以下、本発明を、図面に示す具体例に基づいて更に詳細に説明する。これにより前記発明及び更に他の発明が明瞭となるであろう。尚、本発明はこれら具体例に何等限定されないのである。
図1から図7において、本例のガラス板の折割機械1は、ガラス板2が載置される可撓性部材としての可撓性の無端ベルト3と、無端ベルト3の上側部の周囲を、その下面側から支持する支持部材4と、夫々が、支持部材4により囲まれた領域5内において無端ベルト3を介してガラス板2を、当該ガラス板2の下面から受ける円環状のガラス板受け面6及び6aを有していると共に無端ベルト3の上側部の下方に配された複数、本例では2機のガラス板受け装置7及び7aと、夫々が、ガラス板受け面6及び6aの夫々を有したガラス板受け装置7及び7aの夫々を、ガラス板2の面に平行な面内、本例では水平面内での一の方向であるX方向とX方向に交差する他の方向、本例ではX方向と直交するY方向とに移動させる移動装置8及び8aと、無端ベルト3の上側部の上方に配された複数、本例では2機の押し割り装置9及び9aと、夫々が、押し割り装置9及び9aの夫々を、水平面内で一の方向であるX方向とX方向に交差する他の方向、本例ではX方向と直交するY方向とに移動させる移動装置10及び10aと、折割り前のガラス板2を支持部材4により囲まれた領域5内に搬入し、折割り後のガラス板2を支持部材4により囲まれた領域5外に搬出する搬入、搬出手段11と、無端ベルト3に張力を与える張力付与手段12と、無端ベルト3をX方向においてA方向に走行させる走行装置13と、無端ベルト3を介してガラス板2を当該ガラス板2の下面の中央部で支持する支持面としての上面51を有した支持機構15と、フレーム16とを具有している。
ガラス板受け装置7及び7aの夫々、移動装置8及び8aの夫々、押し割り装置9及び9aの夫々並びに移動装置10及び10aの夫々は、夫々同一に構成されているので、以下では特に必要な場合を除いて、ガラス板受け装置7、移動装置8、押し割り装置9及び移動装置10についてのみ説明し、対応するものには同じ数字符号にaを付して図示のみする。
無端ベルト3は、駆動ドラム17及び従動ドラム18並びに自由回転ドラム19及び20に掛け回されている。
中空角材からなる支持部材4は、フレーム16のブラケット21及び中間基台22を介してフレーム16の基台23に支持されている。支持部材4は、中空角材に代えて、板状部材からなっていてもよく、要は、無端ベルト3の上側部をその下面側から支持して、無端ベルト3の上側部が極端に垂れ下がらないようにできればよく、したがって、無端ベルト3に所望に張力を付与できて、無端ベルト3の上側部が極端に垂れ下がらないようできれば、支持部材4を省いてもよい。また、本例のように、騒動ドラム17及び従動ドラム18が設けられる場合には、駆動ドラム17及び従動ドラム18を支持部材4の一部として機能させて、支持部材4において駆動ドラム17及び従動ドラム18と平行に伸びる部位を省いてもよい。
ガラス板受け装置7は、折割予定線221及び端切り線(補助切り線)222の形成に当たっては、ガラス板受け面6を無端ベルト3の上側部の下面に接触させる、言い換えると、ガラス板受け面6を上面51と面一にする一方、押し割り装置9による折割予定線221及び端切り線222に沿ったガラス板2の押し割りに当たっては、場合により必要に応じて、ガラス板受け面6を1mmから5mm程度下降させ、当該下降後、ガラス板受け面6を元の位置に上昇させるガラス板受け面6の昇降手段27と、ガラス板受け面6及びガラス板受け面6で囲まれた円形の凹所36が一端に形成されているガラス板受け部材28と、ガラス板受け部材28が上下方向に移動自在に取り付けられた支持部材29と、支持部材29が取り付けられた基台30とを具有しており、昇降手段27は、支持部材29を移動自在に貫通していると共にガラス板受け部材28に連結されたピストンロッドを有して支持部材29に取り付けられたシリンダ装置35を具有しており、シリンダ装置35は、エアシリンダからなってもよいが、油圧シリンダでもよく、その作動で、ピストンロッドを介してガラス板受け部材28を昇降させるようになっている。
円形の外側輪郭線31を有すると共にガラス板2の下面に平行に伸びた平坦なガラス板受け面6は、昇降手段27により下降されない場合には、支持機構15の支持面としての上面51及び支持部材4の支持面としての上面52と平行であって、当該上面51及び上面52に対して同一高さに配される一方、図9に示すように、昇降手段27により下降される場合には、当該上面51及び上面52に対して1mmから5mm程度低く配される。
移動装置8は、X方向移動機構55とY方向移動機構56とからなる。
X方向移動機構55は、ガラス板受け装置7の基台30が取り付けられたX方向の直線移動台57と、横部材58に取付けられた電動モータ59と、横部材58に軸受60及び61を介して回転自在に支持されたねじ軸62と、電動モータ59の出力回転軸の回転をねじ軸62に伝達するように、電動モータ59の出力回転軸及びねじ軸62の一端に固着されたプーリ63及び64並びにプーリ63及び64間に掛け渡されたベルト65と、ねじ軸62に螺合して、直線移動台57の下面に取付けられて固着されたナット(図示せず)と、横部材58に形成された一対のレール66と、一対のレール66に摺動自在に嵌合して、直線移動台57の下面に取り付けられて固着されたスライダ67とを具有している。
直線移動台57は、電動モータ59の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ63及び64並びにベルト65を介してねじ軸62が回転されると、一対のレール66に案内されてX方向に直線移動されるようになっている。
Y方向移動機構56は、X方向移動機構55とほぼ同様に構成されており、Y方向の直線移動台としての横部材58と、中間基台22上に支持部材70及びブラケット21等を介して固定して取り付けられた横部材71と、横部材71に取付けられた電動モータ72と、横部材71に軸受73を介して回転自在に支持されたねじ軸75と、電動モータ72の出力回転軸の回転をねじ軸75に伝達するように、電動モータ72の出力回転軸及びねじ軸75の一端に固着されたプーリ76及び77並びにプーリ76及び77間に掛け渡されたベルト78と、ねじ軸75に螺合して、横部材58の下面に取付けられて固着されたナット(図示せず)と、横部材71に形成された一対のレール79と、一対のレール79に摺動自在に嵌合して、横部材58の下面に取り付けられて固着されたスライダ80とを具有している。
横部材58は、電動モータ72の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ76及び77並びにベルト78を介してねじ軸75が回転されると、一対のレール79に案内されてY方向に直線移動されるようになっており、而して、横部材58のY方向の直線移動により、直線移動台57は、同じく、Y方向に直線移動されるようになっている。
押し割り装置9は、エアーシリンダ装置85と、エアーシリンダ装置85のピストンロッド86に取付けられていると共に円形の凹所36の径よりも小径の円形の平坦な押し面87をその下面に有した押し棒88と、エアーシリンダ装置89と、エアーシリンダ装置89のピストンロッド90にベアリング機構91を介して取付けられており、先端にカッタホイール92を有したカッタブロック93と、電動モータ94と、電動モータ94の出力回転軸に取り付けられたプーリ又は歯車95と、エアーシリンダ装置89の外筒96にブラケット97を介して取り付けられたベアリング機構98と、ベアリング機構98に取り付けられたプーリ又は歯車99と、歯車95と歯車99との間に掛け渡されたタイミングベルト又はチェーン100と、歯車99に取り付けられていると共に、スリット101が形成された係合部材102と、一端部がスリット101に配されて、他端部がカッタブロック93に取付けられた係合片103と、エアーシリンダ装置85及び89並びに電動モータ94が取り付けられた基台104とを具有している。
押し割り装置9では、エアーシリンダ装置85の作動でピストンロッド86が伸縮されると、押し棒88は上下方向、即ちZ方向に移動され、エアーシリンダ装置89の作動でピストンロッド90が伸縮されると、カッタホイール92はZ方向に移動され、電動モータ94の作動による歯車95の回転でチェーン100を介して歯車99が回転されると、係合部材102及び係合部材102にスリット101で係合する係合片103も軸心105を中心としてR方向に回転され、この回転でカッタホイール92は同じく軸心105を中心としてR方向に回転され、その刃先が切り線形成方向に向けられる。
移動装置10は、X方向移動機構110とY方向移動機構111とからなる。
X方向移動機構110は、押し割り装置9の基台104が取り付けられたX方向の直線移動台112と、横部材113に取付けられた電動モータ114と、横部材113に軸受115及び116を介して回転自在に支持されたねじ軸117と、電動モータ114の出力回転軸の回転をねじ軸117に伝達するように、電動モータ114の出力回転軸及びねじ軸117の一端に固着されたプーリ118及び119並びにプーリ118及び119間に掛け渡されたベルト120と、ねじ軸117に螺合して、直線移動台112の下面に取付けられて固着されたナット(図示せず)と、横部材113に形成された一対のレール121と、一対のレール121に摺動自在に嵌合して、直線移動台112の下面に取り付けられて固着されたスライダ122とを具有している。
直線移動台112は、電動モータ114の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ118及び119並びにベルト120を介してねじ軸117が回転されると、一対のレール121に案内されてX方向に直線移動されるようになっている。
Y方向移動機構111は、X方向移動機構110とほぼ同様に構成されており、Y方向の直線移動台としての横部材113と、フレーム16の上枠132にブラケット133等を介して固定して取り付けられた横部材134と、横部材134に取付けられた電動モータ135と、横部材134に軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されたねじ軸136と、電動モータ135の出力回転軸の回転をねじ軸136に伝達するように、電動モータ135の出力回転軸及びねじ軸136の一端に固着されたプーリ137及び138並びにプーリ137及び138間に掛け渡されたベルト139と、ねじ軸136に螺合して、横部材113の上面に取付けられて固着されたナット140と、横部材134に取り付けられた一対のレール141と、一対のレール141に摺動自在に嵌合して、横部材113の上面に取り付けられて固着されたスライダ(図示せず)とを具有している。横部材113は、当該スライダを介してY方向に移動自在に吊り下げ支持されている。
横部材113は、電動モータ135の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ137及び138並びにベルト139を介してねじ軸136が回転されると、一対のレール141に案内されてY方向に直線移動されるようになっており、而して、横部材113のY方向の直線移動により、直線移動台112は、同じく、Y方向に直線移動されるようになっている。
搬入、搬出手段11は、ベルト3上に載置されて折割が完了したガラス板2を持上げ、折割中にベルト3上に載置されたガラス板2をベルト3を介して支持機構15と協同して挟持してベルト3上に固定する持上げ機構151と、ベルト3上に折割りすべきガラス板を載置する持上げ機構152と、一対の持上げ装置151及び152をY方向に往復動させる往復動機構153とを具有している。
持上げ機構151は、可動台155に取付けられたエアーシリンダ装置156と、エアーシリンダ装置156のピストンロッド157の先端に取付けられた真空吸盤装置158とを具有しており、エアーシリンダ装置156の作動でそのピストンロッド157がZ方向に進退されると、真空吸盤装置158は、ベルト3上に載置されたガラス板2を持上げ、またベルト3上に載置されたガラス板2をベルト3を介して支持機構15と協同して挟持してベルト3上に固定する。
持上げ機構152は、持上げ機構151と同様に形成されており、持上げ機構151と共通の可動台155に取付けられたエアーシリンダ装置161と、エアーシリンダ装置161のピストンロッド162の先端に取付けられた真空吸盤装置163とを具有しており、エアーシリンダ装置161の作動でそのピストンロッド162がZ方向に下降されると、真空吸盤装置163は、吸引しているガラス板2をベルト3上に載置する。
往復動機構153は、可動台155と、フレーム16の上枠165に取付けられた電動モータ166と、フレーム16の上枠132に軸受167を介して回転自在に支持されたねじ軸168と、電動モータ166の出力回転軸の回転をねじ軸168に伝達するように、電動モータ166の出力回転軸及びねじ軸168の一端に固着されたプーリ169及び170並びにプーリ169及び170間に掛け渡されたベルト171と、ねじ軸168に螺合して、可動台155の上面に取付けられて固着されたナット172と、上枠132に形成された一対のレール173と、一対のレール173に摺動自在に嵌合して、可動台155の上面に取り付けられて固着されたスライダ174とを具有している。
スライダ174を介して上枠132にY方向に移動自在に吊り下げ支持されている可動台155は、電動モータ166の作動によるその出力回転軸の回転でプーリ169及び170並びにベルト171を介してねじ軸168が回転されると、一対のレール173に案内されてY方向に直線往復移動されるようになっている。
搬入、搬出手段11は、往復動機構153の作動により持上げ装置151及び152をY方向に直線往復移動させ、この直線往復移動において、持上げ装置152により、入り側の搬送装置181に載置されている折割り前のガラス板2を持ち上げて、これを支持部材4に囲まれた領域5内に搬入して、無端ベルト3の上側部の上面に載置し、持上げ装置151により、無端ベルト3の上側部の上面に載置された折割り後のガラス板2を支持部材4に囲まれた領域5外に搬出して、これを出側の搬送装置182に載置する。
張力付与手段12は、ブラケット21に支持された一対のエアーシリンダ装置185及び186を具有しており、エアーシリンダ装置185のピストンロッドは、自由回転ドラム19を回転自在に支持しており、エアーシリンダ装置186のピストンロッドは、自由回転ドラム20を回転自在に支持している。
張力付与手段12は、エアーシリンダ装置185及び186の空気弾性力により自由回転ドラム19及び20を介して無端ベルト3に張力を付与しており、これにより無端ベルト3が緊張されるようになっている。駆動ドラム17、従動ドラム18、自由回転ドラム19及び20の位置調整により無端ベルト3を所望に緊張させることができる場合には、張力付与手段12を設けなくてもよい。
走行装置13は、基台23に取付けられた電動モータ191と、駆動ドラム17及び従動ドラム18と、自由回転ドラム19及び20と、電動モータ191の出力回転軸の回転を駆動ドラム17の回転軸に伝達するように、電動モータ191の出力回転軸及び駆動ドラム17の回転軸に取り付けられたプーリ192及び193並びにプーリ192及び193に掛け回されたベルト194とを具有しており、駆動ドラム17及び従動ドラム18は夫々、中間基台22に支持されたフレーム195及び196に回転自在に取付けられている。
走行装置13は、電動モータ191が作動されてその出力回転軸が回転されると、プーリ192、ベルト194、プーリ193を介して駆動ドラム17を回転させ、駆動ドラム17の回転でベルト3は例えばA方向に走行され、これによりベルト3は、ベルト3上で折り割られたカレットをA方向に搬送して排出する。
支持機構15は、矩形状の受け板201と、受け板201を支持する支柱202とを具有しており、支柱202は、横部材203を介してブラケット21に支持されている。
支持機構15は、受け板201の上面51で無端ベルト3を介して、当該無端ベルト3上に載置されたガラス板2を下から支持すると共に真空吸盤装置158と協同して当該ガラス板2を挟持してこれをベルト3上に固定する。
入り側の搬送装置181は、折割すべきガラス板2が載置される無端ベルト211と、無端ベルト211を走行させる走行装置(図示せず)とを具有しており、折割すべきガラス板2を、走行装置の作動に基づく無端ベルト211の走行により所定位置まで正確に搬入する。
出側の搬送装置182は、折り割られたガラス板2が載置される無端ベルト212と、無端ベルト212を走行させる走行装置(図示せず)とを具有しており、折り割られたガラス板2を、走行装置の作動に基づく無端ベルト212の走行により次の処理工程、例えば折割縁を研削、研磨する工程に搬送する。
ガラス板の折割機械1は、その他にマイクロコンピュータ等からなる制御装置を具有しており、制御装置は、電動モータ並びにエアーシリンダ装置並びに真空吸引装置等の作動を、予めプログラムされた数値制御命令を介して制御する。このような制御装置自体は公知であるので、それの詳細な説明は省略する。
ガラス板の折割機械1は、次のようにしてガラス板2に対して折割作業を行う。
まず、切り線として予め折割予定線(主切り線)221が付されたガラス板2が無端ベルト211により無端ベルト3上の正確な位置に配される。尚、このような折割予定線221は本例のガラス板の折割機械1によって形成するようにしてもよい。
一つの折割完了において、エアーシリンダ装置156及び161の作動により既に下降されている真空吸盤装置158及び163の夫々を作動させて、真空吸盤装置158により無端ベルト3上のすでに折割されたガラス板2を、真空吸盤装置163により無端ベルト211上の次に折り割るべきガラス板2を夫々吸引して、その後、エアーシリンダ装置156及び161を作動させて、真空吸盤装置158により無端ベルト3上の折割されたガラス板2を、真空吸盤装置163により無端ベルト211上の折り割るべきガラス板2を持ち上げる。
持ち上げ後、往復動機構153の電動モータ166を作動させて可動台155を往動させ、真空吸盤装置158により持ち上げられた既に折割されたガラス板2を支持部材4により囲まれた領域5外であって、無端ベルト212上に搬出し、真空吸盤装置163に持ち上げられたこれから折り割るべきガラス板2を無端ベルト3上であって支持部材4により囲まれた領域5内に搬入する。
この搬出、搬入動作中において、ガラス板2が持上げられた状態で、電動モータ191が作動され、これにより無端ベルト3がA方向に走行されると、無端ベルト3の上側部上に残っている折割カレットが無端ベルト3の走行と共にA方向に搬送されて排出される。折割カレットの排出後、電動モータ191の作動が停止されて、無端ベルト3のA方向の走行が停止される。
搬出、搬入後、エアーシリンダ装置156及び161を再作動させて、真空吸盤装置158及び163を下降させて、真空吸盤装置158及び163の所定位置への下降後、真空吸盤装置158及び163の吸引動作を停止させて、真空吸盤装置158により無端ベルト212上に折割されたガラス板2を、真空吸盤装置163により無端ベルト3上にこれから折り割るべきガラス板2を載置する。その後、エアーシリンダ装置156及び161を逆作動させて、真空吸盤装置158及び163を上昇させて、更に、往復動機構153の電動モータ166を逆作動させて可動台155を復動させ、真空吸盤装置163を無端ベルト211上に、真空吸盤装置158を無端ベルト3上に移動させる。
真空吸盤装置158及び163の往復動中に、無端ベルト211の作動により、次に折割されるべきガラス板2が所定位置に搬入される。
真空吸盤装置158及び163がもとの位置に復帰されると、エアーシリンダ装置156及び161を再作動させて、真空吸盤装置158及び163を下降させて、真空吸盤装置158及び163の所定位置への下降により、エアーシリンダ装置156に基づく空気弾性力をもって真空吸盤装置158により無端ベルト3の上側部上に載置されたガラス板2を当該無端ベルト3に押圧して、同じくエアーシリンダ装置161に基づく空気弾性力をもって真空吸盤装置163により無端ベルト211上に載置されたガラス板2を当該無端ベルト211に押圧する。
これにより無端ベルト3上の上側部に載置されたガラス板2は、その中央部で無端ベルト3を間にして真空吸盤装置158と受け板201とに挟持されて、しっかりと無端ベルト3の上側部上に保持、固定されることになる。
その後、電動モータ59及び59a並びに72及び72aを作動させてガラス板受け装置7及び7aをX及びY方向に移動させてガラス受け面6及び6aがカッタホイール92及び92aの下に配置されるようにすると共に、電動モータ114及び114a並びに135及び135aを作動させて押し割り装置9及び9aをX及びY方向に移動させてカッタホイール92及び92aを、折割予定線221を始点として放射方向に移動させる。カッタホイール92及び92aが折割予定線221から移動する際に同時にエアーシリンダ装置89及び89aを作動させてカッタホイール92及び92aをガラス板2に当接させ、これによりカッタホイール92及び92aでもって切り線としてのガラス板2に端切り線(補助切り線)222を形成する。
端切り線222の形成中は、端切り線形成方向にカッタホイール92及び92aの刃先を向けるべく、電動モータ94及び94aを作動させる。また端切り線形成中は、押し棒88及び88aは、ガラス板2に当接することなく、上昇されている。
こうして一つの端切り線222が形成されると、押し割り装置9及び9a並びにガラス板受け装置7及び7aは次の端切り線形成位置まで移動され、カッタホイール92及び92aは領域5内で端切り線形成を夫々行う。端切り線形成中には、ガラス板受け面6及び6aがカッタホイール92及び92aの押圧力をガラス板2及びベルト3を介して受けるようにカッタホイール92及び92aの移動に対応してガラス板受け装置7及び7aは移動される。
端切り線形成が終了すると、次にエアーシリンダ装置89及び89aを作動させてカッタホイール92及び92aを上昇させてカッタホイール92及び92aとガラス板2との当接を解除する。
そして、図8に示すように、平面視でガラス板2の切り線である折割予定線221で囲まれる領域B外であってガラス板受け面6及び6aの外側輪郭線31がガラス板2の折割予定線221に外接し、しかも、凹所36及び36aに対面するガラス板2を押し面87及び87aが押し付けることができるように、ガラス板受け面6及び6aを配置するように電動モータ59及び59a並びに72及び72aを作動させてガラス板受け装置7及び7aをX及びY方向に移動させると共に電動モータ59及び59a並びに72及び72aで移動させられた平面視で折割予定線221で囲まれる領域B外であってガラス板受け面6及び6aで囲まれた凹所36及び36aに対面するガラス板2に押し棒88及び88aの押し面87及び87aの夫々を押し付けることができるように、同じく電動モータ114及び114a並びに135及び135aを作動させて押し割り装置9及び9aの押し面87及び87aの夫々をX及びY方向に移動させて、当該押し面87及び87aの夫々を凹所36及び36aの夫々の中央部の上方に配置する。
図8に示すように、凹所36及び36aと押し面87及び87aとが夫々Z方向において対面した状態で、エアーシリンダ装置85及び85aを作動させて押し棒88及び88aを下降させて、平面視で領域B外であってガラス板受け面6及び6aで囲まれる領域内、即ち、凹所36及び36aの夫々の中央部に対応するガラス板2に押し面87及び87aを押し付けるように、押し面87及び87aを移動、即ち、下降させ、凹所36及び36aの夫々の中央部に対応するガラス板2に押し面87及び87aの押し付けでガラス板2に撓みを生じさせ、この撓みでガラス板2を折割予定線221に沿って押し割り、領域B外のガラス板2であって端切り線222間のガラス板2を領域B内のガラス板2から押し割り、押し割り後の押し棒88及び88aの上昇による押し面87及び87aの元の位置への復帰と共に、領域B外のガラス板2を折割カレットとして無端ベルト3のA方向の走行で排出し、以上の動作を端切り線222間の各押し付け予定面で行う。
以上の押し割りが終了して、折割予定線211に沿って折り割られたガラス板2が得られると、以上の動作が繰り返される。
折割予定線221及び端切り線222が形成されたガラス板2が載置される無端ベルト3と、無端ベルト3を介してガラス板2を当該ガラス板2の平面視で領域B内における下面であって本例ではその中央部で支持する上面51を有した支持機構15と、無端ベルト3を介してガラス板2を当該ガラス板2の下面から受けるガラス板受け面6及び6a並びにガラス板受け面6及び6aに囲まれた凹所36及び36aを夫々有していると共に無端ベルト3の下方に配されたガラス板受け装置7及び7aと、ガラス板受け装置7及び7aのガラス板受け面6及び6aの夫々を移動させる移動装置8及び8aと、折割予定線221及び端切り線222が形成されたガラス板2を当該折割予定線221及び端切り線222に沿って押し割る押し面87及び87bを夫々有していると共に無端ベルト3の上方に配された押し割り装置9及び9aと、押し割り装置9及び9aの押し面87及び87bの夫々を移動させる移動装置10及び10aとを具有しており、移動装置8及び8aの夫々は、ガラス板2に対する押し面87及び87aの夫々による押し割りに際して、平面視でガラス板2の折割予定線221で囲まれる領域B外であってガラス板受け面6及び6aで囲まれた凹所36及び36aの夫々に対面するガラス板2を押し面87及び87aの夫々が押し付けることができるように、ガラス板受け面6及び6aの夫々を配置するようになっており、移動装置10及び10aの夫々は、ガラス板2に対する押し面87及び87aの夫々による押し割りに際して、移動装置8及び8aの夫々で移動させられた平面視でガラス板2の折割予定線221で囲まれる領域B外であってガラス板受け面6及び6aで囲まれた凹所36及び36aの夫々に対面するガラス板2を押し面87及び87bの夫々で押し付けることができるように、押し面87及び87bの夫々を配置するようになっており、押し割り装置9及び9aの夫々は、平面視でガラス板2の折割予定線221で囲まれる領域B外であってガラス板受け面6及び6aの夫々で囲まれる凹所36及び36aの夫々に対面するガラス板2に押し面87及び87bの夫々を押し付けて、ガラス板2を折割予定線221及び端切り線222に沿って押し割るようになっているガラス板2の折割機械1では、ガラス板2に対する押し面87及び87aの夫々による押し割りに際して、ガラス板受け面6及び6aの夫々が平面視で領域B外であって領域Bに接して配置されても、凹所36及び36aの夫々でのガラス板2の撓みに起因してガラス板2に折割予定線221及び端切り線222での折割を生じさせることができ、而して、領域B外の折割カレットと領域Bのガラス板2の折割面との衝突を回避でき、押し割り後の製品としてのガラス板2の折割面に欠け等が発生することをなくし得る。
なお、ガラス板の折割機械1の押し割り装置9及び9aによって、端切り線形成に加えて、折割予定線211を形成してもよく、また、ガラス板の折割機械1では、押し割のみを行うようにし、端切り線形成を前工程で行ってもよく、この場合には、カッタホール92及び92a等を省くことができる。
更に、上記の具体例では、一対のガラス板受け装置7及び7a、一対の移動装置8及び8a、一対の押し割り装置9及び9a並びに一対の移動装置10及び10aを設けて、ガラス板2に対する端切り線形成及び押し割りを分担して行うようにしたが、これに代えて、夫々を一個だけ設けて又は3個以上設けてガラス板の折割機械を構成してもよい。
更に、上記の具体例では、図8に示すように、平面視で外側輪郭線31がガラス板2の折割予定線221に外接するように電動モータ59及び59a並びに72及び72aを作動させてガラス板受け装置7及び7aをX及びY方向に移動させると共に同じく電動モータ114及び114a並びに135及び135aを作動させて押し割り装置9及び9aをX及びY方向に移動させて押し棒88及び88aの押し面87及び7aの夫々が平面視で領域B外であって凹所36及び36aの夫々の中央部の上方に位置するようにしたが、これに代えて、図10に示すように、平面視で外側輪郭線31がガラス板2の折割予定線221から離れて平面視で領域B外であって同じく平面視でガラス板受け面6及び6a並びに凹所36及び36aが領域B外に位置するように、更に、図11に示すように、平面視で外側輪郭線31とガラス板受け面6及び6aとがガラス板2の折割予定線221に交差して平面視でガラス板受け面6及び6a並びに凹所36及び36aが部分的に領域B内に、残りの部位が領域B外に位置するように、そして、平面視でガラス板受け面6及び6aが領域B外であって凹所36及び36aの夫々の中央部から外れて位置するように、電動モータ59及び59a並びに72及び72aを作動させてガラス板受け装置7及び7aをX及びY方向に移動させると共に同じく電動モータ114及び114a並びに135及135aを作動させて押し割り装置9及び9aをX及びY方向に移動させて押し棒88及び88aの押し面87及び7aの夫々が凹所36及び36aの夫々の上方に位置するようにして、折り割りを実行してもよい。
また、上記の具体例では、昇降手段27及び27aでガラス板受け面6及び6aの夫々を昇降させたが、昇降手段27及び27aを設けないで、常時、ガラス板受け面6及び6aを上面51と面一になるようにしもよい。
加えて、凹所36及び36aの夫々は、図11に示すように、部分凹球面232で規定されている部分球状の凹所であってもよい。