JP6955914B2 - ロボット機構及びコミュニケーションロボット - Google Patents

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Description

本発明は、ロボット機構や、利用者とのコミュニケーションを可能とするロボットにおいて当該ロボット機構を用いたコミュニケーションロボットに関する。
例えばロボットの関節を可動にするために、関節となる箇所に磁石の反撥力を利用するものが知られている(特許文献1参照)。
ロボットの各部を可動とさせるために、例えばモーターやギヤなどの機械的な可動機構を用いることが考えられる。しかしながら、機械的な可動機構が多数存在すると、機械的強度、配置の取り合いや配線などの設計上の問題が生じる。これに対して、引用文献1のように、磁石の反撥力を利用することが考えられる。しかしながら、特許文献1のような関節部分に磁石の反撥力を利用した構造を設けただけでは、例えばコミュニケーションを可能とするロボットを可動にする場合において、頭や胴体を前後左右上下に揺らすといった身振り手振りの動作を安定的に、また、的確に加えることができるとは限らない。すなわち、ロボットの動きを用途に応じて的確なものとすることができるとは限らない。
また、ロボットの動作において、モーターやギヤなどの機械的な可動機構を用いた場合には、大きな音が発生するといった問題も生じる。
特開昭61−288986号公報
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、ロボットの動作において、モーターやギヤなどの機械的な可動機構を用いた場合と比べて、大きな音が発生することを回避しつつ、ロボットの動きを用途に応じて的確なものとすることが可能にするロボット機構及びこれを用いたコミュニケーションロボットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためロボット機構は、一端に支持固定するためのピボット部を有するとともに、軸方向の周方向に沿って着磁された着磁部を有して、ロボットの可動機構を構成する可動軸と、可動軸の周囲において可動軸の着磁部に対応して設けられ、可動軸を磁力により可動させる磁場発生部とを備える。

上記ロボット機構では、磁場発生部を設けることにより、まず、ロボットの動作において磁力を利用可能なものとし、モーターやギヤなどの機械的な可動機構を用いた場合と比べて大きな音が発生すること等を回避することができる。さらに、可動軸のピボット部を支持固定する箇所としながら、可動軸の軸方向の周方向に沿って着磁された着磁部に対応して設けられた磁場発生部において所望の磁場(磁界)を発生させることで可動軸を動かし、この際、磁場発生部が、可動軸の周囲に設けられた状態となっている。これにより、可動軸の可動範囲を適正に限定でき、限定された範囲内で、例えば自転や傾け、公転といったロボットの各部の動きを自在に行い、ロボットの用途に応じて的確なものとすることが可能になる。
本発明の具体的な側面では、ロボット機構は、磁場発生部を支持する支持部をさらに備える。この場合、磁場発生部を、支持部により所定箇所に支持固定することで、可動軸の周囲に設けられた状態に維持できる。
本発明の別の側面では、支持部は、可動軸の周囲に設けられて可動軸の可動範囲を限定する可動範囲限定部である。この場合、可動軸の可動範囲を可動範囲限定部により適正に限定できる。
本発明のさらに別の側面では、可動軸は、磁場発生部において発生する磁場の変化により、静止、自転及び傾斜をする。この場合、ロボットの動作として、例えば腰や首に相当する箇所について、静止、自転及び傾斜を行わせることが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、可動軸は、磁場発生部において発生する磁場の変化により公転する。この場合、ロボットの動作として、例えば腰や首に相当する箇所について、公転あるいは旋回を行わせることが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、可動範囲限定部は、ピボット部の側から可動軸の軸方向に沿って広がりつつ延在するすり鉢状の部材である。この場合、可動軸の可動範囲を適正に維持しつつ、着磁部と磁場発生部とを近づけて、磁場制御を、延いてはロボットの動作制御を、行いやすくすることが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、磁場発生部は、可動範囲限定部のうち可動軸に対向する内面部に沿って設けられている。この場合、支持部である可動範囲限定部により磁場発生部を支持しつつ、磁場発生部を可動軸に対向させた状態に維持でき、所望の状態での磁場制御を、より確実にできる。
本発明のさらに別の側面では、着磁部及び磁場発生部は、可動軸の軸方向に沿って複数段設けられている。この場合、例えばより安定性の高い磁場制御や細やかな磁場制御を行うことができ、ロボットの動作としての精度を高めることができる。
本発明のさらに別の側面では、可動軸は、着磁部において膨らんでいる。この場合、着磁部と磁場発生部とをより近づけることができるので、磁場制御を、延いてはロボットの動作制御を、行いやすくすることが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、ロボット機構は、可動軸の位置を初期基準位置に戻す方向へ応力を生じるばね部材を有する可動軸補助部をさらに備える。この場合、可動軸補助部において、ばね部材の弾性を利用して、可動軸の位置を初期基準位置に戻すようにすることで、例えば磁場発生部による可動軸の動作範囲が想定した範囲を超えて行き過ぎてしまう、といったことが生じないように動作を補助することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係るコミュニケーションロボットは、上記いずれかに記載のロボット機構を、胴体部可動機構又は首部可動機構として備え、コミュニケーション動作とともに胴体部又は首部を動かす。この場合、上記いずれかのロボット機構を有することで、可動軸の可動範囲を適正に限定でき、限定された範囲内でロボットの各部の動きを自在に行えるので、コミュニケーションロボットとして、例えば静音性が高くコミュニケーションにおける音の障害が低減され、かつ、案内等を行うに際してロボットとして、コミュニケーションを補助するための的確な動きができる。
第1実施形態に係るロボット機構の一構成例を概念的に説明するための図である。 ロボット機構の磁場発生部の一構成例を概念的に説明するための図である。 (A)及び(B)は、磁場発生部の駆動制御について説明するための斜視図である。 可動軸の動きについて説明するための図である。 (A)〜(D)は、磁場発生部による一連の可動軸の動作制御について説明するための図である。 着磁部及び磁場発生部の範囲と可動軸の傾斜との関係について説明するための図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態に係るロボット機構を組み込んだコミュニケーションロボットの一構成例を説明するための図である。 コミュニケーションロボットの一変形例について説明するための図である。 第2実施形態に係るロボット機構の一構成例を概念的に説明するための図である。 第2実施形態に係るロボット機構の一変形例を概念的に説明するための図である。 第3実施形態に係るロボット機構の一構成例を概念的に説明するための図である。 第3実施形態に係るロボット機構に設けられる可動軸補助部について説明するための図である。 第3実施形態に係るロボット機構の一変形例を概念的に説明するための図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1等を参照して、本発明の第1実施形態に係るロボット機構及びこれを組み込んだコミュニケーションロボットの一例について概要を説明する。なお、ここでは、一例として、重力方向(垂直方向)をZ方向とし、Z方向に対して垂直な面(水平面)内において互いに直交する方向をX方向及びY方向とする。すなわち、Z方向に垂直な面をXY面とする。また、これらのX方向、Y方向及びZ方向を基準方向とする。
図1に示すように、本実施形態に係るロボット機構50は、ロボットの可動機構を構成する可動軸10と、可動軸10を磁力により可動させる磁場発生部20と、磁場発生部20を支持する支持部30と、軸受部40とを備える。なお、磁場発生部20へ供給される電力(電流)は、制御部CTにより制御されている。
なお、例えば図7又は図8に示すように、ロボット機構50が組み込まれたコミュニケーションロボット100は、ロボット機構50のほか、ロボット機構50が組み込まれた胴体状部TRや、頭状部HDを有する。
図1に戻って、まず、ロボット機構50のうち、可動軸10は、中心軸AXを回転中心とする回転体形状(回転対称形状)を有し、主要部をなす棒状の本体部11と、可動軸10の端部のうち、先細った形状となっている根元側において一端を形成する球形状のピボット部12と、着磁されており本体部11の側面において周に沿うように設けられている着磁部13とを有している。
ここでは、図示のように、ロボット機構50が水平面(XY面)上に載置され、可動軸10が、ロボット機構50全体の中央位置に配置されている。特に、図示の状態のように、可動軸10の中心軸AXがZ方向に沿って延びて、すなわち垂直に延びて配置された状態となっている場合に、可動軸10が初期基準位置にあるものとする。
可動軸10のうち、本体部11は、例えば樹脂製あるいは金属製の部材であり、ロボットの関節等の可動機構を構成するために必要に足る強度を有するものとなっている。例えば樹脂製とすることで、必要な強度を維持しつつ軽量化を図ることができる。一方、例えば金属として鉄等を含むものとすることで、本体部11そのものの一部に磁性をもたせる(着磁する)ことで、着磁部13を形成することができる。本体部11は、主要部分を円柱形状としつつ、ピボット部12に近い側に球形状の膨出部11aを形成している。すなわち、本体部11は、ピボット部12に近い根元側において膨らんだ箇所を有している。さらに、本体部11は、膨出部11aから根元側に向けて、先細ったテーパー形状を有している。
可動軸10のうち、ピボット部12は、可動軸10の根元側の一端を形成する球形状の部材であり、軸受部40に取り付けられて、可動軸10全体を支持固定する。言い換えると、可動軸10は、球状のピボット部12の中心CNを不動点(軸支点)として、自転や傾斜等の動きをする。ピボット部12は、例えば樹脂製あるいは金属製の部材とすることが考えられるが、可動軸10の動作に伴う軸受部40との摩擦によって摩耗することを抑制すべく、金属の球状体とすることが考えられる。本体部11を樹脂製とする場合、例えば、ピボット部12を、本体部11に対して別体の部材とし、本体部11とピボット部12との接続箇所にネジ構造等を設けることで、本体部11に着脱可能にするものとしてもよい。
可動軸10のうち、着磁部13は、本体部11のうち、特に膨出部11aの表面部分に設けられている永久磁石である。ここでは、一例として、図1及び図2に示すように、N極部分13nと、S極部分13sとが、中心軸AXの軸方向(Z方向)の周方向D1に沿って交互に4つずつ、合計8個の着磁部分が配置され、着磁された状態となっている。着磁部13の形成方法については、例えば膨出部11aを鉄等の磁性を帯びさせることができる素材で構成し、所望の状態の磁性を有するように着磁することで構成することが考えられる。そのほか、例えば本体部11の膨出部11aの表面に所望の状態の磁性を有するシート状のマグネットを貼り付けて構成してもよい。この場合、例えば図2に示すように、着磁部13において、各N極部分13n及び各S極部分13sは、中心軸AX(これに相当する中心点CC)から等距離に配置されている。言い換えると、中心点CCを中心とする円の周に沿ってN極部分13nとS極部分13sとが交互に配置されている。
次に、ロボット機構50のうち、磁場発生部20は、複数の電磁石20a,20a,…を可動軸10の周囲に配置し、着磁部13に対応して設けることで構成されている。ここでは、一例として、図2に示すように、各電磁石20aは、XY面内において、中心点CCを中心とする円の周に沿って各電磁石20aが配置されている。すなわち、初期基準位置にある中心軸AXを基準としてこれから等距離にあるように円形状に配列されている。より具体的に説明すると、図示の場合、磁場発生部20は、着磁部13を構成する8個の着磁部分(4つのN極部分13n及び4つのS極部分13s)に対応させてこれの倍の個数である16個の電磁石20a,20a,…を円形状に設けることで構成されている。特に、図2に示す状態では、各着磁部分に対応する位置に設置される電磁石20aと、隣接する着磁部分の中間に対応する位置に設置される電磁石20aとが存するようになっている。磁場発生部20は、これらの電磁石20a,20a,…を利用して、可動軸10を磁力により可動させる。
各電磁石20aは、例えば図3(A)及び3(B)に示すように、鉄心CRにコイルCLを巻いて構成され、制御部CT(図1参照)によって電流Iの正負や、オンオフ、強弱が調整される。これにより、例えば電流Iの流れる方向(正負)を切り替えることで、着磁部13に面する曲面部分CPにおいて発生する極を、図3(A)に示すようにS極としたり、図3(B)に示すようにN極としたりできる。あるいは、電流Iを流したり流さなかったりすることで、電磁石20aに所望のタイミングで磁場(磁界)を発生させたりさせなかったりする。さらに、電流Iの量を調整することで、電磁石20aにおいて発生する磁場(磁界)の強さを調整する。
以上のように、図1に示す制御部CTは、16個の電磁石20a,20a,…の全てについて、適宜これらの電流制御を行うことで、磁場発生部20全体として着磁部13の周囲に発生させる磁場の変化を制御する。
次に、ロボット機構50のうち、支持部30は、例えば樹脂成形により形成されるすり鉢形状(テーパー状)の部材であり、図示のように、磁場発生部20を支持・固定すべく、回転対称形状を有している。ここでは、一例として、インサート成形により、回転対称なすり鉢形状となっている側壁部SDの内部に、磁場発生部20を構成する各電磁石20aを埋め込んだ状態とすることで、磁場発生部20を、可動軸10の着磁部13に対応させた規定位置に固定されている。言い換えると、磁場発生部20は、支持部30によって磁場発生部20に対向する内面部としての支持部30の側壁部SDの内側表面INに沿って設けられた状態となっている。
また、支持部30は、可動軸10のピボット部12の側から可動軸10の軸方向に沿って(+Z方向について)広がりつつ延在するすり鉢状(テーパー状)の部材となっている。これにより、支持部30は、可動軸10の可動範囲を限定する可動範囲限定部MRとして機能する。すなわち、支持部30は、可動軸10の先端側に行くほど広がるテーパー形状を有する内側表面INの広がり具合によって、可動軸10の可動範囲の最大限を規定し、可動軸10が、その最大限を超えて動くことが無いように規制するストッパーとして機能する。
最後に、ロボット機構50のうち、軸受部40は、既述のように、可動軸10のピボット部12を軸支するための部材であり、円柱状の形状であって、上部側にピボット部12を嵌合させるための窪みである凹部REを有する。また、ここでは、軸受部40は、支持部30を載置固定する部材でもある。また、例えば、支持部30は、軸受部40に対して接着固定されている。なお、軸受部40は、ピボット部12との摩擦を考慮して適宜材料が選択される。なお、嵌合箇所である凹部REとピボット部12とについて、これらの間に、潤滑油やばね部材等、ピボット部12を回転可能に軸支する状態を補助するための部材を適宜設けてもよい。
以上において、ロボット機構50は、例えば軸受部40が、ロボットの座部等の土台部分や、首(頭を支持する部分)、肩・肘(腕を支持する部分)、腰(胸等を支持する部分)等の関節部分といった固定側の部分に取り付けられる。一方、可動軸10が、胸等の胴体部分のうちの上部側や、頭、腕、指等の可動側の軸部分として取りつけられる。その状態において、磁場発生部20において発生させるべき磁場を変化させることで、可動軸10を静止させたり、動かしたりしている。ここでは、例えば図4において実線で示すように、可動軸10(10α)を、中央の初期基準位置で静止させるほか、この位置で中心軸AXを回転軸として自転させることを可能とする。そのほか、例えば図4において破線で示すように、可動軸10(10β)あるいは可動軸10(10γ)を傾斜させることを可能としている。さらに、自転及び傾斜を組み合わせること等により、可動軸10を公転、偏芯回転あるいは旋回といった各種回転をさせる動きも可能としている。
以下、図5(A)〜5(D)を参照して、磁場発生部20による一連の可動軸10の動作制御について説明する。
まず、図5(A)は、可動軸10を初期基準位置において静止させた状態を示している。図示の例では、磁場発生部20を構成する16個の電磁石20a,20a,…のうち、+X側、−X側、+Y側及び−Y側に配置され、4つのN極部分13n,13n,…にそれぞれ対向している4つの電磁石20p,20p,…を同じ強度のS極とすることで、初期基準位置において可動軸10を静止させた状態に維持している。
次に、図5(B)は、可動軸10を初期基準位置において自転させる場合について例示しており、ここでは、矢印AR1に示すように、時計回りの方向について自転させる場合について示している。図示の場合、例えば、図5(A)の状態から、+X側、−X側、+Y側及び−Y側に配置されS極となっている4つの電磁石20p,20p,…について磁場の発生を停止させるとともに、当該4つの電磁石20p,20p,…に対して矢印AR1の方向について隣接する4つの電磁石20s,20s,…にS極となる磁場を発生させる。これにより、4つのN極部分13n,13n,…は、それぞれ4つの電磁石20s,20s,…側に引き寄せられることになる。したがって、可動軸10は、全体として矢印AR1の方向、すなわち時計回りの方向に自転し始めることになる。このような電磁石20a,20a,…についての動作制御を、矢印AR1に示す方向について順次続けることで、可動軸10が自転する状態を維持できる。また、逆の操作によって自転を停めたり、さらには、逆方向(反時計回り)に自転させたりする、といったことも可能となる。
次に、図5(C)は、可動軸10を傾斜させた場合について例示しており、ここでは、矢印AR2に示すように、−Y側に可動軸10を傾斜させる場合について示している。図示の場合、例えば、図5(A)の状態から、+X側及び−X側の電磁石20p,20pについては磁場の発生を停止させ、−Y側に配置されている電磁石20pについてはS極のまま維持し、+Y側に配置されている電磁石20pについてはS極からN極に変更している。これにより、−Y側の電磁石20pに可動軸10が引き寄せられるとともに、+Y側の電磁石20pに対して可動軸10が反発するので、可動軸10を、初期基準位置において静止させた状態から−Y側に傾斜させるように変化させることができる。なお、可動軸10が傾斜を開始させた後、さらに16個ある各電磁石20aを組み合わせて形成される全体としての磁場を適宜制御することで、可動軸10が傾斜した状態で静止するようにすることも可能である。
最後に、図5(D)は、可動軸10を傾斜させ、さらに傾斜させつつ回転させる場合について例示している。この場合、まず、図5(C)に例示した場合のように−Y側及び−Y側に配置された電磁石20p,20pの磁場の変化により可動軸10を矢印AR2の方向に傾斜させつつ、さらに電磁石20p,20pに隣接する電磁石20s,20sあるいはさらに他の電磁石20aによる磁界を順次変化させる。これにより、例えば矢印AR1の方向に回転させるように可動軸10の着磁部13に対して力を付与して、傾斜させた状態としつつさらに、自転のほか、公転あるいは旋回といった種々の回転動作を行わせることが可能になる。
以上のように、本実施形態に係るロボット機構50では、磁場発生部20を設けることにより、まず、ロボットの動作において磁力を利用可能なものとし、モーターやギヤなどの機械的な可動機構を用いた場合と比べて大きな音が発生すること等を回避することができる。さらに、可動軸10のピボット部12を支持固定する箇所としながら、可動軸10の中心軸AXの軸方向(初期基準位置であればZ方向)の周方向D1に沿って着磁された着磁部13に対応して設けられた磁場発生部20において所望の磁場を発生させることで可動軸10を動かしている。この際、磁場発生部20が、可動軸10の周囲に設けられた状態となっていることにより、可動軸10の可動範囲を適正に限定でき、限定された範囲内で、例えば自転や傾け、公転といったロボットの各部の動きを自在に行い、ロボットの用途に応じて的確なものとすることが可能になる。特に、上記実施形態では、磁場発生部20を支持する支持部30が、すり鉢状(テーパー形状)を有することで、可動軸10の可動範囲を限定する可動範囲限定部MRとして機能する。すなわち、規定範囲を超えて可動軸10が動かないように規制するストッパーとして、支持部30が機能する。これにより、可動軸10の可動範囲をより適正に限定できる。
また、別の観点として、モーターやギヤなどで動作を行わせる場合、1組の構成で1自由度の動きが可能になるのが原則と考えられる。これに対して、本実施形態の場合、1組の着磁部13と磁場発生部20で、可動軸10の傾けや自転を行い、さらにこれらを組み合わせる等により、可動軸10に多様な動作を行わせることが可能になる。
なお、本実施形態において、上記した各種事項は例示であり、これ以外にも種々の態様が考えられる。例えば、着磁部13については、4つのN極部分13n及び4つのS極部分13sの8個の着磁部分で構成されるものとしているが、これに限らず、例えば1つのN極部分と1つのS極部分の2個の着磁部分で構成されるものとしてもよい。また、これ以外の種々の個数であってもよく、例えば8個以上の着磁部分で構成されるものとしてもよい。個数を多くするほど動きを細やかにする等、複雑な動きが可能になると考えらえるが、必要とされる動きの精度や磁場発生部20や制御部CT側での制御能力等に応じて、適宜設定される。また、同様に、磁場発生部20を構成する電磁石20aの個数も適宜変更できる。
また、上記の例では、着磁部13を本体部11のうち膨らませた球形状となっている膨出部11aに設けることで、着磁部13を磁場発生部20に近づけ磁界の変化の影響を与えやすくしたり、着磁部13の位置によって磁場発生部20との距離が極端に変わってしまうことを抑制し、磁場による動作制御の安定性を図ったりしている。しかし、所望の動作制御が確保できれば、必ずしも本体部11に膨出部11aを設けなくてもよい。言い換えると、膨出部でない箇所に着磁部13を設けてもよい。
また、可動軸10の可動範囲についても適宜変更可能である。なお、可動範囲については、特に、可動軸10を傾斜させる角度範囲を、磁場発生部20の制御や可動範囲限定部MRとしての支持部30の形状等によって規定することが考えられる。この角度範囲については、ロボット機構50をロボットのどの部位に設けるかによって必要に応じて設定できる。
以下、図6を参照して、着磁部13及び磁場発生部20の範囲と可動軸10の傾斜との関係について考察する。
考察に至る前提として、まず、上記した可動軸10の動作制御を可能とするためには、着磁部13と磁場発生部20との間ではたらく磁力が確保されること、すなわち、磁場発生部20における磁場の変化の影響を、着磁部13が十分に受けられる、という状態が確保されることが必要である。しかしながら、これらの位置関係は、着磁部13が可動軸10とともに動くため、大きく、また、多様に変化しうる。したがって、可動軸10の可動範囲を考慮して、着磁部13あるいは磁場発生部20を十分なサイズで設ける必要がある。本実施形態の場合、特に、可動軸10が傾斜する角度の変化に伴う縦方向すなわちZ方向についての位置変化に対して、着磁部13と磁場発生部20との間での磁力が維持されるようなものとなっていることが重要であると考えられる。すなわち、Z方向についての着磁部13と磁場発生部20との関係が重要であると考えられる。仮に、着磁部13をZ方向すなわち中心軸AXの方向に沿って十分長くすれば、可動軸10が傾斜しても磁場発生部20による磁力の変化を十分に受けることが可能になる。しかし、着磁部13が大きくなると、可動軸10全体としての重量が増す、あるいは可動軸10の製作コストがかかる等の諸問題が生じる。上記のことから、図6を参照して、着磁部13及び磁場発生部20のサイズに関して一考察を行う。
ここでは、説明の簡略化のため、図示のように、可動軸10の本体部11を膨出部を有しない円柱状とし、円柱状部分の所定箇所に着磁部13たるN極部分13n及びS極部分13sが形成されているものとする。また、磁場発生部20による磁場の変化の影響が及ぶ範囲を、範囲DDとする。範囲DDとしては、例えば電磁石20aのうち、着磁部13に面する曲面部分CPの範囲とすることが考えられる。
また、ここで、Z方向についての各値を、以下のように規定する。まず、初期基準位置にある可動軸10に関する中心CNから着磁部13の中央位置MMまでの距離を距離Lとし、中央位置MMから着磁部13の上端までの距離を距離Xaとし、中央位置MMから範囲DDの下端までの距離を距離Ybとする。さらに、可動軸10の最大傾斜角度を傾斜角度θとし、可動軸10の幅(すなわち円柱形状の底面(円)の直径)を幅Wとする。なお、この場合、中心軸AXから着磁部13までの距離の値は、W/2となる。
以上の場合において、Z方向について、初期基準位置における着磁部13の上端から範囲DDの下端までの幅Dxが、可動軸10が初期基準位置から傾斜角度θまで傾いた時の移動の幅Dz以上となっていれば、磁場の変化の影響を十分に受けられる状態が確保されると考えられる。そこで、ここでは、図6に示す場合において、着磁部13のうち最も移動量が大きい傾く側に位置する着磁部分13kの移動の幅を幅Dzとする。
したがって、この場合において、幅Dxと幅Dzについて、
Figure 0006955914
となっていればよい。なお、図示のように、この場合の幅Dzは、例えば初期基準位置にある着磁部分13kの中央位置S0と傾斜角度θまで傾いた時の着磁部分13kの中央位置S1との差で示される。
上式(1)について、まず、幅Dxは、図6での図示に基づくと、
Figure 0006955914
となることが分かる。一方、幅Dzについては、2つの幅D1z,D2zの和
Figure 0006955914
で示すことができる。なお、幅D1z,D2zについては、図示されているように、傾斜角度θ傾けた時の可動軸10の中心軸AX(AX1)と中央位置MMに対応する中央位置MM1との交点を基準に幅Dxを分けたものである。さらに、各幅D1z及び幅D2zについては、図示から三角比を用いて、それぞれ
Figure 0006955914
Figure 0006955914
となることが分かる。すなわち、
Figure 0006955914
となる。これら式(2)及び式(3)の結果を、上式(1)に代入すれば、
Figure 0006955914
となる。なお、これを書き直すと、
Figure 0006955914
あるいは、
Figure 0006955914
となる。着磁部13や磁場発生部20に関する値である距離Xaや距離Ybが、上記関係を満たすことで、磁場発生部20での磁場の変化による所望の動作を確保することができる。
以下、図7(A)〜7(C)を参照して、本実施形態に係るコミュニケーションロボットについて一例を説明する。図7に示すコミュニケーションロボット100は、例えば、駅等の各種施設において、利用者に対して各種案内を行う案内型のロボットであり、利用者の声を認識し、認識した音声情報に基づいて、利用者とのコミュニケーションを可能としている。このため、例えばマイクやスピーカー、人感センサとしての赤外線カメラ等を有する。本実施形態では、コミュニケーションロボット100が、ロボット機構50を有することで、コミュニケーションの動作の一環として、各部が動作可能となっている。すなわち、コミュニケーションロボット100は、コミュニケーションの補助や円滑化等のために、例えば、発声とともに、前かがみになったり腰を振ったり、頷いたり、首を横に振ったり等の各種アクションをする、といったことが可能になっている。
図7(A)に例示するように、コミュニケーションロボット100は、最上部に設けられ球形に近い形状を有する頭状部HDと、頭状部HDの下側に設けられて頭状部HDを支持する胴体状部TRとを有して、人の上半身を模した形状、すなわち人型の立体構造物となっている。さらに、胴体状部TRについては、上方側に位置する胸部TR1と、下方側に位置する座部TR2と、胸部TR1と座部TR2と間を繋ぐ可変部CHとで構成されている。胸部TR1や座部TR2は、例えば樹脂等で構成され、ある程度の強度を有する部材である。一方、可変部CHは、例えばゴムや布等で構成され変形可能な素材で構成されている。また、可変部CHは、蛇腹のような構造であってもよい。さらに、図7(B)に示すように、コミュニケーションロボット100は、胴体状部TRの内部において、ロボット機構50が組み込まれた構成となっている。言い換えると、コミュニケーションロボット100は、ロボット機構50を、胴体状部TRを可動させるための胴体部可動機構として備えている。
頭状部HDのうち、顔に相当する箇所である正面側には、例えば液晶パネルや有機ELパネル等で構成されるパネル部PLや各種点灯表示等を行う点灯部LU1〜LU3が設けられている。例えば、パネル部PLに目鼻口等の画像を表示させることで、頭状部HDに顔のような画像を設けることで、最上部にある頭状部HDが人型のロボットの頭部であることを利用者に認識させることができる。図示の例では、大きな目玉のようなものを表示させている。なお、パネル部PL等において、各種案内を行うために必要な画像表示を行うものとしてもよい。
胴体状部TRのうち、上方側に位置する胸部TR1において、ロボット機構50のうち、可動軸10が、取付け固定されている。一方、下方側に位置する座部TR2において、ロボット機構50のうち、軸受部40が、延いては、支持部30が、取付け固定されている。これにより、図7(C)に示すように、ロボット機構50において、可動軸10を動かすと、コミュニケーションロボット100のうち、胸部TR1から上部側が動く。ここで、可動軸10は、既述のように、傾斜や自転のほか、これらを組み合わせる等により、公転あるいは旋回といった各種回転の動作が可能となっている。このため、コミュニケーションロボット100は、上半身に相当する部分(腰から上の部分)について自在に動かすことが可能になる。すなわち、コミュニケーションロボット100が、あたかも前かがみになったり腰を振ったりしているかのようにする動きを表現することができる。以上のように、ロボット機構50を、胴体部可動機構として備えることで、コミュニケーションロボット100は、会話等のコミュニケーション動作とともに、胴体部を動かすことができる。
図8は、図7に示したコミュニケーションロボット100の一変形例について説明するための図である。図8の例では、頭状部HDと胸部TR1との間にロボット機構50を取り付けている。言い換えると、ロボット機構50を、頭状部HDを可動させるための首部可動機構として備えている。ここで、頭状部HDは、球形に近い形状を有しており、例えば筒状の部材で構成される胸部TR1の上端に載置されているような構造となっている。この場合において、ロボット機構50のうち、可動軸10が、頭状部HDに、取付け固定されている。一方、軸受部40が、延いては、支持部30が、胸部TR1に取付け固定されている。
以上のような構成の場合、可動軸10を動かすことで、頭状部HDを、胸部TR1に対して相対的に動かすことが可能になる。この場合、胸部TR1の上部側部分NEがあたかも人の首に相当する首部分のようなものとなり、上部側部分(首部分)NEの上にある頭状部HDが動くことで、あたかも頭を仰向けたり俯けたり、首を傾げたりしているかのような動作を示すことが可能になる。すなわち、コミュニケーションロボット100が、あたかも頷いたり、首を横に振って否定したりしているかのようにする動きを表現することができる。以上のように、ロボット機構50を、首部可動機構として備えることで、コミュニケーションロボット100は、会話等のコミュニケーション動作とともに、首部を動かすことができる。
以上のように、本実施形態に係るコミュニケーションロボット100では、ロボット機構50を有することで、可動軸10の可動範囲を適正に限定でき、限定された範囲内でコミュニケーションロボット100の各部の動きを自在に行えるので、例えば静音性が高くコミュニケーションにおける音の障害が低減され、かつ、案内等を行うに際して、ロボットとして、コミュニケーションを補助するための的確な動きができる。
なお、上記では、例として、コミュニケーションロボットの胴体部や首部を動かす場合について説明したが、これに限らず、例えば腕の関節部分である肩や肘、あるいは指の各関節部分を動作させるように上記したようなロボット機構を組み込むものとしてもよい。
また、上記においては、ロボット機構50における基準方向について、Z方向を重力方向とし、この方向に初期基準位置の中心軸AXを合わせるように規定して説明したが、これに限らず、適宜方向設定を行うことができる。ただし、場合によっては、重力方向との関係によって磁場制御における調整の度合等が異なってくることになる。
〔第2実施形態〕
以下、図9等を参照して、本発明の第2実施形態に係るロボット機構の一例について概要を説明する。
本実施形態に係るロボット機構250は、着磁部及び磁場発生部が、可動軸210の軸方向すなわち中心軸AXに沿って複数段設けられていることを除いて、第1実施形態の場合と同様であるので、全体の構成について、共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、可動軸210において、着磁部13を有し、これを第1の着磁部13とし、さらに、第1の着磁部13に加えて第2の着磁部213を有している。また、第2の着磁部213に対応して、第1の磁場発生部20に加えて第2の磁場発生部220を有している。
図示の場合、第2の着磁部213及び第2の磁場発生部220は、第1の着磁部13及び第1の磁場発生部20よりも上段側(+Z側)に配置されている。
第2の着磁部213は、第1の着磁部13と同様に、中心軸AXの軸方向(Z方向)の周方向D1に沿って交互に4つずつ、合計8個の着磁部分(4つのN極部分213n及び4つのS極部分213s)が配置され、着磁された状態となっている。また、第2の磁場発生部220は、16個の電磁石220aを円形状に設けることで構成されている。
なお、第2の着磁部213の配列等についても、第1の着磁部13の場合と同様、図示の場合に限らず、種々の態様が考えられる。また、上記では、下段側と上段側の2段構成としているが、3段以上の多段構成とすることも可能である。
以上のように、本実施形態では、中心軸AXの軸方向に沿って着磁部及び磁場発生部が、複数段に設けられていることで、可動軸210の動作制御の精度をより高めることができる。
図10は、本実施形態に係るロボット機構の一変形例を概念的に説明するための図である。図10に示すロボット機構350では、第2の着磁部213を、可動軸210のピボット部212に設けている。さらにこれに対応して、第2の磁場発生部220を、軸受部240に設けている。なお、この場合、第2の着磁部213及び第2の磁場発生部220は、第1の着磁部13及び第1の磁場発生部20よりも下段側(−Z側)に配置されていることになる。
また、ロボット機構350の構成の場合において、例えば上段側と下段側とでそれぞれ着磁部や磁場発生部の配置等を変更することで、各部における磁性の発生の仕方を適宜調整し、第1の磁場発生部20側と第2の磁場発生部220側とで、可動軸210の動作制御における役割を分担してもよい。例えば、第1の磁場発生部20では、可動軸210の動作制御のうち、専ら可動軸210の傾き調整のみを担い、第2の磁場発生部220では、可動軸210の動作制御のうち、専ら可動軸210の自転等回転に関する調整のみを担う構成とすることが考えられる。あるいは、反対に、第1の磁場発生部20が回転に関する調整をし、第2の磁場発生部220が傾き調整をすることも考えられる。
本実施形態に係るロボット機構においても、可動軸の可動範囲を適正に限定でき、限定された範囲内で、例えば自転や傾け、公転といったロボットの各部の動きを自在に行い、ロボットの用途に応じて的確なものとすることが可能になる。特に、本実施形態の場合、着磁部及び磁場発生部が、複数段に設けられていることで、可動軸の動作制御について多様性をもたせることができる。
〔第3実施形態〕
以下、図11等を参照して、本発明の第3実施形態に係るロボット機構の一例について概要を説明する。
本実施形態に係るロボット機構450は、可動軸10の位置を初期基準位置に戻す方向へ応力を生じるばね部材SPを有する可動軸補助部APを備えていることを除いて、第1実施形態の場合と同様であるので、全体の構成について、共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、図11及び図12に示すように、可動軸補助部APを備えている。可動軸補助部APは、支持部30の上方側(+Z側)に設置されており、4つのばね部材SP,SP…と、円盤状の筐体部SCに回転可能な状態で円形状に配列されるとともに、支持部30の上面側に設けた溝DTに合わせて取り付けられる複数のボール部材BA,BA…とで構成されている。
4つのばね部材SP,SP…は、周方向D1に沿って等間隔すなわち90°毎に均等に配置され、各ばね部材SPについては、可動軸10の側面に一端が取り付けられる一方、他端が筐体部SCに取り付けられている。この結果、可動軸補助部APは、可動軸10の位置を初期基準位置に戻す方向へ応力を生じせしめるものとなっている。また、可動軸補助部APのうち、複数のボール部材BA,BA…は、支持部30の上面に沿って回転可能となっている。この結果、可動軸補助部APは、周方向D1について回転可能となっている。したがって、図示の状態において可動軸10が自転すると、可動軸補助部APも、ばね部材SPを介して可動軸10からの力を受け、周方向D1について回転する。以上のような構成により、可動軸10の動作制御において、常に可動軸10の位置を初期基準位置に戻す力を生じさせることで、例えば、可動軸10が急激に稼働可能な範囲ギリギリに達してしまうといった動きにならないよう抑制することができる。すなわち、可動軸補助部APによって、磁場発生部20による可動軸10の動作範囲が想定した範囲を超えて行き過ぎてしまう、といったことが生じないように動作を補助することができる。
図13は、本実施形態に係るロボット機構の一変形例を概念的に説明するための図である。図13に示すロボット機構550では、可動軸補助部APに加え、さらに、着磁部及び磁場発生部が、複数段に設けられている。これにより、可動軸10の動作制御をさらに精密に行うことが可能になる。
なお、上記説明では、複数のボール部材等を有するベアリング状の構造を支持部30との間に設けているが、これに限らず、あるいはこれに加えて、例えば4つのばね部材SP,SP…と可動軸10との間にベアリングを設けることで、可動軸補助部APを有していても、可動軸10ができるだけ自転しやすい構成となるようにしてもよい。また、ばね部材の個数についても、4つに限らず、例えばもっと多くしてもよい。また、ばね部材に代えて、例えばゴム膜状の部材に可動軸10に相当する箇所に孔を開けたもので構成する、といったことも考えられる。
本実施形態に係るロボット機構においても、可動軸の可動範囲を適正に限定でき、限定された範囲内で、例えば自転や傾け、公転といったロボットの各部の動きを自在に行い、ロボットの用途に応じて的確なものとすることが可能になる。特に、本実施形態の場合、可動軸補助部を備えることで、可動軸の動作制御について動作の行き過ぎを防ぐ抑制作用をもたせることができる。
〔その他〕
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
まず、上記実施形態では、着磁部を永久磁石、磁場発生部を電磁石として構成しているが、着磁部についても電磁石で構成するものとしてもよい。
また、コミュニケーションロボットは、例えば管理用装置等とネットワーク接続されているものとしてもよい。この場合、ソフト的に対処できる事項については、ネットワークの接続先である管理用装置等が担うものとしてもよい。また、例えばより多くの人への案内を可能とすべく多様な言語に対応可能なものとしてもよいが、この際、言語認知機能を持たせることの他、コミュニケーションロボットを設置したブース内に言語を選択させるためのタッチパネル等を設置してもよい。
また、上記実施形態では、本願発明のロボット機構を、コミュニケーションロボットとしての案内用のロボットに組み込む場合を例示したが、これに限らず、種々のロボットについて、本願発明のロボット機構を適用することが可能である。例えば、磁場発生部において発生する力を十分大きくすることで、ロボットの各部を動かすだけでなく、ある程度の重量のあるものをロボットに運搬させるといった産業用のロボットに適用する態様としてもよい。
10…可動軸、11…本体部、11a…膨出部、12…ピボット部、13,213…着磁部、13k…着磁部分、13n,213n…N極部分、13s,213s…S極部分、20,220…磁場発生部、20a,20p,20s,220a…電磁石、30…支持部、40,240…軸受部、50,250,350,450,550…ロボット機構、100…コミュニケーションロボット、210…可動軸、212…ピボット部、AP…可動軸補助部、AR1,AR2…矢印、AX…中心軸、BA…ボール部材、CC…中心点、CH…可変部、CL…コイル、CN…中心、CP…曲面部分、CR…鉄心、CT…制御部、D1…周方向、D1z,D2z…幅、DD…範囲、DT…溝、Dx,Dz…幅、HD…頭状部、I…電流、IN…内側表面、L…距離、LU1-LU3…点灯部、MM,MM1…中央位置、MR…可動範囲限定部、NE…上部側部分、PL…パネル部、RE…凹部、S0,S1…中央位置、SC…筐体部、SD…側壁部、SP…ばね部材、TR…胴体状部、TR1…胸部、TR2…座部、W…幅、Xa…距離、Yb…距離、θ…傾斜角度

Claims (8)

  1. 柱状の本体部と、前記本体部の一端を支持固定するピボット部と、前記本体部のうち前記ピボット部側に設けられた膨出部の側面に沿って形成された着磁部とを有する可動軸と、
    前記着磁部の周囲に設けられ、前記可動軸を磁力により可動させる磁場発生部と、
    前記ピボット部側から前記可動軸の軸方向に沿って広がりつつ延在し、前記磁場発生部を支持する支持部と
    を備え、
    前記可動軸は、前記磁場発生部において発生する磁場の変化により、静止、自転及び傾斜をする、ロボット機構。
  2. 前記可動軸は、前記磁場発生部において発生する磁場の変化により公転する、請求項に記載のロボット機構。
  3. 前記支持部は、前記可動軸の可動範囲を限定する可動範囲限定部である、請求項1及び2のいずれか一項に記載のロボット機構。
  4. 前記磁場発生部は、前記支持部のうち前記可動軸に対向する内面部に沿って設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のロボット機構。
  5. 前記着磁部及び前記磁場発生部は、前記膨出部の側面に沿って形成される第1の着磁部及び第1の磁場発生部に加え、前記可動軸の軸方向について、前記第1の着磁部及び前記第1の磁場発生部とは異なる位置に形成される第2の着磁部及び第2の磁場発生部を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のロボット機構。
  6. 前記可動軸の位置を初期基準位置に戻す方向へ応力を生じるばね部材を有する可動軸補助部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のロボット機構。
  7. 前記可動軸補助部は、前記支持部の上面に沿って回転可能となっている、請求項6に記載のロボット機構。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のロボット機構を、胴体部可動機構又は首部可動機構として備え、コミュニケーション動作とともに胴体部又は首部を動かす、コミュニケーションロボット。
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