JP6948890B2 - 飛翔害虫追尾阻害剤 - Google Patents
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Description
従来、蚊等の吸血性飛翔害虫の吸血・刺咬被害を防ぐ対策の1つとして、ディート等を有効成分とする忌避剤が汎用されている。
このような忌避剤の作用機構について、下記特許文献1には次のように記載されている。すなわち、忌避剤の有効成分が蒸発することにより、有臭バリアを皮膚の表面上に形成し、このバリアの有効成分が害虫の嗅覚をなす感覚子に作用して害虫の誘引機構を妨げることで、害虫を駆除すると考えられており、忌避剤を皮膚に塗布した後では、害虫は皮膚に近づこうとする途中で方向転換をして、塗布処理の皮膚部位から回避していく。のちに皮膚部位における忌避剤濃度の低下に伴い、害虫は再び皮膚に接近し、最終的には忌避剤の濃度不足により初めて皮膚に接触し刺咬するに至る。
したがって、ディート等を有効成分とする忌避剤は、処理面に有効成分量が存在している間は、蚊等の吸血性飛翔害虫の処理面への飛来を防げるものの、その効果の低下に伴い、追加処理が何度も必要になるという問題があった。
しかも、ディート等を有効成分とする忌避剤は、蚊等の吸血性飛翔害虫が忌避剤処理面に接触することを防ぐものであり、忌避剤を処理した人への接近を妨げるものではないため、忌避剤を処理した人でも、蚊等の吸血性飛翔害虫に追尾されることや周辺を飛び回られることを免れ得ない。そのため、周辺を飛び回られることで、不快に思うだけでなく、蚊等の吸血性飛翔害虫を屋内や車内等に連れて入ってしまい、屋内や車内にいる他の吸血対象が吸血・刺咬被害にあう可能性があり、さらに忌避剤の効果が低減した時に、本人が吸血・刺咬被害にあうという問題もあった。
本発明者は、この新たな課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物が、蚊等の吸血性飛翔害虫が吸血対象を追尾することや吸血対象の周辺を飛び回ることを阻害する効果を有することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
1.1,8−シネオール、p−メンタン−3,8−ジオール、シトロネラール、リナロール、シトラールのいずれか1種以上を含有することを特徴とする飛翔害虫追尾阻害剤。
2.1,8−シネオール、リナロール及びシトラールを含有することを特徴とする1.に記載の飛翔害虫追尾阻害剤。
3.さらにディート、3−(N−n−ブチル−N−アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピルエステルのいずれか1種以上を含有することを特徴とする1.または2.に記載の飛翔害虫追尾阻害剤。
この効果により、蚊等の吸血性飛翔害虫が密集する屋外等の場所から、吸血性飛翔害虫のいない屋内や車内等に吸血性飛翔害虫を持ち込む恐れがなく、新たな吸血・刺咬被害を抑制することができる。
さらにディート等を併用することにより、蚊等の吸血性飛翔害虫の追尾のみならず吸血・刺咬被害をも防ぐことができ、好適に使用することができる。
ここで、本発明における飛翔害虫とは、吸血性の飛翔害虫を意味する。例えば、ヒトスジシマカ、ハマダラカ、チカイエカ、アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイシマカ等の蚊類や、アシマダラブユ、キアシオオブユ等のブユ類、ウシアブ、イヨシロオビアブ等のアブ類が挙げられる。飛翔害虫が追尾する吸血対象としては、人のみならず犬や猫等のペット、家畜等の哺乳動物全般が対象である。
本発明の飛翔害虫追尾阻害剤は、上述のとおり飛翔害虫が人やペット等を追尾することを阻害するものであり、公知の忌避剤とは、その機能や効果の点において異なるものである。
本発明の飛翔害虫追尾阻害剤は、人等の哺乳動物の皮膚や、当該皮膚に直接または間接的に接触する衣類、付随品等に付着または保持させる等の手段によって、飛翔害虫が追尾することを阻害することが可能である。
1,8−シネオールはユーカリ、月桂樹、ティートリー、ヨモギ、スイートバジル、ローズマリー、セージ等の精油に、p−メンタン−3,8−ジオールはレモンユーカリ等の精油に、シトロネラールはレモンユーカリ、シトロネラ、レモンバーム等の精油に、リナロールはコリアンダー、オレンジ、ラベンダー、ベルガモット、レモン、ジャスミン等の精油に、シトラールはレモングラス、レモン等の精油に含まれている成分である。これら化合物は、当該化合物を含有する植物や植物精油そのものを用いてもよいし、それら植物や植物精油から抽出等により得たものを利用してもよいし、また合成した物を利用してもよい。
また、1,8−シネオール、p−メンタン−3,8−ジオール、シトロネラール、リナロール、シトラールは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合せて用いてもよい。特に、1,8−シネオール、リナロール及びシトラールを3種組み合わせて使用することにより、より優れた飛翔害虫追尾阻害効果を得ることができる。
さらに、本発明の飛翔害虫追尾阻害剤は、上記有効成分のほか、リモネン、シトロネリルニトリル、ジヒドロジャスモン酸メチル、α−ピネン、2,4,6−トリメチル−4−フェニル−1,3−ジオキサン、γ−テルピネンを含有してもよい。
本発明の飛翔害虫追尾阻害剤が公知の忌避剤を含む場合には、その含有量は特に制限がなく適宜決定すればよいが、飛翔害虫追尾阻害剤全量に対して、0.001〜50重量%含有することが好ましく、0.01〜30重量%含有することがより好ましい。
液体担体としては、例えば、芳香族または脂肪族炭化水素類(キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロシン、軽油、ヘキサン、シクロヘキサン、流動パラフィン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロベンゼン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸エチル、安息香酸エチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ヘテロ環系溶剤(スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等)、炭酸アルキリデン類(炭酸プロピレン等)、植物油(大豆油、綿実油等)、植物精油(オレンジ油、ヒソップ油、レモン油等)、及び水が挙げられる。
また、ガス状担体としては、例えば、ブタンガス、フロンガス、代替フロンガス(HFO、HFC等)、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、及び炭酸ガスが挙げられる。固体担体としては、例えば、植物混合粉、粘土類(カオリン、珪藻土、ベントナイト、クレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、多孔質体、樹脂等が挙げられる。
本発明では、本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じて防錆剤、防腐剤、pH調整剤、香料等の成分を適宜添加し得る。例えば、防錆剤としてはカーレン(商標)No.955、No.906、No.954、No.958、No.970(三洋化成工業(株))等を、防腐剤としてはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、イソチアゾリノン、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム等を、pH調整剤としては酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸類やリン酸等の無機酸類、その塩類をそれぞれ例示できる。
また、本発明の飛翔害虫追尾阻害剤は、ヒトの皮膚に間接的または直接的に触れることがあるため、皮膚に潤いを与える等の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合してもよい。これらの成分としては、例えば、アボカドエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、トマトエキス、納豆エキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノ蜂蜜、トウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等が挙げられる。
後述する実施例において詳細に説明するが、本発明の飛翔害虫追尾阻害剤は、ディート等の忌避剤による害虫の忌避活性とは異なり、蚊等の吸血性飛翔害虫が吸血対象を追尾することや吸血対象の周辺を飛び回ることを阻害するものである。
まず、本発明の飛翔害虫追尾阻害剤の製剤例を示す。なお、実施例において、特に明記しない限り、部は重量部を意味する。
試験検体として、下記有効成分を含有する貼付剤(貼付用シート剤;直径:35mm、厚さ:0.5mm、材質:ポリエステル)を作製した。
実施例1〜6は、1,8−シネオール、p−メンタン−3,8−ジオール、シトロネラール、リナロール、シトラールをそれぞれ30mg含有する試験検体(実施例1〜5)及び、1,8−シネオール、リナロール及びシトラールを含有する香料組成物30mgを含有する試験検体(実施例6)である。
比較例1と2は、l−メントール、チモールをそれぞれ30mg含有する試験検体(比較例1、2)である。
比較例3は、下記に示すディート含有エアゾール剤を作製し、これを両腕に噴霧処理した(片腕5秒ずつ、計10秒、両腕のディート処理量0.25mg)。
(比較例3のエアゾール剤)
ディート(日本精化(株)製)10.0gを、エタノール(三菱化学(株)製)に溶解し、100mLの溶液を作製した(ディート10%含有)。そのうち40mLを原液とし、エアゾール缶(容量290mL)に入れ、缶にバルブ部を取り付け、該バルブ部分を通じて噴射剤LPG160mL(0.25MPa、25℃)を充填し、内容量200mLのディート含有エアゾール剤を作製した。
24畳チャンバー(540cm×720cm×240cm)を、図1に示すとおりに同じ大きさの4区画に仕切り、「放蚊区」、「歩行区1」、「歩行区2」、「カウント区」とし、「放蚊区」のみ無照明とした。「放蚊区」と「歩行区1」の間と「歩行区1」と「歩行区2」の間にはそれぞれ開放部(90cm×240cm)を、「カウント区」と「歩行区2」の間には仕切り戸(図1中の点線部:90cm×240cm)を設置した。試験実施時のチャンバー内は、室温26℃、湿度60%であり、1時間あたり10回の換気を行った。
供試虫(約2000頭のヒトスジシマカ)を入れた金属メッシュケージを、図1中の黒星印(★)の位置に設置し、開口部(直径:12cm)を開放し、30分間供試虫を順化させた。30分の順化後、「カウント区」と「歩行区2」の間の仕切り戸を開放し、「カウント区」に侵入した供試虫数をカウントし、「試験前侵入頭数」とした。
試験検体である貼付剤6枚を被験者の衣服(下腹部に3枚、その背側に3枚)に貼付し、図1に示す「被験者侵入口」より「放蚊区」に入り、約60m/分の歩行速度で「放蚊区」→「歩行区1」→「歩行区2」→「カウント区」の順に、図1中の黒太線のように歩行した。被験者が図1中のバツ印(×)の「被験者到達地点」に到着した時点で、「カウント区」と「歩行区2」の間の仕切り戸を閉じ、「カウント区」内にいる供試虫数をカウントし、「処理侵入頭数」とした。
有効成分を含有しない貼付剤6枚を使用した以外は、上記手順に従って、被験者が歩行し、「カウント区」内にいる供試虫数をカウントし、「無処理侵入頭数」とした。
追尾阻害率A(%)を以下に示す計算式により算出し、各試験検体の蚊の追尾阻害効果の指標として、下記評価基準に従い5段階で評価した。
[計算式]
追尾阻害率A(%)=[{(無処理侵入頭数−試験前侵入頭数)−(処理侵入頭数−試験前侵入頭数)}÷(無処理侵入頭数−試験前侵入頭数)]×100
試験の結果、上記計算式における「無処理侵入頭数」は40、「試験前侵入頭数」は5.5であった。
[評価基準]
「◎」 :追尾阻害率Aが80%以上
「〇」 :追尾阻害率Aが60%以上80%未満
「△」 :追尾阻害率Aが50%以上60%未満
「×」 :追尾阻害率Aが10%以上50%未満
「××」:追尾阻害率Aが10%未満
上記試験検体の追尾阻害率A(%)と追尾阻害評価の結果を、まとめ表1に示した。
一方、忌避剤の有効成分として公知のチモール、ディートを有効成分とする比較例2、3の試験検体は、蚊の人に対する追尾阻害効果を全く示さなかった。また、l−メントールを有効成分とする比較例1の試験検体は、実用的な飛翔害虫追尾阻害効果を有さなかった。
上記実施例6の試験検体である貼付剤6枚を使用して、屋外(兵庫県赤穂市内)における蚊の追尾阻害確認試験を行った。
実施例6の試験検体6枚を被験者の衣服(下腹部に3枚、その背側の上腰部に3枚)に貼付し、蚊の生息数の少ない場所(広場)から、約60m/分の歩行速度で歩行を開始し、すぐに蚊の生息数の多い雑木林に入った。雑木林内を5分間歩行したのち、蚊の生息数の少ない場所(広場)に出た。直ちに被験者の周りにいる蚊を、30秒間スウィーピングすることにより捕獲し、採集数をカウントし、「処理採集頭数」とした。
有効成分を含有しない貼付剤6枚を使用した以外は、上記手順に従って被験者が歩行した後、蚊をカウントし、「無処理採集頭数」とした。
また、試験実施前に、蚊の生息数の少ない場所(広場)において1分間のスウィーピングを行い、蚊の採集数をカウントし、「試験前採集頭数」とした。
試験は3回行い、それぞれの頭数の平均値を求めた。
追尾阻害率B(%)を以下に示す計算式により算出し、実施例6の試験検体の蚊の追尾阻害効果の指標として、上記「蚊の追尾阻害確認試験1」の「評価基準」に従い5段階で評価した。
[計算式]
追尾阻害率B(%)=[{(無処理採集頭数−試験前採集頭数)−(処理採集頭数−試験前採集頭数)}÷(無処理採集頭数−試験前採集頭数)]×100
試験の結果、上記計算式における「無処理採集頭数」は9、「試験前採集頭数」は0.4であった。
上記追尾阻害率B(%)と追尾阻害評価の結果を、まとめ表2に示した。
<参考試験検体>
参考試験検体として、下記有効成分を含有する貼付剤(貼付用シート剤;直径:35mm、厚み:0.5mm、材質:ポリエステル)を作製し、貼付剤6枚を手首から先の手に貼付した。
参考試験例a〜fは、1,8−シネオール、p−メンタン−3,8−ジオール、シトロネラール、リナロール、シトラールをそれぞれ30mg含有する試験検体及び、1,8−シネオール、リナロール及びシトラールを含有する香料組成物60mgを含有する試験検体である。
参考試験例gとhは、l−メントール、チモールをそれぞれ30mg含有する試験検体である。
参考試験例iは、上記比較例3のエアゾール剤を5秒間片手に噴霧処理した(ディート処理量0.125mg)。
ヒトスジシマカ(♀、50頭)を放った16メッシュ金属ケージ(25cm×25cm×25cm)内に、上記参考試験検体(参考試験例a〜i)を貼付または処理した被験者の片手を入れ、蚊のランディング数を1分間カウントし、「処理区ランディング数」とした。参考試験検体を貼付または処理しない無処理の片手についても、同様にランディング数をカウントし、「無処理区ランディング数」とした。
下記計算式により接触忌避率(%)を算出した。また、各参考試験検体の蚊の接触忌避効果の指標とし、下記評価基準に従い5段階で評価した。
[計算式]
接触忌避率(%)={(無処理区ランディング数−処理区ランディング数)/無処理区ランディング数}×100
[評価基準]
「◎」 :接触忌避率が80%以上
「〇」 :接触忌避率が60%以上80%未満
「△」 :接触忌避率が50%以上60%未満
「×」 :接触忌避率が10%以上50%未満
「××」:接触忌避率が10%未満
試験は3回行い、上記参考試験検体の接触忌避率(%)の平均値と、その接触忌避評価の結果を、まとめ表3に示した。
この結果より、本発明の飛翔害虫追尾阻害効果は、ディート等に代表される公知の忌避剤による接触忌避効果とは、その機能や効果の点において異なるものであることが確認された。
この効果により、蚊等の吸血性飛翔害虫が密集する屋外等の場所から、吸血性飛翔害虫のいない屋内や車内等に吸血性飛翔害虫を持ち込む恐れがなく、吸血・刺咬被害を抑制することができる。
さらにディート等を併用することにより、蚊等の吸血性飛翔害虫の追尾のみならず吸血・刺咬被害をも防ぐことができ、屋外の活動等に好適に使用することができる。
Claims (3)
- 1,8−シネオール、p−メンタン−3,8−ジオール、シトロネラール、シトラールのいずれか1種以上を含有することを特徴とする飛翔害虫追尾阻害剤。
- 1,8−シネオール、リナロール及びシトラールを含有することを特徴とする飛翔害虫追尾阻害剤。
- さらにディート、3−(N−n−ブチル−N−アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピルエステルのいずれか1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の飛翔害虫追尾阻害剤。
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