JP6958832B2 - 検出システム及び検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検出システム及び検出方法に関する。
道路橋梁の鋼部材には、構造的に応力集中が生じやすい部位、又は、溶接部や切欠き部等に起因して応力集中が生じやすい部位がある。このような部位では、1台の車両が1回通過しただけでは橋梁の構造体に影響がなくても、長期にわたり何十万回、何百万回と車両が通過した場合に生じた応力の繰り返しによって、疲労き裂が生じることがある。
橋梁の鋼部材に生じた疲労き裂は、橋梁の損壊や倒壊につながる虞があり、早期に発見すべき事象である。例えば、特許文献1には、橋脚等の大規模構造物又は建築物等の予防及び保全のために、測定対象の構造物又は建築物にひずみゲージを貼付け、構造物又は建築物に生じたひずみ応答を、ひずみゲージによって測定する方法が記載されている。
このひずみゲージは、例えば、Ni−Cr系合金やCuNi合金等によるひずみ感応抵抗体がテープ基材の表面に添着形成されて構成される。この場合、ひずみゲージの抵抗変動が電圧変動として、出力ブリッジ抵抗回路を介して増幅回路に供給される。そして、増幅回路に供給された電圧変動が、当該増幅回路で増幅され、A/D変換回路において、増幅されたアナログ電圧値がデジタル値に変換され、当該デジタル値がひずみ応答として送信される。このようなひずみゲージによって、目視検査のみに頼ることなく、構造物又は建築物等の疲労き裂を調査することができる。
特開2005−291999号公報
しかしながら、従来のひずみゲージによるひずみの測定では、ひずみの測定に所定の電力が必要となるため、長期にわたり測定及び調査を続けるためには、電源の確保が問題となっていた。また、疲労き裂の調査対象が、道路橋梁のような大規模構造物である場合、ひずみゲージの数が増大し、ひずみの測定に係る費用が膨大となる場合があった。
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、橋梁等の大規模構造物において電源確保のための大規模な設備を用いることなく、長期にわたって橋梁の疲労き裂の発生および進展を判定することを可能とする検出システム及び検出方法を提供することを目的とする。
本発明に係る検出システムは、橋梁に生じるひずみ応答の変化に応じた電圧を、電力の供給を受けずに発生する圧電装置と、圧電装置によって発生した電圧による電力を蓄積する電力蓄積部と、所定条件の下で、特定車両が橋梁を通過した際に圧電装置によって発生した電圧を、当該橋梁のひずみ応答データとして出力する出力部と、を備える出力装置と、出力装置によって出力されたひずみ応答データを取得する取得部と、取得したひずみ応答データと、橋梁が正常である場合において特定車両が橋梁を通過した際に取得された正常ひずみ応答データと、の差分を算出する算出部と、算出した差分に応じて、橋梁に異常が発生しているか否かを判定する判定部と、を備える情報処理装置と、を有し、出力部は、電力蓄積部によって蓄積された電力を用いて、ひずみ応答データを出力する、ことを特徴とする検出システム。
また、本発明に係る検出システムにおいて、所定条件は、橋梁のひずみ応答の変化が所定閾値以下であることが好ましい。
また、本発明に係る検出システムにおいて、圧電装置は、複数の圧電素子を含み、複数の圧電素子は、橋梁を構成する構造体のうち、予め定められた複数の位置に固着され、出力装置は、複数の圧電素子によって検出された複数のひずみ応答データを出力し、算出部は、複数のひずみ応答データと正常ひずみ応答データとの差分をそれぞれ算出し、算出された差分の正常ひずみ応答データに対する差分比率をそれぞれ算出し、判定部は、複数の圧電素子のうち、差分比率が、前回取得したひずみ応答データに対応する差分比率と異なる圧電素子が固着されている橋梁の位置に異常が発生していると判定することが好ましい。
本発明に係る検出方法は、ひずみ応答の変化に応じた電圧を出力する圧電装置、圧電装置によって発生した電圧をひずみ応答データとして出力する出力装置、及び、情報処理装置とを有する検出システムにおける検出方法であって、圧電装置を橋梁に固着し、橋梁における一般車両の交通量が所定閾値以下である場合に、特定車両が橋梁を通過するように走行させ、特定車両が橋梁を通過した際に、情報処理装置において、出力装置から出力されたひずみ応答データを取得し、情報処理装置において、ひずみ応答データと、橋梁が正常である場合において特定車両が橋梁を通過した際に取得された正常ひずみデータとの差分を算出し、情報処理装置において、差分に基づいて、橋梁に異常が発生しているか否かを判定し、情報処理装置において、判定の結果を出力する、ステップを含む。
本発明に係る検出システム及び検出方法によって、橋梁等の大規模構造物において電源確保のための大規模な設備を用いることなく、長期にわたって橋梁の疲労き裂の発生および進展を判定することが可能となる。
検出システム1の概要を説明するための模式図である。 圧電素子2の概略構成の一例を示す図である。 出力装置3の概略構成の一例を示す図である。 記憶装置4の概略構成の一例を示す図である。 情報処理装置5の概略構成の一例を示す図である。 (a)は、正常ひずみ応答テーブルT1のデータ構造の一例を示す図であり、(b)は、正常ひずみ応答テーブルT1に記憶された正常ひずみ応答データのグラフを示す図である。 (a)は、ひずみ応答テーブルT2のデータ構造の一例を示す図であり、(b)は、ひずみ応答テーブルT2に記憶されたひずみ応答データのグラフを示す図である。 ひずみ応答データと正常ひずみ応答データとの差分を説明するためのグラフを示す図である。 検出システム1による検出方法の動作フローの一例を示す図である。 複数の圧電素子2による検出システム1の概要を説明するための模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
(検出システム1の概要)
図1は、本実施形態の検出システム1の概要を説明するための模式図である。
本実施形態の検出システム1は、圧電素子2、出力装置3、記憶装置4及び情報処理装置5を少なくとも有する。圧電素子2は、例えば、道路橋梁を構成する構造体である鋼材に固着され、道路橋梁に生じるひずみ応答を検出するためのひずみセンサであり、圧電装置の一例である。車両が道路橋梁を通過した際の橋梁のたわみによって圧電素子2にひずみが生じた場合、圧電素子2のひずみ応答の変化に応じた電圧が発生し、当該電圧がひずみ応答として検出される。圧電素子2の詳細については後述する。
図1に示すように、圧電素子2は、鋼材とガゼットとの溶接部近傍に固着される。圧電素子2の固着位置は、溶接部近傍に限らず、鋼材において応力集中が生じやすい部位であれば、どのような位置であってもよい。
本実施形態の検出システム1では、所定条件の下で、特定車両が道路橋梁を通過した際に圧電素子2によって発生した電圧が、当該道路橋梁のひずみ応答データとして出力される。特定車両は、所定重量の試験車両であり、例えば、車両総重量が20トンの試験車両である。特定車両の車両総重量は、20トンに限らず、例えば、10トン、25トン、30トン又は50トンであってもよい。また、所定条件は、例えば、道路橋梁のひずみ応答の変化が所定閾値(例えば、「5μ」)以下であるという条件である。なお、所定条件は、早朝の時間帯や交通規制を実施している時間帯であるという条件、特定車両以外の一般車両の交通量が所定しきい値以下(例えば、大型車両が1時間当たり50台以下)であるという条件等でもよい。
圧電素子2は、シールドケーブル6等によって出力装置3と接続される。出力装置3は、特定車両が道路橋梁を通過した際に圧電素子2によって発生した電圧を検出し、検出した電圧を、圧電素子2が固着された鋼材のひずみ応答データとして出力する機能と、圧電素子2によって発生した電圧による電力を蓄積する機能と、を有する。なお、出力装置3における出力機能は、出力装置3に蓄積された電力を用いて実現する。これによって、検出システム1では、圧電素子2によって検出されたひずみ応答データの出力に際して、電源の確保を必要とせず、設置及びメンテナンスに係る時間や費用を低減させることが可能となる。
記憶装置4は、出力装置3から出力されたひずみ応答データを記憶する。出力装置3と記憶装置4とは、所定の無線通信網によって接続され、記憶装置4は、出力装置3から送信されたデータを受信する。出力装置3と記憶装置4との間の通信は有線通信であってもよい。
記憶装置4は、出力装置3からのひずみ応答データを所定期間記憶し、記憶したひずみ応答データを、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)、フラッシュメモリー等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体に記憶させる。そして、情報処理装置5は、当該可搬型記録媒体を介してひずみ応答データを取得する。記憶装置4と情報処理装置5との間は、無線又は有線の通信網によって接続されてもよい。この場合、記憶装置4に記憶されたひずみ応答データが、無線又は有線の通信網を介して情報処理装置5に送信される。
情報処理装置5は、予め道路橋梁が正常である場合において、特定車両が道路橋梁を通過した際に取得された正常ひずみ応答データを記憶している。正常ひずみ応答データは、道路橋梁の管理者等の目視、又は、ひずみゲージ等の他のひずみセンサ等によって、道路橋梁に疲労き裂又は損傷若しくは損壊が発生していないと判定された場合に取得されたひずみ応答データである。正常ひずみ応答データは、道路橋梁の共用前に取得されたひずみ応答データでもよく、道路橋梁の供用後の所定期間のうちに取得されたひずみ応答データであってもよい。
情報処理装置5は、出力装置3によって出力されたひずみ応答データを取得するとともに、取得したひずみ応答データと正常ひずみ応答データとの差分を算出する。情報処理装置5は、算出した差分が異常発生基準を超えていると判定した場合、道路橋梁に異常が発生していると判定し、判定結果を表示出力する。
上述のとおり、検出システム1では、道路橋梁に固着された圧電素子2によって発生した電圧が、当該道路橋梁のひずみ応答データとして用いられる。検出システム1では、ひずみゲージ等に比べて安価な圧電素子2がひずみセンサとして用いられることによって、大規模な構造物であっても、ひずみ応答の検出箇所を、他のひずみセンサの場合よりも増加させることが可能となる。また、検出システム1では、圧電素子2によって発生した電圧による電力を用いて、ひずみ応答データの出力が行われるため、メンテナンス費用を低減させることが可能となる。さらに、ひずみ応答データの検出は、所定条件の下で行われるため、他の一般車両を起因とする道路橋梁のひずみ応答が所定閾値以下となり、ひずみ応答データのノイズを低減させることが可能となる。
なお、上述した図1の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明にすぎない。本発明は、具体的には、次に説明する各実施形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例はすべて、本発明及び本明細書の開示範囲に含まれる。
(圧電素子2)
図2は、圧電素子2の概略構成の一例を示す図である。
圧電素子2は、圧電体21としてチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrTi)O3)が用いられ、且つ、第1電導板22及び第2電導板23として黄銅板が用いられた円盤型の圧電素子である。なお、圧電体21は、チタン酸ジルコ酸に限らず、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)若しくはチタン酸ジルコン酸ランタン鉛((Pb,La)(Zr,Ti)O3)等の圧電セラミックス、又は、水晶等であってもよい。また、第1電導板22及び第2電導板23は、黄銅板に限らず、ニッケル等の金属板、又は他の伝導体であってもよい。
圧電体21を挟んで、第1電導板22と対称となる位置に、第1電導板22と同じ素材で形成された第2電導板23が設けられる。第1電導板22と第2電導板23とは電極として機能し、圧電素子2に対して生じたひずみ応答の変化によって、圧電素子に電気分極が生じることで、電力の供給を受けることなく電位差が発生する。そして、圧電素子2の一方の電極に接続されたシールドケーブル6と、他方の電極に接続されたシールドケーブル6との間で起電力が発生し、後述する電圧検出部33によって電圧が測定される。このように、圧電素子2は、生じたひずみ応答の変化に応じた交流電圧波形信号を発生させる。なお、検出システム1において、第1電導板22及び第2電導板23を有しない圧電素子2が用いられてもよい。この場合、当該圧電素子2を構成する圧電体21の上面部に、後述する一方のシールドケーブル6が接続され、当該圧電体21の下面部(固着面)に、後述する他方のシールドケーブル6が接続される。
(出力装置3)
図3は、出力装置3の概略構成の一例を示す図である。
出力装置3は、圧電素子2によって発生した交流電圧波形信号に基づいて、ひずみ応答データを発生して出力する機能を有する。出力装置3は、少なくとも、整流回路部31、電力蓄積部32、電圧検出部33、検出通信部34及び通信制御部35を備える。
整流回路部31は、圧電素子2によって発生した交流電圧波形信号を直流電圧波形信号に変換する回路である。整流回路部31は、交流電圧波形信号を直流電圧波形信号に変換できるものであればどのような回路であってもよく、例えば、半波整流回路、両波整流回路、ダイオードブリッジ回路等が用いられる。電力蓄積部32は、コンデンサを含み、コンデンサに電荷を蓄積するとともに、整流回路部31が出力した直流電圧波形信号を平滑化する機能を有する。電圧検出部33は、所定の検出抵抗を有し、所定の検出抵抗によって、電力蓄積部32から出力される平滑化された直流電流波形信号の電圧を検出する機能を有する。
検出通信部34は、通信制御部35から取得したデータを記憶装置4等の外部装置に送信する。検出通信部34は、電力蓄積部32に蓄積された電力を用いることによって稼働し、送信処理を実行する。
検出通信部34は、Bluetooth(登録商標)の通信方式に従った近距離無線通信を行い、外部装置との間で端末間無線通信を確立させて、直接無線通信を行う。近距離無線通信の通信方式は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、例えば、Bluetooth Low Energy等であってもよい。また、検出通信部34は、近距離無線通信を行うためのものに限定されず、例えば、検出通信部34は、赤外線通信等を用いて、各種信号を送信してもよい。この場合、検出通信部34は、通信制御部35から取得した信号を所定の電波に変調してブロードキャスト送信する。また、検出通信部34は、USB(Universal Serial Bus)等と接続するためのインターフェース、有線又は無線のLAN(Local Area Network)の通信インターフェース等を含む、通信インターフェース等であってもよい。
通信制御部35は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。通信制御部35は、出力装置3の全体的な動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)である。通信制御部35は、電力蓄積部32に蓄積された電力を用いることによって稼働し、各種処理を実行する。通信制御部35は、電圧検出部33によって検出された電圧をひずみ応答データとして取得し、取得したひずみ応答データと、取得した日時とを対応付けて、検出通信部34を介して外部装置に送信する。以降、ひずみ応答データに対応付けられた日時を、検出日時と称する場合がある。なお、通信制御部35は、出力部の一例である。
(記憶装置4)
図4は、記憶装置4の概略構成の一例を示す図である。
記憶装置4は、出力装置3から送信されたひずみ応答データを受信し、受信したひずみ応答データを時系列にしたがって記憶する機能を有する。そのために、記憶装置4は、第1通信部41と、第1記憶部42と、第1装着部43と、第1処理部44とを備える。
第1通信部41は、Bluetooth(登録商標)の通信方式に従った近距離無線通信を行い、出力装置3との間で端末間無線通信を確立させて、直接無線通信を行う。近距離無線通信の通信方式は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、例えば、Bluetooth Low Energy等であってもよい。また、第1通信部41は、近距離無線通信を行うためのものに限定されず、例えば、検出通信部34は、赤外線通信等を用いて、各種信号を送信してもよい。この場合、第1通信部41は、第1処理部44から取得した信号を所定の電波に変調してブロードキャスト送信し、出力装置3から出力された信号を受信して所定の信号に復調する。また、第1通信部41は、USB等と接続するためのインターフェース、有線又は無線のLANの通信インターフェース等を含む、通信インターフェース等であってもよい。
第1記憶部42は、半導体メモリ装置を備える。第1記憶部42は、第1処理部44での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。ドライバプログラムは、第1通信部41を制御する通信デバイスドライバプログラムである。また、第1記憶部42は、データとして、送信されたひずみ応答データを時系列に従って記憶する。
第1装着部43は、可搬型記録媒体を着脱可能に保持する入出力装置を備える。可搬型記録媒体がDVD−ROMである場合は、第1装着部43はDVD−ROMドライブを備える。第1装着部43は、装着された可搬型記録媒体に記憶された各種情報を読み出し、且つ、装着された可搬型記録媒体に各種情報を記録する機能を有する。なお、可搬型記録媒体がCD−ROMである場合は、第1装着部43はCD−ROMドライブを備える。
第1処理部44は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。第1処理部44は、記憶装置4の全体的な動作を統括的に制御するCPUである。第1処理部44は、第1送受信部441と、第1制御部442とを有する。第1処理部44が有するこれらの各部は、第1処理部44が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、第1処理部44が有するこれらの各部は、ファームウェアとして記憶装置4に実装されてもよい。
(情報処理装置5)
図5は、情報処理装置5の概略構成の一例を示す図である。
情報処理装置5は、出力装置3又は記憶装置4から取得したひずみ応答データを記憶し、道路橋梁に異常が発生しているか否かを判定する機能を有する。そのために、情報処理装置5は、第2通信部51と、第2記憶部52と、操作部53と、表示部54と、第2装着部55と、第2処理部56とを備える。
なお、本実施形態では、情報処理装置5として、パーソナルコンピュータ(Personal Computer, PC)、サーバを想定するが、本発明はこれに限定されるものではない。情報処理装置5は、本発明が適用可能であればよく、例えば、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)や携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレット端末、タブレットPC、ノートPC等でもよい。
第2通信部51は、Bluetooth(登録商標)の通信方式に従った近距離無線通信を行い、記憶装置4との間で端末間無線通信を確立させて、直接無線通信を行う。近距離無線通信の通信方式は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、例えば、Bluetooth Low Energy等であってもよい。また、第2通信部51は、近距離無線通信を行うためのものに限定されず、例えば、第2通信部51は、赤外線通信等を用いて、各種信号を送受信してもよい。この場合、第2通信部51は、第2処理部56から取得した信号を所定の電波に変調してブロードキャスト送信し、出力装置3又は記憶装置4から出力された信号を受信して所定の信号に復調する。また、第2通信部51は、USB等と接続するためのインターフェース、有線又は無線のLANの通信インターフェース等を含む、通信インターフェース等であってもよい。
第2記憶部52は、半導体メモリ装置を備える。第2記憶部52は、第2処理部56での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。第2処理部56に記憶されるドライバプログラムは、操作部53を制御する入力デバイスドライバプログラム、及び、表示部54を制御する出力デバイスドライバプログラム等である。第2処理部56に記憶されるアプリケーションプログラムは、ひずみ応答データの取得及び表示を行うプログラム等である。第2記憶部52に記憶されるデータは、後述する正常ひずみ応答テーブルT1及びひずみ応答テーブルT2等である。また、第2記憶部52は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
操作部53は、キーボード及びマウスである。なお、操作部53は、タッチパネル等でもよい。ユーザは、操作部53を用いて、文字や数字、記号等を入力することができる。操作部53は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、第2処理部56に供給される。
表示部54は、液晶ディスプレイである。なお、表示部54は、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等でもよい。表示部54は、第2処理部56から供給された映像データに応じた映像、及び、画像データに応じた画像等を表示する。
第2装着部55は、可搬型記録媒体を着脱可能に保持する入出力装置を備える。可搬型記録媒体がDVD−ROMである場合は、第2装着部55はDVD−ROMドライブを備える。第2装着部55は、装着された可搬型記録媒体に記憶された各種情報を読み出し、且つ、装着された可搬型記録媒体に各種情報を記録する機能を有する。なお、可搬型記録媒体がCD−ROMである場合は、第2装着部55はCD−ROMドライブを備える。
第2処理部56は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。第2処理部56は、情報処理装置5の全体的な動作を統括的に制御するCPUである。第2処理部56は、情報処理装置5の各種処理が第2記憶部52に記憶されているプログラムや操作部53の操作に基づいて適切な手順で実行されるように、第2通信部51や表示部54等の動作を制御する。第2処理部56は、第2記憶部52に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、第2処理部56は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
第2処理部56は、取得部561と、算出部562と、判定部563と、表示処理部564とを有する。第2処理部56が有するこれらの各部は、第2処理部56が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、第2処理部56が有するこれらの各部は、ファームウェアとして情報処理装置5に実装されてもよい。なお、取得部561、算出部562、判定部563及び表示処理部564の詳細は後述する。
図6(a)は、正常ひずみ応答テーブルT1のデータ構造の一例を示す図であり、図6(b)は、正常ひずみ応答テーブルT1に記憶された正常ひずみ応答データのグラフを示す図である。第2記憶部52に記憶される正常ひずみ応答テーブルT1について図6(a)及び(b)を用いて説明する。
図6(a)に示す正常ひずみ応答テーブルT1には、道路橋梁が正常である場合において、特定車両が道路橋梁を通過した際に取得された正常ひずみ応答データが、時系列に従って記憶される。また、正常ひずみ応答データのそれぞれには、出力装置3の通信制御部35によって対応付けられた検出日時が関連付けて記憶される。なお、圧電素子2が道路橋梁に複数固着されている場合、圧電素子2ごとに、正常ひずみ応答テーブルT1が生成される。なお、正常ひずみ応答テーブルT1において、正常ひずみ応答データのそれぞれに対して、検出の開始時刻から検出日時までの相対時間が対応付けられてもよい。この場合、後述する情報処理装置5の第2処理部56が、検出の開始時刻から検出日時までの相対時間を算出し、算出した相対時間を、検出日時に対応する正常ひずみ応答データに対応付けて正常ひずみ応答テーブルT1に記憶する。
図7(a)は、ひずみ応答テーブルT2のデータ構造の一例を示す図であり、図7(b)は、ひずみ応答テーブルT2に記憶されたひずみ応答データのグラフを示す図である。第1記憶部42及び第2記憶部52に記憶されるひずみ応答テーブルT2について図7(a)及び(b)を用いて説明する。
図7(a)に示すひずみ応答テーブルT2には、前述した所定条件の下で取得されたひずみ応答データが、時系列に従って記憶される。また、ひずみ応答データのそれぞれには、出力装置3の通信制御部35によって対応付けられた検出日時が関連付けて記憶される。なお、圧電素子2が道路橋梁に複数固着されている場合、圧電素子2ごとに、ひずみ応答テーブルT2が生成される。なお、ひずみ応答テーブルT2において、ひずみ応答データのそれぞれに対して、検出の開始時刻から検出日時までの相対時間が対応付けられてもよい。この場合、後述する出力装置3の第1制御部442が、検出の開始時刻から検出日時までの相対時間を算出し、算出した相対時間を、検出日時に対応するひずみ応答データに対応付けてひずみ応答テーブルT2に記憶する。
図8は、ひずみ応答データと正常ひずみ応答データとの差分を説明するためのグラフを示す図である。
同一橋梁に圧電素子センサが設置されている場合、正常ひずみ応答テーブルT1における検出の開始時刻から検出の終了時刻までの検出時間と、ひずみ応答テーブルT2における検出の開始時刻から検出終了時刻までの検出時間は略同一である。したがって、情報処理装置5の算出部562は、開始時刻からの経過時間ごとに正常ひずみ応答データとひずみ応答データとを比較することによって、正常ひずみ応答データとひずみ応答データとの差分を算出する。
図8に示すグラフは、開始時刻から21秒後から24秒後までの正常ひずみ応答データのグラフとひずみ応答データのグラフとを重畳したものである。算出部562は、経過時間ごと(例えば、1/100秒ごと)に算出した差分のうち、最大差分を算出する。そして、判定部563は、算出した最大差分が異常発生基準(例えば、0.7V)を超えていると判定した場合、道路橋梁に異常が発生していると判定する。
なお、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1に記憶された正常ひずみ応答データの積分値と、ひずみ応答テーブルT2に記憶されたひずみ応答データの積分値との差分を算出してもよい。具体的には、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1に記憶された正常ひずみ応答データの最大値を抽出し、当該最大値を含む所定時間範囲内の検出日時に対応する差分の合計値を積分値とする。例えば、正常ひずみ応答テーブルT1に記憶された正常ひずみ応答データの最大値が測定開始時刻から10秒後である場合、算出部562は、その前後0.5秒の時間範囲(9.5秒〜10.5秒)の差分の合計値を積分値として算出する。なお、時間範囲は、前後0.5秒の時間範囲(1秒)に限らず、例えば、前後1秒の時間範囲(2秒)等であってもよい。
(検出システム1による検出方法の動作フロー)
図9は、検出システム1による検出方法の動作フローの一例を示す図である。
まず、道路橋梁の鋼材における予め定められた位置に圧電素子2が固着される(ステップS101)。なお、圧電素子2を鋼材に固着させるための接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤又はシアノアクリレート系接着剤等である。
次に、所定条件の下で、特定車両が橋梁を通過するように走行させる(ステップS102)。
次に、特定車両が橋梁を通過した際に、情報処理装置5の取得部561が、出力装置3から出力されたひずみ応答データを取得する(ステップS103)。具体的には、出力装置3の通信制御部35は、電圧検出部33によって検出された電圧をひずみ応答データとして取得し、取得したひずみ応答データと検出日時とを対応付けて、検出通信部34を介して記憶装置4に送信する。次に、記憶装置4の第1送受信部441は、出力装置3からのひずみ応答データ及び検出日時を、第1通信部41を介して逐次受信し、第1制御部442は、受信した応答データ及び検出日時を、検出日時の時系列に従ってひずみ応答テーブルT2に記憶する。次に、記憶装置4の第1制御部442は、ユーザの操作等に応じて、ひずみ応答テーブルT2を第1装着部43に装着された可搬型記録媒体に記憶する。次に、情報処理装置5の取得部561は、第2装着部55に当該可搬型記録媒体が装着された場合に、当該可搬型記録媒体に記憶されたひずみ応答テーブルT2を読み出すことで、出力装置から出力されたひずみ応答データを取得する。そして、取得部561は、取得したひずみ応答テーブルT2を第2記憶部52に記憶する。
次に、情報処理装置5の算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1から読み出した正常ひずみデータと、取得したひずみ応答テーブルT2から読み出したひずみ応答データとの差分を算出する(ステップS104)。具体的には、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1aに記憶された正常ひずみ応答データと、ひずみ応答テーブルT2aに記憶されたひずみ応答データと、を時系列に従って読み出す。次に、算出部562は、読み出した正常ひずみ応答データとひずみ応答データとの差分を、時系列に従って算出する。そして、算出部562は、算出した各差分に対応する正常ひずみ応答データ及びひずみ応答データを、第2記憶部52に記憶する。
次に、情報処理装置5の判定部563は、差分に基づいて、橋梁に異常が発生しているか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、判定部563は、算出した差分のうち、最大の値を有する最大差分を抽出する。そして、判定部563は、算出した最大差分が異常発生基準(例えば、0.7V)を超えていると判定した場合、道路橋梁に異常が発生していると判定する。
次に、情報処理装置5の表示処理部564は、判定の結果を表示部54に表示出力し(ステップS106)、一連のステップを終了する。
図10は、検出システム1が、圧電装置として複数の圧電素子2を含む場合を説明するための模式図である。図10(a)は、複数の圧電素子2のそれぞれを固着した、道路橋梁の意思を説明するための模式図である。図10(b)は、位置Aに固着された圧電素子2aにおける正常ひずみ応答テーブルT1a及びひずみ応答テーブルT2aに記憶されたそれぞれのひずみ応答データのグラフを示す図である。図10(c)は、位置Bに固着された圧電素子2bにおける正常ひずみ応答テーブルT1a及びひずみ応答テーブルT2aに記憶されたそれぞれのひずみ応答データのグラフを示す図である。図10(d)は、位置Cに固着された圧電素子2cにおける正常ひずみ応答テーブルT1a及びひずみ応答テーブルT2aに記憶されたそれぞれのひずみ応答データのグラフを示す図である。
図10(a)に示すように、検出システム1に含まれる複数の圧電素子2は、道路橋梁を構成する構造体である鋼材の予め定められた複数の位置にそれぞれ固着される。なお、圧電素子2の固着位置は、鋼材において応力集中が生じやすい部位である。図10(a)に示す例では、3つの圧電素子2a、2b及び2cのそれぞれが、位置A、位置B及び位置Cに固着される。また、出力装置3は、複数の圧電素子2a、2b及び2cのそれぞれによって検出された複数のひずみ応答データを出力する。
情報処理装置5の第2記憶部52には、圧電素子2aにおける正常ひずみ応答テーブルT1aと、圧電素子2bにおける正常ひずみ応答テーブルT1bと、圧電素子2cにおける正常ひずみ応答テーブルT1cと、が記憶される。また、情報処理装置5の第2記憶部52には、圧電素子2aにおけるひずみ応答テーブルT2aと、圧電素子2bにおけるひずみ応答テーブルT2bと、圧電素子2cにおけるひずみ応答テーブルT2cと、が記憶される。
図10(b)〜(d)に示すように、特定車両は、略一定速度で道路橋梁を走行するため、それぞれのグラフにおいて、開始時刻から終了時刻までの検出時間は略同一であり、特定車両が位置A、位置B及び位置Cを通過する時間が異なる。したがって、情報処理装置5の算出部562は、各圧電素子2a〜2cにおいて、開始時刻からの経過時間ごとに正常ひずみ応答データとひずみ応答データを比較することによって、正常ひずみ応答データとひずみ応答データとの差分を算出する。
以下、算出部562による差分算出処理について説明する。まず、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1aに記憶された正常ひずみ応答データと、ひずみ応答テーブルT2aに記憶されたひずみ応答データと、を時系列に従って読み出す。次に、算出部562は、読み出した正常ひずみ応答データとひずみ応答データとの差分を、時系列に従って算出する。そして、算出部562は、算出した各差分に対応する正常ひずみ応答データ及びひずみ応答データを、第2記憶部52に記憶する。
次に、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1bに記憶された正常ひずみ応答データと、ひずみ応答テーブルT2bに記憶されたひずみ応答データと、を時系列に従って読み出す。次に、算出部562は、読み出した正常ひずみ応答データとひずみ応答データとの差分を、時系列に従って算出する。そして、算出部562は、算出した各差分に対応する正常ひずみ応答データ及びひずみ応答データを、第2記憶部52に記憶する。
そして、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1cに記憶された正常ひずみ応答データと、ひずみ応答テーブルT2cに記憶されたひずみ応答データと、を時系列に従って読み出す。次に、算出部562は、読み出した正常ひずみ応答データとひずみ応答データとの差分を、時系列に従って算出する。そして、算出部562は、算出した各差分に対応する正常ひずみ応答データ及びひずみ応答データを、第2記憶部52に記憶する。
次に、算出部562は、各圧電素子2a〜2cにおいて、算出された差分の正常ひずみ応答データに対する差分比率をそれぞれ算出する。まず、算出部562は、ひずみ応答テーブルT2aに記憶されたひずみ応答データのうち、もっとも数値の高いひずみ応答データを抽出する。次に、算出部562は、抽出したひずみ応答データに対応する、差分及び正常ひずみ応答データを、第2記憶部52から読み出し、読み出した正常ひずみ応答データに対する、読み出した差分の比率を、圧電素子2aにおける差分比率として算出する。
次に、算出部562は、ひずみ応答テーブルT2bに記憶されたひずみ応答データのうち、もっとも数値の高いひずみ応答データを抽出する。次に、算出部562は、抽出したひずみ応答データに対応する、差分及び正常ひずみ応答データを、第2記憶部52から読み出し、読み出した正常ひずみ応答データに対する、読み出した差分の比率を、圧電素子2bにおける差分比率として算出する。
そして、算出部562は、ひずみ応答テーブルT2cに記憶されたひずみ応答データのうち、もっとも数値の高いひずみ応答データを抽出する。次に、算出部562は、抽出したひずみ応答データに対応する、差分及び正常ひずみ応答データを、第2記憶部52から読み出し、読み出した正常ひずみ応答データに対する、読み出した差分の比率を、圧電素子2cにおける差分比率として算出する。
次に、判定部563は、圧電素子2a〜2cのそれぞれの差分比率を第2記憶部52に記憶する。次に、判定部563は、前回取得したひずみ応答データに対応する圧電素子2a〜2cのそれぞれの差分比率(以降、前回の差分比率と称する場合がある。)を第2記憶部52から取得する。次に、判定部563は、今回取得したひずみ応答データに対応する各圧電素子2a〜2cのそれぞれの差分比率(以降、今回の差分比率と称する場合がある。)と、圧電素子2a〜2cのそれぞれの前回の差分比率との乖離度を算出する。なお、乖離度は、例えば、前回の差分比率を基準とした、前回の差分比率と今回の差分比率との差分の比率である。次に、判定部563は、圧電素子2a〜2cのそれぞれについて、算出した乖離度が所定比率以上であるか否か(例えば、乖離度が5%以上乖離しているか否か)を判定する。判定部563は圧電素子2a〜2cの差分比率のそれぞれについて、算出した乖離度が所定比率以上乖離していると判定した場合、当該差分比率に対応する圧電素子2が固着されている橋梁の位置に異常が発生していると判定する。このように、検出システム1は、今回の差分比率が前回の差分比率と異なると判定された圧電素子2が固着されている橋梁の位置に、異常が発生していると判定することが可能になる。
図10に示す例では、判定部563は、3つの圧電素子2における差分比率に基づいて道路橋梁の異常発生を判定したが、算出部562によって算出された3つの圧電素子2のそれぞれの最大差分又は積分値に基づいて道路橋梁の異常発生を判定してもよい。また、圧電装置に含まれる圧電素子の数は、3つに限らず、2つでも4つ以上でもよい。
(変形例1)
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、圧電素子2を一つ用いた場合において、算出部562は、当該圧電素子2における差分比率を算出してもよい。この場合、判定部563は、差分比率が、異常発生基準比率を超えている(例えば、10%を超えている)と判定すると、道路橋梁に異常が発生していると判定する。
(変形例2)
また、算出部562は、正常ひずみ応答テーブルT1に記憶された正常ひずみ応答データの最大値と、ひずみ応答テーブルT2に記憶されたひずみ応答データの最大値との差分を算出し、判定部563は、当該差分に基づいて道路橋梁に異常発生を判定してもよい。このように、算出部562は、時系列に従って、正常ひずみ応答テーブルT1及びひずみ応答テーブルT2の各データにおける差分算出処理を実行せずに、判定部563が道路橋梁の異常発生を判定することが可能となる。
(変形例3)
圧電素子2を、鋼材において応力集中が生じやすい部位に固着させるとともに、他の圧電素子2を応力集中が生じにくい部位に固着させてもよい。以下、応力集中が生じやすい部位に固着させた圧電素子2xと、応力集中が生じにくい部位に固着させた他の圧電素子2yとを用いた場合を例に説明する。
まず、記憶装置4の第1送受信部441は、圧電素子2x及び他の圧電素子2yのそれぞれのひずみ応答データ及び検出日時を、第1通信部41を介して逐次受信する。次に、第1制御部442は、受信した応答データ及び検出日時を、検出日時の時系列に従って、圧電素子2xのひずみ応答テーブルT2x及び他の圧電素子2yのひずみ応答テーブルT2yに記憶する。次に、第1制御部442は、ひずみ応答テーブルT2x及びひずみ応答テーブルT2yを可搬型記録媒体に記憶する。
次に、情報処理装置5の取得部561は、当該可搬型記録媒体に記憶された、ひずみ応答テーブルT2x及びひずみ応答テーブルT2yを読み出して第2記憶部52に記憶する。次に、情報処理装置5の判定部563は、ひずみ応答テーブルT2x及びひずみ応答テーブルT2yのそれぞれから、同一の検出日時に対応するひずみ応答データを抽出する。そして、判定部563は、抽出した両者のひずみ応答データの関係に基づいて橋梁に異常が発生しているか否かを判定する。例えば、算出部562は、検出日時ごとに、ひずみ応答テーブルT2yのひずみ応答データに対する、ひずみ応答テーブルT2xのひずみ応答データの比率を算出する。次に、判定部563は、算出した比率が、第2の所定比率未満又は第3の所定比率以上である場合、橋梁に異常が発生していると判定する。なお、第3の所定比率は、第2の所定比率よりも大きい比率である。また、第2の所定比率から第3の所定比率までの範囲は、橋梁が正常である場合における比率の範囲に設定される。これにより、情報処理装置5は、正常ひずみ応答テーブルT1を記憶することなく、道路橋梁の異常発生を判定することが可能となる。また、圧電素子2は、外部環境(温度又は湿度等)に応じて、ひずみ応答が変動する場合がある。上述のとおり、圧電素子2x及び他の圧電素子2yの両者のひずみ応答データを用いた判定が行われることにより、外部環境の変化を考慮することなく、同一外部環境下において橋梁に異常が発生しているか否かの判定が可能になる。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 検出システム
2 圧電素子
21 圧電体
22 第1電導板
23 第2電導板
3 出力装置
31 整流回路部
32 電力蓄積部
33 電圧検出部
34 検出通信部
35 通信制御部
4 記憶装置
41 第1通信部
42 第1記憶部
43 第1装着部
44 第1処理部
441 第1送受信部
442 第1制御部
5 情報処理装置
51 第2通信部
52 第2記憶部
53 操作部
54 表示部
55 第2装着部
56 第2処理部
561 取得部
562 算出部
563 判定部
564 表示処理部
6 シールドケーブル

Claims (4)

  1. 橋梁に生じるひずみ応答の変化に応じた電圧を、電力の供給を受けずに発生する圧電装置と、
    前記圧電装置によって発生した電圧による電力を蓄積する電力蓄積部と、
    所定条件の下で、特定車両が前記橋梁を通過した際に前記圧電装置によって発生した電圧を、当該橋梁のひずみ応答データとして出力する出力部と、を備える出力装置と、
    前記出力装置によって出力されたひずみ応答データを取得する取得部と、
    取得した前記ひずみ応答データと、前記橋梁が正常である場合において前記特定車両が前記橋梁を通過した際に取得された正常ひずみ応答データと、の差分を時系列に従って算出する算出部と、
    算出した前記差分のうち、最大の値を有する最大差分を抽出し、算出した前記最大差分が異常発生基準を超えていると判定した場合、前記橋梁に異常が発生している判定する判定部と、を備える情報処理装置と、を有し、
    前記出力部は、前記電力蓄積部によって蓄積された電力を用いて、前記ひずみ応答データを出力する、
    ことを特徴とする検出システム。
  2. 前記所定条件は、前記橋梁のひずみ応答の変化が所定閾値以下である、請求項1に記載の検出システム。
  3. 前記圧電装置は、複数の圧電素子を含み、
    前記複数の圧電素子は、前記橋梁を構成する構造体のうち、予め定められた複数の位置に固着され、
    前記出力装置は、前記複数の圧電素子によって検出された複数のひずみ応答データを出力し、
    前記算出部は、前記複数のひずみ応答データと前記正常ひずみ応答データとの差分をそれぞれ算出し、算出された差分の前記正常ひずみ応答データに対する差分比率をそれぞれ算出し、
    前記判定部は、前記複数の圧電素子のうち、前記差分比率が、前回取得したひずみ応答データに対応する差分比率と異なる圧電素子が固着されている前記橋梁の位置に異常が発生していると判定する、
    請求項1又は2に記載の検出システム。
  4. ひずみ応答の変化に応じた電圧を出力する圧電装置、前記圧電装置によって発生した電圧をひずみ応答データとして出力する出力装置、及び、情報処理装置とを有する検出システムにおける検出方法であって、
    前記圧電装置を橋梁に固着し、
    前記橋梁における一般車両の交通量が所定閾値以下である場合に、特定車両が前記橋梁を通過するように走行させ、
    前記特定車両が前記橋梁を通過した際に、前記情報処理装置において、前記出力装置から出力された前記ひずみ応答データを取得し、
    前記情報処理装置において、前記ひずみ応答データと、前記橋梁が正常である場合において前記特定車両が前記橋梁を通過した際に取得された正常ひずみデータとの差分を時系列に従って算出し、
    前記情報処理装置において、算出した前記差分のうち、最大の値を有する最大差分を抽出し、算出した前記最大差分が異常発生基準を超えていると判定した場合、前記橋梁に異常が発生している判定し、
    前記情報処理装置において、前記判定の結果を出力する、
    ステップを含むことを特徴とする検出方法。
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