JP6328733B1 - 判定装置、モニタリングシステム、及びモニタ装置 - Google Patents

判定装置、モニタリングシステム、及びモニタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電容量型センサが正常であるか否かをより適切に判定できる技術を提供する。【解決手段】モニタ装置3の処理装置5は、変換部20の整流部20aが出力する整流後電圧が、短絡電圧よりも低いか否かを判定する第1判定部31と、増幅部21が出力する出力電圧が、予め設定された閾値電圧よりも高いか否かを判定する第2判定部32と、第1判定部31、及び第2判定部32の判定結果に基づいて、センサシート4が正常か否かを判定する制御部33とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、判定装置、モニタリングシステム、及びモニタ装置に関する。
従来から、外部入力に応じて静電容量が変化する容量素子によって構成される静電容量型センサを備えたセンサ装置がある。このセンサ装置は、静電容量型センサの静電容量を電圧信号に変換し、この電圧信号を増幅した上で出力する(例えば、特許文献1参照)。
特許第5326042号公報
上記センサ装置では、変形に応じて静電容量が変化するシート状の静電容量型センサが用いられることがある。
このようなシート状の静電容量型センサは、繰り返し伸長収縮が繰り返されることにより、当該センサの一部に破損等が生じ、オープン状態や、ショート状態といったように正常ではない状態となるおそれがある。
上記センサ装置において、静電容量型センサが正常であるか否かの判定については、当該センサ装置が出力する出力電圧に基づいて行うことが考えられる。
しかし、増幅部が出力する出力電圧からは、静電容量型センサがオープン状態か否かについては判定することはできるが、静電容量型センサがショート状態か否かについては、電圧レベルに制限があるため判定することが困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、静電容量型センサが正常であるか否かをより適切に判定できる技術を提供することを目的とする。
(1)本発明は、電圧が印加されるとともに伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの容量変化を電圧信号に変換する変換部と、前記変換部の出力を増幅する増幅部と、を備えたセンサ装置が正常であるか否かを判定する判定装置であって、前記変換部内で処理される信号の信号電圧が、短絡電圧よりも低いか否かを判定する第1判定部と、前記増幅部が出力する出力電圧が、予め設定された閾値電圧よりも高いか否かを判定する第2判定部と、前記第1判定部、及び前記第2判定部の判定結果に基づいて、前記静電容量型センサが正常か否かを判定する制御部と、を備えている。
上記のように構成された判定装置によれば、静電容量型センサがオープン状態になることで生じる出力電圧の低下を第2判定部によって検出できるとともに、静電容量型センサがショート状態になることで生じる信号電圧の上昇を第1判定部によって検出することができる。よって、静電容量型センサの状態がオープン状態及びショート状態のいずれの場合であっても検出することができ、静電容量型センサが正常であるか否かをより適切に判定できる。
(2)上記判定装置において、前記変換部は、前記静電容量型センサの出力を整流する整流部を含み、前記変換部内で処理される信号の信号電圧は、前記静電容量型センサの出力を整流した後の整流後電圧であることが好ましい。
(3)上記判定装置において、前記制御部は、前記第1判定部の判定結果及び前記第2判定部の判定結果が共に肯定的である場合に、前記静電容量型センサを正常と判定することが好ましく、この場合、容易に静電容量型センサが正常か否かを判定することができる。
(4)上記判定装置において、前記制御部は、前記第1判定部の判定結果及び前記第2判定部の判定結果の内、少なくとも一方が否定的である場合に、前記静電容量型センサを異常と判定してもよく、この場合、容易に静電容量型センサが異常か否かを判定することができる。
(5)また、上記判定装置において、前記制御部は、前記出力電圧に対する判定結果が前記閾値電圧以下であるとの判定から前記閾値電圧よりも高いとの判定に切り替わる切替点の回数をカウントし、前記切替点の回数が所定数以上となると、前記第1判定部及び前記第2判定部の判定結果に関わらず前記静電容量型センサが正常ではないと判定することが好ましい。
静電容量型センサは、伸長収縮が繰り返されることにより、正常な状態からオープン状態に移行するまでの間において過渡状態となることがあり、この場合、出力電圧の低下が断続的に現れることがある。この点、上記構成によれば、静電容量型センサが過渡状態となり、断続的に出力電圧の低下が断続的に現れたとしても、出力電圧の低下が所定回数繰り返されれば、静電容量型センサが異常であると判定することができる。
(6)また、前記閾値電圧は、前記静電容量型センサが伸長変形する前の初期状態における前記出力電圧の初期値よりも低い所定電圧に設定されることが好ましい。
(7)また、本発明に係るモニタリングシステムは、電圧が印加されるとともに伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの容量変化を電圧信号に変換する変換部と、前記変換部の出力を増幅する増幅部と、を備えた1又は複数のセンサ装置の状態をモニタするモニタリングシステムであって、前記1又は複数のセンサ装置それぞれに設けられ前記1又は複数のセンサ装置の状態をモニタする1又は複数のモニタ装置と、前記モニタ装置によるモニタ結果に関するモニタ情報を管理する管理装置と、を備え、前記1又は複数のモニタ装置及び前記管理装置の少なくとも一方が上記(1)に記載の判定装置を備えている。
上記構成のモニタリングシステムによれば、静電容量型センサが正常であるか否かをより適切に判定し、静電容量型センサの状態を適切にモニタリングすることができる。
(8)上記モニタリングシステムにおいて、前記1又は複数のモニタ装置は、前記モニタ情報を前記管理装置へ向けて無線送信するための通信部を備えていてもよく、この場合、管理装置は、容易にモニタ情報を得ることができる。
(9)さらに、前記管理装置が、前記1又は複数のセンサ装置の近傍に設置される第1管理装置と、前記第1管理装置よりも遠方に設置される第2管理装置と、を含んでいる場合、前記通信部は、前記モニタ情報を前記第1管理装置へ向けて無線送信するための第1通信部と、前記モニタ情報を前記第2管理装置へ向けて無線通信するための第2通信部と、を含んでいることが好ましい。
(10)また、上記モニタリングシステムにおいて、前記通信部は、自モニタ装置に割り当てられている識別情報を前記モニタ情報に含めて無線送信することが好ましく、この場合、管理装置は、無線通信によって得たモニタ情報が複数のモニタ装置の内のいずれのモニタ装置から送信されたものであるかを容易に特定することができる。
(11)また、本発明は、電圧が印加されるとともに伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの容量変化を電圧信号に変換する変換部と、前記変換部の出力を増幅する増幅部と、を備えたセンサ装置に設けられ前記センサ装置の状態をモニタするモニタ装置であって、上記(1)に記載の判定装置が前記センサ装置の判定に用いる、前記変換部内で処理される信号の信号電圧を示す情報、及び、前記増幅部が出力する出力電圧を示す情報を、前記判定装置に向けて送信する送信部を備えている。
上記のように構成されたモニタ装置によれば、静電容量型センサが正常であるか否かをより適切に判定させることができる。
本発明によれば、静電容量型センサが正常であるか否かをより適切に判定できる。
一実施形態に係るモニタリングシステムの全体構成を示す図である。 (a)は、センサシートの一例を示す斜視図であり、(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。 センサ装置と、モニタ装置の一部構成を示す図である。 判定処理部の制御部が行う、センサシートの判定処理の一例を示すフローチャートである。 第1判定部による判定に関する処理を説明するための図である。 第2判定部による判定に関する処理を説明するための図である。 過渡状態にあるセンサシートの出力電圧Vの変化の一例を示した図である。 他の実施形態に係るモニタリングシステムの全体構成を示す図である。
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔システムの全体構成について〕
図1は、一実施形態に係るモニタリングシステムの全体構成を示す図である。図中、モニタリングシステム1は、シート状のセンサシート4を備えた複数のセンサ装置2をモニタリングするためのシステムであり、複数のモニタ装置3と、管理サーバ40と、管理端末50とを備えている。
センサシート4は、面状に形成されたエラストマー製の誘電層と、誘電層を挟むように当該誘電層の表裏面に形成されている一対の電極層と備えており、面状に形成された容量素子を構成している。
このセンサシート4は、当該センサシート4の表裏面に平行な方向(面方向)に沿って変形(伸縮)可能に形成されている。センサシート4は、面方向に変形する際、誘電層の面方向の変形に追従して電極層の面積に変化が生じる。このため、センサシート4の静電容量は、当該センサシート4の変形に応じて変化する。
センサシート4は、その静電容量が当該センサシート4の変形に応じて変化するという特性を利用して、例えば、人体の関節部分等、測定対象物の可動部分に取り付けられて、その可動部分の可動状態を把握するために用いられる。
センサシート4は、測定対象物の可動部分に、当該可動部分の可動に応じて伸長変形するように取り付けられる。センサシート4は、可動部分が可動すると、それに応じて自身も伸長変形し、その変形に応じて静電容量が変化(増加)する。
よって、センサシート4が取り付けられた状態で可動部分を可動させ、可動部分の可動状態と、センサシート4の静電容量との相関関係を予め把握しておけば、センサシート4の静電容量に基づいて測定対象物の可動状態を把握することができる。
このように、センサシート4は、当該測定対象物の可動部分の可動状態を示す情報を静電容量として出力するように構成されている。つまり、このセンサシート4は、外部からの入力に応じて伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサを構成している。
センサ装置2は、センサシート4の静電容量変化を電圧変化に変換し、モニタ装置3に出力する。また、センサ装置2は、この電圧変化に基づいて測定対象物の変形状態や可動状態を示すセンサ情報を生成し、センサ装置2の使用者が認識できるように出力することもできる。
モニタ装置3は、例えば有線で、センサ装置2に接続されている。モニタ装置3には、センサ装置2が出力する信号等が与えられる。モニタ装置3は、センサ装置2から与えられる信号等に基づいて当該センサ装置2をモニタし、そのモニタ結果に関するモニタ情報を生成する。
モニタ装置3は、処理装置5と、表示部6と、第1通信部7と、第2通信部8とを備えている。
処理装置5は、センサ装置2から与えられる信号等に基づいて前記モニタ情報を生成する。処理装置5には、後述するように、センサ装置2から電圧信号(出力電圧、及び整流後電圧)が与えられる。処理装置5は、センサ装置2から与えられる電圧信号の電圧値を示す情報をモニタ情報として生成する。
また、処理装置5は、表示部6、第1通信部7、及び第2通信部8を制御する機能や、第1通信部7及び第2通信部8による通信に関して必要な処理を行う機能等を有している。
さらに、処理装置5は、判定処理部5aを機能的に有している。判定処理部5aは、センサ装置2が出力する信号等に基づいてセンサ装置が正常であるか否かを判定し、その判定結果を示す判定情報を生成する機能を有している。処理装置5は、この判定情報もモニタ情報として生成する。なお、判定処理部5aが行う処理については、後に詳述する。
処理装置5は、メモリやハードディスクからなる記憶部(図示省略)を備えており、この記憶部に上述の処理に必要な情報が記憶されているとともに、上述の各機能を実現するためのプログラムや、その他の各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。なお、処理装置5は、内蔵メモリを備えたマイコンなどでも構成することができる。
表示部6は、処理装置5に接続されたディスプレイやインジケータ等の出力装置によって構成されている。表示部6は、処理装置5が生成するモニタ情報やその等の情報を、センサ装置2の使用者に対して認識可能に出力する。また、音によるアラート等で出力してもよい。
第1通信部7は、処理装置5が生成するモニタ情報やその他の情報を管理端末50へ向けて無線送信する機能を有している。
また、第2通信部8は、処理装置5が生成するモニタ情報やその他の情報を管理サーバ40へ向けて無線送信する機能を有している。
両通信部7,8は、モニタ情報を無線送信する際、自モニタ装置3や両通信部7,8に割り当てられている固有アドレス等の識別情報を、モニタ情報に含めて無線送信する。
これによって、モニタ情報を受信する管理端末50及び管理サーバ40は、無線通信によって得たモニタ情報が複数のモニタ装置3の内のいずれのモニタ装置3から送信されたものであるかを容易に特定することができる。
管理端末50は、例えば、センサ装置2及びモニタ装置3の近傍に設置されて用いられる端末であり、使用者が有するパーソナルコンピュータや、スマートフォン等によって構成される。
管理端末50は、モニタ装置3から送信されるモニタ情報を受信し、当該モニタ情報を管理する機能を有している。管理端末50は、処理装置51と、通信部52と、表示部53とを備えている。
処理装置51は、モニタ装置3から与えられるモニタ情報を管理する機能の他、通信部52を制御する機能や、通信部52による通信に関して必要な処理を行う機能等を有している。
処理装置51は、メモリやハードディスクからなる記憶部(図示省略)を備えており、この記憶部に上述の処理に必要な情報が記憶されているとともに、上述の各機能を実現するためのプログラムや、その他の各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。
処理装置51が有する記憶部には、モニタ装置3から与えられるモニタ情報が登録される管理用データベースが記憶されている。処理装置51は、モニタ装置3からモニタ情報が与えられると、与えられたモニタ情報を当該モニタ情報とともに与えられる識別情報とともに管理用データベースに登録する。
管理用データベースは、モニタ情報と、識別情報の他、モニタ情報を取得した日時を互いに対応付けて登録することができるように構成されている。
処理装置51は、この管理用データベースによってモニタ情報を管理する。なお、管理端末の処理能力が高くない場合は、管理者用データベースを設けずに、所定期間のモニタ情報を記憶部に記録しておき、このモニタ情報をLANや無線LANを介して後述する管理サーバ40に送信するようにすることもできる。
表示部53は、処理装置51に接続されたディスプレイやインジケータ等の出力装置によって構成されており、処理装置51が管理するモニタ情報やその等の情報を、センサ装置2の使用者に対して認識可能に出力する。もしくは、音によるアラート等で出力してもよい。
管理サーバ40は、例えば、管理センター等に設置されたサーバ装置やコンピュータ等によって構成され、管理端末50よりも遠方に設置されている。なお、管理センター等とは、例えば、使用者へ販売やレンタルによりセンサ装置2を提供した提供者が当該センサ装置2を集約的に管理するための施設や場所を指す。
管理サーバ40は、処理装置41と、通信部42と、表示部43とを備えている。
処理装置41は、モニタ装置3から与えられるモニタ情報を管理する機能の他、通信部42を制御する機能や、通信部42による通信に関して必要な処理を行う機能等を有している。
処理装置41は、メモリやハードディスクからなる記憶部(図示省略)を備えており、この記憶部に上述の処理に必要な情報が記憶されているとともに、上述の各機能を実現するためのプログラムや、その他の各種処理を実行するためのアプリケーション等がインストールされている。
処理装置41が有する記憶部には、モニタ装置3から与えられるモニタ情報が登録される管理用データベースが記憶されている。この管理用データベースは、処理装置51が記憶する管理用データベースと同様に構成されている。
処理装置41は、モニタ装置3からモニタ情報が与えられると、与えられたモニタ情報と、当該モニタ情報とともに与えられる識別情報とを管理用データベースに登録する。
処理装置41は、この管理用データベースによってモニタ情報を管理する。
また、処理装置41は、管理端末50の処理装置51が管理するモニタ情報も合わせて管理することもできる。管理端末50は、自己が管理するモニタ情報を、例えば、LAN、無線LAN等の通信手段を介して管理サーバ40に与えることができる。
管理端末50からモニタ情報が与えられると、管理サーバ40の処理装置41は、与えられたモニタ情報を自装置41の管理用データベースに登録する。
表示部43は、処理装置41に接続されたディスプレイやインジケータ等の出力装置によって構成されており、処理装置41が管理するモニタ情報やその等の情報を、センサ装置2の使用者に対して認識可能に出力する。
ここで、管理端末50はモニタ装置3近傍に配置して用いられる。よって、モニタ装置3の第1通信部7及び管理端末50の通信部52は、2.4GHz帯の無線波等を用いたいわゆる近距離無線通信を目的とした通信規格に基づく無線通信を行うように構成されている。
2.4GHz帯の無線波を用いた通信規格としては、Wi−Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))等があり、消費電力の観点から、BLEを使用することが望ましいが、他の規格を用いても良い。
また、モニタ装置3の第2通信部8及び管理サーバ40の通信部42は、より遠距離通信が可能な通信規格に基づく無線通信を行うように構成されている。
第2通信部8及び通信部42に採用される通信規格としては、Sigfox(登録商標)、Neul、LoRaWAN(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)等があり、日本及び海外での普及状況によっては、他のSub−GHz帯の規格を用いても良い。このように、いずれの通信においても、ISM(Industry−Science−Medical)バンドを使用して実施する。
なお通信データ量について検討すると、1chの電圧データをデジタル変換した場合、そのデータ量は2byteとなり、例えば、センサ装置2がモニタ装置3に出力する信号の電圧に関する情報や、判定処理部5aによる判定結果を示す情報、モニタ装置3の固有アドレス等といった識別情報を含めたとしても4byte程度であり、例えば、Sigfox等、12byte程度のデータ量しか送信出来ない場合においても、データの受け渡しには問題がない範囲であると言える。
2.4GHz帯を用いる通信規格と、Sub−GHz帯を用いる通信規格とを分けて使用している理由は以下の通りである。すなわち、例えば、2.4GHz帯を利用してスマートフォンを介して、ネットワーク接続を実施する場合、遠隔でモニタリングを行う為には、対象のスマートフォンがペアリングしている必要があり、ペアリングしていない状態においては、遠隔でのモニタリングが困難となる。そこを補うのが、Sub−GHz帯となり、2.4GHz帯対応モジュール、Sub−GHz帯モジュール間でUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、SPI(Serial Peripheral Interface)、IIC(Inter−Integrated Circuit)等の通信で回路から得られた情報を共有、もしくはI/O入出力を使用して通知することで、ペアリングがなされていない間においても、Sub−GHz帯を利用してモニタリングすることが出来る。また、Sub−GHz帯は、近距離通信である、2.4GHz帯に比べ、屋外など長距離のデータ通信が可能な無線となっており、回折特性に優れ、障害物に強いという特徴を持っている。尚、Sub−GHz帯を用いてのモニタリングは、モニタリング等のサービス提供者が実施することを想定しているが、使用者側でSub−GHz帯を用いてセンサ装置の状況を把握するようにしてもよい。
なお、モニタ装置3の処理装置5、管理端末50の処理装置51、及び管理サーバ40の処理装置41は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。その機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、各処理装置5,50,40はコンピュータを含み、後述する各機能を実現するためのコンピュータプログラムは図示しない記憶部に記憶される。
〔センサシートの構成について〕
図2(a)は、センサシート4の一例を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線断面図である。
図2(a)及び(b)に示すように、センサシート4は、シート状の誘電層11と、誘電層11の表面(おもて面:図2中、上側)に形成された表側電極層12Aと、誘電層11の裏面(図2中、下側)に形成された裏側電極層12Bと、一端が表側電極層12Aに連結された表側配線13Aと、一端が裏側電極層12Bに連結された裏側配線13Bと、表側配線13Aの他端に取り付けられた表側接続端子14Aと、裏側配線13Bの他端に取り付けられた裏側接続端子14Bと、誘電層11の表側及び裏側のそれぞれに積層された表側保護層15A及び裏側保護層15Bと、裏側保護層15Bに積層された粘着層18とを備える。
誘電層11は、エラストマー製のシート状物であり、その厚みは、例えば、10〜1000μmに設定されている。誘電層11は、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとの間に介在しており、容量素子における誘電体としての機能を有している。
誘電層11は、エラストマーと他の任意成分とを含むエラストマー組成物を用いて形成されており、その表裏面の面積が変化するように可逆的に変形することができる。
上記エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ウレタンゴム等が用いられ、これらのなかではウレタンゴムやシリコーンゴムが好ましく、ウレタンゴムがより好ましい。
両電極層12A、12Bは、導電材料を含有する導電組成物からなる。両電極層12A、12Bは、互いに同一組成の導電性組成物から構成されていてもよいし、互いに異なる組成の導電性組成物から構成されていてもよい。
表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、同一の平面視形状を有しており、誘電層11を挟んで表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは全体が対向している。センサシート4は、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとの対向した部分が容量素子として機能する。
なお、表側電極層12Aと裏側電極層12Bとは、必ずしも誘電層を挟んでその全体が対向している必要はなく、少なくともその一部が対向していればよい。
上記導電材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、導電性カーボンブラック、グラファイト、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、導電性高分子等を単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。上記導電材料としては、カーボンナノチューブが好ましい。導電性及び伸縮性に優れた電極層を形成するのに適しているからである。
上記導電性組成物は、カーボンナノチューブ等の導電材料以外に、例えば、バインダー成分を含有していてもよい。
上記バインダー成分はつなぎ材料として機能し、上記バインダー成分を含有させることにより、誘電層との密着性、及び、電極層自体の強度を向上させることができる。
なお、両電極層12A、12Bと、両接続端子14A、14Bとを接続している両配線13A、13Bも、両電極層12A、12Bと同様の導電性組成物から構成されている。
表側配線13Aを介して表側電極層12Aに接続されている表側接続端子14Aは、例えば、銅板等を用いて形成された板状の部材であり、外部に露出して設けられ、変換部20(後に説明する)から延びる接続線が接続される。
また、裏側配線13Bを介して裏側電極層12Bに接続されている裏側接続端子14Bも、銅板等を用いて形成された板状の部材であり、外部に露出して設けられ、センサシート4に対して入力電圧を印加する発振回路22(後に説明する)から延びる接続線が接続される。
センサシート4は、裏側接続端子14Bから入力電圧を受け付け、表側接続端子14Aから入力電圧に応じたセンサ出力を出力する。このように接続することで、測定対象物(特に人体)からセンサ出力へ混入するノイズの影響を低減することができる。
両保護層15A、15Bは、電極層12A、12B等を電気的に絶縁し外部環境から保護するために設けられている。また、両保護層15A、15Bは、センサシート4全体としての強度や耐久性を高める補強部材としての機能も有している。
この保護層15A、15Bの材質は特に限定されず、その要求特性に応じて適宜選択することができる。保護層15A、15Bの材質の具体例としては、例えば、誘電層11の材質と同様のエラストマー組成物等が挙げられる。
粘着層18は、センサシート4を測定対象物に貼り付けるために設けられた層であり、測定対象物の可動部分表面に貼り付けられたときに、可動部分の動作に応じて変形可能な程度に貼り付くことができる程度の粘着力を有している。
センサシート4は、誘電層11がエラストマー製のため、上述のように、面方向に変形(伸縮)可能である。誘電層11が面方向に変形した際には、その変形に追従して表側電極層12A及び裏側電極層12B、並びに、表側保護層15A及び裏側保護層15Bが変形する。
そして、センサシート4の変形に伴い、上記検出部の静電容量が誘電層11の変形量と相関をもって変化する。よって、静電容量の変化を検出することで、センサシート4の変形状態を把握することができる。
〔センサ装置2及び判定処理部について〕
図3は、センサ装置2と、モニタ装置3の一部構成を示す図である。
図3中、センサ装置2は、上述のセンサシート4と、変換部20と、増幅部21と、センサ処理部9とを備えている。
変換部20は、上述したように、センサシート4の表側接続端子14Aに接続されている。よって、変換部20には、センサシート4から出力されるセンサ出力が与えられる。
なお、センサシート4の裏側接続端子14Bには、上述したように、センサシート4に対して正弦波形又は矩形波形の入力電圧を印加する発振回路22が接続されている。
発振回路22は、入力電圧を生成し、センサシート4に生成した入力電圧を印加する。
センサシート4は、センサ出力を電流信号として変換部20に与える。
この電流信号は、入力電圧の変化に応じてセンサシート4が出力する電流値を示しており、この電流値の最大値を取得することで、そのときのセンサシート4の静電容量を求めることができる。
センサシート4が出力する電流信号としてのセンサ出力は、そのときの静電容量に応じた電流値が最大振幅となるように、入力電圧の昇降に応じて電流値0を中心に正負に振幅する波形として表れる。
変換部20は、入力電圧の印加に応じてセンサシート4から出力される電流信号であるセンサ出力を電圧信号に変換する機能を有している。
変換部20は、整流部20aと、平滑コンデンサ20bと、シャント抵抗20cとを備えている。
整流部20aは、センサシート4に対して並列に接続されている第1ダイオード20a1と、センサシート4に対して直列に接続されている第2ダイオード20a2とを備えており、半波倍電圧整流回路を構成している。これにより、簡易な構成で変換部20を構成することができる。整流部20aは、センサシート4から与えられるセンサ出力を整流する。
平滑コンデンサ20bは、整流部20aの出力端に対して並列に接続されており、整流部20aにより整流されたセンサ出力を平滑化する。これにより、整流されたセンサ出力に含まれる比較的高い周波数である入力電圧の周波数成分が除去される。
センサ出力の最大振幅は、センサシート4の静電容量に応じた電流値を示している。よって、変換部20は、整流されたセンサ出力を平滑コンデンサ20bによって平滑化することで、センサシート4の静電容量に応じた電流値を示す値を時間軸方向に沿って取得することができる。
シャント抵抗20cは、平滑コンデンサ20bの両端に接続されている。よって、シャント抵抗20cの両端電圧を測定すれば、平滑化されたセンサ出力が示す電流値を求めることができる。
つまり、変換部20は、センサシート4が出力した電流信号であるセンサ出力を、センサシート4の静電容量に応じた電流値を表す電圧信号に変換することができる。
変換部20は、センサ出力を電圧信号に変換することで得た出力電圧を、後段の増幅部21に与える。
増幅部21は、第1抵抗21aと、第1容量素子21bと、第2抵抗21cと、第2容量素子21dと、オペアンプ21eとを備えており、これらによって正帰還型ローパスフィルタを構成している。
増幅部21は、ローパスフィルタを構成することで、変換部20からの出力電圧に含まれる入力電圧の周波数成分を除去するように設定されており、出力電圧に表れるリップルノイズを低減する。
さらに、増幅部21は、第3抵抗21fと、第4抵抗21gとを備えている。第3抵抗21f、及び第4抵抗21gは、オペアンプ21eとともに非反転増幅回路を構成している。これによって、増幅部21は、与えられた出力電圧を増幅した上で後段のセンサ処理部9に与える。
センサ処理部9は、増幅部21から与えられる出力電圧に対してデータ処理を行い、センサ情報を生成する機能を有している。センサ処理部9は、生成したセンサ情報を図示しない出力部に与える。前記出力部は、センサ情報をディスプレイや、インジケータ、印刷等によって出力する。これにより、センサ処理部9は、生成したセンサ情報をセンサ装置2の使用者が認識可能な形(例えば、ディスプレイ、LED等に表示したり、音として)で出力することができる。
ここで、本実施形態のセンサ装置2は、センサシート4の静電容量変化を示す出力電圧の他、整流部20aが出力する整流後の整流後電圧をモニタ装置3に与えるように構成されている。
センサ装置2と、モニタ装置3とは、第1信号線23と、第2信号線24とを介して接続されている。
第1信号線23は、オペアンプ21eの出力端と、モニタ装置3とを接続している。これにより、モニタ装置3には、増幅部21からの出力電圧が与えられる。
第2信号線24は、整流部20aと、シャント抵抗20cとの間から延び、モニタ装置3に接続されている。これにより、変換部20内で処理される信号の信号電圧としての整流後電圧が取り出され、モニタ装置3には、整流部20aが出力する整流後の整流後電圧が与えられる。
モニタ装置3の処理装置5は、第1信号線23及び第2信号線24を介して与えられるアナログ信号である出力電圧、及び整流後電圧を、デジタル信号に変換した上で受け付ける。処理装置5は、受け付けた出力電圧、及び整流後電圧に基づいて、これら出力電圧を示す情報、及び整流後電圧を示す情報をモニタ情報として生成する。処理装置5は、モニタ情報を生成すると、順次、両通信部7,8にモニタ情報を送信させる。
図3に示すように、モニタ装置3の処理装置5は、判定処理部5aを機能的に備えている。
判定処理部5aは、センサシート4の状態をモニタし、センサシート4が正常であるか否かを判定する機能を有している。判定処理部5aは、整流部20aからの整流後電圧と、増幅部21からの出力電圧とに基づいて、センサシート4が正常であるか否かを判定する。
判定処理部5aは、第1判定部31と、第2判定部32と、制御部33とを備えている。
第1判定部31は、整流後電圧が、予め設定された第1閾値VTh1よりも低いか否かを判定する機能を有している。この第1閾値VTh1は、センサシート4が短絡したときに当該センサシート4が有する抵抗に基づいて発生する短絡電圧V以下であって、センサシート4が短絡したと判断することができる値に設定されている。
この短絡電圧Vは、予め実験的にセンサシート4を短絡させて測定することで得られる。第1閾値VTh1は、測定によって得られた短絡電圧Vに基づいて設定され、処理装置5に記憶される。
第2判定部32は、出力電圧が、予め設定された第2閾値VTh2よりも高いか否かを判定する機能を有している。この第2閾値VTh2は、センサシート4が伸長変形する前の状態である初期状態での出力電圧よりも低い値に設定されている。
処理装置5は、センサシート4が初期状態であるときの出力電圧(出力電圧の初期値)を、使用者による操作を受け付けることで取得し記憶する。
処理装置5は、使用者による操作を受け付ける受付スイッチ(図示せず)を有しており、前記受付スイッチを通じて使用者による操作を受け付けると、そのときのセンサ装置2からの出力電圧を初期値として記憶する。
よって、センサシート4が伸長変形する前の初期状態であるときに、使用者が前記受付スイッチを操作することで、処理装置5は、センサシート4が初期状態であるときの出力電圧を取得する。第2判定部32は、取得した出力電圧の初期値よりも低い値を第2閾値VTh2に設定する。
なお、この例では、センサ装置2を使用する毎に、初期状態のときの出力電圧を閾値として設定することを想定しているが、未使用のセンサ装置2を初めて使用する際の初期状態のときの出力電圧を不変の閾値として設定することもできる。
制御部33は、第1判定部31及び第2判定部の判定結果に基づいて、センサシート4の状態をモニタし、センサシート4が正常であるか否かを判定する機能を有している。また、制御部33は、判定結果を示す判定情報を生成する機能も有している。
制御部33は、生成した判定情報をモニタ情報として表示部6、第1通信部7、及び第2通信部8に与える。制御部33は、与えたモニタ情報を、表示部6に出力させるとともに第1通信部7、及び第2通信部8に無線送信させる。
つまり、処理装置5は、第1判定部31、第2判定部32、及び制御部33を備えることで、センサ装置2(センサシート4)が正常であるか否かを判定する判定装置を構成している。
なお、この実施形態では、モニタ情報は、出力電圧を示す情報、整流後電圧を示す情報、判定結果を示す判定情報、及びモニタ装置毎に割り当てられている識別情報を含んでいる。
図4は、判定処理部5aの制御部33が行う、センサシート4の判定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、制御部33は、処理装置5が備えるカウンタの値であるカウンタ値Cを「0」にリセットする(ステップS2)。
次いで、制御部33は、出力電圧の初期値の設定を行う(ステップS4)。初期値の設定は、上述のように、処理装置5が有する受付スイッチによって使用者による操作を受け付けることで行われる。これにより、出力電圧の初期値が取得され、第2判定部32が用いる第2閾値VTh2が設定される。
初期値の設定を終えると、制御部33は、第1判定部31に、整流後電圧Vが第1閾値VTh1よりも低いか否かについての判定を実行させる(ステップS6)。
図5は、第1判定部31による判定に関する処理を説明するための図である。図5中、横軸は時間を示すとともにセンサシート4の状態を示している。縦軸は整流後電圧Vを示している。
図5中、線図L1は、センサシート4が正常な状態のときの整流後電圧Vの変化を示している。整流後電圧Vは、センサシート4が初期状態においては、低レベル値V1,Lであり、センサシート4が伸長変形状態においては、高レベル値V1,Hを示している。よって、整流後電圧Vは、センサシート4の伸長変形に応じて低レベル値V1,Lと高レベル値V1,Hとの間で変化する。
ここで、図5中の線図L2で示されている短絡電圧Vは、高レベル値V1,Hと比較して非常に高い値を示す。例えば、高レベル値V1,Hが数百ミリボルトであるのに対し、短絡電圧Vは数ボルトと、10倍以上の値となっている。
第1閾値VTh1は、高レベル値V1,Hよりも高く、短絡電圧Vよりも低い値に設定されている。
センサシート4がショート状態になれば、整流後電圧Vは短絡電圧Vに達する。よって、整流後電圧Vが、高レベル値V1,H以上になれば、センサシート4がショート状態であると判定することができる。
逆に、整流後電圧Vが、高レベル値V1,Hより低ければ、センサシート4がショート状態でないと判定することができる。
このように、制御部33は、第1判定部31による判定によって、センサシート4がショート状態であるか否かを判定することができる。
図4に戻って、ステップS6において、整流後電圧Vが第1閾値VTh1以上(第1閾値VTh1よりも低くない)と判定されると、制御部33は、センサシート4にショート状態の疑いがあることを示す判定情報を生成する。処理装置5は、この判定情報をモニタ情報として表示部6に出力させるとともに第1通信部7、及び第2通信部8に無線送信させ(ステップS14)、ステップS6に戻る。
一方、ステップS6において、整流後電圧Vが第1閾値VTh1よりも低いと判定すると、制御部33は、第2判定部32に、出力電圧Vが第2閾値VTh2よりも高いか否かについての判定を実行させる(ステップS8)。
図6は、第2判定部32による判定に関する処理を説明するための図である。図6中、横軸は時間を示すとともにセンサシート4の状態を示している。縦軸は出力電圧Vを示している。
図6中の線図L3は、センサシート4が正常な状態のときの出力電圧Vの変化を示している。出力電圧Vは、センサシート4が初期状態においては、低レベル値V2,L(出力電圧の初期値)であり、センサシート4が伸長変形状態においては、高レベル値V2,Hを示している。よって、出力電圧Vは、センサシート4の伸長変形に応じて低レベル値V2,Lと高レベル値V2,Hとの間で変化する。
センサシート4がオープン状態になれば、出力電圧Vは、センサシート4の初期状態における低レベル値V2,Lよりも低下する。より具体的には、出力電圧Vは、図6(a)中の線図L4に示すように、オペアンプ21eの入力オフセットにより生じるオフセット出力電圧VOP程度にまで低下する。
第2閾値VTh2は、オフセット出力電圧VOPよりも高く、低レベル値V2,Lよりも低い値に設定されている。
よって、出力電圧Vが、第2閾値VTh2以下になれば、センサシート4がオープン状態であると判定することができる。
逆に、出力電圧Vが、第2閾値VTh2より高ければ、センサシート4がオープン状態でないと判定することができる。
また、センサシート4の出力電圧Vは、使用中においてオープン状態とならない限り、センサシート4の初期状態における低レベル値V2,Lよりも低くなることはない。
よって、第2閾値VTh2は、出力電圧Vが低レベル値V2,Lよりも低下したことを判断することができる程度にできるだけ高い値に設定することができる。例えば、センサシート4の初期状態における低レベル値V2,Lが約1ボルトである場合、第2閾値VTh2は、900ミリボルト程度に設定することができる。
このように、制御部33は、第2判定部32による判定によって、センサシート4がオープン状態であるか否かを判定することができる。
図4に戻って、ステップS8において、出力電圧Vが第2閾値VTh2以下(第2閾値VTh2よりも高くない)と判定されると、制御部33は、センサシート4に断線(オープン状態)の疑いがあることを示す判定情報を生成する。処理装置5は、この判定情報をモニタ情報として表示部6に出力させるとともに第1通信部7、及び第2通信部8に無線送信させ(ステップS18)、ステップS6に戻る。
一方、ステップS8において、出力電圧Vが第2閾値VTh2よりも高いと判定されると、制御部33は、ステップS9に進み、直前の出力電圧Vが第2閾値VTh2以下であるか否かを判定する(ステップS9)。これにより、制御部33は、出力電圧Vが第2閾値VTh2以下の値から上昇することで、第2閾値VTh2よりも高い値になったのか否かを判定する。
ステップS9において、直前の出力電圧Vが第2閾値VTh2以下でないと判定すると、ステップS12に進み、制御部33は、センサシート4が正常であることを示す判定情報を生成する。処理装置5は、この判定情報をモニタ情報として表示部6に出力させるとともに第1通信部7、及び第2通信部8に無線送信させ(ステップS12)、ステップS6に戻る。
ステップS9において、直前の出力電圧Vが第2閾値VTh2以下であると判定すると、制御部33は、ステップS10に進み、カウンタ値Cが「5」以下であるか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10において、カウンタ値Cが「5」以下であると判定すると、制御部33は、カウンタ値Cに「1」を加算し(ステップS11)、センサシート4が正常であることを示す判定情報を出力し(ステップS12)、ステップS6に戻る。
一方、ステップS10において、カウンタ値Cが「5」以下でないと判定すると、制御部33は、ステップS18に進み、センサシート4に断線(オープン状態)の疑いがあることを示す判定情報を生成する。処理装置5は、この判定情報をモニタ情報として表示部6に出力させるとともに第1通信部7、及び第2通信部8に無線送信させ(ステップS18)、ステップS6に戻る。
図7は、正常な状態からオープン状態に移行する過渡状態にあるセンサシート4の出力電圧Vの変化の一例を示した図である。なお、図7中、「初」は、初期状態、「伸」は、伸長変形状態を示している。
センサシート4は、繰り返し伸長収縮が繰り返されることにより、正常な状態からオープン状態に移行するまでの間において過渡状態となることがある。この過渡状態にあるセンサシート4は、正常に動作したり、異常が生じたりを繰り返すことがある。
過渡状態にあるセンサシート4の出力電圧Vは、図7に示すように、初期状態では低レベル値V2,Lであるが、伸長変形させたときに低レベル値V2,Lより低い値になったり、正常な値(高レベル値V2,H)になる場合もあり、出力電圧Vの低下が断続的に現れる場合もある。なお、過渡状態にあるセンサシート4の出力電圧Vが低下する場合、オープン状態となった場合のように、オペアンプ21eのオフセット出力電圧VOP程度にまで大きく低下しない。本実施形態の第2閾値VTh2は、過渡状態における出力電圧Vの低下について判定できる程度の値に設定されている。
センサシート4が過渡状態にあることで出力電圧Vの低下が断続的に現れると、制御部33は、センサシート4が正常な状態にあるとの判定と、オープン状態にあるとの判定を繰り返すことがある。
このため、本実施形態の制御部33は、ステップS9(図4)において、直前の出力電圧Vが第2閾値VTh2以下であると判定されると、カウンタ値Cをカウントアップする。
これにより、制御部33は、出力電圧Vに対する判定が、第2閾値VTh2以下であるとの判定から、第2閾値VTh2よりも高いとの判定に切り替わる切替点(図7中、P1〜P3)の回数をカウントし、そのカウント数であるカウンタ値Cが「5」より大きくなると、センサシート4がオープン状態であると判断し、ステップS6及びステップS8の判定に関わらずステップS18に進み、センサシート4に断線(オープン状態)の疑いがあることを示す判定情報を生成する。処理装置5は、この判定情報をモニタ情報として表示部6に出力させるとともに第1通信部7、及び第2通信部8に無線送信させる。
これにより、制御部33は、センサシート4が過渡状態にあることで出力電圧Vの低下が断続的に現れたとしても、センサシート4についてオープン状態であると判定することができる。
上記構成のシステムによれば、センサシート4がオープン状態になることで生じる出力電圧Vの低下を第2判定部32によって検出できるとともに、センサシート4がショート状態になることで生じる整流後電圧V(信号電圧)の上昇を第1判定部31によって検出することができる。よって、センサシート4の状態がオープン状態及びショート状態のいずれの場合であっても検出することができ、センサシート4が正常であるか否かをより適切に判定できる。
また、本実施形態では、ステップS6及びステップS8の判定結果が共に肯定的である場合にセンサシート4を正常であると判定し、センサシート4が正常であることを示す判定情報を出力するので、容易にセンサシート4が正常か否かを判定することができる。
逆に、ステップS6及びステップS8の判定結果の内、少なくとも一方が否定的である場合にセンサシート4を異常のおそれがあると判定し、センサシート4に異常のおそれがあることを示す判定情報を出力するので、容易にセンサシート4が異常か否かを判定することができる。
〔その他〕
本発明は、上記実施形態に限定されない。
上記実施形態では、モニタ装置3の処理装置5が判定処理部5aを備え、モニタ装置3が、センサシート4が正常であるか否かを判定した判定結果を示す判定情報をモニタ情報として管理端末50及び管理サーバ40に無線送信する場合を示したが、例えば、図8に示すように、管理サーバ40の処理装置41が、判定処理部5aと同様の構成である判定処理部41aを備えていてもよい。
モニタ装置3は、両通信部7,8によって、センサ装置2の出力電圧を示す情報、及び整流後電圧を示す情報をモニタ情報として管理サーバ40(及び管理端末50)に送信する。
管理サーバ40の判定処理部41aは、モニタ装置3からのモニタ情報に含まれる、センサ装置2の出力電圧を示す情報、及び整流後電圧を示す情報に基づいて、センサ装置2のセンサシート4について判定処理を行う。
この場合、モニタ装置3において判定処理を行う必要がないので、モニタ装置3の処理負荷を軽減できる。
また、管理端末50が、センサシート4の判定処理を行う判定処理部を備えていてもよいし、モニタ装置3、管理端末50、及び管理サーバ40それぞれが判定処理部を備えていてもよい。
管理サーバ40及び管理端末50が判定処理部を備えている場合、管理端末50によってモニタ装置3の制御を行うことができる。
また、処置装置5がセンサシート4の初期状態であるときの出力電圧を取得する為の手段として、処理装置5に受付スイッチを設けずに、管理装置、及び管理サーバからの信号を受信して、出力電圧を記憶する手段を用いてもよいし、初期値は管理装置、及び管理サーバで記憶しても良い。
また、上記実施形態では、第2閾値VTh2として、出力電圧Vが低レベル値V2,Lよりも低下したことを判断することができる程度にできるだけ高い値に設定した場合を例示したが、例えば、オペアンプ21eのオフセット出力電圧VOP近傍の電圧といったようにより低い値に設定してもよい。
また、第2判定部32は、出力電圧Vが低レベル値V2,Lよりも低下したことを判断することができる程度にできるだけ高い値に設定した第2閾値VTh2と、オペアンプ21eのオフセット出力電圧VOP近傍の電圧に設定した閾値の両方で出力電圧Vを判定してもよい。この場合、センサシート4の状態について、過渡状態と、オープン状態とを区別して判定することができる。
また、上記実施形態では、処理装置5の判定処理部5aによって、センサシート4が正常か否かを判定した場合を例示したが、整流部20aからの整流後電圧に関する判定を行う判定部(第1判定部)、増幅部21からの出力電圧に関する判定を行う判定部(第2判定部)、及びこれら判定部の判定結果に基づいてセンサシート4が正常か否かを判定する制御部を、比較器等のデバイスを用いて構成し、これら判定の結果を、LED等のインジケータで出力するように構成してもよく、この場合、システム全体を簡易な構成とすることができる。
また、上記実施形態では、センサシート4の判定処理において、ショート状態であるか否かを判定したあと、オープン状態であるか否かを判定する場合を例示したが、これら判定の順番が逆になっていてもよい。また、カウンタ値Cもセンサシート4の種類や使用条件に応じて適宜変更することができる。
また、上記実施形態では、モニタ装置3からのモニタ情報を、管理端末50及び管理サーバ40へ向けて無線通信によって送信する場合を示したが、例えば、互いに有線接続することによって有線通信が可能な場合、モニタ装置3は、モニタ情報を有線通信によって送信してもよい。
また、上記実施形態では、1つのモニタ装置3に対して1つのセンサ装置2が対応する例を示したが、1つのモニタ装置3に対して複数のセンサ装置2が接続されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、センサシート4がショート状態か否かを第1判定部31で判定する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、センサ装置に設けられたセンサの伸張範囲が制限されている等の理由で、センサの伸張による増幅部の出力に上限値を設定しなければならない場合、増幅部の出力が規定値以上になったときにショート状態、もしくは、センサが伸長範囲以上に伸張されている、と第2判定部31で判断するようにすることもできる。この場合、第1判定部31は必ずしも要しない。第1判定部31を削除した構成とすることにより、センサ装置2と、処理装置5とを接続する配線数を減らすことができ、構成を簡略化でるとともに、配線から混入するノイズを低減することができる。
1 モニタリングシステム 2 センサ装置 3 モニタ装置
4 センサシート 5 処理装置 5a 判定処理部
6 表示部 7 第1通信部 8 第2通信部
9 センサ処理部 11 誘電層 12A 表側電極層
12B 裏側電極層 13A 表側配線 13B 裏側配線
14A 表側接続端子 14B 裏側接続端子 15A 表側保護層
15B 裏側保護層 18 粘着層 20 変換部
20a 整流部 20b 平滑コンデンサ 20c シャント抵抗
20a1 第1ダイオード 20a2 第2ダイオード 21 増幅部
21a 第1抵抗 21b 第1容量素子 21c 第2抵抗
21d 第2容量素子 21e オペアンプ 21f 第3抵抗
21g 第4抵抗 22 発振回路 23 第1信号線
24 第2信号線 31 第1判定部 32 第2判定部
33 制御部 40 管理サーバ 41 処理装置
41a 判定処理部 42 通信部 43 表示部
50 管理端末 51 処理装置 52 通信部
53 表示部

Claims (11)

  1. 電圧が印加されるとともに伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの容量変化を電圧信号に変換する変換部と、前記変換部の出力を増幅する増幅部と、を備えたセンサ装置が正常であるか否かを判定する判定装置であって、
    前記変換部内で処理される信号の信号電圧が、短絡電圧よりも低いか否かを判定する第1判定部と、
    前記増幅部が出力する出力電圧が、予め設定された閾値電圧よりも高いか否かを判定する第2判定部と、
    前記第1判定部、及び前記第2判定部の判定結果に基づいて、前記静電容量型センサが正常か否かを判定する制御部と、を備えている
    判定装置。
  2. 前記変換部は、前記静電容量型センサの出力を整流する整流部を含み、前記変換部内で処理される信号の信号電圧は、前記静電容量型センサの出力を整流した後の整流後電圧である請求項1に記載の判定装置。
  3. 前記制御部は、前記第1判定部の判定結果及び前記第2判定部の判定結果が共に肯定的である場合に、前記静電容量型センサを正常と判定する
    請求項1又は請求項2に記載の判定装置。
  4. 前記制御部は、前記第1判定部の判定結果及び前記第2判定部の判定結果の内、少なくとも一方が否定的である場合に、前記静電容量型センサを異常と判定する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の判定装置。
  5. 前記制御部は、前記出力電圧に対する判定結果が前記閾値電圧以下であるとの判定から前記閾値電圧よりも高いとの判定に切り替わる切替点の回数をカウントし、
    前記切替点の回数が所定数以上となると、前記第1判定部及び前記第2判定部の判定結果に関わらず前記静電容量型センサが正常ではないと判定する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の判定装置。
  6. 前記閾値電圧は、前記静電容量型センサが伸長変形する前の初期状態における前記出力電圧の初期値よりも低い所定電圧に設定される
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の判定装置。
  7. 電圧が印加されるとともに伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの容量変化を電圧信号に変換する変換部と、前記変換部の出力を増幅する増幅部と、を備えた1又は複数のセンサ装置の状態をモニタするモニタリングシステムであって、
    前記1又は複数のセンサ装置それぞれに設けられ前記1又は複数のセンサ装置の状態をモニタする1又は複数のモニタ装置と、
    前記モニタ装置によるモニタ結果に関するモニタ情報を管理する管理装置と、を備え、
    前記1又は複数のモニタ装置及び前記管理装置の少なくとも一方が請求項1に記載の判定装置を備えている
    モニタリングシステム。
  8. 前記1又は複数のモニタ装置は、前記モニタ情報を前記管理装置へ向けて無線送信するための通信部を備えている
    請求項7に記載のモニタリングシステム。
  9. 前記管理装置は、前記1又は複数のセンサ装置の近傍に設置される第1管理装置と、前記第1管理装置よりも遠方に設置される第2管理装置と、を含み、
    前記通信部は、前記モニタ情報を前記第1管理装置へ向けて無線送信するための第1通信部と、前記モニタ情報を前記第2管理装置へ向けて無線通信するための第2通信部と、を含む
    請求項8に記載のモニタリングシステム。
  10. 前記通信部は、自モニタ装置に割り当てられている識別情報を前記モニタ情報に含めて無線送信する請求項8又は9に記載のモニタリングシステム。
  11. 電圧が印加されるとともに伸長変形することで静電容量が増加する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの容量変化を電圧信号に変換する変換部と、前記変換部の出力を増幅する増幅部と、を備えたセンサ装置に設けられ前記センサ装置の状態をモニタするモニタ装置であって、
    請求項1に記載の判定装置が前記センサ装置の判定に用いる、前記変換部内で処理される信号の信号電圧を示す情報、及び、前記増幅部が出力する出力電圧を示す情報を、前記判定装置に向けて送信する送信部を備えている
    モニタ装置。

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