以下、本発明を実施するための形態について、図面を引用しつつ説明する。
図1ないし図5は、本発明の物品処理装置の一実施形態に係る重量選別装置を示している。
まず、その構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の重量選別装置1は、搬送装置10、計量装置20および振分装置40を含んで構成されている。そして、搬送装置10、計量装置20および振分装置40のうち少なくとも1つの装置、例えば全装置は、それぞれ交換可能な構成要素である複数の制御側および被制御側のユニットを組み合わせて構成された部分交換式の機器となっており、その部分交換式の機器に対して、複数の制御側および被制御側のユニットの識別情報やそれらの仕様を特定する制御パラメータ等のユニット情報を管理するユニット情報管理制御部25が付設されている。
搬送装置10には、被検査物である物品Wが上流側の物品投入手段、例えば図示しない充填包装機から順次投入されるようになっており、搬送装置10によって物品Wが下流側(同図中の右側)にコンベア搬送されるようになっている。
また、搬送装置10は、計量装置20側の搬送駆動モータ11および振分装置40側の搬送駆動モータ12を有しており、これら搬送駆動モータ11、12は、例えばベルトコンベア方式のコンベア13、14の駆動ローラ16、17をそれぞれ回転駆動できるようになっている。なお、図1中では、モータや振分機構の配置説明の便宜上、コンベア搬送路を上面視方向で図示しつつ、その周辺の構成要素を図中の上下にずらして示しているが、特に言及しない限り、図1は、コンベア搬送路に対する各構成要素の配設位置を示すものではない。
計量装置20は、例えば公知のロードセルや電磁平衡はかりのような荷重センサで構成された検査ユニット21を有しているとともに、コンベア13には、搬送中の物品Wの重量を検査ユニット21に加えることができる秤量台22(図2参照;詳細図示せず)が装着されている。
また、計量装置20は、検査ユニット21からの荷重信号を入力する制御部23を有しており、コンベア13上を通過する物品Wの重量が秤量台22を介して検査ユニット21加わるとき、制御部23は、検査ユニット21からの荷重信号に応じた検査結果信号を生成するとともに、その検査結果に対応する振分指令信号を振分装置40に出力するようになっている。
計量装置20の制御部23は、具体的なハードウェア構成を図示しないが、例えばCPU、ROM、RAMおよび入出力インターフェース回路等を含んで構成されており、ROMや他のメモリデバイスに格納された所定の計量(秤量)制御プログラムや重量選別のための振分制御プログラム等に従って、搬送装置10、計量装置20のおよび振分装置40の作動を制御するようになっている。
この制御部23は、複数の制御プログラムを記憶格納し、それらを実行することで複数の機能を発揮するようになっており、主要な機能毎に系統化され、ユニット化されている。具体的には、制御部23は、搬送装置10のうち搬送駆動モータ11による計量装置20側のコンベア13の搬送駆動を制御する搬送制御ユニットC11と、計量装置20による検査を制御するとともに検査結果信号および対応する搬送タイミング信号を出力する検査制御ユニットC21と、検査制御ユニットC21からの信号を基に振分装置40の振分動作についての指令信号を生成する振分制御ユニットC31と、を有している。
計量装置20には、また、ユニット情報管理制御部25と、検査結果その他の各種情報を表示する表示部27と、設定値入力その他の手動操作入力が可能な入力部28と、コンベア13の上流端付近で計量装置20に搬入される物品Wを検出する物品検知センサ29と、図示しない起動スイッチおよび停止スイッチ等が、それぞれ併設されている。
振分装置40は、計量装置20の制御部23からの振分指令信号に従って、例えば良品と不良品を異なる搬送先に振り分ける振分動作を実行するようになっている。
この振分装置40は、計量装置20側のコンベア13の下流側に配置され、搬送駆動モータ12によって駆動されるコンベア14と、コンベア14の所定搬送区間の幅員(搬送路幅)方向両側に設けられたフリッパ方式の振分機構41、42と、コンベア14および振分機構41、42の作動を制御する振分搬送制御部43とを含んで構成されている。
コンベア14は、例えばベルトコンベアで構成されており、その駆動ローラ17を搬送駆動モータ12により搬送駆動することで、計量装置20での重量検査がなされた検査済みの物品Wを、下流側に所定速度で搬送するようになっている。
振分機構41、42は、コンベア14の搬送路幅方向の両側(図1中で上下両側)に配置された複数の揺動可能な選別アーム45A、45Bを有しており、これら選別アーム45A、45Bが図1に実線で示す略平行姿勢か、図1中に破線と二点鎖線で示すように任意の一方が搬送路上に揺動した2つの交差姿勢をとることで、検査済みの物品Wの搬送先を複数の振分方向、例えば3方向に振り分ける振分動作を実行するようになっている。ここにいう3方向の振分方向とは、例えば物品Wの重量が基準値に対し許容範囲内にある良品の搬出方向、物品Wの重量が基準値に対し許容範囲を上回る重量過多品の搬出方向、および、物品Wの重量が基準値に対し許容範囲を下回る重量不足品の搬出方向である。
振分機構41、42は、具体的には、例えば複数の選別アーム45A、45Bをそれぞれに対応する回動操作レバーおよびリンク等を介して複数のエアシリンダに連結し、それらの伸張および収縮動作を複数の電磁切換弁により切り換えることで、各振分姿勢に切換え制御できるようになっている。
なお、振分機構41、42は、選別アームその他の振分部材が1つのものや、搬送方向に前後して配置された複数の振分部材を有するものであってもよい。また、振分装置40は、コンベア14の搬送路を鉛直上下方向に傾斜させたりローラの移動により所定のコンベア搬送路の長さを変化させつつ搬送路を開閉させたりするものであってもよく、搬送路上に進退動作するプッシャ等を用いる従来知られた他の方式のものであってもよい。
振分搬送制御部43は、複数の制御プログラムを記憶格納し、それらを実行することで複数の機能を発揮するようになっており、主要な機能ごとにユニット化されている。
具体的には、振分搬送制御部43は、振分装置40側のコンベア14の搬送駆動を制御する搬送制御ユニットC12と、振分機構41、42の振分動作を制御する振分制御ユニットC32とを有している。ここで、搬送制御ユニットC12は、外部の動力源、例えば電源からの電力を基に搬送駆動モータ12を駆動するモータ駆動回路を有しており、振分制御ユニットC32は、制御部23側に配置された振分制御ユニットC31からの指令信号に応じて例えば外部の圧空源から前述のエアシリンダへのエアの給排を制御する電磁切換弁と、それら電磁切換弁の作動を制御する切換制御回路等を含んで構成されている。
このように、本実施形態の重量選別装置1においては、搬送装置10のコンベア13、14が計量装置20および振分装置40にそれぞれ組み込まれるとともに、コンベア13、14を制御する搬送制御ユニットC11および搬送制御ユニットC12が、計量装置20の制御部23および振分装置40の振分搬送制御部43にそれぞれ組み込まれている。そして、そのような形態で、所定の機能を発揮する複数の被制御側のユニットD11、D12、D21、D22、D31およびD32(以下、被制御側ユニットD11等ともいう)と、これらを制御する制御側のユニットC11、C12、C21、C31およびC32(以下、制御側ユニットC11等ともいう)とが組み合わされて重量選別装置1の搬送装置10、計量装置20および振分装置40が構成されている。
図2に示すように、複数の制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等は、搬送系、検査系および振分系の3系統に分かれており、それぞれユニット情報管理制御部25に信号授受可能に接続されている。
同図に示すように、搬送装置10を主要部とする搬送系は、搬送駆動モータ11、12に対応するそれぞれの駆動回路等(図示せず)を含む複数の搬送駆動用の被制御側ユニットD11、D12と、これらを制御する搬送制御ユニットC11、C12とを組み合わせた構成を有している。
そして、この搬送系では、搬送制御ユニットC11、C12から搬送駆動用の被制御側ユニットD11、D12に搬送駆動信号Mc1、Mc2を出力し、これら搬送駆動信号Mc1、Mc2に応じて搬送駆動モータ11、12を作動させることによりコンベア13、14を搬送駆動することができるようになっている。
計量装置20を主要部とする検査系は、秤量台22付きの検査ユニット21を有する検査用の被制御側ユニットD21と、物品検知センサ29を有する被制御側ユニットD22と、これら被制御側ユニットD21、D22を制御する検査制御ユニットC21とを組み合わせた構成を有している。
ここで、検査制御ユニットC21は、物品検知センサ29により物品Wのコンベア13上への投入が検知されてから所定の搬送期間中、例えば検査用の被制御側ユニットD21に対し電圧Vaを印加しつつこの被制御側ユニットD21からの荷重信号Scを取り込んで、この荷重信号Scを基に、例えば許容範囲内の正常な重量を有する物品Wを良品とし、重量に過不足がある物品Wを不良品とする検査結果信号(重量不足と重量超過の分別、あるいはランク分けのための複数種の振分指令信号でもよい)を生成するようになっている。
振分装置40を主要部とする搬送系は、振分機構41、42およびそれらの動作制御用のバルブ等を含む振分動作用の被制御側ユニットD31、D32と、検査制御ユニットC21の検査結果信号に対応する振分指令信号等を出力する一方の振分制御ユニットC31と、この振分制御ユニットC31からの指令信号に応じて被制御側ユニットD31、D32を制御する他方の振分制御ユニットC32とを組み合わせた構成を有している。
ここで、他方の振分制御ユニットC32は、一方の振分制御ユニットC31からの指令信号に基づいて振分機構41、42への振分駆動信号Rj1、Rj2を生成し、対応する検査済みの物品Wが所定の振分領域内に到達するタイミングでその検査結果に対応する振分駆動信号Rj1、Rj2を振分機構41、42のいずれか一方または双方に出力するようになっている。
また、この振分制御ユニットC32は、一方の振分制御ユニットC31からの搬送タイミング信号を基に、検査済みの物品Wが検査領域内で移動する所定期間中、その物品Wの検査結果に対応する振分方向となるように振分駆動信号Rj1、Rj2を出力するようになっている。したがって、その間、搬送制御ユニットC12からの搬送駆動モータ12に対して搬送駆動信号Mc2が出力され続けることで、コンベア14による物品搬送状態下で、複数の選別アーム45A、45Bを図1中に実線で示すように良品搬出が可能な通過許容姿勢に、あるいは、複数の選別アーム45A、45Bの任意の一方を図1中に二点鎖線または破線で示すように不良品排出が可能な排出姿勢に、保持することができるようになっている。
このように制御側ユニットC11等と複数の被制御側ユニットD11等とが組み合わされた本実施形態の重量選別装置1は、交換可能な特定のユニットを少なくとも1つ含んだものとなっており、例えば全ての制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等が個別に着脱交換可能になっている。
また、それぞれ交換可能な制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等のうち、少なくとも1つの制御側または被制御側の特定のユニット、例えば被制御側ユニットD11は、そのユニットと同仕様の交換品のみならず、特定のユニットとして同用途に使用可能でかつそれとは仕様の異なる同種ユニットが少なくとも一つ準備されており、それら特定のユニットおよび交換可能な同種ユニットは、ユニット情報管理制御部25により、用途が同じか類似する同種ユニットであって互いに詳細仕様が異なる複数の同種ユニットとして管理されるようになっている。
制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等のそれぞれには、読取り可能なID(識別情報)が設定されている。
ユニット情報管理制御部25は、特定のユニットが他の同種ユニットに交換されたとき、この特定の他の同種ユニットに関する制御パラメータを取得するパラメータ取得部51と、特定のユニットとなり得る各ユニットについて、その複数の同種ユニットに関する制御パラメータを、各ユニットのIDおよび仕様(仕様に対応する特性範囲)に応じた制御パラメータの許容設定範囲と関連付けて予め記憶保持するパラメータ記憶部52とを含んで構成されている。
さらに、ユニット情報管理制御部25は、パラメータ取得部51で取得された制御パラメータを、少なくともパラメータ記憶部52に記憶された制御パラメータと比較することで、パラメータ取得部51で取得された制御パラメータの許容設定範囲が、交換されていない組込み済みのユニットである接続先ユニットの仕様に応じた制御パラメータの適合範囲内か否かを判定するパラメータ判定部53と、パラメータ取得部51で取得された制御パラメータが前述の適合範囲内であると判定されたとき、その同種ユニットに関する取得された制御パラメータを用いて、制御側ユニットから被制御側ユニットへの制御信号の信号形態を含む出力条件を決定する出力条件決定部54と、を具備している。
ここで、パラメータ記憶部52に記憶される制御パラメータとは、少なくとも各ユニットの仕様で規定される特性に基づく複数のパラメータ種別およびその種別ごとの許容設定範囲を含み、特定のユニットおよびその同種ユニット、ならびに、これらを制御する制御側ユニットC11等に関する複数のパラメータ種別について、検査対象の物品Wの品種ごとにユーザーにより設定入力される品種設定パラメータに対応して、それぞれ設定された複数の制御パラメータ値であり、例えば品種ごとの複数のパラメータテーブルとして記憶されている。
また、ここでの制御パラメータの許容設定範囲は、各ユニットの仕様により規定される各ユニットの特性範囲に対応するものであり、パラメータ取得部51で取得された制御パラメータの許容設定範囲が接続先ユニットの仕様に応じた制御パラメータの適合範囲内か否かを判定するとは、例えば搬送駆動モータ11を含む被制御側ユニットD11の仕様により規定される特性(モータ出力、トルク、回転速度、駆動電流等)が、接続先ユニットである制御側ユニットC11の制御仕様に応じた制御パラメータの許容設定範囲(モータ出力、トルク、回転速度、駆動電流等の設定可能な範囲)に含まれ、被制御側ユニットD11が制御側ユニットC11の制御対象として適合し得る範囲内かどうかを判定することを意味する。
図3(a)に示すように、特定のユニットが制御側ユニットC11および被制御側ユニットD11のいずれかである場合、品種設定パラメータ(例えば、モータ出力、搬送速度、搬送ベルト幅、検査区間長さ等)に対応して、特定のユニット、例えば被制御側ユニットD11について設定される制御パラメータの許容設定範囲は、例えば搬送駆動モータ11の出力に対応するトルクTおよび回転速度Nならびに駆動電流I等の許容設定範囲、あるいは、それらの関数で得られる値の許容設定範囲である。
また、図3(b)に示すように、特定のユニットが検査用の被制御側ユニットD21および制御側ユニットC21のいずれかである場合、品種設定パラメータ、例えば秤量精度が異なる秤種類、計量可能範囲を表す検査能力1、計量区間長さ、生産能力(個/分)相当の検査能力2等に対応して、検査用の被制御側ユニットD21について設定される制御パラメータの許容設定範囲は、秤種類AまたはB、搬送速度Sp、印加電圧値A1、計量時間A2等である。
あるいは、図3(c)に示すように、特定のユニットが振分動作用の被制御側ユニットD31および振分制御ユニットC31のいずれか、あるいは、振分動作用の被制御側ユニットD32および振分制御側ユニットC32のいずれかである場合、品種設定パラメータ、例えば重い物品Wや薄い物品Wの選別要求あるいは高速選別、汎用選別等の要求、振分方向の数等の要求に対応して、特定のユニット、例えば制御側ユニットC31またはC32について設定される選別方式a、b、c、d、振分による選別動作までの検査後遅延時間Dt、選別動作時間Jt、振分段数Gn等である。
制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等のそれぞれに設定されるID(識別情報)は、デバイス情報として読取り可能で、少なくともそのユニットの種別および仕様の別が判定可能な情報として設定されている。このIDは、対応するユニットのシリアル番号であってもよいし、複数のID(例えばユニットの製造者ID、プロダクトID、更新ごとの番号等)を含んだものでもよいが、そのユニットの種別とその制御パラメータの許容設定範囲を相違させる要求仕様の別を識別可能なビット数の少ない識別番号であってもよい。よって、例えば、各ユニットの基板類に装着されたディップスイッチ等で設定されるものであってもよい。
パラメータ記憶部52は、交換可能な全ユニットの各ユニットをユニットIDで識別しつつ、その使用可能な運転領域における各種の制御パラメータの許容設定範囲と、設定済みのパラメータ値をパラメータテーブルに記憶している。
ここにいうパラメータテーブルは、あるいは、ユニット種別ごとに同種の複数のユニットについての基本仕様のユニットについての各種の制御パラメータの設定基準値と、他の同種ユニットについての制御パラメータの設定値の差分や比等を記憶していてもよい。
また、ここにいうパラメータテーブルは、各制御パラメータの種別をパラメータ種別IDで識別可能で、かつ、パラメータ種別IDの組合せからもユニットの種別やIDが判定できるようになっていてもよい。
パラメータ取得部51は、前述の各ユニットをデバイスとして認識するとともに、各ユニットのデバイスIDを読み取り、そのIDに関連付けられた制御パラメータを予め記憶格納された前述のパラメータテーブル中のパラメータ群から抽出することができるようになっている。なお、デバイス接続時におけるIDの読取り技術やそのIDの種別が従来知られたものから任意に選択できることはいうまでもない。
パラメータ判定部53は、パラメータ取得部51で取得された特定のユニットの同種ユニットについての制御パラメータを、少なくとも接続先ユニット(特定のユニットと共に使用されていた装着済みのユニット)についてパラメータ記憶部52に記憶されている制御パラメータと比較することにより、パラメータ取得部51で取得された同種ユニットについての制御パラメータの許容設定範囲が、前述の対応する接続先ユニットについての制御パラメータの適合範囲内か否かを判定することができるようになっている。
具体的には、パラメータ判定部53は、例えば特定のユニットである被制御側ユニットD11がその搬送駆動モータ11より出力の大きい搬送駆動モータを有する他の同種ユニットに交換された場合、被制御側ユニットD11を出力トルクT1、回転速度N1および駆動電流I1に設定しつつ制御していた制御側ユニットC11に対して、他の同種ユニットについて要求される出力トルクT2、回転速度N2および駆動電流I2が、許容される制御パラメータの範囲内に入るか否かを判定する。また、パラメータ判定部53は、特定のユニットである被制御側ユニットD11に対して信号の授受がなされていた他のユニットに対しても、同様に、他の同種ユニットに交換された場合に、対応する制御側ユニットまたは制御側ユニットが許容される制御パラメータの設定範囲内に入るか否かを判定するようになっている。
いずれの場合も、特定のユニットと交換された他の同種ユニットについての制御パラメータの許容設定範囲が、交換後に制御信号を授受することになる相手側の装着済みユニット(接続先ユニット)の対応する制御パラメータの許容設定範囲に入るか否かを判定し、許容設定範囲内から外れてしまう場合には、使用可能な仕様の範囲から外れる不適合品あるいは規格外となる。その場合、例えば、特定のユニットの交換品が不適合品である旨を、あるいは更に、交換品として推奨される他の同種ユニットのIDや型番を表示出力することができる。
一方、特定のユニットと交換された他の同種ユニットについての制御パラメータの許容設定範囲が、交換後に制御信号を授受することになる相手側の装着済みユニットの制御パラメータの適合範囲内であることが、設定済みの品種について判定されるか、未だ品種設定がなされていない場合には、使用可能な仕様範囲内となるので、そこで、例えば特定のユニットから他の同種ユニットへの交換とそれに伴う制御パラメータの変更を許可するか否かをユーザーに確認させ、必要な制御パラメータの変更まで済ませるか、適合品であるが、制御パラメータの変更は、許可待ちであるか、新たな品種設定待ちであるといった表示出力を行うことができる。
出力条件決定部54は、交換後の他の同種ユニットについての制御パラメータを全品種の設定情報に反映させた新たなパラメータテーブルを作成するか、既存のパラメータテーブルを書き換えるパラメータ設定処理を行うことができ、これにより、パラメータ取得部51で取得された制御パラメータが前述の許容設定範囲内であると判定されたとき、その同種ユニットに関する取得された制御パラメータを用いて、制御側ユニットから被制御側ユニットへの制御信号の出力条件を決定するようになっている。
なお、パラメータ記憶部52は、計量装置20における各種設定値や検査条件、品種情報、検査結果、来歴等を記憶する他の記憶部と共に、図示しないメモリおよびストレージデバイスによって構成されている。
ところで、これまでは、特定のユニットが既知の交換可能な他の同種ユニットに交換されるものとして説明したが、特定のユニットが既知でない新規な他の同種ユニットに交換されるような場合も考えられる。
この場合、前述の処理手順では、新規な他の同種ユニットが、実際には許容される制御パラメータの設定範囲内であっても、パラメータテーブル中に登録されておらず、ID照合できない。
そこで、ユニット情報管理制御部25は、ID照合できない場合には、制御部23と協働して、交換品が未登録であることを表示させ、新規設定を行うか否かをユーザーに確認した上で、必要時に新規な他の同種ユニットについての制御パラメータの設定を行うことができるようになっている。
具体的には、ユニット情報管理制御部25のパラメータ取得部51は、まず、交換により装着された他の同種ユニットのIDを読み取る識別情報読取機能を有している。
また、ユニット情報管理制御部25は、特定のユニットである被制御側ユニットD11が他の同種ユニット(以下、特定の他の同種ユニットともいう)に交換されてから一定時間内に特定の他の同種ユニットのIDを読み取ることができない場合には、特定の他の同種ユニットに関する新たな制御パラメータの設定の要否をユーザーに確認する。そして、特定の他の同種ユニットに関する新たな制御パラメータをその特定の他の同種ユニットの仕様に応じた許容設定範囲と関連付けてパラメータ記憶部52に記憶させるようになっている。
ユニット情報管理制御部25は、例えば特定のユニットである被制御側ユニットD11と交換された他の同種ユニットに対して、被制御側ユニットD11の複数の同種ユニットに関する制御パラメータの許容設定範囲内の信号を含む疑似制御信号を出力し、その疑似制御信号に対する当該他の同種ユニットからの応答信号を基に、装着された他の同種ユニットについての制御パラメータを推定するパラメータ推定機能を有している。
具体的には、ユニット情報管理制御部25は、疑似制御信号として、搬送装置10、計量装置20および振分装置40の制御側ユニットC11、C12、C21、C31に対して、応答信号Rs1、Rs2、Rs3の有無、それら信号レベルの高低、またはそれら応答信号Rs1、Rs2、Rs3の遅延タイミングの適否のいずれかを判定可能な異なる複数の疑似制御信号Ps1、Ps2、Ps3を出力して、それら複数の応答信号Rs1、Rs2、Rs3の有無および信号レベル、または応答信号Rs1、Rs2、Rs3の遅延タイミングに基づいて、制御パラメータが許容設定範囲内か否かを判定するものである。
すなわち、ユニット情報管理制御部25は、同種の複数の比制御側ユニットが応答し得るような疑似制御信号を使用して応答信号Rs1、Rs2、Rs3の有無から制御パラメータの許容設定範囲内か否かを判定したり、応答信号Rs1、Rs2、Rs3の信号レベルや応答信号Rs1、Rs2、Rs3の遅延タイミングを基に、制御パラメータ値の増減方向やその程度を特定し好適な制御パラメータ値を推定したりすることができるようになっている。
また、ユニット情報管理制御部25は、交換後の装着ユニットで使用される品種設定情報を基に、好適な制御パラメータ値やその設定可能範囲を推定するようになっている。
本実施形態では、制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等が、搬送系の物品処理のための搬送制御ユニットC11、C12および搬送駆動用の被制御側ユニットD11、D12を含んでいるので、パラメータ取得部51は、搬送制御ユニットC11またはC12に対する疑似搬送駆動要求信号Ps1を出力し、搬送駆動用の被制御側ユニットD11またはD12における消費電流に応じた応答信号Rs1を検出して、応答条件が合致する制御パラメータをパラメータテーブル中から参照することにより推定するようになっている。応答信号Rs1は、例えば搬送駆動モータ11または12の回転速度のフィードバック信号やコンベア13の搬送速度であり、これと品種設定情報に対応するモータ負荷等を考慮して制御パラメータを推定することができる。
また、本実施形態では、制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等が、検査系の物品処理のための検査制御ユニットC21および検査用の被制御側ユニットD21、D22を含んでいるので、ユニット情報管理制御部25は、検査制御ユニットC21に対する検査指令信号Ps2を出力し、検査用の被制御側ユニットD21における検出信号Sc等に対応する応答信号Rs2を基に制御パラメータを推定することもできる。
さらに、本実施形態では、制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等が、振分系の物品処理のために物品Wの振分による選別のための振分制御ユニットC31、C32および振分動作用の被制御側ユニットD31、D32を含んでいるので、ユニット情報管理制御部25は、振分制御ユニットC31に対する振分指令信号Ps3を出力し、その振分指令信号Ps3に対する被制御側ユニットD31、D32の振分動作信号Rj1、Rj2に対応する応答信号Rs3を検出して制御パラメータを推定することができる。
そして、ユニット情報管理制御部25は、例えば推定された制御パラメータやその組合せを、登録済みの同種ユニットの制御パラメータやその組合せと比較等することで、登録済みの複数の同種ユニットのうち制御パラメータの近いものを特定し、その同種ユニット群の仕様と品種設定情報を基に、交換後の装着ユニットの所定の運転条件に対応する制御パラメータの組合せによってその制御信号の信号形態を含む出力条件(以下、制御信号の信号形態等ともいう)を決定するようになっている。
次に、動作について説明する。
上述のように構成された本実施形態においては、制御側ユニットC11等および被制御側ユニットD11等のうち特定のユニット、例えば被制御側ユニットD11がそれに対応する他の同種ユニットに交換されると、ユニット情報管理制御部25によって、図4および図5に示すようなユニット情報管理制御プログラムが実行される。
まず、被制御側ユニットD11に代えて新たに装着された特定の他の同種ユニットに関するユニット情報として少なくともユニットIDが読み取られ(ステップS11)、そのユニットID等を基に、パラメータ記憶部52に記憶格納されている登録済みのパラメータテーブルが参照され(ステップS12)、そのパラメータテーブル中に、合致するIDが存在するか否かがチェックされる(ステップS13)。
そして、合致するIDが存在する場合、次いで、ユニットIDを基に取得された制御パラメータの許容設定範囲がパラメータ記憶部52に記憶された接続先ユニットの制御パラメータの許容設定範囲と照合されることで(ステップS14)、接続先ユニット、例えば制御側ユニットC11に関する制御パラメータの適合範囲内か否かが判定され、それまで被制御側ユニットD11と共に使用されてきた組込み済みの接続先ユニットC11等に対する、特定の他の同種ユニットの適合性が判定される(ステップS15)。
このとき、特定の他の同種ユニットの制御パラメータがパラメータ記憶部52に記憶されている制御側ユニットC11の制御パラメータの許容設定範囲(適合範囲)内であり、適合性があると判定されると(ステップS15でYesの場合)、新たな制御パラメータを用いて運転するか設定変更の意思確認がユーザーになされ(ステップS16)、設定変更を要求する操作入力がなされると、新たな制御パラメータが少なくとも標準の運転条件あるいは現設定品種に対応する運転条件について、あるいは各設定品種について変更されて(ステップS17)、それらの制御パラメータによって制御側ユニットC11等から被制御側ユニットD11等への制御信号の信号形態等が決定される。
したがって、保有する保守部品へのユニット交換等により、制御側ユニットC11等と被制御側ユニットD11等の組合せに影響する作業や設定操作が加えられた場合に、好適な制御パラメータが設定され、好適な信号レベルやタイミング等が設定可能となり、検査効率の低下や耐久性の低下を有効に抑制するできるものとなる。
一方、特定の他の同種ユニットの制御パラメータがパラメータ記憶部52に記憶されている制御側ユニットC11の制御パラメータの許容設定範囲から外れ、適合性がないと判定された場合(ステップS15でNoの場合)には、次いで、交換した特定の他の同種ユニットが適合する仕様範囲から外れるものである旨を表示する不適合表示がなされる(ステップS18)。
また、適合性があると判定され、新たな組合せの制御パラメータを用いて運転するか設定変更の意思確認がユーザーになされたものの、設定変更を要求する操作入力がなされなかった場合(ステップS16でNoの場合)には、次いで、交換した特定の他の同種ユニットが適合する仕様範囲内のものである旨および新たな制御パラメータ設定が未完了である旨を表示する適合表示がなされる(ステップS19)。
さらに、特定の他の同種ユニットの識別情報がパラメータ記憶部52に記憶された識別情報と照合しても合致するものがないとき(ステップS13でNoの場合)には、未登録である旨の表示がなされるとともに(ステップS21)、その表示と併せて新規なユニットとして登録するか否かがユーザーに問われ(ステップS22)、後述する制御信号形態等決定処理が実行される(ステップS23)。
図5に示すように、この制御信号形態等決定処理では、まず、ユニット情報管理制御部25から、例えば搬送制御ユニットC11に対して擬似制御信号である搬送駆動要求信号Ps1が出力されて(ステップS31)、搬送駆動用の被制御側ユニットD11における消費電流に応じた応答信号Rs1が入力され(ステップS32)、応答条件が合致する制御パラメータの許容設定範囲がパラメータ記憶部52に記憶されたパラメータテーブル中の制御パラメータ群から抽出されるか否かの応答判定がなされる(ステップS33)。
このとき、応答条件が合致する制御パラメータの許容設定範囲がパラメータテーブル中の制御パラメータ群から抽出できれば(ステップS34でYesの場合)、次いで、出力条件決定部54により、交換後の特定の他の同種ユニットについての制御パラメータの許容設定範囲と、設定済みの品種の設定情報で要求される条件に従って、品種設定条件を反映させた新たなパラメータテーブルが作成されるか、既存のパラメータテーブルが書き換えられる処理が実行され、その処理後の制御パラメータによって制御側ユニットC11から被制御側ユニットD11への制御信号の信号形態等が決定される(ステップS35)。
一方、応答条件が合致する制御パラメータの許容設定範囲がパラメータテーブル中の制御パラメータ群から抽出できなければ(ステップS34でNoの場合)、所定の終了条件が成立するか、例えば所定出力回数に達するかが判定され(ステップS36)、その条件が成立するまで、擬似制御信号である搬送駆動要求信号Ps1を前回とは異なる信号として再度その信号出力から応答判定までの処理を実行し(ステップS31〜33)、所定の終了条件が成立すると(ステップS36でYesの場合)、今回の交換品は規格外品で使用できない旨の規格外表示を行って(ステップS37)、今回の処理を終了する。
ここにいう擬似制御信号の所定出力回数は、応答条件が合致する制御パラメータの許容設定範囲をパラメータテーブル中の制御パラメータ群から抽出するのに必要十分な回数として設定されており、交換後のユニットが特定のユニットの同種ユニットと同等か同種のものであれば、その出力数に対応する複数種の擬似制御信号に対する複数の応答信号の相違点をモニタすることで、交換後の特定の他の同種ユニットがパラメータ記憶部52に記憶されていない新規のユニットである場合であっても、その制御パラメータを的確に推定することができる。
したがって、本実施形態においては、多様なユニットの組合せや特注仕様等にも的確に対応可能なものとなる。
パラメータ取得部51は、特定のユニットが他の同種ユニットに交換されてから一定時間内に他の同種ユニットの識別情報を読み取ることができない場合に、他の同種ユニットに対し疑似制御信号を出力するようにしてもよい。
また、ユニット情報管理制御部25は、特定のユニットが他の同種ユニットに交換されてから一定時間内に他の同種ユニットの識別情報を読み取ることができない場合に、その特定の他の同種ユニットに関する新たな制御パラメータを、その特定の他の同種ユニットの仕様に応じた許容設定範囲と関連付けてパラメータ記憶部52のパラメータテーブルに新規ユニットとして登録し、記憶することができる。
このような本実施形態では、新規の同種のユニットが使用される場合であっても、他の同種ユニットがパラメータ記憶部52に記憶格納済みであるので、制御パラメータを照合しつつ、迅速的確にその新規ユニットに対応する信号出力形態を設定可能となる。
また、他の同種ユニットがパラメータ記憶部52に記憶格納済みでなくとも、一度その識別情報を読み取り、他の同種ユニットについて新たに設定された制御パラメータと関連付けて記憶させれば、次回からは、設定済みの制御パラメータを迅速的確に設定可能となる。
また、本実施形態では、ユニット情報管理制御部25は、疑似制御信号として、他の同種ユニットに対し、応答信号Rsの有無、応答信号Rsの信号レベルの高低または応答信号Rsの遅延タイミングの適否のいずれかを特定可能な異なる複数の信号を出力し、応答信号Rsの有無、応答信号Rsの信号レベルまたは応答信号Rsの遅延タイミングに基づいて、制御パラメータが許容設定範囲内か否かを判定することができる。したがって、例えば同種の複数のユニットが応答し得るような疑似制御信号を使用して応答信号Rsの有無から制御パラメータの許容設定範囲内か否かを判定したり、応答信号Rsの信号レベルや応答信号の遅延タイミングを基に、好適な制御パラメータ値の増減方向を特定したりすることが可能となり、好適な制御パラメータを推定し設定することが可能となる。
よって、本実施形態では、ユニット情報管理制御部25は、搬送制御ユニットC11に対する疑似搬送駆動要求信号Ps1を出力し、搬送駆動用の被制御側ユニットD11における消費電流に応じた応答信号Rsを検出して制御パラメータを推定することができるので、搬送駆動用の被制御側ユニットD11の搬送駆動モータ11等の仕様が変更されても、好適な制御パラメータを容易にかつ的確に設定できることになる。
さらに、本実施形態では、ユニット情報管理制御部25は、振分制御ユニットC31に対する振分指令信号Ps3を出力し、振分指令信号に対する振分動作用の被制御側ユニットD31、D32の振分動作信号Rs3を検出して制御パラメータを推定することもできるので、被制御側ユニットD31、D32のアクチュエータ等の仕様が変更されても、好適な制御パラメータを容易にかつ的確に設定可能となる。
加えて、本実施形態では、パラメータ取得部51は、検査制御ユニットC21に対する検査指令信号Ps2を出力し、検査用の被制御側ユニットD21の応答信号である検出信号Rs2を基に制御パラメータを推定することもできるので、この被制御側ユニットD21の仕様変更等がなされても、好適な制御パラメータを容易にかつ的確に設定可能となる。
このように、本実施形態においては、制御側ユニットC11等と被制御側ユニットD11等の組合せに影響する作業や設定操作が加えられた場合に好適な制御パラメータを的確に設定でき、検査効率の低下や耐久性の低下を有効に抑制することができる物品処理装置を提供することができる。
なお、上述の一実施形態においては、物品処理装置を、重量選別装置1、あるいはそれを構成する搬送装置10、計量装置20または振分装置40として説明したが、計量装置20は、金属検出装置やX線検査装置等といった他方式の物品検査装置であってもよい。また、部分交換式の機器の交換部分をユニットとして説明したが、本発明にいう被制御側ユニットや制御側ユニットは、より小さい構成要素であるコンポーネントやモジュール、単品部品に近い交換品を含むユニット部品である。
以上説明したように、本発明の物品処理装置は、制御側ユニットと被制御側ユニットの仕様の組合せに影響する作業や設定操作が加えられた場合に好適な制御パラメータを選択でき、検査効率の低下や耐久性の低下を有効に抑制することができる物品処理装置を提供することができるものである。かかる本発明は、複数のユニット部品を組み合わせて構成される物品検査装置に好適な物品処理装置全般に有用である。