JP6958289B2 - スポンジチタンの集合体およびその製造方法 - Google Patents

スポンジチタンの集合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、三次元積層造形擬似スポンジチタン、その製造方法およびその集合体に関する。
チタン合金(特にTi−6Al−4V合金)は、比強度に優れるため、航空機用素材に広く用いられる。チタン合金の溶解に起因する欠陥は、例えば、航空機用ガスタービンエンジン用の殆どのチタン合金製の回転部品の致命的な損傷を誘発する。回転部品の疲労寿命は、この欠陥が存在しないことを前提として、設計される。
このため、チタン合金の溶解に実際に用いる溶解設備が有害な介在物を清浄化できる能力を有することが、チタン合金製品を例えばジェットエンジン部品用素材や航空機機体構造用素材といった航空機用製品に用いるために、要求される。
チタン合金インゴットから全ての欠陥を除去するための清浄溶解技術を確立するための研究開発が現在も推進されており、チタン合金の溶解工程や検査技術の改善が積み重ねられている。しかし、VAR2回溶解材やVAR3回溶解材が相当量用いられているのが現状である。
チタン合金の溶解に起因する欠陥のうち最も良く知られる欠陥は、窒素等の侵入型元素が濃化したハードα、あるいは低密度介在物(LDI:Low Density Inclusion)と呼ばれる欠陥である。また、ハードαとは別に高密度介在物(HDI:High Density Inclusion)と呼ばれる介在物も知られる。ハードαは、極めて硬くて脆く、かつ非破壊検査法(主として超音波探傷による内部欠陥検査)ではその位置を特定することが極めて難しい。
ハードαの検出は、主として超音波探傷による内部欠陥検査による。特にチタン合金の鍛造材では、ハードαから生じる欠陥信号の検出がミクロ組織に起因する材料ノイズに妨げられる。このため、超音波探傷による内部欠陥検査では、ハードαを直接検出するのではなく、チタン合金インゴットからの展伸材を製造する途中の加工熱処理段階でハードαの周囲に形成されるボイドや亀裂から生じる欠陥信号により代用して、ハードαを検出する。
ハードαは、チタン合金インゴットの製造の主原料であるスポンジチタンに起因して発生する。原料が、チタンスポンジの製造中に意図せず燃焼したスポンジチタン、あるいは、汚染された原料の不注意な使用、不適切に製造された電極、さらには溶解時の真空リークなどにより、汚染される。汚染された原料が検査過程で除去されずにインゴット原料として溶解され、融液中に溶解されずに残留することによって、ハードαは発生する。
ハードαは、チタン合金製品の疲労寿命を致命的に悪化させる。このため、ハードαを含むことが判明したビレットや、このビレットから引き続いて展伸加工された鍛造品が重要な回転部品に用いられることがないよう、厳格に管理される。
ハードαを含まない清浄なチタン合金インゴットであることを示すには、このチタン合金インゴットを切り刻んでハードαが存在しないことを保証すればよい。しかし、これでは、チタン合金インゴットとしての機能が失われるだけではなく、作業工数や処理コストが著しく上昇する。
非特許文献1にはいわゆるシーディング試験が開示される。シーディング試験は、特定の溶解設備を用いて溶解する原料に所定の割合のシード(窒化スポンジチタン)を予め添加した場合に、この溶解設備がどの程度の清浄化・健全化できる能力を有するかを実証する試験である。
シーディング試験は、(i)チタン合金インゴットの製造用原料にハードαを故意に所定量添加し、予め顧客との間で決められた手順にしたがって原料を溶解してチタン合金インゴットを製造する、(ii)製造したチタン合金インゴットに例えば鍛造,熱間圧延,熱間押出,棒圧延,線材圧延といった展伸加工を行って強い加工を与え、存在すると想定されるハードαの周囲にボイドや亀裂を発生させる、(iii)通常の超音波探傷による内部欠陥検査を行って疵を検出し、さらに信号が検出された部位のミクロ組織検査を行う、(iv)ハードαに起因する疵であるか否かを検証し、対象の溶解設備にハードαの無害化能力があるか否かを判定する、という手順で行われる。
しかし、非特許文献2には、航空機用のチタン合金製の回転部品用材料(ローターGrade材料)におけるハードαの自然発生は、通常、100万ポンド当たり1回未満であることが開示されている。このため、シーディング試験を行うために、自然発生したハードαを入手できる機会は極めて限られるのが現状である。
現在、自然発生したハードαの代わりに、チタンの溶解原料であるスポンジチタンを窒化処理して人工的に生成した窒化スポンジチタンが用いられる。シーディング試験に使用する標準の窒化スポンジチタンには、現状では、寸法(6mm長さ,6〜13mm長さ)と化学成分(N含有量:2,8,15質量%)が指定された人工窒化スポンジチタンを利用するという事実上の標準がある。
航空機用部品を製造するチタン合金製品のユーザは、このシーディング試験の標準手順を独自に定め、チタン合金インゴットの溶解メーカにその試験の実施を課している。例えば、非特許文献3には、スポンジチタンを窒化処理してシーディング試験用の人工窒化スポンジチタンを製造することが開示されている。例えば5トン(2212ポンド)のTi−6Al−4V合金インゴットを製造するためには、表1に示すように、3種の化学成分(N含有量:2,8,15質量%)のシードをそれぞれ443個ずつ準備する必要がある。
Figure 0006958289
しかし、所定のN含有量のシーディング試験用の人工窒化スポンジチタンを量産することは、以下に列記するスポンジチタンの特性により、難しい。
(i)スポンジチタンは、その最終の製造工程で還元炉から抽出された大塊を機械的に粉砕することにより、製造される。その後、篩いを用いて寸法毎にある程度分級されて最終製品とされるものの、機械的な粉砕工程を経るため、個々のスポンジチタンの重さや形状、さらに内部構造は不可避的に大きくばらつく。
(ii)図1は、表面および内質が海綿状の複雑な構造を有する、ポーラスなスポンジ状材料の内部構造を定義する説明図である。スポンジチタンの表面および内質は、複雑な三次元の海綿状構造を呈する。J.ROUQUEROLらは、非特許文献4により、図1に示すように、ポーラスな固体の内部構造を、a:閉じたポア,b:開いたポア(一方が閉じている、インク瓶型),c:開いたポア(貫通型,円柱状),d:開いたポア(貫通型,漏斗型),e:開いたポア(貫通型),f:開いたポア(一方が閉じている、円柱状),g:表面粗さ、として定義している。
なお、g:表面粗さは、粉砕工程でスポンジチタンが粉砕工具との衝突や接触により発生するものであり、元の海綿状のものから平坦で金属光沢を有するものまで、様々なものが存在する。
J.I. Paige and T.K. Redden; JOURNAL OF METALS. March 1988, 28~28. Lisa Brasche 他;"CONTAMINATED BILLET STUDY", DOT/FAA/AR-05/16 (2005) D.Maley and Belchak ; The proceedings of the Electron Beam Melting State of the Arts;, Bakish Materals Corporation, 1990,224-231. J. ROUQUEROL 他; Pure & Appl. Chem., Vol. 66,1994, No. 8, 1739-1758.
このように、スポンジチタンの寸法,形状,表面粗さ,内部構造は、一定ではなく、大きくばらつき変動する。このため、多数のスポンジチタンを窒素雰囲気中で加熱して窒化処理しても、各スポンジチタンに吸収される窒素量を一定にすることは不可能である。
一方、上述したように、シーディング試験は原料に所定の割合のシードを添加して溶解することにより溶解設備の清浄化・健全化能力を実証する試験である。したがって、人工窒化スポンジチタン粒の寸法、化学成分および内部構造のばらつきをできるだけ低減する必要がある。このためには、人工窒化スポンジチタン粒の寸法、化学成分および内部構造のばらつきをできるだけ低減するため、以下の項目(a)〜(i)に留意することがシーディング試験の実効性を担保するために極めて重要になる。
(a)使用するスポンジチタン粒の品位(主として不純物や残留するガス成分)
(b)使用するスポンジチタン粒の寸法および形状
(c)使用するスポンジチタン粒の内部構造
(d)使用するスポンジチタン粒の表面粗さ
(e)使用するスポンジチタン粒の質量
(f)窒化処理に使用するガスの純度
(g)窒化処理に用いる熱処理炉の性能(真空度,均熱精度,均熱帯サイズ,冷却速度,炉内ガス圧,冷却時の雰囲気)
(h)窒化処理の条件(加熱パターン,加熱速度,保定温度,冷却速度,ガス成分,ガス圧力,サンプル配置)
(i)スポンジチタン粒および得られた窒化スポンジ粒の個別管理,例えば,個々の窒化スポンジ粒の窒化量の測定(秤量法(窒化処理前後での重量から吸収された窒化量を計算する)と化学分析法がある)と記録および保管
しかし、これらの項目(a)〜(i)を厳格に管理することは実際には極めて難しい。
シーディング試験に供される人工窒化スポンジチタンは、標準物質という特徴を有するものの、実際にそれらの人工窒化スポンジチタンを工業的に厳格な品質管理体制の下で量産することは極めて難しい。仮にこのような品質管理を実現できたとしても、作業工数や処理コストが著しく上昇することは避けられない。
このように、不定形のスポンジチタンを窒素ガス中で窒化処理することにより製造される、現状のシーディング試験用の人工窒化スポンジチタンは、その品質を安定して一定に保つことが難しい。特に、寸法、化学成分さらには内部構造が一定のシーディング試験用の人工窒化スポンジチタンを安定的に量産することは困難であった。
このため、サイズおよび化学成分さらには内部構造が一定であるシーディング試験用の人工窒化スポンジチタンを量産できる技術が求められている。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成され、空隙率が40〜65%である三次元の海綿状構造を有する、三次元積層造形擬似スポンジチタン。
(2)窒素含有量が2〜20質量%である、1項に記載の三次元積層造形擬似スポンジチタン。
(3)溶解設備のシーディング試験のシードとして用いられる、1または2項に記載の三次元積層造形擬似スポンジチタン。
(4)1〜3項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンを複数含み、複数の前記三次元積層造形擬似スポンジチタンそれぞれの寸法のばらつきが±50μm以内である、実質同一の外形形状を有する、三次元積層造形擬似スポンジチタンの集合体。
(5)1〜3項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンを複数含み、複数の前記三次元積層造形擬似スポンジチタンそれぞれの化学成分のばらつきが±0.2質量%以内である、実質同一の化学成分を有する、三次元積層造形擬似スポンジチタンの集合体。
(6)1〜3項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンを複数含み、複数の前記三次元積層造形擬似スポンジチタンそれぞれの空隙率のばらつきが±0.2%以内である、実質同一の空隙率を有する、三次元積層造形擬似スポンジチタンの集合体。
(7)Ti、TiNおよびTiNの混合粉末に、レーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末に部分溶解および焼結を起こさせて第1層を形成する第1工程、および
前記第1層の上に前記混合粉末を配置し、その表面にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末および前記第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する第2工程
を繰り返すことによって、1〜3項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンを製造する、三次元積層造形擬似スポンジチタンの製造法。
(8)Ti、TiNおよびTiNの混合粉末に、電子ビームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末に部分溶解および焼結を起こさせて第1層を形成する第1工程、および
前記第1層の上に前記混合粉末を配置し、その表面に電子ビームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末および前記第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する第2工程
を繰り返すことによって、1〜3項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンを製造する、三次元積層造形擬似スポンジチタンの製造法。
(9)窒素ガス雰囲気下で、Ti粉末にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記Ti粉末に部分溶解および窒素ガス吸収を起こさせて第1層を形成する第1工程、および
前記第1層の上に前記Ti粉末を配置し、その表面にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記Ti粉末および前記第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する第2工程
を繰り返すことによって、1〜3項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンを製造する、三次元積層造形擬似スポンジチタンの製造法。
(10)前記第2工程を、真空、Arガス、Nガス、または、ArガスおよびNガスの混合ガスのうちのいずれかの雰囲気で行う、7項に記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンの製造法。
(11)前記第2工程の後に、大気、真空、ArガスまたはNガスのうちのいずれかの雰囲気で加熱して焼結する、7〜10項のいずれかに記載の三次元積層造形擬似スポンジチタンの製造法。
本発明により、寸法および化学成分、さらには内部構造のばらつきが少なく一定した三次元積層造形擬似スポンジチタンを安定して量産でき、これにより、シーディング試験用として極めて好適な、三次元積層造形擬似スポンジチタンの集合体を提供できる。
図1は、表面および内質が海綿状の複雑な構造を有する、ポーラスなスポンジチタンの内部構造を定義する説明図である。 図2は、スポンジチタンの組織観察写真の一例である。 図3は、スポンジチタンの組織観察写真の一例である。 図4は、スポンジチタンの組織観察写真の一例である。 図5は、図4の右下端部の拡大写真である。 図6は、実施例で用いる描画型紙を示す説明図である。 図7は、実施例におけるチタンスポンジAの窒化量の分布を示すグラフである。 図8は、実施例におけるチタンスポンジBの窒化量の分布を示すグラフである。
本発明を実施するための形態を説明する。
1.本発明に係る三次元積層造形擬似スポンジチタン
本発明者らは、シーディング試験に使用する窒化スポンジチタンを、標準物質として、かつ工業製品として、厳格な品質管理体制の下で大量に製造する方法を鋭意検討した。その結果、後述する本発明に係る製造法により、従来の窒化スポンジチタンの集合体に比較して、寸法、化学成分および内部構造のばらつきが顕著に抑制された擬似スポンジチタンの集合体を、工業製品として安定して製造できることを知見した。
ハードαの発生は、インゴット製造時の主たる原料であるスポンジチタンに起因することが多い。そこで、スポンジチタンの製造時に誤って大気を反応炉に導入することにより得られた所謂大気リークスポンジ、または燃焼した所謂燃焼(バーン)スポンジを入手し、これらを分析した。その結果、以下に列記の知見I〜IVを得た。
(I)大気リークスポンジおよびバーンスポンジは、いずれも、極薄い黒色の表面層により覆われている。大気リークスポンジおよびバーンスポンジの内部は、いずれも、略均一な黄褐色である。黒色部は酸化層であり、黄褐色部は窒素含有率が高い。
(II)内部のミクロ組織は、スポンジ状で、大気リークおよび燃焼の影響は殆ど見られない。
(III)化学分析の結果、黄褐色部の窒素含有量は2〜20質量%である。
(IV)大気リークスポンジおよびバーンスポンジそれぞれの表面層を除去した後、粉末状にしてX線構造解析を行った。その結果、その構成相は、高窒素を含有するα相、TiNおよびTiNであった。窒素含有量が増加すると、TiN,TiNの量が増加し、さらに窒素含有量が15質量%以上では殆どがTiNとなる。通常、TiNは銀白色であり、TiNは金色である。X線構造解析の結果と大気リークスポンジもしくはバーンスポンジの内部の色彩は良く符合していた。
このことから、シーディング試験に供するスポンジチタンは、以下の特徴A〜Cを有する必要がある。
(A)窒素含有量が2〜20質量%である。
(B)構成相はNを含有するαTi相,η−TiN相,δ−TiN相の3相からなる。
(C)金属組織は、スポンジチタン(窒化や酸化される前の)のスポンジ状である。
このため、本発明に係る三次元積層造形擬似スポンジチタン(以下、単に「擬似スポンジチタン」という)は、窒素を含有する。窒素含有量は、上述のように、2〜20質量%であることが望ましい。
本発明に係る擬似スポンジチタンにおける「三次元積層造形(3 dimensions Additive Manufacturing)」とは、部品の形状に依存した工具(金型や切削工具等)を用いることなく、3D−CADデータから直接に層(layer)を一層ずつ積み重ねていくことにより、高精度で三次元の擬似スポンジチタンを造形および製造する三次元積層造形法を意味する。三次元積層造形法は、文字通り付加的(Additive)な製造方法であって、切削等の減肉製造法の対極に位置する製造法の一つである。
三次元積層造形法を適用される材料は、現在、例えば、粉末,流体,固体や板などの形状を有するプラスチック,金属,セラミックス,有機物などといった様々な材料である。一般に,三次元積層造形の技術的基盤は、
(1)3D−CADデータに基づいて等高線に沿って積層を行うためのX−Y−Z制御系、
(2)光硬化樹脂技術、選択的溶解、選択的焼結、等高線追随切削と結合、選択的粒子結合、選択的バインダ結合、選択的な押出技術(バインダとの混粘物や溶融物の押出)などの造形技術、
(3)積層するためのエネルギー源として、レーザー、電子ビーム、赤外線溶融ヒータ(噴射ヘッド、押出ヘッド付近に設置)の利用
などであり、その技術面の高度化の速度と、応用面での拡大の速度は、極めて大きい。
本発明に係る擬似スポンジチタンは、スポンジチタンと同様に、三次元の海綿状構造を有し、その空隙率は40〜65%である。
本発明に係る擬似スポンジチタンの内部構造(金属組織)は、スポンジチタン(窒化や酸化される前のスポンジチタン)の構造に近いことが望ましい。積層造形に使用する3D−CADデータは、実際のスポンジチタンの代表的な内部構造(金属組織)をそのまま数値化して使用することが望ましい。
この数値化の手順の一例を以下に説明する。
(i)スポンジチタンを任意の面、例えば、スポンジチタンの中央付近を通過する面で切断し、通常の金属組織手法により組織観察試料とする。
(ii)組織観察の手段には光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などを用いる。
(iii)図2〜4は、スポンジチタンの組織観察写真の一例である。
図2の写真における黒い部分は金属チタンが存在しないこと、すなわち空隙部および背景を示し、白い部分は金属チタンが存在することを示す。この写真の例では、空隙率は60.3%である。
この写真の場合を含めスポンジチタンには、図1に示すように、a:閉じたポア,b:開いたポア(一方が閉じている、インク瓶型),c:開いたポア(貫通型,円柱状),d:開いたポア(貫通型,漏斗型),e:開いたポア(貫通型),f:開いたポア(一方が閉じている、円柱状)のいずれか、または全てが存在する。
もし、図2に示すスポンジチタンが窒化処理された状態で溶解原料に混入した場合、開いたポアb〜fがある部分では、毛細管現象により溶融金属の浸透が速やかになり、窒化スポンジチタンの融解が促進される。このため、窒化後のスポンジチタンの融解速度が部分的に異なり、シーディング試験の誤差の原因になり得る。本発明の目的は、内部構造のバラツキが少ない一定した内部構造を有する擬似スポンジチタンを提供することであるから、数値化に当たってはa:閉じたポア以外を無視する。
(iv)図2に示す写真において、黒色部分(背景部分と閉じたポア以外を無視する)の画素数の総和を求める。これは、閉じたポアの画素数に相当する。
(v)図2に示す写真に画像処理を加えて、スポンジチタンの形を殆ど損なうことなく、閉じたポア部分を白く塗り潰し、白色部分の画素数の総和を求める(図3に示す写真)。これは空隙が無いと仮定した場合の金属チタンの画素数に相当する。
(vi)空隙率は下記式により求める。
空隙率(%)=閉じたポアの画素数/空隙が無いと仮定した場合の金属チタンの画素数×100
図1,2に示すスポンジチタンでは、閉じたポアの画素数=13,660,324,空隙が無いと仮定した場合の金属チタンの画素数=22,624,307であるため、空隙率は60.379%となる。
なお、図1に示すような、a:閉じたポア,b:開いたポア(一方が閉じている、インク瓶型),c:開いたポア(貫通型,円柱状),d:開いたポア(貫通型,漏斗型),e:開いたポア(貫通型),f:開いたポア(一方が閉じている、円柱状)を含めて空隙とする場合の空隙率は61.336%となり、その差は0.86%となる。
(vii)図4に示す写真は、図2,3に示す写真を重ねて表示したものであり、白色部は金属チタンであり、灰色部は閉じたポアである。また、図5は、図4の右下端部の拡大写真である。
本発明に係る擬似スポンジチタンは、擬似的なハードαである。すなわち、本発明に係る擬似スポンジチタンとは、通常に市販・流通されるスポンジチタンのうちで標準的なスポンジチタンの寸法および内部構造(適宜選定する)を擬似した寸法および内部構造を有するとともに、三次元積層造形により製造されるスポンジチタンの擬似物を意味する。
さらに、本発明に係る擬似スポンジチタンは、特定の溶解設備が、溶解中のチタン材料に添加配合したハードα(低密度介在物LDI)を清浄化・健全化する能力を検証するために、使用される。すなわち、寸法(6mm長さ,6〜13mm長さ)と化学成分(N含有量:2,8,15%)が指定された人工窒化スポンジチタンを利用するという事実上の標準にしたがって行われる上述のシーディング試験に、好適に用いられる。
本発明に係る擬似スポンジチタンは以上のように構成される。
2.本発明に係る集合体
本発明に係る集合体は、上述した本発明に係る擬似スポンジの集合体である。
この集合体を構成する各擬似スポンジチタンそれぞれの寸法のばらつきは、±50μm(現在の標準とされるスポンジチタン粒の最大寸法が6〜13mmの場合)以内に抑制され、化学成分のばらつきは±0.2質量%以内に抑制され、さらに、内部構造(空隙率)のばらつきはa:閉じたポアだけを対象とするので±0.2%以内に抑制される。このため、本発明に係る集合体は上述のシーディング試験に好適に用いられる。
3.本発明に係る製造法
表2には、本発明に係る製造法をまとめて示す。
Figure 0006958289
表2に示すように、本発明では、三次元積層造形法により、例えばレーザー、電子ビーム等のエネルギーを混合粉末に選択的に照射して、混合粉末に部分溶解および焼結、およびガス吸収を起こさせ、混合粉末を選択的に形成させた層を積層させ、ハードα(低密度介在物LDI)を模擬する擬似スポンジチタンを、寸法、化学成分さらには内部構造(空隙率)を略一定化して、安定して量産する。
本発明に係る製造法1〜3を説明する。
(1)製造法1
下記第1工程および第2工程を繰り返す三次元積層造形法によって、上述した本発明に係る擬似スポンジチタンを製造する。
第1工程:望ましくは真空、Arガス、Nガス、または、ArガスおよびNガスの混合ガスの雰囲気で、Ti、TiNおよびTiNの混合粉末に、レーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、混合粉末に部分溶解および焼結を起こさせて第1層を形成する。
第2工程:上記雰囲気で、第1層の上に前記混合粉末を所定厚さで再配置し、その表面にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末および第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する。
第2工程の後に、大気、真空、ArガスまたはNガスの雰囲気で加熱して焼結してもよい。
(2)製造法2
下記第1工程および第2工程を繰り返す三次元積層造形法によって、上述した本発明に係る擬似スポンジチタンを製造する。
第1工程:望ましくは真空の雰囲気で、Ti、TiNおよびTiNの混合粉末に、電子ビームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、混合粉末に部分溶解および焼結を起こさせて第1層を形成する。
第2工程:上記雰囲気で、第1層の上に所定の厚さで混合粉末を再配置し、その表面に電子ビームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、混合粉末および第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する。
第2工程の後に、大気、真空、ArガスまたはNガスの雰囲気で加熱して焼結してもよい。
(3)製造法3
下記第1工程および第2工程を繰り返す三次元積層造形法によって、上述した本発明に係る擬似スポンジチタンを製造する。
第1工程:窒素ガス雰囲気下で、Ti粉末にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、Ti粉末に部分溶解、焼結およびガス吸収を起こさせて第1層を形成する。
第2工程:上記雰囲気で、第1層の上に所定厚さのTi粉末を再配置し、その表面にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、Ti粉末および第1層の一部に部分溶解、焼結およびガス吸収を起こさせて第2層を形成する。
第2工程の後に、大気、真空、ArガスまたはNガスの雰囲気で加熱して焼結してもよい。
本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
(1)本発明例1−1〜1−6,比較例1−1〜1−3の積層造形物の製造
純度99.7%、平均粒径8μm、最大半径28μmの市販のガスアトマイズチタン粉末を、99.99995体積%の高純度Nガス中で、960℃で4〜36時間処理して窒化処理してN含有量が2,8,15質量%の窒化チタン粉末を製造した。これらの粉末をX線回折で解析したところ、αTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
Systems社およびEOS社製の高エネルギーレーザーSLM装置(Selective Laser Melting)を用いて、上記製造法1(Arガス雰囲気)により三次元積層造形を行い、擬似スポンジチタンを製造した。
レーザー源は、パルス式Nd:YAG 500Wレーザー、CO 1.75KWレーザーであった。粉末ベッドの平面をX−Y−Z直交座標系のX−Y面とし、粉末ベッドの平面に対して鉛直下方をZ軸に設定した。
Ti、TiNおよびTiNの混合粉末を粉末供給用ホッパーと均し板(rake)から構成される粉末供給装置を用いて、SLM装置内の粉末ベッド上に平面上に充填した。SLM装置内の造形チャンバーは、99.9995体積%のArガスを充填した。次いで、スポット径を25μmとした。
図6に示す描画型紙に従って、その座標に相当する箇所を照準にレーザーでスポット照射した。型紙は、白い画素と黒い画素から構成される。全画素数は30400であり、各画素にはX−Y座標値を設定した。黒い画素はスポンジ組織での空隙部に相当し、白い部分はスポンジ組織で材料が存在する領域である。
SLM装置に組込まれたレーザービーム描画装置により、X−Y座標系に従い、レーザー照準を断続的に移動させ、白い画素に相当する座標ではレーザービームを0.2m秒間照射し、黒い画素に相当する座標ではレーザービームを照射せず、次の描画点に移動させるという要領で行った。
この型紙では空隙率は51.9%であった。この型紙を平行移動して、直径が20〜6000μmの円形領域内を覆うように平面状に複数配置し、X−Y座標を再設定する(合成型紙と呼ぶ)。上記領域内を合成型紙の座標位置に照準を当てて選択的にレーザービームをスポット照射した。
これにより、レーザービームが照射された部分は、局所的に急速加熱されて、混合粒子の一部は溶融し、また一部は焼結、あるいは加熱されただけに終わる。このようにして、第一層が形成される。通常、粉末供給装置のZ方向の位置は固定されている。
第1層の選択的なスポット照射が終了したら、粉末ベッドをZ方向にΔZ分(本実施例では30μm)だけ下方に移動させて、次いで粉末供給装置を作動させ、新しい粉末層(第2層)を第1層上に充填した。第1層の上に第2層を積層する場合、第1層の一部を同時に溶融し、あるいは焼結していくことが、層間の結合性を確保する上で重要である。レーザービームが当たり溶融し、焼結した部分はその体積が減少するので、予め減少代を、使用する粉末粒子の粒径に応じて事前に評価して、ΔZ分を決定する。
この操作をZ方向へ200回繰り返す。この際、第1層から第200層を形成する際、照射領域を20〜6000〜20μmという要領で順次変えることにより、結果的に200層からなる直径6mmの球状の積層構造体を得られる。これを積層段と呼ぶことにする。
使用したSLM装置では、粉末ベッドの大きさは200×200mmで、Z方向への移動可能範囲は350mmである。このため、上記の合成型紙を使用すれば、積層第1段で約1100個形成可能である。Z方向には図面的には約58積層段まで作成可能である。したがって、原理的には約64000個程度を製造可能である。しかし、粉末供給時の積層厚さの均一性確保の観点から、1積層段当たり100個で8積層段の成形を行い、計800個の球状の積層造形物を得た。
レーザービームによる選択的積層造形を終了した後、SLM装置内の造形チャンバー内の温度が、酸化や窒化の影響が少ない100℃程度まで下がったのを確認し、造形チャンバー内の真空を破り、選択的積層造形物を取り出した。
この直径6mmの球状の積層構造物内には、選択的にレーザービームが照射されたために、溶融あるいは焼結していない遊離した粉末が閉じ込められている。これらは、体積が小さいので融解試験に影響が少ないが、必要に応じてこれらは、振動を与えることにより、ある程度除去できる。
この直径6mmの球状の積層構造物の表面には、レーザービームにより溶解した混合粉末の一部が流動・滴下して、いわゆるバリが発生している場合は、混合粉末をショット粒代わりにしてブラストしてバリを除去する。さらに、必要に応じて、硝酸とフッ酸の混合液(69%硝酸:5ml、48質量%フッ酸:10ml、水:85ml)を用いて除去する。
造形製造した球状の積層造形物の約10%にあたる相当する80個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、本発明例1−1,1−2,1−3として表3,4に示す。なお、明らかに積層厚さの不均一性やレーザービームの不安定性によると考えられる形状不良の積層造形物の10個を目視により予め除外した。
Figure 0006958289
Figure 0006958289
本発明例1−1,1−2,1−3の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
Arガス雰囲気で積層造形物を製造したが、真空中で製造してもよい。また、大気リークスポンジまたはバーンスポンジを模擬する必要がある場合は、球状の積層造形物にさらに大気中あるいは酸素ガス含有雰囲気中で焼結処理を行ってもよい。
(2)比較例1−1〜1−3の積層造形物の製造
上述した条件と同じ条件で、レーザービームの各座標点での照射時間を1.2m秒間照射した。照射時間が長いと混合粉末の溶融が進むため、形状不良の割合が高まった。それらの内、20個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、比較例1−1,1−2,1−3として表3,4に示す。
比較例1−1,1−2,1−3の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
(3)本発明例1−4〜1−6の積層造形物の製造
純度99.7%、平均粒径22.5μmの市販のチタン粉末と、純度99%の平均1.0〜1.5μmの市販の窒化チタンTiN粉末を、N含有量が2,8,15%になるように秤量した後に混合した混合粉を得た。
これらの粉末を原料として、本発明例1−1〜1−3と同じ条件で造形製造した球状の積層造形物の約10%に相当する80個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、本発明例1−4,1−5,1−6として表3,4に示す。なお、明らかに積層厚さの不均一性やレーザービームの不安定性によると考えられる形状不良の積層造形物の18個を目視により予め除外した。
本発明例1−4,1−5,1−6の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
(4)本発明例2−1,2−2,2−3の積層造形物の製造
純度99.7%,平均粒径30μmの市販のチタン粉末を、99.99995体積%の高純度Nガス中で960℃,4〜36時間窒化処理することにより、N含有量が2,8,15%の窒化チタン粉末を製造した。
これらの粉末をX線回折で解析したところ、α−Ti相、η−TiN相およびδ-TiN相の3相から構成されていた。
Arcam社製のSEBM装置(Selective Electron Beam Melting)を用いて、上記製造法1(真空雰囲気)により三次元積層造形を行い、擬似スポンジチタンを製造した。
粉末ベッドの平面をX−Y−Z直交座標系のX−Y面とし、粉末ベッドの平面に対して鉛直下方をZ軸に設定した。上記の混合粉末を粉末供給用ホッパーと均し板から構成される粉末供給装置を用いて、SEBM装置内の粉末ベッド上に平面上に充填した。SEBM装置内の造形チャンバー内の真空度は5×10-5mbarを持続した。次いで、加速電圧60KV,ビーム電流5mA,ビーム径28μmで電子線を発生させた。
図6に示す描画型紙に従って、その座標に相当する箇所を電子線でスポット照射した。型紙は、白い画素と黒い画素から構成され、全画素数は30400であり、各画素にはX−Y座標値を設定した。黒い画素はスポンジ組織での空隙部に相当し、白い部分は、スポンジ組織で材料が存在する領域である。
SEBM装置に組込まれた電子線描画装置により、X−Y座標系に従い、電子線照準を断続的に移動させて、白い画素に相当する座標では、電子線を0.1mm秒間照射し、黒い画素に相当する座標では、電子線を照射せず、次の描画点に移動させるという要領で、行った。
この型紙の空隙率は51.9%であった。この型紙を平行移動して、直径が20〜13000μmの円形領域内を覆うように平面状に複数配置し、X−Y座標を再設定する(合成型紙と呼ぶ)。上記領域内を合成型紙の座標位置に照準を当てて選択的に電子線でスポット照射した。
これにより、電子線が照射された部分は、局所的に急速加熱されて、混合粒子の一部は溶融し、また一部は焼結、あるいは加熱されただけに終わる。このようにして、第一層が形成される。通常、粉末供給装置のZ方向の位置は固定されている。
第1層の選択的なスポット照射が終了したら、粉末ベッドをZ方向にΔZ分(本実施例では30μmであり、使用混合粒子の最大粒径に合わせた)だけ下方に移動させて、次いで粉末供給装置を作動させ、新しい粉末層(第2層)を第1層上に充填した。
第1層の上に第2層を積層する場合、第1層の一部を同時に溶融し、あるいは焼結していくことが、層間の結合性を確保する上で重要である。電子線が当たり溶融し、焼結した部分はその体積が減少するので、予め減少代を、使用する粉末粒子の粒径に応じて事前に評価して、ΔZ分を決定する。
この操作をZ方向に433回繰り返す。この際、第1層から第433層を形成する際、照射領域を20〜13000〜20μmという要領で順次変えることにより、結果的に433層からなる直径13mmの球状の積層構造を得ることができる。これを積層段と呼ぶ。
使用したSEBM装置では、粉末ベッドの大きさは250×250mmで、Z方向への移動可能範囲は380mmであるので、上記の合成型紙を使用すれば、積層第1段で約360個形成可能である。Z方向には図面的には約29積層段まで作成可能である。
したがって、原理的には10440個程度を製造可能である。しかし、粉末供給時の積層厚さの均一性を確保する観点から、1積層段当たり100個で8積層段の成形を行い、計800個の球状の積層造形物を得た。
電子線による選択的積層造形を終了した後、SEBM装置内の造形チャンバー内の温度が、酸化や窒化の影響が少ない100℃程度まで下がったのを確認し、造形チャンバー内の真空を破り、選択的積層造形物を取り出した。
この直径13mmの球状の積層構造物内には、選択的に電子線が照射されたために、溶融あるいは焼結していない遊離した粉末が閉じ込められている。これらは、体積が小さいので融解試験に影響が少ないが、必要に応じてこれらは、振動を与えることにより、ある程度除去できる。
この直径13mmの球状の積層構造物の表面には、電子線で溶解した混合粉末の一部が、流動および滴下していわゆるバリが発生している場合がある。このような場合は、混合粉末をショット粒代わりにしてブラストしてバリを除去する。さらに必要に応じて、硝酸とフッ酸の混合液(69質量%硝酸:5ml、48質量%フッ酸:10ml、水:85ml)を用いて除去する。
造形製造した球状の積層造形物の約10%に相当する80個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、本発明例2−1,2−2,2−3として表3,4に示す。なお、明らかに積層厚さの不均一性やレーザービームの不安定性によると考えられる形状不良の積層造形物の12個を目視により予め除外した。
本発明例2−1,2−2,2−3の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
(5)本発明例2−1,2−2,2−3の積層造形物の製造
純度99.7%,平均粒径22.5μmの市販のチタン粉末と、純度99%の平均1.0〜1.5μmの市販の窒化チタンTiN粉末を、N含有量が2,8,15質量%になるように秤量した後に混合し、さらにボールミルに入れて、Arガスで封入して約48時間に亘り、粉砕および混合処理を継続して、平均粒径4.8μmの混合粉末を得た。
これらの粉末を原料として、本発明例2−1〜2−3と同じ条件で造形製造した球状の積層造形物の約10%に相当する80個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、本発明例2−4,2−5,2−6として表3,4に示す。なお、明らかに積層厚さの不均一性やレーザービームの不安定性によると考えられる形状不良の積層造形物の10個を目視により予め除外した。
本発明例2−4,2−5,2−6の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
(6)比較例2−1,2−2,2−3の積層造形物の製造
本発明例2−1〜2−3と同じ条件で、ビーム電流を20mAとした。ビーム電流値を上げると混合粉末中のチタン溶融が進んで蒸発の度合いが高くなり、形状不良の割合も高かった。それらの内、20個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、比較例2−1,2−2,2−3として表3,4に示す。
比較例2−1,2−2,2−3の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
(7)本発明例2−7〜2−12の積層造形物の製造
本発明例2−1〜2−16の球状の積層造形物を、その構造物を構成する混合粉末の結合度を高めるため、真空中、Arなどの不活性ガス中の雰囲気で加熱することにより、本発明例2−7〜2−12の積層造形物を製造した。
この場合、N含有量は大きく変化しなかったが、高温で処理すると球状の積層造形物同士が凝着してしまうので注意が必要である。大気リークスポンジまたはバーンスポンジを模擬する必要がある場合は、球状の積層造形物にさらに大気中あるいは酸素ガス含有雰囲気中で焼結処理を行ってもよい。
(8)本発明例3−1〜3−3の積層造形物の製造
本発明例1−1〜1−3の製造に用いたSLM装置で、純度99.7%、平均粒径22.5μmの市販のチタン粉末を、粉末供給用ホッパーと均し板から構成される粉末供給装置を用いて、SLM装置内の粉末ベッド上に平面上に充填した。
SLM装置内の造形チャンバー内は、処理中は99.99995体積%の高純度Nガスを7.5l/分で流入させた。圧力はほぼ1気圧を維持した。
これらの粉末を原料として、本発明例1−1〜1−3と同じ条件で球状の積層造形物を製造した。ただし、スポットサイズはトップハット型で50μmとし、各座標点での照射時間は、レーザービーム照射によりチタン粉末が一部溶融し、雰囲気のNガスと反応して融液にNが含有される時間を確保するために、0.2,0.5,0.7m秒とした。
照射時間は、予め行った予備試験の結果により設定した。ただし、0.7m秒は、チタン融液の質量が増加し、表面張力と釣り合う限界の時間であり、これより長くすると、融液が積層されずに鉛直下方に流出する。
造形製造した球状の積層造形物の約10%に相当する80個のN含有量(質量%)、寸法(mm)、空隙率(%)を、本発明例3−1〜3−3として表3,4に示す。なお、明らかに積層厚さの不均一性やレーザービームの不安定性によると考えられる形状不良の積層造形物の10個を目視により予め除外した。
本発明例3−1〜3−3の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた。
(9)従来例1,2の造形物の製造
市販の純度99.8%の工業用純チタンスポンジ粒を篩により選別し、チタンスポンジA(直径約13mm、平均質量2.38g)とチタンスポンジB(直径約6mm、平均質量0.277g)を288個ずつ用意した。
チタンスポンジA、チタンスポンジBを別々に真空・雰囲気熱処理炉中で窒化処理を行った。チタンスポンジ粒を、窒化処理前後に0.01mg単位で秤量し、質量変化から窒化量を求めた。
上記288個のチタンスポンジ粒は、個別に認識するため、288個の13×13×2mmの凹みを格子状に配列したMo板(7×300×300mm)にスポンジ粒を配置し、1×10−3Pa以上の高真空まで真空引きした後、950℃,6時間の条件で窒化処理を行った。
この条件は、予め試験実験炉でスポンジチタン粒5個を使い、15質量%Nが得られる条件を決めた。窒化は、5Nの液化窒素ガスから生成したNガスであり、N分圧を57torr(7.599KPa)とし、Nガスの炉内への流量を9.5L/分以上とした。
窒化処理後、そのままで炉内真空度が1×10−3Pa以上に達するまで真空引きを行った。その状態で、窒化スポンジ内のN量を均一化するため1100℃まで昇温し、5時間の真空焼鈍を行った。
上記の窒化処理と引き続いて行った真空焼鈍が終わった後、処理前後の質量変化からチタンスポンジA(従来例1)、チタンスポンジB(従来例2)の窒化量を求めた。その分布を図7、図8に示す。
表3,4に示すように、チタンスポンジA288個のN量の平均値は14.15%であり、標準偏差は1.28%であった。チタンスポンジBでは、同じく、16.67%、1.16%であった。
市販のスポンジチタンでは、その形状は千差万別であるため、その寸法を定義することが難しい。このため、それらの形状を狭い範囲で揃えることには限界がある。そのため、質量的にも揃えることが難しい。
具体的には、チタンスポンジAの処理前の質量の平均値、標準偏差は、それぞれ、2.38g、0.446gであり、チタンスポンジBの処理前の質量の平均値、標準偏差は、それぞれ、0.277g、0.0638gであった。
一般に、窒化量は、スポンジチタン粒の質量に依存するので、窒化処理前のスポンジチタン粒の質量のバラツキが、窒化処理後のスポンジチタン粒の窒化量に大きな影響を与えることが分かる。窒化処理後のチタンスポンジAとチタンスポンジBの全個数の約10%に相当する30個の断面ミクロ組織(空隙率)を表3,4に併せて示す。
従来例1,2の積層造形物は、窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成されていた
(10)シーディング試験による評価
実際のチタン合金インゴットの溶解・鋳造に用いる生産用溶解炉では、通常、安定な製造条件に達してから1〜10トンのインゴットを溶解する。この生産用溶解炉でシーディング試験を行う前に、小型のEBR溶解炉を用いて、予め、三次元積層造形疑似スポンジチタン粒と、従来法で製造した窒化スポンジチタン粒について、所定のチタン合金融液中での融解挙動を調べた。
70kWの小型EBR溶解炉で、例えば、5kgのTi−6Al−4V、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo合金インゴットを製造し、加速電圧29kVでフィラメント電流を0.75Aとし、電子線ビームのスポット径を0.2φ、リング径を直径100mmの円状に設定し、融液温度を1700℃、深さ20mmの融液プールを形成し持続した。
平底スプーン状のタングステン製の皿に、本発明例1−1〜1−6,2−1〜2−12,3−1〜3−3の疑似スポンジチタン粒と、比較例1−1〜1−3,2−1〜2−3の疑似スポンジチタン粒と、従来例1,2の窒化スポンジチタン粒を20個ずつ置き、その融液中に融液深さ約10mmの位置で、60秒間浸漬した後に取り出し、融液だけを捨てる操作を行った。
そして、皿の上で各種スポンジチタン粒が残存する割合を求めた。スポンジチタン粒が浸漬後に短時間で融解する場合は、開いたポアが多いため毛細管現象により溶融金属の浸透が速やかであることを意味し、シーディング試験用のスポンジチタン粒として不適格である。そこで本発明では、浸漬されたそれぞれ20個の各種スポンジチタン粒について、個数の減少がなく(すなわち個々の粒において溶解速度に大きなバラツキがなく)、もとのスポンジチタン粒の合計重量に対して80%以上のスポンジチタン粒が残存する場合を「合格」と判定し、それ以外を「不合格」と判定した。結果を表3,4に示す。
表3,4に示すように、寸法、化学成分および内部構造のばらつきが低減されている本発明例1−1〜1−6,2−1〜2−12,3−1〜3−3の疑似スポンジチタン粒を用いれば、シーディング試験の実効性を担保することができる。

Claims (11)

  1. 窒素を含有するαTi相、η−TiN相およびδ−TiN相の3相から構成され、組織写真を解析した場合に下記(1)式から算出される空隙率が40〜65%であり、三次元の海綿状構造を有するスポンジチタンを複数含み、前記スポンジチタンそれぞれの寸法のばらつきが±50μm以内である、スポンジチタンの集合体
    空隙率(%)=閉じたポアの画素数/空隙が無いと仮定した場合の金属チタンの画素数×100 ・・・(1)
  2. 前記スポンジチタンの窒素含有量が2〜20質量%である、請求項1に記載のスポンジチタンの集合体
  3. 溶解設備のシーディング試験のシードとして用いられる、請求項1または2に記載のスポンジチタンの集合体
  4. 前記スポンジチタンの集合体の平均寸法が6〜13mmである、請求項1〜3のいずれかに記載のスポンジチタンの集合体。
  5. 記スポンジチタンそれぞれの窒素含有量のばらつきが±0.2質量%以内である、請求項2に記載のスポンジチタンの集合体。
  6. 記スポンジチタンそれぞれの前記空隙率のばらつきが±0.2%以内である、請求項5に記載のスポンジチタンの集合体。
  7. Ti、TiNおよびTiNの混合粉末に、レーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末に部分溶解および焼結を起こさせて第1層を形成する第1工程、および
    前記第1層の上に前記混合粉末を配置し、その表面にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末及び前記第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する第2工程
    を繰り返すことによって、請求項1〜のいずれかに記載のスポンジチタンの集合体を製造する、スポンジチタンの集合体の製造法。
  8. Ti、TiNおよびTiNの混合粉末に、電子ビームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末に部分溶解および焼結を起こさせて第1層を形成する第1工程、および
    前記第1層の上に前記混合粉末を配置し、その表面に電子ビームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記混合粉末および前記第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する第2工程
    を繰り返すことによって、請求項1〜のいずれかに記載のスポンジチタンの集合体を製造する、スポンジチタンの集合体の製造法。
  9. 窒素ガス雰囲気下で、Ti粉末にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記Ti粉末に部分溶解および窒素ガス吸収を起こさせて第1層を形成する第1工程、および
    前記第1層の上に前記Ti粉末を配置し、その表面にレーザービームをX−Y−Z直交座標系における二次元面で照射することにより、前記Ti粉末および前記第1層の一部に部分溶解および焼結を起こさせて第2層を形成する第2工程
    を繰り返すことによって、請求項1〜のいずれかに記載のスポンジチタンの集合体を製造する、スポンジチタンの集合体の製造法。
  10. 前記第2工程を、真空、Arガス、Nガス、または、ArガスおよびNガスの混合ガスのうち、いずれかの雰囲気で行う、請求項7に記載のスポンジチタンの集合体の製造法。
  11. 前記第2工程の後に、大気、真空、ArガスまたはNガスのうちのいずれかの雰囲気で加熱して焼結する、請求項7〜10のいずれかに記載のスポンジチタンの集合体の製造法。
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