを行う。以下、それぞれの調査について説明する。
(シングルソースデータ調査)
シングルソースデータ調査は、複数のモニタの各々を対象とし、各モニタ(以下、対象モニタともいう)について、第1情報、第2情報及び第3情報を含め多種の調査項目について情報(調査の回答)を取得する目的で行われる。本実施形態に係るシングルソースデータ調査の対象モニタは、制限付きのモニタであり、具体的には、調査モニタの募集に応募した者、あるいは、調査会社が複数人に対して行った調査協力要請に応じた(承諾した)者である。つまり、本実施形態に係るシングルソースデータ調査は、有意抽出されたモニタを対象として行われ、その対象モニタは、予め設定された条件(具体的には、調査の応募や協力要請に応じること)を満たす人の中から選出される。このような有意抽出型のシングルソースデータ調査では、対象モニタの属性に偏りが生じ易くなる傾向がある。なお、以下では、説明の便宜から、有意抽出型のシングルソースデータ調査を、単にシングルソースデータ調査とも呼ぶこととする。
シングルソースデータ調査では、対象モニタに関する基本情報(具体的には氏名、住所、年齢及び性別等)が予め登録されており、登録された基本情報が所定の記憶装置にてモニタIDと関連付けられた状態でモニタ毎に記憶される。対象モニタの基本情報は、上述の第3情報に該当する。なお、対象モニタの基本情報が記憶される装置は、本装置であってもよく、あるいは、本装置と通信可能な状態で接続された他の機器(具体的には、外部のサーバ)であってもよい。
また、シングルソースデータ調査の対象モニタは、自己保有のパソコン、スマートフォン、タブレット型端末等の通信端末を通じてアンケートに回答する。具体的に説明すると、対象モニタは、アンケート回答用アプリを起動し、同アプリ内で複数の質問に回答する。複数の質問には、デモグラフィックに関する質問、及びサイコグラフィックに関する質問等が含まれる。
デモグラフィックに関する質問には、対象モニタの家族構成、職業及び年収等に関する質問が含まれる。サイコグラフィックに関する質問は、対象モニタの興味関心、嗜好、特定の商品又はサービスに対する認識、性格、価値観及び行動パターン(ライフスタイル)等に関する質問が含まれる。
上記の複数の質問をすべて回答した対象モニタが、通信端末にて回答終了用の操作を行うと、その対象モニタの通信端末が、各質問の回答結果を示す回答データを生成して送信する。ここで、回答データが示す回答結果のうち、デモグラフィックに関する質問の回答結果は、上述の第3情報に該当し、サイコグラフィックに関する質問の回答結果は、上述の第2情報に該当する。
また、回答データは、回答者である対象モニタのIDと関連付けられた状態で、例えば本装置に向けて送信される。なお、回答データは、対象モニタが全ての質問を回答した時点で全ての質問の回答結果を示すデータとして生成されてもよい。あるいは、回答データは、一つの質問を回答する度に各質問の回答結果を示すデータとして生成され、その都度送信されてもよい。
また、上述のシングルソースデータ調査では、アンケートの質問に対する各モニタの回答をネットリサーチ方式で取得することとしたが、これに限定されない。例えば、対象モニタがアンケート用紙に記入する形、あるいは調査員からの聞き取りに返答する形で質問に回答してもよい。この場合、サービス提供会社Aの従業員が、例えば、アンケート用紙の記入内容又は聞き取り内容を所定の入力機器を通じて入力することにより、上記と同様の回答データを取得することができる。
また、シングルソースデータ調査の対象モニタの自宅には、視聴履歴のデータ(以下、単に視聴履歴という)を送信することが可能なテレビ受信機(不図示)が設置されている。このテレビ受信機は、インターネットに接続(結線)されており、対象モニタがテレビを視聴している期間中、任意の時間間隔で視聴履歴を生成して蓄積し、蓄積された視聴履歴を1時間〜1日程度の周期で送信する。蓄積された視聴履歴は、上述の第1情報に該当し、モニタが視聴した広告又は番組(放送済み内容)を放送するテレビ放送局、視聴年月日及び視聴時刻等を示す。
なお、視聴履歴を取得する期間(データ取得の対象期間)には、対象枠の放送日時と対応する日時、例えば、対象枠の放送日時の前年の同一日時、あるいは対象枠の放送日時の直近4週間の同一時間等が含まれることとする。
また、蓄積された視聴履歴は、送信元のテレビ受信機を所有する対象モニタのIDと関連付けられた状態で、例えば本装置に向けて送信される。ただし、これに限定されず、視聴履歴が対象モニタのテレビ受信機からテレビ製造メーカに送信され、その後、テレビ製造メーカから本装置に転送されてもよい。また、視聴履歴が、テレビ放送局毎に生成されてもよく、その場合には、放送局毎の視聴履歴が対象モニタのテレビ受信機からインターネット経由でテレビ放送局に送られ、その後にテレビ放送局から本装置に転送されてもよい。
なお、本実施形態では、対象モニタの放送済み内容への接触の有無を示す情報(第1情報)として、対象モニタのテレビ受信機から送信される視聴履歴を取得することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、上述したアンケートへの回答と同様に、対象モニタが通信端末を操作してテレビ視聴状況を回答し、その回答データを本装置に向けて送信してもよい。この場合の回答データには、1週間の各曜日において対象モニタがテレビを視聴した時刻及び分数をテレビ放送局毎に示す情報が含まれる。
あるいは、対象モニタが所定の記入用紙にテレビの視聴状況(テレビ放送局毎の視聴状況)を記入し、サービス提供会社Aの従業員が記入済みの用紙を回収し、回収した用紙の記入内容を所定の入力機器にて入力することで、上記の回答データと同様のデータを取得することができる。
以上までに説明してきたシングルソースデータ調査を実施することにより、図3に示すように、複数のモニタ(対象モニタ)について、第1情報、第2情報及び第3情報を取得することができる。また、シングルソースデータ調査では、同じ対象モニタから第1情報及び第2情報を取得しているので、第1情報が取得されるモニタ、及び、第2情報が取得されるモニタが互いに一致していることになる。
(複合調査)
複合調査は、統計学的手法により母集団から無作為に選出された複数のモニタを対象として行われ、本実施形態では、目的が異なる2種類の調査、具体的には視聴率調査及びアンケート調査からなる。つまり、本実施形態では、無作為抽出型の複合調査が実施され、複合調査では、母集団の性質及び傾向等を偏りなく正確に反映した「代表性のある情報」が得られる。
なお、本実施形態では、母集団からモニタをランダムに選出するにあたり、調査地点・地域を設定し、当該調査地点・地域に居住する者の中からモニタを選出する。ただし、モニタの選出方法については、上記の選出方法に限られず、ランダムに選出する方法である限り、自由に採用することが可能である。
また、説明の便宜から、無作為抽出型の複合調査を、単に複合調査とも呼ぶこととする。
視聴率調査は、各モニタ(以下、対象モニタともいう)のテレビ視聴状況に関する調査である。視聴率調査の対象モニタは、母集団から無作為に(詳しくは、系統抽出法により)選出される。視聴率調査の対象モニタについては、調査前の段階で基本情報(具体的には氏名、住所、年齢及び性別等)が予め登録されており、登録された基本情報は、所定の記憶装置において対象モニタのIDと関連付けられた状態でモニタ毎に記憶される。対象モニタの基本情報は、上述の第3情報に該当する。
なお、対象モニタの基本情報が記憶される装置は、本装置であってもよく、あるいは、本装置と通信可能な状態で接続された他の機器であってもよい。
また、視聴率調査の対象モニタの自宅には、テレビの視聴時間及び視聴チャンネル等を測定する公知の測定機器(不図示)が設置されている。この測定機器は、テレビ視聴時に選択されるテレビ放送局(視聴チャンネル)を識別するチャンネルセンサ、ピープルメータのように試聴者個人を識別する個人識別器、及び、これらの機器による識別結果をデータ化するオンラインメータを含む。上記の測定機器により、対象モニタがテレビを視聴する日時がテレビ放送局毎に特定される。
上記の測定機器は、テレビ視聴状況の測定結果を示す測定データを定期的(例えば1分毎)に生成して送信する。測定データが示すテレビ視聴状況の測定結果は、上述の第1情報に該当する。測定データの生成及び送信は、秒単位で行われてもよく、あるいは1時間単位又は1日単位で行われてもよい。
なお、測定データを取得する期間(データ取得の対象期間)には、対象枠の放送日時と対応する日時、例えば、対象枠の放送日時と対応する日時、例えば、対象枠の放送日時と前年の同一日時、あるいは対象枠の放送日時の直近4週間の同一時間等が含まれることとする。
また、測定データは、上記の測定機器を所有する対象モニタのIDと関連付けられた状態で、例えば本装置に向けて送信される。ただし、これに限定されず、測定データがテレビ放送局毎に生成されてもよく、その場合には、放送局毎の測定データが測定機器からインターネット経由でテレビ放送局に送られ、その後にテレビ放送局から本装置に転送されてもよい。
なお、本実施形態では、対象モニタの放送済み内容への接触の有無を示す情報(第1情報)として、上記の測定機器から送られてくる測定データを取得することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、対象モニタが所定の記入用紙にテレビの視聴状況(具体的には、テレビ局毎の視聴日時等)を記入し、サービス提供会社Aの従業員が記入済みの用紙を回収し、回収した用紙の記入内容を所定の入力機器にて入力することで、対象モニタのテレビ視聴状況、すなわち放送済み内容への接触の有無を示す情報を取得してもよい。
アンケート調査は、生活様式、行動パターン、及び特定の商材・サービスに関する認識等に関する複数の質問を対象モニタに回答させる調査である。対象モニタは、前述したように母集団から無作為に(詳しくは、エリアランダムサンプリングにより)選出されるが、本実施形態では視聴率調査の対象モニタとは必ずしも一致していてなくてもよい。ただし、複合調査において、視聴率調査の対象モニタとアンケート調査の対象モニタとが重複していると好適である。モニタが重複しているとは、アンケート調査の対象モニタの一部又は全部が視聴率調査の対象モニタに該当すること、あるいは、視聴率調査の対象モニタの一部又は全部がアンケート調査の対象モニタに該当することである。
以下では、アンケート調査の対象モニタが視聴率調査の対象モニタに含まれるケースを例に挙げて説明することとする。つまり、以下のケースでは、アンケート調査のモニタ数よりも視聴率調査のモニタ数が多いこととする。ただし、本発明は、これに限定されず、アンケート調査のモニタ数が視聴率調査のモニタ数より多くてもよく、またはアンケート調査の対象モニタと視聴率調査の対象モニタとが一致してもよい。また、アンケート調査の対象モニタと視聴率調査の対象モニタとが重複せず、完全に相違していてもよい。
アンケート調査の対象モニタについては、調査実施前の段階で基本情報、具体的には氏名、住所、年齢及び性別等が予め登録されており、所定の記憶装置においてモニタIDと関連付けられた状態でモニタ毎に記憶されている。各モニタの基本情報は、上述の第3情報に該当する。なお、対象モニタの基本情報が記憶される装置は、本装置であってもよく、あるいは、本装置と通信可能な状態で接続された他の機器であってもよい。
また、アンケート調査において、対象モニタは、前述したシングルソースデータ調査と同じ要領で、自己の通信端末を操作してアンケートに回答する。すなわち、各対象モニタは、アンケート回答用アプリを利用して、デモグラフィックに関する質問、サイコグラフィックに関する質問、及び所定期間におけるテレビ視聴状況を回答する。デモグラフィック及びサイコグラフィックに関する質問は、シングルソースデータ調査における質問と共通する。テレビ視聴状況は、例えば、特定の1週間中の各曜日においてテレビを視聴した時刻及び分数をテレビ放送局毎に示す内容である。
なお、テレビ視聴状況を調査する期間(調査対象期間)には、対象枠の放送日時と対応する日時、例えば、対象枠の放送日時と前年の同一日時、あるいは対象枠の放送日時の直近4週間の同一時間等が含まれることとする。
対象モニタがアンケートの回答を終了すると、その時点で、対象モニタの通信端末が、各質問の回答結果を示す回答データを生成して送信する。ここで、回答データが示す回答内容のうち、テレビ視聴状況に関する回答内容は、上述の第1情報に該当し、サイコグラフィックに関する質問への回答内容は、上述の第2情報に該当し、デモグラフィックに関する質問への回答内容は、上述の第3情報に該当する。
また、回答データは、回答者であるモニタのIDと関連付けられた状態で、例えば本装置に向けて送信される。なお、回答データは、モニタが全質問を回答した時点で全質問の回答を示すデータとして生成及び送信されてもよく、あるいは、一つの質問を回答する度に一質問分の回答を示すデータとして生成及び送信されてもよい。
また、上述のアンケート調査では、質問に対する回答をネットリサーチ方式で取得することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、対象モニタがアンケート用紙に記入する形、あるいは調査員からの聞き取りに返答する形で質問に回答してもよい。この場合、サービス提供会社Aの従業員が、アンケート用紙の記入内容又は聞き取り内容を所定の入力機器を通じて入力することにより、上記と同様の回答データを取得することができる。
以上のように、複合調査では、複数のモニタについて、図4の(a)に示す第1情報及び第3情報を視聴率調査にて、図4の(b)に示す第1情報〜第3情報をアンケート調査にて、それぞれ取得することができる。
また、複合調査では、視聴率調査のモニタ数に比べてアンケート調査のモニタ数が少ないため、対象モニタから得られる第2情報の取得数は、第1情報及び第3情報の取得数に比べて少なくなる。そこで、本実施形態では、公知のデータフュージョン技法を利用し、視聴率調査の対象モニタについて、アンケート調査にて取得される第2情報を予測する(拡張する)。
具体的には、視聴率調査にて取得した情報と、アンケート調査にて取得した情報との間で共通する項目、具体的にはモニタの性別、年齢及びテレビ視聴状況について、モニタ間での類似度合いを算出する。そして、類似度合いが最も高いモニタ同士を同じモニタとみなし(擬制し)、同一モニタとされた二人のモニタのうち、アンケート調査の対象モニタについて取得されたデモグラフィック関連の情報(すなわち、第2情報)を、視聴率調査の対象モニタに割り当てる。この手順を、視聴率調査の対象モニタ全員に対して繰り返すことで、図4の(c)に示すように、視聴率調査の対象モニタ全員について第2情報が取得(拡張)される。
なお、データフュージョンに関する技術としては、例えば、特許5638673号、特許第620177号、及び特許第6495532号等に記載された技術が利用可能である。
以上までに説明したように、本実施形態では、複合調査とデータフュージョンにより、母集団から無作為に選出された複数のモニタ(厳密には、視聴率調査の対象モニタ)について、第1情報、第2情報及び第3情報を取得することができる。
<<本実施形態に係る情報処理装置の構成について>>
本装置の構成について、図5を参照しながら説明する。本装置は、サービス提供会社Aによって利用されるコンピュータ10、詳しくはサーバコンピュータによって構成される。コンピュータ10は、対象枠に関する情報(ただし、後述する推定値や評価指標を除く)と、前述した複数のモニタについての第1情報、第2情報及び第3情報とを入手し、これらの情報に基づいて対象枠に関する評価指標を算出する。
コンピュータ10は、図5に示すように、CPU等からなるプロセッサ10aと、ROM及びRAM等からなるメモリ10bと、ネットワークインターフェースカード等からなる通信用インタフェース10cと、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)等からなるストレージ10dと、マウス及びキーボード等からなる入力装置10eと、ディスプレイ及びプリンタ等の出力装置10fと、を有する。
なお、本装置を構成するコンピュータ10の台数は、1台でもよいし、あるいは複数台でもよい。
また、コンピュータ10には、本発明の情報処理装置としての機能、すなわち、評価指標の算出機能を発揮させるためのプログラム(以下、指標算出用プログラム)がインストールされている。この指標算出用プログラムがプロセッサ10aによって読み取られて実行されることで、コンピュータ10が評価指標の算出に係る一連の情報処理(演算)を実施する。
また、コンピュータ10は、図5に示すように、通信用ネットワーク12を介して、広告枠の提供者Bである各テレビ放送局のサーバ14、広告枠の利用者Cである広告主のサーバ16、及び、前述した調査における複数のモニタの各々に対して設けられた機器(以下、モニタ側機器18という)と通信可能に接続されている。モニタ側機器18には、モニタがアンケートに回答する際に用いる通信端末、モニタのテレビ視聴状況を測定する測定機器、及びモニタのテレビ視聴状況に応じて視聴履歴を生成するテレビ受信機等が含まれる。
コンピュータ10は、上記の各機器と通信することにより、評価指標の算出に必要な情報を取得する。取得された情報は、コンピュータ10内の記憶装置、具体的にはストレージ10dに記憶されて蓄積される。複数のモニタについて取得された第1情報、第2情報及び第3情報は、取得元のモニタのIDと関連付けて記憶される。これにより、モニタ毎の取得情報を収録したデータベースが構築される。
なお、本実施形態では、取得された各種の情報をコンピュータ10の内部に記憶して蓄積することとしたが、これに限定されるものではない。取得された情報を記憶して蓄積する機器としては、コンピュータ10とは別に用意されたコンピュータ、例えば、コンピュータ10と通信ネットワーク12を介して接続された外部サーバ等が利用可能である。また、取得された情報を記録する技術としては、不正な改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
また、本実施形態では、サービス提供会社Aのコンピュータ10が本発明の情報処理装置を構成するが、これに限定されるものではない。すなわち、サービス提供会社A以外の機関(例えば、テレビ放送局又は広告主等の第三者)が利用するコンピュータが、本発明の情報処理装置の機能の一部又は全部を担ってもよい。また、本発明の情報処理装置は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータによって構成されてもよい。
<<本実施形態に係る情報処理装置の機能について>>
本装置の機能について、図6を参照しながら説明する。本装置をなすコンピュータ10は、図6に示すように、特定部21、情報取得部22、記憶部23、モード決定部24、推定部25、指標算出部26及び出力部27を機能部として有する。
上記の機能部のうち、記憶部23は、例えば、コンピュータ10のストレージ10dによって構成されている。それ以外の機能部は、コンピュータ10が有するハードウェア機器と、コンピュータ10にインストールされた指標算出用プログラムとが協働することで実現される。
なお、本実施形態では、上述の機能部のすべてが一台のサーバ(コンピュータ)によって実現されているが、これに限定されるものではない。例えば、複数台のコンピュータによって本装置が構成されるケースでは、各コンピュータが互いに異なる機能を担ってもよい。また、一部の機能については、複数台のコンピュータが協働して実現してもよい。
以下、本装置の各機能部について説明する。
(特定部)
特定部21は、本装置によって評価指標が算出される広告枠、すなわち対象枠を特定する。具体的には、現時点で取引対象とされる広告枠(つまり、将来利用される予定の広告枠)のうち、広告枠の利用者C又はサービス提供会社Aによって指定された放送局及び放送日時に該当する広告枠が対象枠として特定される。
なお、対象枠として特定される広告枠の数は、一つでもよいし、複数でもよい。また、対象枠の特定に際して指定された放送局及び放送日時の情報は、コンピュータ10が広告主のサーバ16と通信することで取得してもよく、あるいは、コンピュータ10の入力装置10eを通じて入力されてもよい。
(情報取得部)
情報取得部22は、対象枠に関する評価指標を算出するために必要な情報を取得し、図6に示すように、広告枠情報取得部31と、第1調査情報取得部32と、第2調査情報取得部33とを有する。
広告枠情報取得部31は、広告枠の提供者Bである各テレビ放送局のサーバ14との通信により、対象枠に関する情報、及び対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の広告枠に関する情報を取得する。広告枠情報取得部31によって取得される情報には、広告枠の基本情報及び経済価値等が含まれる。広告枠の経済価値は、広告枠に対して設定され、例えば、利用価格(販売額)が該当する。ただし、経済価値は、利用価格以外であってもよく、広告枠の利用に係るコストを金銭以外で表した価値、例えば、換金性を有する有価ポイント等であってもよい。
なお、広告枠情報取得部31が対象枠に関する情報を取得する時期・タイミングは、特に限定されるものではなく、例えば、対象枠の評価指標を算出する際に取得してもよいし、それ以前に予め取得しておいてもよい。
第1調査情報取得部32及び第2調査情報取得部33は、それぞれ、複数のモニタについて第1情報と第2情報と第3情報とを取得する。第1調査情報取得部32は、シングルソースデータ調査のために選出された複数のモニタ(対象モニタ)の各々のモニタ側機器18と通信し、対象モニタについての調査結果を取得する。これにより、第1調査情報取得部32は、シングルソースデータ調査の対象モニタについて第1情報、第2情報及び第3情報を取得する。
第2調査情報取得部33は、複合調査のために選出された複数のモニタ(対象モニタ)の各々のモニタ側機器18と通信し、対象モニタについての調査結果を取得する。具体的には、視聴率調査の対象モニタについては、性別、年齢及びテレビ視聴状況等に関する情報を取得し、アンケート調査の対象モニタについては、デモグラフィック、サイコグラフィック及びテレビ視聴状況に関する情報を取得する。そして、本実施形態では、データフュージョン技術により、アンケート調査の対象モニタについて取得した情報を、視聴率調査の対象モニタ全員に拡張することで、アンケート調査の回答数(情報取得数)を増やすことができる。以上により、第2調査情報取得部33は、複合調査の対象モニタ(厳密には、視聴率調査の対象モニタ全員)について第1情報、第2情報及び第3情報を取得する。
広告枠情報取得部31、第1調査情報取得部32、及び第2調査情報取得部33の各々が情報を取得する頻度及び周期については、特に限定されないが、情報の信憑性を担保する上で好適な頻度及び周期に設定されるのが好ましい。
(記憶部)
記憶部23は、情報取得部22により取得された情報を記憶する。情報取得部22により取得された情報のうち、第1調査情報取得部32及び第2調査情報取得部33によって取得された情報、すなわち、対象モニタの第1情報、第2情報及び第3情報は、対象モニタのIDと関連付けられた状態で記憶される(図3及び4参照)。
また、情報取得部22が新たに情報を取得した場合には、記憶部23に記憶される情報が、新たに取得された情報に書き換えられる(上書きされる)。つまり、記憶部23に記憶される情報は、情報取得部22により新たな情報が取得される度に更新される。
(モード決定部)
モード決定部24は、推定部25が後述の特定リーチ数を推定するモードを、第1モード及び第2モードのうちのいずれか一方に決める。第1モードは、第1調査情報取得部32によって取得された情報を利用して特定リーチ数を推定するモードである。第2モードは、第2調査情報取得部33によって取得された情報を利用して特定リーチ数を推定するモードである。
モード決定部24は、モード決定に際してモード指定操作を受け付ける。モード指定操作は、例えば、広告枠の利用者C又はサービス提供会社Aにより、その者の意思や要望を反映させて行われる。この際、例えば、評価指標の算出料金がモード別に設定される場合には、料金と最終的な評価指標の算出精度とをモード間で比較した上で、どちらのモードを指定するかを決めればよい。
なお、第1モードを選択した場合には、正確に特定リーチ数が推定され得るか(具体的には、特定リーチ数の推定に使用されるデータの信憑性があるか)が、評価指標の算出前に予め判定される。そして、正確に特定リーチ数が推定され得る場合には、第1モードにおける特定リーチ数の推定結果を用いて最終的な評価指標が算出される。反対に、正確に特定リーチ数が推定されない可能性が高い場合には、評価指標の算出が見送られる。上記の判定については、後の項で詳述することとする。
(推定部)
推定部25は、第1調査情報取得部32及び第2調査情報取得部33によって取得された情報、すなわち、複数のモニタについての第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、特定リーチ数を推定する。
特定リーチ数は、指定された心理学的属性に該当する接触者の数(接触者数)である。ここで、指定された心理学的属性は、ターゲット属性である。また、接触者は、対象枠と放送局及び放送日時が一致する広告枠にて放送された放送内容(広告又は番組)に接触した者、より詳しくは、対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された広告又は番組(放送済み内容)に接触した者、分かり易くは放送済み内容の視聴者である。例えば、ターゲット属性が「飲料Dを好む属性」であり、対象枠が、テレビ放送局Aが提供する「2021年X月Y日の19時〜19時5分」の広告枠であることとする。この場合には、「飲料Dを好み、且つ、X月Y日の19時〜19時5分の間にテレビ放送局Aを視聴した人数」が、特定リーチ数に該当する。なお、特定リーチ数としてカウントする接触者の数は、対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された広告又は番組を所定時間(予め決められた時間)以上視聴した者の数に限定してもよく、あるいは、上記過去の放送枠内における視聴者数の代表値、例えば、平均値又は最大値としてもよい。
推定部25は、特定リーチ数を推定するにあたり、複数のモニタについて取得された第1情報、第2情報及び第3情報に基づき、ターゲット属性の該当者数と、その該当者数に対する放送済み内容への接触者数(視聴者数)の割合とを求める。そして、推定部25は、求めた該当者数及び割合から特定リーチ数を推定する。
本実施形態において、推定部25は、モード決定部24によって決定されたモードに従って特定リーチ数を推定し、詳しくは、第1モードでは、第1調査情報取得部32によって取得された情報から特定リーチ数を推定し、第2モードでは、第2調査情報取得部33によって取得された情報から特定リーチ数を推定する。
第1調査情報取得部32によって取得される情報、すなわち、有意抽出型のシングルソースデータ調査から得られる情報に関して言うと、情報の提供元である対象モニタの属性に偏りが生じ得る。そのため、第1モードでは、上記の点を考慮した手順にて特定リーチ数を推定する。
他方、第2調査情報取得部33によって取得される情報、すなわち、無作為抽出型の複合調査から得られる情報に関して言うと、情報の提供源である対象モニタが無作為に選出される。このことを反映して、第2モードでは、第1モードとは異なる手順にて特定リーチ数を推定する。
なお、第1モード及び第2モードの各々における特定リーチ数の推定手順については、後の項で詳細に説明する。
(指標算出部)
指標算出部26は、推定部25によって推定された特定リーチ数(接触者数)と、広告枠情報取得部31によって取得された情報が示す対象枠の利用価格とに基づき、対象枠に関する評価指標としての特定CPMを算出する。
特定CPMは、ターゲット属性の該当者1000人に伝達するのに必要なコスト(費用)を表し、下記の式(1)にて算出される。
特定CPM= 対象枠の利用価格 / 特定リーチ数 ×1000 (1)
また、第1モードが選ばれた場合、指標算出部26は、特定CPMを算出する前段階で、所定の判定値が所定の条件を満たすか否かを判定する。判定値は、推定部25による特定リーチ数の推定結果の妥当性、又は特定リーチ数の推定に用いた情報(つまり、第1情報及び第2情報)の信憑性に関する値である。そして、判定値が所定の条件を満たす場合に限り、指標算出部26は、特定CPMを算出する。反対に、判定値が所定の条件を満たさない場合には、指標算出部26による特定CPMの算出が見送られる。
(出力部)
出力部27は、指標算出部26により算出された特定CPMを、広告枠の利用者C又は提供者Bに対して出力する。出力の手段及び方式については、特に限定されないが、例えば、特定CPMの算出結果をディスプレイに表示するためのデータを生成したり、特定CPMの算出結果が掲載されたレポートを印字したり、あるいは、特定CPMの算出結果を示すデータ(電子ファイル)をメール等にて送信してもよい。
<<本実施形態に係る情報処理方法について>>
次に、本装置を構成するコンピュータ10の動作例として、対象枠に関する評価指標を算出する一連の処理の流れ(以下、評価指標算出フロー)について説明する。評価指標算出フローでは、本発明の情報処理方法が採用されている。すなわち、以下の説明には、本発明の情報処理方法についての説明が含まれており、また、評価指標算出フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に相当する。
なお、以下に説明する処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
評価指標算出フローは、図7に示す流れに沿って進行する。評価指標算出フローでは、先ず、コンピュータ10が、対象枠及びターゲット属性を特定する(S001、S002)。具体的には、対象枠の放送局及び放送日時を示す情報と、ターゲット属性を示す情報と、を広告枠の利用者Cである広告主から入手し、これらの情報をコンピュータ10に入力する。コンピュータ10は、入力情報に基づいて対象枠及びターゲット属性を特定する。
なお、以下では、ターゲット属性が「飲料Dを好む属性」であり、対象枠が、テレビ放送局Aが提供する「2021年X月Y日の19時〜19時5分」の広告枠であるケースを想定して説明することとする。
次に、コンピュータ10は、対象枠の評価指標を算出するのに必要な情報を取得する(S003)。具体的には、対象枠に関する情報と、対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の広告枠に関する情報とを取得する。この情報には、広告枠の経済価値、より詳しくは利用価格(販売額)が含まれている。なお、広告枠に関する情報については、評価指標算出フローが実施される前の段階で予め取得し、蓄積しておいてもよい。
また、コンピュータ10は、複数のモニタについて第1情報と第2情報と第3情報を取得し、具体的には、シングルソースデータ調査及び複合調査の各々の調査結果を取得する。取得された情報は、所定の記憶装置(例えば、ストレージ10d)に記憶される(S004)。この際、複数のモニタについて取得した第1情報と第2情報と第3情報は、モニタのIDと関連付けられた状態でモニタ毎に記憶される。
次に、コンピュータ10は、後のステップにて特定リーチ数を推定する際のモードを決定する(S005)。具体的には、広告枠の利用者C又はサービス提供会社Aにより行われるモード指定操作を受け付け、その操作に応じて、特定リーチ数の推定モードを第1モード又は第2モードのいずれかに決定する。
その後、コンピュータ10は、決定されたモードに従って特定リーチ数を推定する処理を実行する。具体的に説明すると、推定モードが第1モードである場合、コンピュータ10は、シングルソースデータ調査の対象モニタについて取得された第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、特定リーチ数を推定する(S006)。
第1モードでの推定手順について詳しく説明すると、コンピュータ10(厳密には、推定部25)は、シングルソースデータ調査の対象モニタを、当該調査にて取得された第3情報が示す人口統計学的属性(デモグラフィック)に基づき、図8〜12に示すように複数のカテゴリに分類する。図8〜12では、性別及び年齢によってカテゴリが分かれており、具体的にはC(4〜12歳の男女)、T(13〜19歳の男女)、M1(20〜34歳の男性)、M2(35〜49歳の男性)、M3(50歳以上の男性)、F1(20〜34歳の女性)、F2(35〜49歳の女性)及びF3(50歳以上の女性)という8種類のカテゴリが設定されている。
コンピュータ10は、取得された第1情報、第2情報及び第3情報に基づき、複数のカテゴリの各々について、ターゲット属性の該当者数、及び、該当者数に対する特定リーチ数(接触者数)の割合を求める。先に例示したケースでは、飲料Dを好む人数が、ターゲット属性の該当者数に相当する。また、飲料Dを好む人数に対する、2020年X月Y日(対象枠の放送日時の前年同日)の19時〜19時5分にテレビ放送局Aを視聴した人数の割合が、該当者数に対する特定リーチ数の割合に相当する。
なお、該当者数に対する特定リーチ数の割合は、該当者を対象として算出される視聴率であると言えるため、以下の説明では、便宜的に「該当者視聴率」ともいう。ちなみに、該当者視聴率(割合)は、放送枠に相当する放送時間における代表時点の視聴率でもよく、あるいは放送時間中における分毎の視聴率を平均して求めた平均視聴率でもよい。
第1モードにおける特定リーチ数の推定手順について、図8〜10を参照しながら、より詳細に説明する。図8は、シングルソースデータ調査の対象モニタについて取得した情報から導出した結果を示し、左から順に、カテゴリ毎のモニタ数、ターゲット属性の該当者数、モニタ数に対する該当者数の比率(%)、及び該当者視聴率(%)を示している。
図9は、対象集団におけるカテゴリ別の構成人数及び構成比率を示している。対象集団とは、特定リーチ数を推定する際の母集団であり、詳しくは地理的区画や行政区画に基づいて設定されたエリア内の総人口である。例えば、日本全国での特定リーチ数を推定する場合には、日本の総人口が対象集団となり、関東地域での特定リーチ数を推定する場合には、関東地域の総人口が対象集団となる。なお、対象集団のカテゴリ別の構成人数及び構成比率は、公知の情報提供機関(例えば、統計局等の官庁)から入手可能である。
図10は、該当者数及びリーチ数の各々の推定値をカテゴリ毎に示しており、厳密には、対象集団における該当者数の推定値(左側)及び特定リーチ数の推定値(右側)を示している。
先ず、カテゴリ別に分類されたシングルソースデータ調査の対象モニタをカテゴリ毎に集計して、カテゴリ毎のモニタ数を特定した後、ターゲット属性の該当者をカテゴリ毎に集計して、カテゴリ毎の該当者数を特定する。
次に、上記の特定結果から、図8に示すように、モニタ数に対する該当者数の比率をカテゴリ毎に算出する。
次に、各カテゴリについて、ターゲット属性の該当者であって且つ放送済み内容に接触したモニタ数(以下、該当接触者数という)を集計し、カテゴリ毎の該当接触者数を特定する。そして、図8に示すように、カテゴリ毎の該当者数及び該当接触者数から、該当者視聴率(換言すると、該当者数に対する該当接触者数の割合)をカテゴリ毎に算出する。
その後、カテゴリ毎のモニタ数に対する該当者数の比率と、図9に示す対象集団におけるカテゴリ別の構成人数と、をカテゴリ毎に乗じ、両者の積をカテゴリ毎に求める。これにより、図10に示すように、対象集団における該当者数がカテゴリ毎に推定される。
さらに、対象集団におけるカテゴリ毎の該当者数と、カテゴリ毎の該当者視聴率と、をカテゴリ毎に乗じ、両者の積をカテゴリ毎に求める。これにより、図10に示すように、対象集団における特定リーチ数がカテゴリ毎に推定される。
そして、カテゴリ毎に算出した特定リーチ数(すなわち、該当者数と該当者視聴率との積)を集計することにより、対象集団全体における特定リーチ数(接触者数)を推定することができる。図10に示す例では、「601,0101人」が、対象集団全体における特定リーチ数に該当する。
第1モードでは、以上までに説明してきたように、特定リーチ数をカテゴリ毎に推定し、カテゴリ毎の特定リーチ数の推定値を集計することで、対象集団全体における特定リーチ数を推定する。これは、第1モードに用いる情報が、有意抽出型のシングルソースデータ調査の対象モニタから得られた情報、すなわち無作為で選ばれていないモニタについての情報であり、そのモニタの属性には偏りが生じ易くなる傾向があるためである。つまり、第1モードで用いる情報に関しては、各カテゴリに属するモニタ数の比率が対象集団における構成比率と乖離している場合がある。この点を踏まえて、第1モードでは、特定リーチ数をカテゴリ毎に推定してから、対象集団全体における特定リーチ数を推定する。これにより、第1モードでは、モニタの属性の偏りの影響を考慮して特定リーチ数をより正確に推定することができる。
また、第1モードでは、推定値の確信度を担保するための演算処理を実行する。推定値の確信度を担保するための手法は、様々あり、本実施形態では、その一つとして、推定値が取り得る範囲を求め、その範囲(詳しくは、範囲の上限及び下限)から、妥当な推定値が得られるかどうかを判断する。また、推定値が取り得る範囲を求める方法についても、種々の方法があり、本実施形態では、その一つとして、統計学における信頼区間を算出する方法を採用することができる。
つまり、本実施形態では、特定リーチ数の推定値について信頼区間、すなわち、特定リーチ数の真の値が含まれることが確信度P(%)にて確信できる数値範囲を求める。信頼区間の算出には、公知の統計学的手法が利用可能であり、例えば、正規分布する母集団の母平均の区間推定法を利用することができ、具体的にはt値を算出し、t値から信頼幅を算出することにより信頼区間の上限及び下限を求める。そして、求めた信頼区間から、推定値の妥当性を判断することができる。
なお、統計学において推定値の信頼区間を算出するのは、一般的には、無作為抽出のデータを用いて推定値を求めるケースである。一方で、有意抽出されたデータを用いて推定値を求める場合には、信頼区間を算出する前提が成立しないので通常は信頼区間を算出しない。ただし、本実施形態では、推定値についてより確かな妥当性を得る等の理由から、有意抽出されたモニタの情報に基づいて推定する特定リーチ数について信頼区間を算出する。
特定リーチ数の推定値について信頼区間を求める手順の一例について、図11及び12を参照しながら説明する。
図11は、正規分布する母集団の母平均の区間推定法を適用した際の算出結果を示しており、左から順に、カテゴリ毎のモニタ数に対する該当者数の比率(%)、t値、上記比率の信頼幅(%)、及び該当接触者数の信頼幅(人)を示している。
図12は、対象集団における特定リーチ数について、予め設定された信頼区間の下限に相当する推定値(左側)と、信頼区間の上限に相当する推定値(右側)とを示す。予め設定された信頼区間とは、確信度Pが設定された信頼区間を意味し、図11及び12に示すケースでは、確信度Pが90%に設定されている。確信度Pは、任意に設定することができ、例えば95%としてもよい。
先ず、上述の手順によりカテゴリ毎に算出された、モニタ数に対する該当者数の比率(%)についてt値をカテゴリ毎に求める。
次に、カテゴリ毎に求めたt値に基づき、上記の比率についての信頼幅(%)をカテゴリ毎に算出する。そして、カテゴリ毎の信頼幅とカテゴリ毎の該当接触者数を乗じ、両者の積をカテゴリ毎に求める。これにより、図11に示すように、該当接触者数の信頼幅(人)がカテゴリ毎に算出される。
次に、上述の手順により推定されたカテゴリ毎の特定リーチ数から、カテゴリ毎の信頼幅を減算することで、図12に示すように、信頼区間の下限に相当する推定値がカテゴリ毎に算出される。反対に、カテゴリ毎の特定リーチ数の推定値に対して、カテゴリ毎の信頼幅を加算することで、図12に示すように、信頼区間の上限に相当する推定値がカテゴリ毎に算出される。
そして、信頼区間の下限及び上限の各々について、カテゴリ毎の推定値を集計することにより、対象集団全体における特定リーチ数(接触者数)について、信頼区間の下限に相当する推定値と、上限に相当する推定値とが得られる。図12に示すケースでは、信頼区間の下限に相当する推定値が「593,145人」であり、上限に相当する推定値が「608,857人」である。
図7に示す流れに戻って説明すると、第1モードでの特定リーチ数の推定後、コンピュータ10(詳しくは、指標算出部26)は、妥当な評価指標を算出することが可能な条件を満たすか否かの判定を行う(S007)。
上記の判定ステップS007について詳細に説明すると、コンピュータ10(詳しくは、推定部25)が下記の判定値j1〜j4の少なくとも一つを算出し、算出した判定値が所定の条件を満たすか否かを判定する。
・信頼区間に関する判定値j1
・視聴率のスコア差に関する判定値j2
・視聴率の相関係数に関する判定値j3
・モニタ数に対する該当者数の比率に関する判定値j4
判定値j1は、有意抽出型のシングルソースデータ調査で複数のモニタについて取得された情報(すなわち、第1情報及び第2情報)を用いて算出され、具体的には、上述した信頼区間の上限に相当する特定リーチ数と下限に相当する特定リーチ数との差分である。判定値j1を算出した場合の判定ステップS007では、判定値j1が第1基準値以下であるか否かを判定する。第1基準値とは、信頼区間が正常な数値範囲にあるか否かを判断するための尺度(基準)として設定された数値である。
判定値j2は、有意抽出型のシングルソースデータ調査で対象モニタについて取得された情報、及び、無作為抽出型の複合調査の対象モニタについて取得された情報、詳しくは、各モニタのテレビ視聴に関する情報(すなわち、第1情報)により算出される。判定値j2を算出するには、対象日付(例えば、対象枠の放送日時に応じて決められる日付)における広告枠について、シングルソースデータ調査の情報に基づく視聴率と、複合調査の情報に基づく視聴率とを、それぞれ求め、その差分の絶対値を算出する。これを対象日付中の広告枠について繰り返すことで、視聴率の差分の絶対値を放送枠毎に算出する。そして、放送枠毎に算出された視聴率の差分の絶対値について、平均値を算出する。この平均値が判定値j2に相当する。判定値j2を算出した場合の判定ステップS007では、判定値j2が第2基準値以下であるか否かを判定する。第2基準値とは、視聴率の差分の平均値(厳密には、差分の絶対値の平均値)が正常な数値範囲にあるか否かを判断するための尺度(基準)として設定された数値である。
判定値j3は、有意抽出型のシングルソースデータ調査で対象モニタについて取得された情報、及び、無作為抽出型の複合調査の対象モニタについて取得された情報、詳しくは、各モニタのテレビ視聴に関する情報(すなわち、第1情報)を用いて算出される。判定値j3を算出するには、対象期間(例えば、対象枠の放送日時に応じて決められる期間)における全広告枠について、シングルソースデータ調査の情報に基づく視聴率と、複合調査の情報に基づく視聴率とを、それぞれ求める。その後、シングルソースデータ調査の情報から求めた視聴率と、複合調査の情報から求めた視聴率との間の相関係数を算出する。この相関係数が判定値j3に相当する。判定値j3を算出した場合の判定ステップS007では、判定値j3が第3基準値以上であるか否かを判定する。第3基準値とは、視聴率間の相関係数が良好な範囲(例えば、視聴率同士が近似しているといえる範囲)にあるか否かを判断するための尺度(基準)として設定された数値である。
判定値j4は、有意抽出型のシングルソースデータ調査で対象モニタについて取得された情報、及び、無作為抽出型の複合調査の対象モニタについて取得された情報、詳しくは、各モニタがターゲット属性に該当するか否かの情報(すなわち、第2情報)を用いて算出される。判定値j4を算出するには、シングルソースデータ調査の対象モニタ、及び、複合調査の対象モニタのそれぞれについて、ターゲット属性の該当者数、及び、モニタ数に対する該当者数の比率を算出する。その後、シングルソースデータ調査の情報から求めた比率r1と、複合調査の情報から求めた比率r2とを比較し、具体的にはr1/r2を算出する。このr1/r2が判定値j4に相当する。判定値j4を算出した場合の判定ステップS007では、判定値j4が、第4基準値として設けられた数値範囲内であるか否かを判定する。第4基準値として設けられた数値範囲とは、r1/r2が良好な範囲(例えば、比率r1,r2同士が近似しているといえる範囲)にあるか否かを判断するための尺度(基準)として設定された数値である。
なお、判定値は、上記の判定値j1〜j4には限定されず、特定リーチ数の推定結果の妥当性、又は特定リーチ数の推定に用いた情報の信憑性を示す値であれば、判定値として利用可能である。
そして、上記の判定値が所定の条件を満たすと判定した場合、コンピュータ10は、次のステップS008に移行して、対象枠に関する評価指標を算出する。他方、上記の判定値が所定の条件を満たしていないと判定した場合、ステップS008の実施、すなわち、評価指標の算出が見送られ、その時点で評価指標算出フローが終了する。これは、判定値が所定の条件を満たしていない場合には特定リーチ数の推定に用いた情報の信憑性が低く、特定リーチ数が正確に推定されていない虞があり、そのような特定リーチ数から評価指標を算出したとしても、妥当な算出結果が得られない可能性があるためである。
ステップS008では、ステップS006にて推定された特定リーチ数と、対象枠の利用価格とに基づいて、対象枠の評価指標としての特定CPMが算出される。特定CPMの算出後には、算出結果を出力する処理がなされ(S009)、これにより、特定CPMを含む対象枠の枠情報が広告枠の利用者Cに通知される。そして、ステップS009の完了時点で評価指標算出フローが終了する。
一方、ステップS005において特定リーチ数の推定モードが第2モードに決められた場合、コンピュータ10(厳密には、推定部25)は、複合調査の対象モニタについて取得された第1情報、第2情報及び第3情報に基づいて、特定リーチ数を推定する(S010)。
第2モードでの推定手順について説明すると、第2モードでは、複合調査の対象モニタ、詳しくは、データフュージョンによってサイコグラフィックに関する情報(第2情報)が拡張された視聴率調査の対象モニタを、第1モードのように複数のカテゴリに分類することなく、一グループとして取り扱う。つまり、第2モードでは、複合調査の対象モニタを一グループとし、当該グループにおけるターゲット属性の該当者数、モニタ数に対する該当者数の比率(%)、及び該当者視聴率(%)を求める。
その後、対象集団(換言すると、複合調査時の母集団)の人数と、モニタ数に対する該当者数の比率とを乗じて両者の積を求める。これにより、対象集団における該当者数が推定される。また、対象集団における該当者数と該当者視聴率とを乗じて両者の積を求める。これにより、対象集団における特定リーチ数が推定される。
以上のように、第2モードでは、第1モードのように特定リーチ数をカテゴリ毎に推定することはなく、対象集団全体における特定リーチ数を直接推定する。これは、第2モードでは、母集団から無作為に選出された複数モニタについて取得された情報を用いており、有意抽出型のシングルソースデータ調査のようにモニタの属性に偏りが生じ難いためである。つまり、第2モードでは、モニタの属性の偏りを考慮する必要がないので、第1モードのようにカテゴリ毎に特定リーチ数を推定しなくとも、対象集団全体における特定リーチ数を十分正確に推定することができる。
第2モードで特定リーチ数を推定した後、コンピュータ10(厳密には、指標算出部26)は、ステップS010にて推定された特定リーチ数と、対象枠の利用価格とに基づいて、対象枠の評価指標としての特定CPMを算出する(S011)。その後、ステップS009に移行し、特定CPMの算出結果を出力する処理がなされて、特定CPMを含む対象枠の枠情報が広告枠の利用者Cに通知される。そして、ステップS009の完了時点で評価指標算出フローが終了する。
上述の評価指標算出フローでは、複数の対象枠について特定CPMを算出することができ、その場合には、上述した一連のステップを対象枠毎に繰り返せばよい。また、ターゲット属性を変えながら上述した一連のステップを繰り返すことにより、各ターゲット属性について対象枠の特定CPMを算出することができる。
<<本実施形態の有効性について>>
本実施形態では、対象枠に関する評価指標として特定CPMを算出するために、特定リーチ数を推定する。すなわち、ターゲット属性に該当し、且つ対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された放送内容(放送済み内容)に接触した接触者数を推定し、その推定結果から特定CPMを算出する。
以上のように、特定CPMは、ヒトの心理学的属性(サイコグラフィック)を反映しているため、特定CPMを用いて広告枠を評価すれば、特定の行動パターンや嗜好等を有するヒトに対する訴求効果を踏まえて、広告枠の有効性を適切に判断することができる。つまり、出稿予算と到達効率とを確認しながら、広告枠(対象枠)についての購入要否を検討することができる。これにより、広告枠の取引(売買)の円滑化及び取引促進を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、特定CPMを算出する際に用いる情報の提供元(データソース)に応じて、特定リーチ数を推定するモードを切り替える。具体的には、モニタの属性に偏りが生じ易い状況下で取得した情報を用いて特定リーチ数を推定する場合には、第1モードを採用する。第1モードでは、上記の偏りの影響を考慮して特定リーチ数を推定し、詳しくは特定リーチ数をカテゴリ毎に推定し、カテゴリ毎の特定リーチ数の推定値を集計して対象集団全体における特定リーチ数を推定する。これにより、モニタの属性に偏りが生じ易い場合であっても、対象集団全体における特定リーチ数を正確に推定することができ、特定CPMの算出結果についての信憑性(妥当性)が向上する。
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明の情報処理装置及び情報処理方法について具体例を挙げて説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられ得る。
上述の実施形態では、特定リーチ数を推定するにあたり、シングルソースデータ調査の対象モニタについて取得された情報、及び複合調査の対象モニタについて取得された情報を取得することとした。ただし、これに限定されるものではなく、シングルソースデータ調査の対象モニタについて取得された情報、及び複合調査の対象モニタについて取得された情報のうちのいずれか一方のみを取得してもよい。
また、上述の実施形態では、特定リーチ数を推定するモードが二種類用意されており、特定リーチ数の推定に際し、いずれか一方のモードを選択することとした。具体的には、有意抽出型のシングルソースデータ調査の対象モニタについて取得された情報を利用して特定リーチ数を推定する第1モードと、無作為抽出型の複合調査の対象モニタについて取得された情報を利用して特定リーチ数を推定する第2モードが選択可能であることとした。ただし、これに限定されるものではなく、特定リーチ数を推定するモードが1つのみでもよく、あるいは、三つ以上のモードが用意されていずれかのモードを選択する形でもよい。
また、上述の実施形態では、第1モードで特定リーチ数を推定する場合に、特定リーチ数の推定値について信頼区間を求めることとした。一方で、第2モードで特定リーチ数を推定する場合にも、第1モードと同様に、特定リーチ数の推定値について信頼区間、すなわち、信頼区間の下限及び上限を求めてもよい。この場合に信頼区間に対して設定される確信度Pは、任意に設定することができ、例えば90%又は95%としてもよい。そして、信頼区間の下限に相当する特定リーチ数と、上限に相当する特定リーチ数との差を求め、その差が所定の条件を満たすか否かを判定し、上記の差が所定の条件を満たした場合に限り、推定した特定リーチ数から評価指標を算出するとよい。反対に、上記の差が所定の条件を満たさない場合には、評価指標の算出を見送るとよい。
また、上述の実施形態では、有意抽出型のシングルソースデータ調査で対象モニタについて取得された情報を用いて特定リーチ数を推定する場合、モニタの属性の偏りを考慮した手順にて特定リーチ数を推定することとした。具体的には、複数の対象モニタをカテゴリ別に分類し、カテゴリ毎に特定リーチ数を推定してから、カテゴリ毎の特定リーチ数の推定値を集計して、対象集団全体の特定リーチ数を特定することとした。ただし、これに限定されるものではなく、有意抽出型のシングルソースデータ調査で対象モニタについて取得された情報を用いて特定リーチ数を推定する際に、特定リーチ数をカテゴリ毎に推定せず、対象集団全体の特定リーチ数を直接特定してもよい。
また、上述の実施形態では、特定CPMを算出するに際してステップS007を実施し、ステップS007では、上述の判定値j1〜j4が所定の条件を満たすか否かを判断することとした。そして、所定の条件を満たす場合に限り、対象枠について、評価指標としての特定CPMを算出することとした。ただし、これに限定されるものではなく、一先ず、対象枠(対象枠が複数ある場合にはすべての対象枠)について特定CPMを算出し、その後に、所定の条件を満たすか否かを対象枠毎に判断してもよい。この場合に、所定の条件が満たされる対象枠に限り、特定CPMの算出結果を出力し、所定の条件が満たされない対象枠については、特定CPMの算出結果の出力を見送ってもよい。
また、上述の実施形態では、対象枠が、将来利用される予定の広告枠であることとしたが、対象枠は、利用済みの過去の広告枠であってもよい。この場合には、対象枠に関する評価指標を算出するために必要な情報のうち、第1情報は、対象枠と同一の広告枠(つまり、対象枠自体)にて放送された広告又は番組への接触の有無(分かり易くは、視聴の有無)を示す情報となる。
10 コンピュータ(情報処理装置)
10a プロセッサ
10b メモリ
10c 通信用インタフェース
10d ストレージ
10e 入力装置
10f 出力装置
12 通信ネットワーク
14,16 サーバ
18 モニタ側機器
21 特定部
22 情報取得部
23 記憶部
24 モード決定部
25 推定部
26 指標算出部
27 出力部
31 広告枠情報取得部
32 第1調査情報取得部
33 第2調査情報取得部
A サービス提供会社
B 提供者
C 利用者

Claims (13)

  1. 放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理装置であって、
    複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得する情報取得部と、
    前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定する推定部と、
    推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出する指標算出部と、を有し、
    前記推定部は、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、人口統計学的属性に基づいてモニタを分類した際の複数のカテゴリの各々について、前記指定された心理学的属性の該当者数と、当該該当者数に対する前記放送内容への接触者数の割合とを求め、前記該当者数と前記割合との積を前記カテゴリ毎に算出し、前記カテゴリ毎に算出した前記積を集計して前記接触者数を推定することを特徴とする情報処理装置。
  2. 放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理装置であって、
    複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得する情報取得部と、
    前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定する推定部と、
    推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出する指標算出部と、を有し、
    前記推定部は、予め設定された信頼区間の上限に相当する前記接触者数、及び、前記信頼区間の下限に相当する前記接触者数を推定することを特徴とする情報処理装置。
  3. 放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理装置であって、
    複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得する情報取得部と、
    前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定する推定部と、
    推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出する指標算出部と、を有し、
    前記指標算出部は、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方に基づいて算出される判定値が所定の条件を満たす場合に限り、前記対象枠に関する前記評価指標を算出することを特徴とする情報処理装置。
  4. 放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理装置であって、
    複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得する情報取得部と、
    前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定する推定部と、
    推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出する指標算出部と、
    前記指標算出部により算出された前記評価指標を出力する出力部と、を有し、
    前記出力部は、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方に基づいて算出される判定値が所定の条件を満たす場合に限り、前記指標算出部により算出された前記評価指標を出力することを特徴とする情報処理装置。
  5. 前記第1情報が取得されるモニタと前記第2情報が取得されるモニタとが互いに一致しており、または、前記第1情報が取得されるモニタと前記第2情報が取得されるモニタとが重複している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記情報取得部は、複数のモニタについて、前記第1情報と、前記第2情報と、モニタの人口統計学的属性に関する第3情報とを取得し、
    前記推定部は、前記第1情報、前記第2情報及び前記第3情報に基づき、前記複数のカテゴリの各々について前記該当者数及び前記割合を求める、請求項に記載の情報処理装置。
  7. 前記推定部が前記接触者数を推定するモードは、第1モード及び第2モードの間で切り替え可能であり、
    前記第1モードでは、予め設定された条件の下で選出された複数のモニタについて取得された前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記該当者数及び前記割合を前記カテゴリ毎に求め、前記積を前記カテゴリ毎に算出し、前記カテゴリ毎に算出した前記積を集計して前記接触者数を推定し、
    前記第2モードでは、統計学的手法により母集団から無作為に選出された複数のモニタについて取得された前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記母集団に対する前記該当者の比率、及び前記割合を求め、前記比率と前記割合と前記母集団の人数から前記接触者数を推定する、請求項又はに記載の情報処理装置。
  8. 前記対象枠が将来利用される予定の前記放送枠である場合、
    前記情報取得部は、複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する過去の放送枠にて放送された前記放送内容への接触の有無を示す第1情報を取得し、
    前記推定部は、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当し、且つ前記過去の放送枠にて放送された前記放送内容に接触した接触者数を推定し、
    前記指標算出部は、推定された前記接触者数と、前記対象枠の利用価格とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  9. 前記放送枠が広告枠であり、
    前記対象枠は、ユーザによって指定された放送局及び放送日時に該当する前記広告枠である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. コンピュータにより、放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理方法であって、
    コンピュータが、複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定し、
    コンピュータが、推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、人口統計学的属性に基づいてモニタを分類した際の複数のカテゴリの各々について、前記指定された心理学的属性の該当者数と、当該該当者数に対する前記放送内容への接触者数の割合とを求め、前記該当者数と前記割合との積を前記カテゴリ毎に算出し、前記カテゴリ毎に算出した前記積を集計して前記接触者数を推定することを特徴とする情報処理方法。
  11. コンピュータにより、放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理方法であって、
    コンピュータが、複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定し、
    コンピュータが、推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出し、
    コンピュータが、予め設定された信頼区間の上限に相当する前記接触者数、及び、前記信頼区間の下限に相当する前記接触者数を推定することを特徴とする情報処理方法
  12. コンピュータにより、放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理方法であって、
    コンピュータが、複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定し、
    コンピュータが、推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方に基づいて算出される判定値が所定の条件を満たす場合に限り、前記対象枠に関する前記評価指標を算出することを特徴とすることを特徴とする情報処理方法
  13. コンピュータにより、放送局及び放送日時によって特定される放送枠のうち、対象枠に関する評価指標を算出する情報処理方法であって、
    コンピュータが、複数のモニタについて、前記対象枠と放送局及び放送日時が一致する前記放送枠にて放送される放送内容への接触の有無を示す第1情報と、指定された心理学的属性についての該否を示す第2情報と、を取得し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記指定された心理学的属性に該当する前記放送内容への接触者数を推定し、
    コンピュータが、推定された前記接触者数と、前記対象枠に対して設定された経済価値とに基づいて、前記対象枠に関する前記評価指標を算出し、
    コンピュータが、前記第1情報及び前記第2情報の少なくとも一方に基づいて算出される判定値が所定の条件を満たす場合に限り、算出された前記評価指標を出力することを特徴とする情報処理方法
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