以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図14は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、例えば上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射手段を作動させるための発射ハンドル10が右端側に夫々設けられている。更に、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、例えば左右方向の略中央に演出ボタン12が設けられている。なお、演出ボタン12内にはLED13が配置されており、例えば演出ボタン12の操作が有効となる操作有効期間中に点灯又は点滅するようになっている。
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤21が着脱自在に装着されている。遊技盤21の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側の遊技領域23に、中央表示ユニット24、普通図柄始動手段25、特別図柄始動手段26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が配置されている。中央表示ユニット24には、液晶式等の画像表示手段29の他、可動体30aを備えた可動演出手段30、普通図柄表示手段31、特別図柄表示手段32、普通保留個数表示手段33等が設けられている。また画像表示手段29は、演出図柄表示手段34、特別保留個数表示手段35等を構成している。
普通図柄始動手段25は、普通図柄表示手段31による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、例えば中央表示ユニット24の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
普通図柄表示手段31は、普通図柄を変動表示するためのもので、複数個の普通図柄(例えば「○」「×」の2種類)に対応する複数個の発光体(例えばLED)を備え、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいてそれら複数の発光体が所定順序で発光するように点滅して、普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)に対応する例えば「○」側の発光体が点灯し、それ以外の場合には外れ態様に対応する例えば「×」側の発光体が点灯して停止する。
普通図柄始動手段25による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄表示手段31による図柄変動が開始される毎に順次消化される。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は普通保留個数表示手段33等によって遊技者に報知される。
特別図柄始動手段26は、特別図柄表示手段32による図柄変動を開始させるためのもので、例えば上下2つの始動入賞手段26a,26bと、下始動入賞手段26bを開閉する開閉手段36と、始動入賞手段26a,26bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えば中央表示ユニット24の下側に配置されている。上始動入賞手段26aは開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段である。下始動入賞手段26bは、開閉手段36により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段36が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段32は、特別図柄を変動表示するためのもので、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの始動入賞手段26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段26a,26bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、一致しない場合には例えば外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
特別図柄始動手段26への遊技球入賞時に取得された特別乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、特別図柄表示手段32による図柄変動が開始される毎に順次消化される。特別乱数情報の記憶個数(特別保留個数)は、特別保留個数表示手段35等によって遊技者に報知される。
演出図柄表示手段(図柄表示手段)34は、例えば特別図柄表示手段32による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄Pを変動表示するもので、画像表示手段29上の複数箇所、例えば左右方向の3箇所で夫々演出図柄Pを縦スクロール等により変動表示可能に構成されており、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち上下2つの始動入賞手段26a,26bの何れかに遊技球が入賞することを条件に、例えば特別図柄の変動開始と略同時に複数種類の変動パターンの何れかに従って演出図柄Pの変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄Pを左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様、外れ態様で停止する場合には、演出図柄Pはそれに対応して大当たり演出態様(特定態様)、外れ演出態様で停止する。
演出図柄Pは、図3に示すように数字部Paとこれに付随する装飾部Pbとで構成されている。数字部Paには複数種類、例えば「1」〜「8」の8種類の数字が割り当てられており、演出図柄Pはそれら8種類の数字部Paに対応して8種類設けられている(図6参照)。また、装飾部Pbは数字部Paに対して例えば1対1で対応しており、夫々任意のキャラクタ等が割り当てられている。本実施形態では、装飾部Pbは楽器を演奏する動物のキャラクタで構成されている。以下の説明では、数字部Paが「1」〜「8」の演出図柄Pを夫々演出図柄P1〜P8として区別する。
演出図柄Pの変動時には、演出図柄P1〜P8が所定順序で循環的に表れるように画像表示手段29上で例えば縦方向にスクロール表示される。なお、演出図柄Pが変動後に演出図柄P1〜P8以外の特殊図柄で停止する場合があってもよい。また演出図柄Pの変動パターンとしては、リーチを経ることなく外れ演出態様となるリーチなし通常変動パターンと、リーチを経由して外れ演出態様又は大当たり演出態様となるリーチ変動パターンとがあり、夫々例えば複数種類設けられている。
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板37を備えた開閉式入賞手段で、変動後の特別図柄が大当たり態様、演出図柄Pが大当たり演出態様(特定態様)となって特別利益状態(利益状態)が発生したときに、開閉板37が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤21に装着された中央表示ユニット24、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤21を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通図柄表示制御手段55、普通利益状態発生手段56、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別図柄表示制御手段65、特別利益状態発生手段66、特別遊技状態発生手段67、制御コマンド送信手段68等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段25による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段25が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値等の普通乱数情報を1個取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通図柄表示制御手段55は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段31の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段31が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段31による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段54で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段54で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段56は、下始動入賞手段26bが例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるためのもので、普通図柄処理手段54による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段31の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に普通利益状態を発生させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段26が遊技球を検出すること、即ち始動入賞手段26a,26bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段61から大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等よりなる特別乱数情報を1個取得し、その特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
なお本実施形態では、変動パターン乱数及び外れ図柄乱数は特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点では取得せず、特別図柄の変動開始時に取得することとするが、それら変動パターン乱数、外れ図柄乱数等についても大当たり判定乱数値等と同様に特別図柄始動手段26が遊技球を検出した時点で取得し、特別乱数記憶手段63に記憶させるように構成してもよい。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段32が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1個以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に記憶されている特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段63に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別図柄表示制御手段65は、特別図柄表示手段32の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段32による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)66は、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、特別図柄処理手段64による判定結果が大当たり判定となり、特別図柄表示手段32による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様となり、演出図柄Pの変動後の停止図柄が大当たり演出態様(特定態様)となった場合に特別利益状態を発生させるようになっている。本実施形態における開放パターンは、大入賞手段27の開放から所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段27を閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されているものとするが、複数種類の開放パターンを設け、例えば大当たり図柄乱数値に基づいてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。
特別遊技状態発生手段67は、特別利益状態の終了後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段63に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短状態を、一致する場合には確変状態を夫々発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段32の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下始動入賞手段26bの開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加することにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変状態は例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、次の特別利益状態が発生するまでに所定の終了条件が成立(特別図柄が所定回数変動、転落抽選に当選等)した場合にはその時点で終了するようにしてもよい。
制御コマンド送信手段68は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段64による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を指定する保留減少コマンド、演出図柄Pの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、演出図柄Pの変動後の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板42側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄Pの変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別図柄始動手段26による遊技球検出時に増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを演出制御基板42側に送信する機能、特別保留個数が0の状態で特別図柄表示手段32による特別図柄の変動が終了する等により特別図柄の変動待機状態となった場合に客待ちデモコマンドを送信する機能、遊技状態が変化する際に遊技状態コマンドを演出制御基板42側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板42は、画像表示手段29、可動演出手段30、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、演出実行手段73、シナリオ記憶手段74、画像データ記憶手段75、特別保留個数表示制御手段76、図柄変動演出制御手段77等を備えている。
演出実行手段73は、各種シナリオ情報(以下、単にシナリオという)に基づいて画像表示手段29、可動演出手段30、音声出力手段71、電飾手段72等の演出手段による演出の実行を制御するものである。各シナリオには、各演出手段による演出内容が例えばシナリオの実行開始からの経過時間に対応して設定されている。なお、各種シナリオはシナリオ記憶手段74に記憶され、また例えば画像表示手段29に画像を表示するための画像データは画像データ記憶手段75に記憶されている。
特別保留個数表示制御手段76は、特別保留個数表示手段35による特別保留個数の表示に関する制御を行うもので、特別図柄始動手段26により新たに遊技球が検出され、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段29上に保留表示画像35aを1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板41から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像35aを消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留表示画像35aを前側にシフトさせるようになっている。
図柄変動演出制御手段77は、演出図柄表示手段34による演出図柄Pの変動に関する制御を行うもので、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄Pの変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターン等に基づいて、演出図柄Pの変動中に実行する予告演出を抽選により決定し、演出図柄Pの変動に関するシナリオをセットするようになっている。
本実施形態では、演出図柄Pの変動中における所定のタイミングで、停止又は仮停止している演出図柄Pの少なくとも一部分をアニメーションにより変化させる図柄変化演出を実行するようになっている。なお図柄変化演出中以外は、演出図柄P1〜P8は夫々図6に例示するような基本表示態様で表示される。図柄変化演出には、演出図柄Pの変動時に通常実行される通常図柄変化演出と、予告演出の一例である特定予告演出において実行される特定図柄変化演出とがある。
本実施形態の通常図柄変化演出は、図6に示すように変動開始時変化演出、図柄停止時変化演出、図柄仮停止時変化演出、リーチ発生時変化演出、大当たり成立時変化演出の5種類設けられている。
変動開始時変化演出は演出図柄Pの変動開始時に実行されるもので、演出図柄P1〜P8の全てについて、装飾部Pbはキャラクタが「身体を横に振る」という変化態様に設定され、数字部Paは変化しないようになっている。図柄停止時変化演出は演出図柄Pの停止時に実行されるもので、演出図柄P1〜P8の全てについて、装飾部Pbはキャラクタが「首を横に振る」という変化態様に設定され、数字部Paは変化しないようになっている。図柄仮停止時変化演出は、演出図柄Pの仮停止時に実行されるもので、演出図柄P1〜P8の全てについて、装飾部Pbはキャラクタが「左右に微回転する」という変化態様に設定され、数字部Paは変化しないようになっている。
リーチ発生時変化演出は、リーチ発生時に実行されるもので、演出図柄P1〜P8の全てについて、装飾部Pbはキャラクタが「身体を振った後にお辞儀をする」という変化態様に設定され、数字部Paは数字が「横回転」する変化態様に設定されている。大当たり成立時変化演出は、大当たり演出態様の成立時に実行されるもので、演出図柄P1〜P8の全てについて、装飾部Pbはキャラクタが「身体を振った後に万歳をする」という変化態様に設定され、数字部Paは数字が「拡大」する変化態様に設定されている。
なお図6の例では、演出図柄P1〜P8の変化態様が図柄変化演出毎に全て同種類となっているが、演出図柄P1〜P8の少なくとも一つの変化態様を他と異ならせてもよい。
図7はリーチ発生時変化演出における画像表示の一例である。演出図柄Pの変動中に例えば左右の演出図柄が共にP7となってリーチが発生すると(図7(a))、リーチ発生時変化演出が開始され、数字部Paの数字が横回転を開始すると共に装飾部Pbのキャラクタが身体を振り始める(図7(b))。なお、リーチ発生時変化演出の開始タイミングは、リーチ発生と同時又はその直後でもよいし、リーチ発生の直前でもよい。
そして、例えば数字部Paの数字が一回転し、装飾部Pbのキャラクタのお辞儀が終わった時点でリーチ発生時変化演出は終了し(図7(c)→(e))、左右の演出図柄P7は基本表示態様に戻って引き続き中図柄の変動が行われる(図7(f))。
ここで、このリーチ発生時変化演出においては、数字部Paの変化期間(図7(b)〜(d))と装飾部Pbの変化期間(図7(b)〜(e))とが異なっており、数字部Paの変化期間の方が装飾部Pbの変化期間よりも先に終了するようになっている。これにより、装飾部Pbによる視覚的な演出効果を十分に発揮させつつ、リーチを構成する数字部Paの種類をより早く遊技者に認識させることができ、演出図柄Pの数字部Paと装飾部Pbの本来の役割を図柄変化演出において十分に発揮させることが可能である。なお、図示は省略するが、大当たり成立時変化演出についてもリーチ発生時変化演出と同様、数字部Paの変化期間と装飾部Pbの変化期間とが異なっており、数字部Paの変化期間の方が装飾部Pbの変化期間よりも先に終了するようになっている。
また本実施形態では、図7(b)〜(e)のような図柄変化演出中の演出図柄Pについては、図4に示すように数字部Paを構成する画像と装飾部Pbを構成する画像とを異なるレイヤ上に構成し、例えば数字部Paが装飾部Pbよりも前側(高い優先順位)となるようにそれらを重畳することにより表示している。一方、図7(a),(f)のような基本表示態様の演出図柄Pについては、図5に示すように数字部Paを構成する画像と装飾部Pbを構成する画像とを一つのレイヤ上に構成している。なお、基本表示態様の演出図柄Pについても、図柄変化演出中と同様、数字部Paを構成する画像と装飾部Pbを構成する画像とを異なるレイヤ上に構成し、それらを重畳することにより表示してもよい。
また本実施形態では、予告演出の一つとして、変動開始時に実行される変動開始時予告演出(特定予告演出)を実行可能となっている。この変動開始時予告演出は、変化態様が異なる複数種類の図柄変化演出の何れかを実行することにより、演出図柄Pが大当たり演出態様(特定態様)となるか否かを予告するもので、本実施形態では演出図柄Pの変動開始時に図6に示す第1〜第3予告演出(図柄変化演出)の何れかを実行するようになっている。演出図柄Pが大当たり演出態様となる期待度は、第1予告演出が出現する場合が最も小さく、第2予告演出が出現する場合が最も大きくなっている。
ここで、第1予告演出では、装飾部Pbはキャラクタが「身体を振った後にお辞儀をする」という変化態様に設定され、数字部Paは変化しないようになっている。即ち第1予告演出は、装飾部(特定部分)Pbの変化態様がリーチ発生時変化演出と共通である。また第2予告演出では、装飾部Pbはキャラクタが「身体を振った後に万歳をする」という変化態様に設定され、数字部Paは変化しないようになっている。即ち第2予告演出は、装飾部(特定部分)Pbの変化態様が大当たり成立時変化演出と共通である。
なお本実施形態では、図柄変化演出中の演出図柄Pについては、図4に示すように数字部Paを構成する画像と装飾部Pbを構成する画像とを異なるレイヤ上に構成し、それらを重畳することにより表示するため、第1予告演出とリーチ発生時変化演出、第2予告演出と大当たり成立時変化演出は夫々数字部Paの変化態様が異なるにも拘わらず、装飾部Pbを構成する画像を共通化することによりデータ量を抑制できる。
一方、第3予告演出では、装飾部Pbはキャラクタが「片手を上げる」という変化態様に設定され、数字部Paは変化しないようになっている。即ち、第3予告演出は通常図柄変化演出の何れとも変化態様が異なっている。
図8は第1予告演出における画像表示の一例である。第1予告演出は、前回の図柄変動後の状態(図8(a))から新たに演出図柄Pの変動を開始する際に実行され、例えば数字部Paはそのままで装飾部Pbのキャラクタが身体を振り始める(図8(b))。そして、装飾部Pbのキャラクタのお辞儀が終わった時点で第1予告演出は終了し(図8(c)→(e))、左・右・中の3つの演出図柄Pは基本表示態様に戻って変動を開始する(図8(f))。
このように、異なるタイミングで実行される複数の図柄変化演出(ここではリーチ発生時変化演出(第1図柄変化演出)と第1予告演出(第2図柄変化演出)、大当たり成立時変化演出(第1図柄変化演出)と第2予告演出(第2図柄変化演出))で演出図柄Pの少なくとも一部の変化態様を共通化することにより、データ量を抑えつつ図柄変化演出による演出効果を発揮させることが可能である。
また、大当たり演出態様となる期待度の小さい第1予告演出とリーチ発生時変化演出とで変化態様を共通化し、大当たり演出態様となる期待度の大きい第2予告演出と大当たり成立時変化演出とで変化態様を共通化していることにより、遊技者は変動開始時予告演出における期待度の大小を容易に認識できるという利点もある。
続いて、以上のような図柄変動演出制御手段77でセットされたシナリオに基づく演出実行手段73による演出図柄Pの制御処理について説明する。
画像表示手段29への画像表示に関するシナリオは、左、右、中の各演出図柄P、背景画像、予告画像等の各画像毎に、図9(a),(b)に示すような情報(ここではキャラクタ情報)を有している。このキャラクタ情報は、画像表示手段29に表示する画像を指定するためのもので、図9(a),(b)に示すように例えば各2バイトの第1〜第3情報よりなる計6バイトのデータで構成されている。
本実施形態では、キャラクタ情報による画像の指定方法は、その画像に応じて2種類存在する。即ち、例えば背景画像のように予め定められた特定の画像を表示する場合(以下、非図柄制御という)には、キャラクタ情報の少なくとも一部、例えば上位4バイトに対応する第1,第2情報がそのままキャラクタ番号となるが、例えば演出図柄Pのように状況(抽選結果等)に応じて異なる画像を表示する場合(以下、図柄制御という)には、例えば第1〜第3情報に基づいて、後述する手順に従ってキャラクタ番号を指定するようになっている。
なお、各キャラクタ情報が非図柄制御/図柄制御の何れに対応するかについては、例えばキャラクタ情報の一部に設けたフラグにより判断するようにしてもよい。本実施形態では、第3情報の下位12ビット(図9(a),(b)では“PPP”で示す)が非図柄制御と図柄制御とを判定するフラグとなっており、そのフラグの値が0であれば非図柄制御、0でなければ図柄制御であると判定する。
以下、演出図柄Pの変動表示を例に、図柄制御時におけるキャラクタ番号の指定手順について説明する。図9(b)に示すように、図柄制御の場合のキャラクタ情報は、第1情報が図柄番号xを、第2情報がリール番号yを、第3情報が図柄パターンzを夫々示している。
図柄番号(第1数値情報)xは、例えば1〜8の何れかの値に設定され、夫々演出図柄P1〜P8(即ち数字部Paが「1」〜「8」の演出図柄)に対応している。リール番号yは、例えば1〜3の何れかの値に設定され、夫々左、中、右の演出図柄Pに対応している。図柄パターンzは、例えば0〜の何れかの値に設定され、演出図柄Pの変動状態(正面停止、正面揺れ等)に対応している。
図柄制御時にキャラクタ番号を指定する際には、図10に示す5種類の処理を実行可能であるが、それら5種類全ての処理を常に実行する必要はない。即ちそれら5種類の処理のうち、第3番目の図柄算出処理と第4番目の描画処理とが必須であり、第1番目の図柄差替え処理、第2番目の図柄In処理、第5番目の図柄Out処理については必要に応じて実行すればよい。図柄差替え処理、図柄In処理、図柄Out処理を夫々実行するか否かは例えば制御フラグにより設定可能である。
第3番目の図柄算出処理(特定数値情報算出処理)では、図10に示すように、第1情報より得られる図柄番号xにオフセット情報である変数(y)を加算することにより、実際に画面に表示する演出図柄Pの図柄番号である現表示図柄番号(y)(特定数値情報)を算出する。従って、例えば変数(y)が0であれば、現表示図柄番号(y)はシナリオの図柄番号xと同じ値になり、変数(y)が0以外の値であれば、現表示図柄番号(y)はシナリオの図柄番号xと異なる値になる。
そして第4番目の描画処理では、図11に示すようなキャラクタ番号テーブルと、第3情報より得られる図柄パターンzと、図柄算出処理で得られる現表示図柄番号(y)とに基づいてキャラクタ番号を選択し、そのキャラクタ番号に対応する画像を画像データ記憶手段75から取得して画像表示手段29に描画する。
このように、シナリオ上の図柄番号xに対するオフセット情報である変数(y)を用いることにより、特定の図柄番号を用いた所定のシナリオを用意すれば、そのシナリオに対して図柄番号をシフトした複数の演出を実行可能である。
図柄算出処理で用いる変数(y)は、その前の図柄In処理(オフセット情報更新処理)で更新する。即ち図柄In処理では、図10に示すように、第1情報より得られる図柄番号xと表示図柄番号(y)(第2数値情報)との差分を求め、この値で変数(y)を更新する。ここで表示図柄番号(y)は、画面に表示させたい演出図柄Pの図柄番号であって、図10に示すように第1番目の図柄差替え処理で設定する。例えば演出図柄P7を表示する場合には、表示図柄番号(y)を7に設定する。
この図柄差替え処理(第2数値情報設定処理)は、例えば図12における演出Aの開始時のように画面に表示させたい図柄を新たに設定する場合には必ず実行するが、例えば図12における演出Aから演出Bへの移行時のように、シナリオが切り替わっても画面に表示させたい図柄が変化しない場合(例えば表示図柄(y)=7のまま変化しない場合)には実行する必要はない。
また、例えばシナリオ上の図柄番号xが1→2→3→4と変化し、それに対応して画面上の演出図柄を「4」→「5」→「6」→「7」のように変化させるような場合、即ちシナリオ上の図柄番号xが変化してもオフセット情報である変数(y)が変化しない場合には、図柄In処理を一度実行すれば、変数(y)を変更する必要が生じるまで図柄In処理を実行する必要はない。
また、図柄差替え処理の実行後には図柄In処理を必ず実行する必要があるが、例えば次のような場合には、図柄差替え処理を実行することなく図柄In処理を実行可能である。即ち図12に示すように、図柄番号x=7に設定された演出Aのシナリオから図柄番号x=1に設定された演出Bのシナリオに移行する場合であって、演出Aから演出Bにかけて画面上の演出図柄を例えば「7」のまま変化させたくない場合(表示図柄番号(y)を7のまま変化させたくない場合)、演出A中は変数(y)=0のまま維持し、演出Aから演出Bに移行するときに、図柄In処理を実行して変数(y)を6に更新すればよい。このように、シナリオ上の図柄番号xに対するオフセット情報である変数(y)を導入し、必要に応じて図柄In処理によりこの変数(y)を更新することにより、任意の図柄番号xで作成されたシナリオを自由に組み合わせて使用することが可能である。
また、例えば図13に示すように図柄番号xの値が1→2→3→4→…と順次変化するシナリオCの場合、そのシナリオCの開始時に図柄差替え処理を実行して表示図柄番号(y)=1に設定すると共に図柄In処理を実行して変数(y)=0とした後、図柄算出処理と描画処理とを繰り返し実行すると、現表示図柄番号(y)の値は図柄番号xの変化に対応して1→2→3→4→…のように変化する。このように、図柄差替え処理を実行することなく図柄算出処理と描画処理とを実行する場合には、実際に画面に表示される図柄の図柄番号である現表示図柄番号(y)と、内部的な値である表示図柄番号(y)とが一致しなくなる場合がある。このように現表示図柄番号(y)と表示図柄番号(y)とが一致しなくても、このシナリオのみを実行する場合には特に問題は生じないが、例えばこのシナリオの途中で他のシナリオに分岐するような場合には、そのままでは表示上の不都合が生じる可能性がある。
即ち、図13に示すようにシナリオCの途中、例えばx=2或いはx=3のときにシナリオDに分岐する場合、そのシナリオDの図柄番号xの値が例えば7であれば、シナリオDへの移行時に実行される図柄In処理では、表示図柄番号(y)=1を引き継いで変数(y)=−6となり、図柄算出処理で現表示図柄番号(y)=1となる。従って、シナリオCからシナリオDに移行する段階で、画面に表示される図柄は「2」又は「3」から「1」に変化し、演出の連続性を担保することができない。
そこで本実施形態では、このような不都合を解消するべく、例えば描画処理の後に、表示図柄番号(y)を現表示図柄番号(y)で上書きする図柄Out処理(第2数値情報更新処理)を実行可能となっている(図10)。この図柄Out処理により、実際に画面に表示される演出図柄Pの図柄番号である現表示図柄番号(y)と、内部的な値である表示図柄番号(y)とを一致させることができ、図13に示すような不都合を解消しうる。
即ち図14に示すように、シナリオCにおいて例えば図柄番号xが変化する毎に図柄Out処理を実行すれば、現表示図柄番号(y)と表示図柄番号(y)とが常に一致する。従って、例えばシナリオCにおける図柄番号x=2のときにシナリオDに分岐する場合、そのシナリオDの図柄番号xの値が例えば7であれば、シナリオDへの移行時に実行される図柄In処理では、表示図柄番号(y)=2を引き継いで変数(y)=−5となり、図柄算出処理で現表示図柄番号(y)=2となる。従って、シナリオCからシナリオDに移行する段階で、画面に表示される図柄は「2」のまま変化しない。同様に、例えばシナリオCにおける図柄番号x=3のときにシナリオDに分岐する場合、シナリオDへの移行時に実行される図柄In処理では、表示図柄番号(y)=3を引き継いで変数(y)=−4となり、図柄算出処理で現表示図柄番号(y)=3となる。従って、シナリオCからシナリオDに移行する段階で、画面に表示される図柄は「3」のまま変化しない。
このように、図柄Out処理を実行することにより、例えば図柄変動中(図14のシナリオC)の複数のタイミングで共通の演出(図14のシナリオD)に分岐するような場合に、その複数のタイミング毎に専用のシナリオを用意する必要がなく、シナリオを共通化できるという利点がある。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、演出図柄Pの変動における所定のタイミングで、停止又は仮停止している演出図柄Pの少なくとも一部分をアニメーションにより変化させる図柄変化演出を実行可能であり、第1のタイミングで実行される第1図柄変化演出と、第2のタイミングで実行される第2図柄変化演出とで、共通のアニメーションにより前記図柄Pの少なくとも一部分を変化させているため、データ量を抑えつつ図柄変化演出による演出効果を十分に発揮することが可能である。
また、変化態様が異なる複数種類の図柄変化演出の何れかを実行することにより演出図柄Pが大当たり演出態様(特定態様)となるか否かを予告する変動開始時予告演出(特定予告演出)を実行可能であり、その変動開始時予告演出において複数種類の図柄変化演出のうちの第1予告演出が出現した場合よりも第2予告演出が出現した場合の方が大当たり演出態様となる可能性が高く、第2予告演出(第2図柄変化演出)と、演出図柄Pが大当たり演出態様となる場合に実行される大当たり成立時変化演出(第1図柄変化演出)とで演出図柄Pにおける少なくとも特定部分の変化態様を共通とし、また第1予告演出(第2図柄変化演出)と、演出図柄Pがリーチとなる場合に実行するリーチ発生時変化演出(第1図柄変化演出)とで演出図柄Pにおける少なくとも特定部分の変化態様を共通としている。また、演出図柄Pを数字部Paとこれに付随する装飾部Pbとで構成し、装飾部Pbを特定部分としている。
また、数字部Paを構成する画像と装飾部Pbを構成する画像とを重畳することにより演出図柄Pを表示可能とし、第1図柄変化演出と第2図柄変化演出とで、共通のアニメーションにより少なくとも装飾部Pbを変化させている。
また、図柄変化演出において装飾部Pbよりも数字部Paの変化期間を先に終了させることにより、図柄変化演出における変化期間を数字部Paと装飾部Pbとで異ならせているため、演出図柄Pの数字部Paと装飾部Pbの本来の役割を図柄変化演出において十分に発揮させることが可能である。
また、数字部Paを構成する画像と装飾部Pbを構成する画像とを重畳することにより演出図柄Pを表示可能とし、図柄変化演出において数字部Paと装飾部Pbとを個別のアニメーションにより変化させている。
また、画像データを指定するシナリオ情報に基づいて画像を表示可能であり、現表示図柄番号(特定数値情報)に対応する画像データによる描画処理を実行可能であり、シナリオ情報は図柄番号(第1数値情報)を含み、描画処理の前に、図柄番号と変数(オフセット情報)とに基づいて現表示図柄番号を算出する図柄算出処理(特定数値情報算出処理)を実行可能であるため、特定の図柄番号を用いた所定のシナリオ情報を用意すれば、そのシナリオ情報に対して図柄番号をシフトした複数の演出を実行可能であり、シナリオ情報のデータ量を抑えつつ従来と同様の図柄制御を行うことが可能である。
また、図柄算出処理の前に、変数(オフセット情報)を更新する図柄In処理(オフセット情報更新処理)を実行可能となっている。この図柄In処理では、図柄番号と表示図柄番号(第2数値情報)との差分により変数(オフセット情報)を更新するようになっている。また、図柄In処理の前に、表示図柄番号を設定する図柄差替え処理(第2数値情報設定処理)を実行可能となっている。更に、表示図柄番号を、図柄算出処理で算出された現表示図柄番号で上書きする図柄Out処理(第2数値情報更新処理)を実行可能となっている。
図15及び図16は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、数字部Paと装飾部Pbとを備えた第1図柄画像81と、第1図柄画像81よりも高い優先順位に設定され且つ数字部Paを構成する第2図柄画像82とを異なるレイヤ上に構成すると共にそれらを重畳することにより演出図柄Pを表示可能とした例を示している。
図15に示すように、第1図柄画像81側の数字部Paと、第2図柄画像82側の数字部Paとは互いに対応しており、後者が前者の前側に重なるように表示される。また、例えば第2図柄画像82には、数字部Paに対応するエフェクト画像Pcが設けられている。このエフェクト画像Pcは、第1図柄画像81側の数字部Paを略覆う大きさに形成されており、第1図柄画像81側の数字部Paの前側で且つ第2図柄画像82側の数字部Paの後側に表示される。第2図柄画像82を第1図柄画像81に重畳することにより、図16に示すように、第1図柄画像81側の数字部Paを第2図柄画像82側の数字部Paに差し替えた状態の演出図柄Pを表示することが可能である。
本実施形態では、リーチ発生時変化演出と第1図柄変化演出(図6参照)のように装飾部Pbの変化態様は共通で数字部Paの変化態様が異なる図柄変化演出については、一方の図柄変化演出(例えば数字部Paが変化しない第1図柄変化演出)では第1,第2図柄画像81,82のうちの第1図柄画像81のみを用いて演出図柄Pを表示し、他方(例えば数字部Paが変化するリーチ発生時変化演出)では第1図柄画像81に第2図柄画像82を重畳することにより演出図柄Pを表示するようになっている。これにより、両図柄変化演出で第1図柄画像81を共通化でき、データ量を抑制できる。
なお、第1図柄画像81側の数字部Paが第2図柄画像82側の数字部Paの後側に完全に隠れてしまう場合にはエフェクト画像Pcを表示しなくてもよい。また、第2図柄画像82側の数字部Paとエフェクト画像Pcとを、数字部Paの方がエフェクト画像Pcよりも高い優先順位となるように異なるレイヤ上に構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば図柄変化演出において、数字部変化期間と装飾部変化期間の各開始時期が異なっていてもよい。即ち、例えば数字部変化期間が装飾部変化期間よりも先に開始してもよいし、後に開始してもよい。前者の場合、数字部変化期間と装飾部変化期間とが同じ長さであってもよい。
実施形態では数字部変化期間が装飾部変化期間よりも先に終了する例を示したが、数字部変化期間と装飾部変化期間が略同時に終了する場合があってもよく、また数字部変化期間よりも装飾部変化期間が先に終了する場合があってもよい。
実施形態では、リーチ発生時変化演出と第1図柄変化演出、大当たり成立時変化演出と第2図柄変化演出で夫々装飾部Pbの変化態様を共通としたが、演出図柄P全体、即ち数字部Paと装飾部Pbとを共に共通としてもよい。複数の図柄変化演出で数字部Paと装飾部Pbとのうちの数字部Paのみを共通としてもよい。また、図柄変化演出Xと図柄変化演出Yとで演出図柄Pの一部(例えば装飾部Pb)を共通にし、図柄変化演出Xと図柄変化演出Zとで演出図柄Pの他の一部(例えば数字部Pa)を共通にしてもよい。
複数の通常図型変化演出、例えば変動開始時変化演出と図柄停止時変化演出とで演出図柄Pの少なくとも一部の変化態様を共通にしてもよい。
実施形態では、非図柄制御の場合と図柄制御の場合とに分けて、シナリオのキャラクタ情報に基づいてキャラクタ番号を取得する処理について説明したが、図柄制御の場合の処理は図柄変動以外にもバリエーションの多い演出、例えば台詞予告や保留表示等にも適用可能である。
また、実施形態では基本的な演出図柄の種類として「1」〜「8」の演出図柄を説明したが、それ以外に特殊図柄を使用するようにしてもよい。この特殊図柄は、前述の「1」〜「8」のように図柄変動時に常に使用されるものとは異なり、特定の変動(擬似連変動など)や特定の予告(先読み予告など)を実行するときにのみ使用されるものである。このような特殊図柄のキャラクタや数字を変化させるようにしてもよい。
また、特殊図柄としては、数字部がなくキャラクタのみで形成されるものを用いても良い。例えば、擬似連の発生を示唆するための特殊図柄として「擬似連」等の文字がデザイン化されたものを使用してもよいし、操作手段の操作の発生を示唆するための特殊図柄として、操作手段を模した「ボタン画像」がデザイン化されたものを使用してもよい。また、特定のリーチに発展することを示唆する特殊図柄として、「リーチ発展」等の文字がデザイン化されたものを使用するようにしてもよい。そして、これらの特殊図柄に関して、装飾部(各デザイン部)を変化させる装飾部変化期間を設けるようにしてもよい。
リーチ発生時変化演出中等において、数字部変化期間や装飾部変化期間を複数期間設けるようにしてもよい。すなわち、第1数字部変化期間にて数字部を変化させた後、所定時間経過後に、第2数字部変化期間を設けることで、再度数字部を変化させるようにしてもよい。装飾部変化期間においても同様の構成としてもよい。また、数字部変化期間と装飾部変化期間のいずれか一方または両方に関して、複数の変化期間を設けるようにしてもよい。
通常図柄変化演出として、図6に各演出図柄の変化態様を示したが、変化態様はこれらに限定されず、例えば各演出図柄毎に変動開始時や図柄停止時など各タイミングでの変化態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、奇数図柄(1,3,5,7)と偶数図柄(2,4,6,8)とで、変化態様を異ならせるようにしてもよい。また、演出図柄毎に共通したキャラクタを用いる場合には、共通するキャラクタ間では変化態様を同態様として、それ以外のキャラクタ間では変化態様を別態様とするようにしてもよい。また、変動開始時予告演出においても同様の構成とするようにしてもよい。
各演出図柄毎や各リール毎に数字部変化期間や装飾部変化期間の実行期間の長さを異ならせるようにしてもよい。例えば、奇数図柄(1,3,5,7)と偶数図柄(2,4,6,8)とで、実行期間の長さを異ならせるようにしてもよい。また、各演出図柄毎に実行期間の長さを異ならせるようにしてもよいし、特定の演出図柄間で実行期間の長さを異ならせるようにしてもよい。
変動中の図柄遊技の当選期待度に応じて、通常図柄変化演出や変動開始時予告演出の内容を変化させてもよい。例えば、変動中の図柄遊技が外れリーチ変動の場合には、リーチ発生時のキャラクタの変化態様としては身体を振った後お辞儀をする変化態様が実行されるが、変動中の図柄遊技が当たりリーチ変動であった場合には、リーチ発生時のキャラクタの変化態様を外れ時の変化態様と異ならせるようにしてもよい。更には、当たり時の方が遊技者に対してインパクトがある変化態様であることが望ましく、キャラクタが著しく変化するような態様としてもよい。
通常図柄変化演出として、大当り成立時の変化態様を示したが、例えば当たり変動のリーチ演出後に図柄が「777」で表示された際に実行される変化態様であってもよいし、当たり変動のリーチ演出後に図柄が「222」で表示された後、図柄が再変動して「777」に変化した際に実行される変化態様であってもよい。
通常図柄変化演出と変動開始時予告演出の間でキャラクタの変化態様を共通としたが、これに限らず、通常図柄変化演出の各変化時(例えば変動開始と変動停止等)でキャラクタや数字部の変化態様を共通とするようにしてもよい。
演出図柄のキャラクタ(装飾部)や数字部の変化に関しては、直接的にキャラクタ画像や数字画像を変化させるものであってもよいし、キャラクタ画像や数字画像に重ねるように所定のエフェクト画像を表示することで変化させるものであってもよい。
各リールの演出図柄毎に異なる変化態様でキャラクタや数字を変化させるようにしてもよい。また演出図柄の装飾部に対して前側に重畳する関係で数字部を表示するようにしたが、逆の表示関係としてもよい。
左右図柄が仮停止したリーチ形成時には、真ん中の図柄が画面の上から下に向かって順に送られるように表示されることになるが(例:図7(f))、この際に「1」から順に送られる図柄のキャラクタや数字を変化させるようにしてもよい。実施形態を基に説明すると、まず真ん中の図柄「1」が画面の真ん中辺りの所定位置に達した際に変化態様で表示され、次に送られてくる「2」が所定位置に達した際に変化態様で表示されるといった流れである。また、リーチ発生時変化演出を、真ん中の図柄が画面の上から下に向かって順に送られるように表示される期間(例:図7(f))中も実行するようにしてもよい。
リーチ発生時変化演出として、数字部変化期間よりも装飾部変化期間を長くするようにしたが、この際の変化態様としては以下の様な態様が考えられる。例えば、数字部変化期間と装飾部変化期間が重なる第1期間においては、装飾部は所定の変化態様で表示されているが、その後の数字部変化期間と装飾部変化期間が重ならない第2期間(数字部変化期間の終了後)については、装飾部は同様の変化態様を繰り返す構成としてもよい。このように、第1期間と第2期間とで装飾部の変化態様を異ならせるようにしてもよい。また、数字部変化期間を装飾部変化期間よりも長く設定した場合においても、同様の構成としてもよい。
また、リーチ発生時にはリーチ発生時の通常図柄変化演出が実行されるため、第2期間はリーチ発生時のタイミングとともに終了することとなる。この際、変動の内容によって第2期間の長さを異ならせるようにしてもよい。すなわち、現在の変動が当たり変動の場合よりもハズレ変動の方が第2期間を長くしてもよいし、逆に短くしてもよい。また、リーチ形成時に、左リールの図柄と右リールの図柄が左→右の順で停止してリーチ状態を形成した場合よりも、左リールと右リールの図柄が同時に停止してリーチ状態を形成した場合の方が第2期間を長くしてもよいし、逆に短くしてもよい。このように、所定の条件により第2期間の長さを異ならせるようにしてもよい。
通常図柄変化演出や変動開始時予告演出により図柄を変化させる場合には、各リール(左・中・右)を順番に変化させるようにしてもよいし、同時に変化させるようにしてもよい。
図15,図16の変更形態として、装飾部にエフェクト画像Pcを加えた画像を重畳して表示させるようにしてもよい。
通常遊技状態(非確変/電サポ無状態)と特定遊技状態(非確変/電サポあり、確変/電サポ有、確変/電サポ有)とで、演出図柄の構成を変更するようにしてもよい。例えば、通常遊技状態ではキャラクタと数字部で形成された演出図柄を使用し、特定遊技状態では数字部のみで形成された演出図柄を使用するようにしてもよい。また、特図1(ヘソ)と特図2(電チュー)とで、構成の異なる演出図柄を使用するようにしてもよい。
特定遊技状態(非確変/電サポあり、確変/電サポ有、確変/電サポ有)で使用する演出図柄が数字部のみで構成されている場合の形態としては、以下の様なものが考えられる。例えば、キャラクタ部と数字部を別個に設けるのではなく、数字部を形成する一部をキャラクタ部として扱うことで、数字部の一部(キャラクタ部に相当)を変化させたり、数字部自体を変化させたりして、見た目上は数字部のみで形成された演出図柄であっても、種々の変化態様により表示を行うことが可能となる。
通常遊技状態(非確変/電サポ無状態)と特定遊技状態(非確変/電サポあり、確変/電サポ有、確変/電サポ有)とで、キャラクタや数字部の種類を変更するようにしてもよい。このように種類を変更した場合には、通常遊技状態と特定遊技状態とで、通常図柄変化演出や変動開始時予告演出の変化態様を共通としてもよいし、異なる変化態様としてもよい。また、特図1(ヘソ)と特図2(電チュー)とで、キャラクタや数字部の種類を変更するようにしてもよい。
通常遊技状態(非確変/電サポ無状態)と特定遊技状態(非確変/電サポあり、確変/電サポ有、確変/電サポ有)とで、通常図柄変化演出や変動開始時予告演出の変化態様の変化期間を異ならせるようにしてもよい。例えば、通常遊技状態の方が特定遊技状態よりも変化期間が長くしてもよいし、短くしてもよい。また、特図1(ヘソ)と特図2(電チュー)とで、通常図柄変化演出や変動開始時予告演出の変化態様の変化期間を異ならせるようにしてもよい。
演出図柄のキャラクタや数字部の態様を遊技者が任意に変更できるようにしてもよい。例えば、非遊技状態中に操作可能なメニュー画面において、予め定められた演出図柄の種類(「1」〜「8」を1セットとした演出図柄A、演出図柄B又は演出図柄C)を遊技者が自由に選択できるようにしてもよい。また、演出図柄自体を直接的に選択するものに限らず、複数の遊技モード(例えば先読みが一切発生しない先読みなしモード、プレミア予告の発生確率がUPするプレミアUPモード、普段よりも種々の予告の発生確率がUPする多予告モード)を選択できる場合に、選択したモードによって異なる演出図柄を使用するようにしてもよい。このように遊技者が選択した内容によって演出図柄が異なる場合においても、キャラクタや数字部の種類を変更するようにしてもよいし、通常図柄変化演出や変動開始時予告演出の変化態様の変化期間を異ならせるようにしてもよい。
擬似連の回数に応じて、演出図柄のキャラクタや数字部を変化させるようにしてもよい。例えば、擬似連1回目に仮停止した演出図柄に対して青色のエフェクト画像を付加し、擬似連2回目に仮停止した場合には緑色のエフェクト画像を付加し、擬似連3回目に仮停止した演出図柄に対して赤色のエフェクト画像を付加するようにしてもよい。そして、各仮停止時において、図柄仮停止時の変化態様が実行する場合には、仮停止の回数によって、変化態様も変化させるようにしてもよい。
図7(a)では図柄がリーチ態様で表示されているが、図柄がリーチ態様を形成するパターンとしては種々のものが考えられる。例えば、最初に左リールの図柄が停止し、次に右リールの図柄が停止することでリーチ態様となる場合や、左リールの図柄と右リールの図柄が同時に停止することでリーチ態様となる場合である。ここで、前者の場合には最初に左リールの図柄が停止した際に、図柄仮停止時の通常図柄変化演出が実行され、次に右リールの図柄が停止した際に、図柄仮停止時の通常図柄変化演出が実行され、その後、リーチ発生時の通常図柄変化演出が実行される流れとなっている。後者の場合には、左リールの図柄と右リールの図柄が同時に停止するので、左右の図柄で同時に図柄仮停止時の通常図柄変化演出が実行され、その後、リーチ発生時の通常図柄変化演出が実行される流れとなっている。
ここで、左リールの図柄と右リールの図柄が同時に停止する場合には、図柄仮停止時の通常図柄変化演出を実行せずに、リーチ発生時の通常図柄変化演出のみを実行するようにしてもよい。また同様に、左リールと右リールと中リールの図柄が同時に当たり態様「777」で停止する場合には、図柄停止時の通常図柄変化演出を実行せずに、大当り成立時の通常図柄変化演出のみを実行するようにしてもよい。また同様に、各リールの図柄が同時に変動開始したり、図柄停止したりすることも考えられるが、このような場合には各図柄で同時に通常図柄変化演出を実行するようにしてもよい。
通常図柄変化演出や変動開始時予告演出は、変化アニメ―ションだけでなくLEDや音(例:キャラクタに対応したセリフなど)によって実行するようにしてもよい。また、リーチ発生時や大当り成立時や大当りとなる期待度の高い変動開始時予告演出時にのみ、LEDや音(例:キャラクタに対応したセリフなど)を付随させるようにしてもよい。また逆に、変動開始時や図柄停止時、図柄仮停止時のみLEDや音(例:キャラクタに対応したセリフなど)を付随させるようにしてもよい。
図柄変化演出を用いる予告演出の実行タイミングは変動開始時に限られない。例えば変動中の所定のタイミングとして、リーチ前変動中やリーチ中、発展リーチ中など種々のタイミングで実行されるようにしてもよい。そのため、前述した全ての変動開始時予告演出の記載については、変動開始時に特に限定されることはない。
シナリオの図柄番号xが変化する毎に図柄OUT処理を実行することで、現表示図柄番号(y)と表示図柄番号(y)とが常に一致するようにしたが、シナリオが移行する1つ前の図柄番号xの変化時にのみOUT処理を行うようにしてもよい。
図9、図10に記載した図柄の制御処理を図柄以外に所定の予告(メッセージ予告や保留表示予告など)の制御処理として汎用するようにしてもよい。
またアニメーションとは、静止画を連続して再生させるような再生方法に限らず、より最適には、所定の動画像を再生することで一連の画像表現を実行するものである。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。