JP2018194820A - 虚像形成装置及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】観察者に対する虚像画角及び虚像距離及び視野範囲を確保しつつ小型化を図ることが可能な虚像形成装置を提供する。【解決手段】装置本体と、装置本体の内部に配設される実像形成部と、実像形成部からの光を反射させるミラーと、ミラーにより反射された光を屈曲させる正のパワーを有する光学素子と、装置本体に形成され光学素子で屈曲された光を出射させる開口部とを備え、開口部から出射された光を透過反射部材へと導いて虚像を形成する虚像形成装置。【選択図】図1
Description
本発明は、虚像形成装置及び移動体に関する。
従来、車両のフロントガラスにより表示パネルに表示させる画像を搭乗者に向けて反射させ、各種情報を虚像として搭乗者が認識可能となるように構成されたヘッドアップディスプレイ装置を構成する虚像形成装置が知られている。このような虚像形成装置について、以下に簡単に説明する。
図6は、虚像形成装置の構成を簡素化した概略図である。この虚像形成装置90は図示しない装置本体を有しており、装置本体の実画像形成面から光像を照射し、この光像を凹面ミラー92で反射させて開口部91を介して観察者94に投光することで虚像93を形成し、この虚像93があたかも実在するかのように観察者94に視認させるものである。
上述した虚像形成装置において、観察光学系中にレンズ素子を追加することにより収差補正の難易度を下げて光路長を短縮させ、装置の小型化を図る技術が知られている。このような小型化を図った虚像形成装置として、例えば凹面状のミラーの上方に非球面フレネルレンズを追加し、フレネルレンズにフロントガラス形状に依存する歪みを補償する機能を持たせることにより、収差補正の難易度を下げて装置の小型化を図った虚像形成装置が提案されている(例えば「特許文献1」参照)。
従来のヘッドアップディスプレイ装置80では、図8に示すように、装置本体81内に配設されたディスプレイに形成された実像82を遠方に表示するための虚像83を形成する必要があり、図8の例では車両のフロントガラス84を介して実像82を虚像化させるための観察光学系85が必要である。観察光学系85とは観察者86に対して虚像画角及び虚像距離及び視野範囲(虚像を観察可能な範囲)を形成するものであるが、この観察光学系85が装置本体81に対しての面積占有率が比較的大きく、ヘッドアップディスプレイ装置の小型化の際に大きな問題点となっている。
観察光学系85としては、観察者86の位置に対応した虚像位置調整を効率的に行うため、上述したような凹面型のミラー87が多用されている。ミラー87の大きさは、主に虚像距離、虚像画角、観察者86に対する視野範囲からほぼ決定され、観察光学系85の中において大きな容積を占めている。このミラー87に並び、観察光学系85の中において大きな容積を占めているものは、実像82からミラー87までの光路である。
光路の長さは、上述した技術により小型化が可能である。しかし、ミラー87の大きさは、実像82を虚像化するための光束の出射幅等から装置本体81の開口部88の大きさがほぼ決定されていることから、小型化が困難であった。
本発明は、上述した問題点を解決し、観察者に対する虚像画角及び虚像距離及び視野範囲を確保しつつ小型化を図ることが可能な虚像形成装置の提供を目的とする。
本発明は、上述した問題点を解決し、観察者に対する虚像画角及び虚像距離及び視野範囲を確保しつつ小型化を図ることが可能な虚像形成装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、装置本体と、前記装置本体の内部に配設される実像形成部と、前記実像形成部からの光を反射させるミラーと、前記ミラーにより反射された前記光を屈曲させる正のパワーを有する光学素子と、前記装置本体に形成され前記光学素子で屈曲された光を出射させる開口部とを備え、前記開口部から出射された前記光を透過反射部材へと導いて虚像を形成することを特徴とする。
本発明によれば、観察者に対する虚像画角及び虚像距離及び視野範囲を確保しつつ小型化を達成できる。
以下に、本発明の虚像形成装置を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示している。同図において、虚像形成装置1は透過反射部材2と共にヘッドアップディスプレイ100を構成する。ヘッドアップディスプレイ100は、車両、船舶、航空機等の移動体に設置されている。ヘッドアップディスプレイ100は、各移動体に配設されたフロントガラスやフロントウィンドウシールド等の、光を透過及び反射させる透過反射部材2を含み、透過反射部材2を用いて移動体の操縦に必要な速度や走行距離等のナビゲーション情報を、搭乗者である観察者に対して視認可能に表示する。透過反射部材2は、入射された光の一部を透過させ、残りのうちの少なくとも一部を反射させる、通常のフロントガラスが有する機能を有している。
図1は、本発明の一実施形態を示している。同図において、虚像形成装置1は透過反射部材2と共にヘッドアップディスプレイ100を構成する。ヘッドアップディスプレイ100は、車両、船舶、航空機等の移動体に設置されている。ヘッドアップディスプレイ100は、各移動体に配設されたフロントガラスやフロントウィンドウシールド等の、光を透過及び反射させる透過反射部材2を含み、透過反射部材2を用いて移動体の操縦に必要な速度や走行距離等のナビゲーション情報を、搭乗者である観察者に対して視認可能に表示する。透過反射部材2は、入射された光の一部を透過させ、残りのうちの少なくとも一部を反射させる、通常のフロントガラスが有する機能を有している。
虚像形成装置1は、その装置本体3の内部に、実像が投影される拡散板やマイクロレンズアレイ等の実像画像面4、実像画像面4に投影される実像を形成する実像形成部5、ミラー6、レンズ素子7等を有している。この構成中、ミラー6及びレンズ素子7によって観察光学系8が構成されている。また装置本体3には、レンズ素子7の上方に実像形成部5から出射された光束によって形成された実像が外部へと出射される開口部9が形成されている。なお、図1に示す構成において、紙面手前側と紙面奥側との方向である紙面方向をX方向、上下方向をY方向、左右方向をZ方向と定義し、他の図における構成も図1に示す方向を基準としてこれに準拠する。例えば、図1においてミラー6の幅方向はX方向であるが、ミラー6を正面から見た場合には左右方向がX方向となる。
以下、実像画像面4及び実像形成部5としてレーザ走査方式の構成を説明するが、LCD方式やDLP方式の構成を本発明に適用することも可能である。
以下、実像画像面4及び実像形成部5としてレーザ走査方式の構成を説明するが、LCD方式やDLP方式の構成を本発明に適用することも可能である。
実像形成部5は、図2に示すように、赤色光源10、緑色光源11、青色光源12を有しており、各光源10,11,12から出射された3色のビームを一つに合成した合成ビームを、二次元偏向手段を用いて実像画像面4に走査することにより実像を形成する。各光源10,11,12には端面発光レーザであるレーザダイオード(LD)が用いられるが、各光源10,11,12として面発光レーザ(VCSEL)を用いてもよい。
符号13,14,15はそれぞれ各光源10,11,12に対応したカップリングレンズを示しており、各カップリングレンズ13,14,15は各光源10,11,12から出射される各レーザ光束の発散性を抑制する。各カップリングレンズ13,14,15によって発散性を抑制された各光源10,11,12のレーザ光束は、各光源10,11,12に対応したアパーチャ16,17,18によって光束径を規制されて整形された後、ビーム合成プリズム19に入射する。
ビーム合成プリズム19は、赤色光を透過させ緑色光を反射するダイクロック膜19aと、赤色光及び緑色光を透過させ青色光を反射するダイクロック膜19bとを有している。従って、ビーム合成プリズム19からは、赤色、緑色、青色の各色レーザ光束が一つの光束に合成されて出射され、出射される光束はレンズ20によって所定の光束径の平行ビームに変換される。この平行ビームが画素表示用ビームである。
画素表示用ビームを構成する赤色、緑色、青色の各色レーザ光は、表示すべき二次元のカラー画像である実像の画像信号に基づき、画像情報(画像データ)に応じて強度変調されている。この強度変調は、半導体レーザを直接変調する直接変調方式であっても、半導体レーザから出射されたレーザ光束を変調する外部変調方式であってもよい。すなわち半導体レーザである各色の光源10,11,12は、図示しない駆動手段によって各色成分の画像信号によって発光強度を変調される。
出射される画素表示用ビームは、図示しない画像形成素子としての二次元偏向手段に入射して二次元的に偏向される。二次元偏向手段は、本実施形態では微小なミラーを互いに直交する2軸を揺動軸として揺動するように構成されたものであり、具体的には半導体プロセス等で微小揺動ミラーとして作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いることが可能である。
ミラー6及びレンズ素子7の光学的な作用は、実像画像面4に形成された実像について透過反射部材2による歪みを除去しつつ、虚像21を形成して虚像化することである。一例として、ミラー6としては一般的な凹面ミラーが用いられ、レンズ素子7としても一般的なシクロオレフィンポリマ系樹脂からなる樹脂レンズが用いられる。実像画像面4に形成された実像を、拡大した虚像21として結像させるこの系を観察光学系8とする。また、レンズ素子7の上部には、装置本体3の内部に塵埃が侵入することを防止するためのカバー25が配設されている。
ミラー6の上方に配設されたレンズ素子7が正のパワーを有することでミラー6における光束が絞られて小さくなり、ミラー6の必要面積を縮小することが可能となる。既に説明した図6と対比して、図7にその概念図を示す。
図7は、凹面ミラー97の直前に正のパワーを有する凸レンズ95を配置し、図示しない装置本体の小型化を図った虚像形成装置96を示している。光路の途中に配置される開口部91のサイズは、虚像画角、虚像距離、視野範囲によってほぼ決定されてしまうため、虚像形成装置96が設置される空間及び虚像93と観察者94との位置関係が変わらない限り大きな変化はない。そこで本実施形態の虚像形成装置96では、開口部91の近傍に正のパワーを有する凸レンズ95を配設することにより光束を絞り、図6に示した凹面ミラー92よりも小型の凹面ミラー97を用いることによって装置の小型化を図っている。
図7は、凹面ミラー97の直前に正のパワーを有する凸レンズ95を配置し、図示しない装置本体の小型化を図った虚像形成装置96を示している。光路の途中に配置される開口部91のサイズは、虚像画角、虚像距離、視野範囲によってほぼ決定されてしまうため、虚像形成装置96が設置される空間及び虚像93と観察者94との位置関係が変わらない限り大きな変化はない。そこで本実施形態の虚像形成装置96では、開口部91の近傍に正のパワーを有する凸レンズ95を配設することにより光束を絞り、図6に示した凹面ミラー92よりも小型の凹面ミラー97を用いることによって装置の小型化を図っている。
虚像21の手前側、すなわち虚像21と観察者22との間には透過反射部材2が配置され、透過反射部材2は虚像21を形成する光束を観察者22側へと反射させる。なお、観察者22(例えば移動体に搭乗した搭乗者)は、透過反射部材2で反射されたレーザ光が辿る光路上の所定位置である観察位置から虚像21を視認する。このように、透過反射部材2の反射光により観察者22は虚像21を視認することが可能となる。
透過反射部材2の形状とミラー6及びレンズ素子7の形状とには、互いに関係性を持たせた方がより良好な視認性を得ることができる。これは、ミラー6及びレンズ素子7の互いに直交する2軸である各虚像画角において、ミラー6、レンズ素子7、透過反射部材2を経由する光束に対して歪みの小さな虚像21を形成するためである。
例えば、透過反射部材2の形状が室内側の反射面として正のパワーを有し、加えて鉛直方向断面(YZ平面)と水平方向断面(ZX平面)とでそれぞれ反射面としての正のパワーが互いに異なり、鉛直方向断面(YZ平面)のパワーが水平方向断面(ZX平面)のパワーよりも強い場合を想定する。この場合には、ミラー6及びレンズ素子7の形状は、透過反射部材2の鉛直方向断面(YZ平面)に光路として対応する断面に比して、その直交方向である水平方向断面(ZX平面)のパワーが強くなるように構成されていることが歪み補正上では好ましい。また、ミラー6よりもレンズ素子7のパワーを強くする方がミラー6上の光線有効範囲を小さくすることにおいて有利であり、虚像形成装置1のさらなる小型化においても好ましい。
光束によって実像画像面4に形成される実像は、発散性を有する光束である必要がある。これは、図1に光路例23として示すように、観察者22の両眼近傍のある程度広い範囲を照射可能とするためである。実像が発散性の光束ではない場合には、観察者22のごく狭い範囲のみを照射することとなり、観察者22が頭部を僅かに移動させただけで虚像21を視認することができなくなってしまう。このように観察者22が虚像21を視認できる領域を、視野範囲24として設定している。
観察者22の頭部の位置は個人差があるため、この個人差に合わせて虚像21及び視野範囲24の位置を調整することが必要であり、反射によってパワーを有するミラー6の姿勢を可動とすることにより、効率的な調整が可能に構成されている。具体的には、ミラー6は装置本体3に固定された支持部材によって、実像形成部5から出射される光束の光軸方向と直交する軸に対して揺動自在に支持されている。一例を挙げると、ミラー6はX軸周りに揺動自在に支持される。
本実施形態では、調整可能なミラーとしてのミラー6を一枚配置し、光束出射用の開口部9の下方にレンズ素子7を配置するという最小限の構成で最大限の収差補正能力を発揮すると共に、装置の小型化を達成することが可能な虚像形成装置を提供するものである。
本実施形態で示した虚像形成装置1が移動体に設置される場合は、観察者22の眼球の位置と虚像形成装置1とは同一の位置基準を取ることが困難であり、またある程度の距離を介して配置される可能性が高く、互いの相対位置を高い精度で確保することが困難である。このような状態であっても安定的な視認性を確保すべく、観察者22の両眼を十分に覆う程度に視野範囲24を設定すること及び視野範囲24の位置調整が可能であることは、共に重要な役割を担うこととなる。
本実施形態で示した虚像形成装置1が移動体に設置される場合は、観察者22の眼球の位置と虚像形成装置1とは同一の位置基準を取ることが困難であり、またある程度の距離を介して配置される可能性が高く、互いの相対位置を高い精度で確保することが困難である。このような状態であっても安定的な視認性を確保すべく、観察者22の両眼を十分に覆う程度に視野範囲24を設定すること及び視野範囲24の位置調整が可能であることは、共に重要な役割を担うこととなる。
上述の構成において、開口部9の適切なサイズは、虚像画角、虚像距離、観察者22の視野範囲24という三つの製品仕様により、虚像形成装置1の大きさとは独立して幾何学的な計算によりほぼ決定される。これは、基本的には装置本体3を小型化しても開口部9のサイズにはあまり影響がないことを意味している。
上述より、レンズ素子7をミラー6よりも虚像21側に配置することにより、すなわちレンズ素子7をミラー6よりも開口部9に近い位置に配置することにより、レンズ素子7のサイズが開口部9と同様のサイズとなっても、装置全体の大型化に対する影響を十分に小さく抑えることが可能である。加えて、ミラー6とレンズ素子7とでパワーを分割して収差補正を行うことにより、実像画像面4からミラー6までの光路長を短縮することが可能であり、さらにミラー6の必要面積が縮小され、装置の小型化が図られる。
上述より、レンズ素子7をミラー6よりも虚像21側に配置することにより、すなわちレンズ素子7をミラー6よりも開口部9に近い位置に配置することにより、レンズ素子7のサイズが開口部9と同様のサイズとなっても、装置全体の大型化に対する影響を十分に小さく抑えることが可能である。加えて、ミラー6とレンズ素子7とでパワーを分割して収差補正を行うことにより、実像画像面4からミラー6までの光路長を短縮することが可能であり、さらにミラー6の必要面積が縮小され、装置の小型化が図られる。
例えば、レンズ素子7を持たないミラー6のみの装置に比して、正のパワーの主点位置を虚像21側に移動させることも可能であり、虚像21の拡大率を大幅に変更することなく実像画像面4からミラー6までの光路長を短縮でき、ミラー6の必要面積を削減することができる。なお、本実施形態ではレンズ素子7が正のパワーを有する正レンズ一枚で構成されているが、レンズ素子7を複数枚の正レンズで構成することも可能であり、また正レンズと負のパワーを有する負レンズとを組み合わせて全体として正のパワーを有する複数枚のレンズ要素を、単独または複数で構成することも可能である。このとき、レンズ素子7としてその構成中に負レンズを有することにより、色収差の補正が可能となって虚像21の視認性向上を図ることができる。
またレンズ素子7として、全体として正のパワーと同等の働きを有する回折素子やホログラム素子等の光学素子を配置して構成することも可能である。このような構成とすることにより、同等の機能を有するレンズ素子よりも薄型化または小型化することができ、装置全体のさらなる小型化を図ることができる。従って、レンズ素子7として、光束を透過させつつ全体として正のパワーを有するもので構成することにより、上述した作用効果を得ることができる。
上記実施形態において、図3に示すようにレンズ素子7はその断面、すなわち虚像画角の大きい方向における断面線Aによる第1の断面と、この第1の断面に直交する虚像画角の小さい方向における断面線Bによる第2の断面とにおいて、互いにパワーが異なる構成であることが望ましい。
虚像21の画角は点対称ではなく、直交する2方向、すなわちX方向とY方向とにおいて大きく異なることが一般的であり、さらに透過反射部材2のパワーも方向に応じて異なることが一般的である。このため、レンズ素子7においても上述した互いに直交する第1の断面と第2の断面とにおいて互いにパワーを変化させる構成とすることにより、生じる歪みをより効率的に補正することができる。
虚像21の画角は点対称ではなく、直交する2方向、すなわちX方向とY方向とにおいて大きく異なることが一般的であり、さらに透過反射部材2のパワーも方向に応じて異なることが一般的である。このため、レンズ素子7においても上述した互いに直交する第1の断面と第2の断面とにおいて互いにパワーを変化させる構成とすることにより、生じる歪みをより効率的に補正することができる。
さらに上記実施形態において、レンズ素子7はその両面にパワーを有する構成であることが望ましい。この構成とすることにより、収差補正に寄与する面が増加して収差補正能力が向上し、虚像21の視認性を向上することが可能な虚像形成装置1を提供することができると共に、虚像形成装置1の小型化も図ることができる。
上記実施形態において、レンズ素子7は少なくとも一面がフレネルレンズで構成されていることが望ましい。この構成によりレンズ素子7の高さ方向における大きさを小型化することができ、虚像形成装置1をさらに小型化することができる。
上記実施形態において、レンズ素子7は少なくとも一面がフレネルレンズで構成されていることが望ましい。この構成によりレンズ素子7の高さ方向における大きさを小型化することができ、虚像形成装置1をさらに小型化することができる。
フロントガラスやフロントウィンドウシールド等を透過反射部材2として用いる本発明において、虚像形成装置1からの光束投射方向をほぼ鉛直方向(Y方向)とすることにより、透過光を透過反射部材2の上方へと逃がすことができる。例えば自動車等においてはフロントガラスからの透過光が水平に近い角度、すなわちZ方向に近い角度で出射されると、対向車や周囲の歩行者等を幻惑させる虞があるが、透過光を上方すなわちY方向に近い角度へと逃がす構成によれば透過光が周囲の安全を害する可能性を低減させることができ、安全性を高めることができる。
上記実施形態では、レンズ素子7の上方に防塵用のカバー25を設ける構成としたが、図4に示すように、レンズ素子7及びカバー25に代えて防塵機能を有するレンズ素子である防塵レンズ26を用いてもよい。防塵レンズ26は中央部にレンズ部を有しており、レンズ部以外の部位すなわちレンズ部の周囲の部位が装置本体3の開口部9の縁部に対してぴったりと密着可能となるように構成されている。なお、ここでいう密着とは、装置本体3の内部に塵埃が侵入しない程度に隙間なく接触していることであり、必ずしも全ての周囲の部位が装置本体3に対して固定されていなくてもよい。
この構成によりカバー25が不要となり、コストダウン及び装置の小型化を図ることができる。
この構成によりカバー25が不要となり、コストダウン及び装置の小型化を図ることができる。
上記実施形態の変形例として、図9に示すようにレンズ素子7に代えて、装置外側に位置する面すなわち実像形成部5から照射される光の出射側の面が凹面形状となるように形成されたレンズ素子29を用いてもよい。図10は、レンズ素子29とは逆に、装置外側に位置する面が凸面形状となるように形成されたレンズ素子30を示している。
図9及び図10は、各レンズ素子29,30の光の出射側の面(外側面ともいう)によって形成される、外界の光による不要虚像の画角を示している。これは、例えば太陽光がレンズ素子29,30の外側面で反射して観察者22に到達することにより、観察者22は不要な太陽光の虚像を観察してしまうこととなる。
図9及び図10は、各レンズ素子29,30の光の出射側の面(外側面ともいう)によって形成される、外界の光による不要虚像の画角を示している。これは、例えば太陽光がレンズ素子29,30の外側面で反射して観察者22に到達することにより、観察者22は不要な太陽光の虚像を観察してしまうこととなる。
レンズ素子30はその外側面が凸面形状を呈しており、不要虚像を生じさせる画角を角度βで示すように発散させる作用を有している。これに対して、レンズ素子29はその外側面が凹面形状を呈しており、不要虚像を生じさせる画角を角度αで示すように収斂させる作用を有している。このような構成のレンズ素子29を用いることにより、観察者22に対する外界の光による不要虚像の到達範囲を縮小することが可能となり、観察者22による虚像の視認性を各段に向上させることができる。
なお、本変形例ではレンズ素子29を示したが、レンズ素子29に代えて防塵レンズ26と同様に構成された防塵レンズを採用してもよい。
なお、本変形例ではレンズ素子29を示したが、レンズ素子29に代えて防塵レンズ26と同様に構成された防塵レンズを採用してもよい。
上記実施形態では、レンズ素子7が正のパワーを有する構成としたが、ミラー6も正のパワーを有する構成であることが望ましい。この構成とすることにより、レンズ素子7とによって正のパワーを分担しつつ虚像21を作製することができ、これにより収差補正の難易度を低減でき装置のさらなる小型化を図ることができる。
また、ミラー6もレンズ素子7と同様に、虚像画角の大きい方向における第1の断面とこの第1の断面に直交する虚像画角の小さい方向における第2の断面とにおいて、互いにパワーが異なる構成であることが望ましい。この構成により、レンズ素子7と同様にさらなる歪み補正能力の向上が可能となる。
また、ミラー6もレンズ素子7と同様に、虚像画角の大きい方向における第1の断面とこの第1の断面に直交する虚像画角の小さい方向における第2の断面とにおいて、互いにパワーが異なる構成であることが望ましい。この構成により、レンズ素子7と同様にさらなる歪み補正能力の向上が可能となる。
上述した虚像形成装置1において、ミラー6とレンズ素子7とは互いの相対位置関係を以て収差補正を行っている。そのため、組付けや部品精度による製造誤差が小さければ小さいほど、良好な収差補正を行うことができる。
そこで、図5に示すように、ミラー6とレンズ素子7とを同一の保持部材27によって保持し、この保持部材27を装置本体3に取り付ける構成とすることにより製造誤差を抑制することができ、虚像21の視認性劣化を抑制することができる。なお、ミラー6は保持部材27に対して、支持軸28を介してX方向を中心に揺動自在かつ位置決め可能に取り付けられている。この構成により、上述の作用効果の他、ミラー6の位置調整により虚像21及び視野範囲24の位置調整を行うことができ、移動体に対する装置の装着性を向上することができる。
なお、上記実施形態ではミラー6がX方向を中心に揺動自在に取り付けられる構成を示したが、ミラー6がX方向に対して傾いた軸を中心に揺動自在に取り付けられる構成を採用してもよい。
そこで、図5に示すように、ミラー6とレンズ素子7とを同一の保持部材27によって保持し、この保持部材27を装置本体3に取り付ける構成とすることにより製造誤差を抑制することができ、虚像21の視認性劣化を抑制することができる。なお、ミラー6は保持部材27に対して、支持軸28を介してX方向を中心に揺動自在かつ位置決め可能に取り付けられている。この構成により、上述の作用効果の他、ミラー6の位置調整により虚像21及び視野範囲24の位置調整を行うことができ、移動体に対する装置の装着性を向上することができる。
なお、上記実施形態ではミラー6がX方向を中心に揺動自在に取り付けられる構成を示したが、ミラー6がX方向に対して傾いた軸を中心に揺動自在に取り付けられる構成を採用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 虚像形成装置
2 透過反射部材
3 装置本体
5 実像形成部
6 ミラー
7 レンズ素子
8 観察光学系
9 開口部
21 虚像
22 観察者
2 透過反射部材
3 装置本体
5 実像形成部
6 ミラー
7 レンズ素子
8 観察光学系
9 開口部
21 虚像
22 観察者
Claims (15)
- 装置本体と、
前記装置本体の内部に配設される実像形成部と、
前記実像形成部からの光を反射させるミラーと、前記ミラーにより反射された前記光を屈曲させる正のパワーを有する光学素子と、
前記装置本体に形成され前記光学素子で屈曲された光を出射させる開口部とを備え、
前記開口部から出射された前記光を透過反射部材へと導いて虚像を形成する虚像形成装置。 - 請求項1記載の虚像形成装置において、
前記光学素子は、第1の断面と前記第1の断面に直交する第2の断面とにおいて互いにパワーが異なることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1または2記載の虚像形成装置において、
前記光学素子はその両面にパワーを有することを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし3の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子の少なくとも一面はフレネルレンズであることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光は前記開口部からほぼ鉛直方向に向けて出射されることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし5の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子は前記開口部を封止する態様で前記装置本体に取り付けられていることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子は前記光の出射側の面が凹面形状であることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし7の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記ミラーが正のパワーを有することを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし8の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記ミラーは、第1の断面と前記第1の断面に直交する第2の断面とにおいて互いにパワーが異なることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし9の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子と前記ミラーとは、それぞれ同一の部材により前記装置本体に対して位置決めされていることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし10の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子に対して前記ミラーは相対角度可変に構成されていることを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし11の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子は複数のレンズを含むことを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項12記載の虚像形成装置において、
前記複数のレンズは負のレンズを含むことを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし13の何れか一つに記載の虚像形成装置において、
前記光学素子は回折素子またはホログラム素子を含むことを特徴とする虚像形成装置。 - 請求項1ないし14の何れか一つに記載の虚像形成装置と前記透過反射部材とを備えることを特徴とする移動体。
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JP2018043286A Withdrawn JP2018194820A (ja) | 2017-05-16 | 2018-03-09 | 虚像形成装置及び移動体 |
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2018
- 2018-03-09 JP JP2018043286A patent/JP2018194820A/ja not_active Withdrawn
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