JP4767925B2 - 工作機械 - Google Patents
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Description
請求項3に係る発明は、前記比較判定手段は、更に、測定して得られたモータの実負荷情報と工具重量別の基準負荷情報とをモータの回転角度あるいはモータの回転経過時間に対する変化として比較することによって工具重量の偏りを求め、求めた工具重量の偏りが許容範囲を超えるか否かを判定し、前記設定手段は、前記比較判定手段による判定の結果、工具重量の偏りが許容範囲を超えた場合には、工具重量の偏りによる工具交換機構の偏磨耗を抑制するために、工具交換時間を長くし該工具交換機構に生じる負荷を低減するパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の工作機械である。
請求項5に係る発明は、前記比較判定手段は、測定して得られたモータの実負荷情報と前記基準負荷情報をモータの回転角度あるいはモータの回転経過時間の区間ごとに比較し、区間ごとの該モータの実負荷情報と該基準負荷情報との誤差が第1の許容範囲内である区間の数を第1の計数値として計数し、かつ、区間ごとの該モータの実負荷情報と該基準負荷情報との誤差が第2の許容範囲内である区間の数を第2の計数値として計数し、前記第1の計数値が第1の所定値を超えており、かつ、前記第2の計数値が第2の所定値を超えない場合、工具重量の偏りが許容範囲を超えると判断することを特徴とする請求項2または3のいずれか1つに記載の工作機械である。
また、今まで必要であった工具重量の計測、記憶装置への入力作業が不要となるなど作業効率の向上が顕著である。
図1はタレットを有する工具交換機構の概略図である。工具交換機構を回転させるとモータに負荷が生じる。この負荷はタレットの1回転分についてみると、図3に示されるように経過時間や回転角度の変化に伴って変化していく(以下、「負荷情報」という)。工具重量に偏りがない場合、図3(a)のような負荷情報が得られる。
負荷情報に対応して、図5に示すように工具重量推定用の誤差許容値(負荷情報が類似であると判断するための誤差許容範囲)Mと工具重量の偏り推定用の誤差許容値(工具重量に偏りがないことを判断するための誤差許容範囲)Nとを用意し、
(工具重量の偏り推定用の誤差許容範囲)N>(工具重量の推定用の誤差許容範囲)M
とする。
負荷情報R及び負荷情報Sは工具重量に偏りのある場合の負荷情報を示している。そして、区間Pにおいて基準負荷情報と比較して差異が現れている。差異が現れる区間Pは工具重量が集中している位置によって変化する。負荷情報R及び負荷情報Sは、区間Oにおいては基準負荷情報Qと比較したときの誤差が許容範囲M以内である。そのため、区間Oが一定値以上である場合には、基準負荷情報Qと類似していると判断する。負荷情報Rは基準負荷情報Qとの誤差が許容範囲M以内の区間Oが一定値以上であり、かつ、区間Pにおける差異が許容範囲N以内であるため、工具重量の偏りはないと判断する。
(1)まず、最も軽い工具の基準負荷情報との比較を開始する。
(2)モータの負荷情報の区間Tnと、通し番号がiである基準負荷情報の区間Tn’の、値UnおよびU_in’を比較する。
(3)UnとU_in’との誤差の絶対値がVn以下のとき、その区間の負荷情報は一致していると判断する。
(4)UnとU_in’との誤差の絶対値がWn以下のとき、その区間に工具重量の偏りはないと判断する。
(5)(2)を満たす区間の数m1がM1以上であるとき、実負荷情報と、比較している基準負荷情報は類似していると判断する。
(6)(3)を満たす区間の数m2がM2以上であるとき、工具に偏りはないと判断する。
(7)(2)を満たす区間の数m1がM1未満であるとき、次に工具重量が軽い場合の基準負荷情報との比較を開始する。
(8)i=Imax(危険報知基準負荷情報)のとき、機械を停止する(アラームにより工具交換が危険であることを通知)。
逆に、実際に装着されている工具の重量が大きい場合には、次に工具重量が大きい場合の基準負荷情報と比較を行う。その後、順次負荷情報の比較を行い、危険報知基準負荷情報と比較し工具交換が危険な重量の工具が装着されていると判断した場合には、機械を停止させ、アラームを表示させて工具交換が危険なことを通知する。
工具交換装置にセットした工具の負荷情報を測定する(ステップS1)。初期化のためi=0とする(ステップS2)。ステップS1で得られた負荷情報と通し番号がiである基準負荷情報と比較する(ステップS3)。初期化のため、j=1、m1=0、m2=0とする(ステップS4)。|Uj―U_ij’|<Vjであるか否かを判断する(ステップS5)。YESと判断されると、m1=m1+1とし(ステップS14)、ステップS7へ進む。NOと判断されると、|Uj―U_ij’|<Wjであるか否かを判断する(ステップS6)。YESと判断されると、m2=m2+1とし(ステップS15)、ステップS7へ進む。NOと判断されるとステップS7へ進む。j<nであるか否かを判断する(ステップS7)。YESと判断されると、j=j+1(ステップS16)とし、ステップS5に戻る。NOと判断されると、m1>M1であるか否かを判断する(ステップS8)。NOと判断されると、i=i+1とする(ステップS9)。次に、i>Imaxであるか否かを判断する(ステップS10)。NOと判断されるとステップS3に戻る。YESと判断されると、工具交換が危険と判断する(ステップS11)。そして、機械を停止し、アラームにより工具交換が危険であることを通知する(ステップS12)。アラーム
が表示されたら工具を重量の軽いものに交換し(ステップS13)、負荷情報を再度測定するためにステップS1に戻る。ステップS8でYESと判断されるとステップS17へ進む(ステップS17以降は図7−2を参照)。
なお、ステップ20で設定される「工具交換機構への負荷が小さいパラメータ」について説明すると、工具重量の偏りが大きく、許容値を超えていると判断された場合に基準負荷情報とは関係なく設定するパラメータであって、非常に低速で工具交換を行うことにより工具交換機構への負担を小さくしたパラメータである。
B 工具交換機構に保持された工具
C 工具交換機構を動作させるモータ
D,D’ タレット回転速度
E,E’ 加減速時定数
F,F’ 工具割出後の待機時間
G,G’ 工具交換時間
H 工具重量の偏りによって生じる差異
I 記憶装置
J 記憶装置に保存された基準負荷情報
K 計測した実負荷情報
L 選択された基準負荷情報
M 負荷情報が類似であると判断するための誤差許容範囲(1点鎖線)
N 工具重量に偏りがないことを判断するための誤差許容範囲(点線)
O 工具重量の偏りによる負荷情報の差異が発生していない区間
P 工具重量の偏りによる負荷情報の差異が発生している区間
Q 基準負荷情報
R 工具重量に偏りがないと判断される負荷情報(誤差許容範囲内)
S 工具重量に偏りがあると判断される負荷情報(誤差許容範囲外)
T1、T2・・・、Tj、・・・、Tn 計測したモータの実負荷情報を複数に分割した区間
T1’、T2’・・・、Tj’、・・・、Tn’ 基準負荷情報を複数に分割した各区間
U1、U2・・・、Uj、・・・、Un 計測したモータの実負荷情報の区間Tnにおける負荷情報
U_i1’、U_i2’・・・、U_ij’、・・・、U_in’ 基準負荷情報iの区間における負荷情報
V1、V2、・・・、Vj、・・・、Vn 区間Tnの値Unと区間Tn’の値U_in’の比較により負荷情報が類似しているとみなせる許容誤差
W1、W2、・・・、Wj、・・・、Wn 区間Tnの値Unと区間Tn’の値U_in’の比較により、工具重量に偏りがあると判断するための許容誤差
i 基準負荷情報を整理するための通し番号(iの値が大きいほど工具重量が重い)
Imax 危険報知基準負荷情報に付けられた通し番号(工具重量が最も重い)
n 区間Tn、Tn’、及びUn、U_in’の総数
m1 UnとU_in’の誤差がVn以下であった区間の数
m2 UnとU_in’の誤差がWn以下であった区間の数
M1 負荷情報が類似であるとみなせるm1の数
M2 工具重量に偏りがないとみなせるm2の数
Claims (5)
- モータによって駆動され旋回するタレットと、該タレットに放射状に工具を保持するためのグリップが複数設けられ、該タレットを旋回し、所望の工具を割り出して工具交換を行う工具交換装置を備えた工作機械において、
全てのグリップに同じ重量の工具が装着されている状態で前記タレットを所定の条件で旋回させたときに前記モータに生じる負荷情報を、複数の異なる工具重量について工具重量別の基準負荷情報として、かつ、モータの回転角度あるいはモータの回転経過時間に対する変化として記憶すると共に、予め定められた工具重量別のタレットの旋回動作を行うためのパラメータを前記工具重量別の基準負荷情報と対応させて記憶する記憶手段と、
前記タレットに実際に加工に用いる工具を装着して前記タレットを前記所定の条件で旋回させたときに回転角度あるいは経過時間に対する変化として前記モータに生じる実負荷情報を測定するための手段と、
測定して得られたモータの実負荷情報と前記工具重量別の基準負荷情報とを比較し、該実負荷情報が前記工具重量別の基準負荷情報のうち、どの工具重量の基準負荷情報と回転角度あるいは経過時間に対する変化として類似するかを判定する比較判定手段と、
前記比較判定手段による判定の結果、類似する基準負荷情報に対応するパラメータを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたパラメータに基づいて前記モータを駆動する駆動手段と、
を備え、
前記設定手段により設定されたパラメータは、前記全てのグリップに同じ重量の工具を装着している場合に、工具交換に要する時間を短縮し、同時に工具交換機構に大きな負荷がかからない最適な工具交換を行うことができる工具重量別に予め求められたパラメータのいずれかであることを特徴とする工作機械。 - 前記比較判定手段は、更に、測定して得られたモータの実負荷情報と工具重量別の基準負荷情報とをモータの回転角度あるいはモータの回転経過時間に対する変化として比較することによって工具重量の偏りを求め、求めた工具重量の偏りが許容範囲を超えるか否かを判定し、
前記比較判定手段による判定の結果、工具重量の偏りが許容範囲を超えた場合には、工具の取り付けが適切でないため修正の必要があることを通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。 - 前記比較判定手段は、更に、測定して得られたモータの実負荷情報と工具重量別の基準負荷情報とをモータの回転角度あるいはモータの回転経過時間に対する変化として比較することによって工具重量の偏りを求め、求めた工具重量の偏りが許容範囲を超えるか否かを判定し、
前記設定手段は、前記比較判定手段による判定の結果、工具重量の偏りが許容範囲を超えた場合には、工具重量の偏りによる工具交換機構の偏磨耗を抑制するために、工具交換時間を長くし該工具交換機構に生じる負荷を低減するパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。 - 前記比較判定手段は、測定して得られたモータの実負荷情報と前記基準負荷情報をモータの回転角度あるいはモータの回転経過時間の区間ごとに比較し、区間ごとの該モータの実負荷情報と該基準負荷情報との誤差が第1の許容範囲内である区間の数を第1の計数値として計数し、該第1の計数値が第1の所定値を超えるか否かを判定し、
前記設定手段は、前記比較判定手段による判定の結果、前記第1の計数値が前記第1の所定値を超える場合には比較対象の基準負荷情報に対応したパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載の工作機械。 - 前記比較判定手段は、測定して得られたモータの実負荷情報と前記基準負荷情報をモータの回転角度あるいはモータの回転経過時間の区間ごとに比較し、区間ごとの該モータの実負荷情報と該基準負荷情報との誤差が第1の許容範囲内である区間の数を第1の計数値として計数し、かつ、区間ごとの該モータの実負荷情報と該基準負荷情報との誤差が第2の許容範囲内である区間の数を第2の計数値として計数し、前記第1の計数値が第1の所定値を超えており、かつ、前記第2の計数値が第2の所定値を超えない場合、工具重量の偏りが許容範囲を超えると判断することを特徴とする請求項2または3のいずれか1つに記載の工作機械。
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