JP6959931B2 - エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ - Google Patents

エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ Download PDF

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Description

[1]本明細書においては、特に、エキソヌクレアーゼを欠損しているが、野生型ポリメラーゼと比較して同一のまたは改良された鎖置換能力を有し、産業用途または研究用途で使用するために有利な改変DNAポリメラーゼを提供する。
[2]DNAポリメラーゼは、1本鎖DNAを鋳型として使用して相補的なDNA鎖を合成する酵素のファミリーである。特に、DNAポリメラーゼは、新たに形成する鎖の3’末端に遊離のヌクレオチドを添加し、その結果、新しい鎖を5’から3’への方向に伸長させることができる。ほとんどのDNAポリメラーゼは、重合活性とエキソヌクレアーゼ活性の両方を有する多機能タンパク質である。例えば、多くのDNAポリメラーゼは、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有する。これらのポリメラーゼは、誤って組み込まれたヌクレオチドを認識することができ、酵素の3’→5’エキソヌクレアーゼ活性により、その間違ったヌクレオチドが除去される(この活性は、プルーフリーディングとして知られる)。ヌクレオチドの除去後、ポリメラーゼは正しいヌクレオチドを再挿入することができ、複製が継続できる。多くのDNAポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性も有する。
[3]合成によるシーケンシング(SBS)はDNA鎖中のヌクレオチド配列を同定する。SBSにおいて使用するポリメラーゼは、成長している鎖にヌクレオチドを加えるだけでなく、成長しているヌクレオチド鎖をプルーフリーディングする。3’→5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼドメインはほとんどのDNAポリメラーゼに備わっている。上記のとおり、エキソヌクレアーゼのプルーフリーディング機能は誤った塩基を訂正できる。SBSでは、このエキソヌクレアーゼ活性は、シーケンシングの間の欠失/挿入エラーに寄与するので望ましくない。ファミリーBのポリメラーゼにおいてエキソヌクレアーゼ活性をノックアウトするエキソヌクレアーゼドメイン中の標準的な変異は、典型的には、ポリメラーゼの鎖置換能力を減少させる。
[4]したがって、標準的な変異と比較して変化した鎖置換特性を有するエキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼに対する必要性が存在する。詳細には、野生型の親ポリメラーゼと同一であるか、またはそれより改良された鎖置換を有するエキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼが所望される。鎖置換の改良は、連続するヌクレオチドの組み込みの間の待機時間を改良し(すなわち、待機時間を減少させる)、かつポリメラーゼの伸長/シーケンシング速度を改良させる(すなわち、伸長/シーケンシング速度を増加させる)。
[5]本発明は、エキソヌクレアーゼを欠損している改変DNAポリメラーゼ(例えば、変異体)を提供する。改変ポリメラーゼは、野生型ポリメラーゼと比較して同一のまたは改良された鎖置換能力を有する。選択変異は、例えば高い塩濃度で、例えばタグ付きヌクレオチドなどの改変ヌクレオチドポリリン酸の組み込みを触媒することなど、産業用途または研究用途で使用される条件下での有利な表現型を与える。
[6]一態様においては、エキソヌクレアーゼを欠損している改変DNAポリメラーゼであって、配列番号1に記載するアミノ酸配列と少なくとも80%の配列同一性のアミノ酸配列を有する改変DNAポリメラーゼを提供する。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、T45、H123、L125、W127、D128、V179、S211、Y212、I215、T216、E219、Q221、E239、D241、Y242、Y259、Q260、A292、S293、S294、およびそれらの組合せに対応する位置で置換を含む。一部の実施形態においては、改変DNAポリメラーゼは、野生型ポリメラーゼと比較して同一のまたは改良された鎖置換能力を保持している。一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、親ポリメラーゼと比較して同一のまたは改良された鎖置換能力を有する。親ポリメラーゼは、配列番号1、11、または表1に記載される任意のポリメラーゼから選択される。親ポリメラーゼは、配列番号1との少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、好ましくは、95%、96%、97%、98%もしくは99%、またはそれより高い配列同一性を有する。
[7]一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、L125K、D128H、V179Y、V179R、S211F、Y212K、I215L、T216K、Q221R、Y242G/A/L/S、Y259G/K/Q、A292K、S293G、およびS294Tから選択される置換に対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、L125Kに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、D128Hに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、V179Yに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、V179Rに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、S211Fに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y212Kに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、I215Lに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、T216Kに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Q221Rに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y242Gに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y242Aに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y242Lに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y242Sに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y259Gに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y259Kに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、Y259Qに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、A292Kに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、S293Gに対応する置換を含む。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、S294Tに対応する置換を含む。
[8]一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、T529M+S366A+A547F+Y242G/A/L/S、T529M+S366A+A547F+Y259G/K/Q、T529M+S366A+A547F+D128H、T529M+S366A+A547F+Y212G、またはT529M+S366A+A547F+Y212Kから選択される。
[9]一実施形態においては、本発明は、親ポリメラーゼよりも大きい伸長速度を有する改変ポリメラーゼを提供する。一部の実施形態においては、改変ポリメラーゼの伸長速度は、親ポリメラーゼよりも1.5倍〜5倍大きい。一部の実施形態においては、伸長速度は、親ポリメラーゼよりも少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍大きい。
[10]別の実施形態においては、改変ポリメラーゼは、配列番号1または11のポリメラーゼと比較した場合により短い平均待機時間を有する。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、配列番号1のポリメラーゼと比較した場合により短い平均待機時間を有する。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、配列番号11のポリメラーゼと比較した場合により短い平均待機時間を有する。一実施形態においては、改変ポリメラーゼは、3秒未満の平均待機時間を有する。
[11]全ての実施形態において、ポリメラーゼバリアントは、配列番号1との少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、好ましくは、95%、96%、97%、98%または99%、あるいはそれより高い配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。
[12]本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明および具体例は本発明の好ましい実施形態を示すが、この詳細な説明から本発明の範囲および趣旨内の様々な変化および改変が当業者に明らかになるので、詳細な説明および具体例は単に説明として提供するものであることを理解するべきである。
[13]エキソヌクレアーゼアッセイまたは置換アッセイのいずれかにおいて使用する例示的な鋳型を示す図である(上図)。実施例3および4に関するものである。下図はローリングサークルアッセイを示す。実施例5に関するものである。 [14]エキソヌクレアーゼアッセイの結果を示す図である。示したバリアントの2つの複製についての経時変化を示す。親ポリメラーゼを対照とした。全ての変異ポリメラーゼはエキソヌクレアーゼ活性の低減を示すか、またはエキソヌクレアーゼ活性を示さない。実施例3に関するものである。 [15]置換アッセイの結果を示す図である。示したバリアントの2つの複製についての経時変化を示す。対照は図1におけるものと同一である。L125Kを除いて、試験した全ての変異体はこの図において伸長/置換活性を示している。実施例4に関するものである。 [16]ローリングサークルアッセイの結果を示す図である。アガロースゲルの写真を示している。L125Kを除くバリアントは活性を示している。右レーンおよび左レーンには参考用の分子ラダーがある。黄色の線は、配列番号8のポリメラーゼによって産生される期待される伸長産物が見られることになる場所を表す。実施例5に関するものである。 [17]ローリングサークルアッセイの結果を示す図である。アガロースゲルの写真を示している。レーン1および20には参考用の分子ラダーがある。レーン8(F6)はY212Kである。バリアントは、図1および図2に示される英数字の参照番号を用いて特定される。黄色の線は、配列番号8のポリメラーゼによって生産される期待される発現産物が見られることになる場所を表す。実施例5に関するものである。
[18]これより、以下の定義および例を使用して、単なる参照として本発明を詳細に説明する。本明細書において参照するあらゆる特許および刊行物は、このような特許および刊行物で開示されているあらゆる配列を含めて、参照によって本明細書に明示的に組み入れられる。
[19]本明細書において別段の定めがない限り、本明細書中で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。Singletonら、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY、第2版、John Wiley and Sons、New York(1994)、およびHale&Marham、THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY、Harper Perennial、NY(1991)により、本発明で使用する用語の多くの一般的な辞書が当業者に与えられる。本明細書において説明する方法および材料と類似または等価である任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を説明する。当技術分野の定義および用語について、Sambrookら、1989年、およびAusubel FMら、1993年が実施者らに特に向くものである。方法、プロトコールおよび試薬は様々であり得るので、本発明は、記載する特定の方法、プロトコールおよび試薬に限定されないことを理解するべきである。
[20]数の範囲は、範囲を定める数を含める。約という用語は、本明細書においては、値のプラスまたはマイナス10パーセント(10%)を意味するよう使用する。例えば「約100」は、90〜110の間の任意の数を指す。
[21]別段に示されていない限り、核酸は5’〜3’の方向でそれぞれ左から右に書き、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの方向でそれぞれ左から右に書く。
[22]本明細書において示している見出しは、本発明の様々な態様または実施形態を限定するものではなく、本発明は、明細書を全体として参照によって理解され得る。したがって、直下で定義する用語は、明細書を全体として参照によってより充分に定義される。
定義:
[23]アミノ酸:本明細書において使用する場合、「アミノ酸」という用語は、広義には、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態においては、アミノ酸は、一般構造HN−C(H)(R)−COOHを有する。一部の実施形態においては、アミノ酸は、天然由来のアミノ酸である。一部の実施形態においては、アミノ酸は合成アミノ酸であり、一部の実施形態においては、アミノ酸はD−アミノ酸であり、一部の実施形態においては、アミノ酸はL−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然由来のペプチドにおいて一般に見出される20種の標準的なL−アミノ酸のいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、合成により調製されるものであるか天然源から得られるものであるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。本明細書において使用する場合、「合成アミノ酸」は化学修飾アミノ酸を包含し、化学修飾アミノ酸としては、塩、アミノ酸誘導体(アミドなど)、および/または置換体が含まれるが、これらに限定されない。ペプチドのカルボキシ末端アミノ酸および/またはアミノ末端アミノ酸を含めたアミノ酸は、それらの活性に悪影響を及ぼすことなく、メチル化、アミド化、アセチル化、および/または、他の化学物質での置換によって修飾することができる。アミノ酸は、ジスルフィド結合に関与することができる。「アミノ酸」という用語は、「アミノ酸残基」と互換的に使用され、遊離アミノ酸、および/またはペプチドのアミノ酸残基を指すことができる。その用語が遊離アミノ酸、またはペプチドの残基のいずれを指すかは、その用語が使用される文脈から明らかになる。本明細書においては、全てのアミノ酸残基配列は、左右の方向が、アミノ末端からカルボキシ末端への従来の方向になっている式によって示していることに留意するべきである。
[24]塩基対(bp):本明細書において使用する場合、塩基対は、2本鎖DNA分子におけるアデニン(A)とチミン(T)、またはシトシン(C)とグアニン(G)との結び付きを指す。
[25]相補的:本明細書において使用する場合、「相補的」という用語は、塩基対形成による2本のポリヌクレオチド鎖の領域間、または2つのヌクレオチド間の配列相補性の広範な概念を指す。アデニンヌクレオチドが、チミンまたはウラシルであるヌクレオチドと特異的な水素結合を形成(「塩基対形成」)することができることは公知である。同様に、シトシンヌクレオチドがグアニンヌクレオチドと塩基対形成することができることは公知である。
[26]DNA結合親和性:本明細書において使用する場合、「DNA結合親和性」という用語は、典型的には、DNA核酸に結合することにおけるDNAポリメラーゼの活性を指す。一部の実施形態においては、DNA結合活性は、2バンドシフトアッセイにおいて測定することができる。例えば、Sambrookら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY)の9.63〜9.75(核酸の末端標識について記載)を参照のこと。結合バッファー(リン酸ナトリウムバッファー(pH8.0)50mM、グリセロール10%、KCl25mM、MgCl 25mM)約10μl中に少なくとも約0.5μgのポリペプチドを含有する反応混合物を調製する。反応混合物を10分間、37℃に加熱する。標識した2本鎖核酸約1×10〜5×10cpm(または約0.5〜2ng)を反応混合物に加え、さらに10分間インキュベートする。反応混合物を、0.5倍トリスホウ酸バッファー中の未変性ポリアクリルアミドゲルに載せる。反応混合物を室温で電気泳動に付す。ゲルを乾燥させ、標準的な方法を使用してオートラジオグラフィーに付す。標識した2本鎖核酸の移動度において検出可能な減少がある場合は、ポリペプチドと2本鎖核酸の間に結合複合体が形成していることを示す。このような核酸結合活性は、標準的な濃度測定法を使用して、最初の反応混合物における放射能の総量と比較した結合複合体における放射能の量を測定することにより、定量することができる。DNA結合親和性を測定する他の方法は、当技術分野において公知である(例えば、Kongら(1993)J.Biol.Chem.268(3):1965〜1975を参照のこと)。
[27]伸長速度:本明細書において使用する場合、「伸長速度」という用語は、DNAポリメラーゼがポリマー鎖を伸ばす平均速度を指す。本明細書において使用する場合、高伸長速度は、2nt/sより大きい(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140nt/sより大きい)伸長速度を指す。本出願において使用する場合、「伸長速度」、「伸長速度」、および「組み込み速度」という用語は互換的に使用する。
[28]酵素活性:本明細書において使用する場合、「酵素活性」という用語は、DNAポリメラーゼの特異性および効率を指す。DNAポリメラーゼの酵素活性は「ポリメラーゼ活性」とも呼ばれ、典型的には、ポリヌクレオチドの鋳型特異的合成を触媒することにおけるDNAポリメラーゼの活性を指す。ポリメラーゼの酵素活性は、当技術分野で公知の様々な技術および方法を用いて測定することができる。例えば、ポリメラーゼの段階希釈物を、希釈バッファー(例えば、Tris.Cl、pH8.0 20mM、KCl50mM、NP40 0.5%、およびTween−20 0.5%)中で調製することができる。各希釈物について5μlを取り出し、TAPS(pH9.25)25mM、KCl50mM、MgCl 2mM、dATP0.2mM、dGTP0.2mM、dTTP0.2mM、dCTP0.1mM、活性化DNA12.5μg、[α−32P]dCTP(0.05μCi/nmol)100μM、および滅菌脱イオン水を含有する反応混合物45μlに加えることができる。反応混合物を37℃(または、熱安定性DNAポリメラーゼでは74℃)で10分間インキュベートし、次いで反応物を4℃に急冷して、氷冷した60mM EDTA10μlを加えることによって停止させることができる。各反応混合物からアリコート25μlを取り出すことができる。組み込まれなかった放射能標識dCTPを、ゲルろ過(Centri−Sep、Princeton Separations、Adelphia、N.J.)によって各アリコートから取り出すことができる。カラム溶離液を、シンチレーション液(1ml)と混合することができる。シンチレーションカウンターを用いてカラム溶離液中の放射能を定量化して、ポリメラーゼによって合成された産物の量を決定する。ポリメラーゼ活性の1単位は、30分間に10nモルの産物を合成するために必要なポリメラーゼの量として定義することができる(Lawyerら(1989)J.Biol.Chem.264:6427〜647)。ポリメラーゼ活性を測定する他の方法は、当技術分野で公知である(例えば、Sambrookら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY)を参照のこと)。
[29]精製された:本明細書において使用する場合、「精製された」は、分子が、含有されている試料の少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%の濃度で試料中に存在することを意味する。
[30]単離された:「単離された」分子は、通常、例えば分子の自然環境で会合している少なくとも1種の他の分子から分離されている核酸分子である。単離された核酸分子としては、その核酸分子を通常発現する細胞に含有された核酸分子が挙げられるが、その核酸分子は、染色体外、またはその自然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
[31]相同性%:本明細書においては、「相同性%」という用語は、本明細書の「同一性%」という用語と互換的に使用し、本発明のポリペプチドのいずれか1つをコードする核酸配列、または本発明のポリペプチドのアミノ酸配列の間での、配列アライメントプログラムを使用して整列させた場合の核酸またはアミノ酸配列の同一性のレベルを指す。
[32]例えば、本明細書において使用する場合、相同性80%は、定義済みのアルゴリズムによって決定される配列同一性80%と同じことを意味し、したがって所与の配列の相同体は、所与の配列ある長さにわたって80%超の配列同一性を有する。配列同一性の例示的なレベルとしては、所与の配列、例えば本明細書に記載する本発明のポリペプチドのいずれか1つのコード配列との80、85、90、95、98%以上の配列同一性が挙げられるが、これらに限定されない。
[33]2つの配列間の同一性を決定するのに使用することができる例示的なコンピュータープログラムとしては、インターネット上で公開されている一連のBLASTプログラム、例えば、BLASTN、BLASTX、およびTBLASTX、BLASTP、およびTBLASTNが挙げられるが、これらに限定されない。Altschulら、1990年、およびAltschulら、1997年、も参照のこと。
[34]配列検索は、GenBankのDNA配列および他の公開データベースの核酸配列と比較して所与の核酸配列を評価する場合には、典型的にはBLASTNプログラムを使用して行う。BLASTXプログラムは、GenBankのタンパク質配列および他の公開データベースのアミノ酸配列に対して、全ての読み枠で翻訳されている核酸配列を検索することに好ましい。BLASTNとBLASTXの両方は、11.0のオープンギャップペナルティー、および1.0のエクステンディッドギャップペナルティーのデフォルトパラメーターを使用し、BLOSUM−62マトリックスを利用して走らせる。(例えば、Altschul,S.F.ら、Nucleic Acids Res.25:3389〜3402、1997年を参照のこと。)
[35]2つ以上の配列間での「同一性%」を決定するための、選択された配列の好ましいアライメントは、例えば、MacVectorバージョン13.0.7のCLUSTAL−Wプログラムを使用し、10.0のオープンギャップペナルティー、0.1のエクステンディッドギャップペナルティーを含むデフォルトパラメーター、およびBLOSUM30類似度マトリックスを用いて動作させて行う。
[36]改変DNAポリメラーゼ:本明細書において使用する場合、「改変DNAポリメラーゼ」という用語は、別の(すなわち、親)DNAポリメラーゼから生じ、親DNAポリメラーゼと比較して1つまたは複数のアミノ酸の変化(例えば、アミノ酸の置換、欠失または挿入)を含有するDNAポリメラーゼを指す。一部の実施形態においては、本発明の改変DNAポリメラーゼは、天然由来のDNAポリメラーゼ、または野生型DNAポリメラーゼから生じるか、またはそれから改変されている。一部の実施形態においては、本発明の改変DNAポリメラーゼは、組換えDNAポリメラーゼまたは操作されたDNAポリメラーゼから生じるか、またはそれから改変されている。組換えDNAポリメラーゼまたは操作されたDNAポリメラーゼとしては、キメラDNAポリメラーゼ、融合DNAポリメラーゼ、または別の改変DNAポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、改変DNAポリメラーゼは、親ポリメラーゼと比較して変更された表現型を少なくとも1つ有する。
[37]変異:本明細書において使用する場合、「変異」という用語は、親配列に導入された変更を指し、その変更としては、置換、挿入、欠失(切り詰めを含める)が挙げられるが、これらに限定されない。変異の結果としては、親配列によってコードされるタンパク質では見出されない新しいまたは変化した特性、特質、機能、表現型、または形質の創造が挙げられるが、これらに限定されない。
[38]変異体:本明細書において使用する場合、「変異体」という用語は、親タンパク質と比較した場合に変化した特性を示す改変タンパク質を指す。「バリアント」および「変異体」という用語は、本明細書において互換的に使用する。
[39]野生型:本明細書において使用する場合、「野生型」という用語は、天然由来の供給源から単離された際に、その遺伝子または遺伝子産物の特性を有する遺伝子または遺伝子産物を指す。
[40]忠実度:本明細書において使用する場合、「忠実度」という用語は、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA重合の精度、または、鋳型DNAに結合している誤ったヌクレオチドに対する正しいヌクレオチドのkoffの測定差異のいずれかを指す。DNAポリメラーゼの忠実度は、典型的には、エラー率(不正確なヌクレオチド、すなわち、鋳型依存的な方式で組み込まれていないヌクレオチドを組み込む頻度)によって測定する。DNA重合の精度または忠実度は、DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性と3’−5’エキソヌクレアーゼ活性の両方によって維持される。「高忠実度」という用語は、4.45×10−6変異/nt/倍加未満(例えば、4.0×10−6、3.5×10−6、3.0×10−6、2.5×10−6、2.0×10−6、1.5×10−6、1.0×10−6、0.5×10−6変異/nt/倍加未満)のエラー率を指す。DNAポリメラーゼの忠実度またはエラー率は、当技術分野で公知のアッセイを使用して測定することができる。例えば、DNAポリメラーゼのエラー率は、本明細書に記載するように試験するか、またはJohnsonら、Biochim Biophys Acta.2010年5月;1804(5):1041〜1048において記載されているように試験することができる。
[41]ナノポア:本明細書において使用する場合、「ナノポア」という用語は概して、膜に形成された、または他の方法で膜に与えられた細孔、チャネル、または通路を指す。膜は、脂質二重層などの有機膜であっても、ポリマー材料で形成された膜などの合成膜であってもよい。膜はポリマー材料としてもよい。ナノポアは、例えば相補型金属酸化膜半導体(CMOS)回路または電界効果トランジスター(FET)回路などの検出回路、または検出回路に連結された電極に隣接して、またはその近傍に配置してもよい。一部の例においては、ナノポアは、0.1ナノメートル(nm)〜約1000nmの桁の特徴的な幅または直径を有する。一部のナノポアはタンパク質である。アルファ溶血素、MspAは、タンパク質ナノポアの例である。
[42]ヌクレオチド:本明細書において使用する場合、DNAまたはRNAの単量体ユニットは、糖部分(ペントース)、リン酸、および窒素含有複素環塩基からなる。塩基はグリコシドの炭素(ペントースの1’炭素)を介して糖部分に連結され、その塩基と糖の組合せがヌクレオシドである。ヌクレオシドが、ペントースの3’位または5’位に結合したリン酸基を含有する場合、それはヌクレオチドと呼ばれる。作用的に連結されたヌクレオチドの配列は、本明細書においては典型的に「塩基配列」または「ヌクレオチド配列」と呼び、本明細書においては、左から右への方向が、5’末端から3’末端への従来の方向になっている式によって表す。本明細書において使用する場合、「改変ヌクレオチド」は、ヌクレオチドポリリン酸、例えば、ヌクレオチド3、4、5、6、7、または8リン酸を指す。
[43]オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド:本明細書において使用する場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2つ以上、好ましくは3つ超のデオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチドを含む分子として定義される。その正確なサイズは多くの因子に依存し、その因子はさらにはオリゴヌクレオチドの最終的な機能または用途に依存することになる。オリゴヌクレオチドは、合成によって、またはクローニングによって得ることができる。本明細書において使用する場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、鎖内で共有結合したヌクレオチド単量体で構成されたポリマー分子を指す。DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)は、ポリヌクレオチドの例である。
[44]ポリメラーゼ:本明細書において使用する場合、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合を触媒する(すなわち、ポリメラーゼ活性)酵素を指す。通常、その酵素は、ポリヌクレオチドの鋳型配列にアニーリングしたプライマーの3’末端で合成を開始し、鋳型鎖の5’末端へ進行することになる。「DNAポリメラーゼ」は、デオキシヌクレオチドの重合を触媒する。
[45]プライマー:本明細書において使用する場合、「プライマー」という用語は、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下に置かれた場合、例えば、好適な温度における適切なバッファー(「バッファー」は、pH、イオン強度、補助因子などを含む)中の4種の異なるヌクレオチド三リン酸および熱安定性酵素の存在下で、核酸合成の開始点の役割を果たすことができる、天然に存在しているものであっても合成によって生成されたものであってもよいオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、増幅効率を最大にするために1本鎖であることが好ましいが、代替的に2本鎖であってもよい。2本鎖の場合、プライマーは、まず、その鎖が分離するよう処理し、その後、伸長産物の調製に使用する。プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドであることが好ましい。プライマーは、熱安定性酵素の存在下での伸長産物の合成の出発物質となるのに充分な長さでなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源、および方法の用途を含めた多くの因子に依存することになる。例えば、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプライマーは典型的には15〜25ヌクレオチドを含有するが、それよりも多いか、または少ないヌクレオチドを含有することができる。短いプライマー分子は概して、鋳型と充分に安定なハイブリッド複合体を形成するにはより低い温度を必要とする。
[46]処理能力:本明細書において使用する場合、「処理能力」は、鋳型に付いてとどまり、複数の改変反応を行うポリメラーゼの能力を指す。「改変反応」としては、重合、およびエキソヌクレアーゼ的切断が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態においては、「処理能力」は、成長しているDNA鎖から酵素が途中で解離することなく一連の重合工程を行うDNAポリメラーゼの能力を指す。典型的には、DNAポリメラーゼの「処理能力」は、成長しているDNA鎖からDNAポリメラーゼが途中で解離することなく重合または改変されるヌクレオチドの長さ(例えば、20nt、300nt、0.5〜1kb以上)によって測定する。「処理能力」は、ポリメラーゼの性質、DNA鋳型の配列、および反応条件、例えば、塩濃度、温度、または特定のタンパク質の存在に依存し得る。本明細書において使用する場合、「高処理能力」という用語は、鋳型との1会合/解離当たり20nt超(例えば、40nt超、60nt超、80nt超、100nt超、120nt超、140nt超、160nt超、180nt超、200nt超、220nt超、240nt、260nt超、280nt超、300nt超、320nt超、340nt超、360nt超、380nt超、400nt超、またはそれ以上)の処理能力を指す。処理能力は、本明細書およびWO01/92501A1(MJ Bioworks,Inc.、Improved Nucleic Acid Modifying Enzymes、2001年12月06日公開)において定義された方法に従って測定することができる。
[47]鎖置換:本明細書において使用する場合、「鎖置換」という用語は、本明細書において記載するように鎖置換活性アッセイを用いて測定される、新生DNA鎖の合成中に出会う下流のDNAを置換するポリメラーゼの能力を意味する。DNAポリメラーゼは、様々な程度の鎖置換活性を有することができる。
[48]合成:本明細書において使用する場合、「合成」という用語は、鋳型依存的な方式で、新しいポリヌクレオチド鎖を作製するか、または現存するポリヌクレオチド(すなわち、DNAまたはRNA)を伸長する任意のインビトロ方法を指す。本発明による合成には、ポリメラーゼを使用してポリヌクレオチド鋳型配列の複製物の数を増加させる増幅が含まれる。ポリヌクレオチドの合成(例えば、増幅)の結果、ヌクレオチドがポリヌクレオチド(すなわちプライマー)に組み込まれ、それによってポリヌクレオチド鋳型に相補的な新しいポリヌクレオチド分子が形成される。形成されたポリヌクレオチド分子およびその鋳型は、さらなるポリヌクレオチド分子を合成するための鋳型として使用することができる。本明細書において使用する場合、「DNA合成」には、PCR、ポリヌクレオチドの標識(すなわち、プローブおよびオリゴヌクレオチドプライマーに対して)、ポリヌクレオチドシーケンシングが含まれるが、これらに限定されない。
[49]鋳型DNA分子:本明細書において使用する場合、「鋳型DNA分子」という用語は、例えばプライマー伸長反応において、DNAポリメラーゼによって相補的な核酸鎖が合成される核酸鎖を指す。
[50]鋳型依存的な方式:本明細書において使用する場合、「鋳型依存的な方式」という用語は、鋳型依存的なプライマー分子の伸長(例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成)を含むプロセスを指す。「鋳型依存的な方式」という用語は、典型的には、新たに合成されるポリヌクレオチド鎖の配列が、相補的な塩基対形成の周知の規則によって規定される、RNAまたはDNAのポリヌクレオチドの合成を指す(例えば、Watson,J.D.ら、Molecular Biology of the Gene、第4版、W.A.Benjamin,Inc.、Menlo Park、Calif.(1987)を参照のこと)。
[51]タグ:本明細書において使用する場合、「タグ」という用語は、原子もしくは分子、または、原子もしくは分子の集団としてもよい検出可能な部分を指す。タグは、光学的、電気化学的、磁気的、または静電的(例えば、誘導的、容量的)性状を示すことができ、その性質は、ナノポアを利用して検出することができる。
[52]タグ付きヌクレオチド:本明細書において使用する場合、「タグ付きヌクレオチド」という用語は、タグが付けられたヌクレオチドまたは改変ヌクレオチドを指す。タグは、糖、リン酸(もしくはポリリン酸)、または塩基に共有結合で付けてもよい。タグは、末端リン酸上にあってもよい。
[53]ベクター:本明細書において使用する場合、「ベクター」という用語は、異なる宿主細胞間の移動用に設計された核酸構造物を指す。「発現ベクター」は、外来性細胞において異種DNA断片を組み込んで発現する能力を有するベクターを指す。多くの原核生物発現ベクターおよび真核生物発現ベクターが市販されている。適切な発現ベクターの選択は、当業者に知られている。
[54]本明細書において示すポリメラーゼバリアントは、WO2013/188841(Genia Technologies,Inc.、Chip Set−Up and High−Accuracy Nucleic Acid Sequencing、2013年12月19日公開)において記載されている、チップを用いたポリヌクレオチドシーケンシングに有用である。
[55]DNAのシーケンシングに用いられるポリメラーゼの望ましい特性は、以下のとおりである。
a.遅いkoff(ヌクレオチドに対して)
b.速いkon(ヌクレオチドに対して)
c.高忠実度
d.低エキソヌクレアーゼ活性
e.DNA鎖置換
f.kchem
g.向上した安定性
h.処理能力
i.塩耐性
j.ナノポアへの取付けの適合性
k.4、5、6、7、または8個のリン酸を有するヌクレオチドポリリン酸、例えばヌクレオチド四リン酸、ヌクレオチド五リン酸、ヌクレオチド六リン酸、ヌクレオチド七リン酸、またはヌクレオチド八リン酸を組み込む能力
l.シーケンシング精度
m.長いリード長、すなわち長時間連続性解読。
命名法
[56]本明細書および特許請求の範囲において、アミノ酸残基の従来の1文字表記および3文字表記を使用する。
[57]参照を容易にするため、本出願のポリメラーゼバリアントは、以下の命名法を使用して記載する。
[58]元のアミノ酸(1つまたは複数):位置(1つまたは複数):置換したアミノ酸(1つまたは複数)。この命名法によれば、例えば、位置242におけるセリンのアラニンによる置換は、
Ser242AlaまたはS242A
として示す。
[59]複数の変異はプラス記号によって分ける。すなわち、
Ala30Asp+Glu34SerまたはA30N+E34S
は、位置30および34における、アラニンとグルタミン酸をそれぞれアスパラギンとセリンに置換する変異を表す。
[60]1つまたは複数の代替アミノ酸残基を所与の位置に挿入することができる場合は、A30N/E、またはA30NもしくはA30Eとして示す。
[61]別段に述べられていない限り、残基の番号付けは配列番号2(Hisタグ付きPol6)に関するものである。
ポリメラーゼの部位特異的突然変異誘発
[62]クロストリジウムファージphiCPV4野生型配列は、本明細書において示しており(配列番号3、核酸コード領域およびHisタグ;配列番号1、アミノ酸配列)、他の場所で入手可能である(National Center for BioinformaticsまたはGenBank受入番号AFH27113)。親ポリメラーゼは、配列番号1もしくは11、または以下のpol6バリアントのいずれかから選択することができる。
Figure 0006959931
Figure 0006959931
[63]点変異は、QuikChange Lightning2キット(Stategene/Agilent)を使用して、製造業者の指示書またはNEB Q5突然変異誘発プロトコールに従って導入することができる。
[64]一実施形態においては、配列番号1、8、または親ポリメラーゼと比較して変化した酵素活性を有するバリアントポリメラーゼは、
a. T45G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
b. H123G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
c. L125G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
d. W127G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
e. D128G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
f. Y212G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
g. E219G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
h. E239G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
i. D241G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
j. Y242G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F、
k. Y259G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/Fまたは
l. Q260G/A/L/E/Q/K/H/S/Y/R/W/T/M/F
から選択される変異を有する。
[65]プライマーは、営利会社、例えばIDT DNAに注文することができる。
ナノポア構築および挿入
[66]本明細書において記載する方法は、ポリメラーゼがナノポアに付いたナノポアを使用することができる。一部の場合においては、(例えば、各ナノポアで1つのみの核酸分子がシーケンシングされるように)ナノポア1つ当たりただ1つのポリメラーゼを有することが望ましい。しかしながら、例えばアルファ溶血素(aHL)を含めた多くのナノポアは、複数のサブユニット(例えば、aHLでは7サブユニット)を有する多量体タンパク質であり得る。サブユニットは、同じポリペプチドの同一複製物であり得る。本明細書においては、無改変サブユニット(例えば、a−HL)に対する改変サブユニット(例えば、a−HLバリアント)の規定された比を有する多量体タンパク質(例えば、ナノポア)を提供する。本明細書においては、無改変サブユニットに対する改変サブユニットの規定された比を有する多量体タンパク質(例えば、ナノポア)を作製する方法も提供する。
[67]WO2014/074727(Genia Technologies,Inc.)の図27を参照すると、複数のサブユニットを有するタンパク質を構築する方法は、複数の第1のサブユニット2705を用意すること、および複数の第2のサブユニット2710を用意することを含み、第2のサブユニットは第1のサブユニットと比較すると改変されている。一部の場合においては、第1のサブユニットは野生型(例えば、天然源から精製したもの、または組換えで作製したもの)である。第2のサブユニットは、任意の好適な方法で改変することができる。一部の場合においては、第2のサブユニットは、(例えば、融合タンパク質として)付けられたタンパク質(例えば、ポリメラーゼ)を有する。
[68]改変サブユニットは、化学反応性部分(例えば、連結の形成に好適なアジド基またはアルキン基)を含むことができる。一部の場合においては、当該方法は、反応(例えば、Click化学付加環化)を行って、実在物(例えば、ポリメラーゼ)を化学反応性部分に付けることをさらに含む。
[69]当該方法は、第1のサブユニットを第2のサブユニット2715と第1の比で接触させて、第1のサブユニットおよび第2のサブユニットを有する複数のタンパク質2720を形成させることをさらに含むことができる。例えば、ポリメラーゼを付けるのに好適な反応基を有する改変aHLサブユニット1部を、野生型aHLサブユニット6部と混合することができる(すなわち、第1の比は1:6である)。複数のタンパク質は、第2のサブユニットに対する第1のサブユニットの複数の比を有することができる。例えば、混合したサブユニットは、改変サブユニット:無改変サブユニットの化学量論比(例えば、1:6、2:5、3:4)の分布を有するいくつかのナノポアを形成させることができる。
[70]一部の場合においては、タンパク質は、サブユニットを単純に混合することによって形成させる。例えばaHLナノポアの場合においては、界面活性剤(例えば、デオキシコール酸)は、aHL単量体が細孔構造をとることを引き起こすことができる。ナノポアは、脂質(例えば、1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPhPC)または1,2−ジ−O−フィタニル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DoPhPC))、および中温(例えば、約100℃未満)を用いて形成させることもできる。一部の場合においては、DPhPCを緩衝溶液と混合すると、大きな多重膜ベシクル(LMV)が生じ、この溶液にaHLサブユニットを加えて、混合物を40℃で30分間インキュベートすると、細孔が形成する。
[71]異なる2種類のサブユニット(例えば、天然野生型タンパク質と、単一点変異を含有することができる第2のaHL単量体)を使用する場合、得られるタンパク質は、(例えば野生型と変異体タンパク質の)混合化学量論比を有することができる。これらのタンパク質の化学量論比は、細孔形成反応において使用する2種のタンパク質の濃度比に依存した式に従うことができる。この式は以下のとおりである。
100P=100[n!/m!(n−m)!]・fmut ・fwt n〜m、式中
=m個の変異体サブユニットを有する細孔の確率
n=サブユニットの総数(例えば、aHLでは7個)
m=「変異体」サブユニットの数
mut=一緒に混合した変異体サブユニットの割合または比
wt=一緒に混合した野生型サブユニットの割合または比
[72]当該方法は、複数のタンパク質を分画して、第2のサブユニット2725に対する第1のサブユニットの第2の比を有するタンパク質の割合を増やすことをさらに含むことができる。例えば、ただ1つの改変サブユニットを有するナノポアタンパク質を単離することができる(例えば、第2の比は1:6)。しかしながら、いずれの第2の比も好適である。第2の比の分布も分画することができ、例えば、1つまたは2つのいずれかの改変サブユニット有するタンパク質の割合を増やすことができる。WO2014/074727の図27に示されているように、タンパク質を形成するサブユニットの総数は7個であるとは限らない(例えば、異なるナノポアを使用することができ、または6個のサブユニットを有するアルファ溶血素ナノポアが形成し得る)。一部の場合においては、1つのみの改変サブユニットを有するタンパク質の割合を増やす。このような場合においては、第2の比は、第1のサブユニット(n−1)個当たり、第2のサブユニット1個であり、nはタンパク質を構成するサブユニットの数である。
[73]第1の比は、第2の比と同じものとすることができるが、必要とされるものではない。一部の場合においては、変異単量体を有するタンパク質は、変異サブユニットを有しないタンパク質よりも低い効率で形成し得る。この場合は、第1の比は、第2の比よりも大きいものとすることができる(例えば、変異サブユニット1:無変異サブユニット6の第2の比がナノポアで所望される場合、好適な数の1:6タンパク質を形成させるには、1:6よりも大きい比でサブユニットを混合することが必要とされてもよい)。
[74]異なる第2のサブユニット比を有するタンパク質は、分離において、異なる挙動を示す(例えば、異なる保持時間を有する)ことができる。一部の場合においては、タンパク質は、イオン交換クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを使用して分画する。第1および第2のサブユニットは、改変を除いては同一とすることができるので、タンパク質における改変の数は、分離の根拠として役割を果たすことができる。一部の場合においては、第1または第2のサブユニットのいずれかは、分画を可能にするか、または分画の効率を改良するよう、(例えば、改変に加えて)精製タグを有する。一部の場合においては、ポリヒスチジンタグ(Hisタグ)、ストレプトアビジンタグ(Strepタグ)、または他のペプチドタグを使用する。一部の例においては、第1および第2のサブユニットはそれぞれ異なるタグを含み、分画工程では、各タグに基づき分画される。Hisタグの場合には、低いpHでタグに電荷を生じさせる(ヒスチジン残基は、側鎖のpKa未満で正に荷電する)。他のものと比較してaHL分子の1つにおいて電荷が有意に異なることにより、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、0、1、2、3、4、5、6、または7個の「電荷タグ付き」aHLサブユニットを有するオリゴマーを分離することができる。原則的に、この電荷タグは、一定の電荷を運ぶ任意のアミノ酸が糸状に連なるものとすることができる。図28および図29では、Hisタグに基づくナノポアの分画の例が示されている。図28では、280ナノメートルにおける紫外吸光度、260ナノメートルにおける紫外吸光度、および伝導率のプロットが示されている。ピークは、改変サブユニットと無改変サブユニットの様々な比を有するナノポアに一致する。WO2014/074727の図29では、HisタグとStrepタグの両方を使用した、aHLナノポアおよびその変異体の分画が示されている。
[75]一部の場合においては、分画後に、実在物(例えば、ポリメラーゼ)をタンパク質に付ける。タンパク質はナノポアとすることができ、実在物はポリメラーゼとすることができる。一部の例においては、当該方法は、第2の比のサブユニットを有するタンパク質を二重層に挿入することをさらに含む。
[76]一部の状況においては、ナノポアは、複数のサブユニットを含むことができる。ポリメラーゼは、サブユニットの1つに付けることができ、サブユニットの少なくとも1つかつ全部未満が、第1の精製タグを含む。一部の例においては、ナノポアはアルファ溶血素またはそのバリアントである。一部の例においては、サブユニットの全てが第1の精製タグまたは第2の精製タグを含む。第1の精製タグは、(例えば、ポリメラーゼが付いたサブユニットにおける)ポリヒスチジンタグとすることができる。
ナノポアに付けられたポリメラーゼ
[77]一部の場合においては、ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)は、ナノポアに付けられ、かつ/または、ナノポアの近傍に配置される。ポリメラーゼは、ナノポアが膜に組み込まれる前または後に、ナノポアに付けることができる。一部の例においては、ナノポアおよびポリメラーゼは融合タンパク質(すなわち、単一のポリペプチド鎖)である。
[78]ポリメラーゼは、任意の好適な方法でナノポアに付けることができる。一部の場合においては、ポリメラーゼは、ナノポア(例えば、溶血素)タンパク質単量体に付け、その後、(例えば、ポリメラーゼが付いていないナノポア(例えば、溶血素)単量体6つに対し、ポリメラーゼが付いた単量体1つの比で)全体のナノポア七量体を構築する。次いでナノポア七量体を膜に挿入することができる。
[79]ポリメラーゼをナノポアに付ける別の方法は、溶血素単量体にリンカー分子を付けるか、または溶血素単量体を、取付け部位を有するよう変異させること、ならびに、その後、(例えば、リンカーおよび/または取付け部位を有しない溶血素単量体6つに対し、リンカーおよび/または取付け部位を有する単量体1つの比で)全体のナノポア七量体を構築することを含む。次いでポリメラーゼを、(例えば、膜への挿入前に、大量で)取付け部位または取付けリンカーに付けることができる。ポリメラーゼは、(例えば、七量体の)ナノポアを膜に形成させた後で、取付け部位または取付けリンカーに付けることもできる。一部の場合においては、複数のナノポア−ポリメラーゼペアを、バイオチップの(例えば、ウェルおよび/または電極に配置した)複数の膜に挿入する。一部の例においては、ポリメラーゼのナノポア複合体への取付けは、各電極上のバイオチップにおいて行う。
[80]ポリメラーゼは、任意の好適な化学作用(例えば、共有結合および/またはリンカー)を用いてナノポアに付けることができる。一部の場合においては、ポリメラーゼは、分子ステープル(molecular staple)を用いてナノポアに付ける。一部の例においては、分子ステープルは、3種のアミノ酸配列(リンカーA、B、およびCで示す)を含む。リンカーAは溶血素単量体から延びることができ、リンカーBはポリメラーゼから延びることができ、その場合にリンカーCは、リンカーAとリンカーBを(例えば、リンカーAとリンカーBの両方に巻き付くことによって)つなぐことができ、したがってポリメラーゼをナノポアとつなぐことができる。リンカーCは、リンカーAまたはリンカーBの一部分となるよう構築することもでき、したがってリンカー分子の数は減る。
[81]一部の例においては、ポリメラーゼは、Solulink(商標)化学を用いてナノポアに連結する。Solulink(商標)は、HyNic(6−ヒドラジノ−ニコチン酸、芳香族ヒドラジン)と4FB(4−ホルミル安息香酸エステル、芳香族アルデヒド)の間の反応とすることができる。一部の例においては、ポリメラーゼは、Click化学(例えば、LifeTechnologiesから入手可能)を用いてナノポアに連結する。一部の場合においては、溶血素分子にジンクフィンガー変異を導入し、次に分子(例えば、DNA中間体分子)を使用してポリメラーゼを溶血素のジンクフィンガー部位に連結する。
[82]ポリメラーゼをナノポアに付けることにおいて使用することができる他のリンカーは、直接の遺伝子連結(例えば、(GGGGS)1−3アミノ酸リンカー(配列番号12))、トランスグルタミナーゼ媒介連結(例えば、RSKLG(配列番号13))、ソルターゼ媒介連結、およびシステイン修飾による化学連結である。本明細書において有用であると考えられる具体的なリンカーは、(GGGGS)1−3(配列番号12)、N末端のKタグ(RSKLG(配列番号13))、ΔTEV部位(12〜25)、ΔTEV部位+SpyCatcherのN末端(12〜49)である。
装置のセットアップ
[83]ナノポアは、集積回路などの検出回路の検出電極に隣接して配置された膜に形成するか、または他の方法で埋め込んでもよい。集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)としてもよい。一部の例においては、集積回路は電界効果トランジスターまたは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)である。検出回路は、ナノポアを有するチップもしくは他のデバイスに位置するか、または、チップもしくはデバイスの外部に、例えばオフチップ配置などで位置することができる。半導体は任意の半導体とすることができ、IV族半導体(例えば、ケイ素)、およびIII−V族半導体(例えば、ヒ化ガリウム)が含まれるが、これらに限定されない。ヌクレオチドまたはタグを検出するための装置およびデバイスのセットアップについては、例えば、WO2013/123450を参照のこと。
[84]細孔を用いたセンサー(例えば、バイオチップ)は、単一分子の電子照合に使用することができる。細孔を用いたセンサーは、検出電極に隣接して、またはその近傍に配置された膜に形成された本開示のナノポアを含むことができる。センサーは対電極を含むことができる。膜は、トランス側(すなわち、検出電極に面する側)およびシス側(すなわち、対電極に面する側)を含む。
[85]この後の実験に関する開示においては、以下の略記が適用される:eq(当量);M(モル濃度);μM(マイクロモル濃度);N(規定);mol(モル);mmol(ミリモル);μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);g(グラム);mg(ミリグラム);kg(キログラム);μg(マイクログラム);L(リットル);ml(ミリリットル);μLまたはμl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル);μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);℃(摂氏度);h(時間);min(分);sec(秒);msec(ミリ秒);dN6P(デオキシヌクレオチド六リン酸)。
[86]実施例3〜5の親ポリメラーゼは、配列番号1においてT529M+S366A+A547Fの変異を含むもの(配列番号8)であった。
実施例1
定方向突然変異誘発
[87]この実施例では、pol6ポリメラーゼへの所望の位置での変異導入を説明している。
[88]Hisタグ付き野生型pol6をコードするDNAを、商業的供給源(DNA2.0、Menlo Park、California)から購入した。配列は、シーケンシングによって確かめた。
[89]変異体スクリーニング用に、ポリメラーゼをそのまま発現させた(N末端His−Pol6)。polがチップに付くことを試験するため、pol6のN末端またはC末端にSpyCatcherドメインを操作して入れた。
[90]Pol6−エキソヌクレアーゼ活性に影響を与える合理的位置は、公知の結晶構造のホモロジーモデリングに基づいて同定した。
[91]最初のスクリーニング用に、合理的位置の各々を、Q5突然変異誘発プロトコールを用いて、Gly、Ala、Leu、Glu、Gln、Lys、His、Tyr、Pro、Trp、Thr、Ser、Arg、PheまたはMetに変異させた。
[92]各突然変異誘発反応用のプライマーは、NEB塩基チェンジャープロトコールを用いて設計し、IDTに96ウェルプレートフォーマットで注文した。
[93]順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、NEBから購入したT4ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)を使用して、ハイスループット(HTP)フォーマットで5’リン酸化した。典型的な25μl反応物は、10μMのプライマー15μl、5倍反応バッファー(NEBより)5μl、PNK酵素1.25μl、水3.75μlを含有した。反応は37℃で30分間行い、酵素は65℃で20分間熱失活させた。
[94]PCR突然変異誘発は、NEBからのQ5DNAポリメラーゼを使用して行った。典型的な25μl反応物は、Q5バッファー5μl、GCエンハンサー5μl、10mM dNTP0.5μl、10μMリン酸化突然変異誘発順方向プライマーおよび逆方向プライマー1.25μl、Q5ポリメラーゼ0.25μl、および5ng/ml野生型Pol6鋳型、すなわちHis−Pol6 1μl、およびHO10.75μlを含有した。
[95]PCRが完了したら、Dpn1 0.5μlをPCRミックス25μlに加え、37℃で1時間インキュベートした。
[96]Dpn1で処理したPCR産物2.5μlをBlunt/TAリガーゼマスターミックス2.5μlに加える。室温で1時間インキュベートした。
[97]ライゲーションミックス1μlを、96ウェルBL21DE3細胞(EMD Millipore)20μlに加え、氷上で5分間インキュベートする。
[98]PCRデバイスを使用して、正確に30秒間、42℃で熱ショックを与え、氷上に2分間置く。
[99]SOC80μlを加え、37℃のインキュベーターで1時間、振盪せずにインキュベートする。
[100]SOCまたは超純水100μlを加え、カナマイシン50〜100μg/mlを含む48ウェルLB寒天プレートに蒔く。
実施例2
発現および精製
[101]以下の実施例では、pol6バリアントをハイスループット法を用いてどのように発現させて精製したかを詳しく述べる。
[102]pD441ベクター(発現プラスミド)中のバリアントをコードするDNAを、大腸菌(E. coli)コンピテント細胞に形質転換し、グリセロールストックを作製した。グリセロールストックから取った微量から開始し、グルコース0.2%およびカナマイシン100μg/mlを含むLBでスターター培養物1mlを約8時間増殖させた。対数期のスターター培養物25μlを、96ディープウェルプレートの発現培地1ml(グルコース0.2%、リン酸カリウム50mM、MgCl2 5mM、およびカナマイシン100μg/mlを追加したTerrific Broth(TB)自己誘導培地)に移す。プレートを、250〜300rpmで振盪しながら28℃で36〜40時間インキュベートした。
[103]次に細胞を、4℃で30分間、3200×gにて遠心分離して収集した。デカントして培地を除き、細胞ペレットをあらかじめ冷却した溶解バッファー200μl(リン酸カリウム20mM pH7.5、NaCl100mM、Tween20 0.5%、TCEP5mM、イミダゾール10mM、PMSF1mM、1×Bug Buster、リゾチーム100μg/ml、およびプロテアーゼ阻害剤)中で再懸濁させ、穏やかに撹拌しながら室温で20分間インキュベートした。次いで10倍ストックからの20μlを、最終濃度100μg/mlのDNase、5mMのMgCl2、100μg/mlのRNase Iに加え、氷上で5〜10分間インキュベートして溶解液を生成させる。溶解液に、1Mリン酸カリウム200μl、pH7.5(最終濃度は、溶解液400μl中の約0.5Mリン酸カリウムとなる)を追加し、4℃で10分間、約1500rpmにて遠心分離することによりPallフィルタープレート(部品番号5053、3ミクロンフィルター)でろ過する。次いで、澄んだ溶解液を、平衡化した96ウェルHis−Purコバルトプレート(Pierce部品番号90095)に入れ、15〜30分間結合させた。
[104]流出液(FT)を、500×Gにて3分間遠心分離することによって収集した。次いでFTを400μlの洗浄バッファー1(リン酸カリウム0.5M pH7.5、NaCl1M、TCEP5mM、イミダゾール20mM、およびTween20 0.5%)で3回洗浄した。次いでFTを400μlの洗浄バッファー2(トリス50mM pH7.4、KCl200mM、TCEP5mM、Tween20 0.5%、イミダゾール20mM)で2回洗浄した。
[105]Polを、溶出バッファー200μl(トリス50mM pH7.4、KCl200mM、TCEP5mM、Tween20 0.5%、イミダゾール300mM、グリセロール25%)を使用して溶出させ、1〜2分のインキュベーション後に収集した。溶離液を2〜3回、同じHis−Purプレートに再び入れて、溶離液中に濃縮したPol6を得る。精製したポリメラーゼは、SDS−PAGEで評価した場合に95%超の純度である。タンパク質濃度は、Nanodropによって評価した場合に約3uM(0.35mg/ml)であり、260/280比は0.6である。
[106]ポリメラーゼ活性は、蛍光置換アッセイによって確認する(実施例4を参照のこと)。
実施例3
エキソ活性アッセイ
[107]この実施例は、バリアントのエキソヌクレアーゼ活性を決定する方法を示す。
[108]アッセイは、蛍光に基づくアッセイである。ヌクレオチドの非存在下かつMg+2の存在下でポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性は開始される。ポリメラーゼはDNA鋳型から一つずつ残基を除去し始め、そしてそれがかみ続けると消光剤からフルオロフォアを放出し、シグナルを増加させる。図1を参照のこと。
[109]使用した配列は以下のとおりであった。
ヘアピン置換オリゴ(すなわち、ATTO−488置換鋳型)
5’−/5ATTO488N/AGA GTG ATA GTA TGA TTA TGT AGA TGT AGG ATT TGA TAT GTG AGT AGC CGA ATG AAA CCT TTG GTT TCA TTC GG−3’(配列番号6)
相補的オリゴのショート
5’−TTT TCA TAT CAA ATC CTA CAT CTA CAT AAT CAT ACT ATC ACT CT/3IABkFQ/−3’(配列番号7)
[110]使用したフルオロフォアは、Atto−488であった。使用した消光剤は、3’Iowa Black(登録商標)FQであった。以下のPCRプロトコールを用いてプライマーを1:1の比で鋳型にアニーリングさせる。
i. 95℃で5分間
ii. 93℃で50秒間、温度が61℃に達するまで2度/サイクルで減少させる
iii. 59℃で25秒間、温度が35℃に達するまで2度/サイクルで減少させる
次いで、使用まで4℃で保管した。
[111]バッファーA20μL(グルタミン酸カリウム75mM、HEPES25mM pH7.5、EDTA0.2mM、Triton X−100 0.05%、TCEP5mM、BSA25μg/ml、およびATTO−488置換鋳型50nM(プライマーにあらかじめアニーリングさせた)(最終濃度)、ポリメラーゼ5μL(最終濃度100nM)、ならびにバッファーB15μL(HEPES25mM pH7.5、グルタミン酸カリウム75mM、Triton X−100 0.05%、TCEP5mM、BSA25μg/ml、およびMgCl 5mM;最終濃度)を混合することによって、最終40μlの反応混合物を調製した。
[112]バッファーA20μLをポリメラーゼ5μLと混合し、室温で30分間インキュベートした。BMG LABTECHプレートリーダーを使用し、それがバッファーB15μLを加えることによって反応を開始させ、蛍光の増加を2時間にわたって8秒毎に測定(励起波長485nm、発光波長520nm)するようにプログラムした。対照と比較した場合に2時間にわたって蛍光シグナルの減少が観測された場合、さらなる研究のために変異体を選択した。
[113]選択バリアントの結果を図2に示す。
実施例4
置換アッセイ
[114]この実施例は、エキソヌクレアーゼ欠損(exo)バリアントの鎖置換活性を示す。
[115]鎖置換ポリメラーゼアッセイは、合成中に2本鎖DNAを通って移動する酵素の能力を測定する。このアッセイは蛍光に基づいており、伸長されなかったDNA鋳型の蛍光は弱く、伸長された鋳型はDNAの一部を置換し、それによりそれらは伸長されなかったDNA鋳型よりも強い蛍光を発する。図1を参照のこと。Mg2+およびヌクレオチドの存在下、ポリメラーゼはヘアピン鋳型に沿って伸長し、消光剤オリゴを置換して蛍光の増加をもたらす。
[116]使用したフルオロフォアはCy5であり、消光剤は3BHQ−2であった。
[117]使用した配列は以下のとおりであった。
ヘアピン置換オリゴ(すなわち、Cy5−置換鋳型)(配列番号4および14)
5−/5Cy5/AGA GTG ATA GTA TGA TTA TGT AGA TGT AGG ATT TGA TAT GTG AGT AGC CGA ATG AAA CCT T/iSpC3/TT GGT TTC ATT CGG−3
相補的オリゴのショート(配列番号5)
5’−TTT TCA TAA TCA TAC TAT CAC TCT/3BHQ_2/−3’
[118]バッファーA23μL(グルタミン酸カリウム75mM、HEPES25mM pH7.5、EDTA0.2mM、Triton X−100 0.05%、TCEP5mM、BSA25μg/ml、Cy5ショート鋳型、およびdN6P20μM(最終濃度)、ポリメラーゼ4μL(最終濃度100nM)、バッファーB10μL(HEPES25mM pH7.5、グルタミン酸カリウム300mM、Triton X−100 0.05%、TCEP5mM、BSA25μg/ml、およびMgCl 5mM;最終濃度)、および1Mグルタミン酸カリウム8μLを混合することによって、最終45μLの反応混合物を調製した。
[119]バッファーA23μLをPol4μLと混合し、室温で30分間インキュベートした。BMG LABTECHプレートリーダーを使用し、それが1M K−Glu8μLを加え、5秒間振盪し、5秒間待ち、バッファーB10μLを加えることによって反応を開始させ、100秒間、0.1秒毎に蛍光を測定(励起648nm、発光668nm)するようにプログラムした。
[120]次いで、変曲(infliction)までの時間、したがってkcatを計算した。
[121]例示的な置換結果を図3に示す。
実施例5
ローリングサークルアッセイ
[122]この実施例は、鎖置換、および、鋳型DNAに基づいて新しい鎖を合成するポリメラーゼの能力を決定する別の方法を示す。
[123]ローリングサークルアッセイ(RCA)は、環状鋳型DNAを使用して、多くの回数その環を回るDNAポリメラーゼの能力を試験するものである。このアッセイは別の種類の鎖置換アッセイであり、詳細には酵素の鎖置換活性を試験する。それは、ゲルを使用してそれらの移動パターンを測定することによりモニターする。典型的には、酵素がその環を周回する回数が多くなる程、それが合成するDNA片は大きくなり、生じる断片はゲル上をより遅く移動する。
[124]バッファーA20μL(グルタミン酸カリウム75mM、HEPES25mM pH7.5、EDTA0.2mM、Triton X−100 0.05%、TCEP5mM、BSA25μg/ml、プライマー(配列番号10)と複合化したHFCirc10 100nM(社内製の環状鋳型;配列番号9)、およびdN6P40μM;最終濃度)、ポリメラーゼ10μL、およびバッファーB20μL(HEPES25mM pH7.5、グルタミン酸カリウム300mM、Triton X−100 0.05%、TCEP5mM、BSA25μg/ml、およびMgCl 5mM;最終濃度)を混合することによって、最終50μLの反応混合物を調製した。
[125]バッファーA20μLをポリメラーゼ10μLと混合し、室温で30分間インキュベートした。バッファーB20μLを加えることによって反応を開始させた。上記混合物15μLをT=0、T=20分、およびT=40分の時点で取り出し、反応停止剤15μL(ホルムアミド、EDTA50mM、オレンジG色素)に加えて、反応を停止させた。該時点の試料を5分間95℃で煮沸した。反応を停止させた混合物30μLにSYBRGold3μLを加えた。次いで試料を、1.2%アガロースゲルにおいて、130Vで約65〜75分間泳動させた。ゲルを分析し、対照よりも大きくかつはっきりした産物を持つ変異体をさらなる研究のために選択した。
[126]例示的な結果を図4および図5に示す。
実施例6
オンチップ活性
[127]この実施例は、バリアントポリメラーゼが改良された鎖置換特性を有することを示す。
[128]親ポリメラーゼ(配列番号8または配列番号11)およびバリアントポリメラーゼ(配列番号8または配列番号11のバックグラウンドにおいてY212K)のポリメラーゼをバイオチップ上でアッセイし、ポリメラーゼの1つまたは複数の位置における変異の影響を決定した。交流電圧、すなわち矩形波を使用してナノポアに付けられたDNAポリメラーゼによるタグ付きヌクレオチド分子の捕獲間の時間を測定するようにアッセイを設計した。
[129]社内製のダンベル鋳型であるシーケンシング鋳型HP7をこの実施例において使用した。
[130]バリアントPol6ポリメラーゼをDNA鋳型と接触させてバリアントPol6−DNA複合体を形成させた後、バイオチップとも呼ばれる半導体センサーチップのウェル上の脂質二重層に埋め込んだナノポアに該複合体を付ける。脂質二重層は、PCT/US2014/061853(「Methods for Forming Lipid Bilayers on Biochips」という題名で、2014年10月23日に出願された)において記載されているように形成させて、バリアントPol6ポリメラーゼ−DNA複合体が付いたナノポア、すなわちバリアントPol6ナノポアシーケンシング複合体を挿入した。
[131]代替的には、ナノポアを脂質二重層に埋め込み、バリアントPol6−DNA複合体をインサイチュで付ける。
[132]バッファー(KGlu300mM、MgCl 3mM、HEPES20mM、pH8.0)中、各ヌクレオチドが異なるタグを有する、すなわち、4つのヌクレオチドA、T、G、およびCが異なるタグを有する、タグ付きヌクレオチドの混合物を使用し、タグ付きヌクレオチドを0.834μl/秒の速さでナノポアを通過させた。
[133]ピークトゥピーク210mVの交流電流を25Hzで印加し、ナノポアに結合したポリメラーゼによりヌクレオチド塩基がコピーDNA鎖に組み込まれた際にヌクレオチドタグの捕獲を評価した。
[134]連続するタグ捕獲の間の時間は、本明細書においては待機時間と呼ぶ。待機時間は、やって来るヌクレオチドの会合速度であるkon、および下流の鋳型の鎖置換速度であるkdisplaceを含む。よって、新しいヌクレオチドに進むポリメラーゼの能力を分析することができ、これは、ポリメラーゼによる相補鎖(complimentary strand)の置換に依存する。
[135]鋳型DNAの相補鎖(complimentary strand)を置換する2つのポリメラーゼの能力は待機時間によって示される。D44Aはエキソヌクレアーゼドメインにおける触媒アスパラギン酸の変異であり、最も一般的に使用されるエキソヌクレアーゼ欠損変異である。これは鎖置換に影響を及ぼし、シーケンシング中の長い待機時間を引き起こす。Y212K(本明細書において示すエキソヌクレアーゼ欠損変異)は改良された鎖置換を有し、より大きい進行速度、および待機時間の減少をもたらす。pol6のD44A変異と比較して、Y212Kを用いることで進行速度、すなわち伸長またはシーケンシング速度の効果的な倍加が観測された(データ示さず)。
[136]本明細書において記載される実施例および実施形態は、単なる例示目的のものであり、またその実施例および実施形態を考慮した様々な改変または変化が当業者に提案されることになり、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることになることが理解されよう。本明細書において引用されるあらゆる刊行物、特許、および特許出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
配列番号1−野生型Pol6(DNAポリメラーゼ[クロストリジウムファージphiCPV4];GenBank:AFH27113.1)
Figure 0006959931
配列番号2−Pol6(Hisタグ付き)
Figure 0006959931
配列番号3−Hisタグ付きPol6(DNA配列)
Figure 0006959931
配列番号4および14−iSpC3、3−カーボンスペーサーを有する置換アッセイヘアピンオリゴ
Figure 0006959931
配列番号5−置換アッセイショートオリゴ
Figure 0006959931
配列番号6−エキソヌクレアーゼアッセイヘアピンオリゴ
Figure 0006959931
配列番号7−エキソヌクレアーゼアッセイショートオリゴ
Figure 0006959931
配列番号8−pol6バリアント(T529M+S366A+A547F;Hisタグなし)
Figure 0006959931
配列番号9−HFCirc10
Figure 0006959931
配列番号10−HFCirc10用プライマー
Figure 0006959931
配列番号11−pol6バリアント(D44A+T529M+S366A+A547F;Hisタグなし)
Figure 0006959931
先行技術文献
特許文献
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[2]PCT/US2011/065640 (published as WO2012/083249 on 21 June 2012; Columbia University; entitled DNA SEQUENCING BY SYNTHESIS USING MODIFIED NUCLEOTIDES AND NANOPORE DETECTION).
[3]PCT/US2013/068967 (published as WO2014/074727 on 15 May 2014; Genia Technologies; entitled NUCLEIC ACID SEQUENCING USING TAGS).
[4]PCT/US2013/046012 (Genia Technologies, Inc., entitled Chip Set-Up and High-Accuracy Nucleic Acid Sequencing, published 19 Dec 2013 as WO2013/188841).
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非特許文献
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Claims (12)

  1. DNAポリメラーゼ活性を有する親DNAポリメラーゼポリペプチドに由来する改変DNAポリメラーゼであって、配列番号1に記載するアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号2に記載するアミノ酸配列のT45、H123、L125、W127、D128、V179、S211、Y212、I215、T216、E219、Q221、E239、D241、Y242、Y259、Q260、A292、S293、およびS294からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する位置で置換を含み、エキソヌクレアーゼを欠損しており、L125K、D128H、V179Y、V179R、S211F、Y212K、I215L、T216K、Q221R、Y242G/A/L/S、Y259G/K/Q、A292K、S293G、およびS294Tからなる群から選択される置換を有する、前記改変DNAポリメラーゼ。
  2. 前記改変ポリメラーゼが、鎖置換能力を保持している、請求項1に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  3. 前記改変ポリメラーゼが、配列番号1と少なくとも95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する、請求項1または2に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  4. 前記改変ポリメラーゼが、
    a. T529M+S366A+A547F+Y242G/A/L/S
    b. T529M+S366A+A547F+Y259G/K/Q
    c. T529M+S366A+A547F+D128H
    d. T529M+S366A+A547F+Y212G
    e. T529M+S366A+A547F+Y212K
    のうちの1つから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  5. 前記改変ポリメラーゼが、親ポリメラーゼよりも大きい伸長速度を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  6. 伸長速度が、親ポリメラーゼよりも1.5倍〜5倍大きい、請求項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  7. 伸長速度が、親ポリメラーゼよりも少なくとも1.5倍大きい、請求項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  8. 伸長速度が、親ポリメラーゼよりも少なくとも2倍大きい、請求項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  9. 伸長速度が、親ポリメラーゼよりも少なくとも3倍大きい、請求項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  10. 前記改変ポリメラーゼが、野生型または親ポリメラーゼよりも短い平均待機時間を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  11. 前記改変ポリメラーゼが、配列番号11のポリメラーゼの待機時間よりも短い平均待機時間を有する、請求項10に記載の改変DNAポリメラーゼ。
  12. 前記改変ポリメラーゼが、3秒未満の平均待機時間を有する、請求項10に記載の改変DNAポリメラーゼ。
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