JP6951687B2 - 画像投写装置及び移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、画像投写装置及び移動体に関するものである。
従来、画像投写面に向けて伝播する投写光が透過する光透過部材と、投写光の伝播方向の上流側と下流側とから光透過部材を挟んで保持する上流側保持部材と、下流側保持部材とを備える画像投写装置が知られている。
例えば、特許文献1には、中間像が描写される平面スクリーン(光透過部材)を、第1保持部(下流側保持部材)と、第2保持部(上流側保持部材)とによって挟んで保持する構成が記載されている。
しかしながら、画像投写装置に入り込んだ外光によって、光透過部材の温度が上昇し、光透過部材の変形や変色といった熱に起因する損傷を引き起こすおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、画像投写面に向けて伝播する投写光が透過する光透過部材と、前記投写光の伝播方向の上流側と下流側とから前記光透過部材を挟んで保持する上流側保持部材と、下流側保持部材とを備える画像投写装置において、前記光透過部材と前記上流側保持部材との間の熱抵抗よりも、前記光透過部材と前記下流側保持部材との間の熱抵抗を小さくしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、外光が入射することに起因して、光透過部材の温度が上昇し、光透過部材が損傷することを抑制できる、という優れた効果がある。
中間スクリーンユニットの分解斜視図。 実施形態に係る自動車用のヘッドアップディスプレイ装置を搭載した自動車の概略図。 ヘッドアップディスプレイ装置の一例の概略構成図。 ヘッドアップディスプレイ装置における制御部のハードウェアブロック図。 ヘッドアップディスプレイ装置の機能ブロック図。 光源ユニットの説明図。 MEMSミラーからなる光偏向器を示す正面図。 中間スクリーンの表面の拡大説明図。 中間スクリーンを光路に直交する方向から見た拡大断面図。 光走査装置の概略図。 実施形態の中間スクリーンユニットの水平断面図。 変形例の中間スクリーンユニットの水平断面図。
以下、本発明に係る画像投写装置を適用可能なヘッドアップディスプレイ(HUD)装置の実施形態について説明する。
画像投写装置としてのヘッドアップディスプレイ(HUD)装置は、一例として、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載される。そして、移動体のフロントガラス(フロントウインドシールド)を介して移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば速度、走行距離等の情報)等を視認可能にする。この場合、フロントガラスは、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる透過反射部材としても機能する。以下では、ヘッドアップディスプレイ装置が、フロントガラスを備え、移動手段としてエンジンやモータ等の駆動源の駆動を駆動輪に伝達する構成を備えた移動体である自動車に搭載される例をについて説明する。
図2は、本発明を適用可能な自動車用のヘッドアップディスプレイ装置200を搭載した自動車301の実施形態に係る概略図である。図3は、ヘッドアップディスプレイ装置200の一例の概略構成図である。
図2及び図3に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置200は、例えば、自動車301のウインドシールド(フロントガラス302等)の付近のダッシュボード410内等に設置される。
図3に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置200は、イメージャ(画像生成部)220と、凹面ミラー40と、これらを収容して保持する筐体とを備える。
イメージャ220で生成された表示光(投写光)Lが、凹面ミラー40を介して筐体の外部に照射され、フロントガラス302に入射し、フロントガラス302で反射されて使用者である観察者(運転者300)に向かう。これにより、運転者300は、ヘッドアップディスプレイ装置200によって投写された画像等を虚像Iとして視認することができる。
イメージャ220は、光源ユニット10、光偏向器13、走査ミラー20及び中間スクリーン70等を備える。
光源ユニット10は、詳細は後述する光源部11を備えており、光源部11では、R,G,Bの三色のレーザー光が合成される。合成されたレーザー光は、光偏向器13の反射面14に向かって導かれ、光偏向器13にて偏向される。
光偏向器13は、半導体プロセス等で作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)であり、反射面14は直交する二軸に対して揺動する単一の微小なミラーである。
光偏向器13により偏向されたレーザー光は、走査ミラー20により折り返され、被走査面である中間スクリーン70に二次元像(中間像)を描写する。光偏向器13により偏向されたレーザー光である表示光Lは、走査ミラー20と、中間スクリーン70と、凹面ミラー40とを経て、筐体の外に投写される。
中間スクリーン70は、表示光Lを所望の発散角で発散させる機能を有しており、マイクロレンズアレイ構造が好適である。中間スクリーン70から射出された表示光Lは、単一の凹面鏡からなる凹面ミラー40を介して、フロントガラス302に入射し、運転者300に対して虚像Iが拡大表示される。
本実施形態では、表示光Lを自動車301のフロントガラス302で反射させることで、投写画像を運転者300に視認させる例について説明するが、これに限られない。フロントガラス302の内側に、ヘッドアップディスプレイ装置200専用のコンバイナ(フロントガラス302と同様に部分反射する機能を有する透明板の一例)を別途設け、コンバイナで表示光Lを反射させることで投写画像を運転者300に視認させる構成としてもよい。
図4は、本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置200における制御部2のハードウェアブロック図である。
ヘッドアップディスプレイ装置200の制御系は、主に、FPGA251、CPU252、ROM253、RAM254、I/F255、バスライン256、LDドライバ257、MEMSコントローラー258を備えている。
FPGA(Field−Programmable Gate Array)251は、LDドライバ257により、光源ユニット10のレーザー光源(111R,111G,111B)を動作制御する。さらに、FPGA251は、MEMSコントローラー258により、後述する光走査装置1のMEMS(光偏向器13)を動作制御する。
CPU(Central Processing Unit)252は、ヘッドアップディスプレイ装置200の各機能を制御する。
ROM(Read Only Memory)253は、CPU252がヘッドアップディスプレイ装置200の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラム等の各種プログラムを記憶している。
RAM(Random Access Memory)254はCPU252のワークエリアとして使用される。
I/F(interface)255は、外部コントローラー等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、自動車301のCAN(Controller Area Network)を介して、車両ナビゲーション装置、各種センサ等に接続される。
図5は、ヘッドアップディスプレイ装置200の機能ブロック図である。
ヘッドアップディスプレイ装置200は、車両情報入力部800、外部情報入力部802、画像情報生成部804及び画像生成部806(図3中のイメージャ220)を備える。
車両情報入力部800には、CAN等から車両の情報(速度、走行距離等の情報)が入力される。外部情報入力部802には、外部ネットワークから車両外部の情報(GPSからのナビ情報等)が入力される。画像情報生成部804は、車両情報入力部800および外部情報入力部802から入力される情報に基づいて、表示させる画像の画像情報を生成する。画像生成部806は、制御部2を備え、画像情報生成部804が生成した画像情報に基づいて制御部2が光源ユニット10や光偏向器13を制御することにより、フロントガラス302に表示光Lを照射する。これにより、運転者300の視点から虚像Iが視認可能となる。
図6は、光源ユニット10の説明図である。光源ユニット10は、光源部11と、メニスカスレンズ116とを備える。
光源部11は、単数あるいは複数の発光点を有する三つの光源素子111(111R,111B,111G)が備えられている。光源素子111はLD(半導体レーザー素子)であり、互いに異なる波長(λR,λG,λB)の光束(レーザー光)を放射する。レーザー光の波長としては、例えば、λR=640[nm],λG=530[nm],λB=445[nm]を挙げることができる。
三つの光源素子111(111R,111B,111G)から放射された各波長(λR,λG,λB)のレーザー光はそれぞれカップリングレンズ112(112R,112B,112G)により後続の光学系にカップリングされる。カップリングされたレーザー光はそれぞれ設けられたアパーチャ113(113R,113B,113G)により整形される。アパーチャ113はレーザー光の発散角等に応じて円形、楕円形、長方形、正方形等、様々な形状であることができる。
その後、レーザー光の光路を合成する光路合成素子115により光路合成される。光路合成素子115は、プレート状或いはプリズム状のダイクロイックミラーであり、波長に応じてレーザー光を反射/透過し、三つのレーザー光の光路が一つの光路となるように合成する。合成されたレーザー光は、光偏向器13に凹面を向けているメニスカスレンズ116により、光偏向器13の反射面14に向かって導かれる。図5中の矢印「A」は、光源ユニット10から射出されるレーザー光の射出方向を示している。
光偏向器13は、公知のアクチュエータ駆動システムで反射面14を主走査方向及び副走査方向に傾斜動作させ、光源ユニット10から射出され、反射面14に入射するレーザー光を二次元走査(ラスタースキャン)する。
図7は、光偏向器13の一例として、MEMSミラーからなる光偏向器13を示す正面図である。
本実施形態の光偏向器13は、半導体プロセスにて製造されるMEMSミラーであり、反射面14を備えている。光偏向器13は、複数の折り返し部を有して蛇行して形成された一対の蛇行状梁部152を有する。蛇行状梁部152は、一つおきに第一梁部152aと第二梁部152bとに分けられており、この蛇行状梁部152は、枠部材154に支持されている。
蛇行状梁部152の各梁部(152a,152b)には、隣り合う梁部ごとにチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる独立の圧電部材156が設けられている。これらの圧電部材156の一つおきに異なる電圧を印加して、各梁部(152a,152b)にそれぞれ反りを発生させることにより、隣り合う梁部が異なる方向にたわみ、それが累積されて、反射面14が垂直方向(副走査方向)に大きな角度で回転することになる。このような構成により、図7中の副走査方向回転軸P1を中心とした垂直方向への光走査が、低電圧で可能となる。一方、図7中の主走査方向回転軸P2を中心とした水平方向では、反射面14に接続されたトーションバーなどを利用した共振による光走査が行われる。反射面14の駆動制御は、光源素子111(111R,111B,111G)の発光タイミングに同期して行われる。
光偏向器13は、図7に示す構成に限らず、例えば、互いに直交する二つの軸回りを、それぞれ揺動あるいは回動する二つのミラーからなるミラー系で構成してもよい。
本実施形態における主走査方向は、中間像の長手方向(図10中の横方向)に沿った方向であり、副走査方向は、中間像の短手方向(図10中の縦方向)に沿った方向である。本実施形態における中間像の形状は、横長形状であるため、主走査方向は画像横方向であり、副走査方向は画像縦方向である。
フロントガラス302は、通常、曲面であり、また、表示光Lの入射方向に対して特定方向に傾斜した面となることから、表示光Lがフロントガラス302を反射して描画される虚像Iは、中間像に対して光学的に歪んだ形状となる。また、光路上に存在する各種光学素子の特性によっても光学的な歪みが生じる。このような光学的な歪みのうち、中間像の水平線(画像横方向に伸びる直線)が上または下に凸となる形状となる光学的な歪みについては、本実施形態では走査ミラー20または凹面ミラー40の反射面形状を調整することで補正している。また、表示光Lがフロントガラス302で反射して描画される虚像Iの全体が回転し、虚像Iの横方向が水平方向に対して傾斜した状態となる光学的な歪みについては、中間像の横方向が水平方向に対して予め傾斜するように中間像を形成するように、光偏向器13の走査方向等を調整するなどして補正することができる。また、画像全体が平行四辺形状に変形するような光学的な歪みについては、画像処理によって補正することができる。
図8は、中間スクリーン70の表面の拡大説明図であり、図9は、中間スクリーン70を光路に直交する方向から見た拡大断面図である。
図8及び図9では、中間スクリーン70での表示光Lの伝播方向に平行な方向をZ軸方向とし、主走査方向をX軸方向、副走査方向をY軸方向としている。
図8及び図9に示すように、中間スクリーン70は、マイクロレンズ700が整列して配置された光学板701からなる。図9(a)は、中間スクリーン70に入射する入射光束702の径(Ld)が、マイクロレンズ700の配置周期700d以下の場合の発散光の光路を示し、図9(b)は、入射光束702の径(Ld)が、配置周期700dの二倍の場合の発散光の光路を示す。
光学板701上を入射光束702が走査するとき、光束はマイクロレンズ700により発散され、発散光束703となる。マイクロレンズ700の構造により、入射光束702を所望の発散角θ1で発散させることが可能とある。通常、図9(a)に示すように、マイクロレンズ700の配置周期700dは、入射光束702の径(Ld)よりも大きくなるように設計され、これにより、マイクロレンズ700間での干渉が起きず、スペックルは生じない。
図9(b)に示す状態では、入射光束702が、二つのマイクロレンズ700(700a,700b)に同時入射し、それぞれ発散光束703(703a,703b)を生じる。このとき、領域704においては、二つの発散光束703が同時に存在するため、光の干渉を生じ得る。この干渉光束が運転者300の目に入ると、スペックルとして視認される。
以上を考慮し、スペックルを低減するため、マイクロレンズ700の配置周期700dは入射光束702の径(Ld)よりも大きく設計される。
図8及び図9に示す例では、中間スクリーン70のマイクロレンズ700として凸面レンズの形態で示しているが、凹面レンズとしてもよい。
次に、中間スクリーン70に中間像を形成する本実施形態のイメージャ220が備える光走査装置1の構成について説明する。
図10は、本実施形態の光走査装置1の一例を示す概略図である。
図10に示すように、光走査装置1は、制御部2の制御に従って光源ユニット10から照射された光を光偏向器13が有する反射面14により偏向して被走査面15を光走査する。光偏向器13により光走査可能な領域である走査可能領域16は、有効走査領域17を含む。被走査面15を保持する保持部材には、走査可能領域16内、かつ、有効走査領域17外に、受光器18が設けられている。光走査装置1は、制御部2、光偏向器13、受光器18により構成される。
制御部2は、図4を用いて説明したように、例えばCPUおよびFPGA等を備えた電子回路ユニットである。光源ユニット10は、例えばレーザー光を照射するレーザー照射装置である。光偏向器13は、反射面14を有し、反射面14を可動可能なMEMSデバイスである。被走査面15は、本実施形態のイメージャ220では中間スクリーン70である。受光器18は、例えば光を受光して受光信号を出力するPD(Photo Diode)である。光源ユニット10は、本実施形態のイメージャ220では、図6を用いて説明した光源ユニット10である。
制御部2は、外部装置等から取得した光走査情報に基づいて光源ユニット10および光偏向器13の制御信号を生成し、制御信号に基づいて光源ユニット10および光偏向器13に駆動信号を出力する。また、光源ユニット10から出力される信号、光偏向器13から出力される信号、受光器18から出力される受光信号に基づいて、光源ユニット10と光偏向器13との同期や制御信号の生成を行う。
光源ユニット10は、制御部2から入力された駆動信号に基づいて、光源素子111からレーザー光の照射を行う。
光偏向器13は、制御部2から入力された駆動信号に基づいて反射面14を一軸方向(一次元方向)または二軸方向(二次元方向)の少なくともいずれかに可動させ、光源ユニット10からの光を偏向する。本実施形態の光偏向器13は、少なくとも、走査線の並び方向に対応する副走査方向へ偏向する光偏向手段であればよい。したがって、走査線の延び方向に対応する主走査方向と副走査方向の両方についての光走査を一つの光偏向手段によって実現してもよいし、主走査方向と副走査方向の各光走査を異なる光偏向手段によって実現してもよい。駆動信号は、所定の駆動周波数を有する信号である。光偏向器13は、所定の固有振動数(共振周波数とも呼ぶ。)を有している。
これにより、例えば、光走査情報の一例である画像情報に基づいた制御部2の制御によって、光偏向器13の反射面14を所定の範囲で二軸方向に往復可動させる。そして、反射面14に入射する光源ユニット10からの照射光を偏向して光走査することにより、被走査面15に任意の画像を投写することができる。
次に、中間スクリーン70を保持する構成について説明する。
図1は、中間スクリーン70と、中間スクリーン70を保持する二つの保持部材(71,72)とからなる中間スクリーンユニット7の分解斜視図である。図11は、中間スクリーンユニット7を組み立てた状態での上下方向中央部付近における水平断面図である。図11中の「SL」は、表示光Lとは逆向きに伝播し、中間スクリーン70に入射した太陽光を示している。
中間スクリーン70は、樹脂製の薄板であり、柔軟性がある。また、中間スクリーン70は、X−Y平面に平行に延在する板状の部材を、X軸方向の中央部がマイナスZ軸方向(射出方向下流側)に凸となるように所定の曲率で湾曲させた形状の円筒面状の部材である。
中間スクリーン70としては、保持される前には、曲率を持たない平板とし、後述する窓枠部材71と裏面押圧部材72とによって挟まれ、保持されることによって所定の曲率で湾曲され、円筒面状となる構成としていもよい。
中間スクリーン70として、湾曲していない平坦スクリーンを用いると、平坦スクリーンからなる中間スクリーン70から出射して凹面ミラー40に入射される表示光Lの光路長がばらつき、投影される虚像Iの湾曲が大きくなるおそれがある。一方、本実施形態のように、中間スクリーン70として、湾曲したスクリーンを用いると、凹面ミラー40に入射される表示光Lの光路長のばらつきが小さくなり、投影される虚像Iの湾曲を小さくできる。
図1及び図11に示すように、中間スクリーンユニット7は、二つの保持部材として、窓枠部材71と裏面押圧部材72とを備える。窓枠部材71は、表示光Lを射出する開口窓75が形成された窓枠状の部材であり、射出方向に沿う方向であるZ軸方向の一方が開口部で、他方が穴(開口窓75)の開いた底面となる箱状の部材である。Z軸に直交するX−Y平面において、開口部は中間スクリーン70よりも大きく、底面に設けた穴である開口窓75は中間スクリーン70よりも小さい形状である。このような形状により、窓枠部材71の開口部側から中間スクリーン70を嵌め込むと、底面における開口窓75の縁を形成する部分(窓枠部)に中間スクリーン70のおもて面が突き当たる状態となる。この状態では、中間スクリーン70のおもて面における開口窓75と対向する部分が表示光Lの照射方向下流側(図1中の手前側、図11中の上側)から露出した状態となる。
裏面押圧部材72は、Z軸方向の両方が開口部となった箱枠状の部材であり、中間スクリーン70の形状を円筒面状に矯正するために、裏面押圧部材72のマイナスZ軸方向側の端面は、仮想円筒面73に沿って頂辺部に成型された複数の突起部74を有する。詳しくは、複数の突起部74のうち、裏面押圧部材72の上下の縁に形成された上部突起部74b及び下部突起部74aは、中間スクリーン70に接触する側の端面が、中間スクリーン70の所定の曲率に合わせた曲面となっている。このため、上部突起部74b及び下部突起部74aの先端面の長手方向(X軸方向に沿った方向)は曲線状となっている。一方、複数の突起部74のうち、裏面押圧部材72の側部の縁に形成された側部突起部74cの先端面の長手方向(Y軸方向に沿った方向)は直線状となっている。
窓枠部材71に対して中間スクリーン70を嵌め込んだ後、窓枠部材71の開口部から裏面押圧部材72を嵌め込むことで、中間スクリーン70の裏面(表示光Lの照射方向上流側の面,プラスZ軸方向側の面)に複数の突起部74が当接する。窓枠部材71の係合穴80に裏面押圧部材72の係合突起部77が係合する位置まで裏面押圧部材72を嵌め込むことで、窓枠部材71の窓枠部と裏面押圧部材72の複数の突起部74との間で、中間スクリーン70を挟持する。
中間スクリーンユニット7を組み立てる手順としては、中間スクリーン70を裏面押圧部材72に組み付け、中間スクリーン70を保持した状態の裏面押圧部材72を窓枠部材71に嵌め込んでも良い。
図11に示すように、窓枠部材71には、複数の突起部74に対して中間スクリーン70を挟んで対向する位置に弾性部材76が貼り付けられている。弾性部材76が中間スクリーン70のおもて面を押圧して、中間スクリーン70の裏面を裏面押圧部材72の突起部74に確実に当接させることで、所望の円筒面の曲率になるように中間スクリーン70を矯正できる構成となっている。
弾性部材76には、比較的熱伝導率が高く、柔軟性を兼ね備えたシリコーン系ゴム等を用いており、窓枠部材71の内側に裏面押圧部材72を嵌め込み、係合穴80に係合突起部77を係合して保持する。
図11に示すように、組み立てた状態の中間スクリーンユニット7の内側には、スクリーン内側空間7aが形成されている。二次元走査デバイスである光偏向器13によって走査された表示光Lは、スクリーン内側空間7a内を空間伝播し、中間スクリーン70に中間像を投影する。
窓枠部材71と裏面押圧部材72とに保持された中間スクリーン70は、X軸方向及びY軸方向については、窓枠部材71の内壁面との間に十分な隙間を持ち、中間スクリーン70が膨張した際には、この隙間が狭まり、膨張を阻害しない。また、光軸方向(Z軸方向)は、弾性部材76が中間スクリーン70を押圧することで位置決めがされるが、中間スクリーン70が膨張した際には、膨張した形状に沿って弾性部材76が変形する。このように、中間スクリーン70が所望の形状を維持したまま膨張することを阻害しない構成となっている。
窓枠部材71と裏面押圧部材72との材質は、中間スクリーン70よりも剛性が高い材質であり、中間スクリーン70を所望の形状で維持するように矯正できるようにされている。また、窓枠部材71と裏面押圧部材72とは、光を反射、拡散し難くするために黒い材料で、艶消しの表面性状が好ましい。
窓枠部材71の側面に設けられた係合穴80に、裏面押圧部材72の係合突起部77が係合することにより、窓枠部材71と裏面押圧部材72とが一体化され、同時に中間スクリーン70が押圧固定される。
窓枠部材71及び裏面押圧部材72に対して、中間スクリーン70は、X軸方向及びY軸方向には比較的大きな隙間が形成されるが、中間スクリーン70の厚み方向には隙間がほとんどないため、中間スクリーン70の移動を防止できる。また、環境変動に起因する中間スクリーン70の膨張(伸び)に対しては余裕があるので、膨張時の変形やうねりなどの不具合を防止できる。
本実施形態では、係合穴80と係合突起部77とを係合することによって、窓枠部材71と裏面押圧部材72とで中間スクリーン70を挟んで一体化する構成について説明した。窓枠部材71と裏面押圧部材72とを固定する構成としては、ネジ、接着剤、粘着剤等の別の手段で固定する構成としてもよい。
イメージャ220は、光源ユニット10、光偏向器13及び走査ミラー20を、中間スクリーン70を出射窓とした筐体構造内に収容しており、窓枠部材71は、イメージャ220の筐体構造の一部を構成する。裏面押圧部材72は窓枠部材71の内部に位置する。
太陽光SLは、表示光Lの光路の延長線上から外れた入射経路からヘッドアップディスプレイ装置200の筐体内に入射することがある。この太陽光SLは、表示画像を投影する拡大光学系を構成する少なくとも一部の光学素子に照射され、表示光Lとは逆向きに伝搬して、中間スクリーン70を透過して、イメージャ220の筐体構造内に進入することがある。そして、イメージャ220の筐体構造内に進入した太陽光SLが、箱枠状の裏面押圧部材72の内壁面72aに集光されることがある。
ここで、ヘッドアップディスプレイ装置200について説明する。
本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置200は、レーザー走査による表示光Lをフロントガラス302越しに投影して虚像Iを表示する車載用ヘッドアップディスプレイ装置である。
運転者が少ない視線移動で警報・情報を認知できるアプリケーションとして市場の期待が高まっており、車両に搭載するHUD(ヘッドアップディスプレイ)の技術開発が進んでいる。特に、ADAS(Advanced Driving Assistance System)という言葉に代表される車載センシング技術の進展に伴い、車両はさまざまな走行環境情報および車内乗員の情報を取り込むことができるようになっている。それらの情報を運転者に伝える「ADASの出口」としてもHUDが注目されている。
HUDの投射方式は、「パネル方式」と「レーザー走査方式」とがある。「パネル方式」は、液晶やDMD(Digital Mirror Device)のようなイメージングデバイスで中間像を表現する方式である。「レーザー走査方式」は、レーザーダイオードから射出したレーザービームを二次元走査デバイスで二次元走査し、中間像を形成する方式である。後者のレーザー走査方式は、全画面発光の部分的遮光で画像を形成するパネル方式とは違い、各画素に対して発光/非発光を割り当てることができるため、一般にパネル方式よりも高コントラストの画像を形成することができる。
一方で、レーザー走査方式のHUDは、パネル方式とは異なり、二次元走査デバイスにて走査された光ビームを空間伝播させて中間像を投影する。このため、中間像を投影するスクリーン(中間スクリーン70)よりも光源側の光ビームが伝播する空間(スクリーン内側空間7a)等のHUD内部に多くの外光(主に、太陽光)が入り込む。
特に、真夏の昼間の太陽光が丁度、HUD内部に入り込む状態で車両が数分程度停止するといった過酷な状況下では、中間像を投影する透過型スクリーン(中間スクリーン70)を保持する保持部材の温度が過度に上昇し、100[℃]以上にも達することがある。
温度が上昇した保持部材の熱が、透過型スクリーンに伝播することよって、スクリーンの変形や変色、スクリーンのコーティング膜の破壊といった熱に起因する損傷を引き起こすおそれがある。
特許文献1には、透過型スクリーンの保持構造の一例が記載されている。特許文献1では、中間像を投影するための透過型スクリーンを、第二保持部と第一保持部とによって挟み込んで保持することで、予め定められた曲率に湾曲させる構成が記載されている。
外光が入った場合に表示ユニット(イメージャ)を熱損傷から保護する構成としては、パネル方式の例ではあるが、特開2017−83699号公報、特開2013−174855号公報及び特開2014−85657号公報等に記載されている。
特開2017−83699号公報には、画像に対応する表示光を発する表示部材について、表示面に沿う方向の熱抵抗を所定以下とする構成が記載されている。特開2013−174855号公報には、表示光を発する液晶表示素子と、ケース体の前面開口部を塞ぐように配備されたホットミラーとを有する構成が記載されている。そして、この構成において、ホットミラーに太陽光(外光)が照射され高温状態となることによって液晶表示素子との間に形成される密閉空間にこもった(滞留した)熱を、外部へと放出するための熱放出部を形成した構成が記載されている。特開2014−85657号公報には、表示素子を収納するケース体が、表示器を固定する放熱部材に対して離間するように支持した構成が記載されている。
これらの何れの引用文献にも、表示ユニット(イメージャ)に外光が入射することに起因して、表示ユニットから照射される表示光が透過する光透過部材の温度が上昇して、熱に起因する損傷を引き起こすおそれがあることについては検討がされていない。
本発明者らは、鋭意検討の結果、光透過部材に入射した外光によって、光透過部材に対して投写光(表示光L)の伝播方向上流側の上流側保持部材が加熱され、この熱によって光透過部材の温度が上昇し、熱によって損傷するおそれがあることを見出した。
図11に示す本実施形態の中間スクリーンユニット7では、裏面押圧部材72の内壁面72aに集光された太陽光SLによって加熱され、裏面押圧部材72の温度が上昇することがある。この温度が上昇した裏面押圧部材72の熱が、中間スクリーン70に伝播すると、中間スクリーン70の変形や変色といった熱に起因する損傷を招く。
裏面押圧部材72は、中間スクリーン70を当接することで、所望の形状に矯正して保持する保持部材である。窓枠部材71は、中間スクリーン70を覆い、裏面押圧部材72との間で中間スクリーン70を狭持する部材である。
このような中間スクリーンユニット7における中間スクリーン70と裏面押圧部材72との間の熱抵抗を「R1」とし、中間スクリーン70と窓枠部材71との間の熱抵抗を「R2」とし、裏面押圧部材72と窓枠部材71との間の熱抵抗を「R3」とする。
そして、この「R1」、「R2」及び「R3」の熱抵抗について、以下の(1)式、または、(2)式の少なくとも何れか一方を満たすように設定することで、中間スクリーン70に熱が滞留することを防止し、中間スクリーン70に熱がこもることを防止する。
「R1」>「R2」 ・・・・・・(1)
「R1」>「R3」 ・・・・・・(2)
図1及び図11に示すように、中間スクリーン70と裏面押圧部材72とは、裏面押圧部材72に設けた複数の突起部74によって接触し、接触面積を最小限として熱抵抗「R1」を大きくしている。これにより、裏面押圧部材72から中間スクリーン70への熱伝達を最小限に留めることができる。
一方、中間スクリーン70と窓枠部材71とは、弾性部材76を介して間接的に接触するため、弾性部材76が中間スクリーン70及び窓枠部材71のそれぞれと、なるべく広い面積で接触するようにすれば熱抵抗「R2」を下げることができる。熱抵抗「R2」を下げるためには、弾性部材76として、熱伝導率の高い材料を選定する、あるいは、接触面積を大きくして、中間スクリーン70から弾性部材76を介して窓枠部材71へと放熱される熱量を増やせばよい。
弾性部材76として変形し易いものを用いることで、弾性部材76が中間スクリーン70の表面形状、及び、窓枠部材71の表面形状に倣って変形し、弾性部材76と、中間スクリーン70及び窓枠部材71との接触面積を広くできる。また、弾性部材76として熱伝導率の高いシリコーン系ゴム等の材料を用いることで、中間スクリーン70から弾性部材76を介して窓枠部材71に熱を伝達し易くできる。
さらに、窓枠部材71の材料として、中間スクリーン70や裏面押圧部材72よりも伝熱性(熱伝導率)の高い材料を用いることで、熱抵抗「R2」を下げることができる。本実施形態では、中間スクリーン70及び裏面押圧部材72に樹脂材料を用いるのに対して、窓枠部材71にアルミニウム等の金属材料を用いることで、熱抵抗「R2」の低下を図っている。窓枠部材71の材料としては、金属材料に限らず、樹脂材料を用いる場合であっても裏面押圧部材72の樹脂材料よりも熱伝導率の高い材料を用いることが望ましい。
窓枠部材71の材料として熱伝導率の高い材料を用いることにより、太陽光SLの照射によって裏面押圧部材72が加熱され、中間スクリーン70への熱伝達があっても、中間スクリーン70から窓枠部材71への熱伝達を促すことができる。これにより、中間スクリーン70に熱が滞留して、温度上昇することを抑制できる。
これらの構成により、熱抵抗「R2」を小さくでき、上記(1)式を満たす構成を実現できる。
上記(1)式を満たすことで、裏面押圧部材72から中間スクリーン70に伝達する熱量に対して、中間スクリーン70から窓枠部材71に放熱する熱量が大きくするようにできる。これにより、中間スクリーン70に熱が滞留して温度が上昇することを防止でき、中間スクリーン70が熱によって損傷することを防止できる。
これにより、中間スクリーン70の熱変形や変色を回避し、表示画像品質の劣化を抑制することができ、ヘッドアップディスプレイ装置200は安定した表示画像品質を実現できる。
このようなヘッドアップディスプレイ装置200を備える移動体である自動車301は、太陽光が入射しても中間スクリーン70の損傷を抑制でき、安定した表示画像品質を得ることができる。
図11に示すように、突起部74に対して中間スクリーン70を挟んで対向する位置に弾性部材76が貼り付けている。このため、突起部74から中間スクリーン70に伝播した熱が中間スクリーン70内に伝播して中間スクリーン70内に滞留する前に、伝播した熱を、弾性部材76を介して窓枠部材71に放熱し易い構成とし、中間スクリーン70の温度上昇を抑制できる。
本実施形態では、複数の突起部74を、中間スクリーン70における投写する画像の中間像が描写される有効走査領域17の周囲を矯正形状(仮想円筒面73)に沿って線で受けるように薄板状としている。これにより、接触面積を最小限とするとともに、中間スクリーン70に熱膨張や収縮があっても、中間スクリーン70が所望の形状を維持したまま膨張することを阻害しないようにしている。仮想円筒面73は、X軸方向にのみ曲率を持つ(Y軸方向は直線状)曲面であって、中間スクリーン70の裏面の所定の曲率を「1/R」としたときに、仮想円筒面73は半径「R」の仮想円筒の周面の一部である。
突起によって、中間スクリーン70を窓枠部材71に押圧する構成としては、突起を半球状の突起として、裏面押圧部材72と中間スクリーン70とを複数箇所で点接触(半球の頂点を中心にある程度の面積で接触)させることが考えられる。
しかし、中間スクリーン70自体が熱伝導性の低い材質(樹脂製)であるため、裏面押圧部材72の突起が接触した領域のみが局所的に温度上昇し、温度分布が不均一となることで、熱膨張による変形量が不均一となるおそれがある。熱膨張による変形量が不均一となると中間スクリーン70が歪み、所望の形状を維持できなくなるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、複数の突起部74を薄板状として、中間スクリーン70に対して矯正形状(仮想円筒面73)に沿って線状の接触面(接触面の短手方向に対して長手方向が十分に長い接触面)で接触する。これにより、局所的な温度上昇に起因して中間スクリーン70が歪むことを抑制し、中間スクリーン70が所望の形状である仮想円筒面73に沿った形状を維持することができる。
熱抵抗、つまり熱の伝わりにくさは、接触面積と裏面押圧部材72の熱伝達率との積に反比例する。
従って、弾性部材76が裏面押圧部材72よりも伝熱性(熱伝導率)の低い材料であっても、その熱伝導率の比よりも接触面積の比が大きくなるように、裏面押圧部材72の中間スクリーン70との接触面となる突起部74の先端面の寸法を設定すればよい。言い換えれば、弾性部材76にウレタンフォーム等の伝熱性の低い材料を用いたとしても、接触面積を小さくすれば、上記(1)式(「R1」>「R2」)の関係を満たす構成とできる。
例えば、裏面押圧部材72に用いる一般的な樹脂材料の熱伝導率は、「0.3[W/mK]」であり、ウレタンフォームの熱伝導率はその「1/10」であるので、接触面積の比を「10倍」以上に設定すればよい。
突起部74の先端面の寸法は、本実施形態では長手方向を「3〜4[mm]」、短手方向を「0.8[mm]以下」として、短手方向に対して長手方向が十分に長く、中間スクリーン70に対して線状に接触する構成としているが、この限りではなく、熱伝導率の比に応じて寸法や箇所数を設計できる。
〔変形例〕
図12は、本実施形態にかかる中間スクリーンユニット7の変形例の説明図であり、図11と同様に、中間スクリーンユニット7を組み立てた状態での上下方向中央部付近における水平断面図である。
図12に示す変形例の中間スクリーンユニット7は、弾性部材76の代わりに熱伝導シート78を備える点、及び、裏面押圧部材72と窓枠部材71との間に熱伝導ペースト79を備える点で図11に示す実施形態の中間スクリーンユニット7と相違する。相違点以外は、共通する構成であるため、相違点についてのみ説明する。
図12に示す変形例の中間スクリーンユニット7は、裏面押圧部材72の熱を窓枠部材71に逃がすようにした構成である。変形例では、裏面押圧部材72と窓枠部材71との隙間に金属粉を混入する等によって熱伝導性を高めた熱伝導ペースト79を充填させている。これにより、裏面押圧部材72と窓枠部材71との間の熱抵抗「R3」を小さくし、裏面押圧部材72から中間スクリーン70に伝達する熱量よりも、窓枠部材71に放熱する熱量を大きくすることができ、上記(2)式を満たす構成を実現できる。
これにより、太陽光SLが中間スクリーン70を透過して、裏面押圧部材72に照射することにより裏面押圧部材72の温度上昇があっても、裏面押圧部材72から窓枠部材71へと熱を効果的に放熱し、中間スクリーン70に伝達する熱を抑制できる。このため、中間スクリーン70の過剰な温度上昇を回避でき、中間スクリーン70の熱変形や変色を回避し、表示画像品質の劣化を抑制することができる。
中間スクリーン70と窓枠部材71との間の熱抵抗「R2」を下げる手段としては、図12に示すように、主走査方向に延在する熱伝導シート78を挟み込んでもよい。図12に示す熱伝導シート78は、開口窓75を囲むように、四角形状となっている。突起部74と対向する部分のみではなく、主走査方向に延在する熱伝導シート78を配置することで、中間スクリーン70と窓枠部材71との間接的な接触面積をさらに広げることができる。これにより、変形例の中間スクリーンユニット7は、上記(2)式と上記(1)式との関係を満たす構成を実現できる。
上記(1)式を満たす構成としては、精度良く作りこみ、接触面積を広く確保することが出来れば、窓枠部材71に対して中間スクリーン70を直接接触させてもよい。
上述した実施形態及び変形例の中間スクリーンユニット7は、窓枠部材71に対して、中間スクリーン70及び裏面押圧部材72を嵌め込んでいるため、他の部材よりも窓枠部材71が外部に露出した構成である。このため、各部材の熱を窓枠部材71に伝達し、窓枠部材71から周囲に放熱することで、中間スクリーンユニット7を構成する各部材の温度上昇を抑制することができる。
本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置200は、虚像Iとして表示する画像に対応するレーザー光(表示光L)を照射する光源ユニット10と、光源ユニット10が照射したレーザー光を偏向する光偏向器13とを備える「レーザー走査方式」である。本発明を適用するヘッドアップディスプレイ装置200等の画像投写装置としては、投写方式が「レーザー走査方式」のものに限らず、「パネル方式」のものであってもよい。中間スクリーン70等の光透過部材を上流側保持部材と下流側保持部材とで挟んで保持し、光透過部材に入射した外光によって上流側保持部材が加熱され得る構成であれば適用可能である。また、本発明を適用する画像投写装置としては、ヘッドアップディスプレイ装置に限るものではなく、プロジェクタ等の他の画像を投写する装置にも適用可能である。
本実施形態では、光透過部材が、光偏向器13によって偏向された表示光Lによって描写される画像(中間像)を予め定められた発散角で半産させる被走査部材(中間スクリーン70)である場合について説明した。本発明に係る光透過部材としては、被走査部材に限らず、太陽光SL等の外光が入射して透過する部材であればよい。
また、光透過部材である中間スクリーン70を予め定められた曲率に湾曲させて保持する構成であるが、光透過部材は、湾曲させるものに限らず、平板の状態で保持する構成であってもよい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
フロントガラス302等の画像投写面に向けて伝播する表示光L等の投写光が透過する中間スクリーン70等の光透過部材と、投写光の伝播方向の上流側と下流側とから光透過部材を挟んで保持する裏面押圧部材72等の上流側保持部材と、窓枠部材71等の下流側保持部材とを備えるヘッドアップディスプレイ装置200等の画像投写装置において、光透過部材と上流側保持部材との間の熱抵抗(「R1」等)よりも、光透過部材と下流側保持部材との間の熱抵抗(「R2」等)を小さくしたことを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、透過部材に太陽光SL等の外光が入射することに起因して、光透過部材の温度が上昇して、光透過部材が損傷することを抑制できる。これは以下の理由による。
すなわち、本発明者らは、鋭意検討の結果、光透過部材に入射した外光が、投写光の伝播方向上流側に位置する上流側保持部材に当たって上流側保持部材を加熱し、この熱によって光透過部材の温度が上昇し、熱によって損傷するおそれがあることを見出した。
態様1では、外光によって上流側保持部材が加熱され、その熱が光透過部材に伝達しても、熱抵抗が低い下流側保持部材に向けて熱を放熱することができ、光透過部材に熱が滞留しない構成を実現できる。これにより、光透過部材の温度上昇を抑制でき、透過部材に外光が入射することに起因して、光透過部材の温度が上昇して、光透過部材が損傷することを抑制できる。
(態様2)
態様1において、光透過部材と下流側保持部材との接触面積を、光透過部材と上流側保持部材との接触面積よりも大きくしたことを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、上流側保持部材から光透過部材への熱伝達を最小限に留め、光透過部材から下流側保持部材への放熱を促すことができ、光透過部材の温度上昇を抑制できる。
(態様3)
態様1または2において、上流側保持部材と光透過部材との間の熱抵抗よりも、上流側保持部材と下流側保持部材との間の熱抵抗(「R3」等)を小さくしたことを特徴とする。
これによれば、上記変形例について説明したように、外光の照射により上流側保持部材の温度上昇があっても、上流側保持部材から下流側保持部材へと熱を効果的に放熱し、光透過部材に伝達する熱を抑制できる。このため、光透過部材の過剰な温度上昇を回避でき、透過部材に外光が入射することに起因して、光透過部材の温度が上昇し、光透過部材が損傷することを抑制できる。
(態様4)
フロントガラス302等の画像投写面に向けて伝播する表示光L等の投写光が透過する中間スクリーン70等の光透過部材と、投写光の伝播方向の上流側と下流側とから光透過部材を挟んで保持する裏面押圧部材72等の上流側保持部材と、窓枠部材71等の下流側保持部材とを備えるヘッドアップディスプレイ装置200等の画像投写装置において、上流側保持部材と光透過部材との間の熱抵抗(「R1」等)よりも、上流側保持部材と下流側保持部材との間の熱抵抗(「R3」等)を小さくしたことを特徴とする。
これによれば、上記変形例について説明したように、外光の照射により上流側保持部材の温度上昇があっても、上流側保持部材から下流側保持部材へと熱を効果的に放熱し、光透過部材に伝達する熱を抑制できる。このため、光透過部材の過剰な温度上昇を回避でき、透過部材に外光が入射することに起因して、光透過部材の温度が上昇し、光透過部材が損傷することを抑制できる。
(態様5)
態様1乃至4の何れかの態様において、上流側保持部材の熱伝導率よりも、下流側保持部材の熱伝導率の方が高いことを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、外光の照射によって上流側保持部材が加熱され、光透過部材への熱伝達があっても、光透過部材から下流側保持部材への熱伝達を促すことができる。これにより、光透過部材に熱が滞留して、温度上昇することを抑制できる。
(態様6)
態様5において、上流側保持部材は樹脂材料からなり、下流側保持部材はアルミニウム等の金属材料からなることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、上流側保持部材よりも下流側保持部材の方が熱伝導率が高くなる構成を実現することができる。
(態様7)
態様1乃至6の何れかの態様において、投写光を照射する光源ユニット10等の光源と、投写光を二次元走査して光透過部材に照射する光偏向器13等の走査手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、投射方式として、「レーザー走査方式」を用いる構成となり、パネル方式よりも高コントラストの画像を形成することができる。また、走査手段によって走査された投写光を光透過部材に照射する構成では、光透過部材に対して投写光の伝播方向上流側に光が伝播する空間(スクリーン内側空間7a等)がある。このため、パネル方式に比べて、光が伝播する空間を形成する上流側保持部材に外光が照射され易く、この照射によって上流側保持部材の温度が上昇し、光透過部材も温度上昇し易い傾向がある。これに対して、態様1また態様4の構成を備える態様7は、透過部材に外光が入射することに起因して、光透過部材の温度が上昇し、光透過部材が損傷することを抑制できる。
(態様8)
態様1乃至7の何れかの態様において、上流側保持部材は、投写光が通過する開口部を形成する枠状で、光透過部材における画像投写面に投写する画像が表示される有効走査領域17等の画像表示部の周囲に当接して光透過部材を所望の形状に維持する部材であり、下流側保持部材は、光透過部材を透過した投写光が通過する開口窓75等の開口窓が形成された窓枠状の部材であることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、上流側保持部材と下流側保持部材とによって光透過部材を挟んで保持する構成を実現することができる。
(態様9)
駆動源及び駆動輪等の移動手段と、フロントガラス302等の画像投写面に虚像I等の画像を投写する画像投写手段と、を備える自動車301等の移動体において、画像投写手段として、態様1乃至8の何れか一の態様に係るヘッドアップディスプレイ装置200等の画像投写装置を備えることを特徴とする。
これによれば、上記実施形態について説明したように、太陽光SL等の外光が画像投写手段に入射しても中間スクリーン70等の光透過部材の損傷を抑制でき、安定した表示画像品質を得ることができる。
1 光走査装置
2 制御部
7 中間スクリーンユニット
7a スクリーン内側空間
10 光源ユニット
11 光源部
13 光偏向器
14 反射面
15 被走査面
16 走査可能領域
17 有効走査領域
18 受光器
20 走査ミラー
40 凹面ミラー
70 中間スクリーン
71 窓枠部材
72 裏面押圧部材
72a 内壁面
73 仮想円筒面
74 突起部
74a 下部突起部
74b 上部突起部
74c 側部突起部
75 開口窓
76 弾性部材
77 係合突起部
78 熱伝導シート
79 熱伝導ペースト
80 係合穴
111 光源素子
112 カップリングレンズ
113 アパーチャ
115 光路合成素子
116 メニスカスレンズ
152 蛇行状梁部
152a 第一梁部
152b 第二梁部
154 枠部材
156 圧電部材
200 ヘッドアップディスプレイ装置
220 イメージャ
256 バスライン
257 ドライバ
258 コントローラー
300 運転者
301 自動車
302 フロントガラス
410 ダッシュボード
700 マイクロレンズ
700d 配置周期
701 光学板
702 入射光束
703 発散光束
704 領域
800 車両情報入力部
802 外部情報入力部
804 画像情報生成部
806 画像生成部
I 虚像
L 表示光
P1 副走査方向回転軸
P2 主走査方向回転軸
SL 太陽光
θ1 発散角
特開2017−219799号公報

Claims (9)

  1. 画像投写面に向けて伝播する投写光が透過する光透過部材と、
    前記投写光の伝播方向の上流側と下流側とから前記光透過部材を挟んで保持する上流側保持部材と、下流側保持部材とを備える画像投写装置において、
    前記光透過部材と前記上流側保持部材との間の熱抵抗よりも、前記光透過部材と前記下流側保持部材との間の熱抵抗を小さくしたことを特徴とする画像投写装置。
  2. 請求項1の画像投写装置において、
    前記光透過部材と前記下流側保持部材との接触面積を、前記光透過部材と前記上流側保持部材との接触面積よりも大きくしたことを特徴とする画像投写装置。
  3. 請求項1または2の画像投写装置において、
    前記上流側保持部材と前記光透過部材との間の熱抵抗よりも、前記上流側保持部材と前記下流側保持部材との間の熱抵抗を小さくしたことを特徴とする画像投写装置。
  4. 画像投写面に向けて伝播する投写光が透過する光透過部材と、
    前記投写光の伝播方向の上流側と下流側とから前記光透過部材を挟んで保持する上流側保持部材と、下流側保持部材とを備える画像投写装置において、
    前記上流側保持部材と前記光透過部材との間の熱抵抗よりも、前記上流側保持部材と前記下流側保持部材との間の熱抵抗を小さくしたことを特徴とする画像投写装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像投写装置において、
    前記上流側保持部材の熱伝導率よりも、前記下流側保持部材の熱伝導率の方が高いことを特徴とする画像投写装置。
  6. 請求項5の画像投写装置において、
    前記上流側保持部材は樹脂材料からなり、前記下流側保持部材は金属材料からなることを特徴とする画像投写装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像投写装置において、
    前記投写光を照射する光源と、
    前記投写光を二次元走査して前記光透過部材に照射する走査手段と、を備えることを特徴とする画像投写装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像投写装置において、
    前記上流側保持部材は、前記投写光が通過する開口部を形成する枠状で、前記光透過部材における前記画像投写面に投写する画像が表示される画像表示部の周囲に当接して前記光透過部材を所望の形状に維持する部材であり、
    前記下流側保持部材は、前記光透過部材を透過した前記投写光が通過する開口窓が形成された窓枠状の部材であることを特徴とする画像投写装置。
  9. 移動手段と、
    前記画像投写面に画像を投写する画像投写手段と、を備える移動体において、
    前記画像投写手段として、請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像投写装置を備えることを特徴とする移動体。
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