JP6956917B2 - 配線異常検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、配線の断線又は短絡の位置を検出する配線異常検出装置に関する。
車載ネットワークCAN(Controller Area Network)に代表されるような通信ネットワークでは、例えば、ECU(Electronic Control Unit)などの複数の電子機器が同一線路上に接続されたバス配線が用いられている。このようなバス配線において、規定以上の電気的若しくは物理的な負荷がかかったり、又は、経年劣化を起こしたりすると、配線の一部が断線又は短絡するなどの配線異常を起こし、通信エラーが生じるという問題がある。
特許文献1には、TDR(Time Domain Reflectometry)方式を用いて測定対象回路の終端器のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置について開示されている。当該インピーダンス測定装置は、TDR方式により、測定対象回路において伝搬する信号の伝搬遅延時間よりもパルス幅が長いパルス信号を測定対象回路に印加し、当該パルス信号の反射信号をパルス信号の出力端で観測する。当該インピーダンス測定装置は、観測した反射信号に基づいて、測定対象回路におけるインピーダンスの変化をインピーダンスの変化が生じている位置とともに検出する。測定対象回路の終端器でインピーダンスが変化することと同様に、配線における断線が生じた位置においてもインピーダンスの変化が生じるため、当該方式は、測定対象回路の断線位置を検出するためにも用いられることがある。なお、本明細書において、上述の「測定対象回路において伝搬する信号の伝搬遅延時間よりもパルス幅が長いパルス信号」を「ステップ信号」と呼称する。また、「伝搬遅延時間」とは、信号が配線を通過するのに要する時間を意味する。
特開2006−071462号公報
例えば、バス配線に接続されたECUには、外来のノイズを除去するために信号の入力端子とグランドに接続する端子との間にコンデンサが実装されている場合がある。このようなコンデンサの容量値は、メーカによって異なるが、もし、コンデンサの容量値が0.01μF〜0.1μFのオーダーの大きさである場合、上述のTDR方式を用いて反射波の波形からバス配線の断線位置又は短絡位置を検出しようとしても、コンデンサの充電時間が長いため、断線位置又は短絡位置の検出精度が低下してしまうという問題がある。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、バス配線に接続されている電子機器のノイズ除去用のコンデンサによって、バス配線における配線異常の位置の検出精度が低下することを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
この発明に係る配線異常検出装置は、コンデンサが実装された電子機器に分岐配線を介して接続した伝送路に、第1のステップ信号を出力する第1のステップ信号出力部と、伝送路からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測することにより第1の観測データを取得する反射波観測部と、反射波観測部が取得した第1の観測データに基づいて、伝送路の断線又は短絡の位置を算出する位置算出部と、伝送路に、第2のステップ信号を出力する第2のステップ信号出力部とを備え、第1のステップ信号出力部が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間は、分岐配線の伝搬遅延時間以下であり、第2のステップ信号出力部が出力する第2のステップ信号の立ち上がり時間は、分岐配線の伝搬遅延時間の2倍以上であり、反射波観測部は、伝送路からの、第2のステップ信号の反射波の波形をさらに観測することにより第2の観測データを取得し、位置算出部は、第1の観測データと、第2の観測データとに基づいて、伝送路の断線又は短絡の位置を算出するものである。
バス配線に接続されている電子機器のノイズ除去用のコンデンサによって、バス配線における配線異常の位置の検出精度が低下することを抑制することができる。
実施の形態1に係る配線異常検出装置を含む配線異常検出システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る配線異常検出装置による配線異常検出方法を示すフローチャートである。 図3A及び図3Bは、それぞれ、配線異常検出装置による配線異常検出方法の具体例を説明するためのグラフである。 実施の形態2に係る配線異常検出装置20を含む配線異常検出システム101の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る配線異常検出装置が備えているステップ信号出力部の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る配線異常検出装置による配線異常検出方法を示すフローチャートである。 図7A、図7B及び図7Cは、それぞれ、配線異常検出装置20による配線異常検出方法の具体例を説明するためのグラフである。 図8A及び図8Bは、それぞれ、TDR方式の測定装置が観測した反射波の波形を示すグラフである。
以下、この発明をより詳細に説明するため、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
上述したような、コンデンサが実装されているECUの例として、以下のURLに記載されているCANトランシーバを評価する評価用ボードが挙げられる。
(URL:https://www.analog.com/media/jp/technical-documentation/user-guides/UG-234_jp.pdf
上記のようなECUが接続されたバス配線における断線又は短絡を、例えば、TDR方式を用いて、立ち上がり時間3.0nsのステップ信号を当該バス配線に印加することにより検出することを想定する(ステップ信号の出力電圧は2V)。ECUに実装されているコンデンサの容量値が100pFである場合、ステップ信号の反射波の波形に基づいて、断線位置を特定することができる。しかし、ECUに実装されているコンデンサの容量値が0.1μFである場合、断線の検出位置の精度が低下する場合がある。これの理由を、図8を参照して以下で説明する。
図8Aは、ECUに実装されているコンデンサの容量値が100pFである場合にTDR方式の測定装置が観測した反射波の波形を示すグラフである。図8Bは、ECUに実装されているコンデンサの容量値が0.1μFである場合にTDR方式の測定装置が観測した反射波の波形を示すグラフである。図8A及び図8Bにおいて、縦軸は、TDR方式の測定装置が観測した反射波の電圧[V]を示し、横軸は時間[ns]であり、実線が測定対象のバス配線に断線が存在する場合のグラフを示し、点線が測定対象のバス配線に断線が存在しない場合のグラフを示している。図8A及び図8Bにおける各グラフにおいて、横軸の時間は、TDR方式の測定装置からの距離と対応しており、波形の乱れを検出することにより、バス配線における断線位置又は短絡位置を検出することができる。
例えば、図8Aの実線のグラフにおける点Aでは、電圧が急上昇しており、パルス信号が点Aに対応するバス配線の位置において反射されたことを示しており、当該点Aに対応するバス配線の位置が断線位置であると想定される。このように、ECUに実装されているコンデンサの容量値が100pFである場合、反射波の波形に基づいて、バス配線の断線位置又は短絡位置を特定することができる。なお、これは、時間100nsにおいて100pFのコンデンサがパルス信号を充電することにより電圧が一時的に降下しているが、すぐ反射波が生じるため、点Aにおける電圧に影響を与えないためである。一方、ECUに実装されているコンデンサの容量値が0.1μFである場合、図8Bの点Bでは、実線のグラフ及び点線のグラフともに、電圧が急降下している。これは、0.1μFのコンデンサがパルス信号を充電することによって、当該コンデンサからの反射波が測定装置に戻ってくる時間が遅延してしまうためである。そのため、図8Bにおいて、点B以降の電圧が点B以前の電圧よりも低くなってしまい、図8Aの実線が示すような、反射波の波形の乱れを検出できない。実施の形態1では、以上のような問題を解決することを目的とする。
図1は、実施の形態1に係る配線異常検出装置1を含む配線異常検出システム100の構成を示すブロック図である。図1が示すように、配線異常検出システム100は、配線異常検出装置1、伝送路2、ECU3、ECU4、ECU5、及びECU6を含む。伝送路2は、主線路と分岐配線とから構成され、主線路が、分岐配線を介してECU3、ECU4、ECU5及びECU6を接続している。伝送路2におけるECU5とECU6とを接続する配線には、断線箇所Xが存在している。ECU5は、伝送路2における分岐配線長Lの分岐配線Yに接続しており、図示しないノイズ除去用のコンデンサを実装している。
配線異常検出装置1は、伝送路2の終端側に接続されているECU3近傍の伝送路2に接続されており、TDR方式を用いて伝送路2の断線箇所Xの位置を検出する。配線異常検出装置1による信号の伝送方式の例として、1本の信号線とグランドを用いたシングルエンド伝送、又は2本の信号線を用いた差動伝送が挙げられる。
配線異常検出装置1のより詳細な構成として、配線異常検出装置1は、第1のステップ信号出力部11、反射波観測部12、記憶部13、及び制御部14を備えている。制御部14は、クロック生成部141、及び位置算出部142を備えている。
第1のステップ信号出力部11は、伝送路2に、第1のステップ信号を出力する。第1のステップ信号出力部11の詳細については後述する。
反射波観測部12は、伝送路2からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測することにより、第1の観測データを取得する。反射波観測部12の例として、アナログ−デジタル変換回路等が挙げられる。第1の観測データの例として、観測された第1のステップ信号の反射波の電圧と当該電圧が観測された時刻とが対応付けられたデータ等が挙げられる。
記憶部13は、反射波観測部12が取得した第1の観測データを記憶する。
制御部14のクロック生成部141は、第1のステップ信号出力部11が第1のステップ信号を出力するタイミングと、反射波観測部12が反射波の波形を観測するタイミングとを同期させるクロック信号を生成する。上述の第1のステップ信号出力部11は、当該クロック信号に基づいて、第1のステップ信号を出力し、上述の反射波観測部12は、当該クロック信号に基づいて、伝送路2からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測する。
制御部14の位置算出部142は、反射波観測部12が観測した反射波の波形に基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。より詳細には、位置算出部142は、記憶部13が記憶している参照データと、反射波観測部12が観測した反射波の波形とに基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。
以下で、第1のステップ信号出力部11のより詳細な構成について説明する。第1のステップ信号出力部11が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間は、伝送路2の分岐配線Yの伝搬遅延時間以下である。当該伝搬遅延時間は、伝送路2の分岐配線長Lと、伝送路2の分岐配線Yの単位長さ当たりの伝搬遅延時間との積により求められる。なお、第1のステップ信号の立ち上がり時間とは、第1のステップ信号の電圧が0の値である時刻から振幅の値になる時刻までの時間である。
伝送路2の分岐配線長Lは、例えば、伝送路2、ECU3、ECU4、ECU5、及びECU6を含む通信ネットワークが車載ネットワークCANである場合、物理層の規格を参照するか、又は、カーメーカーから直接情報を得ることが考えられる。一方、伝送路2の単位長さ当たりの伝搬遅延時間τは、伝送路2の比誘電率εがわかれば、以下の式(1)を用いて算出することができる。

Figure 0006956917
上記の式(1)において、Cは、真空中の光速(=3.0×10[m/s])を示す。伝送路2の誘電率は、ケーブルメーカが開示する情報から入手することが考えられる。伝送路2の通信ネットワークがCANである場合、規格で伝搬遅延時間が5.0ns/mと定められているため、その情報を用いてもよい。
第1のステップ信号出力部11が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間の一例として、第1のステップ信号が出力される伝送路2がCANケーブルである場合の例を以下で説明する。例えば、当該CANケーブルの比誘電率εが1.8であり、当該CANケーブルの分岐配線長の長さが5cmである場合、上記の式(1)より、当該CANケーブルの単位長さ当たりの伝搬遅延時間τは、約4.47ns/mと算出される。次に、当該CANケーブルの単位長さ当たりの伝搬遅延時間τと当該CANケーブルの分岐配線長の長さとの積により、当該CANケーブルの分岐配線の伝搬遅延時間は、約223psと算出される。よって、第1のステップ信号出力部11が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間は、約223ps以下である。
以上のような、立ち上がり時間のステップ信号を出力する構成の例として、以下のURLに記載されているFPGA(field-programmable gate array)が挙げられる。
(URL:https://japan.xilinx.com/support/documentation/data_sheets/j_ds181_Artix_7_Data_Sheet.pdf
上記のURLに記載されているXilinx社のArtix(登録商標)-7のFPGAは、50psの立ち上がり時間を有するステップ信号を出力することができるため、このような信号源を用いてもよい。その場合、上述の第1のステップ信号出力部11の機能と、上述の制御部14のクロック生成部141の機能及び位置算出部142の機能とを兼ね備えた構成として、FPGAを採用してもよい。
次に、実施の形態1に係る配線異常検出装置1の動作について図面を参照して説明する。図2は、実施の形態1に係る配線異常検出装置1による配線異常検出方法を示すフローチャートである。なお、配線異常検出装置1は、通信ネットワークが停止中である場合に当該配線異常検出方法を実行する。
図2が示すように、第1のステップ信号出力部11は、伝送路2に、第1のステップ信号を出力する(ステップST1)。上述のように、当該第1のステップ信号の立ち上がり時間は、伝送路2の分岐配線Yの伝搬遅延時間以下である。
次に、反射波観測部12は、伝送路2からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測することにより、第1の観測データを取得する(ステップST2)。反射波観測部12は、取得した第1の観測データを記憶部13に記憶する。なお、上記のステップST1及びステップST2では、制御部14のクロック生成部141が生成したクロック信号によって、第1のステップ信号出力部11が第1のステップ信号を出力するタイミングと、反射波観測部12が反射波の波形を観測するタイミングとが同期している。つまり、第1のステップ信号出力部11が第1のステップ信号の出力を開始するのと同時に、反射波観測部12が反射波の波形の観測を開始する。
次に、位置算出部142は、記憶部13に参照データが記憶されているか否かを判定する(ステップST3)。参照データの例として、伝送路2に断線又は短絡が生じていないときに反射波観測部12が取得した観測データ等が挙げられる。位置算出部142は、反射波観測部12が記憶部13に参照データが記憶されていると判定した場合(ステップST3のYES)、後述するステップST4の処理に進む。位置算出部142は、記憶部13に参照データが記憶されていないと判定した場合(ステップST3のNO)、取得した第1の観測データを参照データの候補として記憶部13に記憶する(ステップST5)。ステップST5の次に、配線異常検出装置1は、上述のステップST1の処理に戻る。
ステップST4において、位置算出部142は、ステップST2で反射波観測部12が取得した第1の観測データの電圧から、記憶部13が記憶している参照データの電圧を引いた差分を時刻毎に算出する。
次に、位置算出部142は、ステップST4で算出した差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻が存在するか否かを判定する(ステップST6)。当該閾値は、伝送路2において断線が生じた場合に観測される差分以下の値であり得る。又は、当該閾値は、伝送路2において短絡が生じた場合に観測される差分以上の値であり得る。当該閾値は、位置算出部142は、ステップST4で算出した差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻が存在すると判定した場合(ステップST6のYES)、後述するステップST7の処理に進む。位置算出部142は、ステップST4で算出した差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻が存在しないと判定した場合(ステップST6のNO)、伝送路2に断線又は短絡が存在しないと判断する(ステップST8)。
ステップST7において、位置算出部142は、伝送路2に断線又は短絡箇所が存在すると判断し、差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻に基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。位置算出部142が差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻に基づいて伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する方法の例として、以下の式(2)に示す算出方法が挙げられる。

Figure 0006956917
上記の式(2)において、Tは、第1のステップ信号出力部11が第1のステップ信号を出力した時刻から反射波観測部12が反射波の波形を観測した時刻までの時間を示し、Xは、配線異常検出装置1からの距離を示す。εは、伝送路2の比誘電率を示し、Cは、真空中の光速(=3.0×108[m/s])を示す。上記の(2)において、差分が閾値を超えた時刻をTに入力することにより、伝送路2の断線又は短絡の位置Xを算出することができる。なお、位置算出部142は、ステップST7において、差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻に基づいて、伝送路2の断線の位置を算出してもよい。又は、位置算出部142は、ステップST7において、差分データのうちで差分が0から負の値になった時刻に基づいて、伝送路2の短絡の位置を算出してもよい。
図3A及び図3Bは、それぞれ、配線異常検出装置1による配線異常検出方法の具体例を説明するためのグラフである。当該具体例では、ECU5が実装しているノイズ除去用のコンデンサの容量が0.1μFであり、第1のステップ信号出力部11が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間を220psとして実行された回路シミュレーションの結果を示す。当該回路シミュレーションでは、伝送路2の断線位置は、終端側のECU3から15.0mの位置である。
図3Aは、上述のステップST2において反射波観測部12が取得した第1の観測データの波形と、上述のステップST4で位置算出部142が用いた参照データの波形とを示すグラフである。図3Aにおいて、縦軸は、反射波の電圧[V]を示し、横軸は、当該電圧[V]が観測された時間[ns]である。図3Aにおける実線のグラフは、第1の観測データを示し、点線のグラフは、参照データを示している。図3Aのグラフにおける点Cでは、実線のグラフ及び点線のグラフともに、電圧が急降下している。これは、ECU5に実装されたノイズ除去用のコンデンサが第1のステップ信号を充電することにより、当該コンデンサからの反射波が反射波観測部12に戻ってくる時間が遅延していることを示している。図3Aの実線のグラフにおける点Dでは、波形が乱れており、伝送路2において断線箇所Xが存在することを示している。
図3Bは、ステップST4で位置算出部142が算出した、第1の観測データの電圧から参照データの電圧を引いた差分を示すグラフである。図3Bにおいて、縦軸は、差分電圧[V]を示し、横軸は、当該差分電圧[V]が観測された時間[ns]である。図3Bのグラフにおける点Eでは、差分電圧の波形が乱れており、伝送路2において断線箇所Xが存在することを示している。図3Bが示すように、当該波形の乱れは、時刻145nsで鋭いピークを示している。位置算出部142は、上述のステップST7において、上述の式(2)に当該時刻を入力し(εは上述の値とは異なる値を用いた)、配線異常検出装置1から14.9mの位置を、伝送路2の断線の位置として算出する。当該回路シミュレーションにおける伝送路2の断線位置は、終端側のECU3から15.0mの位置であるため、配線異常検出装置1の位置とECU3の位置とが略同じであるとすると、位置算出部142が算出した断線位置は、0.1mの誤差の範囲内であることがわかる。
以上のように、実施の形態1に係る配線異常検出装置1は、コンデンサが実装された電子機器のECU5に分岐配線Yを介して接続した伝送路2に、第1のステップ信号を出力する第1のステップ信号出力部11と、伝送路2からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測することにより第1の観測データを取得する反射波観測部12と、を備え、第1のステップ信号出力部11が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間は、分岐配線Yの伝搬遅延時間以下である。
上記の構成によれば、バス配線に接続されている電子機器のノイズ除去用のコンデンサによって、バス配線における配線異常の位置の検出精度が低下することを抑制することができる。実施の形態1に係る配線異常検出装置1がこのような効果を奏する理由を以下で詳細に説明する。
上述したように、伝送路2のようなバス配線において、分岐配線Yに接続されたECU5内にノイズ除去用のコンデンサが実装されている場合、第1のステップ信号出力部11が出力したステップ信号が当該コンデンサに到達したとき、コンデンサの充電が始まる。コンデンサの容量値が大きいと充電に時間がかかるため、ECU5に接続された分岐配線Yよりも先の伝送路2の主線路に断線が生じていても、ステップ信号の出力端である配線異常検出装置1まで反射信号が返ってくるのに時間がかかる。そのため、観測される反射信号の電圧が低くなってしまい、断線による波形の乱れを検出できない。これをより詳細に説明すると、通常、主線路と分岐配線との分岐点においてステップ信号の電圧が上限値に到達する前に、分岐配線に流れたステップ信号は、上述のコンデンサまで到達してしまう。これにより、当該分岐点において、上述のコンデンサの影響によって電圧が降下してしまい、ステップ信号の電力は、分岐点より後の主線路に分配されなくなってしまう。よって、分岐点より後の主線路の断線箇所において反射波が生じないため、断線を検出できない。しかしながら、実施の形態1に係る配線異常検出装置1の構成のように、ステップ信号の立ち上がり時間が、分岐配線Yの伝搬遅延時間以下である場合、分岐配線Yの長さが、分岐配線Yにおいてステップ信号が立ち上がり時間の間に通過する長さよりも長いため、分岐点においてステップ信号の電圧が上限値に到達する時点では、分岐配線Yに流れたステップ信号は上述のコンデンサまで到達していないことになる。これにより、分岐点において電圧が上限値に達したステップ信号の電力は、上述のコンデンサによる影響を受けずに、分岐点より後の主線路と分岐配線Yとの間で、各インピーダンスに応じて分配される。そして、当該主線路に流れた電力が断線箇所Xで反射することにより、反射波の波形の乱れが生じ、断線位置の検出が可能となる。よって、実施の形態1に係る配線異常検出装置1の上述の構成を採用することにより、バス配線に接続されている電子機器のノイズ除去用のコンデンサによってバス配線における配線異常の位置の検出精度が低下することを抑制することができる。
また、実施の形態1に係る配線異常検出装置1は、第1のステップ信号出力部11が第1のステップ信号を出力するタイミングと、反射波観測部12が反射波の波形を観測するタイミングとを同期させるクロック信号を生成するクロック生成部をさらに備えている。
上記の構成によれば、第1のステップ信号を出力するタイミングと、当該第1のステップ信号の反射波の波形を観測するタイミングとを同期させることができるため、第1のステップ信号を出力した時刻から、当該第1のステップ信号の反射波の波形を観測した時刻までの時間を正確に計測することができる。これにより、当該時間に基づいてバス配線における配線異常の位置を検出することにより、バス配線における配線異常の位置の検出精度を向上させることができる。
また、実施の形態1に係る配線異常検出装置1は、反射波観測部12が取得した第1の観測データに基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する位置算出部をさらに備えている。
上記の構成によれば、取得した第1の観測データに基づいて、バス配線における断線又は短絡の位置を検出できる。
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、ステップST4において、位置算出部142は、第1の観測データから参照データを引いた差分を時刻毎に算出し、ステップST6で、差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻が存在するか否かを判定することにより、断線又は短絡の有無を判定する構成を説明した。しかし、実施の形態1では、参照データが存在しない場合、位置算出部142は、断線又は短絡の有無を判定することができない。実施の形態2では、このような問題を解決することを目的とする。
以下で、実施の形態2について図面を参照して説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は、実施の形態2に係る配線異常検出装置20を含む配線異常検出システム101の構成を示すブロック図である。図4が示すように、実施の形態2に係る配線異常検出装置20は、実施の形態1に係る配線異常検出装置1と比較して、制御部15がスイッチ制御部153をさらに備えている点と、第1のステップ信号出力部11の代わりにステップ信号出力部16を備えている点とが異なっている。
図5は、配線異常検出装置20が備えているステップ信号出力部16の構成を示すブロック図である。図5が示すように、ステップ信号出力部16は、スイッチ111、第1のステップ信号出力部112、第2のステップ信号出力部113、及び出力抵抗114を備えている。なお、本実施形態では、配線異常検出装置20が第1のステップ信号出力部112及び第2のステップ信号出力部113の2つの信号源を備えている構成について説明するが、配線異常検出装置20は、3つ以上の信号源を備えていてもよい。
第1のステップ信号出力部112は、実施の形態1における第1のステップ信号出力部11と同様に、伝送路2に、第1のステップ信号を出力する。第1のステップ信号出力部112が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間は、伝送路2の分岐配線Yの伝搬遅延時間以下である。
実施の形態2における反射波観測部12は、伝送路2からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測することにより第1の観測データを取得し、当該第1の観測データを記憶部13に記憶する。
実施の形態2における位置算出部142は、反射波観測部12が第1のステップ信号を観測することにより取得した第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻が存在するか否かを判定する。位置算出部142は、第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻が存在すると判定した場合、伝送路2に断線又は短絡が存在すると判断する。なお、当該閾値は、伝送路2において断線が生じた場合に観測される電圧以下の値である。又は、当該閾値は、伝送路2において短絡が生じた場合に観測される電圧以上の値である。
制御部15のスイッチ制御部153は、位置算出部142が第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻が存在しないと判断した場合、ステップ信号出力部16のスイッチ111を制御することにより、ステップ信号を出力する信号源を、第1のステップ信号出力部112から第2のステップ信号出力部113に切り替える。
第2のステップ信号出力部113は、伝送路2に第2のステップ信号を出力する。第2のステップ信号出力部113が出力する第2のステップ信号の立ち上がり時間は、伝送路2の分岐配線Yの伝搬遅延時間の2倍以上である。当該伝搬遅延時間は、伝送路2の分岐配線長Lと、伝送路2の単位長さ当たりの伝搬遅延時間との積により求められる。例えば、実施の形態1における第1のステップ信号の立ち上がり時間の一例のように、第1のステップ信号の立ち上がり時間が約223ps以下である場合、第2のステップ信号の立ち上がり時間は、第1のステップ信号の立ち上がり時間の2倍以上であればよいので、446ps以上であり得る。
反射波観測部12は、伝送路2からの、第2のステップ信号の反射波の波形を観測することにより第2の観測データを取得し、当該第2の観測データを記憶部13に記憶する。
位置算出部142は、記憶部13に記憶された第1のステップ信号の反射波の波形と第2のステップ信号の反射波の波形とに基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。より詳細には、記憶部13に記憶された第1の観測データの電圧から第2の観測データの電圧を引いた差分を時刻毎に算出する。また、位置算出部142は、算出した差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻が存在するか否かを判定することにより、伝送路2に断線箇所が存在するか否かを判断する。そして、位置算出部142は、差分が0から正の値になった時刻に基づいて、伝送路2の断線の位置を算出する。又は、位置算出部142は、算出した差分データのうちで差分が0から負の値になった時刻が存在するか否かを判定することにより、伝送路2に短絡箇所が存在するか否かを判断する。そして、位置算出部142は、差分が0から負の値になった時刻に基づいて、伝送路2の短絡の位置を算出する。
次に、実施の形態2に係る配線異常検出装置20の動作について図面を参照して説明する。配線異常検出装置20は、他の通信ネットワークが停止中である場合に当該配線異常検出方法を実行する。なお、実施の形態2に係る配線異常検出方法の説明において、実施の形態1で説明した配線異常検出方法の工程と同様の工程については、その詳細な説明を適宜省略する。
図6は、実施の形態2に係る配線異常検出装置20による配線異常検出方法を示すフローチャートである。図6が示すように、第1のステップ信号出力部112は、伝送路2に、第1のステップ信号を出力する(ステップST10)。なお、上述のように、当該第1のステップ信号の立ち上がり時間は、伝送路2の分岐配線Yの伝搬遅延時間以下である。
次に、反射波観測部12は、伝送路2からの、第1のステップ信号の反射波の波形を観測する(ステップST11)。なお、上記のステップST10及びステップST11では、制御部15のクロック生成部141が生成したクロック信号によって、第1のステップ信号出力部112が第1のステップ信号を出力するタイミングと、反射波観測部12が反射波の波形を観測するタイミングとが同期している。
次に、反射波観測部12は、ステップST11の観測により得た第1の観測データを記憶部13に記憶する(ステップST12)。また、反射波観測部12は、ステップST2の観測により取得した第1の観測データを記憶部13に記憶する。
次に、位置算出部142は、反射波観測部12がステップST11で第1のステップ信号を観測することにより取得した第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻が存在するか否かを判定する(ステップST13)。位置算出部142は、第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻が存在すると判定した場合(ステップST13のYES)、伝送路2に断線又は短絡箇所が存在すると判断し、第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻に基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する(ステップST14)。位置算出部142がステップST13において第1の観測データのうちで電圧が閾値を超えた時刻が存在しないと判定した場合(ステップST13のNO)、配線異常検出装置20は、ステップST15に処理を進める。
ステップST15において、制御部15のスイッチ制御部153は、スイッチ111を制御することにより、ステップ信号を出力する信号源を、第1のステップ信号出力部112から第2のステップ信号出力部113に切り替え、第2のステップ信号出力部113は、伝送路2に第2のステップ信号を出力する(ステップST15)。なお、上述の通り、第2のステップ信号出力部113が出力する第2のステップ信号の立ち上がり時間は、伝送路2の分岐配線Yの伝搬遅延時間の2倍以上である。
次に、反射波観測部12は、伝送路2からの、第2のステップ信号の反射波の波形を観測する(ステップST16)。なお、上記のステップST15及びステップST16では、制御部15のクロック生成部141が生成したクロック信号によって、第2のステップ信号出力部113が第2のステップ信号を出力するタイミングと、反射波観測部12が反射波の波形を観測するタイミングとが同期している。
次に、反射波観測部12は、ステップST16の観測により取得した第2の観測データを記憶部13に記憶する(ステップST17)。
次に、位置算出部142は、記憶部13に記憶された第1の観測データの電圧から第2の観測データの電圧を引いた差分を時刻毎に算出する(ステップST18)。
次に、位置算出部142は、算出した差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻が存在するか否かを判定する(ステップST19)。位置算出部142は、差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻が存在すると判定した場合(ステップST19のYES)、後述するステップST20の処理に進む。位置算出部142は、差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻が存在しないと判定した場合(ステップST19のNO)、伝送路2に断線又は短絡箇所が存在しないと判断する(ステップST21)。
ステップST20において、位置算出部142は、伝送路2に断線又は短絡箇所が存在すると判断し、差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻に基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。なお、位置算出部142は、ステップST20において、差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻に基づいて、伝送路2の断線の位置を算出してもよい。又は、位置算出部142は、ステップST20において、差分データのうちで差分が0から負の値になった時刻に基づいて、伝送路2の短絡の位置を算出してもよい。位置算出部142が伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する方法として、上述の式(2)に示す算出方法を用い得る。
上記のステップST19及びステップST20の具体例として、例えば、位置算出部142は、ステップST19において、差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻が存在するか否かを、差分データに含まれる隣り合った2点を比較することにより判定する。より詳細には、位置算出部142は、差分データのうちで隣り合った2点の各時刻及び差分電圧を(t,v)(t,v)とすると、v>0且つv>0.1であれば「1」を返し、v及びvがそれ以外の値である場合、「0」を返すとする。位置算出部142は、この作業を差分データの全てに対し実行し、「1」を返した時刻を、差分データのうちで差分が閾値を超えた時刻と判定する。次に、位置算出部142は、ステップST20において、当該時刻に基づいて、伝送路2の断線の位置を算出する。
図7A、図7B及び図7Cは、それぞれ、配線異常検出装置20による配線異常検出方法の具体例を説明するためのグラフである。当該具体例では、ECU5が実装しているノイズ除去用のコンデンサの容量が0.1μFであり、第1のステップ信号出力部112が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間を220psとし、第2のステップ信号出力部113が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間を3000psとして実行された回路シミュレーションの結果を示す。当該回路シミュレーションでは、実施の形態1の図3A及び図3Bが示す具体例と同様に、伝送路2の断線位置は、終端側のECU3から15.0mの位置である。
図7Aは、上述のステップST11において反射波観測部12が取得した第1の観測データの波形と、上述のステップST16において反射波観測部12が取得した第2の観測データの波形とを示すグラフである。図7Aにおいて、縦軸は、反射波の電圧[V]を示し、横軸は、当該電圧[V]が観測された時間[ns]である。図7Aにおける実線のグラフは、第1の観測データを示し、点線のグラフは、第2の観測データを示している。図7Aのグラフにおける点Fでは、実線のグラフ及び点線のグラフともに、電圧が急降下している。これは、ECU5に実装されたノイズ除去用のコンデンサが第1のステップ信号を充電することにより、当該コンデンサからの反射波が反射波観測部12に戻ってくる時間が遅延していることを示している。図7Aの実線のグラフにおける点Gでは、波形が乱れており、伝送路2において断線箇所Xが存在することを示している。
図7Bは、位置算出部142がステップST18において算出した、第1の観測データの電圧から第2の観測データの電圧を引いた差分を示すグラフである。図7Bにおいて、縦軸は、差分電圧[V]を示し、横軸は、当該差分電圧[V]が観測された時間[ns]である。図7Bのグラフにおける点Hでは、差分電圧の波形が乱れており、伝送路2において断線箇所Xが存在することを示している。図7Bが示すように、当該波形の乱れは、時刻145nsで鋭いピークを示している。
例えば、位置算出部142は、上述のステップST19において、点Hの時刻を、差分データのうちで差分が0から正の値になった時刻と判定する。なお、点Hの時刻以前の時刻45ns及び時刻95nsにおいても波形が乱れているが、これらの時刻は、差分が0から負の値になった時刻である。図7Cは、当該判定結果を示すグラフである。図7Cにおいて、縦軸は、「1」又は「0」の値をとり、「1」が、断線が存在することを示し、「0」が、断線が存在しないことを示す。図7Cにおいて、横軸は、当該判定結果が得られた観測時間[ns]である。図7Cが示すように、時刻145nsにおいて判定結果の値が「1」を示し、断線が存在することを示している。位置算出部142は、上述のステップST20において、当該時刻145nsに基づき、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。
以上のように、実施の形態2に係る配線異常検出装置20は、伝送路2に、第2のステップ信号を出力する第2のステップ信号出力部113をさらに備え、第2のステップ信号出力部113が出力する第2のステップ信号の立ち上がり時間は、分岐配線Yの伝搬遅延時間の2倍以上であり、反射波観測部12は、伝送路2からの、第2のステップ信号の反射波の波形をさらに観測することにより第2の観測データを取得し、位置算出部142は、第1の観測データと、第2の観測データとに基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出する。
上記の構成によれば、第1の観測データと、第2の観測データとに基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出するため、上述の参照データを予め準備する必要がない。従って、参照データを予め準備せずに、第1の観測データと第2の観測データを取得した直後に断線の有無を判定することができる。実施の形態1では、参照データを取得した後でなければ断線の有無を判定できなかった。すなわち、参照データを取得する前に断線が生じてしまうと、ECUの中に容量が0.01μF〜0.1μFのコンデンサが実装されている場合、当該断線を検出することができない。しかし、実施の形態2に係る配線異常検出装置20では、ECUのコンデンサの特性に関係なく、第1の観測データ及び第2の観測データを取得した時点で断線の有無を判定することができる。
また、実施の形態2に係る配線異常検出装置20は、伝送路2にステップ信号を出力する信号源を、第1のステップ信号出力部から前記第2のステップ信号出力部に切り替えるスイッチ制御部をさらに備えている。
上記の構成によれば、伝送路2にステップ信号を出力する信号源を、第1のステップ信号出力部112から第2のステップ信号出力部113に切り替え、第2のステップ信号を伝送路2に出力し、当該第2のステップ信号の反射波の波形を観測することにより第2の観測データを取得する。これにより、第1の観測データと、第2の観測データとに基づいて、伝送路2の断線又は短絡の位置を算出することができ、上述の参照データを予め準備する必要がない。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る配線異常検出装置は、バス配線に接続されている電子機器のノイズ除去用のコンデンサによって、バス配線における配線異常の位置の検出精度が低下することを抑制することができるので、配線の断線又は短絡の位置を検出する配線異常検出装置に利用可能である。
1 配線異常検出装置、2 伝送路、3 ECU、4 ECU、5 ECU、6 ECU、11 第1のステップ信号出力部、12 反射波観測部、13 記憶部、14 制御部、15 制御部、16 ステップ信号出力部、20 配線異常検出装置、100 配線異常検出システム、101 配線異常検出システム、111 スイッチ、112 第1のステップ信号出力部、113 第2のステップ信号出力部、114 出力抵抗、141 クロック生成部、142 位置算出部、153 スイッチ制御部

Claims (3)

  1. コンデンサが実装された電子機器に分岐配線を介して接続した伝送路に、第1のステップ信号を出力する第1のステップ信号出力部と、
    前記伝送路からの、前記第1のステップ信号の反射波の波形を観測することにより第1の観測データを取得する反射波観測部と、
    前記反射波観測部が取得した第1の観測データに基づいて、前記伝送路の断線又は短絡の位置を算出する位置算出部と、
    前記伝送路に、第2のステップ信号を出力する第2のステップ信号出力部とを備え、
    前記第1のステップ信号出力部が出力する第1のステップ信号の立ち上がり時間は、前記分岐配線の伝搬遅延時間以下であり、
    前記第2のステップ信号出力部が出力する第2のステップ信号の立ち上がり時間は、前記分岐配線の伝搬遅延時間の2倍以上であり、
    前記反射波観測部は、前記伝送路からの、前記第2のステップ信号の反射波の波形をさらに観測することにより第2の観測データを取得し、
    前記位置算出部は、前記第1の観測データと、前記第2の観測データとに基づいて、前記伝送路の断線又は短絡の位置を算出することを特徴とする、配線異常検出装置。
  2. 前記第1のステップ信号出力部が前記第1のステップ信号を出力するタイミングと、前記反射波観測部が前記反射波の波形を観測するタイミングとを同期させるクロック信号を生成するクロック生成部をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の配線異常検出装置。
  3. 前記伝送路にステップ信号を出力する信号源を、前記第1のステップ信号出力部から前記第2のステップ信号出力部に切り替えるスイッチ制御部をさらに備えていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の配線異常検出装置。
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