JP6954878B2 - 水中受波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水中受波装置に関し、特に方位測定に用いられる水中受波装置に関する。
水中受波装置は、航空機から水中に投下され、航空機が空中を飛行しながらにして、水中を潜航する水中航走体を検出する用途に有効である。
複数の受波器により構成する受波器アレイを有する水中受波装置は、垂直指向性により水面や水底の方向から到来する雑音を抑制し、音源となる水中航走体の水平方位を検出することができる高性能な水中受波装置である。
特許文献1に記載の水中受波装置は、同文献第3図に示すように、漁船105から吊り下げたケーブル106に複数個の受波器102を垂直、直線状に取り付け、各受波器102の各出力を加算している。同様に、特許文献2の方位検出装置は、N個の受波器を直線配列した受波器アレイと、各受波器の出力に基づき空間周波数を分析し到来音波の方位データを形成する方位データ形成部を備えている。
特公昭57-019389号公報 特許第2580855号
吊下ケーブルは通常100mを超えるほどに長いため、吊下げない時はドラムに巻き取ってあるが、巻かれた状態では吊下ケーブルには捻じれが発生している。ドラムに巻かれた吊下ケーブルがフロート部のドラムから水中に繰り出される時、捻じれを解放しようとして吊下ケーブルが水中で回転する。吊下ケーブルが回転するのにつられて受波器アレイも回転運動するので、回転がない場合に比べて受波器の受波信号の方位にずれが生じる。そのため受波信号から計算する音源の方位にずれが生じる。しかも吊下ケーブルが捻じれるので各受波器の受波信号の方位ずれの値がそれぞれ異なる。特許文献1、2にはこのような吊下ケーブルの回転運動に起因する方位ずれとその補正について何も述べていない。
本発明の目的は、以上述べた問題点を解決し、吊下ケーブルの回転運動に起因する方位ずれを補正できる水中受波装置を提供することである。
本発明は、フロート部、複数の受波器、水中部とそれらを接続する吊下ケーブルを備え、
前記水中部または前記受波器に方位センサが設けられ、
前記方位センサの角速度と角加速度と前記各受波器の方位角のずれを算出して方位角補正値を対応させて記憶した方位角補正値記憶部を備え、
前記方位センサから得た角速度及び角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正する方位角補正部を備えたことを特徴とする水中受波装置である。
また本発明は、
フロート部、複数の受波器、水中部がケーブルで接続され、前記水中部または前記受波器に方位センサが設けられた水中受波装置の方位角補正方法であって、
前記方位センサの角速度と角加速度と前記各受波器の方位角のずれを算出して方位角補正値を対応させて記憶しておき、
前記方位センサから得た角速度及び角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正することを特徴とする方位角補正方法である。
本発明によれば、吊下ケーブルの回転運動に起因する方位のずれを補正できる水中受波装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態の水中受波装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態で、吊下ケーブルにより水中に吊り下げられた受波器アレイ及び水中部が吊下ケーブルの捻じれを解消するために回転する様子を示す図である。 本発明の第1の実施形態で、吊下ケーブルの回転運動により受波器アレイと水中部が回転する角速度の時間変化を示す。図である。 本発明の第1の実施形態で、水中部における受波器の受波信号の方位ずれを補正する計算処理の構成を示す図である。 水中部の角速度と角加速度が所定の範囲で変動した場合の、各受波器S1〜S5の受波信号の補正すべき角度(方位角補正値)を、水槽実験で求めたテーブルである。 本発明の第2の実施形態の水中受波装置の構成を示す図である。
(第1の実施形態)
図1〜図5を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
構成の説明)
図1は、左側の(a)が水中受波装置100の全体構成、中央の(b)が受波器アレイ4及び水中部5の構成、右側の(c)が受波器アレイ4を構成する受波器S1〜S5の構造を示す斜視図である。本実施形態の水中受波装置100は、水面1に浮かんでいるフロート部2、水中に沈んでいる受波器アレイ4及び水中部5並びにフロート部2と水中部5を接続する吊下ケーブル3を備える。
受波器アレイ4は図1(b)に示すように5個の受波器S1〜S5を備える。5個の受波器S1〜S5の間は一定間隔である。水中部5は最下部の受波器S5と吊下ケーブル3で接続されている。受波器アレイ4を構成する5個の受波器S1〜S5と水中部5は3本のケーブルにより同じ方向を指向する構造としている。
フロート部2は、吊下ケーブル3、受波器アレイ4及び水中部5の水中重量の合計よりも大きな浮力を有しており、水面1に浮かんでいる。
吊下ケーブル3は、フロート部2、受波器アレイ4及び水中部5を接続する電線であるとともに、フロート部2の浮力により受波器アレイ4及び水中部5が沈下するのを防いでおり、吊下ケーブル3自身、受波器アレイ4及び水中部5の水中重量によるテンションがかかっている。受波器アレイ4から水中部5までの吊下ケーブル3は複数本、ここでは三本のケーブルで構成される。そのため水中重量によるテンションが加わっても吊下ケーブルが捻じれにくく、受波器アレイ4と水中部5が同じ水平方向を指向する構造になっている。
受波器S1〜S5はそれぞれ、水平方向に直交するSIN(サイン)指向性とCOS(コサイン)指向性を有する。個々の受波器は、円盤状で、外周部分を占め水平方向からの水中音波を検知する音響センサである電歪振動子12と、中央部分の樹脂モールド部分13を備える。樹脂モールド部分13は中央に穴が3つ開いたリング状であり、合成樹脂でモールドされている。吊下ケーブル3を介して受波器S1〜S5の間で吊下ケーブル3を介して相互に振動が伝わりにくいようにするため、樹脂モールド部分は柔らかい材質にするとよい。この樹脂モールド部分13の外側に電歪振動子12が設けられている。
樹脂モールド部分13の中央部分には吊下ケーブル接続孔14が開口されている。吊下ケーブル接続孔14は正三角形の頂点の位置に設けられる。
水中部5は方位センサ11と方位計算回路300を備える。本実施形態では方位センサとして地磁気センサを用いる。図4に示すように、方位計算回路300には、受波器アレイ4を構成する受波器S1〜S5から受波信号が入力され、また方位センサ11からは方位角を示す信号が入力され、それらをデジタル信号処理して対象の水中航走体の方位を計算する。方位センサ11は、地磁気に基づいて計算した水平方位角を1秒あたり20〜50回の一定間隔で出力する。
方位計算回路300について説明する。方位計算回路300は方位角補正部に相当する。
受波器S1〜S5はそれぞれ、水平方向に直交するSIN指向性28とCOS指向性29を有する。電歪振動子12が水中の音波により振動することにより発生した電気信号を、水中部5に内蔵するプリアンプ30へ出力する。プリアンプ30は、入力した電気信号をA/D(Analog/Digital)変換部31の入力レンジに適合する電圧に増幅してA/D変換部31へ出力する。
A/D変換部31は、入力した電気信号をデジタルデータに変換し、方位角補正計算部34へ出力する。方位センサ11は、1秒間に20〜50回の一定周期で水中部が指向する磁気方位を角速度・角加速度計算部32へ出力する。
角速度・角加速度計算部32は、方位センサ11から入力した水中部の方位角について、過去の一定時間分の方位角を記憶し、前回入力した方位角、今回入力した最新の方位角及び方位角を入力した時間間隔から水中部5の回転における角速度及び角加速度を計算し、方位角補正値取得部33に出力する。具体的には以下のとおりに計算する。
角速度(deg/秒)=
=(今回の方位角(deg)−前回の方位角(deg))÷時間間隔(秒)
角加速度(deg/秒2)=
=(今回の角速度(deg/秒)−前回の角速度(deg/秒))÷時間間隔(秒)
一般に方位角は北から東回りで示されるので、角速度(deg/秒)が正の値の場合は右回り(時計回り)、角速度(deg/秒)が負の値の場合は左回り(反時計回り)となる。
方位角補正値取得部33は、受波器アレイと水中部5の正回転運動または逆回転運動が、図3に示す角速度時間変化17におけるどのフェーズにあるか判定し、各受波器S1〜S5の受波信号の方位角の補正値を以下の(動作の説明)の欄で述べる方法により決定して、方位角補正計算部34へ出力する。方位角補正計算部34はA/D変換部31から入力したSIN指向性28またはCOS指向性29のデジタルデータを、方位角補正値取得部33からの方位角補正値で補正する。このようにして補正後のSIN指向性35(地磁気の磁北を基準とした南北方向の水平指向性)または補正後のCOS指向性36(地磁気の磁北を基準とした東西方向の水平指向性)を計算する。これによって音波の到来方向を計算することができる。
(動作の説明)
<吊下ケーブルの回転運動>
上述のように、ドラムに巻かれている状態での吊下ケーブル3の捻じれを解消するために、フロート部2のドラムから吊下ケーブル3を繰り出すと(展張させると)、吊下ケーブル3が回転する。つまり図2(c)に示すように、受波器アレイ4を構成する受波器及び水中部5を吊下する吊下ケーブル3を捻じる回転運動となる。図2は、吊下ケーブル3が捻じれを解消するために回転し、受波器アレイ4を構成する受波器S1〜S5及び水中部5がそれぞれ異なる方向を指向する様子を示す。
図2(a)は図1(b)と同じ図で、正回転運動15と逆回転運動16の方向を示してある。図2(b)は吊下ケーブル3が回転していない状態を横から見た図、(c)は吊下ケーブル3が回転している状態を横から見た図である。図2(d)は受波器S1〜S5の正回転運動による吊下ケーブルの捻じれによって、各受波器と水中部5が互いに異なる角度(θ1〜θ6)になる(捻じれる)様子を示す。図2(e)は同様に受波器S1〜S5の逆回転運動による吊下ケーブルの捻じれによって、各受波器と水中部5が互いに異なる角度(θ1’〜θ6’)になる(捻じれる)様子を示す。複数の受波器により構成する受波器アレイを有する水中受波装置は、受波器が水平方向の指向性を有するため、各受波器と水中部が同じ方向を向くことが望ましいが、捻じれによって互いに異なる方向に向く。
図3は吊下ケーブル3の展張時に吊下ケーブルがフロート部のドラムから繰り出される際に吊下ケーブルの捻じれを解消するため発生する回転運動の初期の部分を示す。図3の縦軸は水中部または受波器の角速度、横軸は展張開始からの時間経過である。正回転運動15が右回りなのか左回りなのかについては、吊下ケーブルをドラムに巻き取る際の捻じれの方向によって決まる。回転の最初の回転運動を正回転運動15(ここでは右回り)とする。
最初の正回転運動は2つのフェーズに分かれる。まず吊下ケーブルが展張直後に初期の捻じれを解消するため、正回転運動の角加速度が加速する(図3の正回転運動加速フェーズ24)。吊下ケーブルの初期の捻じれが解消した後も、吊下ケーブル、受波器アレイ及び水中部の水中重量による慣性モーメントにより吊下ケーブルが正回転を続ける結果、吊下ケーブルを逆方向に捻じれる運動エネルギーが蓄積され、正回転運動の角加速度が減速する(図3の正回転運動減速フェーズ25)。
次に吊下ケーブル3において、初期の慣性モーメントによる正回転運動のエネルギーよりも二次的な慣性モーメントにより生じた捻じれを解消する逆回転運動のエネルギーの方が大きくなり、回転方向が反転し、逆回転運動の角加速度が加速する(図3の逆回転運動減速フェーズ26)。
逆回転運動により二次的な吊下ケーブルの捻じれが解消後、吊下ケーブル、受波器アレイ及び水中部の水中重量による二次的な慣性モーメントにより吊下ケーブルが逆回転運動を続け、吊下ケーブルに三次的な捻じれが生じたことによる正回転運動のエネルギーが蓄積され、逆回転運動の角加速度が減速する(図3の逆回転運動減速フェーズ27)。
また水中での摩擦抵抗によって時間経過とともに回転方向の変化周期が長くなり、最大角速度が小さくなる。図3でいえば最初の回転方向変化周期21が、四周期目には回転方向変化周期22と長くなり、最大回転数角速度時間変化に差(図3の23)が生じる。捻じれ解消の回転運動は数十分間継続すると考えられる。
また吊下ケーブル3の捻じれは、吊下ケーブル3、受波器アレイ4及び水中部5を回転させる慣性モーメント及び重力に逆らって持ち上げる位置エネルギーに変換され、それらの間隔がL1〜L5からL1’〜L5’に示すように短くなる。
図2(b)、(c)においてL1〜L5は、正回転運動または逆回転運動をしていない状態の受波器S1〜S5及び水中部5の間隔を示す。また図2においてL1’〜L5’は、受波器アレイ及び水中部が正回転運動または逆回転運動を行っている状態の受波器S1〜S5及び水中部5の間隔を示す。正回転運動または逆回転運動により三本の吊下ケーブルが捻じれるため、受波器S1〜S5及び水中部5が重力に逆らって上の方向へ引っ張られて上昇する。なお図2ではL1〜L5、L1’〜L5’をそれぞれ同じ長さ(同じ間隔)に表示しているが、受波器S1〜S5及び水中部5の間の吊下ケーブル3に加わる慣性モーメントがそれぞれ異なると、間隔もそれぞれ異なる。
図2(d)においてθ1〜θ6は、正回転運動を行っている状態の受波器S1〜S5及び水中部5のある瞬間の指向方向を示す。吊下ケーブルが展張した直後である初期の正回転運動は上から下へ回転運動が伝わるため、一番上位にあるθ1が最も大きく、一番下位にあるθ6が最も小さい。
また図2(e)においてθ1’〜θ6’は、逆回転運動を行っている状態の受波器S1〜S5及び水中部5のある瞬間の指向方向を示す。逆回転運動は下から上へ回転運動が伝わるため、一番下位にあるθ6’が最も大きく、一番上位にあるθ1’が最も小さい。
吊下ケーブル3の捻じれを解消する正回転運動15及び逆回転運動16のエネルギーは、受波器アレイ4及び水中部5を接続する三本の吊下ケーブル3を捻じる力として伝わるため、その回転エネルギーの伝搬には時間差が生じる。そのためある瞬間の各受波器と水中部は少しずつずれた方向を向く。
例えば最初の正回転運動15が右回りの場合は、図2のθ1〜θ6に示すように上から下へ順番に回転運動が伝わるため、正回転運動15により生じるθ1〜θ6の角度は、最上部に位置する受波器S1のθ1が最も大きく、θ2、θ3・・・と段々小さくなり、最下部に位置する水中部5のθ6が最も小さい。つまりθ1〜θ6はそれぞれ異なる値を取る。
また例えば逆回転運動16が左回りの場合は、図2(e)のθ1’〜θ6’に示すように下から上へ順番に逆回転運動16が伝わるため、θ1’〜θ6’の角度は最下部に位置する水中部5のθ6’が最も大きく、θ5’、θ4’・・・と段々小さくなり、最上部に位置する受波器S1のθ1’が最も小さい。つまりθ1’〜θ6’はそれぞれ異なる値を取る。
<水槽実験による方位角補正値テーブル作成>
上述のように、吊下ケーブル3が捻じれを解消しようとして生じる回転運動によって、各受波器S1〜S5の角度(θ1〜θ5)と水中部5の角度(θ6)にはずれがある。このずれを補正するには、予め水中部の角速度及び角加速度毎の個々の受波器の受波信号の方位ずれを水槽実験で検証して、その方位ずれを補正する補正値(角度)をテーブルの形で記憶しておく。水中受波装置を実際に水中に投下したときの角速度、角加速度の測定値で補正値テーブルを参照し補正値を引き出して補正する。言い換えると、水中部の角速度と角加速度から、水中部が図3の角速度変化のカーブのどこにいるかが分かる。補正値テーブルは、水中部の角速度及び角加速度毎の、個々の受波器の受波信号の方位ずれを補正する角度を記憶してあるので、個々の受波器の補正値が分かる。
角速度と角加速度の両方を使う理由は次の通りである。図3に示すように、水中部(と各受波器)は減衰しながら何回も回転する。そのため水中部5の方位センサ11の示す水中部5の方位角とそこから各受波器がどれだけ捻じれたか(どれだけ角度ずれがあるか)の関係は一対一対応しない。つまり水中部5の指向方位角がある一つの値でも、それに対応する各受波器の方位角補正値は複数ある。そのため水槽実験して水中部5の指向方位角とそれに対応する各受波器の方位角補正値を得ても、複数の方位角補正値のうちどれを適用していいか分からない。しかし角速度と角加速度の両方を考慮すると同じ組み合わせのものはない(角速度が符号も含めて同じでも角加速度は異なる)ため、水中部が図3のカーブのどこにいるかを特定できる。そのため水槽実験で角速度、角加速度を両方とも測り、それらに合う方位角補正値と対応させると、正しい補正が可能になる。
図5は水中部5の角速度が0.0〜10.0deg/sec、角加速度が0〜10.0deg/sec2の範囲で変動した場合の、各受波器S1〜S5の補正すべき角度(方位角補正値)を、水槽実験で求めた方位角補正値テーブルである。
方位角補正値テーブルの求め方を以下に説明する。
(1)前もって受波器S1〜S5に方向の目印となる線(マーク)を書き込む。
(2)水中受波装置を水槽に入れ、モータ等を使って水槽中で吊下ケーブルに所定の大きさの捻じれを模擬した角速度及び角加速度の回転運動を生じさせる。(角速度及び角加速度が同じであれば、捻じれを解放する回転運動でもモータ等で吊下ケーブルを回す回転運動でも、受波器S1〜S5の回転角度は同じになるので、モータによる回転で捻じれの解放による回転を模擬できる。)
(3)受波器S1〜S5が回転する様子を水中ビデオカメラで撮影し、受波器S1〜S5の目印の線の角度を所定の時間間隔で測定する。目印の線の角度とは例えば磁北からのずれの角度である。これと並行して同じ時刻の水中部5の角度を方位センサ11で測定する。目印の線の角度の測定と方位センサ11の方位角の測定とはタイミングを合わせて行うとよい。
(4)水中受波装置を巻いておくドラムの種類が複数あるなど、捻じれの大きさ(に起因する回転運動の大きさ)が複数想定される場合は、モータの回転数を変えて、(2)とは異なる大きさの捻じれを模擬した角速度と角加速度の回転運動を生じさせ、(3)の測定を行う。
このように測定を行っておいて、水中部5の方位角、角速度(deg/秒)及び角加速度(deg/秒2)から受波器S1〜S5の指向方位角を推定する方位角補正値(deg)を決定する。
なお、吊下ケーブルの捻じれを解消するために発生する回転運動は、水中受波装置の型式、例えば、吊下ケーブルの長さ、装置の重さ、受波器の数や互いの間隔等のパラメータにより異なるので、型式毎に図5のような補正テーブルを作成する。この補正テーブルはテーブル保持メモリ40に記憶させておく。テーブル保持メモリ40は方位角補正値記憶部に相当するものであり、方位センサの角速度と角加速度から、と前記各受波器の受波信号の方位角のずれである方位角補正値を対応させて記憶しているものである。
初期の水中部5の角速度(deg/秒)が正の値の場合は正回転運動15が右回り、負の値の場合は正回転運動15が左回りと判定し、逆回転運動16は正回転運動15の反対方向の回転運動と判定する。
なお図5の補正テーブルで、方位センサの角加速度(deg/秒2)が正の値の場合しか記載していない。理由は、正回転運動による方位角補正値と逆回転運動による方位角補正値は、プラスとマイナスの符号が異なるが絶対値としては近い値であるため、方位センサの角加速度が負の値の場合を省略したためである。
<方位角の計算>
受波器S1〜S5から出力される、方位誤差を含んだ補正前のSIN指向性28と補正前のCOS指向性29を、方位センサ11から得られる角速度と角加速度のデータとで補正して、補正後のSIN指向性35及び補正後のCOS指向性36を得る信号処理方法を、図4を用いて説明する。
方位誤差を含んだ受波信号であるSIN指向性28とCOS指向性29の信号はそれぞれプリアンプ30に入力され、後段のA/D変換部31の入力レンジに適合する電圧に増幅される。A/D変換部31は、入力した電気信号をデジタルデータに変換し、方位角補正計算部34へ出力する。一方、方位センサ11は、1秒間に20〜50回の一定周期で水中部5が指向する磁気方位のデータを角速度・角加速度計算部32へ出力する。角速度・角加速度計算部32はこのデータを受け、上述の(信号処理回路)で述べたように角速度と角加速度を計算する。方位角補正値取得部33は、算出された角速度と角加速度から、受波器アレイ4と水中部5の正回転運動(または逆回転運動)が、図3に示す角速度時間変化17におけるどのフェーズにあるか(角速度時間変化のカーブのどの地点にいるか)を判定する。判定後、方位角補正値取得部33はその角速度と角加速度の組合せに対応する受波器S1〜S5の方位角補正値をテーブル保持メモリ40から呼び出す。方位角補正値は個々の受波器で異なるので、方位角補正値取得部33は各受波器S1〜S5毎の方位角補正値を方位角補正計算部34に出力する。方位角補正計算部34はA/D変換部31から入力したSIN指向性28またはCOS指向性29の受波信号レベルのデジタルデータを、方位角補正値取得部33からの方位角補正値で補正する。このようにして補正後のSIN指向性35及び補正後のCOS指向性36を計算する。具体的には以下のような計算を行う(S1のみ示す)。
受波器S1の補正後のSIN指向性=
=S1の受波信号レベルのデジタルデータ×COS(水中部方位角(deg)+S1の方位角補正値(deg))
受波器S1の補正後のCOS指向性=
S1の受波信号レベルのデジタルデータ×SIN(水中部方位角(deg)+S1の方位角補正値(deg))
上記計算式は受波器S1の場合であるが、受波器S2〜S5の場合も方位角補正値を該当する受波器に置き換えて計算する。
補正後のSIN指向性35は、地磁気の磁北を基準とした南北方向の指向性を示すデジタルデータである。同様に、補正後のCOS指向性36は、地磁気の磁北を基準とした東西方向の指向性を示すデジタルデータである。補正後のSIN指向性35と補正後のCOS指向性36から、吊下ケーブルの捻じれの影響を除外した、音波が来る正確な方角を計算することができる。
(実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態においては、以下に記載するような効果を奏する。
吊下ケーブルの捻じれによる回転運動のために、方位センサで計測した方位角と受波器アレイを構成する複数の受波器で計測した受波信号から計算する方位角にずれが発生するのを補正でき、水中受波装置による受信音波の到来方向の水平方位角のずれを改善できること。
また受波器を垂直方向に配置した受波器アレイの垂直指向性について、受波器の水平方向の指向性のずれが改善することにより、複数の電歪振動子から得られる水平方位角毎に計算する垂直方向の指向性も改善できる。
さらに、水中部に方位センサを1個設けるだけで、方位センサと複数の受波器の方位角のずれを補正できる。
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態の水中受波装置600を示す図である。
フロート部62、複数の受波器S61〜S65、水中部65は吊下ケーブル63で接続されている。方位センサ66は水中部65または受波器に設けられている。方位角補正値記憶部70は方位センサ66の方位角から得た角速度と角加速度から、各受波器S61〜S65の受波信号の方位角のずれを算出して、各受波器の方位角補正値を記憶している。方位角補正部80は、方位センサ66から得た角速度及び角加速度に対応する方位角補正値を用いて各受波器の方位角を補正する。
このようにすると、ケーブルの捻じれを解消しようとして発生する受波器と水中部の回転運動に起因してそれらの方位角にずれが生じても補正することができる。
(他の実施形態)
第1の実施形態では方位センサ11は水中部5に設けた。しかし水中部5でなく受波器S1〜S5のどれかに設置してもよい。
また方位センサとして第1の実施形態では地磁気センサを用いたが、ジャイロセンサ等他のタイプの方位センサでもよいことは明らかである。
1 水面
2、62 フロート部
3、63 吊下ケーブル
4、64 受波器アレイ
S1、S2、S3、S4、S5、S61、S62、S63、S64、S65 受波器
5 水中部
11 方位センサ
12 電歪振動子
13 樹脂モールド部分
14 吊下ケーブル接続孔
15 正回転運動
16 逆回転運動
17 角速度時間変化
21、22 回転方向変化周期
24 正回転運動加速フェーズ
25 正回転運動減速フェーズ
26 逆回転運動減速フェーズ
28 補正前のSIN指向性
29 補正前のCOS指向性
30 プリアンプ
31 A/D変換部
32 角速度・角加速度計算部
33 方位角補正値取得部
34 方位角補正計算部
35 補正後のSIN指向性
36 補正後のCOS指向性
40 テーブル保持メモリ
66 方位センサ
70 方位角補正値記憶部
80 方位角補正部
100,600 水中受波装置
300 方位計算回路

Claims (9)

  1. フロート部、複数の受波器、水中部と、それらを接続する吊下ケーブルで接続され、
    前記水中部または前記受波器に、方位角を出力する方位センサが設けられ、
    前記水中部に方位角補正値記憶部と方位角補正部が設けられ、
    前記方位角補正値記憶部は、前記方位センサから出力された前記方位角から算出した角速度及び角加速度と前記各受波器の受波信号の方位ずれを示す方位角補正値を対応させて記憶
    前記方位角補正部は、記角速度及び前記角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正することを特徴とする水中受波装置。
  2. 前記方位角補正値記憶部は、前記吊下ケーブルの捻じれによる前記方位センサの回転運動によって変化する角速度と角加速度と、前記回転運動によって生じる前記各受波器の受波信号の方位ずれを示す方位角補正値、を対応させたものである請求項1に記載の水中受波装置。
  3. 前記方位角補正値記憶部は、
    水槽中で前記吊下ケーブルに捻じれを模擬した角速度及び角加速度の回転運動を生じさせて前記各受波器及び前記水中部の角度を測定して得た、角速度と角加速度に対する補正テーブルである請求項1または2に記載の水中受波装置。
  4. 前記水中部は、
    前記方位センサの方位角の時間変化から前記方位センサの角速度を計算し、前記角速度の時間変化から角加速度を計算する角速度・角加速度計算部、
    前記角速度・角加速度計算部から出力される前記角速度と角加速度と、それに対応する前記各受波器の方位角補正値を前記方位角補正値記憶部から得る方位角補正値取得部、
    前記方位角補正値取得部から出力される方位角補正値で前記各受波器から出力される受波信号を補正する方位角補正計算部、
    を備えた請求項3に記載の水中受波装置。
  5. 前記受波器はそれぞれ、水平方向に直交するSIN指向性とCOS指向性を有し、
    前記方位角補正計算部は、前記方位ずれによる方位誤差を含んだSIN指向性とCOS指向性を、対応する前記各受波器の方位角補正値で補正する請求項4に記載の水中受波装置。
  6. 前記複数の受波器の間及び前記受波器と前記水中部の間の吊下ケーブルは複数本のケーブルで接続されている請求項1から5のいずれか一項に記載の水中受波装置。
  7. 前記受波器は、円盤状であり、中央部に前記複数本のケーブルが通る穴を備え、前記中央部の外側が音響センサである請求項6に記載の水中受波装置。
  8. 前記方位センサは地磁気センサである請求項1から7のいずれか一項に記載の水中受波装置。
  9. フロート部、複数の受波器、水中部がケーブルで接続され、前記水中部または前記受波器に方位角を出力する方位センサが設けられた水中受波装置の方位角補正方法であって、
    前記水中部に方位角補正値記憶部と方位角補正部が設けられ、
    前記方位角補正値記憶部は、前記方位センサから出力された前記方位角から算出した角速度及び角加速度と前記各受波器の方位角のずれを示す方位角補正値を対応させて記憶
    前記方位角補正部は、記角速度及び前記角加速度に対応する前記方位角補正値を用いて各受波器の受波信号の方位ずれを補正することを特徴とする方位角補正方法。
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