JP5428086B2 - 特殊網点印刷物、並びに特殊網点印刷物を構成する特殊網点の作製方法、作製装置及び作製プログラム - Google Patents

特殊網点印刷物、並びに特殊網点印刷物を構成する特殊網点の作製方法、作製装置及び作製プログラム Download PDF

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Description

本発明は、紙幣、パスポート、有価証券、カード及び貴重印刷物等の偽造防止及び改ざん防止が必要とされる印刷物において、特に繊細な網点構成を要する特殊網点印刷物、並びに特殊網点印刷物を構成する特殊網点の作製方法、作製装置及び作製プログラムに関する。
現在の有価証券の偽造防止技術には、地紋、彩紋模様、レリーフ模様等、細線を用いる方法や、微小文字等の微細構成素子を用いる方法がある。基本的には、一定の画線幅による曲画線の集合によって模様を構成している幾何学図形や、微小文字を配列したものである。
これらの幾何学図形には印刷物のデザイン等の意匠性を加味し、偽造及び変造防止策を施すことができ、細画線を用いて模様を複雑にすることは、偽造過程における解像度的な問題から写真製版装置による抽出又は複写機による再現を困難とし、偽造防止策としての役割を高めている。
また、幾何学図形は、証券デザインとして世界的に広く用いられていると同時に、紙幣、株券、債券等の金銭的価値を有する印刷物の模様として古くから用いられてきたことにより、現在でも一般的に高級感を印象づけるデザインとして重要な模様となっている。今日では、コンピュータ処理アルゴリズムの確立によって、細線で構成される幾何学図形を生成するためのソフトウェアが開発され、商品化されている。
しかし、近年、カラー複写機の高画質化及びカラー製版技術のコンピュータ化に伴い、紙幣や有価証券類の偽造手段が多様化する傾向にある。特に、印刷産業分野で使用される画像入出力機器の解像度が著しく向上し、有価証券類に使用されている細線や微小文字の抽出が比較的容易になってきた。
これにより、現在の有価証券の多くに採用されている地紋、彩紋、レリーフ模様等細画線で構成されたものが、スキャナ等の画像入出力機器によって、高精度に抽出できることとなったため、単に4色の網点構成から成る一般商業印刷法による偽造だけではなく、特色版を多用した、従来よりも本格的な偽造が増えてきた。
印刷産業分野において、印刷用紙に白黒2値に加え、中間調、すなわち、連続階調画像を表現するには、網点と訳される画線構成(一般にスクリーンと呼ぶ)が必要となる。スクリーンは、円、楕円、菱形、四角、砂目等の形状を成す微小な(1インチあたり100から600個程度)画線を有し、その大小により印刷物の単位面積当たりの画線面積率を変化させることによって連続階調を再現する。また、点状の画線を有するものばかりでなく、万線スクリーン(走査線)やクロス(交差線)のように線状の画線を有し、その画線幅を変化させることにより連続階調を再現するものもある。ハーフトーンスクリーンは、人間の視覚による濃淡識別が、細かい点の集合体を一つの階調として認識する性質に依存しているものである。しかし、連続階調画像をハーフトーン化する技術は、大手製版メーカーに主導されてきたために、その技術を使用して設計するユーザー自らが自由に網点を作製することは不可能であった。
ところが、昨今の製版印刷業界においては、コンピュータページ記述言語の一つであるポストスクリプト言語の開発と、開発技術をベースとした市販のアプリケーションソフトの普及により、文字と画像を統合したカラー印刷物が比較的容易に作製可能となり、更にポストスクリプト言語が普及することにより、ユーザーは、ハーフトーンスクリーンの開発領域に着手することができるようになってきた。
そこで、本出願人は、ハーフトーンスクリーンの作製方法として、図27に示すように、(1)商標、家紋、シンボルマーク、文字、和文書体等、それ自身が意味をもつ意匠性を有する画像を読み取るための画像入力部を設け、(2)入力画像の輪郭抽出処理部を設け、(3)輪郭内部を内部ぼかし処理して多階調化する画像処理部を設け、(3´)輪郭内部で画線どうしが交点を形成する領域に内部先鋭ぼかし処理する画像処理部を設け、(4´)輪郭外部を外部濃度分散処理するかなどをして多階調化する画像処理部を設け、(5)輪郭領域に数ピクセルの濃度ゼロ領域を割り当てる画像処理部を設け、(6)得られた画像データを出力装置が解読可能なポストスクリプトコマンドに変換する処理部を設け、(7)網点発生装置に命令を与える処理部を設けることでハーフトーンスクリーンを作製する技術を開示している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、本出願人は、連続階調模様を表現するためのハーフトーンスクリーンの作製方法として、図28に示すように、スクリーンを構成する1種類のセルCを、全て同じ働きを有しながら夫々配置方向が異なるユニットuと、ユニットuにおいて単一あるいは複数の領域に分ける領域aと、領域aにおいて画線面積の変容を伴う1個のエレメントeとから成るパラメータ群で構成し、パラメータ群の個々のパラメータに設定値を入力するステップと、入力された設定値によってスクリーンの変容の定義情報(ディフィニショナ)を算出するステップを有することでハーフトーンスクリーンを作製する技術を開示している(例えば、特許文献2参照)。
特許第3478474号公報 特許第3855013号公報
しかしながら、特許第3478474号公報は、任意形状(文字やロゴマーク等)の網点を設計することは可能であるが、網点面積率の変化に応じ、元となる基準網点と同じ形状を維持したまま基準網点を太らせたり細らせたりするだけで、網点の形状自体の変化によって網点面積率が異なるような特殊網点を設計することはできず、網点の太細によって階調を表現した網点を用いた印刷物では、さらなる近年の画像入出力機器の高度化により偽造される可能性が出てきた。
また、特許第3855013号公報においては、関数のみを用いて網点の形状を表す必要があるため、網点の形状自体の変化によって網点面積率が異なるような特殊網点を設計することはできず、また複雑な網点の設計も困難であった。
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、具体的には、特殊網点を作製するための基本網点となるテンプレート画像を1種類以上読み込み、読み込んだテンプレート画像と、設計者によって設定された網点パラメータをもとに、網点の形状自体の変化によって網点面積率が異なるような特殊網点を作製し、作製した特殊網点を規則的に複数配列させて成る階調を有する特殊網点印刷物、並びに特殊網点印刷物を構成する特殊網点の作製方法、作製装置及び作製プログラムである。
本発明における特殊網点印刷物は、基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配列されて成る特殊網点印刷物において、形状の異なる特殊網点は、特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状の変化で表した網点であり、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点を基準網点とし、基準網点を第1の網点とし、第1の網点における網点領域を第1の網点領域とし、第1の網点における網点面積率よりも小さい網点面積率を有する網点を網点面積率が小さくなる順にそれぞれ第2の網点、第3の網点、・・・第n(nは2以上の自然数とする)の網点とし、第2の網点、第3の網点、・・・第nの網点における網点領域を、第2の網点領域、第3の網点領域、・・・第nの網点領域としたとき、第2の網点領域から第nの網点領域は、第1の網点領域の一部が削除されて成り、第1の網点領域における削除面積が大きいほど網点面積率が小さく、かつ、第nの網点領域に対応する第1の網点領域における所定の領域と、第2の網点領域から第nの網点領域の中の、第1の網点領域における所定の領域に対応した領域は、同じ網点面積率を有して成ることを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造方法は、基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配列され階調を有して成る特殊網点印刷物において、形状の異なる特殊網点は、特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状の変化で表した網点であり、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点を基準網点とし、基準網点を第1の網点とし、第1の網点における網点領域を第1の網点領域とし、第1の網点における網点面積率よりも小さい網点面積率を有する網点を、網点面積率が小さくなる順にそれぞれ第2の網点、第3の網点、・・・第n(nは2以上の自然数とする)の網点とし、第2の網点、第3の網点、・・・第nの網点における網点領域を、第2の網点領域、第3の網点領域、・・・第nの網点領域としたとき、第2の網点領域から第nの網点領域は、第1の網点領域の一部が削除されて成り、第1の網点領域に対する削除面積が大きいほど網点面積率が小さく、かつ、第nの網点領域に対応する第1の網点領域における所定の領域と、第2の網点領域から第nの網点領域の中の、第1の網点領域における所定の領域に対応した領域は、同じ網点面積率を有して成る特殊網点印刷物を構成している特殊網点の作製方法であって、特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力する元画像入力方法と、元画像入力方法によって入力されたテンプレート画像に対して、網点面積率の変化を第1の網点から第nの網点形状の変化によって表す特殊網点を作製するため、第nの網点から第1の網点へ変化する特殊網点の発生方法の設定を設定項目ごとに行う網点パラメータ設定方法と、元画像入力方法によって入力されたテンプレート画像及び網点パラメータ設定方法によって設定された設定項目をもとに、形状の異なる特殊網点を作製する演算方法を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造方法は、網点パラメータ設定方法が、入力したテンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理するかの選択を行う二値化/階調優先設定方法と、入力したテンプレート画像の網点を発生させる方向の選択と、発生させる網点の膨張速度の設定と、発生させる網点の指定方向の設定を行う網点発生方向設定方法と、最終的な網点発生の方式を選択する最終網点発生方式設定方法を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造方法は、網点パラメータ設定方法が、テンプレート画像を2種類以上入力した場合、第1のテンプレート画像の網点に対して、第2のテンプレート画像の網点を、どのタイミングで発生させるかを設定する発生開始タイミング設定方法と、複数のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合、それぞれのテンプレート画像の網点発生速度を設定する網点発生速度設定方法を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造方法は、演算方法が、元画像入力方法によって入力されたテンプレート画像に対し、二値化/階調優先設定方法及び網点発生方向設定方法で設定された内容に基づいて演算を行うことで、テンプレート画像内の少なくとも一部の画素に対して網点発生の順番を表す優先度を決定するテンプレート画像内優先度演算方法と、テンプレート画像内優先度演算方法によって得られた優先度を格納する優先度バッファ演算方法と、優先度バッファ部に格納された優先度をもとに、発生開始タイミング設定方法及び網点発生速度設定方法で設定された内容に基づいて優先度の合成を行うバッファ合成演算方法と、バッファ合成演算方法による合成後において優先度が設定されていない全ての画素に対し、最終網点発生方式設定方法で設定された内容に基づいて演算を行うことで優先度を決定する最終網点発生演算方法と、バッファ合成演算方法及び最終網点発生方法によって与えられた優先度に基づき、出力先に応じた適切な形式で特殊網点を出力するための処理を行う出力形式調整演算方法とを有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造方法は、特殊網点の作製方法が、演算方法によって得られた演算結果を画面上に出力することによって、特殊網点を得るプレビュー出力方法と、演算方法によって得られた演算結果を出力することによって、特殊網点印刷物又は印刷版面を得る特殊網点出力方法を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造装置は、基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配列され階調を有して成る特殊網点印刷物において、形状の異なる特殊網点は、特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状の変化で表した網点であり、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点を基準網点とし、基準網点を第1の網点とし、第1の網点における網点領域を第1の網点領域とし、第1の網点における網点面積率よりも小さい網点面積率を有する網点を、網点面積率が小さくなる順にそれぞれ第2の網点、第3の網点、・・・第n(nは2以上の自然数とする)の網点とし、第2の網点、第3の網点、・・・第nの網点における網点領域を、第2の網点領域、第3の網点領域、・・・第nの網点領域としたとき、第2の網点領域から第nの網点領域は、第1の網点領域の一部が削除されて成り、第1の網点領域に対する削除面積が大きいほど網点面積率が小さく、かつ、第nの網点領域に対応する第1の網点領域における所定の領域と、第2の網点領域から第nの網点領域の中の、第1の網点領域における所定の領域に対応した領域は、同じ網点面積率を有して成る特殊網点印刷物を構成している特殊網点の作製装置であって、特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力する元画像入力手段と、元画像入力手段によって入力されたテンプレート画像に対して、網点面積率の変化を第1の網点から第nの網点形状の変化によって表す特殊網点を作製するため、第nの網点から第1の網点へ変化する特殊網点の発生方法の設定を設定項目ごとに行う網点パラメータ設定手段と、元画像入力手段によって入力されたテンプレート画像及び網点パラメータ設定手段によって設定された設定項目をもとに、形状の異なる特殊網点を作製する演算手段を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造装置は、網点パラメータ設定手段が、入力したテンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理するかの選択を行う二値化/階調優先設定部と、入力したテンプレート画像の網点を発生させる方向の選択と、発生させる網点の膨張速度の設定と、発生させる網点の指定方向の設定を行う網点発生方向設定部と、最終的な網点発生の方式を選択する最終網点発生方式設定部を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造装置は、網点パラメータ設定手段が、テンプレート画像を2種類以上入力した場合、第1のテンプレート画像の網点に対して、第2のテンプレート画像の網点を、どのタイミングで発生させるかを設定する発生開始タイミング設定部と、複数のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合、それぞれのテンプレート画像の網点発生速度を設定する網点発生速度設定部を含むことを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造装置は、演算手段が、元画像入力手段によって入力されたテンプレート画像に対し、二値化/階調優先設定部及び網点発生方向設定部で設定された内容に基づいて演算を行うことで、テンプレート画像内の少なくとも一部の画素に対して網点発生の順番を表す優先度を決定するテンプレート画像内優先度演算部と、テンプレート画像内優先度演算部によって得られた優先度を格納する優先度バッファ演算部と、優先度バッファ演算部に格納された優先度をもとに、発生開始タイミング設定部及び網点発生速度設定部で設定された内容に基づいて優先度の合成を行うバッファ合成演算部と、バッファ合成演算部による合成後において優先度が設定されていない全ての画素に対し、最終網点発生方式設定部で設定された内容に基づいて演算を行うことで優先度を決定する最終網点発生演算部と、バッファ合成演算部及び最終網点発生部によって与えられた優先度に基づき、出力先に応じた適切な形式で特殊網点を出力するための処理を行う出力形式調整演算部を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の製造装置は、網点データの作製装置が、演算手段によって得られた演算結果を画面上に出力することによって、特殊網点を得るプレビュー出力手段と、演算手段によって得られた演算結果を出力することによって、特殊網点印刷物又は印刷版面を得る特殊網点出力手段を有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の作製プログラムは、特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力する元画像入力手段と、入力したテンプレート画像に対して、特殊網点を作製するための設定を設定項目ごとに行う網点パラメータ設定手段と、元画像入力手段によって入力されたテンプレート画像から、網点パラメータ設定手段によって設定された設定項目に従って特殊網点を作製する演算手段と、演算手段によって得られた演算結果を画面上に出力することによって、特殊網点を得るプレビュー出力手段と、演算手段によって得られた演算結果を出力することによって、特殊網点印刷物又は印刷版面を得る特殊網点出力手段を有するコンピュータに実行させる特殊網点の作製プログラムにおいて、元画像入力手段によって、特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力する元画像入力ステップと、網点パラメータ設定手段によって、入力したテンプレート画像に対して、特殊網点を作製するための設定を設定項目ごとに行う網点パラメータ設定ステップと、演算手段によって、元画像入力ステップによって入力されたテンプレート画像から、網点パラメータ設定ステップで設定された設定項目に従って特殊網点を作製する演算ステップを有することを特徴とする。
本発明における特殊網点印刷物の作製プログラムは、特殊網点の作製プログラムが、プレビュー出力部によって、演算ステップで得られた演算結果を画面上に出力することで、特殊網点を得るプレビュー出力ステップと、特殊網点出力部によって、演算ステップで得られた演算結果を出力することで、特殊網点印刷物又は印刷版面を得る特殊網点出力ステップを有することを特徴とする。
単なる網点の太細のみで網点面積率を異ならせた網点で作製した階調を有する印刷物と違い、網点面積率に応じて網点自体の形状を異ならせた網点で作製した階調を有する印刷物であり、網点自体が複雑な形状であるため、従来の階調を有する印刷物に比べ、さらに偽造防止効果及び複写防止効果が向上した。
網点面積率に応じて網点自体の形状が異なる特殊網点は、従来技術では作製できなかったが、本発明における特殊網点の作製方法、作製装置及び作製プログラムを用いることにより、容易に短時間で設計可能となった。
本発明における特殊網点印刷物と特殊網点印刷物の一部拡大を示す図である。 本発明における形状の異なる特殊網点を網点面積率の順に連続的に配列させたグレースケール画像を示す。 本発明における特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像の一例と、テンプレート画像のみで階調を表現可能な最大の網点面積率の網点(基準網点)の関係を示す図である。 本発明における特殊網点の網点面積率の変化に伴う網点形状を示す図である。 本発明における特殊網点の所定領域の網点面積率を示す図である。 本発明における特殊網点印刷物を作製するために入力するテンプレート画像に利用可能な画像の一例を示す図である。 本発明における特殊網点の「階調優先」と「二値化」の違いを示す図である。 本発明におけるテンプレート画像における網点領域と網点領域の内部と網点領域の輪郭部分の関係を示す図である。 本発明における特殊網点の発生方向を示す図である。 本発明における特殊網点の指定方向の例を示す図である。 本発明における特殊網点の発生開始タイミングの例を示す図である。 本発明における特殊網点の発生速度の例を示す図である。 本発明における特殊網点の最終網点発生方法の例を示す図である。 本発明における特殊網点を作製する演算手段の「テンプレート画像内優先度演算部」の処理を示す。 本発明における特殊網点を作製する演算手段の「バッファ合成部」の処理を示す。 本発明における特殊網点を作製する演算手段の「最終網点発生部」の処理を示す。 本発明における特殊網点を作製する装置のブロック図を示す。 本発明における特殊網点を作製する網点パラメータ設定手段のブロック図を示す。 本発明における特殊網点を作製する演算手段のブロック図を示す。 本発明における特殊網点印刷物を作製するための操作画面を示す図である。 本発明における特殊網点の作製方法を示すフローチャートである。 本発明における網点データの作製方法において、演算方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例における(a)第1のテンプレート画像、(b)第2のテンプレート画像を示す図である。 本発明の実施例1によって作製した(a)特殊網点のグレースケール、(b)特殊網点印刷物を示す図である。 本発明の実施例における10種類のテンプレート画像を示す図である。 本発明の実施例2によって作製した(a)特殊網点のグレースケール、(b)特殊網点印刷物を示す図である。 従来の特殊網点を示す図である。 従来の特殊網点を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明における特殊網点印刷物と特殊網点印刷物の一部拡大を示す図である。図2は、本発明における形状の異なる特殊網点を網点面積率の順に連続的に配列させたグレースケール画像を示す図である。図3は、本発明における特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像と、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点(基準網点)の関係を示す図である。図4は、本発明における特殊網点の網点面積率に伴う網点形状の違いを示す図である。図5は、本発明における特殊網点の所定領域の網点面積率を示す図である。図6は、本発明における特殊網点印刷物を作製するために入力するテンプレート画像に利用可能な画像を示す図である。図7は、本発明における特殊網点の「階調優先」と「二値化」の違いを示す図である。図8は、本発明におけるテンプレート画像における網点領域と網点領域の内部と網点領域の輪郭部分の関係を示す図である。図9は、本発明における特殊網点の発生方向を示す図である。図10は、本発明における特殊網点の指定方向の例を示す図である。図11は、本発明における特殊網点の発生開始タイミングの例を示す図である。図12は、本発明における特殊網点の発生速度の例を示す図である。図13は、本発明における特殊網点の最終網点発生方法の例を示す図である。図14は、本発明における特殊網点を作製する演算手段の「テンプレート画像内優先度演算部」の処理を示す。図15は、本発明における特殊網点を作製する演算手段の「バッファ合成部」の処理を示す。図16は、本発明における特殊網点を作製する演算手段の「最終網点発生部」の処理を示す。図17は、本発明における特殊網点を作製する装置のブロック図を示す。図18は、本発明における特殊網点を作製する網点パラメータ設定手段のブロック図を示す。図19は、本発明における特殊網点を作製する演算手段のブロック図を示す。図20は、本発明における特殊網点印刷物を作製するための操作画面を示す図である。図21は、本発明における特殊網点の作製方法を示すフローチャートである。図22は、本発明における網点の作製方法において、演算方法を示すフローチャートである。図23は、本発明の実施例における(a)第1のテンプレート画像、(b)第2のテンプレート画像を示す図である。図24は、本発明の一実施例によって作製した(a)特殊網点のグレースケール、(b)特殊網点印刷物を示す図である。図25は、本発明の実施例における10種類のテンプレート画像を示す図である。図26は、本発明の一実施例によって作製した(a)特殊網点のグレースケール、(b)特殊網点印刷物を示す図である。
(特殊網点印刷物の構成)
図1に、本発明における特殊網点によって作製される特殊網点印刷物の一例について示し、この特殊網点印刷物の四角で囲んだ部分の一部拡大図を示す。特殊網点印刷物は、階調を有しており、基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配置されて成る。規則的に配置された特殊網点は、隣り合う特殊網点の形状が異なっていても同一でも良い。特殊網点の形状が異なるということは、網点面積率が異なることであり、各網点の網点面積率は、作製したい特殊網点印刷物における階調に対応する。
用いる基材としては、例えば、コート紙、上質紙、PPC用紙のほか、プラスチックフィルム等、印刷インキを受容できる基材であればよい。また、印刷する方式としては、形状の異なる特殊網点を複数規則的に配置することで作製したものを印刷版面に出力し、商業印刷機によって印刷する方法、印刷版面には出力せずに直接インクジェットプリンタ等により出力する方法が挙げられる。
(特殊網点の構成)
図2、図3、図4及び図5を用いて、特殊網点印刷物を構成する特殊網点について説明する。
特殊網点は、複数の形状の異なる網点から成る。複数の形状の異なる網点とは、特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状の変化で表した網点のことである。
図2は、形状の異なる特殊網点を網点面積率の順に連続的に配列させたグレースケール画像を示す。本発明において、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点を基準網点とし、基準網点を第1の網点とした時、第1の網点における網点領域を第1の網点領域とする。第1の網点における網点面積率よりも小さい網点面積率を有する網点を網点面積率が小さくなる順に第2の網点、第3の網点とし、テンプレート画像のみで表現可能な最小の網点面積率の網点を、第n(nは整数とする)の網点とし、第nの網点における網点領域を第nの網点領域とする。特殊網点は、連続階調を有し、網点面積率が大きくなるに伴って網点が徐々に発生する。
本発明で言う網点の発生とは、特殊網点において、網点面積率が小さい網点から網点面積率が大きい網点へと網点面積率が変化する際の網点形状の変化の様子のことを言う。
また、本発明で言うテンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点(基準網点)とは、図3に示すように、特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像を、特殊網点印刷物を構成する一つの網点領域としたときの網点面積率のことであり、(a)の場合、網点面積率76%が、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点(基準網点)となり、(b)の場合、網点面積率45%が、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点(基準網点)、(c)の場合、網点面積率17%が、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の網点(基準網点)となる。
図4は、図2(a)、(b)で示した本発明の特殊網点2種類及び従来の網点それぞれの基準網点及び網点面積率90%、70%、50%、30%、10%の網点形状を示す。網点面積率の変化に伴って網点が徐々に発生するとは、図4(a)で示した網点の場合、テンプレート画像のみで表現可能な網点面積率は、76%であり、網点面積率76%における網点が基準網点となる。したがって、元となる基準網点における網点領域に対し、網点領域の一部を削除した状態が網点面積率70%の網点領域、網点面積率70%の網点領域の一部を削除した状態が網点面積率50%の網点領域、網点面積率50%の網点領域の一部を削除した状態が網点面積率30%の網点領域、網点面積率30%の網点領域の一部を削除した状態が網点面積率10%の網点領域となる。網点面積率90%においては、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率よりも網点面積率が大きいため、基準網点に対して膨張処理によるドット(点)が付加された状態である。膨張処理については、後述する。
図4(b)で示した網点の場合、テンプレート画像のみで表現可能な網点面積率は、45%であり、網点面積率45%における網点が基準網点となる。したがって、元となる基準網点における網点領域に対し、網点領域の一部を削除した状態が網点面積率30%の網点領域、網点面積率30%の網点領域の一部を削除した状態が網点面積率10%の網点領域となる。網点面積率90%及び70%及び50%においては、テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率よりも網点面積率が大きいため、基準網点に対してランダム処理によるドット(点)が付加された状態である。ランダム処理については、後述する。
したがって、本発明における特殊網点は、基準網点を構成する要素(以下、「構成要素」と言う)が複数集まって構成されているとすると、図4(a)の基準網点における構成要素(図中の白線内の網点)と、網点面積率10%における構成要素(図中の白線内の網点)自体は変化していない。また、図4(b)の基準網点における構成要素(図中の実線内の網点)と、網点面積率10%における構成要素(図中の実線内の網点)自体は変化していない。このように、本発明における特殊網点は、基準網点における構成要素自体に変化のない箇所が存在している。
これに対し、従来の網点の場合、網点面積率の変化に伴って網点が徐々に発生するとは、図4(従来)に記載のように、網点面積率の変化に応じ、元となる基準網点と同じ形状を維持したまま基準網点が太ったり細くなったりすることで、基準網点における構成要素(図中の実線内の網点)と、網点面積率10%における構成要素(図中の実線内の網点)では、形状の変化が見られる。
さらに、図5は、図2(a)、(b)で示した本発明の特殊網点2種類及び従来の網点それぞれの第1の網点及び第nの網点の網点領域を示す。(a)の場合、第nの網点領域に対応する第1の網点領域における所定の領域(図中の白枠内の領域)と、第1の網点領域における所定の領域に対応した第nの網点領域(図中の白枠内の領域)は、必ず同じ網点面積率を有する。同じように、図5(b)の場合、第nの網点領域に対応する第1の網点領域における所定の領域(図中の実線内の領域)と、第1の網点領域における所定の領域に対応した第nの網点領域(図中の実線内の領域)は、必ず同じ網点面積率を有する。ここで言う所定の領域とは、基準網点(図5で言うと第1の網点)の構成要素に対応した第nの網点の(網点)形状をもとに任意に決めた領域のことである。
これに対し、従来の網点の場合、網点の拡張縮小により階調を表現しているため、図5(従来)に記載のように、第nの網点領域に対応する第1の網点領域における所定の領域(図中の実線内の領域)と、第1の網点領域における所定の領域に対応した第nの網点領域(図中の実線内の領域)は、同じ網点面積率を有することなく、必ず第nの網点面積率の方が小さくなる。つまり、第1の網点領域に比べ、第2の網点領域、第3の網点領域、第nの網点領域の順に網点面積率が小さくなる。
したがって、本発明においては、第1の網点における第1の網点領域は、第1の網点領域の網点面積率よりも小さい網点面積率を有する第2の網点における第2の網点領域を必ず含み、さらに、第2の網点における第2の網点領域は、第2の網点領域の網点面積率よりも小さい網点面積率を有する第nの網点における第nの網点領域を必ず含むような構成となる。つまり、網点面積率の変化に伴って網点が徐々に発生する特殊網点は、特殊網点の網点領域の所定の領域の網点面積率が、それよりも小さい網点面積率を有する特殊網点の所定領域と同じ網点面積率を有する特殊網点となる。
網点面積率とは、1個の網点が占める最大面積に対して、実際に1個の網点が占めている面積の割合を示す。本発明における特殊網点印刷物は、網点面積率の大小に伴う網点形状の変化が特殊網点印刷物の階調の濃淡に対応する。
(特殊網点を作製するための設定項目)
本発明における特殊網点を作製するために、設定項目をあらかじめ用意された選択肢から選択して作製する場合について説明する。特殊網点を作製するための設定項目は、元画像入力項目、網点パラメータ設定項目及び演算項目を有している。さらに特殊網点を作製するための設定項目は、プレビュー出力項目及び特殊網点出力項目を有していても良い。
(元画像入力項目)
元画像入力項目は、特殊網点を作製するための基本となるテンプレート画像を入力するための項目である。テンプレート画像は、例えば、あらかじめハードディスクに記録された画像ファイルを読み込むことで指定しても良いし、新たな画像ファイルを登録しても良い。入力可能なテンプレート画像としては、図6に示すように、白黒の二値画像又はグレースケールの階調画像である。入力するテンプレート画像は、1種類以上で、用いるコンピュータの記憶容量等の性能が許す限りにおいて何種類でも増やすことが可能である。ただし、現時点では、231(約21億強)種類の入力が限界となっている。種類を増やすことにより、印刷物の階調変化に応じた網点形状の変化をきめ細かく指定することが可能となり、より複雑な構造の網点印刷物が作製可能になるという利点はある。しかし、多くの画像を入力した場合、網点形状の計算にかかる時間が長くなるという欠点が生じるうえ、あまり細かく網点形状の変化を指定しても、網点形状の極めて微小な差異を印刷物上で正確に再現することは非常に困難であるため、実行上の利点は小さい。そのため、一般的な商業印刷では、入力するテンプレート画像の種類は、1種類から30種類程度が実行上適しており、一般的な業務用及び家庭用プリンタ印刷条件では、入力するテンプレート画像の種類は、1種類から10種類程度が実行上適している。
(網点パラメータ設定項目)
テンプレート画像ごとの網点発生の詳細を設定する網点パラメータ設定項目は、「二値化/階調優先」設定項目、「網点発生方向」設定項目、「発生開始タイミング」設定項目、「網点発生速度」設定項目及び「最終網点発生方式」設定項目を有する。次に、網点パラメータ設定項目の有する各設定項目について説明する。
(「二値化/階調優先」設定項目)
「二値化/階調優先」設定項目は、テンプレート画像に対して、「二値化」の処理をするか、「階調優先」で処理するかの選択を行うための項目である。「二値化」の処理とは、テンプレート画像を所定の閾値で二値化処理することである。これに対して「階調優先」の処理とは、テンプレート画像の階調の暗い方から明るい方へ向けて網点を発生させることである。
図7に示すように、「二値化」の処理とは、テンプレート画像を所定の閾値で二値化処理することである。これに対して「階調優先」の処理とは、テンプレート画像を階調の暗い方から明るい方へ向けて網点を発生させることである。「二値化」と「階調優先」の選択に関して、複雑な特殊網点を作製する場合に、単純な二値のテンプレート画像を複数組み合わせることで特殊網点を作製することも可能ではある。しかし、その際に多くの枚数のテンプレート画像が必要となるため、階調を持ったテンプレート画像を用いるとともに「階調優先」を選択することにより、必要なテンプレート画像枚数を大幅に削減し、特殊網点を容易に作製することが可能となる。
(「網点発生方向」設定項目)
「網点発生方向」設定項目は、複数のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合に限り、入力したテンプレート画像の網点を発生させる方向の設定を行うための項目である。網点を発生させる方向とは、網点面積率が0%から100%まで増加するにつれて、入力したテンプレート画像の網点の発生が、網点面積率が小さい網点から網点面積率が大きい網点へ向けて、網点面積率が変化する際の網点の形状の変化する方向のことである。
図8に、テンプレート画像における網点領域と網点領域の内部と網点領域の輪郭部分の関係を示す。まず、網点領域の内部についての定義の仕方である。網点領域中の任意の3画素(a1、a2、a3)を比較した場合、画素a1における輪郭までの最短距離をL1、画素a2における輪郭までの最短距離をL2、画素a3における輪郭までの最短距離をL3とした時、L1<L2<L3が成り立ち、画素a1が一番輪郭部分に近く、次いで画素a2、画素a3の順となる。このことから、このテンプレート画像の網点領域における画素a1、a2及びa3を比較した場合、画素a3が最も内部であると定義される。このように、テンプレート画像の網点領域において、画素から輪郭部分までの最短距離を比較した場合に、最短距離が一番長い画素が内部と定義される。
網点を発生させる方向の選択は、図9(a)に示すように網点領域の内部から輪郭に亘って発生させるか、(b)に示すように網点領域の輪郭から内部に亘って発生させるかの選択を行うことが可能である。
さらに、(c)に示すように内部から輪郭に亘って発生させる場合は、網点の外周を輪郭に含めるか含めないかの選択も可能である。網点の外周を輪郭に含めない場合、つまり、網点領域における上部のみが輪郭であり、網点領域における上部以外の外周が輪郭でない場合、図(c)左側に示すように下部となる内部から、上部にある輪郭に亘って発生する。また、網点の外周も輪郭に含める場合、つまり、網点領域に外周が輪郭である場合、図(c)右側に示すように中心部となる内部から、外周部にある輪郭全体に亘って発生する。
また、網点を発生させる方向として、図10(a)に示すように0°〜360°の範囲で方向を指定することが可能である。これは、網点が発生したポイントを十字の交点とした時、網点を右方向に発生させる場合は0°、網点を上方向に発生させる場合は90°、網点を左方向に発生させる場合は180°、網点を下方向に発生させる場合は270°と指定する。また、例示した四方向の指定のみではなく、右斜め上方向に発生させる場合は45°と指定し、左斜め下方向に発生させる場合は225°と指定するなど、1°単位で指定することが可能である。図10(b)では、網点を発生させる方向が0°の場合の例を示す。この網点を発生させる方向は、テンプレート画像ごとに設定され、設計したい網点形状のデザインを勘案しながら、設計者が自由に設定することが可能である。
(「発生開始タイミング」設定項目)
「発生開始タイミング」設定項目は、元画像となるテンプレート画像を2種類以上入力した場合、第1のテンプレート画像の網点に対して、第2のテンプレート画像の網点をどのタイミングで発生させるかについて設定を行うための項目である。テンプレート画像の網点が発生を開始した時点を1とし、元画像の網点の形態になった時点を100とした時、第1のテンプレート画像の網点が、1〜100の範囲のどの状態まで発生した時点で、第2のテンプレート画像を発生開始させるかについての設定を行う。
この網点の発生開始タイミングについて説明する。第1のテンプレート画像の網点と第2のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合は、発生開始タイミング「0%」とする設定を行うことで可能となる。また、第1のテンプレート画像の網点が元画像の網点の形態に完成してから、第2のテンプレート画像の網点を発生させる場合は、発生開始タイミング「100%」とする設定を行うことで可能となる。発生開始タイミングは、0%〜100%の範囲内において1%の単位で設定可能である。したがって、第1のテンプレート画像の網点発生状況が、元画像の網点の形態の半分発生してから、第2のテンプレート画像の網点を発生させる場合は、発生開始タイミング「50%」とする設定を行えば良い。この発生開始タイミングは、テンプレート画像ごとに設定できるため、設計者が設計したい網点形状のデザインを勘案しながら自由に設定することが可能である。
図11に、2種類のテンプレート画像を入力し、第1のテンプレート画像(長方形)の網点発生タイミングに対して、第2のテンプレート画像(三角形)の網点発生タイミングを「40」に設定した場合の例を示す。この場合、ステップ1に示すように、まず第1のテンプレート画像(長方形)の網点が発生し、網点が40%まで完成した時点で、ステップ2に示すように、次に第2のテンプレート画像(三角形)の網点が発生を開始する。テンプレート画像が複数ある場合、例えば、第3のテンプレート画像と第4のテンプレート画像がある場合、第3のテンプレート画像の網点を発生させるタイミングは、第2のテンプレート画像を基準とし、第4のテンプレート画像の網点を発生させるタイミングは、第3のテンプレート画像を基準とする。
(「網点発生速度」設定項目)
「網点発生速度」設定項目は、複数のテンプレート画像の網点を発生させる場合に限り、それぞれのテンプレート画像の網点発生速度の設定を行うための項目である。例えば、第1のテンプレート画像と第2のテンプレート画像の2種類を入力した場合、第1のテンプレート画像の網点と第2のテンプレート画像の網点が同時に発生した後、第1のテンプレート画像が発生する割合と第2のテンプレート画像が発生する割合の比率の設定を行う。
網点発生速度としては、例えば、第1のテンプレート画像と第2のテンプレート画像の2種類のテンプレート画像を入力した場合、2種類のテンプレート画像の網点を発生させる場合に限り、第1のテンプレート画像の網点の発生の速度を基準として、第2のテンプレート画像の網点の発生速度を1〜100の範囲で設定可能であり、設定した数字が小さいほど網点発生速度が速い。ただし、網点面積率の大小自体は、網点付与対象画像の階調の濃淡に従って一意に決定されるため、網点全体の発生速度は、この項目で設定することはできない。そのため、ここで設定される内容は、テンプレート間における網点発生の相対速度の調整に用いられる。
網点発生速度は、テンプレート画像ごとに設定され、設計者が設計したい網点形状のデザインを勘案しながら自由に設定することが可能である。図12(a)に、第1のテンプレート画像(四角形)を5画素発生させるのに対し、第2のテンプレート画像(三角形)を1画素の速度で発生させる例、図12(b)に、第1のテンプレート画像(四角形)を1画素発生させるのに対し、第2のテンプレート画像(三角形)を1画素の速度で発生させる例、図12(c)に、第1のテンプレート画像(四角形)を1画素発生させるのに対し、第2のテンプレート画像(三角形)を5画素の速度で発生させる例を示す。
(「最終網点発生方式」設定項目)
「最終網点発生方式」設定項目は、最終的な網点発生の方式を選択する。これは、テンプレート画像のみで表現可能な基本網点の最大網点面積率よりも大きい網点面積率の網点を構成し、最終的に網点面積率100%に至るまでの網点形状変化についての設定を行うための項目である。最終網点発生方式は、ランダム、ディザ及び膨張の網点処理の中から選択を行うための項目である。ランダムとは、テンプレート画像で指定されていない領域に対して、ランダムに点を付与していくことで全網点領域を埋めていく処理方法である。ディザとは、テンプレート画像で指定されていない領域に対して、一定パターンの繰り返しで点を付与していくことで全網点領域を埋めていく処理方法である。膨張とは、テンプレート画像で指定されていない領域に対して、テンプレート画像で指定された領域に近い画素から順番に点を付与していくことで全網点領域を埋めていく処理方法である。
最終網点発生方式は、図13に示すように、ランダム、ディザ及び膨張の中から選択する。膨張を選択した場合は、網点の面積率が増加するに従い、テンプレート画像で指定した形状の輪郭が崩れやすいという特徴がある。同様に、ランダムを選択した場合は、ノイズ状の模様が発生するため、印刷物の美観を損ねる恐れがあり、ディザを選択した場合は、一定パターンの繰り返し模様が発生するため、印刷時にモアレが生じる恐れがある。この点に注意した上で設定をすることが望ましい。この最終網点発生方式は、網点全体に対して設定できるので、設計者が設計したい網点形状及び上記の特徴を勘案しながら、自由に選択することが可能である。
(演算項目)
演算項目は、「テンプレート画像内優先度」演算項目、「優先度バッファ」演算項目、「バッファ合成」演算項目、「最終網点発生」演算項目、「出力形式調整」演算項目を有する。
(「テンプレート画像内優先度」演算項目)
「テンプレート画像内優先度」演算項目は、元画像入力手段によって入力された各テンプレート画像に対し、「二値化/階調優先」設定項目及び「網点発生方向」設定項目で設定された内容に基づいて、各テンプレート画像内の少なくとも一部の画素に対して網点発生の順番(以下、「優先度」と言う。)を決定する項目である。テンプレート画像内は、複数の画素に分割されており、例えば、画素が16分割された場合は、画素ごとに1〜16までの優先度を決定する。
(「優先度バッファ」演算項目)
「優先度バッファ」演算項目は、「テンプレート画像内優先度」演算項目によって得られた画素ごとの優先度を、優先度バッファ部に割り当てるための項目である。優先度バッファ部とは、テンプレート画像の画素ごとの優先度を格納するための領域のことである。複数のテンプレート画像が入力された場合、各テンプレート画像に対し、それぞれ独立した優先度バッファ部が割り当てられる。
入力したテンプレート画像に対して行う「テンプレート画像内優先度」演算項目及び「優先度バッファ」演算項目の一例を、図14を用いて説明する。図14にはテンプレート画像1及びテンプレート画像2が入力され、入力されたテンプレート画像1に対して、網点パラメータ設定項目による「二値化/階調優先」設定項目によって『二値化』を設定するとともに、網点パラメータ設定項目による「網点発生方向」設定項目によって『内部から輪郭』に亘って発生するように選択し、入力されたテンプレート画像2に対して、網点パラメータ設定項目による「二値化/階調優先」設定項目によって『二値化』を設定するとともに、網点パラメータ設定項目による「網点発生方向」設定項目によって『0°方向』に発生するように選択した場合を示している。
テンプレート画像1は、「二値化/階調優先」設定項目において『二値化』を設定したことによって、テンプレート画像内の画素のうち、あらかじめ定めた閾値よりも暗い色である全ての画素に対して、網点発生の優先度が割り当てられる。図14の例では、灰色の画素が優先度の割り当て対象になる。さらに「網点発生方向」設定項目において『内部から輪郭』に亘って発生するように選択したことによって、網点発生の順番は、優先度の割り当て対象となる画素の中で、最も中心(内部)に近い部分が優先される。そのため、優先度バッファのうち、中心となる画素に対応する部分に順序「1」が割り当てられる。その後、順序「1」から輪郭に亘って順序「2」、「3」、「4」及び「5」が割り当てられる。このステップによって『優先度バッファ部1』が生成される。順序「2」、「3」、「4」及び「5」に関しては、順序「1」に対して全て同じ発生方向条件となるため、どの順序であっても良く、順序が入れ替わって割り当てられても良い。
テンプレート画像2は、「二値化/階調優先」設定項目において『二値化』を設定したことによって、テンプレート画像内の画素のうち、あらかじめ定めた閾値よりも暗い色である全ての画素に対して、網点発生の優先度が割り当てられる。さらに「網点発生方向」設定項目において『0°方向』に発生するように選択したことによって、網点発生の順番は、テンプレート画像内の各灰色画素に対して、一番左側となる灰色画素が優先される。そのため、優先度バッファのうち、一番左側にある灰色画素に対応する部分に順序「1」が割り当てられる。その後、順序「1」から0°方向(右方向)に順序「2」、「3」及び「4」が割り当てられる。このステップによって『優先度バッファ部2』が生成される。
(「バッファ合成」演算項目)
「バッファ合成」演算項目は、各優先度バッファ部に割り当てられた優先度をもとに、「発生開始タイミング」設定項目及び「網点発生速度」設定項目で設定された内容に基づいて、複数のテンプレート画像の優先度バッファ部の合成を行う項目である。優先度バッファ部の合成を行うことにより、特殊網点の画素に対して優先度が決定されることとなる。
「バッファ合成」演算項目の一例を、図15を用いて説明する。図15における『優先度バッファ部1』と『優先度バッファ部2』を合成する演算を行う。『優先度バッファ部1』は、「発生開始タイミング」設定項目によって『0%』を設定するとともに、「網点発生速度」設定項目によって『10』を設定し、『優先度バッファ部2』は、「発生開始タイミング」設定項目によって『0%』を設定するとともに、「網点発生速度」設定項目によって『10』を設定した場合を示す。
『優先度バッファ部1』及び『優先度バッファ部2』は、同時発生、かつ、同一速度にて発生する設定となっているため、バッファ部を合成する方法において、『優先度バッファ部1』の順序「1」と『優先度バッファ部2』の順序「1」のどちらが優先されてもかまわない。例では、『優先度バッファ部1』の順序「1」が優先される場合で説明する。その場合は、まず、『優先度バッファ部1』の順序「1」が、『バッファ合成部』において順序「1」が割り当てられる。次に、『優先度バッファ部2』の順序「1」が、『バッファ合成部』において順序「2」が割り当てられる。次に、『優先度バッファ部1』の順序「2」が、『バッファ合成部』において順序「3」が割り当てられる。次に、『優先度バッファ部2』の順序「2」が、『バッファ合成部』において順序「4」が割り当てられる。次に、『優先度バッファ部1』の順序「3」が、『バッファ合成部』において順序「5」が割り当てられる。次に、『優先度バッファ部2』の順序「3」が、『バッファ合成部』において順序「6」が割り当てられる。次に、『優先度バッファ部1』の順序「4」が、『バッファ合成部』において、すでに順序が割り当てられているため、『優先度バッファ部1』の順序「5」に対して『バッファ合成部』における割り当てを試みる。しかし、『優先度バッファ部1』の順序「5」も、すでに『バッファ合成部』において順序が割り当てられており、さらに『優先度バッファ部1』には順序「6」以降が存在しないため、割り当てる処理を行わない。次に、『優先度バッファ部2』の順序「4」が、『バッファ合成部』において順序「7」が割り当てられる。このステップによって、図16に示す『バッファ合成結果』が得られる。つまり、重なる画素には、順序を二重付与することはない。
(「最終網点発生」演算項目)
「最終網点発生」演算項目は、「バッファ合成」演算による合成後に、優先度が設定されていない全ての画素に対し、「最終網点発生方式」設定項目で設定された内容に基づいて演算を行うことで、優先度を決定する項目である。
「最終網点発生」演算項目における演算の一例を説明する。図16で得られた『バッファ合成結果』に対して最終網点発生の演算を行う。「最終網点発生方式」設定項目によって『ランダム』を選択した場合を示す。
「最終網点発生方式」設定項目において『ランダム』を選択したことによって、図16で得られた『バッファ合成結果』に対して、順序が割り当てられていない部分においてランダムな順序が割り当てられる。このステップによって、図16に示す『最終網点付与結果』が得られる。
(「出力形式調整」演算項目)
「出力形式調整」演算項目は、「バッファ合成」演算項目及び「最終網点発生」演算項目によって与えられた優先度に基づき、出力先に応じた適切な形式で特殊網点を出力するための処理を行う項目である。処理の例としては、特殊網点の画像形式(BMP、RAW等)変更の他、上下反転、左右反転、階調調整、階調反転等の処理がある。
(プレビュー出力項目)
プレビュー出力項目は、作製された特殊網点の形状を画面上に表示させるための表示方法を設定するとともに、作製された特殊網点の形状を実際にプレビュー画面に表示させる項目である。「プレビュー画像」設定項目、「プレビュー画像」表示項目を有する。
(「プレビュー画像」設定項目)
「プレビュー画像」設定項目は、「計算範囲」、「網点面積率」及び「表示網点個数」を設定する項目である。「計算範囲」を設定する項目は、「元画像入力」手段で入力されたテンプレート画像のうち、プレビュー画像を作製するための演算に用いるテンプレート画像の選択であり、例えば、『選択行のみ』、『選択行まで』、『最後まで』が選択肢として挙げられる。「計算範囲」で設定されなかったテンプレート画像は、作製されるプレビュー画像に何ら影響を与えない。「網点面積率」を設定する項目は、プレビュー画面表示部に表示する網点面積率を設定する。網点面積率とは、1個の網点が占め得る最大面積に対して、実際に1個の網点が占めている面積の割合を指し、網点印刷物においては、網点面積率の大小が網点印刷物の階調の濃淡に対応する。「網点面積率」を設定する項目は、0%から100%までの範囲中の任意の値を指定することが可能であり、指定した網点面積率の網点がプレビュー画面に表示される。「表示網点個数」を設定する項目は、プレビュー画面に表示する網点の個数を設定する。「表示網点個数」の設定は、例えば、『1×1』及び『2×2』が選択肢としてある。
(「プレビュー画像」表示項目)
「プレビュー画像」表示項目は、作製されたプレビュー画像の内容を画面上に表示する項目である。プレビュー画像は、網点の形状を表わした画像であり、元画像入力項目で入力されたテンプレート画像、「網点パラメータ」設定項目で編集されたパラメータ、「最終網点発生方式」設定項目で編集されたパラメータ及び「プレビュー画像」設定項目で設定された内容に従って作製された後、プレビュー画面で表示される。
また、元画像入力項目で入力されたテンプレート画像、網点パラメータ設定項目で編集されたパラメータ、「最終網点発生方式」設定項目で編集されたパラメータ及び「プレビュー画像」設定項目で設定された内容を読み取り、プレビュー画像を作製しプレビュー画面へ表示する。
さらに、元画像入力項目で入力されたテンプレート画像、網点パラメータ設定項目で編集されたパラメータ、「最終網点発生方式」設定項目で編集されたパラメータ及び「プレビュー画像」設定項目で設定された内容のいずれかが変更された場合に、上記一連の項目を開始するための指示を出す。
(特殊網点出力項目)
特殊網点出力項目は、作製された特殊網点をもとに階調模様を作製し、作製した階調模様から版面及び/又は印刷物を得るための項目である。特殊網点印刷物の作製には、例えば、特殊網点から作製した特殊網点印刷物のデータを色分解して印刷版面を出力し、商業印刷機によって印刷する方法、特殊網点から作製した特殊網点印刷物のデータをもとに、直接インクジェットプリンタにより出力する方法などがある。
(特殊網点を作製する装置)
次に図17を参照して、本発明における特殊網点の作製装置について説明する。特殊網点を作製する装置は、元画像入力手段、網点パラメータ設定手段及び演算手段を有している。さらに、特殊網点を作製する装置は、プレビュー出力手段及び特殊網点出力手段を有していても良い。
(元画像入力手段)
元画像入力手段は、特殊網点を作製するための基本となるテンプレート画像を入力する手段である。テンプレート画像の入力は、設計者が、例えば、あらかじめハードディスクに記録された画像ファイルを読み込むこと又は新たな画像ファイルを取り込むことで設定する。
(網点パラメータ設定手段)
網点パラメータ設定手段は、入力した画像に対して画像ごとの網点発生の詳細を設定する手段である。図18に示すように、網点パラメータ設定手段は、「二値化/階調優先」設定部、「網点発生方向」設定部、「発生開始タイミング」設定部、「網点発生速度」設定部、「最終網点発生方式」設定部を有しており、網点パラメータごとに設定と編集を行う。
(演算手段)
演算手段は、元画像入力手段によって入力されたテンプレート画像に対し、網点パラメータ設定手段において入力された網点パラメータに従って演算を行うことで、網点形状パターンを得る手段である。演算手段は、図19に示すように、「テンプレート画像内優先度」演算部、「優先度バッファ」演算部、「バッファ合成」演算部、「最終網点発生」演算部、「出力形式調整」演算部を有する。
(プレビュー出力手段)
プレビュー出力手段は、作製される特殊網点の形状を画面上に表示させるための表示方法を設定する「プレビュー画像」設定部と、作製される特殊網点の形状を実際に画面上に表示する「プレビュー画像」表示部を有する。
(特殊網点出力手段)
特殊網点出力手段は、作製された特殊網点をもとに版面及び/又は印刷物を得るための手段である。特殊網点出力手段の具体例としては、ハードディスク等の記憶装置、フィルム版面出力機等の製版装置又はプリンタ等の印刷装置が挙げられる。
(特殊網点の作製プログラムにおける操作画面)
図20に、特殊網点を作製するプログラムにおける操作画面の一例について示す。操作画面は、「画像ファイル」設定部、「二値化/階調優先」設定部、「網点発生方向」設定部、「発生開始タイミング」設定部、「網点発生速度」設定部、「最終網点発生方式」及び「プレビュー」出力部を有する。
(「画像ファイル」設定部)
「画像ファイル」設定部(a)は、特殊網点を作製するための基本となるテンプレート画像を入力する部である。
(「二値化/階調優先」設定部)
「二値化/階調優先」設定部(b)は、入力したテンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理するかの選択と設定を行う部である。
(「網点発生方向」設定部)
「網点発生方向」設定部(c)は、入力したテンプレート画像の網点を発生させる方向の設定を行う部である。網点を発生させる方向の選択は、網点の内部から輪郭に亘って発生させるか、網点の輪郭から内部に亘って発生させるか、0°〜360°の範囲の任意方向に向かって発生させるかについての選択を行い、網点の外周を輪郭に含めるか含めないかの選択も可能である。
(「発生開始タイミング」設定部)
「発生開始タイミング」設定部(d)は、例えば、テンプレート画像を2種類以上入力した場合、第1のテンプレート画像の網点に対して、第2のテンプレート画像の網点をどのタイミングで発生させるかについて設定する部である。発生開始タイミングとしては、0%〜100%の範囲で設定可能であり、0%の設定の場合は、第1のテンプレート画像の網点と第2のテンプレート画像の網点とを同時に発生させる。また、100%の設定の場合は、第1のテンプレート画像の網点が完成してから第2のテンプレート画像の網点を発生させる。
(「網点発生速度」設定部)
「網点発生速度」設定部(e)は、複数のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合に限り、それぞれのテンプレート画像の網点発生速度を設定することが可能な部である。網点発生速度としては、1〜100の範囲で設定可能であり、設定した数字が小さいほど網点発生速度が速い。
(「最終網点発生方式」設定部)
「最終網点発生方式」設定部(f)は、最終的な網点発生の方式を選択して編集する部である。最終網点発生方式の選択肢としては、ランダム、ディザ及び膨張を有している。
(「プレビュー」出力部)
「プレビュー」出力部(g)は、作製される特殊網点の形状を画面上に表示させるための表示方法を設定する「プレビュー画像」設定項目を備えるとともに、作製される特殊網点の形状を実際に画面上に表示させるための「プレビュー画像」表示項目を備える部である。
(「プレビュー画像」設定項目)
「プレビュー画像」設定項目は、「計算範囲」、「網点面積率」及び「表示網点個数」を設定する。「計算範囲」を設定する項目は、「元画像入力」手段で入力されたテンプレート画像のうち、プレビュー画像を作製するための演算に用いられる画像を選択する。「網点面積率」を設定する項目は、プレビュー画面表示部に表示する網点面積率を設定する。「表示網点個数」を設定する項目は、プレビュー画面表示部に表示する網点の個数を設定する。
(「プレビュー画像」表示項目)
「プレビュー画像」表示項目は、作製されたプレビュー画像の内容を画面上に表示する。また、プレビュー画像は、「プレビュー画像」設定項目からの指示に従って作製が開始され、さらにプレビュー画像は、「元画像入力手段」で入力されたテンプレート画像、「網点パラメータ」設定手段で編集されたパラメータ、「最終網点発生方式」設定部で編集されたパラメータ及びプレビュー内容指定部で指定された内容に従って演算によって作製された後、プレビュー画面表示部で表示される。
図20の「プレビュー」出力部(g)内にある「再計算・表示」項目ボタンは、「元画像入力手段」で入力されたテンプレート画像及び「網点パラメータ」設定手段で編集されたパラメータ及び「最終網点発生方式」設定部で編集されたパラメータ及びプレビュー内容指定部で指定された内容を読み取り、プレビュー画像を作製し、プレビュー画面表示部で表示する一連の工程を開始するための指示を出す。
図20の「プレビュー」出力部(g)内にある「自動再計算」チェックボックスは、「元画像入力手段」で入力されたテンプレート画像、「網点パラメータ」設定手段で編集されたパラメータ、「最終網点発生方式」設定部で編集されたパラメータ及び「プレビュー画像」設定項目で設定された内容のいずれかが変更された場合に、上記一連の工程を開始するための指示を出す部である。
(特殊網点の作製方法)
前述の特殊網点作製装置を用いて、特殊網点を作製する方法について図21を参照して説明する。
(元画像入力方法)
第1に、元画像入力方法は、元画像入力手段により、操作画面の「画像ファイル」設定部(a)において、設計者がテンプレート画像となる元画像の入力を行う(STEP1)。テンプレート画像の入力設定については、特殊網点の設計者が、あらかじめハードディスクに記録された画像ファイルを読み込むことでテンプレート画像を指定する。
テンプレート画像の入力方法は、特殊網点の設計者が、例えば、あらかじめハードディスクに記録された画像ファイルを読み込むこと以外にも、新たな画像ファイルを取り込むことで設定すれば良い。
(網点パラメータ設定方法)
第2に、網点パラメータ設定方法は、網点パラメータ設定手段により、入力した画像に対して画像ごとの網点発生の方法について、詳細を設定する。設定する項目は、「二値化/階調優先」、「網点発生方向」、「発生開始タイミング」、「網点発生速度」及び「最終網点発生方式」である。次に、網点パラメータ設定方法における、各設定項目の設定方法について説明する。
(「二値化/階調優先」設定方法)
「二値化/階調優先」設定方法は、網点パラメータ設定手段により、図20に例示した操作画面の「二値化/階調優先」設定部(b)において、設計者が入力したテンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理するかについての選択を行う方法である。
(「網点発生方向」設定方法)
「網点発生方向」設定方法は、網点パラメータ設定手段により、図20に例示した操作画面の「網点発生方向」設定部(c)において、設計者が、入力したテンプレート画像の網点を発生させる方向の設定を行うものである。
(「発生開始タイミング」設定方法)
「発生開始タイミング」設定方法は、網点パラメータ設定手段により、図20に例示した操作画面の「発生開始タイミング」設定部(d)において、テンプレート画像を2種類以上入力した場合に設定するものである。例えば、第1のテンプレート画像と第2のテンプレート画像を入力した場合に、設計者が、第1のテンプレート画像の網点と第2のテンプレート画像の網点をどのタイミングで発生させるかについての設定を行うものである。
(「網点発生速度」設定方法)
「網点発生速度」設定方法は、網点パラメータ設定手段により、図20に例示した操作画面の「網点発生速度」設定部(e)において、設計者が、それぞれのテンプレート画像の網点発生速度の設定を行うものである。
(「最終網点発生方式」設定方法)
「最終網点発生方式」設定方法は、網点パラメータ設定手段により、図20に例示した操作画面の「最終網点発生方式」設定部(f)において、設計者が、最終的な網点発生の方式を選択するものである。
(演算方法)
第3に、演算方法は、元画像入力手段による画像の入力、網点パラメータ設定手段による網点パラメータの設定が終了した時点で、操作画面における「再計算・表示」又は「再計算&書出」ボタンを押すことで、演算手段によって実施される以下に示す工程の開始指示を行うものである(STEP3)。以降の工程は、すべて演算手段による処理となる。演算方法は、図22に示すように、「テンプレート画像内優先度」演算方法、「優先度バッファ」演算方法、「バッファ合成」演算方法、「最終網点発生」演算方法及び「出力形式調整」演算方法を有する。
(「テンプレート画像内優先度」演算方法)
「テンプレート画像内優先度」演算方法は、「テンプレート画像内優先度」演算部により、元画像入力手段によって入力された各テンプレート画像に対し、「二値化/階調優先」設定部及び「網点発生方向」設定部で設定された内容に基づいて演算を行うことで、各テンプレート画像内の少なくとも一部の画素に対して網点発生の順番を決定するものである(STEP3−1)。
(「優先度バッファ」演算方法)
「優先度バッファ」演算方法は、「テンプレート画像内優先度」演算部によって得られた画素ごとの優先度を「優先度バッファ」演算部に割り当てるための方法である。複数のテンプレート画像が入力された場合、各テンプレート画像に対し、それぞれ独立した優先度バッファ部が割り当てられる(STEP3−2)。
(「バッファ合成」演算方法)
「バッファ合成」演算方法は、前述の「優先度バッファ」演算方法によって各優先度バッファ部に格納された優先度をもとに、「バッファ合成」演算部により、「発生開始タイミング」設定部及び「網点発生速度」設定部で設定された内容に基づいて優先度の合成を行うものである(STEP3−3)。
(「最終網点発生」演算方法)
「最終網点発生」演算方法は、前述の「バッファ合成」演算部による合成後において優先度が設定されていない全ての画素に対し、「最終網点発生」演算部により、「最終網点発生方式」設定部で設定された内容に基づいて演算を行うことで、最終的な網点発生の方式の優先度を決定するものである(STEP3−4)。
(「出力形式調整」演算方法)
「出力形式調整」演算方法は、「出力形式調整」演算部により、バッファ合成部及び最終網点発生部によって与えられた優先度に基づき、出力先に応じた適切な形式で特殊網点を出力するための処理を行うものである(STEP3−5)。
(プレビュー出力方法)
第4に、プレビュー出力方法は、プレビュー出力手段により、図20に例示した操作画面の「プレビュー」出力部(g)において、設計者が、作製された特殊網点の形状を画面上に表示させるための表示方法を「プレビュー画像」設定方法に従って設定するとともに、作製された特殊網点の形状を「プレビュー画像」表示方法に従って実際に画面上に表示させるものである(STEP4)。
(「プレビュー画像」設定方法)
「プレビュー画像」設定方法は、プレビュー出力手段により、操作画面の「計算範囲」、「網点面積率」及び「表示網点個数」を設定するものである。
(「プレビュー画像」表示方法)
「プレビュー画像」表示方法は、プレビュー出力手段により、操作画面の「再計算・表示」において、作製されたプレビュー画像の内容を画面上に表示するものである。プレビュー画像は、「元画像入力手段」で入力されたテンプレート画像、「網点パラメータ」設定手段で編集されたパラメータ、「最終網点発生方式」設定部で編集されたパラメータ及びプレビュー画像指定部で指定された内容に従って演算によって作製された後、プレビュー画像表示部で表示される。
(特殊網点出力方法)
第5に、特殊網点出力方法は、特殊網点出力手段により、作製された特殊網点をもとに階調を有した階調画像を作製し、この作製した階調画像をもとに、版面及び/又は特殊網点印刷物を得るものである。
以下、前述の実施の形態に従って具体的に作製した特殊網点印刷物の実施例について、詳細に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、2種類のテンプレート画像を入力して作製した特殊網点及び作製した特殊網点を用いて作製した特殊網点印刷物を作製する場合について説明する。
第1に、「画像ファイル」設定部において、図23に示す2種類のテンプレート画像を入力する。入力するテンプレート画像として、(a)第1のテンプレート画像、(b)第2のテンプレート画像を示す。
第2に、「二値化/階調優先」設定部、「網点発生方向」設定部、「発生開始タイミング」設定部及び「網点発生速度」設定部において、それぞれのテンプレート画像の詳細を設定する。設定する項目としては、それぞれの設定部ごとに「二値化/階調優先」、「網点発生方向」、「発生開始タイミング」及び「網点発生速度」である。さらに、各テンプレート画像から独立した設定項目として、「最終網点発生方式」設定部において「最終網点発生方式」を設定する。
まず、第1テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『指定方向45°』を選択する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第2テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、階調優先を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
最後に、各テンプレート画像から独立した設定である。「最終網点発生方式」設定部において、『ディザ』を選択する。
第3に、「プレビュー画像」設定項目において、「計算範囲」、「網点面積率」及び「表示網点個数」を設定する。「計算範囲」において『最後まで』を選択し、「網点面積率」において『50%』を指定し、「表示網点個数」において『2×2』を選択する。その後、「プレビュー内容」表示項目において、「再計算・表示」の開始指示を行う。
入力されたテンプレート画像、網点パラメータ及びプレビュー画像の設定内容に従って、「プレビュー画像」表示部において、特殊網点が表示される。さらに作製した特殊網点は、「再計算&書出」ボタンを押すことで、画像ファイルとして保存される。
以上のように作製された特殊網点のグレースケール画像を図24(a)に示す。
さらに、特殊網点をもとに連続階調画像を作製し、作製した連続階調模様をインクジェットプリンタにより用紙に印刷した特殊網点印刷物を図24(b)に示す。
本実施例においては、10種類のテンプレート画像を入力して作製した特殊網点及び作製した特殊網点を用いて作製した特殊網点印刷物を作製する場合について説明する。
第1に、「画像ファイル」設定部において、図25に示す10種類のテンプレート画像を入力する。10種類のテンプレート画像によって、基本網点「壱」の文字が構成される。
第2に、「二値化/階調優先」設定部、「網点発生方向」設定部、「発生開始タイミング」設定部、「網点発生速度」設定部において、それぞれのテンプレート画像の詳細を設定する。設定する項目としては、それぞれの設定部ごとに「二値化/階調優先」、「網点発生方向」、「発生開始タイミング」及び「網点発生速度」である。さらに、各テンプレート画像から独立した設定項目として、「最終網点発生方式」設定部において「最終網点発生方式」を設定する。
まず、第1テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『30°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第2テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『300°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第3テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『30°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第4テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『300°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第5テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『30°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第6テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『300°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第7テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『210°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第8テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『300°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第9テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『30°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
次に、第10テンプレート画像についての設定である。「二値化/階調優先」設定部において、『二値化』を選択する。「網点発生方向」設定部において、網点を発生させる方向は、『内部から輪郭』を選択し、『120°』を設定する。「発生開始タイミング」設定部において、網点の発生開始タイミングは、『100%』に設定する。「網点発生速度」設定部において、網点の発生速度は、『10』に設定する。
最後に、各テンプレート画像から独立した設定である。「最終網点発生方式」設定部において、『ランダム』を選択する。
第3に、「プレビュー画像」設定項目において、「計算範囲」、「網点面積率」及び「表示網点個数」を設定する。「計算範囲」において『最後まで』を選択し、「網点面積率」において『50%』を指定し、「表示網点個数」において『2×2』を選択する。その後、「プレビュー内容」表示項目において、「再計算・表示」の開始指示を行う。
入力されたテンプレート画像、網点パラメータ及びプレビュー画像の設定内容に従って、「プレビュー画像」表示部において、特殊網点が表示される。さらに作製した特殊網点は、「再計算&書出」ボタンを押すことで、画像ファイルとして保存される
以上のように作製された特殊網点のグレースケール画像を図26(a)に示す。
さらに、特殊網点をもとに連続階調画像を作製し、作製した連続階調模様をインクジェットプリンタにより用紙に印刷した特殊網点印刷物を図26(b)に示す。
a 画像ファイル設定部
b 二値化/階調優先設定部
c 網点発生方向設定部
d 発生開始タイミング設定部
e 網点発生速度設定部
f 最終網点発生方式設定部
g プレビュー出力部
a1、a2、a3 画素
L1、L2、L3 網点領域における画素から輪郭までの最短距離

Claims (8)

  1. 基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配列され階調を有して成る特殊網点印
    刷物において、
    前記形状の異なる特殊網点は、前記特殊網点を作製するための元となる2種類以上のテ
    ンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状
    の変化で表した網点であり、
    複数の前記特殊網点のうち、最大の網点面積率の網点と、最小の網点面積率の網点は、
    異なるテンプレート画像における形状の変化で表した網点であり、
    前記2種類以上のテンプレート画像のうち、1種類のテンプレート画像のみで表現可能
    な最大の網点面積率の網点を基準網点とし、前記基準網点を第1の網点とし、前記第1の
    網点における網点領域を第1の網点領域とし、前記第1の網点における網点面積率よりも
    小さい網点面積率を有する網点を、網点面積率が小さくなる順にそれぞれ第2の網点、第
    3の網点、・・・第n(nは2以上の自然数とする)の網点とし、
    前記第nの網点は、前記基準網点を表したテンプレート画像とは、異なるテンプレート
    画像のみで表現可能な最小の網点面積率の網点であり、
    前記第2の網点、第3の網点、・・・第nの網点における網点領域を、第2の網点領域
    、第3の網点領域、・・・第nの網点領域としたとき、
    前記第1の網点、前記第2の網点、前記第3の網点、・・・前記第nの網点は、互いに
    形状が異なり、
    前記第2の網点領域から前記第nの網点領域は、前記第1の網点領域の一部が削除され
    て成り、前記第1の網点領域に対する削除面積が大きいほど網点面積率が小さく、かつ、
    前記第nの網点領域に対応する前記第1の網点領域における所定の領域と、前記第2の網
    点領域から前記第nの網点領域の中の、前記第1の網点領域における所定の領域に対応し
    た領域は、同じ網点面積率を有して成ることを特徴とする特殊網点印刷物。
  2. 基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配列され階調を有して成る特殊網点印
    刷物において、前記形状の異なる特殊網点は、前記特殊網点を作製するための元となるテ
    ンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状
    の変化で表した網点であり、前記テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の
    網点を基準網点とし、前記基準網点を第1の網点とし、前記第1の網点における網点領域
    を第1の網点領域とし、前記第1の網点における網点面積率よりも小さい網点面積率を有
    する網点を、網点面積率が小さくなる順にそれぞれ第2の網点、第3の網点、・・・第n(nは2以上の自然数とする)の網点とし、前記第2の網点、第3の網点、・・・第nの
    網点における網点領域を、第2の網点領域、第3の網点領域、・・・第nの網点領域とし
    たとき、前記第2の網点領域から前記第nの網点領域は、前記第1の網点領域の一部が削
    除されて成り、前記第1の網点領域に対する削除面積が大きいほど網点面積率が小さく、
    かつ、前記第nの網点領域に対応する前記第1の網点領域における所定の領域と、前記第
    2の網点領域から前記第nの網点領域の中の、前記第1の網点領域における所定の領域に
    対応した領域は、同じ網点面積率を有して成る特殊網点印刷物を構成している特殊網点の
    作製方法であって、
    前記特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力
    する元画像入力方法と、
    前記元画像入力方法によって入力された前記テンプレート画像に対して、網点面積率の
    変化を前記第1の網点から前記第nの網点形状の変化によって表す前記特殊網点を作製す
    るため、前記第nの網点から前記第1の網点へ変化する特殊網点の発生方法の設定を設定
    項目ごとに行う網点パラメータ設定方法と、
    前記元画像入力方法によって入力された前記テンプレート画像及び前記網点パラメータ
    設定方法によって設定された設定項目をもとに、前記形状の異なる特殊網点を作製する演
    算方法を有し、
    前記網点パラメータ設定方法は、
    入力した前記テンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理をする
    かの選択を行う二値化/階調優先設定方法と、
    入力した前記テンプレート画像の網点を発生させる方向の選択と、発生させる網点の指
    定方向の設定を行う網点発生方向設定方法と、
    最終的な網点発生の方式を選択する最終網点発生方式設定方法を有することを特徴とす
    る特殊網点の作製方法。
  3. 前記網点パラメータ設定方法は、
    前記テンプレート画像を2種類以上入力した場合、第1のテンプレート画像の網点に対
    して、第2のテンプレート画像の網点を、どのタイミングで発生させるかを設定する発生
    開始タイミング設定方法と、
    複数のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合、それぞれのテンプレート画像
    の網点発生速度を設定する網点発生速度設定方法を有することを特徴とする請求項2記載
    の特殊網点の作製方法。
  4. 前記演算方法は、
    前記元画像入力方法によって入力された前記テンプレート画像に対し、前記二値化/階
    調優先設定方法及び前記網点発生方向設定方法で設定された内容に基づいて演算を行うこ
    とで、前記テンプレート画像内の少なくとも一部の画素に対して網点発生の順番を表す優
    先度を決定するテンプレート画像内優先度演算方法と、
    前記テンプレート画像内優先度演算方法によって得られた前記優先度を格納する優先度
    バッファ演算方法と、
    優先度バッファ部に格納された優先度をもとに、前記発生開始タイミング設定方法
    及び前記網点発生速度設定方法で設定された内容に基づいて優先度の合成を行うバッファ
    合成演算方法と、
    前記バッファ合成演算方法による合成後において優先度が設定されていない全ての画素
    に対し、前記最終網点発生方式設定方法で設定された内容に基づいて演算を行うことで優
    先度を決定する最終網点発生演算方法と、
    前記バッファ合成演算方法及び前記最終網点発生演算方法によって与えられた優先度に基づき、出力先に応じた適切な形式で特殊網点を出力するための処理を行う出力形式調整演算方法を有することを特徴とする請求項3記載の特殊網点の作製方法。
  5. 基材上に、形状の異なる特殊網点が複数規則的に配列され階調を有して成る特殊網点印
    刷物において、前記形状の異なる特殊網点は、前記特殊網点を作製するための元となるテ
    ンプレート画像をもとに、階調を表す網点面積率の変化をテンプレート画像における形状
    の変化で表した網点であり、前記テンプレート画像のみで表現可能な最大の網点面積率の
    網点を基準網点とし、前記基準網点を第1の網点とし、前記第1の網点における網点領域
    を第1の網点領域とし、前記第1の網点における網点面積率よりも小さい網点面積率を有
    する網点を、網点面積率が小さくなる順にそれぞれ第2の網点、第3の網点、・・・第n(nは2以上の自然数とする)の網点とし、前記第2の網点、第3の網点、・・・第nの
    網点における網点領域を、第2の網点領域、第3の網点領域、・・・第nの網点領域とし
    たとき、前記第2の網点領域から前記第nの網点領域は、前記第1の網点領域の一部が削
    除されて成り、前記第1の網点領域に対する削除面積が大きいほど網点面積率が小さく、
    かつ、前記第nの網点領域に対応する前記第1の網点領域における所定の領域と、前記第
    2の網点領域から前記第nの網点領域の中の、前記第1の網点領域における所定の領域に
    対応した領域は、同じ網点面積率を有して成る特殊網点印刷物を構成している特殊網点の
    作製装置であって、
    前記特殊網点を作製するための元となるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力
    する元画像入力手段と、
    前記元画像入力手段によって入力された前記テンプレート画像に対して、網点面積率の
    変化を前記第1の網点から前記第nの網点形状の変化によって表す前記特殊網点を作製す
    るため、前記第nの網点から前記第1の網点へ変化する特殊網点の発生方法の設定を設定
    項目ごとに行う網点パラメータ設定手段と、
    前記元画像入力手段によって入力された前記テンプレート画像及び前記網点パラメータ
    設定手段によって設定された設定項目をもとに、前記形状の異なる特殊網点を作製する演
    算手段を有し、
    前記網点パラメータ設定手段は、
    入力した前記テンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理をする
    かの選択を行う二値化/階調優先設定と、
    入力した前記テンプレート画像の網点を発生させる方向の選択と、発生させる網点の指
    定方向の設定を行う網点発生方向設定と、
    最終的な網点発生の方式を選択する最終網点発生方式設定を有することを特徴とす
    る特殊網点の作製装置。
  6. 前記網点パラメータ設定手段は、
    前記テンプレート画像を2種類以上入力した場合、第1のテンプレート画像の網点に対
    して、第2のテンプレート画像の網点を、どのタイミングで発生させるかを設定する発生
    開始タイミング設定部と、
    複数のテンプレート画像の網点を同時に発生させる場合、それぞれのテンプレート画像
    の網点発生速度を設定する網点発生速度設定部を有することを特徴とする請求項5記載の
    特殊網点の作製装置。
  7. 前記演算手段は、
    前記元画像入力手段によって入力された前記テンプレート画像に対し、前記二値化/階調優先設定部及び前記網点発生方向設定部で設定された内容に基づいて演算を行うことで
    、前記テンプレート画像内の少なくとも一部の画素に対して網点発生の順番を表す優先度
    を決定するテンプレート画像内優先度演算部と、
    前記テンプレート画像内優先度演算部によって得られた前記優先度を格納する優先度バ
    ッファ演算部と、
    前記優先度バッファ演算部に格納された優先度をもとに、前記発生開始タイミング設定
    部及び前記網点発生速度設定部で設定された内容に基づいて優先度の合成を行うバッファ
    合成演算部と、
    前記バッファ合成演算部による合成後において優先度が設定されていない全ての画素に
    対し、前記最終網点発生方式設定部で設定された内容に基づいて演算を行うことで優先度を決
    定する最終網点発生演算部と、
    前記バッファ合成演算部及び前記最終網点発生演算部によって与えられた優先度に基づ
    き、出力先に応じた適切な形式で特殊網点を出力するための処理を行う出力形式調整演算
    部を有することを特徴とする請求項6記載の特殊網点の作製装置。
  8. 特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像を少なくとも1種類以上入力する
    元画像入力手段と、前記入力したテンプレート画像に対して、前記特殊網点を作製するた
    めの設定を設定項目ごとに行う網点パラメータ設定手段と、前記元画像入力手段によって
    入力された前記テンプレート画像から、前記網点パラメータ設定手段によって設定された
    設定項目に従って前記特殊網点を作製する演算手段と、前記演算手段によって得られた演
    算結果を画面上に出力することによって、特殊網点を得るプレビュー出力手段と、前記演
    算手段によって得られた演算結果を出力することによって、特殊網点印刷物又は印刷版面
    を得る特殊網点出力手段を有するコンピュータに実行させる特殊網点の作製プログラムに
    おいて、
    元画像入力手段によって、前記特殊網点を作製するためのもととなるテンプレート画像
    を少なくとも1種類以上入力する元画像入力ステップと、
    網点パラメータ設定手段によって、前記入力したテンプレート画像に対して、前記特殊
    網点を作製するための設定を設定項目ごとに行う網点パラメータ設定ステップと、
    演算手段によって、前記元画像入力ステップで入力された前記テンプレート画像から、
    前記網点パラメータ設定ステップで設定された設定項目に従って前記特殊網点を作製する
    演算ステップを有し、
    前記網点パラメータ設定ステップは、
    入力した前記テンプレート画像に対して二値化の処理をするか、階調優先で処理をする
    かの選択を行う二値化/階調優先設定ステップと、
    入力した前記テンプレート画像の網点を発生させる方向の選択と、発生させる網点の指
    定方向の設定を行う網点発生方向設定ステップと、
    最終的な網点発生の方式を選択する最終網点発生方式設定ステップを有することを特徴
    とする特殊網点の作製プログラム。
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