JP6954878B2 - 水中受波装置 - Google Patents
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Description
前記水中部または前記受波器に方位センサが設けられ、
前記方位センサの角速度と角加速度と前記各受波器の方位角のずれを算出して方位角補正値を対応させて記憶した方位角補正値記憶部を備え、
前記方位センサから得た角速度及び角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正する方位角補正部を備えたことを特徴とする水中受波装置である。
また本発明は、
フロート部、複数の受波器、水中部がケーブルで接続され、前記水中部または前記受波器に方位センサが設けられた水中受波装置の方位角補正方法であって、
前記方位センサの角速度と角加速度と前記各受波器の方位角のずれを算出して方位角補正値を対応させて記憶しておき、
前記方位センサから得た角速度及び角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正することを特徴とする方位角補正方法である。
図1〜図5を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
構成の説明)
図1は、左側の(a)が水中受波装置100の全体構成、中央の(b)が受波器アレイ4及び水中部5の構成、右側の(c)が受波器アレイ4を構成する受波器S1〜S5の構造を示す斜視図である。本実施形態の水中受波装置100は、水面1に浮かんでいるフロート部2、水中に沈んでいる受波器アレイ4及び水中部5並びにフロート部2と水中部5を接続する吊下ケーブル3を備える。
受波器S1〜S5はそれぞれ、水平方向に直交するSIN指向性28とCOS指向性29を有する。電歪振動子12が水中の音波により振動することにより発生した電気信号を、水中部5に内蔵するプリアンプ30へ出力する。プリアンプ30は、入力した電気信号をA/D(Analog/Digital)変換部31の入力レンジに適合する電圧に増幅してA/D変換部31へ出力する。
角速度(deg/秒)=
=(今回の方位角(deg)−前回の方位角(deg))÷時間間隔(秒)
角加速度(deg/秒2)=
=(今回の角速度(deg/秒)−前回の角速度(deg/秒))÷時間間隔(秒)
一般に方位角は北から東回りで示されるので、角速度(deg/秒)が正の値の場合は右回り(時計回り)、角速度(deg/秒)が負の値の場合は左回り(反時計回り)となる。
<吊下ケーブルの回転運動>
上述のように、ドラムに巻かれている状態での吊下ケーブル3の捻じれを解消するために、フロート部2のドラムから吊下ケーブル3を繰り出すと(展張させると)、吊下ケーブル3が回転する。つまり図2(c)に示すように、受波器アレイ4を構成する受波器及び水中部5を吊下する吊下ケーブル3を捻じる回転運動となる。図2は、吊下ケーブル3が捻じれを解消するために回転し、受波器アレイ4を構成する受波器S1〜S5及び水中部5がそれぞれ異なる方向を指向する様子を示す。
<水槽実験による方位角補正値テーブル作成>
上述のように、吊下ケーブル3が捻じれを解消しようとして生じる回転運動によって、各受波器S1〜S5の角度(θ1〜θ5)と水中部5の角度(θ6)にはずれがある。このずれを補正するには、予め水中部の角速度及び角加速度毎の個々の受波器の受波信号の方位ずれを水槽実験で検証して、その方位ずれを補正する補正値(角度)をテーブルの形で記憶しておく。水中受波装置を実際に水中に投下したときの角速度、角加速度の測定値で補正値テーブルを参照し補正値を引き出して補正する。言い換えると、水中部の角速度と角加速度から、水中部が図3の角速度変化のカーブのどこにいるかが分かる。補正値テーブルは、水中部の角速度及び角加速度毎の、個々の受波器の受波信号の方位ずれを補正する角度を記憶してあるので、個々の受波器の補正値が分かる。
(1)前もって受波器S1〜S5に方向の目印となる線(マーク)を書き込む。
(2)水中受波装置を水槽に入れ、モータ等を使って水槽中で吊下ケーブルに所定の大きさの捻じれを模擬した角速度及び角加速度の回転運動を生じさせる。(角速度及び角加速度が同じであれば、捻じれを解放する回転運動でもモータ等で吊下ケーブルを回す回転運動でも、受波器S1〜S5の回転角度は同じになるので、モータによる回転で捻じれの解放による回転を模擬できる。)
(3)受波器S1〜S5が回転する様子を水中ビデオカメラで撮影し、受波器S1〜S5の目印の線の角度を所定の時間間隔で測定する。目印の線の角度とは例えば磁北からのずれの角度である。これと並行して同じ時刻の水中部5の角度を方位センサ11で測定する。目印の線の角度の測定と方位センサ11の方位角の測定とはタイミングを合わせて行うとよい。
(4)水中受波装置を巻いておくドラムの種類が複数あるなど、捻じれの大きさ(に起因する回転運動の大きさ)が複数想定される場合は、モータの回転数を変えて、(2)とは異なる大きさの捻じれを模擬した角速度と角加速度の回転運動を生じさせ、(3)の測定を行う。
<方位角の計算>
受波器S1〜S5から出力される、方位誤差を含んだ補正前のSIN指向性28と補正前のCOS指向性29を、方位センサ11から得られる角速度と角加速度のデータとで補正して、補正後のSIN指向性35及び補正後のCOS指向性36を得る信号処理方法を、図4を用いて説明する。
受波器S1の補正後のSIN指向性=
=S1の受波信号レベルのデジタルデータ×COS(水中部方位角(deg)+S1の方位角補正値(deg))
受波器S1の補正後のCOS指向性=
S1の受波信号レベルのデジタルデータ×SIN(水中部方位角(deg)+S1の方位角補正値(deg))
上記計算式は受波器S1の場合であるが、受波器S2〜S5の場合も方位角補正値を該当する受波器に置き換えて計算する。
以上説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を奏する。
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態の水中受波装置600を示す図である。
(他の実施形態)
第1の実施形態では方位センサ11は水中部5に設けた。しかし水中部5でなく受波器S1〜S5のどれかに設置してもよい。
また方位センサとして第1の実施形態では地磁気センサを用いたが、ジャイロセンサ等他のタイプの方位センサでもよいことは明らかである。
2、62 フロート部
3、63 吊下ケーブル
4、64 受波器アレイ
S1、S2、S3、S4、S5、S61、S62、S63、S64、S65 受波器
5 水中部
11 方位センサ
12 電歪振動子
13 樹脂モールド部分
14 吊下ケーブル接続孔
15 正回転運動
16 逆回転運動
17 角速度時間変化
21、22 回転方向変化周期
24 正回転運動加速フェーズ
25 正回転運動減速フェーズ
26 逆回転運動減速フェーズ
28 補正前のSIN指向性
29 補正前のCOS指向性
30 プリアンプ
31 A/D変換部
32 角速度・角加速度計算部
33 方位角補正値取得部
34 方位角補正計算部
35 補正後のSIN指向性
36 補正後のCOS指向性
40 テーブル保持メモリ
66 方位センサ
70 方位角補正値記憶部
80 方位角補正部
100,600 水中受波装置
300 方位計算回路
Claims (9)
- フロート部、複数の受波器、水中部と、それらを接続する吊下ケーブルで接続され、
前記水中部または前記受波器に、方位角を出力する方位センサが設けられ、
前記水中部に方位角補正値記憶部と方位角補正部が設けられ、
前記方位角補正値記憶部は、前記方位センサから出力された前記方位角から算出した角速度及び角加速度と、前記各受波器の受波信号の方位ずれを示す方位角補正値とを対応させて記憶し、
前記方位角補正部は、前記角速度及び前記角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正することを特徴とする水中受波装置。 - 前記方位角補正値記憶部は、前記吊下ケーブルの捻じれによる前記方位センサの回転運動によって変化する角速度と角加速度と、前記回転運動によって生じる前記各受波器の受波信号の方位ずれを示す方位角補正値、を対応させたものである請求項1に記載の水中受波装置。
- 前記方位角補正値記憶部は、
水槽中で前記吊下ケーブルに捻じれを模擬した角速度及び角加速度の回転運動を生じさせて前記各受波器及び前記水中部の角度を測定して得た、角速度と角加速度に対する補正テーブルである請求項1または2に記載の水中受波装置。 - 前記水中部は、
前記方位センサの方位角の時間変化から前記方位センサの角速度を計算し、前記角速度の時間変化から角加速度を計算する角速度・角加速度計算部、
前記角速度・角加速度計算部から出力される前記角速度と角加速度と、それに対応する前記各受波器の方位角補正値を前記方位角補正値記憶部から得る方位角補正値取得部、
前記方位角補正値取得部から出力される方位角補正値で前記各受波器から出力される受波信号を補正する方位角補正計算部、
を備えた請求項3に記載の水中受波装置。 - 前記受波器はそれぞれ、水平方向に直交するSIN指向性とCOS指向性を有し、
前記方位角補正計算部は、前記方位ずれによる方位誤差を含んだSIN指向性とCOS指向性を、対応する前記各受波器の方位角補正値で補正する請求項4に記載の水中受波装置。 - 前記複数の受波器の間及び前記受波器と前記水中部の間の吊下ケーブルは複数本のケーブルで接続されている請求項1から5のいずれか一項に記載の水中受波装置。
- 前記受波器は、円盤状であり、中央部に前記複数本のケーブルが通る穴を備え、前記中央部の外側が音響センサである請求項6に記載の水中受波装置。
- 前記方位センサは地磁気センサである請求項1から7のいずれか一項に記載の水中受波装置。
- フロート部、複数の受波器、水中部がケーブルで接続され、前記水中部または前記受波器に方位角を出力する方位センサが設けられた水中受波装置の方位角補正方法であって、
前記水中部に方位角補正値記憶部と方位角補正部が設けられ、
前記方位角補正値記憶部は、前記方位センサから出力された前記方位角から算出した角速度及び角加速度と、前記各受波器の方位角のずれを示す方位角補正値とを対応させて記憶し、
前記方位角補正部は、前記角速度及び前記角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正することを特徴とする方位角補正方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018192843A Active JP6954878B2 (ja) | 2018-10-11 | 2018-10-11 | 水中受波装置 |
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