JP6950676B2 - 錠剤 - Google Patents

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Description

本発明は、錠剤に係り、特に内服用の錠剤に関するものである。
従来、内服用の錠剤は、つまみ易さや飲み込み易さを考慮して、直径約6〜15mm、重量約100〜500mg程度の大きさで、円形タイプや楕円形タイプの形を成しているものが一般的である。
しかしながら、高齢者や手の動きを含む関節可動域に制限のある患者(例えば関節リウマチ患者)にとっては、上記大きさや形の錠剤であってもつまむことができない、手もとから落とてしまうと拾うことができない、といった問題が報告されている(大脇奈保子,多施設共同による錠・カプセル剤の開封性に関する検討,医療薬学,30(5) 312-320(2004))。
また、円形タイプの錠剤の場合には、転がり易く紛失してしまうといった問題も挙げられている。
そうした中で、錠剤の形状を工夫することで、落としたときに転がり難くし、また、高齢者であってもつまみ易くするような錠剤が種々提案されているところである(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の薬は、楕円形タイプの錠剤であって、所定方向に偏った形状からなる錠剤本体部と、錠剤本体部の上面から連続して上方に向かって突出する凸部と、から構成されている。
上記構成であれば、高齢者が錠剤を取り出す際に、錠剤がテーブル上や床に落下してしまった場合でも、遠くまで転がり行方不明になってしまうことを防止できる。
また、凸部が下向きとなる形で錠剤が置かれれば、錠剤の高さが幾分高くなるため、錠剤を幾分つまみ易くもなっている。
また、特許文献2に記載の錠剤は、円形タイプであって、錠剤本体の一部を切り欠くことで平面状の斜面を形成した形状を有している。
上記構成であれば、錠剤が転がって回転移動する際にバランスを崩し易く、転がり難くなる。また、錠剤本体から突出する突出部(凸部)が形成されたものではないから、飲み易さも一応確保されている。
また、斜面部分が下向きとなる形で錠剤が置かれれば、錠剤の高さが幾分高くなるため、錠剤を幾分つまみ易くもなっている。
実用新案登録第3158894号公報 特許第2785049号公報
しかしながら、高齢者や関節可動域に制限のある患者にとっては、一層容易につまむことができ、手もとから落としてしまっても転がり難い形状となっており、また、飲み易さ(嚥下性)についても配慮されている錠剤が望まれていた。
具体的には、特許文献1に記載の錠剤では、凸部が設けられることで転がり難い形状となっているものの、つまみ易さについては一層の工夫と改善が求められていた。また、凸部によって嚥下性を損なってしまう虞があった。
特許文献2に記載の錠剤では、錠剤本体の一部を切り欠いて斜面を形成することで、転がり難くなり、嚥下性も一応配慮されているものの、やはり、つまみ易さについては工夫と改善が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、たとえ高齢者や関節可動域に制限のある患者が対象であっても、容易につまむことができ、手もとから落としてしまっても転がり難い錠剤を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、内服用錠剤として、高齢者やシェーグレン症候群を併発した関節リウマチ患者が対象であっても嚥下性に配慮された錠剤を提供することにある。
前記課題は、本発明に係る錠剤によれば、立体状の錠剤本体部と、該錠剤本体部の側面から連続して該錠剤本体部の高さ方向とは直交する直交方向の外側に突出する突出部と、を備えた錠剤であって、前記突出部は、前記錠剤本体部を介して互いに反対側の向きに突出している第1突出部及び第2突出部を有し、該第1突出部及び第2突出部は、互いに異なる高さ位置に配置されており、前記第1突出部は、前記錠剤本体部の側面のうち上方部分から突出し、前記第2突出部は、前記錠剤本体部の側面のうち下方部分から突出し、前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記錠剤本体部から離れるに従って前記錠剤本体部の幅方向において幅狭となるように形成されており、前記第1突出部は、該第1突出部の上面が前記錠剤本体部の上面と略面一になって形成され、前記第2突出部は、該第2突出部の底面が前記錠剤本体部の底面と略面一になって形成されており、前記第1突出部の底面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で平面状に延びており、前記第2突出部の上面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で平面状に延びていること、により解決される。
上記構成により、たとえ高齢者や関節可動域に制限のある患者が対象であっても、容易につまむことができ、手もとから落としてしまっても転がり難い、ユニバーサルデザインを備えた錠剤を実現することができると考えられる。
詳しく説明すると、錠剤本体部の側面から連続して錠剤本体部の高さ方向とは直交する方向の外側に突出する突出部を備えているため、錠剤をつまむときに、錠剤の突出部分(一端部分)を上から押すことで、錠剤の反対側の突出部分(他端部分)が立ち上がり、当該他端部分と設置面(テーブルの表面や錠剤ケースの収納面)との間にスペースを形成することができる。その結果、つまみ易さを大幅に向上させることができる。
また、突出部は、錠剤本体部を介して互いに反対側の向きに突出している第1突出部及び第2突出部を有し、第1突出部及び第2突出部は、互いに異なる高さ位置に配置されているため、たとえ錠剤の上面が上向きの位置で置かれたとしても、上面が下向きのひっくり返った位置で置かれたとしても、両方の位置でつまみ易さを確保することができる。
また、上記突出部を備えているため、従来の円形タイプや楕円形タイプの錠剤と比較して、手もとから落としてしまった場合にも転がり難い形状となる。
また上記のように、第1突出部、第2突出部は、それぞれ錠剤本体部の側面のうち上方部分、下方部分から突出しているため、つまみ易さをより向上させることができる。
詳しく言うと、錠剤の上面が上向きの位置で置かれた場合には、第1突出部を上から押すことで錠剤を容易に立ち上げることができ、また、錠剤がひっくり返った位置で置かれた場合には、第2突出部を上から押すことで錠剤を容易に立ち上げることができる。
また上記のように、第1突出部及び第2突出部は、錠剤本体部から離れるに従って幅狭となるように形成されているため、内服用の錠剤の場合には、高齢者やシェーグレン症候群を併発した関節リウマチ患者が対象であっても嚥下性に配慮された形状となることが期待される。
また上記構成により、錠剤と、設置面(テーブルの表面や錠剤ケースの収納面)との接触面積を大きくすることができるため、錠剤が置かれた状態で安定する結果、錠剤を一層つまみ易くなるとともに、より転がり難くなる。
このとき、前記第1突出部は、前記錠剤本体部の側面から前記第1突出部の先端部に至るまで幅狭となるように形成され、前記第2突出部は、前記錠剤本体部の側面から前記第2突出部の先端部に至るまで幅狭となるように形成され、前記第1突出部の底面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で、前記錠剤本体部の側面から前記先端部に至るまで平面状に延びており、前記第2突出部の上面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で、前記錠剤本体部の側面から前記先端部に至るまで平面状に延びていると良い
このとき、前記錠剤は、内服用であって、前記第1突出部は、前記錠剤本体部の底面のうち前記第1突出部側の端部と、前記第1突出部の先端部とを結ぶ面であって、前記錠剤本体部の底面とは交差する方向に延びている第1傾斜面を有し、前記第2突出部は、前記錠剤本体部の上面のうち前記第2突出部側の端部と、前記第2突出部の先端部とを結ぶ面であって、前記錠剤本体部の上面とは交差する方向に延びている第2傾斜面を有していると良い。
上記のように、錠剤が第1傾斜面及び第2傾斜面を有しているため、錠剤をつまむために錠剤を傾けたときに、錠剤の傾斜面と設置面との接触面積を大きく確保することができ、傾けた状態にある錠剤が安定する結果、錠剤を一層つまみ易くなる。
また上記構成により、各突出部の突出感が改善されて滑らかになるため、従来のような突出部(凸部)を有する錠剤と比較して、嚥下性に配慮された形状となる。
特に関節リウマチ患者の場合には、シェーグレン症候群を併発しているケースが多く、つまみ易さだけでなく嚥下性にも難を感じている患者が多いため、本発明の構成に基づく効果が一層際立つものとなることが期待される。
このとき、前記突出部の突出方向における前記錠剤の底面の長さをL1(mm)、かつ、前記突出方向における前記錠剤の上面の長さをL2(mm)とそれぞれ設定し、前記底面のうちの前記第1突出部側の端部と前記第1突出部の先端部とを結ぶ仮想面と、前記底面とのなす角度をθ(°)、かつ、前記上面のうちの前記第2突出部側の端部と前記第2突出部の先端部とを結ぶ仮想面と、前記上面とのなす角度をθ(°)とそれぞれ設定したとき、下記数式1及び数式2の少なくとも1つを満たすと良い。
数式1: L1×sin(180°−θ)≧3.4(mm)
数式2: L2×sin(180°−θ)≧3.4(mm)
上記構成により、高齢者や関節リウマチ患者を想定した錠剤のつまみ易さを評価する試験の結果に基づいて、好適な形状の錠剤を実現することができる。
具体的には、錠剤の端部分を上から押して傾けたときに、錠剤の高さが3.4mm以上確保することができれば、たとえ高齢者や関節可動域に制限のある患者であっても錠剤を安定してつまむことができると考えられる。
このとき、前記錠剤の長さLを前記錠剤の幅Wで除した値は、1.79以上であって、3.72以下であって、前記錠剤の幅W(mm)が3.9以上であると良い。
上記構成により、錠剤のつまみ易さ、嚥下性をそれぞれ評価する試験の結果に基づいて、つまみ易さ及び嚥下性を両立させた好適な形状の錠剤を実現できる。
本発明の錠剤によれば、ユニバーサルデザインとして、たとえ高齢者や関節可動域に制限のある患者が対象であっても、容易につまむことができ、手もとから落としてしまっても転がり難い錠剤を提供することができると考えられる。
また、内服用錠剤として、高齢者やシェーグレン症候群を併発した関節リウマチ患者が対象であっても嚥下性に配慮された錠剤を提供することができると考えられる。
第1実施形態に係る錠剤の形状を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る錠剤の側面図である。 第1実施形態に係る錠剤の上面図である。 第1実施形態に係る錠剤の斜視図である。 図3に示す錠剤の平面図である。 図3に示す錠剤の右側面図である。 図3に示す錠剤の底面図である。 図3に示す錠剤の左側面図である。 図3に示す錠剤の背面図である。 図3に示す錠剤の正面図である。 第2実施形態に係る錠剤の形状を説明するための模式図である。 第2実施形態に係る錠剤の斜視図である。 図6に示す錠剤の平面図である。 図6に示す錠剤の右側面図である。 図6に示す錠剤の底面図である。 図6に示す錠剤の左側面図である。 図6に示す錠剤の背面図である。 図6に示す錠剤の正面図である。 第1実施形態の錠剤を傾けた状態を説明する図である。 第2実施形態の錠剤を傾けた状態を説明する図である。 錠剤のつまみ易さ評価試験の詳細を説明する図である。 円柱錠を用いた錠剤のつまみ易さ評価試験の結果を示すグラフである。 実施例1、2を用いた錠剤のつまみ易さ評価試験の結果を示すグラフである。 実施例1を用いた錠剤のつまみ易さ評価試験の結果を示すグラフである。 錠剤の嚥下性評価試験の詳細を説明する図である。 実施例1、2を用いた錠剤の嚥下性評価試験の結果を示すグラフである。 実施例1を用いた錠剤の嚥下性評価試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図15を参照しながら説明する。
本実施形態は、立体状の錠剤本体部と、錠剤本体部の側面から連続して錠剤本体部の長さ方向の外側に突出する突出部とを備えており、突出部は、錠剤本体部を介して互いに反対側の向きに突出している第1突出部及び第2突出部を有しており、第1突出部、第2突出部は、それぞれ錠剤本体部の側面のうち上方部分、下方部分から突出し、錠剤本体部から離れるに従って幅狭となるように形成されていることを特徴とする錠剤の発明に関するものである。
以下に、第1実施形態、及び第2実施形態を例示するが、本発明を限定するものではない。
<錠剤の第1実施形態>
第1実施形態の錠剤1は、内服用の医薬錠剤(例えば、錠剤、口腔内崩壊錠)であって、通常、ボトルやプレススルーパッケージ(PTP:Press Through Package)包装体に収納されて運搬や管理がなされている。
なお、錠剤1は、内服用の錠剤に特に限定されることなく、種々変更することが可能であって、例えば口腔用錠剤(トローチ錠)や外用錠剤等であっても良い。また、医薬用の錠剤に特に限定されることなく、健康食品(サプリメント)用やお菓子用等であっても良い。また、複数部分に分割可能な割線を有する医薬錠剤であっても良い。
錠剤1は、公知な方法によって製造することができる。例えば、3Dプリンターを用いて製造することができる。3Dプリンターの積層方式としては、例えば、三次元造形用材料となる熱可塑性樹脂を熱溶解してノズルから押し出し、造形ステージ上に積層させながら造形する熱溶解積層方式や、三次元造形用材料となる粉末樹脂を造形ステージ上に敷き詰めて接着剤を吹きつけていく粉末固着方式を採用することができる。そのほか、光造形方式、粉末レーザー焼結方式等を採用することもできる。
錠剤1は、形状を説明するための模式図である図1、図2A、Bに示すように、縦断面形状が略平行四辺形となるように形成されており、錠剤の長さ(長径)Lが10.0〜11.6mm(望ましくは10.4mm)、幅W(短径)が4.9〜5.6mm(望ましくは5.4mm)、高さHが3.0〜4.0mm(望ましくは3.6mm)、突出長さPが1.0〜3.0mm(望ましくは2.0mm)の大きさとなっている。
また、錠剤1の体積が125〜165mm(望ましくは146mm)、重量が165〜205mg(望ましくは187mg)となっている。
図3は錠剤1の斜視図、図4Aは図3に示す錠剤1の平面図、図4Bは図3に示す錠剤1の右側面図、図4Cは図3に示す錠剤1の底面図、図4Dは図3に示す錠剤1の左側面図、図4Eは図3に示す錠剤1の背面図、図4Fは図3に示す錠剤1の正面図である。
図1、図3、図4A乃至4Fに示すように、錠剤1は、立体状の錠剤本体部10と、錠剤本体部10の側面13、14から連続して錠剤本体部10の長さ方向の外側に突出する突出部20と、から主に構成されている。
錠剤本体部10は、矩形状体からなり、その上面及び底面が平坦面を形成するように構成されている。
突出部20は、錠剤本体部10を介して互いに反対側の向きに突出している第1突出部21及び第2突出部22を有している。
側面13、14は、錠剤本体部10の幅方向(短径方向)における外側の面である。
第1突出部21及び第2突出部22は、それぞれの突出部分が互いに異なる高さ位置に配置されており、詳細には、第1突出部21は、錠剤本体部10の側面13、14のうち上方部分から突出し、第2突出部22は、錠剤本体部10の側面13、14のうち下方部分(下端部分)から突出している。また、第1突出部21及び第2突出部22は、錠剤本体部10から離れるに従って幅狭となるように形成されている。
第1突出部21は、その上面21aが錠剤本体部10の上面11と略面一になって形成されており、また第2突出部22は、その底面22aが錠剤本体部10の底面12と略面一になって形成されている。
第1突出部21は、錠剤本体部10の底面12のうち第1突出部21側の端部12aと、第1突出部21の先端部21bとを結ぶ面であって、錠剤本体部10の底面12とは交差する方向に延びている第1傾斜面21cを有している。
なお、錠剤1の第1傾斜面21cと、底面12とのなす角度である第1傾斜角度θ(°)は、120〜150°(望ましくは135°)となっている。
また第2突出部22は、錠剤本体部10の上面11のうち第2突出部22側の端部11aと、第2突出部22の先端部22bとを結ぶ面であって、錠剤本体部10の上面11とは交差する方向に延びている第2傾斜面22cを有している。
なお、錠剤1の第2傾斜面22cと、上面11とのなす角度である第2傾斜角度θ2(°)は、120〜150°(望ましくは135°)となっている。
上記構成において、図1、図2A、Bに示すように、錠剤1全体の角部分は、丸く面取りされることで湾曲して形成されている。そのため、錠剤1全体の角部分が滑らかになって嚥下性に配慮された形状となっている。
特に、錠剤1のうち突出部20の角部分を湾曲して形成することで、たとえ高齢者やリウマチ患者であっても嚥下性を向上させることができると考えられる。
次に、錠剤1をボトルやPTP包装体から取り出してつまむ方法を図8Aに基づいて説明する。
まず、所定の設置面(例えば、テーブルの表面)に置かれた錠剤1に対して第1突出部21の上面を人差し指で上から押す。そうすることで錠剤1が第1突出部21側に傾いて、第2突出部22が立ち上がり、第2突出部22と設置面との間にスペースを形成できる。
そして、人差し指で錠剤1の上面を押さえた状態で、上記スペースを利用して錠剤1の底面を親指で押さえる。そうすることで、錠剤1を人差し指と親指で挟んだ状態でつまむことができる。
なお、錠剤1を傾けたときの高さ(mm)は、図8Aに示すように、錠剤1の底面の長さをL1(mm)と設定し、また、底面と傾斜面とのなす傾斜角度をθ(°)と設定したとき、下記式で求められる。
錠剤1を傾けたときの高さ=L1×sin(180°−θ
上記方法によって、錠剤1のつまみ易さを大幅に向上させることができる。
特に、錠剤1を簡単な操作で傾けることができ、指でつまみ易い程度の錠剤の高さを確保することができるため、高齢者や関節可動域に制限のある患者が対象であっても、容易につまむことができると考えられる。
また上記方法によれば、錠剤本体部10の底面12と第2突出部22の底面22aとが連続した平面を形成しており、錠剤1の底面と設置面との接触面積を大きくすることができるため、置かれた状態にある錠剤1が安定する結果、錠剤1を傾け易くなる。
そして、錠剤1が第1傾斜面21c(第2傾斜面22c)を有しているため、錠剤1を傾けたときに、錠剤1の第1傾斜面21cと設置面との接触面積を大きく確保することができるため、傾けた状態にある錠剤1が安定する結果、錠剤1をつまみ易くなる。
<錠剤の第2実施形態>
次に、錠剤の第2実施形態について、図5、図6、図7A乃至7F、図8Bに基づいて説明する。なお、上述した錠剤1と重複する内容は説明を省略する。
第2実施形態の錠剤101では、形状を説明するための模式図である図5に示すように、錠剤1と比較して、錠剤本体部110の側面から突出する突出部120の形状が異なっている。
図6は錠剤101の斜視図、図7Aは図6に示す錠剤101の平面図、図7Bは図6に示す錠剤101の右側面図、図7Cは図6に示す錠剤101の底面図、図7Dは図6に示す錠剤101の左側面図、図7Eは図6に示す錠剤101の背面図、図7Fは図6に示す錠剤101の正面図である。図5、図6、図7A乃至7Fに示すように、突出部120は、錠剤本体部110を介して互いに反対側の向きに突出する第1突出部121及び第2突出部122を有しており、これら突出部121、122は、錠剤本体部110から離れるに従って幅狭となるように形成されている。
第1突出部121は、錠剤本体部110の側面113、114のうち上端部分から突出し、その上面121aが錠剤本体部110の上面111と略面一になって形成されている。
第2突出部122は、錠剤本体部110の側面113、114のうち下端部分から突出し、第2突出部122は、その底面122aが錠剤本体部110の底面112と略面一になって形成されている。
錠剤本体部110の底面112のうち第1突出部121側の端部112aと、第1突出部121の先端部121bとを結ぶ仮想面と、底面112とのなす角度である第1傾斜角度θ(°)は、120〜150°(望ましくは135°)となっている。
また、錠剤本体部110の上面111のうち第2突出部122側の端部111aと、第2突出部122の先端部122bとを結ぶ仮想面と、上面111とのなす角度である第2傾斜角度θ(°)は、120〜150°(望ましくは135°)となっている。
第1突出部121の底面と、錠剤本体部110の側面113、114とは、互いに直交(交差)する位置関係でそれぞれ平面状に延びている。また、第2突出部122の上面と、錠剤本体部110の側面113、114とについても互いに直交(交差)する位置関係でそれぞれ平面状に延びている。
上記構成により、錠剤101において第1突出部121の下方部分、及び第2突出部122の上方部分には、錠剤1と比較してより大きなスペースが確保されている。
そのため、当該スペースを利用することで、例えば錠剤101を傾けることなく、そのまま第1突出部121又は第2突出部122をつまむこともできる。
上記構成の錠剤101の形状であっても、錠剤1と同様にして、つまみ易さを大幅に向上させることができる。
特に、図8Bに示すように、錠剤101を簡単な操作で傾けることができ、指でつまみ易い程度の錠剤の高さを確保することができるため、高齢者や関節可動域に制限のある患者が対象であっても、容易につまめるようになると考えられる。
なお、錠剤101を傾けたときの高さ(mm)は、図8Bに示すように、錠剤101の底面の長さをL1(mm)と設定し、また、底面112の第1突出部121側の端部112aと、第1突出部121の先端部121bとを結ぶ仮想面が底面112となす傾斜角度をθ(°)と設定したとき、下記式で求められる。
錠剤101を傾けたときの高さ=L1×sin(180°−θ
<その他の実施形態>
上記実施形態において、図1に示すように、突出部20は、錠剤本体部10の側面から連続して、錠剤1の長さ方向の外側に突出しているが、特に限定されることなく変更可能であって、錠剤1の高さ方向とは直交(交差)する方向の外側に突出してさえいれば良い。
例えば、突出部20が、錠剤1の幅方向の外側に向かって突出していても良い。
また、上記実施形態において、図1に示すように錠剤本体部10の側面は略平行であるが、特に制限されることなく変更可能であって、錠剤1の側面が外側に向かって曲率を有する形態であっても良い。
上記実施形態において、図1、図5に示すように、第1突出部21、121、第2突出部22、122は、それぞれ錠剤本体部10、110の側面のうち上方部分、下方部分から突出しているが、特に限定されることなく変更可能であって、互いに異なる高さ位置に配置されていれば良い。
上記実施形態において、図1に示すように、第1突出部21、第2突出部22は、錠剤本体部10から離れるに従って幅狭となるように形成されているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、第1突出部21、第2突出部22が略同じ幅となるように形成されていても良い。
本実施形態では、主として本発明に係る錠剤に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
<実施例1>
以下、本発明の実施例について詳しく説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。
錠剤の第1実施例を、3Dプリンターの印刷基剤であるPLAフィラメント(3D Printer Filament PLA 1.75mm Violet,Zhuhai CTC Electronic社製)と、3Dプリンター(Eagleed,レイズ・エンタープライズ社製)とを用いて製造した。
第1実施例の形状は、図5に示すように、本実施形態の錠剤101と同形状であって、錠剤の長さL=10.4mm、幅W=5.4mm、高さH=3.8mm、突出長さP=2.0mm、傾斜角度θ=135°、錠剤を傾けたときの高さ=5.9mm、体積147mm、重量177mgとなるようにした。
<実施例2>
錠剤の第2実施例を、実施例1で用いたPLAフィラメントと、3Dプリンターとを用いて製造した。
第2実施例の形状は、図1に示すように、本実施形態の錠剤1と同形状であって、錠剤の長さL=10.4mm、幅W=5.6mm、高さH=3.6mm、突出長さP=2.5mm、傾斜角度θ=125°、錠剤を傾けたときの高さ=6.5mm、体積146mm、重量187mgとなるようにした。
<試験例1:錠剤のつまみ易さ評価試験1>
高さが異なる円柱錠剤を用いて、錠剤のつまみ易い高さを確認する試験を行った。
当該試験の際には、関節リウマチにより関節の可動域が制限された状態にあるリウマチ患者を模擬した。具体的には、関節リウマチ(7)右手関節固定装具(12349−070(PK1),京都科学製)と、うらしま太郎−高齢者疑似体験プログラム(長寿社会文化協会)の右手パーツとを被験者の右手に装着した。
具体的には、図9に示すように、シャーレに置かれた錠剤をつまみ、つまんだ状態の錠剤を当該シャーレから約15cm離れた別のシャーレへと移動させた。そして、移動させた錠剤を再びつまんで元のシャーレへ戻す作業を行った。測定開始時には右手は自身の膝の上へ置き、一度つまむ毎に右手を自身の膝の上へ戻し作業を行った。
当該操作を5往復実行し、5往復で要した作業時間を測定した。
錠剤のサンプルとして、下記表1に示す通り、円柱タイプの錠剤(直径約8mm)であって、錠剤の高さが異なるものを用意した。すなわち、錠剤の高さが0.5〜7.4mmのもの、計10種類のサンプルを用意した。
被験者は3名とし、サンプル1種類当たり3回ずつ行った。
Figure 0006950676
(試験例1の結果、考察)
上記試験結果を解析して、錠剤の高さと作業時間との関係を示すグラフを図10に示す。
錠剤の高さが0.5〜2.1mmであるサンプルA〜Cについては、つまむことができなかった。また、錠剤の高さが3.4〜7.4mmであるサンプルD〜Jについては、順に50.4秒、38.6秒、29.7秒、28.9秒、25.9秒、24.2秒、24.2秒の作業時間で安定してつかむことができた。
錠剤の高さが4.0mmのサンプルEは、つまむことができた3.4mmの高さであるサンプルDと比較し、有意に作業時間に改善がみられた(P<0.05、片側 paired t検定)。
さらに錠剤の高さが4.4mmのサンプルFは、4.0mmの高さであるサンプルEと比較し有意に作業時間が短かった(P<0.05、片側 paired t検定)。
試験例1の結果から、関節リウマチ患者が円柱タイプの錠剤を安定してつまむためには、錠剤の高さが3.4mm以上あることが望ましく、また、錠剤をつまみ易くするためには、錠剤の高さが4.0mm以上あることが望ましいことが示唆された。
また、さらに錠剤をつまみ易くするためには、錠剤の高さが4.4mm以上あることが望ましいことが示唆された。
<試験例2:錠剤のつまみ易さ評価試験2>
試験例1と同様の方法で、実施例1、2の錠剤を用いて、本実施形態の錠剤のつまみ易さを確認する試験を行った。
比較対象として、一般的な円形タイプの錠剤(直径7.6mm、高さ3.5mm、曲率半径11.3R、体積128mm、重量169mg、以下、通常錠と略記することもある)を用意した。当該通常錠は、賦形剤などの添加剤を混和して均質としたものを圧縮成形して調製した。
実施例1、2の錠剤については、図8A、図8Bに示すように、錠剤を傾けてからつまむようにした。
被験者は3名とし、1種類当たり3回ずつ行った。
(試験例2の結果、考察)
上記試験結果を解析して、通常錠、実施例1、2の錠剤と、作業時間との関係を示すグラフを図11に示す。
通常錠の作業時間は61.4秒であって、実施例1、2の作業時間は、順に29.8秒、34.4秒であった。
各指標に対して多重比較検定を実施した(P<0.05、Holm法、片側 paired t検定)。実施例1、2のp値は、順に0.00456、0.00373であった。
実施例1、2の錠剤は、通常錠と比較して有意に作業時間が短かった。
なお、Holm法については、参考文献(Holm S. A simple sequentially rejective multipletest procedure. Scand J Stat. 1979;6:65-70)に基づいて解析を行った。
試験例2の結果から、実施例1や実施例2の形状であれば、たとえ関節可動域に制限のある患者が対象であっても、錠剤を傾けてからつまむ簡単な動作によって、錠剤を容易につまむことができることが示唆された。
また、試験例1、2の結果から、錠剤1や錠剤101をつまみ易くするためには、これら錠剤を傾けたときに錠剤の高さを3.4mm以上に設定すると望ましいことが分かった。
言い換えれば、錠剤の底面の長さをL1(mm)と設定し、また、当該底面のうちの第1突出部側の端部と第1突出部の先端部とを結ぶ仮想面と、底面とのなす角度をθ(°)と設定したとき、下記数式1を満たすことが望ましいことが分かった。
数式1: L1×sin(180°−θ)≧3.4
なお、錠剤の上面が下向きのひっくり返った位置で置かれた場合であっても同様である。
すなわち、錠剤の上面の長さをL2(mm)と設定し、上面のうちの第2突出部側の端部と第2突出部の先端部とを結ぶ仮想面と、上面とのなす角度をθ(°)と設定したとき、下記数式2を満たすことが望ましいことが分かった。
数式2: L2×sin(180°−θ)≧3.4
<試験例3:錠剤のつまみ易さ評価試験3>
試験例1と同様の方法で、実施例1と同様の形状を有する錠剤を用いて、本実施形態の錠剤をつまみ易くするための好適な形状を評価する試験を行った。
錠剤のサンプルとして、下記表2に示す通り、錠剤の長さL(mm)、幅W(mm)をそれぞれ変えたものを用意した。
その際、錠剤の高さHを3.5mmに設定し、突出長さPを2.0mmに設定し、傾斜角度θを135°に設定した。実測値では、錠剤の高さHは3.7〜3.8mmであり、突出長さPは2.0〜2.1mmであった。
Figure 0006950676
錠剤の高さHは、一般的な通常錠の高さに合わせて3.5mmに設定した。
錠剤の突出長さPは、2mmを超えると錠剤を静置した際の安定性が劣る虞があって、一方で2mm未満になると錠剤を傾けることが難しくなる虞があったため、2.0mmに設定した。
錠剤の傾斜角度θは、錠剤を静置したときと、傾けたときとのバランスを考慮して135°に設定した。
錠剤を傾けたときの高さは以下の式より算出した。
錠剤を傾けたときの高さ=(長さL−突出長さP)×sin(180°−135°)
比較対象として、試験例2と同様に一般的な円形タイプの通常錠(直径7.6mm、高さ3.5mm、曲率半径11.3R、体積128mm、重量169mg)を用意した。
実施例1と同様の形状を有する錠剤については、図8Bに示すように、錠剤を傾けてからつまむようにした。
被験者は3名とし、1種類当たり3回ずつ行った。
(試験例3の結果、考察)
上記試験結果を解析して、実施例1と同様の形状を有する錠剤の「長さL/幅W」と、作業時間との関係を示すグラフを図12に示す。
サンプル8については、錠剤の幅Wが小さかったため、つまむことができなかった。また、サンプル1〜7については、順に34.8秒、29.8秒、32.2秒、31.3秒、33.9秒、39.3秒、48.1秒の作業時間であった。また、通常錠の作業時間は61.4秒であった。
各指標に対して多重比較検定を実施した(P<0.05、Holm法、片側 paired t検定)。サンプル1〜7のp値は、順に0.0121、0.0114、0.00478、0.00926、0.0135、0.00717、0.0694であった。
サンプル1〜6の錠剤は、通常錠と比較して有意に作業時間が短かった。また、サンプル1〜6の錠剤のうち、サンプル2の錠剤が最も作業時間が短かった。
試験例3の結果から、関節可動域に制限のある患者が実施例1と同様の形状を有する錠剤101を容易につまむためには、錠剤の幅Wを3.9mm以上に設定すると望ましいことが示唆された。錠剤の幅を3.9mm未満に設定すると突出部を立ち上げる際に錠剤が安定せず転がってしまいつかみにくいことが分かった。また、つまみ易くなるためのメカニズムは同じであるため、実施例1と同様の形状を有する錠剤についても同様の事が言えると考えられる。
すなわち、錠剤の幅Wを3.9mm以上に設定した実施例1と同様の形状を有する錠剤であれば、たとえ関節可動域に制限のある患者が対象であっても、錠剤を傾けてからつまむ簡単な動作によって、錠剤を容易につまむことができることが示唆された。
また、実施例1と同様の形状を有する錠剤において錠剤の長さLが長くなるに従って錠剤を傾けたときの高さが大きくなるものの、幅Wが短くなって錠剤を静置したときと、傾けたときの安定性が損なわれてしまうため、錠剤をつまむことが難しくなることが分かった。
また、錠剤の長さLが短くなるに従って錠剤を傾けたときの高さが小さくなるものの、幅Wが大きくなって錠剤を静置したときと、傾けたときの安定性が改善されるため、錠剤をつまみ易くなることが分かった。
すなわち、実施例1と同様の形状を有する錠剤の形状において、好適な長さL/幅Wの値が、1.79以上であって、3.72以下であることが望ましいことが分かった。
また、実施例1と同様の形状を有するサンプル2(錠剤の長さL=10.4mm、幅W=5.4mm、高さH=3.8mm、突出長さP=2.0mm、傾斜角度θ=135°、錠剤を傾けたときの高さ=5.9mm)の形状の場合、関節可動域に制限のある患者にとって最も錠剤をつまみ易いことが示唆された。
<試験例4:錠剤の嚥下性評価試験1>
実施例1、2と同様の形状を有する錠剤を用いて、当該錠剤の嚥下性を確認する試験を行った。
当該試験は、再公表2013−46453号公報に記載の試験方法(滑り易さの評価)を参考にして行った。
具体的には、図13に示すように、シリコンチューブ(6×12:内径6mm、外径12mm)を5cmの長さに切り、クリープメーター(RE2−33005S,株式会社山電製)にセットした。下端を脱脂綿で栓をし、上から錠剤を充填した。
シリンジでエタノール1mLをシリコンチューブ内に通し、エタノールが抜けたら、直ちにクリープメーターにセットしたプローブをシリコンチューブ内に挿入し、上から下へ5mm/secの速度で20mm移動させて、そのときの応力を測定した。
なお、応力は、測定荷重/プランジャー断面積より算出した(プランジャーの断面積は19.6mmであった)。
比較対象として、試験例2と同様に一般的な円形タイプの通常錠(直径7.6mm、高さ3.5mm、曲率半径11.3R、体積128mm、重量169mg)を用意した。
サンプル1種類当たり3回ずつ行った。
なお、一般的な製法で作製された通常錠(主基剤としてマンニトール使用)と、3Dプリンターを用いて作製された通常錠(主基剤としてPLA使用)との間で応力の値が同等であることを確認し、これら製法・基剤の違いによる有意差がないことを予め確認した。
(試験例4の結果、考察)
上記試験結果を解析して、通常錠、実施例1、2の錠剤と、応力との関係を示すグラフを図14に示す。
通常錠の応力は3.03×10Paであって、実施例1、2の応力は、順に1.67×10Pa、1.43×10Paであった。
各指標に対して多重比較検定を実施した(P<0.05、Holm法、片側 unpaired t検定、事前にFtestを実施し、等分散の場合はStudentのt検定を採用し、不等分散の場合はWelchのt検定を採用した)。実施例1、2のp値は、順に0.00178、0.00271であった。
実施例1、2の錠剤は、通常錠と比較して有意に応力が小さく、半分程度であった。
試験例4の結果から、内服用錠剤として錠剤1や錠剤101と同様の形状は、通常錠と比較して嚥下性に優れた錠剤となることが示唆された。
<試験例5:錠剤の嚥下性評価試験2>
試験例4と同様の方法で、実施例1と同様の形状を有する錠剤を用いて、本実施形態の錠剤の嚥下性を確保するための好適な形状を評価する試験を行った。
錠剤のサンプルとして、上記表2に示す通り、錠剤の長さL(mm)、幅W(mm)をそれぞれ変えたものを用意した。
その際、錠剤の高さHを3.5mmに設定し、突出長さPを2.0mmに設定し、傾斜角度θを135°に設定した。実測値では、高さHは3.7〜3.8mmであり、突出長さPは2.0〜2.1mmであった。
比較対象として、試験例2と同様に一般的な円形タイプの通常錠(直径7.6mm、高さ3.5mm、体積128mm、重量169mg)を用意した。
サンプル1種類当たり3回ずつ行った。
(試験例5の結果、考察)
上記試験結果を解析して、実施例1と同様の形状を有する錠剤の「長さL/幅W」と、応力との関係を示すグラフを図15に示す。
通常錠の応力は3.03×10Paであった。
サンプル1〜4の応力については、順に2.22×10Pa、1.34×10Pa、4.87×10Pa、2.29×10Paであり、通常錠の応力よりも小さかった。サンプル5〜8については、錠剤の幅Wが小さく、シリコンチューブ内をすり抜けていったため未評価とした(応力を0Paとした)。
各指標に対して多重比較検定を実施した(P<0.05、Holm法、片側 unpaired t検定、事前にFtestを実施し、等分散の場合はStudentのt検定、不等分散の場合はWelchのt検定を採用した)。サンプル1〜4のp値は、順に0.0127、0.0116、0.00944、0.00782であった。サンプル1〜4は通常錠と比較して有意に応力が小さく、嚥下性が向上することが示唆された。
実施例1と同様の形状を有する錠剤は、通常錠と比較して有意に応力が小さかった。
また、実施例1と同様の形状を有する錠剤では、錠剤の長さL/幅Wの値が大きくなるに従って応力が小さくなっていき、嚥下性が向上することが示唆された。
試験例5の結果から、内服用錠剤として実施例1と同様の形状を有する錠剤では、錠剤の長さL/幅Wの値が少なくとも1.79以上であれば、通常錠よりも有意に応力が小さくなって嚥下し易いことが示唆された。
一方で、実施例1と同様の形状を有する錠剤では、錠剤の長さL/幅Wの数値が1.79未満になると、応力が大きくなって通常錠よりも嚥下し難くなる虞があることが示唆された。
理由として、錠剤の長さL/幅Wの数値が小さくなると(錠剤の長さLが小さくなって幅Wが大きくなると)、錠剤がシリコンチューブ内で回転し易くなってしまい、大きな摩擦力が発生してしまうからと考えられた。
特に、実施例1と同様の形状は突出部を有しているため、錠剤が回転してしまうとシリコンチューブ内で接触し易くなる(引っ掛かり易くなる)ものと考えられた。
実際にヒトの嚥下性を想定すると、錠剤が突出部を有する形状の場合では、長さL/幅Wの数値が小さくなるほど(長さLと幅Wの二軸が近い値になるほど)、ヒトの咽頭内で引っ掛かって回転し、咽頭内で向きを変えてしまう結果、場合によっては詰まりを引き起こす虞があるものと考えられた。
(試験例1〜3のまとめ)
錠剤1や錠剤101と同様の形状を有する錠剤を安定してつかむためには、これらの錠剤を傾けたときの高さが3.4mm以上であるのが望ましく、更につまみ易さを向上させるためには、これら錠剤を傾けたときの高さが4.0mm以上であると望ましいことが分かった。
また、つまみ易さを一層向上させるためには、錠剤の幅Wが3.9mm以上であると望ましく、また、長さL/幅Wの値が3.72以下であると望ましいことが分かった。
(試験例4〜5のまとめ)
錠剤1や錠剤101と同様の形状を有する錠剤の嚥下性を向上させるためには、錠剤の長さL/幅Wの値が1.79以上であることが望ましいことが示唆された。
以上、錠剤1や錠剤101と同様の形状を有する錠剤のつまみ易さ、嚥下性を両立させて向上させるためには、(1)これら錠剤を傾けたときの高さが3.4mm以上であること、(2)錠剤の幅Wが3.9mm以上であること、(3)錠剤の長さL/幅Wの値が1.79以上であって3.72以下であること、が望ましいと示唆された。
言い換えれば、下記数式1〜数式4を満たすことが望ましいと示唆された。

数式1: L1×sin(180°−θ)≧3.4
数式2: L2×sin(180°−θ)≧3.4
数式3: W≧3.9
数式4: 1.79≦L/W≦3.72
本発明の錠剤は、高齢者や関節可動域に制限のある患者が対象であっても、容易につまむことができ、手もとから落としてしまっても転がり難い錠剤として用いることができる。また、高齢者やシェーグレン症候群を併発した関節リウマチ患者が対象であっても嚥下性に配慮された内服用錠剤としても好適に用いることが可能である。
1、101 錠剤
10、110 錠剤本体部
11、111 上面
11a、111a 端部
12、112 底面
12a、112a 端部
13、14、113、114 側面
20、120 突出部
21、121 第1突出部
21a、121a 上面
21b、121b 先端部
21c 第1傾斜面
22、122 第2突出部
22a、122a 底面
22b、122b 先端部
22c 第2傾斜面
L 錠剤の長さ
L1 底面の長さ
L2 上面の長さ
W 錠剤の幅
H 錠剤の高さ
P 突出部の突出長さ
P1 第1突出部の突出長さ
P2 第2突出部の突出長さ
θ 傾斜面と底面とがなす傾斜角度
θ 第1傾斜角度
θ 第2傾斜角度

Claims (5)

  1. 立体状の錠剤本体部と、
    該錠剤本体部の側面から連続して該錠剤本体部の高さ方向とは直交する直交方向の外側に突出する突出部と、を備えた錠剤であって、
    前記突出部は、前記錠剤本体部を介して互いに反対側の向きに突出している第1突出部及び第2突出部を有し、
    該第1突出部及び第2突出部は、互いに異なる高さ位置に配置されており、
    前記第1突出部は、前記錠剤本体部の側面のうち上方部分から突出し、
    前記第2突出部は、前記錠剤本体部の側面のうち下方部分から突出し、
    前記第1突出部及び前記第2突出部は、前記錠剤本体部から離れるに従って前記錠剤本体部の幅方向において幅狭となるように形成されており、
    前記第1突出部は、該第1突出部の上面が前記錠剤本体部の上面と略面一になって形成され、
    前記第2突出部は、該第2突出部の底面が前記錠剤本体部の底面と略面一になって形成されており、
    前記第1突出部の底面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で平面状に延びており、
    前記第2突出部の上面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で平面状に延びていることを特徴とする錠剤。
  2. 前記第1突出部は、前記錠剤本体部の側面から前記第1突出部の先端部に至るまで幅狭となるように形成され、
    前記第2突出部は、前記錠剤本体部の側面から前記第2突出部の先端部に至るまで幅狭となるように形成され、
    前記第1突出部の底面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で、前記錠剤本体部の側面から前記先端部に至るまで平面状に延びており、
    前記第2突出部の上面は、前記錠剤本体部の側面とは直交または交差する位置関係で、前記錠剤本体部の側面から前記先端部に至るまで平面状に延びていることを特徴とする請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記錠剤は、内服用であって、
    前記第1突出部は、前記錠剤本体部の底面のうち前記第1突出部側の端部と、前記第1突出部の先端部とを結ぶ面であって、前記錠剤本体部の底面とは交差する方向に延びている第1傾斜面を有し、
    前記第2突出部は、前記錠剤本体部の上面のうち前記第2突出部側の端部と、前記第2突出部の先端部とを結ぶ面であって、前記錠剤本体部の上面とは交差する方向に延びている第2傾斜面を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 前記突出部の突出方向における前記錠剤の底面の長さをL1(mm)、かつ、前記突出方向における前記錠剤の上面の長さをL2(mm)とそれぞれ設定し、
    前記底面のうちの前記第1突出部側の端部と前記第1突出部の先端部とを結ぶ仮想面と、前記底面とのなす角度をθ1(°)、かつ、前記上面のうちの前記第2突出部側の端部と前記第2突出部の先端部とを結ぶ仮想面と、前記上面とのなす角度をθ2(°)とそれぞれ設定したとき、
    下記数式1及び数式2の少なくとも1つを満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の錠剤。
    数式1: L1×sin(180°−θ1)≧3.4
    数式2: L2×sin(180°−θ2)≧3.4
  5. 前記錠剤の長さLを前記錠剤の幅Wで除した値は、1.79以上であって、3.72以下であって、
    前記錠剤の幅W(mm)が3.9以上であることを特徴とする請求項に記載の錠剤。
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