JP6955667B2 - 紙送りローラおよび画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、紙送りローラと、当該紙送りローラを組み込んだ画像形成装置に関するものである。
たとえば、電子写真法を利用したレーザープリンタ等の画像形成装置や、あるいはインクジェットプリンタ、現金自動預け払い機(ATM)等の各種機器類においては、紙やプラスチックフィルムなどの用紙を搬送(通紙)するために、紙送りローラが使用される。紙送りローラとしては、用紙と接触しながら回転して、摩擦によって通紙をする、たとえば、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。紙送りローラは、一般に、ゴムや軟質樹脂などの弾性材料からなる筒状のローラ本体の中心の通孔に、シャフトを挿通して固定することで構成される。
ローラ本体は、所定の外径精度を満たすために、紙と直接に接触する外周面が砥石などを用いて研削加工され、当該外周面に、研磨目と呼ばれる鱗状の微小な凹凸を有する。鱗状の研磨目は、研削加工の特性上、外周面に、軸方向に沿って形成されるのが一般的である。また、軸方向に沿う鱗状の研磨目は、用紙に対する外周面の摩擦係数を高めて、通紙性能を向上するために機能することが知られている(特許文献1、2等参照)。
紙送りローラを用いて通紙をすると、用紙から紙粉が発生するが、発生した紙粉は、鱗状の研磨目の凹部内に収容されたり、当該凹部を通して、ローラ本体の外周面の外へ排出されたりする。
しかし、およそ2〜3μm程度の大きな紙粉は排出されにくい上、紙送りのためにローラ本体の外周面を用紙に繰り返し接触させると、当該外周面に、用紙との接触圧などによって圧着されやすい。そして、紙送りを繰り返すと、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数が増加するとともに、当該外周面上に紙粉が圧着された領域が拡がる。そのため、ローラ本体の外周面と用紙とが紙粉を介さずに直接に接触する面積(接触面積)が減少する結果、外周面の摩擦係数が低下して、良好な通紙性能を維持することができなくなるという課題を生じる。
特開平7−267395号公報 特開平10−273238号公報
本発明の目的は、長期間に亘って紙送りを繰り返しても、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とそれに伴う外周面の摩擦係数の低下を抑制して、良好な通紙性能を維持することができる紙送りローラと、当該紙送りローラを組み込んだ画像形成装置とを提供することにある。
本発明は、弾性体からなる筒状のローラ本体を含み、前記ローラ本体の外周面は、周方向に沿う筋状の研磨目を有し、かつ前記外周面は、軸方向の表面粗さが、日本工業規格JIS B0601:2001において規定された、輪郭曲線の最大高さRz:6.3μm以上、8.6μm以下、算術平均高さRa:1.1μm以上、1.2μm以下で、かつ輪郭曲線要素の平均長さRSm:8.9μm以上、11.2μm以下である紙送りローラである。
また、本発明は、かかる本発明の紙送りローラを含む画像形成装置である。
本発明によれば、長期間に亘って紙送りを繰り返しても、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とそれに伴う外周面の摩擦係数の低下を抑制して、良好な通紙性能を維持することができる紙送りローラと、当該紙送りローラを組み込んだ画像形成装置とを提供することができる。
本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。 本発明の実施例1で製造した紙送りローラの、ローラ本体の外周面を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 従来の紙送りローラの一例の、外観を示す斜視図である。 比較例1で製造した従来の紙送りローラの、ローラ本体の外周面を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 比較例2で製造した従来の紙送りローラの、ローラ本体の外周面を拡大して示す実体顕微鏡写真である。 紙送りローラにおける、通紙枚数と摩擦係数との関係の一例を示すグラフである。
図3は、従来の紙送りローラの一例の、外観を示す斜視図である。また、図4は、後述する比較例で製造した従来の紙送りローラの、ローラ本体の外周面を拡大して示す実体顕微鏡写真である。
図3、図4を参照して、かかる従来の紙送りローラ11は、ゴムや軟質樹脂等の弾性材料によって筒状に形成されたローラ本体12と、当該ローラ本体12の中心の通孔13に挿通されて固定されたシャフト14とを含んでいる。ローラ本体12の外周面15は、当該外周面15が砥石などを用いて研削加工された結果、ローラ本体12の軸方向に沿う鱗状部16が周方向に重なった状態とされている。
かかる従来の紙送りローラ11においては、重なり合う鱗状部16間の、軸方向に沿う凹部17内に紙粉が収容される。しかし、凹部17内に収容された紙粉は、ローラ本体12を、シャフト14を中心として回転させた際に、上記凹部17と交差する周方向の回転力を受けても、外周面5の外にスムースに排出されることは少ない。のみならず、たとえば、2〜3μm程度の大きい紙粉は、回転力に伴う接触圧によって、外周面15のうち、重なり合う鱗状部16間の段差や凹部17内などに圧着されやすい。そして、紙送りを繰り返すと、前述したように、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数が増加し、ローラ本体の外周面と用紙との接触面積が減少する結果、外周面の摩擦係数が低下して、良好な通紙性能を維持することができなくなる。
図1は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。図1を参照して、この例の紙送りローラ1は、図3の従来例と同様に、ゴムや軟質樹脂等の弾性材料によって筒状に形成されたローラ本体2と、当該ローラ本体2の中心の通孔3に挿通されて固定されたシャフト4とを含んでいる。なお、図では、紙送りローラ1上の1つのローラ本体2を拡大して示しているが、紙送りローラ1は、たとえば、複数個のローラ本体2を、1本のシャフト4の複数箇所に固定して構成することもできる。
図2は、本発明の実施例で製造した紙送りローラの、ローラ本体の外周面を拡大して示す実体顕微鏡写真である。図1、図2を参照して、ローラ本体2の外周面5は、周方向に沿う筋状の多数の研磨目6を有している。
外周面5に付着した紙粉は、研磨目6の凹部内に収容される。また、凹部内に収容された紙粉は、たとえ、2〜3μm程度の大きなものであっても、紙送りのために外周面5を用紙の表面に接触させながら、ローラ本体2を、シャフト4を中心として回転させた際に、外周面5に加わる周方向の回転力を受けて、強制的に、同方向に沿う研磨目6の凹部を介して、外周面5の外へスムースに排出される。
そのため、上記ローラ本体2を備えた紙送りローラ1によれば、長期間に亘って紙送りを繰り返しても、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とそれに伴う外周面5の摩擦係数の低下を抑制して、良好な通紙性能を維持することができる。
研磨目6の大きさは、外周面5の、軸方向の表面粗さで表して、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」において規定された、輪郭曲線の最大高さRz:6.3μm以上、8.6μm以下、算術平均高さRa:1.1μm以上、1.2μm以下で、かつ輪郭曲線要素の平均長さRSm:8.9μm以上、11.2μm以下に限定される。
外周面5の軸方向の、輪郭曲線の最大高さRz、算術平均高さRa、または輪郭曲線要素の平均長さRSmが、いずれか1つでも上記の範囲未満では、研磨目6を構成する凹凸の、凹部の大きさが不足する。また、輪郭曲線の最大高さRz、算術平均高さRa、または輪郭曲線要素の平均長さRSmが、いずれか1つでも上記の範囲を超える場合には、研磨目6を構成する凹凸の凸部が高く突出しすぎて、ローラ本体2の外周面5が用紙の表面に接触された際に、接触圧によって倒れて凹部を塞ぎやすくなる。
そのため、このいずれの場合にも、凹凸の凹部内に、十分な量の紙粉を収容したり、収容した紙粉を、ローラ本体2の回転に伴って、当該凹部を介して外周面5の外へスムースに排出したりできないおそれがある。そして、長期間に亘って紙送りを繰り返すと、凹部からはみ出した紙粉などによって外周面の摩擦係数が低下して、良好な通紙性能を維持できなくなる場合がある。
これに対し、輪郭曲線の最大高さRz、算術平均高さRa、および輪郭曲線要素の平均長さRSmを、いずれも上記の範囲とすることにより、研磨目6を構成する凹凸の凹部を、十分な量の紙粉を収容できる大きさとし、また凸部を、接触圧によって倒れにくい高さとすることができる。そのため、凹凸の凹部内に、十分な量の紙粉を収容したり、収容した紙粉を、ローラ本体2の回転に伴って、当該凹部を介して外周面5の外へスムースに排出したりすることができ、長期間に亘って紙送りを繰り返しても、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とそれに伴う外周面の摩擦係数の低下を抑制して、良好な通紙性能を維持することが可能となる。
ローラ本体2の外周面5に、周方向に沿う筋状の多数の研磨目6を形成するには、たとえば、あらかじめ筒状に形成したローラ本体2の外周面を、耐水研磨ペーパーを用いて、乾式研磨等すればよい。また、多数の研磨目6が形成された外周面5の、軸方向の表面粗さを、上記の範囲とするためには、たとえば、ローラ本体2の材質や硬さ等に合わせて、使用する耐水研磨ペーパーの番手を選択したり、研磨時間、研磨圧等の研磨条件を調整したりすればよい。
ローラ本体2は、従来同様に、架橋性のゴム、非架橋性の熱可塑性エラストマ、または軟質樹脂等によって形成することができる。このうち、架橋性のゴムとしては、たとえば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、クロロスルホルン化ポリエチレンゴム(CSM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、エピクロルヒドリンゴム(CO)、多硫化ゴム(T)等の1種または2種以上が挙げられる。また、非架橋性の熱可塑性エラストマとしては、たとえば、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、塩ビ系、フッ素系等の、各種の熱可塑性エラストマ等の、1種または2種以上が挙げられる。さらに、軟質樹脂としては、たとえば、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、軟質ポリエステル樹脂、低密度ポリエチレン等の、それ自体が軟質である樹脂の他、各種の樹脂に可塑剤を添加する等して軟質化したもの等の、種々の軟質樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、架橋性のゴムのうちEPDMを、単体(2種以上のEPDMを併用する場合を含む)で使用するか、またはEPDMとIRとを併用するのが好ましい。後者の併用系における質量比EPDM/IRは、50/50〜90/10程度であるのが好ましい。
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン分)を加えることで主鎖中に二重結合を導入した、架橋性を有する種々のEPDMが使用可能である。EPDMとしては、第3成分の種類や量の違いによる様々な製品が提供されている。代表的な第3成分としては、例えばエチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。
また、EPDMとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、このいずれも使用可能である。
これらEPDMの1種または2種以上を使用できる。
IRとしては、ポリイソプレン構造を有し、なおかつ架橋性を有する種々の重合体が、使用可能である。
かかるIRの1種または2種以上を使用できる。
ローラ本体2を、架橋性のゴムによって形成する場合、ゴムには、当該ゴムを架橋させるための架橋剤を配合する。架橋剤としては、たとえば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。とくに、EPDM単体、またはEPDMとIRの併用系では、架橋剤として過酸化物架橋剤が好ましい。
過酸化物架橋剤としては、たとえば、ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキシン−3、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の1種または2種以上が挙げられる。
過酸化物架橋剤の配合割合は、架橋後のローラ本体2のゴム硬さ等に応じて適宜、設定できる。
上記ゴムからなるローラ本体2を備えた紙送りローラ1を製造するには、まず、ゴムに、架橋剤や各種の添加剤を配合し、混練してゴム組成物を調製する。次いで、調製したゴム組成物を、たとえば、プレス成形、トランスファー成形、インジェクション成形、押出成形等の、各種の成形方法によって筒状に成形するとともに、ゴムを架橋させてローラ本体2を形成する。
たとえば、プレス成形、トランスファー成形、インジェクション成形等の、型を用いた成形方法では、型内にゴム組成物を充填し、型締めをして、ゴム組成物を、ローラ本体2の外観形状に対応する筒状に成形するとともに、型ごと加熱してゴムを架橋させる。また、押出成形では、筒状に押出成形し、所定の長さにカットした筒状体を、たとえば、加硫缶内で加熱してゴムを架橋させたのち、さらに必要に応じて二次架橋させて、ローラ本体2を形成する。
次いで、形成したローラ本体2を、必要に応じて所定の外径となるように研削加工、研磨等したのち、当該ローラ本体2の外周面5を、前述した研磨方法等によって研磨して、当該外周面5に、周方向に沿う筋状の多数の研磨目6を形成する。また、ローラ本体2を、所定の外径となるように研磨するのと同時に、外周面5に研磨目6を形成してもよい。それとともに、通孔3に、シャフト4を挿通して固定すると、図1に示す紙送りローラ1が製造される。
シャフト4は、たとえば、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。
型を用いた成形方法では、シャフト4は、ローラ本体2の成形後から、当該ローラ本体2の外周面5の研磨後までの任意の時点で、通孔3に挿通してローラ本体2に固定できる。あるいは、型にシャフト4をセットした状態でゴム組成物を充填して、成形および架橋させる、いわゆるインサート成形によって、ローラ本体2を形成するとともに、シャフト4を固定してもよい。また、押出成形では、筒状体のカット後から、ローラ本体2の外周面5の研磨後までの任意の時点で、シャフト4を通孔3に挿通して固定できる。
ただし、まず通孔3にシャフト4を挿通した状態で、外周面5を研磨するのが好ましい。また、押出成形では、二次架橋に先立って、通孔3にシャフト4を挿通するのが好ましい。これにより、二次架橋時の膨張収縮によるローラ本体2の反りや変形を抑制できる。また、シャフト4を中心として回転させながら研磨することで、当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面5のフレを抑制できる。
シャフト4は、通孔3の内径よりも外径の大きいものを、通孔3に圧入するか、あるいは接着剤を介して、二次架橋前の通孔3に挿通すればよい。前者の場合は、シャフト4の圧入と同時に、ローラ本体2との機械的な固定が完了する。また、後者の場合は、接着剤の乾燥固化、もしくは硬化によって、シャフト4とローラ本体2とが機械的に固定される。また、この両方を併用して、シャフト4をローラ本体2に機械的に固定してもよい。
本発明の紙送りローラは、前述したように、電子写真法を利用したレーザープリンタ等の画像形成装置や、あるいはインクジェットプリンタ、現金自動預け払い機(ATM)等の、各種機器類に組み込んで使用することができる。とくに、画像形成装置に組み込んで使用するのが好ましい。
本発明の画像形成装置は、上記本発明の紙送りローラを、たとえば、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等として組み込んだことを特徴とするものである。かかる本発明の画像形成装置としては、たとえば、レーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置が挙げられる。
以下に、本発明を、実施例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
EPDMと、過酸化物架橋剤とを含むゴム組成物を、プレス成形用の型内に充填して型締めをし、160℃で20分間加熱してゴムを架橋させて、筒状のローラ本体を形成した。
次いで、形成したローラ本体の通孔にシャフトを圧入して固定した状態で、当該シャフトを中心としてローラ本体を回転させながら、当該ローラ本体の外周面を、所定の外径となるように、耐水研磨ペーパーを用いて乾式研磨して紙送りローラを製造した。
研磨後の外周面を、実体顕微鏡を用いて観察したところ、図2に示すように、当該外周面は、ローラ本体の周方向に沿う筋状の研磨目を有していることが確認された。また、外周面上の任意の3点で、前述した日本工業規格JIS B0601:2001において規定された、当該外周面の軸方向の、輪郭曲線の最大高さRz、算術平均高さRa、および輪郭曲線要素の平均長さRSmを求めたところ、表1に示す結果が得られた。
Figure 0006955667
〈比較例1〉
実施例1と同じゴム組成物を、プレス成形用の型内に充填して型締めをし、160℃で20分間加熱してゴムを架橋させて、筒状のローラ本体を形成した。
次いで、形成したローラ本体の通孔にシャフトを圧入して固定した状態で、当該シャフトを中心としてローラ本体を回転させながら、当該ローラ本体の外周面を、所定の外径となるように、砥石を用いて研削加工して紙送りローラを製造した。
研削加工後の外周面を、実体顕微鏡を用いて観察したところ、図4に示すように、当該外周面は、ローラ本体の軸方向に沿う鱗状部が周方向に重なった状態であることが確認された。また、外周面上の任意の3点で、前述した日本工業規格JIS B0601:2001において規定された、当該外周面の周方向の、輪郭曲線の最大高さRz、算術平均高さRa、および輪郭曲線要素の平均長さRSmを測定したところ、表2に示す結果が得られた。
Figure 0006955667
〈比較例2〉
実施例1と同じゴム組成物を、プレス成形用の型内に充填して型締めをし、160℃で20分間加熱してゴムを架橋させて、筒状のローラ本体を形成した。
次いで、形成したローラ本体の通孔にシャフトを圧入して固定したものの、当該ローラ本体の外周面を研磨も研削加工もせずに紙送りローラを製造した。
外周面を、実体顕微鏡を用いて観察したところ、図5に示すように、当該外周面は、プレス成形に用いた型の型面に対応した、ほぼ平滑な状態であることが確認された。また、外周面上の任意の3点で、前述した日本工業規格JIS B0601:2001において規定された、当該外周面の周方向の、輪郭曲線の最大高さRz、算術平均高さRa、および輪郭曲線要素の平均長さRSmを測定したところ、表3に示す結果が得られた。
Figure 0006955667
〈実機試験〉
実施例、比較例で製造した紙送りローラを、モノクロ複合機〔日本ヒューレット・パッカード(株)製のHP LaserJet M4555hMFP〕に組み込んで、普通紙を連続で通紙させた。
そして、モノクロ複合機に組み込む前の初期状態の摩擦係数μ、20000枚の連続通紙後の摩擦係数μa1、および60000枚の連続通紙後の摩擦係数μa2を、それぞれ下記の測定方法によって測定した。
(摩擦係数の測定)
金属板を水平に設置し、当該金属板と紙送りローラとの間に、一端をロードセルに接続した紙〔富士ゼロックス(株)製のP紙(普通紙)〕の他端を挟んだ状態で、紙送りローラのシャフトに0.98N(=100gf)の鉛直荷重Wを加えた。
この状態で、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、紙送りローラを周速100mm/秒で回転させて、ロードセルに加わる搬送力F(gf)を測定した。
そして、測定した搬送力Fと鉛直荷重W(=100gf)とから式(1):
μ=F×0.01(gf)/W(gf) (1)
によって摩擦係数μを求めた。
(摩擦係数保持係数Sの算出)
発明者の検討によると、紙送りローラの摩擦係数は、通紙によってローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とともに、おおよそ図6に実線の曲線で示す経緯を辿る。すなわち、摩擦係数は、初期状態のμから、通紙開始とともに外周面に紙粉が圧着され始めることで急速に低下し、外周面に圧着される紙粉の数が飽和に近づくにつれて、低下が徐々に緩やかになる傾向を示す。
たとえば、通紙枚数0枚からa枚までの間、紙送りを繰り返した際に、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とそれに伴う外周面の摩擦係数の低下とを抑制して、良好な通紙性能を維持できるか否かは、図6の縦軸および横軸と、曲線と、横軸のaを通る縦の破線とで囲まれた領域の面積で決まる。つまり、この面積が大きいほど、良好な通紙性能を維持できることを意味している。
そこで、発明者は、できるだけ簡易的に面積の大小を評価するために、上記の曲線を、図中に一点鎖線で示すように、途中、通紙枚数aの時点で屈曲する直線で近似させて、通紙枚数0枚からa枚までの前期の面積
=(μ+μa1)×a÷2 (2)
と、通紙枚数a枚からa枚までの後期の面積
=(μa1+μa2)×(a−a)÷2 (3)
とを求めた。そして、式(4)
S=S+S (4)
で求められる合計の面積Sを、摩擦係数保持係数として、その代償により、通紙枚数0枚からa枚までの間、良好な通紙性能を維持できるか否かを評価することとした。
また、画像形成装置における一般的な紙送りローラの耐用通紙枚数等を考慮して、前述したように、aは60000枚、aは20000枚に設定した。
評価結果を表4に示す。なお表では、摩擦係数保持係数Sを、1/1000の数値で示している。
Figure 0006955667
表4の結果より、ローラ本体の外周面に、周方向に沿う筋状の研磨目を形成した実施例1は、軸方向に沿う鱗状の研磨目を形成した比較例1や、ほぼ平滑な比較例2に比べて、長期間に亘って紙送りを繰り返しても、ローラ本体の外周面に圧着される紙粉の数の増加とそれに伴う外周面の摩擦係数の低下を抑制して、良好な通紙性能を維持できることが判った。
1 紙送りローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 研磨目
、a 通紙枚数
μ、μa1、μa2 摩擦係数

Claims (2)

  1. 弾性体からなる筒状のローラ本体を含み、前記ローラ本体の外周面は、周方向に沿う筋状の研磨目を有し、かつ前記外周面は、軸方向の表面粗さが、日本工業規格JIS B0601:2001において規定された、輪郭曲線の最大高さRz:6.3μm以上、8.6μm以下、算術平均高さRa:1.1μm以上、1.2μm以下で、かつ輪郭曲線要素の平均長さRSm:8.9μm以上、11.2μm以下である紙送りローラ。
  2. 前記請求項に記載の紙送りローラを含む画像形成装置。
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