JP6948028B2 - 偽造防止印刷物作成方法及び偽造防止印刷物作成用プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣、パスポート、有価証券、カード、貴重印刷物等の偽造防止及び改ざん防止が必要とされる印刷物において、特に繊細な画線構成を要する偽造防止用画線により形成される偽造防止印刷物作成方法及び偽造防止印刷物作成用プログラムに関するものである。
一般的に証明書類の貴重印刷物では、偽造防止効果を与えるために様々な技術が適用されているが、近年、カラー複写機の高画質化及びカラー製版技術のコンピュータ化に伴い、証明書類の偽造技術が多様化する傾向にある。これに伴う証明書類の偽造防止策も、高度化することによって対応してきた。しかし、その一方で、偽造防止策に費やす製造コストも上がり、偽造防止効果を確認する環境を得るために特殊な機械器具から成る専用設備を導入する等、真偽判定によって高コストとなる場合があった。
低コストで真偽判定を可能にする有用な方法に印刷物上に判別具を重ねて行う技術がある。つまり、不可視画像が施されている印刷物に判別具を重ねることによって、不可視画像を可視画像として発現させるもので、この判別具の主な形態は、平行線スクリーンを印刷した透明シート(以下「万線フィルタ」という。)であったり、レンチキュラーレンズであったりする。この判別具を用いて不可視画像を発現させる技術は、主に二種類の方法があり、点位相変調(Dot phase modulation)と線位相変調(Line phase modulation)とが存在する。
このような万線フィルタから成る判別具を重ね合わせることにより潜像画像が発現する印刷物とその真偽判別方法としては、万線又は網点で印刷した背景画像部と、背景画像部と異なる位相の万線又は網点で印刷した潜像画像部とを有する印刷物が存在する。当該印刷物の背景画像部と潜像画像部は、区分けして視認することが一見困難であるが、万線フィルタを印刷物に所定の位置で重ね合わせた場合には、背景画像部と潜像画像部を区分けして視認できる方法が知られている。
点位相変調(Dot phase modulation)の一例としては、アストロン・デザイン社(オランダ)のイソグラム(Isogram)がある(例えば、非特許文献1、340ページ参照)。これは、一見して均一な濃度を有する平坦な模様の中に、微細な網点の位相によって不可視画像が施され、印刷物上に専用のシートを重ねると、ネガポジ状のどちらかに可視画像化されるものである。しかし、これは、均一な濃度を有する平坦な模様ゆえに、鮮明に画像を発現させることができない。
線位相変調(Line phase modulation)の一例としては、ユラ社(ハンガリー)のHIT(Hidden Image Technology)がある(例えば、非特許文献1、341ページ参照)。これは、一見して均一な濃度を有する平坦な模様の中に、微細な万線の位相によって不可視画像が施され、印刷物上に専用のシートを重ねると、ネガポジ状のどちらかに可視画像化されるものである。通常視でも不可視画像が確認できてしまうおそれがあるため、カモフラージュ模様として万線の一部の画線幅を変化させて可視画像を設けている。また、白抜き画線によって可視画像を設けてもよい。ただし、このカモフラージュ模様は、専用のシートを重ねて不可視画像を可視画像化した際、カモフラージュ模様も可視画像として同時に発現しているので、不可視画像の発現時の視認性を阻害するという問題がある。
一般的に、点位相変調(Dot phase modulation)又は線位相変調(Line phase modulation)により形成された模様は、平坦な形状となっている。印刷物では通常視でも不可視画像が確認できてしまうおそれがなく、単一の判別具により鮮明な発現が可能な不可視画像を形成するとともに、不可視画像を所定の方向で配列することにより、不可視画像を発現させた時に可視画像によって視認性が阻害されない偽造防止印刷物が開示されている。
また、一例として、本出願人は、基材に、第1の方向に沿って、中心を境に対向するように配置された第1の画線及び第2の画線から成るunitが、所定の領域に、規則的に一定ピッチで複数配置され、複数配置された各々のunitにおいて、第1の画線と第2の画線とはネガポジの関係にあり、かつ、面積及び色が同一であり、第1の画線と第2の画線において、一方をオン、他方をオフとの組合せにより不可視画像が形成され、不可視画像を形成するために配置された第1の画線及び第2の画線のうち、第1の方向に隣接して本来配置される位置及び複数隣接して配置されたunitのうち、オフとなっている部分が隣接して配置されている位置に、所定の領域における濃度の不均衡を緩和するため、第1の画線及び第2の画線における半分又はほぼ半分の画線面積率、かつ、同色又はほぼ同色である第3の画線が、第1の画線と第2の画線の境界線を中心又はほぼ中心として配置されて成る偽造防止印刷物を出願している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、本出願人は、特許文献1をコンピュータ・アルゴリズムで容易に実現できる作成装置及び作成プログラムとして、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタを重ねた場合に不可視画像が潜像画像として視認される基となる第1の画像データを入力する画像入力部と、網点データにおける解像度の設定、着色の設定及び第1の画線、第2の画線及び第3の画線の網点形状の設定を設定項目ごとに行う項目設定部と、画像入力部によって入力された第1の画像データを項目設定部によって設定された内容で第1の画線、第2の画線から成る不可視画像を有する画像データを形成し、更に、不可視画像を有する画像データ及び濃度の不均衡を緩和するため第3の画線を合成する演算部を有することを特徴とする網点データの作成装置を出願している(例えば、特許文献2参照)。
また、本出願人は、基材の少なくとも一部に第1の要素、第2の要素及び第3の要素を有するユニットが規則的に所定のピッチで複数マトリクス状に形成された印刷領域を有し、第1の要素は、第1の方向に沿う同一線上に形成され、第2の要素及び第3の要素は、第1の方向に沿う同一線上からずれた位置に形成され、各々の第1の要素は階調を有し、各々の第2の要素は、同一ユニット内における第1の要素の階調を反転させた階調を有し、第1の要素によって第1の不可視画像が形成され、第2の要素によって第1の不可視画像のネガ画像が形成され、第3の要素によって可視画像が形成されたことを特徴とする印刷物を出願している(例えば、特許文献3参照)。
Optical Security and Counterfeit Deterrence Techniques IV Vol.4677 ( by SPIE-The International Society for Optical Engineering )
特許第4635160号公報 特許第4915883号公報 特開2015−101040号公報
しかしながら、特許文献1から3までによって形成された印刷物の特徴は模様全体に画線面積率10〜50%のうちの均一な濃度を有するスクリーン模様(万線模様、網点模様等)を有することである。これは不可視画像を形成するために必須な条件である。すなわち、この均一な濃度を有するスクリーン模様は、印刷物上において他の偽造防止要素と併用、例えば地紋、彩紋模様等の線画模様と併用する場合、模様そのものの親和性が悪いという課題がある。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、具体的には、偽造防止要素を成すスクリーン模様について、偽造防止要素を備えながら画線面積率をスクリーン模様の最周縁に向かって段階的に0%まで下がっている印刷物を提供する。さらに、該印刷物の印刷模様とすべき1bit画像、モノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像が演算出力可能な自動生成プログラムを提供する。
本発明は、基材の少なくとも一部に、不可視画像と可視画像の各々の画像を形成する画線を有するユニットがマトリクス状に複数配置され、不可視画像を形成する画線にレンチキュラーレンズ又は万線フィルタを重ねた場合に、不可視画像が潜像画像として視認される印刷模様部を備えた連続階調を有する偽造防止印刷物を、画線作成部、画像作成部、項目設定部、演算部、出力部を有する画像作成装置を用いて作成する方法であって、画線作成部により、可視画像と不可視画像に適用する画線であるテンプレートを選択して入力又は演算部で作成するテンプレート作成ステップと、項目設定部により、テンプレートの出力解像度の設定、印刷模様部の線数の設定、印刷模様部の着色の設定及びテンプレートの形状を、設定項目ごとに行うパラメータ設定ステップと、画像作成部により、印刷模様部全体に連続的な濃淡処理を行うα画像と、可視画像の基となる画像と、不可視画像の基となる画像とを、入力又は演算部で作成する画像作成ステップと、演算部により、各画像及び設定項目を基に、可視画像と不可視画像の各画素にテンプレートの配置規則を適用してユニット内にテンプレートを配置し、テンプレートの各画素の画素濃度に対してα画像の画素濃度の濃度値に従って、ユニットをマトリクス状に配置して印刷模様部を形成する演算ステップと、出力部により、形成された印刷模様部を出力する出力ステップと、を備えることを特徴とする偽造防止印刷物の作成方法である。
本発明は、偽造防止印刷物の作成方法を、画線作成部、画像作成部、項目設定部、演算部、出力部を有する画像作成装置に実行させるための偽造防止印刷物の作成用プログラムであって、画線作成部により、テンプレートの基となる画像ファイルを選択して入力又は演算部で作成するテンプレート作成ステップと、項目設定部により、テンプレートの出力解像度の設定、印刷模様部の線数の設定、印刷模様部の着色の設定及びテンプレートの形状の設定を、設定項目ごとに行うパラメータ設定ステップと、画像作成部により、印刷模様部全体に連続的な濃淡処理を行うα画像のα画像データと、可視画像の基となる可視画像データと、不可視画像の基となる不可視画像データとを、入力又は演算部で作成する画像作成ステップと、演算部により、各画像データ及び設定項目を基に、可視画像データと不可視画像データの各画素にテンプレートファイルの配置規則を適用してユニット内にテンプレートファイルを配置し、テンプレートファイルの各画素の画素濃度に対してα画像データの画素濃度の濃度値に従って、ユニットをマトリクス状に配置して印刷模様部のデータを作成する演算ステップと、出力部により、印刷模様部のデータを基に印刷模様部を出力する出力ステップと、を備える偽造防止印刷物の作成方法を画像作成装置に実行させることを特徴とする偽造防止印刷物作成用プログラムである。
本発明による印刷物は、印刷物上において他の偽造防止要素と併用、例えば地紋、彩紋模様等の線画模様と併用する場合、偽造防止要素を成すスクリーン模様について、偽造防止要素を含みながら画線面積率がスクリーン模様の周縁に向かって段階的に0%まで下がっていることで、他の模様との親和性が高まり、併せてデザインの自由度も向上する。また、スクリーン模様の1bit画像、モノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像の自動生成プログラムにより、特別な知識を持たない者でも、容易に1bit画像、モノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像を演算出力することが可能である。
印刷物(1)に判別具(2)を重ね合わせた様子が示された図。 通常の可視条件において目視により観察された状態が示された図。 判別具(2)を重ね合わせて第1の不可視画像(5)が可視画像となって発現された状態が示された図。 判別具(2)を重ね合わせて第2の不可視画像(6)が可視画像となって発現された状態が示された図。 本発明の印刷模様の一画線の構成要素を拡大して示された図。 図5に示された各画線要素にグレーレベルを備えた8bit画像となった各テンプレートが示された図。 コンピュータにインストールされたアプリケーションソフトの処理アルゴリズムが示されたフロー図。 それぞれ1bitの第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)が示された図。 それぞれ1bitの第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)が示された図。 8bitのα画像が示された図。 本発明における主要なアルゴリズムが示されたフロー図。 図6に示された「グループA」の画線群を配置するための処理アルゴリズムが示されたフロー図。 図12に示された処理アルゴリズムに従ってテンプレート(A)、テンプレート(A’)、テンプレート(a)、テンプレート(AE)が適用された状態が示された図。 図6に示された「グループB」の画線群を配置するための処理アルゴリズムが示されたフロー図。 図14に示された処理アルゴリズムに従ってテンプレート(B)、テンプレート(B’)、テンプレート(b)、テンプレート(BE)が適用された状態が示された図。 図6に示された「グループC」とその他の画線群を配置するための処理アルゴリズムが示されたフロー図。 図16に示された処理アルゴリズムに従ってテンプレート(C)が適用された画素にテンプレート(CE)が置換された状態が示された図。 図16に示された処理アルゴリズムに従ってテンプレート(C)が適用された画素にテンプレート(CE)が置換された状態が示された図。 図16に示された処理アルゴリズムに従ってテンプレート(AE)とテンプレート(BE)とが適用された画素にテンプレート(EE)が置換された状態が示された図。 図16に示された処理アルゴリズムに従ってテンプレート(AE)とテンプレート(BE)とテンプレート(C)が適用された画素にテンプレート(CEE)が置換された状態が示された図。 図11に示された処理アルゴリズムに従って出力された1bit画像が示された図。 図21に示された1bit画像を印刷した印刷物が示された図。 図22の印刷物(1)上の印刷模様部(3)に判別具(2)を重ね合わせ第2の不可視画像(6)が可視状態となって発現した状態が示された図。 図22の印刷物(1)上の印刷模様部(3)に判別具(2)を重ね合わせ第2の不可視画像(6)が可視状態となって発現した状態が示された図。 印刷物(1)に判別具(2)を重ね合わせた様子が示された図。 通常の可視条件において目視により観察された状態が示された図。 判別具(2)を重ね合わせて第1の不可視画像(5)が可視画像となって発現された状態が示された図。 判別具(2)を重ね合わせて第2の不可視画像(6)が可視画像となって発現された状態が示された図。 本発明の印刷模様の一画線の構成要素を拡大して示された図。 図5に示された各画線要素にグレーレベルを備えた8bit画像となった各テンプレートが示された図。 コンピュータにインストールされたアプリケーションソフトの処理アルゴリズムが示されたフロー図。 8bitの可視画像(4)が示された図。 8bitの第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)が示された図。 8bitのα画像が示された図。 本発明における主要なアルゴリズムが示されたフロー図。 横軸に第1の不可視画像(5)の画素濃度を5段階で表し、縦軸に第2の不可視画像(6)の画素濃度を5段階で表した説明図。 可視画像(4)の画素濃度を5段階で具体的に示された図。 グレーレベルの特性に従って画素濃度が定められた状態が示された図。 α画像(9)が適用されないで出力された8bit画像と、α画像(9)が適用されて出力された8bit画像とが示された図。 複数ビット形式の画像を1bit画像にするための臨界値配列画像が示された図。 図16に示された臨界値配列画像を用いてマトリックス空間全体に適用した1bit画像が示された図。 図17に示された1bit画像を印刷した印刷物が示された図。 判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態が示された図。 判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態が示された図。 本発明の偽造防止印刷物の作成に用いられる装置の構成を示すブロック図。 本発明の偽造防止印刷物作成方法及び偽造防止印刷物作成用プログラムの概略図。
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
図45に示すように、本発明の実施の形態の偽造防止印刷物(1)の作成に用いられる画像作成装置は、画線作成部(T1)、画像作成部(T2)、項目設定部(T3)、演算部(T4)及び出力部(T5)を備えている。画線作成部(T1)及び画像作成部(T2)は、本発明の実施の形態の偽造防止印刷物(1)の作成に必要なデータを入力し、演算部(T4)に与える。項目設定部(T3)は、偽造防止印刷物(1)を作成する画線の形状、解像度の設定、色彩等の各項目の設定を行う。演算部(T4)は、与えられたデータ及び項目設定部(T3)の設定を基に、偽造防止印刷物(1)の作成に必要な演算処理及び画像処理等を行い、得られた結果を出力部(T5)に与える。出力部(T5)は、演算部(T4)から与えられたデータを、例えば、外部の図示されてない印刷機、モニタ等に出力する。
前述の画像作成装置を用いて本実施の形態による偽造防止印刷物を作成する方法について、その手順を示した図46を用いて偽造防止印刷物の作成方法及びその作成用プログラムを主に説明していくこととする。以下の説明では、後述する1bit画像又はモノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット画像を作成する手順を示した図46を用いて説明する。なお、本発明における画像データについては、複数の画素により構成されるものとして記載する。
図46に示すように、テンプレート作成ステップ(ST1)は、不可視画像及び可視画像を形成する画線であるテンプレートを画像ファイルとして、画線作成部(T1)より外部から選択して入力又は演算部(T4)で作成する。
パラメータ設定ステップ(ST2)は、項目設定部(T3)により、テンプレートの出力解像度の設定、印刷模様部の線数の設定、印刷模様部の着色の設定及びテンプレートの形状の設定を行う。出力解像度とは、演算結果でもたらされた画像の解像度設定値である。出力解像度は、CTP、プリンタ等の様々な出力デバイスにおいて個々の設定値があるため、それら出力デバイスごとに必要な設定項目となっている。フィルタ線数とは、図3、図4、図27、図28に示された判別具(2)の万線フィルタ又はレンチキュラーレンズ等の線数の設定を行う。着色とは、各不可視画像を形成する各画線、各可視画像を形成する各画線における『C』、『M』、『Y』及び『K』である。
画像作成ステップ(ST3)は、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタを印刷模様部に重ねた場合に、不可視画像が潜像画像として視認される基となる不可視画像データと、可視画像として視認される基となる可視画像データと、印刷模様部全体に連続的な濃淡処理を行うα画像データを画像作成部(T2)より外部から入力又は演算部(T4)で作成する。
次に、演算ステップ(ST4)は、演算部(T4)により、各画像データ及び設定項目を基に、所定の規則に基づき可視画像と潜像画像の各画素にテンプレートを適用して各画素をユニット内に配置し、ユニット内に配置されたテンプレートの各画素の画素濃度にα画像の画素濃度を適用し、ユニットをマトリクス状に配置して印刷模様部の画像データを作成する。
次に、出力ステップ(ST5)は、演算部(T4)により作成された印刷模様部の画像データを出力部(T5)に与えて、印刷模様部を基材上に出力する。あるいは、基材上に出力する前に、モニタ画面上にプレビュー表示により印刷模様部を確認するための出力を行う。
(第一の実施形態)
次に、本発明の第一の実施形態である1bit画像の自動生成プログラムと、当該自動生成プログラムにより作成された印刷物について、図面を用いて説明する。
(偽造防止印刷物)
本第一の実施形態である自動生成プログラムにて得られた1bit画像、すなわち2値情報からなる画像を印刷した印刷物は、図1に示されたように、印刷物(1)に判別具(2)を重ね合わせることにより、容易に不可視画像を発現させて真偽性を判別することができるものである。判別具(2)は、透明性を有するフィルタに複数の直線が万線状に一方向に沿って形成された万線フィルタ、レンチキュラーレンズ等である。印刷物(1)の印刷模様部(3)は、通常の可視条件において目視により観察すると、図2に示されたように、任意の図形、文字等から成る模様が視認される。
印刷模様部(3)は、第1の可視画像(4)と、第2の可視画像(8)とを備えている。この第1の可視画像(4)と、第2の可視画像(8)とは、印刷模様部(3)の基となる1bit画像にあらかじめ備わっているものである。印刷物(1)上に判別具(2)を所定の角度(これを0度とする)を持って重ね合わせると、図3(a)又は図3(b)に示されたような第1の不可視画像(5)が可視画像となって発現する。また、印刷物(1)上に判別具(2)を所定の角度に対して90度を成す角度を持って重ね合わせると、図4(a)又は図4(b)に示されたような第2の不可視画像(6)が可視画像となって発現する。図3(a)又は図3(b)及び図4(a)又は図4(b)に示されるようにネガポジ状のどちらかに見えるのは、判別具(2)と印刷物(1)との間の相対的な位置によって生ずるものであり、本発明の効果の範囲内である。
上述した先行技術文献及び特許文献に示された技術では、印刷模様がほぼ均一な濃度を有するスクリーン模様となっている。この均一な濃度を有するスクリーン模様が、印刷模様の周縁にほぼ同じ濃度を保ったまま達している。これは、先行技術文献及び特許文献に示されたように、モアレ効果を基本原理とする模様表現に共通する特徴である。そこで、本発明では、図2に示されたように、印刷模様部(3)が中心から最周縁(G)に向かって画線面積率が段階的に0%まで濃度が下がっている印刷物となっている。すなわち、図3に示された第1の不可視画像(5)及び図4に示された第2の不可視画像(6)は、印刷模様部(3)が中心から最周縁(G)に向かって段階的に画線面積率が下がるのと同期して下がっている。すなわち、印刷模様部(3)全体に連続的な濃淡が設けられている。この印刷模様部(3)全体に連続的な濃淡は、印刷模様部(3)の基となる1bit画像にあらかじめ備わっているものである。
(基本画線構成)
図5に、本発明に必要な構成要素を拡大して示す。図5(a)に示されるように、画線(A)と画線(A’)とは、対を成して第1の不可視画像(5)を形成し、画線(A)と画線(A’)とが、それぞれが寸法Sで囲まれた領域である最小単位ユニット(四角形)内において中心から上下対称に配置されている。また、画線(B)と画線(B’)とが対を成して第2の不可視画像(6)を形成し、画線(B)と画線(B’)とは、それぞれユニット(四角形)内において中心から左右対称に配置されている。さらに、画線(C)は、第1の可視画像(デザイン:模様)を形成し、図2に示されたような任意の図形及び文字から成る第1の可視画像(4)を構成する画線となり、ユニット(四角形)の四隅に画線(D)の中心がくるように配置されている。さらに、画線(D)は、第2の可視画像(デザイン:模様)を形成し、図2に示されたような任意の図形及び文字から成る第2の可視画像(8)を構成する画線となり、ユニット(四角形)の中心に画線(C)の中心が一致するように配置されている。なお、画線(E)、画線(a)、画線(b)は、それぞれ肉眼視での濃度の不均衡を緩和するために設けられるものであるが、それら画線の追加については、後述にて詳細に説明する。
(連続階調再現領域)
また、各々の画線は、画線中心から画線周縁にかけて連続的に階調が増減する連続階調再現領域を備え、画線(A)には領域(Ag)、画線(A’)には領域(Ag’)、画線(a)には領域(ag)、画線(B)には領域(Bg)、画線(B’)には領域(Bg’)、画線(b)には領域(bg)、画線(C)には領域(Cg)、画線(D)には領域(Dg)、画線(E)には領域(Eg)をそれぞれ備えている。さらに、これらの連続階調再現領域によって、画線面積率が適時設定される。例えば、画線(A)の領域(Ag)では、一画線の構成要素内において、連続的に画線面積率が設定されるようになっている。すなわち、図5(b)に示されたように、領域(Ag)は、ハイライトからシャドーに相当するグレーレベルに応じて画線面積が各々の画線の中心部から増減する。なお、本実施の形態によるグレーレベルは、256段階である。グレーレベルが低い(濃度が高い)場合、画線(A)は領域(Ag)全体に存在し、グレーレベルが高い(濃度が低い)場合、画線(A)の領域(Ag)が少なくなる。なお、画線(A’)における領域(Ag’)、画線(B)における領域(Bg)、画線(B’)における領域(Bg’)、画線(a)における領域(ag)、画線(b)における領域(bg)、画線(D)における領域(Dg)、画線(C)における領域(Cg)、画線(E)における領域(Eg)についても同様である。
次に、本第一の実施形態の偽造防止印刷物の作成方法及び作成用プログラムの各ステップについて、詳細に説明する。
(テンプレート作成ステップ)
本第一の実施形態の模様は、コンピュータにインストールされたアプリケーションソフトによって生成されるものである。アプリケーションソフトは、図7に示されたフロー図に従って実行される。まず、ユーザーは、画線作成部(T1)によるテンプレート作成ステップ(ST1)において、図7のステップS1に示されたテンプレートの選択を行う。テンプレートとは、図5で示された画線要素を個々に画像ファイルとしたもので、図6に示されたように、画線要素ごとにテンプレートとなっている。また、各テンプレートは、多値画像であり、本実施の形態では、256段階のグレーレベルを備えた8bit画像としている。例えば、各テンプレートの縦横寸法は、84×84ピクセルとなっている。これは、本発明の模様の最終的な出力解像度を6400dpiとしたとき、判別具(2)のレンチキュラーレンズの線数を75線/インチ相当として定義されたものである。これについては、後述にて詳細に説明する。
(テンプレートの構成)
テンプレートは、主に、第1の不可視画像(5)を形成するための画線(A)、画線(A’)、画線(a)及び画線(AE)を構成するテンプレート群「グループA」と、第2の不可視画像を形成するための画線(B)、画線(B’)、画線(b)及び画線(BE)を構成するテンプレート群「グループB」と、第1の可視画像(デザイン:模様)を形成するための画線(C)を構成するテンプレート群「グループC」と、演算結果によって連携するその他の画線(EE)及び画線(D)のテンプレート群に分類される。なお、テンプレート(A)の画線(A)には領域(Ag)を備えている他、各々のテンプレートの画線に各々の連続階調再現領域を備えている。
(画像作成ステップ)
ユーザーは、画像作成部(T2)による画像作成ステップ(ST3)において、図7のステップS2に示された第1の可視画像(4)の指定を行う。必要に応じてステップS3に示された第2の可視画像(8)の指定を行う。第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)は、モノクロ2階調のため1bit画像でよい。なお、第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)は、「グループC」のテンプレート群及びテンプレート(D)を配置するためのマトリックス空間座標を定義するためのものであり、各テンプレートの縦横寸法の画素数と第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)の画素数とは何ら関係はない。例えば、図8に示された第1の可視画像(4)を指定する。本実施の形態では、効果をより際立たせるため、第2の可視画像(8)についても図8の第1の可視画像(4)と同じ画像を指定した。
ユーザーは、図7のステップS4に示された第1の不可視画像(5)の指定を行う。必要に応じてステップS5に示された第2の不可視画像(6)の指定を行う。第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)は、モノクロ2階調のため1bit画像でよい。また、第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)の画素数は、第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)の画素数と同じである。なお、第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)は、「グループA」のテンプレート群及び「グループB」のテンプレート群を配置するためのマトリックス空間座標を定義するためのものであり、各テンプレートの縦横寸法の画素数と第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)の画素数とは、何ら関係はない。例えば、図9(a)に示された第1の不可視画像(5)と、図9(b)に示された第2の不可視画像(6)を指定した。
(α画像の指定)
ユーザーは、図7のステップS6に示されたα画像(9)の指定を行う。α画像(9)は、図2に示された印刷模様部(3)において、そこに含まれる第1の可視画像(4)、第2の可視画像(8)、第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)が、偽造防止要素を備えながら画線面積率をスクリーン模様の中心から最周縁(G)に向かって段階的に0%まで下げるための作用をもたらすものである。したがって、α画像(9)は、連続階調が必要とされることから、少なくとも8bit画像となっている。また、α画像(9)の画素数は、第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)の画素数と同じである。なお、各テンプレート群が、配置されたマトリックス空間座標を定義するためのものであり、各テンプレートの縦横寸法の画素数と第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)の画素数とは、何ら関係はない。例えば、図10に示されたα画像(9)を指定する。図10のα画像(9)は、256段階の階調を備えた8bit画像である。
(パラメータ設定ステップ)
項目設定部(T3)によるパラメータ設定ステップ(ST2)においては、テンプレートの出力解像度の設定、レンチキュラーレンズ又は万線フィルタの線数の設定、印刷模様部の着色の設定及びテンプレートの形状の設定を項目設定ごとに行うパラメータの設定を行う。
ユーザーは、項目設定部(T3)によるパラメータ設定ステップ(ST2)において、図7のステップS9に示されたフィルタ線数を設定する。フィルタ線数とは、図3及び図4に示された判別具(2)の万線フィルタ、レンチキュラーレンズ等の線数である。本第一の実施形態では、75線/インチとした。
ユーザーは、各不可視画像を形成する各画線、各可視画像を形成する各画線、濃度の不均衡を緩和するための画線における『C』、『M』、『Y』及び『K』の着色の設定を行う。
ユーザーは、図7のステップS10に示されたテンプレートの出力解像度を設定する。本第一の実施形態では、6400dpiとした。
(演算ステップ)
演算部(T4)による演算ステップ(ST4)において、各画像データ及び設定項目を基に、可視画像と不可視画像の各画素にテンプレートを適用して各画素をユニット内に配置し、ユニット内に配置されたテンプレートの各画素の画素濃度にα画像(9)の画素濃度を適用し、ユニットをマトリクス状に配置して印刷模様部を作成する演算ステップを行う。
(画像の生成を開始)
ユーザーは、図7の演算ステップ(ST4)におけるステップS11に示された画像生成の開始を実行する。画像生成では、各テンプレートの配置規則に基づいてマトリックス空間全体を構築する。各テンプレートの配置規則は、以下に示すアルゴリズムでマトリックス空間全体を構築するものである。なお、本第一の実施形態におけるテンプレートの配置規則とは、後述するグループA、B、C、α画像の適用である。
図7のステップS11に示された画像の生成の開始は、本発明における主要なアルゴリズムであるため、図11にて更に詳細に説明する。ステップS10に示された出力解像度の設定からは、第1の不可視画像(5)については、フロー図の端子「1」へ、第2の不可視画像(6)については、端子「3」にそれぞれ移行する。
(グループAの適用)
図11のフロー図の端子「1」は、図12のフロー図の端子「1」である。このアルゴリズムは、図6に示された「グループA」の画線群を配置するための処理である。
まず、図9(a)に示された第1の不可視画像(5)である2値画像の画素の0、1情報を基に、左上の画素から順に図12に示されたテンプレート(A)及びテンプレート(A’)の適用が実行される。すなわち、画素[h,v]が1の条件に一致したとき、画素[h,v]に図6に示されたテンプレート(A)が適用され、画素[h,v]が0、かつ、画素[h,v+1]が0の条件に一致したとき、画素[h,v]に図6に示されたテンプレート(A’)が適用される。この処理が、左上の画素から右下の画素まで画像マトリックス全体に実行される。画素[h,v]において、隣接する画素が全て1の場合、画素[h,v]は図13(a)に示されるように、画線(A)を備えたテンプレート(A)が、隣接した状態で適用されている。
次に、画素[h,v]にテンプレート(A)が適用され、かつ、画素[h,v+1]にテンプレート(A’)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]に画線テンプレート(a)が適用される。すなわち、図13(b)に示されるように、画素[h,v]と画素[h,v+1]の中間に画線(a)が適用される。
次に、画素[h,v]にテンプレート(A’)が適用され、画素[h,v+1]にテンプレートがなく、かつ、画素[h,v+2]にテンプレート(A)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]におけるテンプレート(AE)が適用される。すなわち、図13(c)に示されるように、画素[h,v+1]に画線(AE)が適用される。
次に、画素[h,v]にテンプレート(A’)が適用され、画素[h,v+1]にテンプレートがなく、かつ、画素[h,v+2]にテンプレート(A’)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]におけるテンプレート(AE)及びテンプレート(a)が適用される。すなわち、図13(d)に示されるように、画素[h,v+1]に画線(AE)が適用され、画素[h,v+1]と画素[h,v+2]の中間に画線(a)が適用される。
(グループBの適用)
図11のフロー図の端子「3」は、図14のフロー図の端子「3」である。このアルゴリズムは図6に示された「グループB」の画線群を配置するための処理である。
まず、図9(b)に示された第2の不可視画像(6)である2値画像の画素の0、1情報を基に、左上の画素から順に図14に示されたテンプレート(B)及びテンプレート(B’)の適用が実行される。すなわち、画素[h,v]が1の条件に一致したとき、画素[h,v]に図6に示されたテンプレート(B)が適用され、画素[h,v]が0、かつ、画素[h+1,v]が0の条件に一致したとき、画素[h,v]に図6に示されたテンプレート(B’)が適用される。この処理が左上の画素から右下の画素まで画像マトリックス全体に実行される。画素[h,v]において、隣接する画素が全て1の場合、画素[h,v]は図15(a)に示されるように、画線(B)を備えたテンプレート(B)が、隣接した状態で適用されている。
次に、画素[h,v]にテンプレート(B)が適用され、かつ、画素[h+1,v]にテンプレート(B’)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]に画線テンプレート(b)が適用される。すなわち、図15(b)に示されるように、画素[h,v]と画素[h+1,v]の中間に画線(b)が適用される。
次に、画素[h,v]にテンプレート(B’)が適用され、画素[h+1,v]にテンプレートがなく、かつ、画素[h+2,v]にテンプレート(B)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]におけるテンプレート(BE)が適用される。すなわち、図15(c)に示されるように、画素[h+1,v]に画線(BE)が適用される。
次に、画素[h,v]にテンプレート(B’)が適用され、画素[h+1,v]にテンプレートがなく、かつ、画素[h+2,v]にテンプレート(B’)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]におけるテンプレート(BE)及びテンプレート(b)が適用される。すなわち、図15(d)に示されるように、画素[h+1,v]に画線(BE)が適用され、画素[h+1,v]と画素[h+2,v]の中間に画線(b)が適用される。
(グループCの適用)
次に、画線(C)と画線(D)とを配置する。画線(C)は、第1の可視画像(デザイン:模様)を形成し、図2に示されたような任意の図形及び文字から成る第1の可視画像(4)を構成する画線となり、画線(D)は、第2の可視画像(デザイン:模様)を形成し、図2に示されたような任意の図形及び文字から成る第2の可視画像(8)を構成する画線となる。本実施の形態では、説明を簡潔にするため、図8に示されたように、第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)を同じ「×」の模様を成す可視画像とする。
図12で示されたフロー図の端子「2」と図14で示されたフロー図の端子「4」は、図16のフロー図の端子「2」と端子「4」である。このアルゴリズムは図6に示された「グループC」及びその他の画線群を配置するための処理である。
まず、図8(a)に示された第1の可視画像(4)である2値画像の画素の0、1情報を基に、左上の画素から順に図16に示されたテンプレート(C)の適用が実行される。すなわち、画素[h,v]が1の条件に一致したとき、画素[h,v]に図6に示されたテンプレート(C)が適用される。
次に、図8(b)に示された第2の可視画像(8)である2値画像の画素の0、1情報を基に、左上の画素から順に図16に示されたテンプレート(D)の適用が実行される。すなわち、画素[h,v]が1の条件に一致したとき、画素[h,v]に図6に示されたテンプレート(D)が適用される。この処理が左上の画素から右下の画素まで画像マトリックス空間全体に実行される。
図6で示されたように、テンプレート(C)の画線(C)は、画線(AE)及び画線(BE)と位置が重複している。これにより、画線(AE)と画線(BE)、画線(C)と画線(AE)、又は画線(C)と画線(BE)の合計画線面積が必要なことから、既に合計の画線面積となっているテンプレート(EE)、(CEE)に置換する処理が行われる。
次に、テンプレートの適用処理で画素[h,v]にテンプレート(AE)が適用され、かつ、画素[h,v]にテンプレート(C)が、又はテンプレート(BE)が適用され、かつ、画素[h,v]にテンプレート(C)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]がテンプレート(CE)に置換される。すなわち、図17及び図18に示されるように、テンプレート(C)が適用された画素群のうち、太実線で示された画素がテンプレート(CE)に置換される。
次に、テンプレートの適用処理で画素[h,v]にテンプレート(AE)が適用され、かつ、画素[h,v]にテンプレート(BE)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]がテンプレート(EE)に置換される。すなわち、図19に示されたように、画素[h+1,v]がテンプレート(A’)、画素[h,v+1]がテンプレート(B’)、画素[h+2,v+1]がテンプレート(B)、画素[h+1,v+2]がテンプレート(A)の配置にある画素[h+1,v+1]が、テンプレート(EE)に置換される。または、画素[h+1,v]がテンプレート(A)、画素[h,v+1]がテンプレート(B)、画素[h+2,v+1]がテンプレート(B’)、画素[h+1,v+2]がテンプレート(A’)の配置にある画素[h+1,v+1]が、テンプレート(EE)に置換される。
次に、テンプレートの適用処理で画素[h,v]にテンプレート(AE)が適用され、かつ、画素[h,v]にテンプレート(BE)が適用され、かつ、画素[h,v]にテンプレート(C)が適用された条件に一致したとき、画素[h,v]がテンプレート(CEE)に置換される。すなわち、図20に示されたように、画素[h+1,v]がテンプレート(A’)、画素[h,v+1]がテンプレート(B’)、画素[h+2,v+1]がテンプレート(B)、画素[h+1,v+2]がテンプレート(A)、画素[h+1,v+1]がテンプレート(C)の配置にある画素[h+1,v+1]が、テンプレート(CEE)に置換される。または、画素[h+1,v]がテンプレート(A)、画素[h,v+1]がテンプレート(B)、画素[h+2,v+1]がテンプレート(B’)、画素[h+1,v+2]がテンプレート(A’) 、画素[h+1,v+1]がテンプレート(C)の配置にある画素[h+1,v+1]が、テンプレート(CEE)に置換される。これにより、各テンプレート群がマトリックス空間全体に敷き詰められた状態となる。
(α画像の適用)
次に、α画像(9)の適用について説明する。図16のフロー図の端子「5」は、図11のフロー図の端子「5」である。図11で示されたように、フロー図の端子「5」以降は、α画像(9)の適用処理となる。本実施の形態では、図10に示されたように、α画像(9)を0〜255のグレーレベルを成す8bit画像とし、α画像(9)の中心が最も濃度が高く、画像の四隅が最も濃度が低くなるようにしている。そして、図8に示された第1の可視画像(4)及び第2の可視画像(8)と、図9に示された第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)とによってマトリックス空間全体に適用された各テンプレート群において、α画像(9)がある場合には、α画像(9)の画素濃度[h,v]をそれぞれのテンプレートの領域[h,v]に適用する。画線(A)、画線(A’)、画線(a)、画線(B)、画線(B’)、画線(b)、画線(D)、画線(C)、画線(AE)、画線(BE)、画線(EE)、画線(CE)及び画線(CEE)におけるそれぞれの領域が、α画像(9)のグレーレベルに従って、それぞれの画線に適用される。これにより、図5(b)に示されたように、各々の領域は、ハイライトからシャドーに相当するグレーレベルに応じて画線面積が各々の画線中心から画線周縁にかけて増減する。
(画像出力ステップ)
次に、出力部(T5)における出力ステップ(ST5)においては、演算ステップにより作成された印刷模様部(3)を、ハードディスク等の記憶装置、又はプリンタ等の印刷装置である画像作成装置により出力する画像出力ステップを行う。なお、出力部(T5)は、演算部(T4)により作成される印刷模様部(3)の形状をモニタ画面上に表示するプレビュー画像表示ステップを有してもよい。
(プレビュー画面の確認)
プレビュー画像表示ステップでは、ユーザーは、図7のステップS7に示されたプレビュー画面を必要に応じて確認する。プレビュー画面は演算結果の簡易予測としている。ステップS8で示されたように、演算前に演算結果を確認することで、必要に応じて最初のステップに戻ることができる。結果に問題がなければ、次のステップに進む。
(1bit画像の出力)
なお、図7のステップS9に示されたフィルタ線数の設定と、ステップS10に示されたテンプレートの出力解像度の設定は、図7のステップS12に示された1bit画像の出力において反映される。本第一の実施形態では、上述したように出力解像度を6400dpiとしていること、更に判別具(2)のレンチキュラーレンズの線数を75線/インチ相当として定義していることにより、各テンプレートの縦横寸法は84×84ピクセルの1bit画像を、各テンプレートの位置に従ってマトリックス空間全体に配置されることで、75線/インチ相当のレンチキュラーレンズで最適化された1bit画像を出力できる。図21(a)に示された1bit画像(10)は、α画像(9)が適用されないで出力された1bit画像であり、図21(b)に示された1bit画像(11)は、α画像(9)が適用されて出力された1bit画像である。図21(a)及び図21(b)で示されたように、第1の可視画像(4)、第2の可視画像(8)、第1の不可視画像(5)、第2の不可視画像(6)及びα画像(9)は、各テンプレートに備えられた画線の配置と領域に従って1bit画像として出力される。α画像(9)が適用されなかった1bit画像(10)と、α画像(9)が適用された1bit画像(11)との違いで分かるとおり、1bit画像(11)はα画像(9)の適用によって、α画像(9)のグレーレベルに従って各画線の画線面積が小さくなっているのが分かる。
図22(a)は、図21(a)に示された1bit画像(10)を印刷した印刷物で、図22(b)は、図21(b)に示された1bit画像(11)を印刷した印刷物である。なお、印刷物の基材、印刷方法、印刷材料、印刷装置等については、何ら限定するものでない。
図22(a)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)が図13又は図17における線(L1)に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図23(a)に示す。この場合、レンチキュラーレンズの中心線(7)上に位置するのは画線(A)のみとなっている。レンチキュラーレンズの特性によって、中心線(7)に位置する画線(A)が膨張して見えるため、第1の不可視画像(5)が可視状態となって発現する。
また、図22(b)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)が図13又は図17における線(L1)に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図23(b)に示す。図23(a)と同様に画線(A)が膨張して見えているが、α画像(9)の適用によって、可視状態となっている第1の不可視画像(5)が、α画像(9)のグレーレベルに従って画線面積が小さくなっているのが分かる。
図22(a)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)が図15又は図18における線(L2)に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図24(a)に示す。この場合、レンチキュラーレンズの中心線(7)上に位置するのは画線(B)のみとなっている。レンチキュラーレンズの特性によって、中心線(7)に位置する画線(B)が膨張して見えるため、第2の不可視画像(6)が可視状態となって発現する。
また、図22(b)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)が図15又は図18における線(L2)に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図24(b)に示す。図24(a)と同様に画線(B)が膨張して見えているが、α画像(9)の適用によって、可視状態となっている第2の不可視画像(6)が、α画像(9)のグレーレベルに従って画線面積が小さくなっているのが分かる。
次に、第二の実施形態として、モノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像の自動生成プログラムについて説明する。なお、第一の実施形態と異なる点のみ説明する。
(第二の実施形態)
(偽造防止印刷物)
まず、第二の実施形態による自動生成プログラムにて得られたモノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像を印刷した印刷物について説明する。図25に示されたように、印刷物(1)に判別具(2)を重ね合わせることにより、容易に不可視画像をモノクロ連続階調又はフルカラー階調で発現させて真偽性を判別することができるものである。
印刷模様部(3)の可視画像(4)は、印刷模様部(3)の基となるモノクロ連続階調又はフルカラー階調にあらかじめ備わっているものである。印刷物(1)上に判別具(2)を所定の角度(これを0度とする)を持って重ね合わせると、図27に示されたような第1の不可視画像(5)がモノクロ連続階調又はフルカラー階調の可視画像となって発現する。また、印刷物(1)上に判別具(2)を所定の角度に対して90度を成す角度を持って重ね合わせると、図28に示されたような第2の不可視画像(6)がモノクロ連続階調又はフルカラー階調の可視画像となって発現する。
第一の実施形態と同様に、図26に示されたように、印刷模様部(3)が中心から最周縁(G)に向かって画線面積率が段階的に0%まで下がっている印刷物となっている。すなわち、図27に示された第1の不可視画像(5)及び図28に示された第2の不可視画像(6)は、印刷模様部(3)において中心から最周縁(G)に向かって段階的に画線面積率が下がるのと同期して濃度が下がっている。すなわち、印刷模様部(3)全体に連続的な濃淡が設けられている。この印刷模様部(3)全体に連続的な濃淡は、印刷模様部(3)の基となるモノクロ連続階調又はフルカラー階調にあらかじめ備わっているものである。
(基本画線構成)
図29に、第二の実施形態の印刷物の構成要素を拡大して示す。図29に示されるように、画線(A)は第1の不可視画像(5)を形成し、二つの画線(A)が、それぞれユニット(四角形)内において中心から左右対称に配置されている。また、画線(B)は第2の不可視画像(6)を形成し、二つの画線(B)が、それぞれユニット(四角形)内において中心から上下対称に配置されている。画線(N)は、画線(A)と画線(B)との間に配置されている。さらに、画線(C)は、可視画像(デザイン:模様)を形成し、図26に示されたような任意の図形及び文字から成る可視画像(4)を構成する画線となり、ユニット(四角形)内の四隅に画線(C)の中心がくるように配置されている。
(テンプレート作成ステップ)
第二の実施形態の印刷模様部(3)は、図31に示されたフロー図に従って実行される。まず、ユーザーは、画線作成部(T1)によるテンプレート作成ステップ(ST1)において、図31のステップS1に示されたテンプレートの選択を行う。本第二の実施形態のテンプレートは、図29で示された画線要素を個々に画像ファイルとしたもので、図30に示されたように、画線要素ごとにテンプレートとなっている。本第二の実施形態では、一例として各テンプレートの縦横寸法は、40×40ピクセルとなっている。これは、本第二の実施形態の模様の最終的な出力解像度を2400dpiとしたとき、判別具(2)のレンチキュラーレンズの線数を60線/インチ相当として定義されたものである。これについては、後述にて詳細に説明する。
テンプレートは、主に、第1の不可視画像(5)を形成するための画線(A)を構成するテンプレート(A)と、第2の不可視画像(6)を形成するための画線(B)を構成するテンプレート(B)と、可視画像(デザイン:模様)を形成するための画線(C)を構成するテンプレート(C)と、演算結果によって連携する画線(N)を構成するテンプレート(N)に分類される。
(画像作成ステップ)
次に、ユーザーは、画像作成部(T2)による画像作成ステップ(ST3)において、図31のステップS2に示された可視画像(4)の指定を行う。可視画像(4)は、モノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像のため、8bit画像、24bit画像、32bit画像、あるいはその他の形式の多値カラー画像でもよい。なお、本明細書においては、説明の便宜上24bit画像をRGB画像、32bit画像をCMYK画像として説明する。
また、可視画像(4)は、テンプレート(C)を配置するためのマトリックス空間座標を定義するためのものであり、各テンプレートの縦横寸法の画素数と可視画像(4)の画素数とは何ら関係はない。例えば、図32に示された可視画像(4)を指定した。この可視画像(4)は、256段階のグレーレベルを備えた8bit画像であり、本発明を簡単に説明するために5×5の画素数で構成しているが、実際は、模様の分解能を高めるために、これよりも多い画素数が用いられている。
次に、ユーザーは、図31のステップS3に示された第1の不可視画像(5)の指定を行う。必要に応じてステップS4に示された第2の不可視画像(6)の指定を行う。第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)はモノクロ連続階調又はフルカラー階調を備えた複数ビット形式の画像のため、8bit画像、24bit画像(RGB画像)、32bit画像(CMYK画像)、あるいはその他の形式の多値カラー画像でもよい。また、第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)の画素数は、可視画像(4)の画素数と同じである。なお、第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)は、テンプレート(A)及びテンプレート(B)を配置するためのマトリックス空間座標を定義するためのものであり、各テンプレートの縦横寸法の画素数と第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)の画素数とは何ら関係はない。例えば、図33(a)に示された第1の不可視画像(5)と、図33(b)に示された第2の不可視画像(6)を指定した。第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)は、256段階のグレーレベルを備えた8bit画像であり、本発明を簡単に説明するために、可視画像(4)と合わせて5×5の画素数で構成しているが、実際は、模様の分解能を高めるために、これよりも多い画素数が用いられている。
(α画像の指定)
次に、ユーザーは、図31のステップS5に示されたα画像(9)の指定を行う。α画像(9)は、図26に示された印刷模様部(3)において、そこに含まれる可視画像(4)、第1の不可視画像(5)及び第2の不可視画像(6)が、偽造防止要素を備えながら画線面積率をスクリーン模様の中心から最周縁(G)に向かって段階的に0%まで下げるための作用をもたらすものである。
(パラメータ設定ステップ)
次に、ユーザーは、項目設定部(T3)によるパラメータ設定ステップ(ST2)において、図31のステップS8に示されたフィルタ線数を設定する。本第二の実施の形態では、上述したように60線/インチとした。次に、ユーザーは、各不可視画像を形成する各画線、各可視画像を形成する各画線における『C』、『M』、『Y』及び『K』の設定を行う。次に、ユーザーは、図31のステップS9に示された出力解像度を設定する。本実施の形態では、上述したように2400dpiとした。
(演算ステップ)
次に、ユーザーは、演算部(T4)による演算ステップ(ST4)において、図31のステップS10に示された画像生成の開始を実行する。画像生成では、各テンプレートの配置規則に基づいてマトリックス空間全体を構築する。各テンプレートの配置規則は、以下に示すアルゴリズムでマトリックス空間全体を構築するものである。なお、本第二の実施形態におけるテンプレートの配置規則とは、後述する可視画像の画素濃度、不可視画像の平均画素濃度の反転画素濃度及び可視画像の画素濃度にテンプレートの画線形状、α画像の適用である。
図31のステップS10に示された画像の生成の開始は、本発明における主要なアルゴリズムであるため、図35にて更に詳細に説明する。
(各テンプレートの適用)
まず、可視画像(4)、第1の不可視画像(5)、第2の不可視画像(6)が全て同じ画素数であることを条件に、左上の画素[h+0,v+0]から[h+n,v+n]までの順に図35の処理が実行される。
図31のステップS4にて、既に第1の不可視画像(5)が指定されてある場合には、図33(a)に示された第1の不可視画像(5)の画素濃度[h,v]にテンプレート(A)の画線形状が適用される。さらに、図33(b)に示された第2の不可視画像の画素濃度[h,v]にテンプレート(B)の画線形状が適用される。そして、第1の不可視画像(5)の画素濃度[h,v]と第2の不可視画像(6)の画素濃度[h,v]の平均画素濃度の反転画素濃度に、テンプレート(N)の画線形状が適用される。
また、図31のステップS4にて、図33(a)に示された第1の不可視画像(5)が指定されてあり、図33(b)に示された第2の不可視画像(6)が指定されていない場合に、あるいは、図33(a)に示された第1の不可視画像(5)が指定されておらず、図33(b)に示された第2の不可視画像(6)が指定されてある場合は、第1の不可視画像(5)又は第2の不可視画像(6)の画素濃度[h,v]の反転画素濃度に、テンプレート(N)の画線形状が適用される。
各テンプレートの適用を具体的に説明する。例えば、図36に示されたように、横軸に第1の不可視画像(5)の画素濃度を5段階で表し、縦軸に第2の不可視画像(6)の画素濃度を5段階で表した。第1の不可視画像(5)については、テンプレート(A)がそれぞれの画素濃度となって適用される。第1の不可視画像(5)については、テンプレート(B)がそれぞれの画素濃度となって適用される。例えば、第1の不可視画像(5)の画素濃度が191で、第2の不可視画像(6)の画素濃度が255であったとき、テンプレート(N)における画素濃度は、32となる。また、例えば、第1の不可視画像(5)の画素濃度が127で、第2の不可視画像(6)の画素濃度が63であったとき、テンプレート(N)における画素濃度は160となる。
また、図31のステップS2にて、図32に示された可視画像(4)が指定されてある場合、可視画像(4)の画素濃度[h,v]にテンプレート(C)の画線形状が適用される。図37は、可視画像(4)の画素濃度を5段階で具体的に示したものである。
さらに、図31のステップS5にて、図34に示されたα画像(9)が指定されてある場合、α画像(9)の画素濃度[h,v]が適用される。すなわち、可視画像(4)の画素濃度[h,v]、第1の不可視画像(5)の画素濃度[h,v]及び第2の不可視画像(6)の画素濃度[h,v]のそれぞれの画素濃度は、図38に示されるグレーレベルの特性(いわゆる濃度値)に従って画素濃度が定められる。例えば、図38(a)のように、α画像(9)の画素濃度[h,v]が0であったときは、グレーレベルは全て同じ値となるが、図38(b)のように、α画像(9)の画素濃度[h,v]が63であったときは、255は255とされながらも、0は63となる。また、図38(c)のように、α画像(9)の画素濃度[h,v]が127であったときは、255は255とされながらも、0は127となる。図38(d)及び図38(e)も同様である。
(8bit画像の出力)
本第二の実施の形態では、上述したように出力解像度を2400dpiとしていること、更に、判別具(2)のレンチキュラーレンズの線数を60線/インチ相当として定義していることにより、各テンプレートの縦横寸法は、40×40ピクセルの8bit画像を、各テンプレートの位置に従ってマトリックス空間全体に配置されることで、60線/インチ相当のレンチキュラーレンズで最適化された8bit画像を出力できる。図39(a)に示された8bit画像(14)は、α画像(9)が適用されないで出力された8bit画像(14)であり、図39(b)に示された8bit画像(15)は、α画像(9)が適用されて出力された8bit画像(15)である。図39(a)及び図39(b)で示されたように、可視画像(4)、第1の不可視画像(5)、第2の不可視画像(6)及びα画像(9)は、各テンプレートに備えられた画線の配置と領域に従って8bit画像として出力される。α画像(9)が適用されなかった8bit画像(14)と、α画像(9)が適用された8bit画像(15)との違いで分かるとおり、8bit画像(15)はα画像(9)の適用によって、α画像(9)のグレーレベルに従って各画線の画素濃度が変化しているのが分かる。
(多チャンネルの出力)
なお、上述したように、画像形式は、8bit画像、24bit画像(RGB画像)、32bit画像(CMYK画像)、あるいはその他の形式の多値カラー画像がある。図31のステップS3〜S5で指定された画像形式により、図35の画像の生成の開始の処理回数が変わる。8bit画像であれば1チャンネル分の1回、24bit画像(RGB画像)であれば3チャンネル分の3回、32bit画像(CMYK画像)であれば4チャンネル分の4回の処理がそれぞれ同時に行われる。
(画像出力ステップ)
次に、第一の実施形態と同様に、図35の画像の生成の開始で得られた画像を印刷用画像にするため、あらかじめ図30で示されたテンプレートと同じ画像サイズの臨界値配列画像(印刷用の2値画像にするためのパターン画像)を用いる。図40は、8bit画像のような複数ビット形式の画像を1bit画像にするための臨界値配列画像である。図40(a)に示すように、各々の画線には、画線中心から画線周縁にかけて連続的に階調が増減する連続階調再現領域を備え、画線(A)には領域(Ag)、画線(B)には領域(Bg)、画線(N)には領域(Ng)、画線(C)には領域(Cg)をそれぞれ備えている。さらに、これらの連続階調再現領域によって、画線面積率が適時設定される。例えば、画線(A)の領域(Ag)では、一画線の構成要素内において、連続的に画線面積率が設定されるようになっている。すなわち、図40(b)に示されたように、領域(Ag)は、ハイライトからシャドーに相当するグレーレベルに応じて画線面積が各々の画線の中心部から増減する。なお、本実施の形態によるグレーレベルは、256段階である。グレーレベルが低い(濃度が高い)場合、画線(A)は領域(Ag)全体に存在し、グレーレベルが高い(濃度が低い)場合、画線(A)の領域(Ag)が少なくなる。画線(B)における領域(Bg)、画線(N)における領域(Ng)、画線(C)における領域(Cg)についても同様である。
図41(a)は、図39(a)に示された8bit画像(14)を、図40(a)に示された臨界値配列画像を用いてマトリックス空間全体に適用した1bit画像(12)が示されたものである。また、図41(b)は、図39(b)に示された8bit画像(15)を、図40(a)に示された臨界値配列画像を用いてマトリックス空間全体に適用した1bit画像(13)が示されたものである。
図42(a)は、図41(a)に示された1bit画像(12)を印刷した印刷物で、図42(b)は、図41(b)に示された1bit画像(13)を印刷した印刷物である。
図42(a)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)がテンプレートの中心に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図43(a)に示す。レンチキュラーレンズの特性によって、中心線(7)に位置する画線(A)が膨張して見えるため、第1の不可視画像(5)が可視状態となって発現する。
また、図42(b)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)がテンプレートの中心に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図43(b)に示す。図43(a)と同様に画線(A)が膨張して見えているが、α画像(9)の適用によって、可視状態となっている第1の不可視画像(5)が、α画像(9)のグレーレベルに従って画線面積が小さくなっているのが分かる。
図42(a)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)がテンプレートの中心に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図44(a)に示す。この場合、レンチキュラーレンズの中心線(7)上に位置するのは、画線(B)のみとなっている。レンチキュラーレンズの特性によって、中心線(7)に位置する画線(B)が膨張して見えるため、第2の不可視画像(6)が可視状態となって発現する。
また、図42(b)に示された印刷模様部(3)に対して、レンチキュラーレンズの各レンズの中心線(7)がテンプレートの中心に一致するように、レンチキュラーレンズから成る判別具(2)を印刷物(1)上の印刷模様部(3)に重ね合わせ、正面から目視で観察した状態を図44(b)に示す。図44(a)と同様に画線(B)が膨張して見えているが、α画像(9)の適用によって、可視状態となっている第2の不可視画像(6)が、α画像(9)のグレーレベルに従って画線面積が小さくなっているのが分かる。
1 印刷物
2 判別具
3 印刷模様部
4 第1の可視画像
5 第1の不可視画像
6 第2の不可視画像
7 中心線
8 第2の可視画像
9 α画像
10 1bit画像
11 1bit画像
12 1bit画像
13 1bit画像
14 8bit画像
15 8bit画像
A テンプレートAの画線
A’ テンプレートA’の画線
Ag 画線Aの領域
a テンプレートaの画線
ag 画線aの領域
B テンプレートBの画線
B’ テンプレートB’の画線
Bg 画線Bの領域
b テンプレートbの画線
bg 画線bの領域
AE テンプレートAEの画線
BE テンプレートBEの画線
C テンプレートCの画線
Cg 画線Cの領域
CE テンプレートCEの画線
CEE テンプレートCEEの画線
D テンプレートDの画線
Dg 画線Dの領域
E テンプレートEの画線
Eg 画線Eの領域
EE テンプレートEEの画線
G 最周縁
L1 中心線
L2 中心線
T1 画線作成部
T2 画像作成部
T3 項目設定部
T4 演算部
T5 出力部

Claims (2)

  1. 基材の少なくとも一部に、不可視画像と可視画像の各々の画像を形成する画線を有するユニットがマトリクス状に複数配置され、
    前記不可視画像を形成する画線にレンチキュラーレンズ又は万線フィルタを重ねた場合に、前記不可視画像が潜像画像として視認される印刷模様部を備えた連続階調を有する偽造防止印刷物を、画線作成部、画像作成部、項目設定部、演算部、出力部を有する画像作成装置を用いて作成する方法であって、
    前記画線作成部により、前記可視画像と前記不可視画像に適用する画線であり、画線中心から画線周縁にかけて連続的に階調が増減する連続階調再現領域を備える前記画線のテンプレートを選択して入力又は前記演算部で作成するテンプレート作成ステップと、
    前記項目設定部により、前記テンプレートの出力解像度の設定、前記印刷模様部の線数の設定、前記印刷模様部の着色の設定及び前記テンプレートの形状を、設定項目ごとに行うパラメータ設定ステップと、
    前記画像作成部により、前記印刷模様部の中心から最周縁にかけて、画線面積率が段階的に0%まで低下させる濃淡処理を行うために、中心が最も濃度が高く、四隅が最も濃度が低いα画像と、前記可視画像の基となる画像と、前記不可視画像の基となる画像とを、入力又は前記演算部で作成する画像作成ステップと、
    前記演算部により、各画像及び前記設定項目を基に、前記可視画像と前記不可視画像の各画素に前記テンプレートの配置規則を適用して前記ユニット内に前記テンプレートを配置し、前記テンプレートの各画素の画素濃度に対して前記α画像の画素濃度の濃度値に従って、前記ユニット内に配置された前記画線の前記連続階調再現領域内において画線中心から画線周縁にかけて画線面積率を増減することで前記印刷模様部を形成する演算ステップと、
    前記出力部により、形成された前記印刷模様部を出力する出力ステップと、を備えることを特徴とする偽造防止印刷物の作成方法。
  2. 請求項1記載の偽造防止印刷物の作成方法を、画線作成部、画像作成部、項目設定部、演算部、出力部を有する画像作成装置に実行させるための偽造防止印刷物の作成用プログラムであって、
    前記画線作成部により、前記テンプレートの基となる画像ファイルを選択して入力又は前記演算部で作成するテンプレート作成ステップと、
    前記項目設定部により、前記テンプレートの出力解像度の設定、前記印刷模様部の線数
    の設定、前記印刷模様部の着色の設定及び前記テンプレートの形状の設定を、設定項目ごとに行うパラメータ設定ステップと、
    前記画像作成部により、前記印刷模様部の中心から最周縁にかけて、画線面積率が段階的に0%まで低下させる濃淡処理を行うために、中心が最も濃度が高く、四隅が最も濃度が低いα画像のα画像データと、前記可視画像の基となる可視画像データと、前記不可視画像の基となる不可視画像データとを、入力又は前記演算部で作成する画像作成ステップと、
    前記演算部により、各画像データ及び前記設定項目を基に、前記可視画像データと前記不可視画像データの各画素にテンプレートファイルの配置規則を適用して前記ユニット内に前記テンプレートファイルを配置し、前記テンプレートファイルの各画素の画素濃度に対して前記α画像データの画素濃度の濃度値に従って、前記ユニット内に配置された前記画線の前記連続階調再現領域内において画線中心から画線周縁にかけて画線面積率を増減することで前記印刷模様部のデータを作成する演算ステップと、
    前記出力部により、前記印刷模様部のデータを基に前記印刷模様部を出力する出力ステップと、を備える偽造防止印刷物の作成方法を画像作成装置に実行させることを特徴とする偽造防止印刷物作成用プログラム。
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